栄養不足に関するデータの追加

飢餓の 1 つ目の計測データは、栄養不足のまん延です。 世界の飢餓について議論する場合、栄養不足は考慮すべき最も重要な計測データの 1 つです。

  1. Sustainable Development Goal 2.1.1: Prevalence of undernourishment (percent)」アイテム詳細ページにアクセスします。
    アイテム詳細ページ

    レイヤーの情報ウィンドウが表示されます。 このページには、説明、データの属性などを含む、レイヤーに関するメタデータが表示されています。

    注意:
    またこのデータは、SDG Data Hubs サイトにアクセスし、Data to Advance the SDGs のセクションまで下にスクロールし、Zero Hunger をクリックし、Prevalence of undernourishment を検索することによって見つけることができます。

  2. [Map Viewer で開く] ボタンをクリックします。

    Map Viewer で開く

    [Sustainable Development Goal 2.1.1: Prevalence of undernourishment (percent)] レイヤーを示すマップが表示されます。 このマップには、習慣的に食糧消費量が不足している人口の割合が示されています。

    ArcGIS Online の Indicator 2.1.1

    このマップには、栄養不足の人口の割合が等級シンボルを使用して表示されます。 円が大きいほど、その国で栄養不足がよりまん延しています。 視覚的分析によると、栄養不足の割合が最も高い国はどの国ですか (大きい円)? データが報告されていないのはどの国ですか (小さな灰色の円)? どの国の栄養率が 0 ですか (最小の黄色の円)?

    注意:

    1 つの国に提供されるすべてのデータを見るためには、ズームインして円をクリックします。 マッピングされる値は、[Latest Value] フィールドにあります。

    マップには、多数のポイントが重なり合って表示されているので、各ポイントの情報を読み取ることが困難です。 このデータは正規化されており、パーセンテージの形式で与えられているため、等級色を持つポリゴン フィーチャとして表示させることもできます。 まず、ArcGIS の組織アカウントにサイン インする必要があります。

  3. リボン上で [サイン イン] をクリックして、自分の ArcGIS Online アカウントの認証情報を入力します。
    注意:

    組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

    マップが再度読み込まれます。 次に、各国の境界として使用するポリゴン データを追加します。 表示されているレイヤーは、Esri が管理しており、ArcGIS Living Atlas に格納されています。ArcGIS Living Atlas of the World は、レイヤー、マップ、アプリなどの、信頼できる地理データのコレクションです。

  4. [コンテンツ] (暗い背景の) ツールバーの [追加] をクリックして [レイヤーの参照] を選択します。

    レイヤーの参照オプション

  5. 検索バーの上にあるドロップダウンをクリックして [Living Atlas] を選択します。
  6. 検索バーに「countries」と入力します。 [World Countries (Generalized)] レイヤーの [追加] ボタンをクリックします。

    追加ボタン

    [World Countries Generalized] レイヤーがマップの上に描画されます。

  7. [レイヤーの参照] ウィンドウと [プロパティ] ウィンドウを閉じます。 [コンテンツ] ツールバーの [レイヤー] をクリックします。

    レイヤー ボタン

    [レイヤー] ウィンドウが開き、2 つのレイヤーが表示されます。 通常は、ポリゴン データの [World Countries Generalized] レイヤーの上にポイント データの [Prevalence of undernourishment] レイヤーを表示するようにレイヤーの順序を変更しますが、以降でポイントは必要ありません。 ここで、[フィーチャの結合] ツールを使用して、[Prevalence of undernourishment] レイヤーのデータを国のポリゴン レイヤーに追加します。

  8. [設定] (明るい背景の) ツールバーで [解析] をクリックします。

    解析ボタン

  9. [分析] ウィンドウで [ツール] をクリックします。
  10. [データの集約] グループを展開して [フィーチャの結合] をクリックします。

    フィーチャの結合ツール

    結合は、共有された属性または場所に基づいてデータを結びつける方法です。 位置を使用して、栄養不足レイヤーのデータ値を国レイヤーのポリゴン シェープに結びつけます。 そのためには空間結合を使用します。各ポイントのデータは、ポイントが重なって表示されているポリゴンに追加されます。

  11. [ターゲット レイヤー][レイヤー] ボタンをクリックしてから [World Countries Generalized] レイヤーをクリックします。
  12. [結合レイヤー][レイヤー] ボタンをクリックして [Prevalence of undernourishment] レイヤーを選択します。
    注意:

    [ターゲット] レイヤーと [結合] レイヤーを選択した後、それぞれにいくつのフィーチャがあるかを見ます。 これらのレイヤーは同じ数のフィーチャを有しない可能性があります。 [フィーチャの結合] コマンドは、[結合の設定] パラメーターに一致するフィーチャについてのみデータを結合します。 入力レイヤーと出力レイヤーにそれぞれいくつのフィーチャがあるかを記録しておくとよいでしょう。

  13. [結合の設定][空間リレーションシップの使用] をオンにした後、[空間リレーションシップ][完全に含む] を選択します。

    フィーチャの結合のパラメーター

    [完全に含む] を選択すると、国のポリゴンの完全に内側のポイントのデータがその国のポリゴンに追加されます。

  14. [結合方法] で、[1 対 1 の結合] が選択されていることを確認します。

    このパラメーターではさらに、[World Countries Generalized] レイヤーに結合する必要のある [Prevalence of undernourishment] レイヤーにレコードが 1 つだけ含まれるように指定します。

  15. [出力名] で「Undernourishment」と入力し、自分のイニシャルを追加します。

    各レイヤーには一意の名前が必要です。 イニシャルの追加は、結果レイヤーの名前を一意にするための方法の 1 つです。

  16. [実行] をクリックします。

    ツールの実行が終了すると、このレイヤーが [レイヤー] ウィンドウとマップに追加されます。

  17. [レイヤー] ウィンドウで、[World Countries Generalaized] レイヤーと [Prevalence of undernourishment] レイヤーの横にある [表示設定] ボタンをクリックして、これらのレイヤーをオフにします。

    表示設定ボタンの非表示

    マップには [Undernourishment] レイヤーが表示されます。 国によってはデータ値がなく、国によっては [Latest Value] が 0 となっています。 これらの国をマッピングする必要はないので、次に、[Undernourishment] レイヤーが描かれるときにこれらの国が現れるのを防ぐフィルターを作成します。

    結合分析の結果を示すマップ

フィルターの作成

[Undernourishment] レイヤーでフィルターを作成して、関心のある国だけを示すことができます。

  1. [Undernourishment] レイヤーが選択されていることを確認して、[設定] ツールバー上で [フィルター] をクリックします。
    注意:

    レイヤー名の横にある青色のラインは、現在選択されているレイヤーを示しています。

    フィルター ボタン

    [フィルター] ウィンドウが表示されます。 フィルターは、関心のある、レイヤー内のフィーチャのみを表示する 1 つまたは複数の式です。 空白ではなくかつ 0 でもない [Latest Value] を有する [Undernourishment] レイヤーの国だけを表示したいとします。 式を作成します。

  2. [フィルター] ウィンドウで、[式の追加] をクリックします。 [式] の下にあるプルダウン メニューを使用して、「Latest Value が空白でない」を作成します。

    式「Latest Value が空白でない」の作成

  3. フィルター ウィンドウ上の [設定] の反対側で、[オプション] ボタンをクリックして、[条件の追加] を選択します。 「Latest Value が 0 に等しくない」を作成します。

    条件「Latest Value が 0 に等しくない」の作成

  4. [設定] では、[次のいずれかに一致] のデフォルトのままにします。

    マップが更新され、これらの条件に一致する国だけが表示されます。

    レイヤー フィルターが適用されたマップ

  5. [保存] をクリックしてフィルターを保存します。

    次に、[Undernourishment] レイヤーのスタイルを設定します。

レイヤーのスタイルの設定

[Undernourishment] レイヤーは、[Latest Value] について空白でない、かつゼロでないパーセンテージ値を有する国のポリゴン フィーチャを含みます。 ここで、これらの値に基づいて、等級色で国のスタイルを設定します。

  1. [コンテンツ] ツールバー上で、[Undernourishment] レイヤーが選択されていることを確認します。 [設定] ツールバーの [スタイル] をクリックします。

    シンボル ボタン

    [シンボル] ウィンドウが表示されます。 現時点では、マップにはデータの場所のみが表示されています。 数量をマッピングするため、属性を変更してシンボル表示します。 このマップに対して、[Latest Value] フィールド、すなわち国についての最新のデータを使用します。 国別に報告データの値を調べたい場合は、属性テーブルを開いて国を選択します。

  2. [スタイル] ウィンドウの [属性の選択][フィールド] をクリックして [Latest Value] を選択します。 [追加] をクリックします。

    マップが自動的に再描画され、[数と量 (色)] スタイルのデフォルト シンボルが表示されます。 最も濃い青色は、栄養不足が最もまん延している地域を表します。

  3. [完了] をクリックします。

    等級色シンボルを使用して国別の栄養不足を表したマップ

    このマップからどのようなことがわかるでしょうか? 栄養不足の割合が最も高い国はどこでしょうか? 作業前は明確でなかったデータのパターンを読み取ることができるようになったでしょうか? 栄養不足の割合について、スタイルの設定がされていない郡に値がなかったか、または値 0 であったのはなぜだと思いますか?

  4. マップ上の別の国をクリックし、[Latest Value] 属性を含む、その国の情報を確認します。

    データによれば、栄養不足の人口が多い上位 5 か国は、ハイチ (48.2%)、北朝鮮 (47.6%)、マダガスカル (41.7%)、チャド (39.6%)、リベリア (37.5%)です。 これらの地域は、世界中に散らばっており、栄養不足のまん延理由はさまざまです。

    これらの国々で栄養不足の割合が高いのはなぜだと思いますか? 最近、これらの割合に関連する可能性のあるできごとはありましたか?

    多くの場合、世界的飢餓についての議論では、栄養不足およびそれに類似する深刻度の計測に重点が置かれます。 しかしながら、食料へのアクセスは南半球全体に限られた問題ではありません。最も広範に見られる問題です。 次のセクションでは、異なる計測基準である食料不足をマッピングします。

食料不足の比較

飢餓が起きている場所について別の視点を得るため、食料不足もマッピングします。 国連の定義によれば、食料不足は、「お金やその他の資源の不足により、人々が適切な品質や量の食料にアクセスしようとして直面する困難の程度。 困難には、食料にアクセスする苦労に関連する心理的な懸念も含まれる」とされます。 食料の購入資金の不足から、食料の入手機会を妨げる社会不安や飢饉に至るまで、さまざまな社会的および経済的要因によって、食料へのアクセスは制限される可能性があります。

  1. [コンテンツ] ツールバーの [追加] をクリックし、[レイヤーの参照] を選択します。
  2. [マイ コンテンツ] をクリックし、[ArcGIS Online] を選択します。

    ArcGIS Online オプション

    このレイヤーは、ArcGIS Online に公開されています。

  3. 検索バーに「severe food insecurity」と入力し、[unstats_admin] が所有している [Indicator 2.1.2: Prevalence of moderate or severe food insecurity in the adult population (percent)] レイヤーを追加します。

    Indicator 2.1.2 のデータ

    注意:
    またこのデータは、SDG Data Hubs サイトにアクセスし、Data to Advance the SDGs のセクションまで下にスクロールし、Zero Hunger をクリックし、Prevalence of moderate or severe food insecurity を検索することによって見つけることができます。

  4. [レイヤーの参照] ウィンドウを閉じます。 [コンテンツ] ツールバー上で [レイヤー] をクリックし、[Undernourishment] レイヤーの [表示設定] ボタンをオフにします。

    食料不足データを示すマップ

    各国の深刻な食料不足のまん延レイヤーは、栄養不足のまん延レイヤーと比べてどうでしょうか? 一部の国では、食料不足データは報告されていますが栄養不足は報告されていません。なぜだと思いますか?

    データがある場合、多くの国はデータを性別で分類しているので、多くの国には 3 つのデータ ポイントがあります。 [Sex Desc] 属性では、[Female] および [Male] の値は、各性別の 15 歳以上の人を表しています。 [Both Sexes] では、データは年齢ではなく人口の割合として報告されます。

  5. 別の国のポイントをクリックしてデータを調べます。 必要に応じてポップアップを参照し、矢印をクリックして、データが性別でどのように変化するかを確認します。

    ポップアップの矢印

    北半球の多くの国では、食料不足に直面している人口の割合は比較的低いですが、このデータはさらに多様です。 食料不足に注意を払うことはなぜ重要だと思いますか?

    注意:

    この分析を続けるために、同じプロセスに従って、[Prevalence of moderate or severe food insecurity in the adult population (percent)] レイヤーを [World Countries Generalaized] レイヤーに結合することができます。

飢餓は、深刻度と計測方法はさまざまですが、世界的に重大な課題です。 栄養不足は、監視して対処しなければならない、より緊急性の高い指標です。 その原因は、食料不足とは別に対処すべき要因によって悪化している可能性があります。 国連は飢餓を終わらせ、食料の安全保障を達成するという目標に取り組んでおり、持続可能な長期的解決策の策定に際しては、これら 2 つの指標を考慮する必要があります。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。