プロジェクトと画像の設定
最初に、DSM とトゥルー オルソについて詳しく学習します。 次に、データをダウンロードして内容を確認し、ArcGIS Pro プロジェクトを作成して、環境を設定します。さらに、リアリティ マッピング ワークスペースを作成して、バックアップします。
注意:
ArcGIS Reality for ArcGIS Pro を使用するには、次のソフトウェアを以下の順序でインストールしてライセンス認証する必要があります。
- ArcGIS Pro Standard または Advanced バージョン 3.1 以降
- ArcGIS Reality Studio
- ArcGIS Reality for ArcGIS Pro エクステンション
- ArcGIS Coordinate System Data
このチュートリアルでは、これらの手順がすでに完了していることを前提としています。 手順を追った説明については、「ArcGIS Reality for ArcGIS Pro のインストール」ページをご参照ください。
DSM とトゥルー オルソの学習
最初に、DSM とトゥルー オルソについて詳しく学習します。
数値表層モデル (DSM) とは、樹木や建物など、地表にある対象物の高さが含まれる地球のデジタル標高データセットのことです。

トゥルー オルソとは、パースペクティブな歪みを除去するために DSM を使用して補正されたオルソ補正済み画像のことです。 その結果、起伏または高層建造物によって引き起こされるずれが除去されます。 たとえば、横に傾いて地表のフィーチャを不明瞭にする建物がなくなります。 トゥルー オルソを使用すれば、建物フットプリントやその他のフィーチャを高精度で特定できます。

DSM やトゥルー オルソなどの 2D プロダクトは、航空デジタル データとドローン センサー データから生成できます。 使用する画像としては、直下画像をお勧めします。直下画像は、カメラの光軸が地面に対して垂直状態 (縦方向) で撮影された画像です。 建物の屋根など、地形内に存在するフィーチャの上面が適切に取り込まれます。
画像のオーバーラップ (重複) は必須であり、最低限、画像の帯内で 60% のオーバーラップ、および画像の帯間で 30% のオーバーラップが必要になります。 画像の帯内および帯間で 80% 以上のオーバーラップがあれば最適な結果が得られます。
これらのトピックの詳細については、「ArcGIS Pro のリアリティ マッピング」ドキュメント ページをご参照ください。
データのダウンロードと内容確認
このチュートリアルで必要なデータをダウンロードして確認します。
- SanFrancisco_Data.zip ファイルをダウンロードし、コンピューター上でそのファイルを選択します。
注意:
このファイルは約 3.8 GB なので、ダウンロードには数分かかる場合があります。
ほとんどの Web ブラウザーでは、デフォルトでコンピューターのダウンロード フォルダーにファイルがダウンロードされます。
- [SanFrancisco_Data.zip] ファイルを右クリックして、C:\Sample_Data に展開します。
注意:
データのパスは、正確に C:\Sample_Data\SanFrancisco_Data にしてください。 データをコンピューター上の別の場所に保存する場合は、このワークフローの後の手順で使用する [SanFrancisco_Frames_Table.csv] ファイル内の各エントリでパスを更新する必要があります。
- 展開した [SanFrancisco_Data] フォルダーを開いて内容を確認します。
[AOI]、[DEM]、[Frames]、[Images]、[Output]、[PP_GCPs] の 6 つのサブフォルダーが含まれています。
- [Images] フォルダーを開き、[Type] を 2 回クリックしてファイルの種類で並べ替えます。
このフォルダーには、処理対象のすべての航空写真が、27 の TIFF 形式のファイルとして含まれています。
- [12013-lvl02-color_rgb.tif] の画像を見つけます。
- 画像をダブルクリックして、デフォルトの画像閲覧アプリケーションで開きます。
このフォルダー内の画像はすべて、2D プロダクトを生成する場合に推奨される直下画像です。
注意:
この画像は Vexcel Data Program により提供されました。 2022 年に Vexcel の UltraCam センサーで撮影された、サンフランシスコのある区域を対象とした高品質のデジタル航空写真で構成されています。 ピクセルあたり約 7 cm の高解像度の写真となっています。
- 画像を表示したウィンドウを閉じます。
- [SanFrancisco_Data] を参照し、[Frames] フォルダーを開きます。
このフォルダー内の .csv ファイルには、空間内の画像の位置と、画像の撮影に使用されたカメラに関する情報が格納されています。
- [SanFrancisco_Frames_Table.csv] ファイルをダブルクリックして、デフォルトの CSV 閲覧ソフトウェアで開きます。
ファイルには、処理される画像に関する情報が表形式で格納されています。 各行が 1 つの画像を記述しており、ディスク上の画像へのパス (列 [B])、オブジェクト ID (列 [A])、画像の中心座標 (列 [C]、[D]、および [E])、およびそれらの座標に関連付けられた空間参照系 (列 [F]) などの情報が格納されています。 列 [G]、[H]、および [I] には回転角、列 [J] には画像を撮影したカメラの ID 番号が格納されています。
- [SanFrancisco_Frames_Table.csv] ファイルを閉じます。 [SanFrancisco_Cameras_Table.csv] を開きます。
このテーブルには、画像の撮影に使用されるカメラに固有の次のような情報が格納されています。
- [カメラ ID] - 画像を撮影するために使用されるカメラの名前または ID 番号
- [カメラ メーカー] - カメラ メーカーの名前 (Vexcel)
- [焦点距離] - カメラのレンズと焦平面の距離 (ミクロン単位)
- [主点 X] と [主点 Y] - オートコリメーションの主点の X 座標と Y 座標 (ミクロン単位)
- [ピクセル サイズ] - カメラのピクセル サイズ (ミクロン単位)
- [SanFrancisco_Cameras_Table.csv] ファイルを閉じます。
- [SanFrancisco_Data] に戻ります。
残りのフォルダーには、次の情報が含まれています。
- [AOI] フォルダーでは、フィーチャクラスによって、ワークフローの対象地域の境界が提供されます。
- [DEM] フォルダーでは、デジタル標高モデル ラスターによって、画像が撮影されたエリアの標高情報が提供されます。 この情報は、各画像のフライト高度の特定に使用されます。
- [Output] フォルダーには、このチュートリアルの結果が出力されます。 出力結果は、必要に応じてワークフローの後の手順で使用できます。
- [PP_GCPs] フォルダーには、このプロジェクトで使用する地上コントロール ポイントが格納されたテキスト ファイルが含まれています。
プロジェクトを作成して、データに接続します。
データのダウンロードと内容確認が完了したので、ArcGIS Pro プロジェクトを作成してデータに接続します。
- ArcGIS Pro を起動します。 サイン インを求められたら、ライセンスが割り当てられた ArcGIS 組織アカウントを使用してサイン インします。
注意:
ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
- ArcGIS Pro 開始ページの [新しいプロジェクト] で [マップ] をクリックします。
- [新しいプロジェクト] ウィンドウで、[名前] に「SanFrancisco_2D_products」と入力します。
- [場所] で、デフォルトの場所をそのまま使用するか、[参照] ボタンをクリックしてドライブ上の任意の場所を選択します。
注意:
選択した場所に最低 20 ギガバイト (GB) の利用可能な格納領域があることを確認してください。
- [OK] をクリックします。
プロジェクトが開き、デフォルト マップが表示されます。
次に、ダウンロードしたデータにプロジェクトを接続します。
- リボンの [表示] タブをクリックします。 [ウィンドウ] グループで、[カタログ ウィンドウ] をクリックします。
[カタログ] ウィンドウが表示されます。 このウィンドウには、プロジェクトに関連付けられたすべてのフォルダー、ファイル、データが表示されます。 このウィンドウを使用して、[SanFrancisco_Data] フォルダーへのフォルダー接続を確立します。
- [カタログ] ウィンドウで、[フォルダー] の横にある矢印をクリックして展開し、内容を表示します。
プロジェクトに関連付けられたデフォルト フォルダーは [SanFrancisco_2D_products] です。これは、プロジェクトの作成時に作成されたフォルダーです。 現時点では、このフォルダーには、空のジオデータベースとツールボックスがいくつか含まれていますが、データは含まれていません。
- [フォルダー] を右クリックして、[フォルダー接続の追加] を選択します。
- [フォルダー接続の追加] ウィンドウで、[コンピューター] をクリックして C:\Sample_Data を参照します。 [SanFrancisco_Data] フォルダーを選択し、[OK] をクリックします。
[カタログ] ウィンドウの[フォルダー] に、[SanFrancisco_Data] フォルダーがリストされます。
- [SanFrancisco_Data] フォルダーを展開し、前の手順で確認した画像やその他のデータが含まれていることを確認します。

これで、ArcGIS Pro プロジェクト内のワークフローに必要な航空写真やその他のデータにアクセスできるようになりました。
環境の設定
次に、リアリティ マッピング ツールの実行時にシステムが考慮する、特定の環境パラメーターの値を選択します。
- リボンの [解析] タブの [ジオプロセシング] グループで、[環境] をクリックします。
- [並列処理] の [並列処理ファクター] に「90%」と入力します。
ヒント:
「90%」には必ず「%」記号を含めてください。
並列処理ファクターは、処理をサポートするために使用されるコンピューター コアの割合を定義します。 たとえば、4 コアのコンピューターで 50 パーセントを設定すると、処理を 2 つのプロセス (50% * 4 = 2) に分散することを意味します。 このワークフローでは 90 パーセントを選択しています。
- [ラスター格納] が表示されるまで、下方向にスクロールします。
- [ラスターの統計情報] で、[X スキップ ファクター] と [Y スキップ ファクター] に「10」と入力します。
コントラスト ストレッチの適用などの特定のタスクを有効にするには、画像の統計を計算する必要があります。 効率を上げるため、統計は、ピクセルごとではなくピクセルのサンプルに対して生成できます。 スキップ ファクターは、サンプル サイズを決定します。 [X] に 10、[Y] に 10 を指定すると、画像の行と列の 11 番目ごとのピクセルが統計生成に使用されます。
- [タイル サイズ] の [幅] と [高さ] に、「512」と入力します。
効率を上げるため、多くの場合、画像はタイルと呼ばれる小さな正方形の断片の形式でアクセスされます。 このパラメーターは、タイルのサイズを定義します。512 x 512 ピクセルを選択します。
- [リサンプリング方法] で [共一次内挿法] を選択します。
リサンプリングは、ラスターのセル サイズまたは方位を変更するために使用されるプロセスです。 さまざまなリサンプリング方法がありますが、画像データを処理する場合は [共一次内挿法] をお勧めします。
- その他のデフォルト設定をそのままにして、[OK] をクリックします。
これで、環境パラメーターの値が設定されました。
ワークスペースの作成
次に、航空画像とフレーム テーブルおよびカメラ テーブルを含むすべてのデータを収集および管理するためのリアリティ マッピング ワークスペースを作成します。
- リボンの [画像] タブで、[リアリティ マッピング] グループの [新しいワークスペース] ボタンをクリックします。
[新しいリアリティ マッピング ワークスペース] ウィザード ウィンドウが開き、[ワークスペースの構成] ページが表示されます。
- 次のパラメーター値を設定します。
- [名前] に「SanFrancisco_Workspace」と入力します。
- [ワークスペース タイプ] で、[リアリティ マッピング] が選択されていることを確認します。
- [センサー データ タイプ] で、[航空写真 - デジタル] を選択します。
- [シナリオ タイプ] で[天底] が選択されていることを確認します。
- [前方オーバーラップ] に「80」と入力します。
- [側方オーバーラップ] に「70」と入力します。
- それ以外はすべて、デフォルト値のままにします。
注意:
[シナリオ タイプ] で[天底] を選択したのは、2D プロジェクト生成のベスト プラクティスに従って、入力として天底画像のみを使用しているからです。
オーバーラップ パーセンテージは通常、航空測量ベンダーにより指定されます。 これらのパーセンテージは、マップ ウィンドウでオーバーラップしている画像ペアを確認して推測することもできます。
- [次へ] をクリックします。
[画像コレクション] ページが表示されます。ここでは、画像の撮影に使用されるセンサーに関連するパラメーターを入力します。
- [画像コレクション] ページの [センサー タイプ] で、[汎用フレーム カメラ] が選択されていることを確認します。
次に、フレーム テーブル ファイルを指定します。
- [ソース データ 1] の [外部標定ファイル/Esri フレーム テーブル] で、[フレーム テーブル] ボタンをクリックします。
- [フレーム テーブル] ウィンドウで、[フォルダー] → [SanFrancisco_Data] → [Frames] の順に参照します。 [SanFrancisco_Frames_Table.csv] を選択して [OK] をクリックします。
画像の中心の座標に関連する空間参照情報やデータの撮影に使用されるカメラなど、フレーム テーブル ファイルによって提供された情報を使用して、[画像コレクション] ページが更新されます。 ここで、カメラ テーブル ファイルに入力されているカメラに関する情報をインポートする必要があります。
- [カメラ] の横の [インポート] ボタンをクリックします。
- [カメラ テーブル] ウィンドウで、[フォルダー] → [SanFrancisco_Data] → [Frames] の順に参照します。 [SanFrancisco _Cameras_Table.csv] を選択して [OK] をクリックします。
カメラ ID の横にある緑色のチェック マークは、カメラ情報が正常にインポートされたことを示します。
- その他のデフォルト設定をそのままにして、[次へ] をクリックします。
次に、ワークスペースの作成時に必要となるデジタル標高モデル (DEM) を指定します。
- [データ ローダー オプション] ページの [DEM] の下にある [DEM の選択] ボタンをクリックします。
- [入力データセット] ウィンドウで、[フォルダー] → [SanFrancisco_Data] → [DEM] の順に参照します。 [CONUS_NED10m.tif] を選択して [OK] をクリックします。
この DEM は、航空写真の撮影時のフライト高度を特定するために使用されます。 これにより、ワークスペースの設定に必要となる適切な画像フットプリントの境界やその他の処理が特定されます。
- ウィザード ウィンドウで、その他のデフォルト設定をそのままにして、[完了] をクリックします。
数分後にワークスペースが作成されます。 [ログ: SanFrancisco_Workspace] ウィンドウの最後の行は、プロセスが成功したことを示しています。
新しい [SanFrancisco_Workspace] マップも作成されています。
[コンテンツ] ウィンドウに、マップに追加されたさまざまなワークスペース コンポーネントが表示されるようになりました。 この中には [画像コレクション] もあります。これは、27 のすべての航空画像を含む新しいモザイク データセットです。
[画像コレクション] データセットは、主に [フットプリント] レイヤー (緑色のアウトライン) と、画像自体を含む[イメージ] レイヤーで表されます。 2 つのレイヤーがマップに表示されます。
ヒント:
マップに画像が表示されない場合は、さらに拡大表示します。
デフォルトでは、[画像コレクション] データセットの最初の 20 画像のみが表示されます。 この数は変更できますが、大きな数値を選択すると、表示のパフォーマンスに影響する可能性があります。
デフォルトの数値を変更したい場合は、[カタログ] ウィンドウで、[フォルダー] → [SanFrancisco_2D_products] → [RealityMapping] → [SanFrancisco_Workspace.ermw] → [画像] → [SanFrancisco_Workspace.gdb] の順に参照します。 [SanFrancisco_Workspace_Collection] を右クリックして [プロパティ] を選択します。 [デフォルト] タブをクリックします。 [モザイクあたりの最大ラスター数] に、表示する画像の数を入力します。
これで、リボンに [リアリティ マッピング] タブが追加されました。
- リボンで [リアリティ マッピング] タブが選択されていることを確認します。
このタブには、画像アライメントの調整と 2D および 3D プロダクトの作成をサポートする一連のツールが含まれています。 現時点では、入力画像のアライメントがまだ調整されていないので、[プロダクト] グループのツールは使用できません (グレー表示)。
- [クイック アクセス ツールバー] で [プロジェクトの保存] ボタンをクリックして、プロジェクトを保存します。
リアリティ マッピング ワークスペースの設定が完了しました。このワークスペースで、このワークフローの残りの作業を実行します。
ワークスペースのバックアップ
画像の処理を開始する前に、プロジェクトの前の状態に戻す必要がある場合に備え、ワークスペースのバックアップを作成します。
- [カタログ] ウィンドウで、[リアリティ マッピング] コンテナーを探します。
このコンテナーはワークスペースの作成時に追加されました。
- [Reality Mapping]、[SanFrancisco_Workspace]、[Imagery]、[Products] のフォルダーを展開します。
[SanFrancisco_Workspace] は [リアリティ マッピング] コンテナーに配置されています。 ここには [Imagery] フォルダーと [Products] フォルダーが含まれています。 [Imagery] フォルダーには、ワークスペースの画像コレクション レイヤーが格納され、[Products] フォルダーには [DEMs] と [Orthos] の 2 つのサブフォルダーが格納されています。
- [DEMs] には生成された DSM プロダクトが保存されます。
- [Orthos] には生成されたトゥルー オルソ プロダクトが保存されます。
- [SanFrancisco_Workspace] を折りたたみます。
バックアップ コピーを作成します。
- [SanFrancisco_Workspace] を右クリックし、[コピー] を選択します。
- [リアリティ マッピング] コンテナーを右クリックし、[貼り付け] を選択します。
新しいフォルダーの [SanFrancisco_Workspace-Copy] が [リアリティ マッピング] コンテナーに追加されます。
- [SanFrancisco_Workspace-Copy] を右クリックし、[名前の変更] を選択します。
- フォルダー名を「SanFrancisco_Workspace_orig」に変更して Enter キーを押します。
この名前は、ワークスペースのこのコピーが元のファイルの状態を表すことを示します。 ワークスペースのバックアップの準備が完了しました。
このワークフローの最初のパートでは、DSM とトゥルー オルソについて学習しました。入力データをダウンロードし、ArcGIS Pro プロジェクトを設定して、リアリティ マッピング ワークスペースを作成しました。そして、そこに入力データを入力して、バックアップしました。 ワークフローの次のパートでは、画像の位置を調整して 2D プロダクトを生成します。
画像の処理
プロジェクト、ワークスペース、画像を設定できたので、画像処理を開始します。 タイ ポイントと地上コントロール ポイントを使用して、画像アライメントを調整します。 その後、DSM とトゥルー オルソを生成します。
タイ ポイントを使用した画像アライメントの調整
入力イメージの相対精度を向上させるため、タイ ポイントを使用します。タイ ポイントは、隣接する画像間で重複するエリアで識別される共通のオブジェクトまたは位置です。 [調整] ツールは、画像マッチング手法によってタイ ポイントを自動的に抽出し、抽出されたポイントを使って、画像を相互に相対的な位置に調整します。
- リボンの [リアリティ マッピング] タブにある [調整] グループで、[調整] ボタンをクリックします。
タイ ポイントおよび画像の配置調整プロセスの品質と精度を決定する [調整] ツールのパラメーターを設定します。
- [調整] ウィンドウで、[カメラのキャリブレーションの実行] の下にあるすべてのチェックボックスがオフになっていることを確認します。
画像のキャプチャに使用するカメラには歪みがないので、カメラのキャリブレーションを実行する必要はありません。
- [高度な設定] を展開します。
- [GNSS 設定] の下の、[画像の事後標準偏差を計算] の横にあるチェックボックスをオフにします。
これは任意の手順で、タイ ポイントに関する統計情報を計算し、[ソリューション テーブル] にそれを保存します。
- [タイ ポイントの投影変換] の横のチェックボックスをオンにします。
すると、タイ ポイントが計算され、マップに正確に表示されます。
- [タイ ポイントの一致] を展開し、[フル フレームのペアワイズ マッチング] のチェックボックスをオンにします。
このオプションは、標高が変化に富むエリアをカバーする画像を処理するとき、または初期標定パラメーターの精度が低いときに、タイ ポイントのマッチングの正確度を高めます。
- その他のデフォルト値をそのままにして、[実行] をクリックします。
この処理の実行には数分かかる場合があります。 [ログ] ウィンドウで進捗を追跡できます。 最初に [タイ ポイントを計算しています]、次に [ブロック調整を計算しています]、最後に [ブロック調整を適用しています] というステータス レポートがツールにより生成されます。 アライメント調整プロセスのため、画像は、複数画像のブロックに分けられます。 それからブロックの配置が調整されます。
- プロセスが完了すると、[ログ] ウィンドウで [MeanReprojectionError(pixel)] という行を確認できます。
この行は、調整の精度を示してくれます。 1 ピクセル未満の平均再投影エラーは許容範囲です。
注意:
取得される精度の数値は、サンプルのものとやや異なる可能性があります。
- [コンテンツ] ウィンドウで [タイ ポイント] レイヤーの横にあるボックスをオンにして、そのレイヤーを有効にします。
マップ上に、[調整] ツールによって生成されたタイ ポイントが表示されます。
タイ ポイントが大量に抽出されたことが確認でき、互いに関連する画像を正確に調整できます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[タイ ポイント] レイヤーの横にあるチェックボックスをオフにして、レイヤーを無効にします。
- Ctrl + S を押して、プロジェクトを保存します。
これで、[画像コレクション] モザイク データセットに格納されている画像の相対精度が最適化されました。
地上コントロール ポイントの必要性について
画像の正確度をさらに高めるために、地上コントロール ポイントを使って、絶対精度を向上できます。 まず、これがなぜ有効なのかを深く理解するために、[画像コレクション] レイヤーの現在の位置を確認し、それを Esri の [衛星画像 (World Imagery)] ベースマップと比較します。
- リボンの [マップ] タブの [レイヤー] グループで、[ベースマップ] をクリックして [衛星画像] ベースマップを選択します。
マップ上に [衛星画像 (World Imagery)] ベースマップが表示されます。 このベースマップは高品質の画像で構成されています。本チュートリアルでは、これを参照として使用します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[画像コレクション] の下の [フットプリント] レイヤーをオフにします。
これで、ベースマップと比較する際に、画像のビューを遮るものがなくなり、よく見えるようになります。
- 必要に応じて、ログ ウィンドウを縮小し、マップのサイズを大きくします。
- マップのアーチ状の桟橋の南にある Galileo Academy フットボール場の横の道路を拡大します。
次の画像例のようなものがマップに表示されるはずです。
[スワイプ] ツールを使用して、[画像コレクション] データセットと [衛星画像 (World Imagery)] ベースマップを比較します。
- [コンテンツ] ウィンドウの [画像コレクション] の下の [イメージ] レイヤーをクリックして選択します。
- リボンの [イメージ レイヤー] タブの [比較] グループで、[スワイプ] をクリックします。
- マップで、[スワイプ] ツールをオンにしたまま、マップを上下に繰り返しドラッグして、[画像コレクション] レイヤーをめくり、参照ベースマップを表示させます。
ヒント:
[スワイプ] ツールを使用するには、めくりたいレイヤーを選択する必要があります。
[スワイプ] ツールをオンにしたままマップ全体で画面移動したい場合は、C キーを押しながらドラッグします。
スワイプすると、[画像コレクション] レイヤー上の道路と、参照ベースマップ上の同じ道路とにずれがあることがわかります。
- 画像の探索を終了したら、リボンの [マップ] タブの [ナビゲーション] グループで [マップ操作] ボタンをクリックしてスワイプ モードを終了します。
画像コレクションの位置を改善するために、地上コントロール ポイントを使用して、絶対精度を高めます。
地上コントロール ポイントのインポート
地上コントロール ポイント (GCP) は、既知の X、Y、Z 座標または X、Y 座標、あるいは Z 座標のみを持つテレインのフィーチャを識別します。 これらの座標は通常、フィールドでの測量調査で得られた、ポイントの位置を特定する記述が付随します。 調査済み GCP がなければ、既知の正確度のメタデータでオルソ幾何補正された参照画像を GCP のソースとして使用できます。 本チュートリアルで使用する GCP はオルソ幾何補正された画像から取得されたもので、X、Y、Z 座標で定義されます。 次に、GCP をワークスペースにインポートします。
- リボンの [リアリティ マッピング] タブにある [改善] グループで、[GCP の管理] の下向き矢印をクリックして、[GCP のインポート] を選択します。
[GCP のインポート] ウィンドウが表示されます。
- [GCP ファイル] の下の、[GCP ファイル] 参照ボタンをクリックします。
- [GCP 選択テーブル] ウィンドウで、[プロジェクト] → [フォルダー] → [SanFrancisco_Data] → [PP_GCPs] の順に参照します。 [SanFrancisco_GCPs.csv] を選択して、[OK] をクリックします。
次に、GCP のキャプチャに使用した空間参照を選択します。
- [GCP 空間参照の設定] で、[空間参照の参照と選択] ボタンをクリックします。
- [空間参照] ウィンドウで、[現在の XY] が選択されていることを確認します。 検索ボックスに「32610」と入力して、Enter キーを押します。
ヒント:
32610 は [UTM 座標系 第 10 帯 N (WGS 1984)] 座標系の well-known ID (WKID) です。 座標系の名前を直接検索することもできます。
[現在の XY] ボックスに [UTM 座標系 第 10 帯 N (WGS 1984)] が自動入力されます。
[現在の Z] ボックスには [EGM96 Geoid] が入力されていますが、ここで必要な値ではありません。 GCP の高さの値の導出に使用した標高レイヤーに対して、鉛直座標系は定義されていません。 このため、[現在の Z] を [なし] に設定する必要があります。
- [現在の Z] をクリックして選択します。 [使用可能な Z 座標系] 下のボックスの上までスクロールし、[なし] を選択します。
- [OK] をクリックして変更内容を適用し、[空間参照] ウィンドウを閉じます。
- [地理座標系変換] による座標変換は必要ありません。地理座標系は GCP およびワークスペースのものと同じであるためです。
- [フィールド マッピング] の下で、以下の値を設定します。
- [X] では、[Easting] を選択します。
- [Y] では、[Northing] を選択します。
- [Z] では、[Height] を選択します。
- [XY 精度] では、[xyAccuracy] が選択されていることを確認します。
- [Z 精度] では、[zAccuracy] が選択されていることを確認します。
- [GCP 写真の位置] で、[GCP 画像チップの位置の選択] ボタンをクリックします。 [プロジェクト] → [フォルダー] → [SanFrancisco_Data] の順に参照し、[PP_GCPs] を選択して、[OK] をクリックします。
- [写真ファイル拡張子] で、[JPG] が選択されていることを確認します。
- その他のデフォルト設定をそのままにして、[OK] をクリックします。
しばらくすると、GCP がワークスペースにインポートされます。
地上コントロール ポイントを使った画像アライメントの調整
次に、インポートした GCP を調べ、画像コレクションの絶対精度を高めるためにそれらを使用します。
- [コンテンツ] ウィンドウの [画像コレクション] の下にある [フットプリント] レイヤーをオンに戻します。
- [画像コレクション] を右クリックして、[レイヤーにズーム] を選択します。
マップに、全範囲が表示されます。 5 つの GCP が赤色の十字線でシンボル表示されます。 これらは画像コレクション全体に分散し、ベスト プラクティスに対応します。
次に、[GCP マネージャー] ウィンドウを表示します。ここでは、GCP を確認したり、航空画像に GCP を正確に配置したりできます。
- リボンの [リアリティ マッピング] タブにある [改善] グループで、[GCP の管理] ボタンをクリックします。
[GCP マネージャー] ウィンドウが表示されます。
- 必要に応じて、[GCP マネージャー] ウィンドウのエッジをドラッグして、ウィンドウを広げます。
- [GCP マネージャー] ウィンドウを調べます。
[GCP マネージャー] ウィンドウの上部に、インポートされた GCP が 5 つリストされています。 リストの一番初めの GCP がデフォルトで選択されています。
ウィンドウの下側には、現在選択されている GCP を含んでいる可能性のあるオーバーラップしている航空画像がすべてリストされています。 今回の場合、画像が 5 枚あります。 これらのうち、1 枚目の画像 ([11672-Ivl02-color_rgb]) がプレビュー セクションに表示されます。
現在、航空画像名の横にグレーのプラス記号があります。 これらは GCP がこれらの画像にまだ配置されていないことを示しています。
次に、GCP の配置に進みます。
注意:
従来から、写真測量では、この操作を GCP 計測と呼びます。
わかりやすくするために、各 GCP の正確な位置を指す矢印付きのオーバービュー写真が提供されました。 1 枚目の GCP のオーバービュー写真を表示します。
- [GCP マネージャー] ウィンドウの上部で、1 行目をクリックして選択します。 プレビュー セクションの上にある、[GCP 写真の表示] ボタンをクリックします。
オーバービュー写真がプレビュー エリアの右下に表示されます。
GCP は舗道の濃いグレーの四角形の左上隅にあります。
航空写真のまったく同じ位置に GCP を配置します。
- [GCP 写真の表示] ボタンを再びクリックし、画面からオーバービュー写真を削除します。
- 1 つ目の GCP が選択された状態で、[GCP マネージャー] ウィンドウの上部の [GCP の追加] ボタンをクリックします。
ポインターが十字形 (プラス記号) に変わります。
- 表示されている [11672-Ivl02-color_rgb] 画像で、マウスのホイールボタンを使用して画像を拡大し、GCP を配置する位置をさらに詳細に確認します。
- 舗道の濃いグレーの四角形の左上隅にある GCP 位置をクリックします。
その位置に青色の十字が表示されます。これは GCP が正常に配置されたことを示しています。
ヒント:
その場所に問題がある場合は、別の適切な位置でクリックします。すると、新しい位置に青色の十字が表示されます。
この時点で、他のオーバーラップしている画像内の同じポイントを特定するために、自己相関が使用されます。 位置を正確に特定できたすべての画像は、そのしるしとして、画像名の横に青色のプラス記号が表示されます。
今回の場合、自己相関が 5 枚の画像すべてに GCP を自動で配置します。
- 5 枚の全画像を次々とクリックしてプレビューを表示し、GCP が正確に配置されていることを 1 つずつ確認します。 GCP が自動で配置されていない、または配置が正しくない場合、正しい場所をクリックして、手動で配置します。
メイン マップで、対応する GCP が緑色に変わり、その配置 (または計測) が完了していることを示します。
[GCP マネージャー] ウィンドウの GCP リストにある、最初の GCP の横に表示されているハッシュタグの記号もまた、その配置が完了していることを意味しています。
- GCP リストで、GCP を 1 つずつ選択し、手順 6 ~ 11 を繰り返して、それらを配置します。
それが終わると、すべての GCP がマップ上に緑色で表示されるはずです。
次に、GCP を基に画像コレクションの位置を調整します。
- [GCP マネージャー] ウィンドウの下部にある [調整] をクリックします。
- [調整] ウィンドウで、すべてのデフォルト設定をそのままにして、[実行] をクリックします。
処理が完了したら、調整が正確かどうか確認します。
- [GCP マネージャー] ウィンドウの [残差の概要] を展開し、[地上コントロール ポイント RMSE] 行を読み取ります。
注意:
[RMSEContrlPoint] 行のログ ウィンドウでも同じ情報を確認できます。
また、詳細な調整レポートを生成できます。 リボンの [リアリティ マッピング] タブにある [確認] グループの、[調整レポート] をクリックします。
- [GCP マネージャー] ウィンドウの GCP リストで、各 GCP 残差を確認できます。
GCP 残差情報は、[dX]、[dY]、[dZ] フィールドにリストされます。 これは、航空画像での GCP の位置と実際の地上座標との間の偏差を、x 方向、y 方向、z 方向で表現したものです。
- 調整結果に問題がある場合は、必要に応じて、GCP の位置を確認し、[調整] プロセスを再実行できます。
注意:
取得する正確度の結果は、GCP 向けに選択された正確な位置を基にしたサンプル画像に示されているものと、やや異なる可能性があります。
正確度に問題がないかどうかの判断は、プロジェクトの初期の正確度の要件や規定された GCP の精度に基づきます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[GCP] レイヤーをオフにします。
- Ctrl + S を押して、プロジェクトを保存します。
これで、航空画像のコレクションを GCP で配置し、絶対精度を高めることができました。 次に、2D プロダクトを導出します。
2D プロダクトの生成
これから、DSM とトゥルー オルソを生成します。 ワークフローを簡単にするために、狭い地域に限定して 2D プロダクトを生成します。 また、ポリゴン レイヤーを使用して、対象地域 (AOI) の境界を定義します。 レイヤーをマップに追加して検証します。
- [カタログ] ウィンドウの [フォルダー]、[SanFrancisco_Data]、[AOI] を展開します。 [Small_AOI.shp] を右クリックして、[現在のマップに追加] を選択します。
マップに、[Small_AOI] レイヤーが表示されます。
注意:
色はランダムに割り当てられているため、異なる場合があります。
画像コレクションのカバレッジは常に、AOI ポリゴンよりもやや広めにすることを推奨します。 これにより、AOI と重複しているすべての画像が確実に含まれるようになります。 これは、高品質な結果を生成するために重要です。
プロジェクト エリア内部には広い水域があります。 このエリアは、水域のポリゴン フィーチャを使って、平坦化する (この操作は水系制御とも呼ばれます) ことをお勧めします。 次に、提供されたレイヤーをマップに追加します。
注意:
ご自身のプロジェクト向けに類似のレイヤーを作成する必要がある場合、以下のいずれかを実施することを推奨します。
- ArcGIS Pro ステレオ マッピング機能の ArcGIS Pro Image Analyst エクステンションでの使用
- オルソ画像とオーバーラップしている DEM の補助を使用した、2D ヘッドアップ デジタイズの実行 使用するオルソの位置精度が、プロジェクトのブロック調整結果に正確に一致することが重要です。
- 必要に応じて、[カタログ] ウィンドウの [フォルダー]、[SanFrancisco_Data]、[AOI] を展開します。 [Waterbody.shp] を右クリックして、[現在のマップに追加] を選択します。
マップにサンフランシスコの海岸線を囲む [水域] ポリゴンが表示されます。
- それらを確認後、[コンテンツ] ウィンドウの [Small_AOI] レイヤーと [水域] レイヤーをオフにします。
次に、プロダクト生成の設定を選択します。
- リボンの [リアリティ マッピング] タブで、[プロダクト] グループを確認します。
画像調整プロセスの後、そのグループ内の複数のツールが使用可能になります。 プロダクトは、各プロダクト ボタン ([DSM] や [トゥルー オルソ] など) を使用して個別に生成することも、[複数プロダクト] ボタンを使用して同時に生成することもできます。 ここでは後者のオプションを使用します。
- [リアリティ マッピング] タブで、[複数プロダクト] ボタンをクリックします。
[リアリティ マッピング プロダクト ウィザード] ウィンドウが開き、[プロダクト生成の設定] ページが表示されます。
- [3D] の横のチェックボックスをオフにすると、そのプロダクトは生成されません。
本チュートリアルで使用しているデータセットのような直下データセットは、3D プロダクトの生成には推奨されていません。 このような場合では、斜め撮影画像と直下画像の組み合わせを使用するのが最適です。
- [DSM メッシュ] の横のチェックボックスをオフにします。
現在のデータセットはこのプロダクト タイプの生成に対応しているものの、時間の都合上、これについては本チュートリアルでは扱いません。
- [数値表層モデル (DSM)] プロダクトと [トルゥー オルソ] プロダクトが選択されていることを確認し、[共有された高度な設定] をクリックします。
[高度なプロダクト設定] ウィンドウが表示されます。 これにより、生成されるすべてのプロダクトに影響するパラメーターを設定できます。
- [高度なプロダクト設定] ウィンドウの [品質] で、[超高] が選択されていることを確認します。
[超高] を選択すると、ソースの画像と同じ座標精度でプロダクトの生成が可能になります。これは最高品質です。 [品質] の設定を [高] にすると、得られるプロダクトの座標精度は、ソース画像の座標精度の 2 倍になります。
- [超高] - たとえば、本プロジェクトの画像コレクションのように、座標精度が 7 センチメートルのインプットからは、座標精度が 7 センチメートルの 2D プロダクトが生成されます。
- [高] - たとえば、座標精度が 7 センチメートルのインプットからは、座標精度が 14 センチメートルの 2D プロダクトが生成されます。
本シナリオでは、最高品質の 2D プロダクトの生成が必要です。
- [シナリオ タイプ] で[天底] が選択されていることを確認します。
この [天底] シナリオ タイプはワークスペースの生成段階で選択されました。 これが選択されている理由は、チュートリアルのデータセットは直下画像のみで構成されているためであり、2D プロダクトの生成にはこれを推奨します。
- [プロダクト境界] では、ドロップダウン リストから、[Small_AOI] を選択します。
生成される 2D プロダクトは、AOI フィーチャクラスで定義された範囲に限定されます。
- [水域フィーチャ] では、ドロップダウン リストから、[水域] を選択します。
- その他のデフォルト設定をそのままにして、[OK] をクリックします。
- [リアリティ マッピング プロダクト ウィザード] ウィンドウの [プロダクト生成の設定] ページで、[次へ] をクリックします。
- [DSM 設定] ページの [出力タイプ] では [モザイク] を選択し、すべてのデフォルト値をそのまま使用します。
- [次へ] をクリックします。
- [トゥルー オルソ設定] ページで、以下の設定値を選択します。
- [出力タイプ] には、[モザイク] を選択します。
- [形式] には、[Cloud Raster Format] を選択します。
- それ以外はすべて、デフォルト値のままにします。
- [完了] をクリックします。
注意:
お使いのシステム リソースによっては、2D プロダクトの生成に 1 時間半ほどかかる場合があります。 参考までに、Intel Xeon プロセッサ、128 GB RAM、SSD ハード ドライブを搭載したコンピューターでの処理時間は 1 時間 27 分でした。
時間を節約するためにこのプロセスを実行しない場合は、チュートリアルの残りの部分ですぐに使える出力データセットを使用できます。 [カタログ] ウィンドウで、[フォルダー] → [SanFrancisco_Data] → [Output] の順に参照します。 [SanFrancisco_DSM.crf] を右クリックし、[現在のマップに追加] を選択します。 [SanFrancisco_TrueOrtho.crf] についても同じ操作を行います。
すぐに使える出力データセットを使用する場合は、次の「トゥルー オルソの検証」セクションに進んでください。
- プロセスを実行するには、[完了] をクリックします。
プロセスの実行中、ステータス情報は [ログ: SanFrancisco_Workspace] ウィンドウに表示されます。 プロセスが完了すると、プロダクトの生成およびタイルの作成プロセスが正常終了したことをログが示します。
[DSM] および [トゥルー オルソ] プロダクトが、マップに自動で追加されます。
- ツールを実行しておらず、レイヤーを追加して時間を節約する場合は、[カタログ] ウィンドウの [フォルダー]、[SanFrancisco_Data]、[Output] を展開します。 [SanFrancisco2D_DSM.crf] と [SanFrancisco2D_TrueOrtho.crf] を現在のマップに追加します。
DSM とトゥルー オルソが、マップと [コンテンツ] ウィンドウに表示されます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[SanFrancisco2D_DSM.crf] レイヤーの名前を「DSM」に変更し、[SanFrancisco2D_TrueOrtho.crf] の名前を「トゥルー オルソ」に変更します。
トゥルー オルソの検証
2D プロダクトの [DSM] と [トゥルー オルソ] を生成できました。 (または、すぐに使える 2D プロダクト、[SanFrancisco_DSM.crf]、[SanFrancisco_TrueOrtho.crf] を使用することを選択しました。) 次に、[トゥルー オルソ] レイヤーを検証します。 まず、他のイメージ レイヤーを削除して、2D プロダクトがもっとはっきり見えるようにします。
- [コンテンツ] ウィンドウの [画像コレクション] の下にある [フットプリント] レイヤーと [イメージ] レイヤーをオフにします。
- リボンの [マップ] タブの [レイヤー] グループで、[ベースマップ] をクリックして [地形図] を選択します。
[地形図] ベースマップがマップ上で [衛星画像] ベースマップと置き換わって表示されます。
- [コンテンツ] ウィンドウの [データ プロダクト] で (または、ツールを実行せずに結果を追加した場合は [参照データ] で)、[トゥルー オルソ] を右クリックして [レイヤーにズーム] を選択します。
[トゥルー オルソ] 画像がベースマップではっきりと見えるようになりました。
- [トゥルー オルソ] 画像を拡大し、検証します。
[トゥルー オルソ] 画像上に、サンフランシスコ周辺の詳細が高い座標精度で多数表示されます。
次に、トゥルー オルソの座標精度を検証します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [トゥルー オルソ] レイヤーを右クリックし、[プロパティ] を選択します。
- [レイヤー プロパティ] ウィンドウで [ソース] をクリックして [ラスター情報] を展開し、[セル サイズ] フィールドを確認します。
予想通り、[セル サイズ] は 0.074 メートル (約 7 センチメートル) で、これはインプット画像と同じ座標精度です。
- [OK] をクリックして、[プロパティ] ウィンドウを閉じます。
次に、[トルゥー オルソ] 画像と [画像コレクション] のインプット画像を比較します。
- マップのアーチ状の桟橋の南にある Galileo Academy フットボール場のエリアを拡大します。
次の画像例のようなものがマップに表示されるはずです。
- [コンテンツ] ウィンドウの [画像コレクション] の下にある [イメージ] レイヤーをオンにします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[DSM] レイヤーをオフにし、[トゥルー オルソ] レイヤーをクリックして選択します。
- リボンの [ラスター レイヤー] タブの [比較] グループで、[スワイプ] をクリックします。
- マップで、[スワイプ] ツールをオンにしたまま、マップを上下に繰り返しドラッグして、[トルゥー オルソ] レイヤーをめくり、[画像コレクション] レイヤーを表面に出します。
ヒント:
生成済みプロダクトのレイヤーを使用している場合、[SanFrancisco_TrueOrtho.crf] レイヤーは [画像コレクション] レイヤーの下に表示されています。そのため、[画像コレクション] の下にある [イメージ] レイヤーを代わりに選択し、それをスワイプしてめくりあげ、下にある [SanFrancisco_TrueOrtho.crf] レイヤーを表面に出す必要があります。
特に、高い建物を観察します。
- [画像コレクション] レイヤーでは、遠近効果のため、背の高い建物にずれがあります。 一部の建物は横に傾いているので、側壁が見えたり、屋根が正確な位置になかったりします。
- [トルゥー オルソ] レイヤーでは、ずれの誤差が削除され、建物は鉛直に配置されます。そのため、側面は見えず、屋根は地上の正しい位置に表示されます。
歪んだ建物の側壁を黄色マークで強調した [画像コレクション] レイヤー (左)。変異誤差が取り除かれた [トルゥー オルソ] レイヤー (右)。 2 棟の曲線的な建物のずれが特に目立ちます。[画像コレクション] レイヤーでは、これらの建物の歪みが大きく、屋根が建物正面の車道と芝生エリアの大半を隠しています。
[画像コレクション] レイヤー (左) では、車道と正面の芝生が建物で隠れています。 [トルゥー オルソ] レイヤーでは、建物が実際の位置に戻され、車道と正面の芝生が見えています (右)。 トゥルー オルソは座標精度が高く、歪みがありません。そのため、基礎伏図など、フィーチャを正確に抽出するのに使用できます。
- [トルゥー オルソ] レイヤーの探索を終了したら、リボンの [マップ] タブにある [ナビゲーション] グループで、[マップ操作] ボタンをクリックしてスワイプ モードを終了します。
DSM の検証
次に、生成済み DSM を確認します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[トゥルー オルソ] レイヤーをオフにし、[DSM] レイヤーをオンにします。
- [DSM] を右クリックして、[レイヤーにズーム] を選択します。
- [画像コレクション] の下にある [イメージ] レイヤーをオフにします。
[DSM] レイヤーがマップに表示されます。
- [コンテンツ] ウィンドウで [DSM] レイヤーを右クリックし、[プロパティ] を選択します。
- [レイヤー プロパティ] ウィンドウで [ソース] をクリックして [ラスター情報] を展開し、[セル サイズ] フィールドを確認します。
トルゥー オルソと同様に、[セル サイズ] は 0.074 メートル (約 7 センチメートル) で、入力画像と同じく高い座標精度です。
- [OK] をクリックして、[プロパティ] ウィンドウを閉じます。
別の視点から DSM を見るために、そこから陰影起伏レイヤーを抽出します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[DSM] レイヤーが選択されていることを確認します。
- リボンの [画像] タブの [解析] グループで [ラスター関数] ボタンをクリックします。
- [ラスター関数] ウィンドウに、「陰影起伏」と入力し、[陰影起伏] ラスター関数をクリックして開きます。
- [陰影起伏プロパティ] ウィンドウの [ラスター] で [DSM] を選択します。
- 他のすべてのデフォルト値をそのまま使用し、[新しいレイヤーの作成] をクリックします。
[陰影起伏_DSM] レイヤーがマップ上に表示されます。
陰影起伏レイヤーでは、起伏とフィーチャの体積の詳細が観察できます。
- Ctrl + S を押して、プロジェクトを保存します。
トゥルー オルソ レイヤーと DSM レイヤーを大勢が利用できるように、これらを組織の ArcGIS Online アカウントに公開できます。 このチュートリアルの冒頭で、このようなオンライン データの例を確認しました。 「ホスト シーン レイヤーの公開」ページで詳細をご参照ください。 トゥルー オルソおよび DSM レイヤーは、さまざまなプロジェクトに統合したり、他の GIS レイヤーと組み合わせたりすることもできます。
このチュートリアルでは、サンフランシスコの一部を対象に、高い座標精度の重複した直下画像を使用して、トルゥー オルソおよび DSM レイヤーを生成しました。 始めに、DSM とトゥルー オルソについて学習し、入力データをダウンロードして、ArcGIS Pro プロジェクトを設定しました。そして、リアリティ マッピング ワークスペースを作成し、そこに入力データを入力して、バックアップしました。 次に、自動生成されたタイ ポイントを使用して画像の配置調整の相対精度を上げました。 そして、テキスト ファイルからインポートした地上コントロール ポイントを使用して、画像アライメントの調整の絶対精度を上げました。 最後に、複数プロダクト ウィザードを使用して、トゥルー オルソ レイヤーと DSM レイヤーを生成し、それらを検証しました。
同様のチュートリアルについては、「ArcGIS Reality for ArcGIS Pro を試す」シリーズをご参照ください。