現在保護されているエリアの特定
最初の作業は、ケニアで現在保護されている地域を特定することです。 データを検索し、そのドキュメントを調べ、ArcGIS Pro でそれを使用して、ケニアで現在保護されている地域の割合を特定します。 この情報は、後でどの地域の保護を優先するかを決定する際に役立てるために使用します。
Living Atlas でのデータ検索
まず、ArcGIS Living Atlas において利用可能で分析に役立つ可能性のあるデータ レイヤーを調べます。
ArcGIS Living Atlas は、Esri および GIS コミュニティによって ArcGIS Online にホストされており、厳選され信頼性の高いデータ レイヤー、マップ、アプリのコレクションです。 ArcGIS 組織アカウントをお持ちの場合は、ブラウザーと ArcGIS Pro を用いてこの膨大なコレクションにアクセスできます。
- ブラウザーで https://livingatlas.arcgis.com/en/home/ にアクセスします。
- ArcGIS Online にサイン インします。
注意:
組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
- ArcGIS Living Atlas 検索ボックスに「world countries generalized」と入力し、検索結果で [World Countries Generalized] をクリックします。
- 検索結果で、[World Countries Generalized] をクリックします。
このレイヤーはフィーチャ レイヤーであり、Esri によってホストされ、信頼できるコンテンツとして ArcGIS Living Atlas と共有されます。
このページから、レイヤーの詳細情報を取得することや、マップ ビューアーまたはシーンでレイヤーを開くことや、ArcGIS Pro にレイヤーを追加することができます。
このレイヤー内の国ポリゴン フィーチャは分析に利用できます。 これらは抽出が可能であり、分析範囲を定義したり、他のレイヤーをクリップしたりするのに使用できます。 このチュートリアルの後半では、このレイヤーのポリゴンを使用してケニアの保護地域を特定し、30x30 の目標を達成するためにさらにどれだけの地域を保護する必要があるかを計算します。
分析を始める前に、もう少し詳しく調査します。
ArcGIS Online レイヤーは、その名前または URL に示されるレイヤー ID を使用して見つけることができます。
https://arcgis.com/home/item.html?id=2b93b06dc0dc4e809d3c8db5cb96ba69 - レイヤー名 [World Countries Generalized] と URL の [アイテム ID] (2b93b06dc0dc4e809d3c8db5cb96ba69) をメモしておきます。
- ArcGIS Living Atlas の検索ボックスに「world database of protected areas」と入力し、結果で [WDPA - World Database of Protected Areas] をクリックします。
- 検索結果で、[WDPA - World Database of Protected Areas] レイヤーをクリックします。
このフィーチャ レイヤーは、国連環境計画世界自然保護モニタリング センター (UNEP-WCMC) と国際自然保護連合 (IUCN) の共同プロジェクトです。 これは、さまざまな環境特性を持つ海洋および陸上の保護地域を示す信頼できる情報ソースです。
このレイヤーは、科学的分析と保全計画、保全ポリシー、保全管理をサポートするために、IUCN と WCMC によって提供されています。 このデータは書面による許可なしに商業目的で使用することはできません。 このチュートリアルで使用されるデータは、UNEP-WCMC の許可を得ています。
注意:
役に立つ可能性のあるデータ レイヤーを調査する場合は、その詳細ページを調べることが重要です。詳細ページには、誰がデータを編集したか、どのように収集されたか、何に使用する予定か、データに使用上の制約があるかどうか、誰がデータを使用できるかなど、データに関する重要なコンテキスト情報が提供されています。このレイヤーは次の場所から入手できます。https://arcgis.com/home/item.html?id=ae78aeb913a343d69e950b53e29076f7
- レイヤー名と [アイテム ID] 値をメモします。
WDPA - 世界保護地域データベース (World Database of Protected Areas)
ae78aeb913a343d69e950b53e29076f7
このチュートリアルの後半では、ケニアの保護地域のポリゴンを使用して、ケニアで保護管理下にある地域の割合を特定し、30x30 の目標を達成するためにさらにどの程度の保護が必要かを判断します。
ArcGIS Living Atlas でいくつかの有用なデータ レイヤーを特定しました。 次に、これらのレイヤーとその他のレイヤーを含む ArcGIS Pro プロジェクト パッケージを開き、データを探索します。
Living Atlas から ArcGIS Pro へのデータの追加
ArcGIS Living Atlas Web サイトですでにデータを確認しています。 ここで、ArcGIS Pro を開いてプロジェクトに ArcGIS Living Atlas データを追加し、そのデータを調べます。
- Model conservative suitability.ppkx プロジェクト パッケージをダウンロードし、ダウンロードしたファイルをコンピューター上で見つけます。
注意:
ほとんどの Web ブラウザーでは、デフォルトでコンピューターのダウンロード フォルダーにファイルがダウンロードされます。 - [Model conservative suitability.ppkx] プロジェクト パッケージをダブルクリックします。
プロジェクト パッケージは、ArcGIS Pro プロジェクトとデータを共有する 1 つの方法です。 これらは圧縮ファイルであり、開くとプロジェクトのコピーが C:\Users\[user name]\Documents\ArcGIS\Packages フォルダーに抽出されます。
プロジェクト パッケージが抽出されるとプロジェクトが開き、ベースマップを表示するマップが表示されます。 [コンテンツ] ウィンドウには多数のレイヤーがありますが、現在はオフになっています。 次に、ArcGIS Living Atlas からこのマップにレイヤーを追加します。
- リボンの [表示] タブで、[カタログ ウィンドウ] をクリックします。
- [カタログ] ウィンドウで [ポータル] をクリックします。
- [Living Atlas] をクリックします。
- [World Countries Generalized] レイヤーの [アイテム ID] 値 2b93b06dc0dc4e809d3c8db5cb96ba69 をコピーし、[Living Atlas の検索] ボックスに貼り付けて、Enter キーを押します。
- 検索結果で、[World Countries Generalized] を右クリックし、[現在のマップに追加] をクリックします。
レイヤーが、マップに追加されます。
- [カタログ] ウィンドウの [Living Atlas の検索] ボックスに「World Database of Protected Areas」と入力し、Enter キーを押します。
- 検索結果で、[WDPA - World Database of Protected Areas] を右クリックし、[現在のマップに追加] をクリックします。
[WDPA - World Database of Protected Areas] レイヤーがマップに追加されます。
ArcGIS Living Atlas からデータを検索し、ArcGIS Pro に追加する方法を見てきました。 次に、このデータを使用してケニアの保護地域を分析し、30x30 の目標を達成するためにさらにどの程度の保護が必要かを判断します。
ポリゴンの抽出
一般化されたケニアのポリゴンを使用して、現在保護されている面積を計算します。
- リボンの [マップ] タブの [照会] セクションで、[場所検索] をクリックします。
場所を見つけるには、場所検索ツールが便利です。
- [場所検索] ウィンドウで、[レイヤー検索] をクリックします。
レイヤー検索オプションは、現在マップ上にあるレイヤー内で検索します。
- 検索ボックスに「Kenya」と入力し、Enter キーを押します。
- 結果で、[Kenya] を右クリックし、[選択セットに追加] をクリックします。
Kenya ポリゴンが選択されます。
- 結果で、[Kenya] を右クリックし、[ズーム] をクリックします。
マップが Kenya に拡大表示されます。
- [場所検索] ウィンドウを閉じます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[World_Countries_Generalized] レイヤーを右クリックし、[データ] をポイントしてから [フィーチャのエクスポート] をクリックします。
[フィーチャのエクスポート] ツールが開きます。
[入力フィーチャ] パラメーターは [World_Countries_Generalized] レイヤーに設定されています。
ツールは、フィーチャが 1 つ選択されていることを検出します。 デフォルトでは選択されたフィーチャのみがエクスポートされますが、スイッチを使用して選択を無視し、すべてのフィーチャをエクスポートすることもできます。
- [出力フィーチャクラス] 名に「KenyaFeature」と入力します。
新しいフィーチャクラスのデフォルトの場所はプロジェクト ジオデータベースとなっていますが、これで適切です。
- [OK] をクリックして、このツールを実行します。
新しい [KenyaFeature] レイヤーがマップに追加されます。 [World_Countries_Generalized] レイヤーはもう必要ありません。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[World_Countries_Generalized] レイヤーを右クリックし、[削除] をクリックします。
- [KenyaFeature] のカラーパッチをクリックします。
- [シンボル] ウィンドウで、[黒 (アウトライン付き)] をクリックします。
国ポリゴンは、黒 (アウトライン付き) シンボルで描画され、塗りつぶされていないため、他のレイヤーを見ることができます。
- [シンボル] ウィンドウを閉じます。
ケニアで現在保護されている地域の範囲を特定するための次のステップは、WDPA レイヤーからその地域を抽出することです。
保護地域の抽出
WDPA レイヤーには全世界のデータが含まれています。 ケニアの保護地域に関する質問に答えるために完全なレイヤーは必要ないので、ケニアに関連するフィーチャを選択し、新しいレイヤーにエクスポートします。
- リボンの [マップ] タブをクリックし、[選択] セクションで [空間条件で選択] をクリックします。
[KenyaFeature] レイヤーを使用して、[WDPA] レイヤーからフィーチャを選択します。
- [入力フィーチャ] として、[WDPA - World Database of Protected Areas\WDPA_poly_Latest] レイヤーを選択します。
- デフォルトの選択リレーションシップ [交差する] を受け入れます。
- [選択フィーチャ] で、[KenyaFeature] レイヤーを選択します。
- [OK] をクリックします。
ケニアと重なる WDPA ポリゴン フィーチャが選択されます。
この簡略化分析の目的においては、各地域がどのようなタイプの保護を受けているかは問題ではありません。 さらに、このレイヤー内のポリゴンは重なり合っており、複数の保護管轄地域に該当するエリアを二重にカウントしない方がよいため、フィーチャをディゾルブします。
注意:
保護地域の公式な計算と報告のためには、通常、データを準備するために他のいくつかの手順が実行されます。 たとえば、人間と生物圏 (MAB) エリアは通常は除外され、特定の国の保護地域は、一般化された国境にクリッピングするのではなく、国のコード (この場合は [KEN]) の [ISO3] 値を持つエリアの属性選択によって選択されます。 WDPA 報告手順の詳細については、「Calculating protected area and OECM coverage」および「User Manual for the World Database on Protected Areas and world database on other effective area-based conservation measures」を参照してください。 - [解析] タブをクリックし、[ジオプロセシング] セクションで [ツール] をクリックします。
- [ジオプロセシング] ウィンドウの検索ボックスに、「ディソルブ」と入力します。
- 検索結果で、[ディゾルブ] ツールをクリックします。
- [入力フィーチャ] として、[WDPA - World Database of Protected Areas\WDPA_poly_Latest] レイヤーを選択します。
これらは保護地域を表すポリゴン フィーチャです。 このホスト フィーチャ サービスには最新バージョンのデータが含まれているため、レイヤー名に Latest が含まれます。
いくつかのフィーチャが選択されているため、ツールは選択されたフィーチャを使用することを示します。
- [出力フィーチャクラス] に「WDPA_Dissolve_」と入力し、月と年 (ここでは「04_24」) を追加します。
[World Database of Protected Areas] レイヤーは毎月更新されます。 利用規約では、最新バージョンのみの使用を推奨しています。 このバージョンのデータがいつ抽出されたかを追跡するために、ツールで抽出された出力に月と年 (この例では 04_24 ですが、このデータを抽出する時点の月と年を使用する必要があります) を追加することをおすすめします。 このレイヤーに基づいた著作物を公開する場合、データを引用するためにこの情報が必要になります。
このツールは、デフォルトでマルチパート フィーチャを作成します。 この場合は、すべての保護地域を、地理的に分離された多くの部分とともに 1 つのフィーチャにマージする必要があるため、都合がよいです。 [マルチパート フィーチャの作成] パラメーターをオフにすると、接触または重なり合うフィーチャのみがマージされます。
- [実行] をクリックします。
ケニアに接する WDPA フィーチャはディゾルブされたので、今度はそれらをケニアの境界にクリップします。
- [ディゾルブ] ツールの上部にある戻るボタンをクリックします。
- [ジオプロセシング] ウィンドウの検索ボックスに、「ペアワイズ クリップ」と入力します。
- 結果で、[ペアワイズ クリップ] をクリックします。
- [入力フィーチャ] として、[WDPA_Dissolve_04_24] を選択します。
これらは、ディゾルブしたポリゴン フィーチャであり、ケニアの国内にある、またはケニアの国境に接する保護地域を表します。
- [クリップ フィーチャ] には、[KenyaFeature] を選択します。
- [出力フィーチャクラス] に「WDPA_Kenya_」と入力し、月と年 (ここでは「04_24」) を追加します。
このバージョンのデータがいつ抽出されたかを追跡するために、ツールで抽出された出力に月と年 (ここでは「04_24」) を追加することをお勧めします。
- [実行] をクリックします。
ツールが実行され、ディゾルブされた保護地域がケニアの境界にクリップされます。
マップ上のソース [WDPA - World Database of Protected Areas] レイヤーと [WDPA_Dissolve_04_24] レイヤーはもう必要ありません。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[WDPA - World Database of Protected Areas] を右クリックし、[削除] をクリックします。
- [WDPA_Dissolve_04_24] を右クリックし、[削除] をクリックします。
ケニアの面積を計算
ケニアの国を表すポリゴンとケニアの保護地域を表すポリゴンができたため、現在ケニアで何らかの保護下にある地域の割合を計算できます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[KenyaFeature] を右クリックし、[属性テーブル] をクリックします。
- 属性テーブルで、[Shape_Area] 列までスクロールし、フィーチャの面積の値を調べます。
フィーチャの面積は 586683013946.813599 平方メートルです。メートルがこのレイヤーの座標系の距離単位です。
注意:
このデータの座標系は Web メルカトルですが、面積計算には適していないため、測地学的に計算された面積を格納するフィールドを追加します。 - [追加] をクリックします。
- [フィールド] リストの [フィールド名] に「Area_KM」と入力します。
- 新しいフィールドの [データ タイプ] 列をダブルクリックし、[Double] をクリックします。
- リボンの [フィールド] タブの [編集の管理] セクションで、[保存] をクリックします。
- [Area_KM] フィールド名を右クリックし、[ジオメトリ演算] をクリックします。
[ジオメトリ演算] ツールを使用すると、フィーチャ ジオメトリに基づいて計算されたデータを属性に追加できます。
- [ジオメトリ演算] ツールの [ジオメトリ属性] セクションの [フィールド] で、[Area_KM] を選択します。
- [プロパティ] で、[Area (geodesic)] を選択します。
- [面積単位] には、[平方キロメートル] を選択します。
測地線面積を使用すると、より正確な面積値が得られます。
[面積単位] パラメーターを [平方キロメートル] に設定すると、ケニアの何パーセントが現在保護されているかを後で計算するのが簡単になります。
- [OK] をクリックします。
面積計算の結果は 581,864 平方キロメートルです。 このレイヤーの国境は一般化されているため、ケニアの公式面積とは若干異なります。 この分析の目的においては十分に正確です。
保護地域の面積を計算
保護地域レイヤーの面積を計算します。 [WDPA_Kenya_04_24] レイヤーでケニアの面積を計算するために使用したプロセスを繰り返します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[WDPA_Kenya_04_24] レイヤーを右クリックし、[属性テーブル] を選択します。
- 属性テーブルで、[フィールドの追加] をクリックします。
- [Double] タイプの [Area_KM] という名前の新しいフィールドを追加し、変更を属性テーブルに保存します。
- [フィールド] ウィンドウを閉じます。
- [WDPA_Kenya_04_24] テーブルで、[Area_KM] フィールド名を右クリックし、[ジオメトリ演算] をクリックします。
- [ジオメトリ演算] ツールで、[フィールド] を [Area_KM] に、[プロパティ] を [Area (geodesic)] に、[面積単位] を [平方キロメートル] に設定し、[OK] をクリックします。
- [Area_KM] フィールドの結果の値を調べます。 約 91,382 になっているはずです。
総面積は 581,864 平方キロメートルで、そのうち 91,382 平方キロメートル、つまり 15.7% が現在保護されています。
- [WDPA_Kenya_04_24] レイヤーの属性テーブルを閉じます。
- [KenyaFeature] レイヤーの属性テーブルを閉じます。
- [保存] をクリックして、プロジェクトを保存します。
ケニアは現在、国連の 30x30 目標の約半分を達成しています。 30% に到達するには、さらに約 87,000 平方キロメートルを保護する必要があります。 ここで問題となるのは、どの 87,000 km² を保護すべきかということです。 ケニアで生物多様性を保全するのに最も適した場所はどこなのでしょうか?
次のセクションでは、ArcGIS Spatial Analyst エクステンション の Suitability Modeler を使用して、その質問の回答に役立てます。
優先エリアの特定
国連の 30x30 の目標を達成するために、さらにどの程度の面積を保護する必要があるかが明確になったため、保護エリアに追加すべき最優先エリアを決定するという課題に取り組みます。 ArcGIS Living Atlas のデータと ArcGIS Spatial Analyst エクステンション の Suitability Modeler を使用して、保全の重要度の高い追加エリアを特定します。
データ レイヤーの確認
以前に ArcGIS Living Atlas でレイヤーを確認し、これらのレイヤーを ArcGIS Pro に追加する方法を学習しました。 これからデータを確認し、解析で検討するレイヤーについて調べます。
- [コンテンツ] ウィンドウで [WDPA_Kenya_04_24] レイヤーをオフにします。
- [コンテンツ] ウィンドウで [GlobalTerrRaR_025deg] レイヤーをオンにします。
- [コンテンツ] ウィンドウで [GlobalTerrRaR_025deg] レイヤーを展開してシンボルを表示します。
このレイヤーには 2 変量シンボルがあります。 2 変量シンボルにより、2 つの変数間の定量的な関係性を把握できます。 [GlobalTerrRaR_025deg] レイヤーには、陸生脊椎動物の複数の種 (鳥類、爬虫類、哺乳類、両生類) について計算された種の豊富さと種の希少度が表示されます。 種の豊富さは、ある地域において種の多様性がどの程度かを数値化したものです。豊富さの度合いが高いエリアを保護すれば多くの種を保護することになるため、これは考慮すべき重要な基準です。 種の希少度は、ある地域でのみ見つかっている種がどの程度珍しいかを数値化したものです。 これも重要な基準です。あるエリアが珍しい種に適した数少ないエリアの 1 つである場合、そのエリアの保護がその希少種を保護する唯一の方法である可能性があるためです。
このレイヤーを調べると、ケニア南西部は種の豊富さと種の希少度の両方が高く (濃い青色)、北東の地域は全体的に種の希少度が中程度で種の豊富さが低いことがわかります。
見てわかるように、特に海岸沿いと主要都市ナイロビの北部といった特定のエリアは種の希少度の高いエリアとして際立っています。
このレイヤーは Map of Life によって公開され、Half-Earth Project、EO Wilson Foundation、Yale University が生物多様性の保全を支援するために作成したものです。
これは、ArcGIS Living Atlas にあります。
このレイヤーの利用規約では、商用目的または個人的利益のための利用が禁じられています。 このチュートリアルで使用されるレイヤーは、Map of Life および Yale University の許可を得ています。
- [GlobalTerrRaR_025deg] レイヤーをオフにします。
- [World Distance to Water] レイヤーをオンにします。
このレイヤーでは、湖や河川、海などの大規模な水域からの距離が地勢スケールで推定されます。 水の分布は多くの種の分布に影響します。 また、GBF ターゲット 3 の要素として、陸域および海域保護区を組み込むことも挙げられています。
マップには、海岸線まで、またビクトリア湖や河川のといった内陸の水源までの距離が示されています。
この国の北東部は、他よりも乾燥したエリアとして際立っています。
このレイヤーは Esri、USGS、ESA によって公開され、以下で ArcGIS Living Atlas と共有されています。
https://www.arcgis.com/home/item.html?id=46cbfa5ac94743e4933b6896f1dcecfd
- [World Distance to Water] レイヤーをオフにします。
- [European Space Agency WorldCover 2021 Land Cover] レイヤーをオンにして展開します。
このレイヤーには、10 メートルの解像度の衛星画像から得た土地被覆クラスが表示されます。 これは現在の世界の地勢についての非常に正確な情報です。
どの生態系の機能とサービスを優先するかを決定するために、30x30 の目標に従い、保全対象として、耕作地や都市部よりも樹木被覆や低木地のあるエリアを優先します。
このレイヤーは WorldCover Consortium および European Space Agency による 2020/2021 年のものです。 データは Sentinel 地球観測衛星画像から取得しました。
これは、ArcGIS Living Atlas にあります。
https://www.arcgis.com/home/item.html?id=e28b7e1da5414010ba4f47dd5a3c3ebb
- [European Space Agency WorldCover 2021 Land Cover] レイヤーをオフにします。
- [Land Cover Vulnerability Change 2050 - Country] レイヤーをオンにして展開します。
このレイヤーは Clark University の Clark Labs が土地被覆の変化トレンドに着目し、それらのトレンドを基に 2050 年の状態を推定して作成したものです。
Clark Labs は、今後 30 年間ほどで、どのような地勢および土地被覆タイプが変化に対して脆弱かを理解するためのモデルを作成しました。
都市化や森林伐採のような問題が発生し、変化に対してより脆弱なエリアがあります。
濃い紫色のエリアはそれほど脆弱ではありませんが、マップで明るい黄色で描画されているエリアは危険にさらされており、持続可能性が低下する前に保全を必要としています。 これらのレイヤーを使用することは、生物多様性の重要度の高いエリアが失われないようにする活動に関連する GBF ターゲット 1 に役立ちます。
このレイヤーは Living Atlas の以下の場所にあります。
https://www.arcgis.com/home/item.html?id=20bfd812017e4bc1a241d2581c156bcd
Creative Commons By Attribution ライセンスに従って共有されています。
データの調査が完了したので、Suitability Modeler を使用してデータ同士を比較して重み付けをし、30x30 の目標を達成するために保全が推奨される国内のさらなるエリア 15% を判定します。
解析のためにデータをラスター化
処理を迅速に行うために、クリップして Suitability Modeler にローカルに保存したレイヤーのセットで作業します。
- マップ ウィンドウで [Kenya] マップ タブをクリックします。
このマップには、前のマップのレイヤーのコピーが少し変更された状態で含まれています。
- 処理を迅速に行うために、ケニア境界フィーチャを使用して各レイヤーをクリップし、プロジェクトのローカル データとして格納しました。 変更されていることを示すために、レイヤー名に接尾辞 _Kenya が追加されました。
- 適合性解析を簡易化するために、種の豊富さと希少度の 2 変量レイヤーが複製され、各レイヤーが豊富さまたは希少度の属性で個々にシンボル表示されます。シンボルはそれぞれの属性を個々に強調するよう調整されています。
- 水レイヤーまでの距離がストレッチと新しい配色でシンボル表示されます。
解析を開始する前に、データの準備手順があと 2 つあります。 Suitability Modeler ではラスター データを使用します。 種の豊富さと種の希少度レイヤーはフィーチャ レイヤーであるため、これらをラスターに変換する必要があります。
- 処理を迅速に行うために、ケニア境界フィーチャを使用して各レイヤーをクリップし、プロジェクトのローカル データとして格納しました。 変更されていることを示すために、レイヤー名に接尾辞 _Kenya が追加されました。
- [ジオプロセシング] ウィンドウを開き、検索ボックスに「feature to raster」と入力します。
- [フィーチャ → ラスター] をクリックします。
- [フィーチャ → ラスター] ツールの [入力フィーチャ] で、[GlobalTerrRaR_025_Richness_Kenya] を選択します。
- [フィールド] で [Rich_all] を選択します。
- [出力ラスター] で、「GlobalTerrRaR_025_Richness_Raster_Kenya」と入力します。
- [出力セル サイズ] で、「1000」と入力します。
1,000 メートル、つまり 1 km のセル サイズは、比較的大きいポリゴンと取得する必要のある境界の中間です。
- [実行] をクリックします。
ラスター レイヤー [GlobalTerrRaR_025_Richness_Raster_Kenya] がマップに追加されます。
ツールを閉じる前に、種の希少度レイヤーでも実行します。
- [入力フィーチャ] で、[GlobalTerrRaR_025_Rarity_Kenya] を選択します。
- [フィールド] で [Rar_all] を選択します。
- [出力ラスター] に「GlobalTerrRaR_025_Rarity_Raster_Kenya」と入力します。
- [実行] をクリックします。
[GlobalTerrRaR_025_Rarity_Raster_Kenya] ラスター レイヤーがマップに追加されます。
2 つの新規レイヤーのシンボルは元のレイヤーと異なるものになります。
元の豊富さおよび希少度フィーチャ レイヤーはもう必要ありません。
- [コンテンツ] ウィンドウで [GlobalTerrRaR_025_Rarity_Kenya] を右クリックし、[削除] をクリックします。
- [コンテンツ] ウィンドウで [GlobalTerrRaR_025_Richness_Kenya] を右クリックし、[削除] をクリックします。
これで、これらのレイヤーがラスター形式に変換され、Suitability Modeler を使用して作業を開始する準備が整いました。
適合性解析の開始
次に、新しい適合性解析モデルを起動し、ラスターを追加します。
- リボンの [解析] タブの [ワークフロー] セクションで、[適合性モデラー] をクリックします。
リボンに [適合性モデラー] タブが表示され、[適合性モデラー] ウィンドウが表示されます。
最初のステップは、新しいモデルの作成です。
- [モデル名] に「Kenya conservation priorities」と入力します。
- [出力適合性ラスター] に「Conservation_suitability_Kenya」と入力します。
[Kenya conservation priorities] モデル レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。
次のステップで、モデルに情報レイヤーを追加します。
- [適合性モデラー] ウィンドウで、[適合性] タブをクリックします。
次のステップで、モデルに情報レイヤーを追加します。
- [条件] セクションの [入力ラスター] で、[コンテンツから追加] ボタンである下矢印をクリックします。
- [追加] ボタンの左にある [すべて選択] ボタンをクリックします。
- [追加] をクリックします。
入力ラスターがモデルに追加されます。
適合性モデルへのラスターの追加が完了しました。 次に、レイヤーを一般的な 1-10 適合性スケールに変換します。
レイヤーの変換
適合性モデリング ワークフローでの次のステップは、ラスターの変換です。 最初に変換するラスターは水ラスターまでの距離です。 これは連続ラスターであり、水までの距離として 10 段階を使用するよう変換します。
- [条件] テーブルで、[Distance_to_Water_Kenya] の横にある円をクリックします。
[変換] ウィンドウで [Distance_to_Water_Kenya] レイヤーが開きます。
[変換] ウィンドウで、ラスターのデータ分布がヒストグラムとして表示されます。
[変換ウィンドウ] に、表示中のフィールドと各クラスの値の範囲も表示されます。
このデータでは、プロパティに基づいて [クラスの範囲] 変換が選択されています。 デフォルトの値マッピングを見ると、入力ラスターの小さい値に小さい適合性値が割り当てられています。 各レイヤーの変換方法を確認し、モデル作成の対象となっている問題に適しているかどうかを判断します。 この特定のラスターでは、小さい値は水までの距離が短いことを意味し、これは適合性のランクが高いと判定されます。 このデータで [クラスの範囲] 変換を使用する場合、[反転] ボタンをクリックしてクラスの順序を反転させます。 これで水に近い場所のランクが高くなり、水から遠い場所のランクが低くなります。
あるいは、別のタイプの変換を選択します。
- [連続的な関数] をクリックします。
[MSSmall] 関数が最適と判断されています。
[変換] ウィンドウに、変換後の値のヒストグラムにデータを適合する曲線が表示されます。
ヒストグラムが更新され、関数の適合線が表示されます。
このデータに適した関数は MSSmall です。 この関数は、平均と標準偏差に基づいて入力データのスケールを変更します。入力ラスターの値が小さいほど、優先度が高くなります。 この関数では、短距離および中距離エリアは適合性が高いものとして分類され、長距離エリアは適合性が低いものとして分類されます。 変換関数の詳細をご参照ください。
これは、この問題の適合性モデルとしてより正確です。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Kenya conservation priorities] レイヤーがオンになっていることを確認します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Conservation_suitability_kenya] 出力ラスター レイヤーをオフにします。
[Conservation_suitability_kenya]出力ラスターについては、適合性解析の最後に確認します。
[変換済み Distance_to_Water_Kenya] レイヤーが [変換] ウィンドウに追加されると、[コンテンツ] ウィンドウと [Kenya] マップにも追加されます。
このレイヤーでは、水までの距離が長いことを赤色で表し、距離が短いことを緑色で表しています。
注意:
マップが以下のようになっていないことを確認します。これは、水までの距離レイヤーで [クラスの範囲] 変換を使用した場合です。
マップの南部がほぼ赤色で、北東部に緑色のエリアが少しある場合、適合性の値が反転されており、水までの距離が遠い場所のランクが高く、水に近い場所のランクが低くなっています。 これを修正するには、[変換] ウィンドウで [連続的な関数] タブをクリックします。 ヒストグラムと適合線が以下のようになっていることを確認します。
この作業を行うと、マップは以下のように更新されます。
この変換により、元のラスターでの直線的な距離値が 1-10 スケールに変換され、オーバーレイで他のレイヤーに追加することが可能になります。
次に、もう 1 つのレイヤーを変換します。
- [条件] テーブルで、[GlobalTerrRaR_025_Rarity_Raster_Kenya] の横にある円をクリックします。
[変換] ウィンドウが更新され、希少度レイヤーのクラスの範囲が表示されます。
このレイヤーでは、希少度の値が大きいほど、高い適合性値が割り当てられます。
値のヒストグラムも表示されます。
レイヤーが [Kenya] マップと [Kenya conservation priorities] グループ レイヤーのコンテンツに追加されます。
- [条件] テーブルで、[GlobalTerrRaR_025_Richness_Raster_Kenya] の横にある円をクリックします。
[変換] ウィンドウが更新され、豊富さレイヤーのクラスの範囲が表示されます。
このレイヤーでは、豊富さの値が大きいほど、高い適合性値が割り当てられます。
[変換] ウィンドウには値のヒストグラムも表示されます。
- [条件] テーブルで、[LandCoverVulnerability_Kenya] の横にある円をクリックします。
このレイヤーでは、脆弱性の値が大きいほど、高い適合性値が割り当てられます。
これで、ほとんどの入力条件の変換が完了しました。 土地被覆レイヤーはカテゴリ変数であるため、変換方法が少し異なります。
土地被覆変数の再分類
次のステップでは、この解析を行うためのデータの準備として、土地被覆レイヤーのカテゴリ変換を指定します。 そのために、生物多様性の値に基づいて特定の土地被覆クラスの優先付けをします。
ラスターには個別カテゴリが含まれています。 再分類を容易にするために、変換に使用するフィールドを変更します。
- [条件] テーブルで、[EuropeanSpaceAgencyWorldcover_Kenya] の横にある円をクリックします。
[変換] ウィンドウに現在のデフォルト マッピングが表示されますが、これはラスター属性テーブルのオブジェクト ID 値に基づいたものです。 これを、土地被覆クラス名を使用するように変更します。
- [変換] ウィンドウで、[Value] をクリックして [ClassName] をクリックします。
これで、[変換] ウィンドウにクラス名と値のマッピングが表示されます。
生態系の機能とサービスの優先付けをするために、樹木被覆地のランクを最も高くします。
- [適合性] 列の [Tree Cover] の値をクリックし、「10」と入力して Enter キーを押します。
これが最高値です。 灌木地は生物多様性の観点からも重要であるため、少し低い適合性ランク 9 を割り当てます。
- [適合性] 列の [Shrubland] の値をクリックし、「9」と入力して Enter キーを押します。
草地は生物多様性の観点からも重要であるため、少し低い適合性ランク 8 を割り当てます。
- [適合性] 列の [Grassland] の値をクリックし、「8」と入力して Enter キーを押します。
保全の観点から見て最も重要度の低いエリアは、建物が密集する都市部です。
- [適合性] 列の [Built-up] の値をクリックし、「1」と入力して Enter キーを押します。
耕作地もこの解析において重要度が低いため、低い適合性値 2 を割り当てます。
- [適合性] 列の [Cropland] の値をクリックし、「2」と入力して Enter キーを押します。
まったく草木が生えていないか、わずかに草木が生えているエリアもこの解析において重要度が低いため、そのクラスには値 3 を割り当てます。
- [適合性] 列の [Bare or sparse vegetation] の値をクリックし、「3」と入力して Enter キーを押します。
このマッピングはケニアの土地被覆の大半に対応しています。
- 下にスクロールして残りの値を表示します。
マングローブ (Mangroves) と草本湿地 (Herbaceous wetland) は生物多様性の観点から見て価値が高いため、それぞれデフォルトの適合性である 9 と 10 のままにします。
雪や氷 (Snow and Ice) に覆われた土地はケニアでは少なく、永続的な水域は水生生物多様性の点で重要です。 これらではデフォルト値をそのまま使用します。
変換後の値の分布がヒストグラムに表示されます。
次に、適合性モデルの結果をプレビューします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Conservation_suitability_Kenya] レイヤーをオンにします。
マップにモデルの結果が表示されます。
途中の結果を見ると問題はないため、モデルを実行してプロジェクト ジオデータベースに出力のラスター コピーを作成します。
出力の解像度の指定とモデルの実行
モデルを実行する前に、出力のセル サイズを設定する必要があります。 デフォルトでは、セル サイズは各入力レイヤーの最大のセル サイズです。 この解析では、いくつかの高解像度レイヤーと 2 つの非常に解像度の低いレイヤー (種の豊富さと希少度) があります。 デフォルトでは、出力の解像度は 2 つの低解像度レイヤーに合わせて 1 km になっています。
低解像度の出力は、処理時間が短く、ディスク スペース使用量が少なくて済みますが、土地管理に関する判断をする際の有用性の面では劣ります。 高解像度の出力は、処理に時間がかかり、ディスク スペースをより多く使用しますが、判断には有用です。
ここでは、出力の解像度をその中間値に設定します。
- [適合性モデラー] ウィンドウで、[環境] タブをクリックします。
- [ラスター解析] セクションまでスクロールして展開します。
- [セル サイズ] で、[以下に一致 レイヤー Distance_to_Water_Kenya] を選択します。
このレイヤーのセル サイズは約 200 メートルであり、これはデータの最高の解像度 (10 メートル) と最低の解像度 (1 km) の中間です。
- [パラメーター] タブをクリックします。
- [適合性モデラー] ウィンドウで、[実行] をクリックします。
モデルが実行され、[Conservation_suitability_Kenya] ラスター レイヤーが作成されます。 コンピューターによっては、これに数分かかることもあります。
大きなブロック状の 30 km ピクセルの出力で、低解像度データの影響がわかります。ただし、高解像度レイヤーの詳細なデータ品質もある程度維持されています。 この解析では、この出力解像度で問題ありません。
出力での値の範囲は、50 (各入力レイヤーの最大値 10 ポイント) から 16.8 ポイント (各入力レイヤーの低スコア) までです。 出力の値が大きいエリアは、モデルに割り当てた値に基づいた保全の優先度の高いところです。
結果は、データのほか、どのレイヤーを含めるかについてのプロフェッショナルとしての知識と判断、各種レイヤーの重要度、値の変換と重み付けに基づいています。
モデリングは非直線的な反復的プロセスであり、固有の制約があります。 評価環境を使用して、レイヤーが結果にどのように影響しているかを把握することが重要です。
次のステップで、保全を提案する領域を特定します。
領域の特定
Suitability Modeler で、モデルの結果レイヤーに基づいて領域を特定できます。 次に、30x30 の目標を達成するために必要な残りの 15% に相当する合計面積を構成する領域を特定します。
- [適合性モデラー] ウィンドウで、[場所検索] タブをクリックします。
- [入力適合性マップ] で [Conservation_suitability_Kenya] を選択します。
- [合計面積] に「87000」と入力します。
これは、30x30 の目標を達成するために追加で保全する必要のある土地の面積として計算したものです。
- [面積単位] で、[平方キロメートル] を選択します。
- [出力ラスター] で、「Kenya_conservation_areas」と入力します。
- [領域の数] に「4」と入力します。
[領域の数] パラメーターの横の警告は、値として選択した 4 が 8 未満であるため、選択方法として結合方法が使用されることを示しています。 [場所検索] ウィンドウの領域の拡大および検索パラメーター セクションを使用してこの方法を変更できますが、ここではその必要はありません。 領域が少ない場合の選択方法としては結合方法が適しています。 8 より多い領域を選択すると、領域数が多い場合により効率的な選択方法である連続選択方法がデフォルトで使用されます。
- [領域間の最大距離] に「50」と入力します。
- [距離単位] で [キロメートル] を選択します。
各領域の最小面積と最大面積のほか、確実に分散するように領域間の最小距離を設定できますが、この解析ではその必要はありません。
- [既存の領域の入力適合性マップまたはフィーチャ] で参照ボタンをクリックします。
- [データベース] をクリックします。
- [model_conservation_suitability.gdb] ジオデータベースをダブルクリックします。
- [WDPA_04_24_Kenya] をクリックして、[OK] をクリックします。
以前に他のマップで作成したこのレイヤーには、既存の保全エリアがあります。 このツールでは、既存の保全エリアを提案する保全エリアに追加しないようにすることができます。
- [実行] をクリックします。
ツールが実行され、新しい [Kenya_conservation_areas] レイヤーがマップに追加されます。
結果として、ケニア国内の合計面積 87,000 km² の領域が表示されます。 現在保全されているエリアは含まれておらず、連続として優先付けされています。 種の豊富さ、種の希少度、水へのアクセスが高く、ほとんどが樹木で被覆され、草地と低木地、変化に対する脆弱性の大きいエリアも優先付けされています。
グレー、赤、青、黄色で表示されているエリアは、このモデルで最も重要な保全エリアとして特定されたものです。 これらのエリアでは生物多様性が高く、保全しないと重要な生態系の機能が低下する恐れがあります。
その 1 つは海岸線に近く、より大きなシースケープ (海底の地勢) への統合という国連の目標と合致します。
そのうちいくつかは、ケニアの主要都市に近く、生物多様性が豊かで、樹木で被覆された領域です。
このチュートリアルでは、ケニアの現在保護されているエリアを特定し、国連の 30x30 の目標を達成するために追加で保護する必要のあるエリアを特定しました。 世界生物多様性枠組みの目標に合わせて、生物多様性が高く、生態系の機能の重要度の高いエリアを保全できるように、解析を実行しました。 ArcGIS Living Atlas のデータを Suitability Modeler で使用して、変換後のレイヤーの加重オーバーレイを作成しました。 [場所検索] 機能を使用して、さまざまな要因を調整した上で、既存の保全エリアに加える少数の保全エリアを特定しました。
さらに、[Kenya_conservation_areas] ラスターをフィーチャ レイヤーに変換し、Web マップで共有することも可能です。 こうすることで、解析結果を同僚やコミュニティ全体に伝えることができます。 ArcGIS StoryMaps を使用して、マップをストーリーの一部として含めることで、この解析、30x30 の目標、エリアの保全について説明できます。