ArcGIS Pro から ArcGIS Online へのデータ公開
プロジェクトのダウンロード
はじめに、公開するレイヤーが含まれるプロジェクト パッケージをダウンロードします。
- Homelessness_in_the_United_States プロジェクト パッケージをダウンロードします。
[Homelessness_in_the_United_States.ppkx] という名前のファイルがコンピューターにダウンロードされます。
注意:
.ppkx ファイルは、ArcGIS Pro プロジェクト パッケージです。これには、ArcGIS Pro で開くことができるマップ、データ、その他のファイルが含まれます。 .ppkx ファイルの管理の詳細については、このガイドをご参照ください。
- ファイルがダウンロードされた場所を開き、[Homelessness_in_the_United_States.ppkx] をダブルクリックして ArcGIS Pro で開きます。 プロンプトが表示されたら、ArcGIS アカウントの認証情報を使用してサイン インします。
注意:
ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
プロジェクトには、米国の州別のホームレス状況を示すマップが格納されています。
このレイヤーの作成方法として、まず、ホームレス生活者に関する実数調査データのテーブルと米国国勢調査局の米国人口に関するデータを結合しました。 次に、各州の 10,000 人あたりのホームレス生活者数を求めるための新しい属性フィールドを計算しました。 最後に、等級シンボルによってこのレイヤーをシンボル表示しました。
注意:
このチュートリアルでは、このレイヤーの作成に必要となる手順については取り上げません。 テーブルをレイヤーに結合する方法については、「空間レイヤーへの表形式データの結合」をご参照ください。 フィールドの計算方法については、「テキスト データから数値データへの変換」をご参照ください。 等級シンボルによるレイヤーのシンボル表示の方法については、「ArcGIS Pro での主題図用シンボルの設計」をご参照ください。
次に進む前に、このレイヤーをよく見て、何が描写されているかについて理解を深めます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[United States Homelessness] を右クリックして、[属性テーブル] を選択します。
レイヤーのテーブルが表示されます。 このテーブルには、各州の名称、人口総数、ホームレス生活者数 (2023 年、2020 年) が含まれています。 レイヤーのシンボル表示には、[2023 Homeless Population per 10,000] フィールドが使用されています。
- テーブルを閉じます。
このレイヤーには、追加情報を構成したポップアップも含まれています。
- マップ上で任意の州をクリックします。
州のポップアップに、10,000 人あたりのホームレス生活者数が表示されます。これは、先ほど確認したフィールドに基づいた数値です。 ポップアップには、2020 年から 2023 年にかけてのホームレス生活者の割合の増減も表示されます。 属性テーブルにはこの情報を示すフィールドはなく、このポップアップでカスタムの ArcGIS Arcade 式を使用して計算されています。
注意:
Arcade の詳細については、「はじめての ArcGIS Arcade」をご参照ください。
- ポップアップを閉じます。
全般的に、このレイヤーはすでに ArcGIS Pro の幅広いツールや機能を使用して、一般ユーザーに有意義な情報となるように構成されています。 レイヤーの共有と配信がしやすい ArcGIS Online に公開する準備ができています。
Web レイヤーの公開
次に、このレイヤーを Web レイヤーとして自分の ArcGIS アカウントに公開します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[United States Homelessness] を右クリックします。 [共有] をポイントし、[Web レイヤーとして共有] を選択します。
[Web レイヤーとして共有] ウィンドウが表示されます。 レイヤーを公開する前に、基本メタデータを指定します。 また、レイヤー名が組織内で一意になるように変更します。
注意:
ArcGIS 組織に同じ名前で 2 つのレイヤーを作成することはできません。 ユーザーの名前またはイニシャルを追加すると、組織の他のユーザーもこのチュートリアルを実行できるようになります。 レイヤーが作成されたら、マップ内で名前を変更してイニシャルを削除できます。基になるデータ レイヤーの名前には影響しません。
- [Web レイヤーとして共有] ウィンドウの [名前] で、レイヤー名の末尾に自分の名前またはイニシャルを付けます。
- [サマリー] に「This layer shows the number of people experiencing homelessness per 10,000 people for each state.」と入力します。
- [タグ] に「Point-in-Time Counts」、「Unhoused」、「United States of America」と入力し、各タグの後で Enter を押します。
データを公開するレイヤーのタイプも選択できます。 公開したいレイヤーはフィーチャ レイヤーです。フィーチャ レイヤーは、独自の地理特性により明確に区別されるフィーチャで構成されます (このレイヤーでは、それぞれの州がフィーチャです)。 このデータも同じくフィーチャ レイヤーとして公開します。他にはタイル レイヤーもありますが、タイル レイヤーはラスター データに適しています。
- [レイヤー タイプ] が [フィーチャ] に設定されていることを確認します。
次の [場所] オプションでは、公開するレイヤーを配置する ArcGIS アカウントのフォルダーを選択または作成できます。 場所を選択しない場合、レイヤーはアカウントのデフォルト フォルダーに公開されます。 このチュートリアルでは、デフォルト フォルダーでかまいません。
また、公開するレイヤーの共有方法も指定できます。 デフォルトでは、その所有者 (あなた) だけが参照できるように共有されます。 組織のメンバーが参照できるように共有することも、あるいは URL を知っている限り誰でも参照できるように共有することも可能です。
このチュートリアルでは、このレイヤーは GIS の使用経験のない人にも有意義な情報となるよう構成されています。 また、レイヤーには機密情報は一切含まれていません。 そのため、レイヤーをすべてのユーザーと共有します。
- [共有レベル] で、[すべての人 (パブリック)] を選択します。
これでレイヤーを公開する準備がほぼ整いました。 公開する前にレイヤーを解析して、公開を妨げる可能性のあるエラーが存在しないことを確認します。
- [共有の完了] の下の [分析] をクリックします。
レイヤーが分析されます。 [00374 一意の数値 ID が割り当てられていません] というエラーが 1 つ表示されます。 このエラーについて詳細を確認します。
- エラーをポイントし、[オプション] ボタンをクリックします。
- メニューで [ヘルプ] をクリックします。
エラーのヘルプ ページが表示されます。 このページにはエラーの説明と解決策が表示されます。
一意の数値 ID により、Web レイヤーが上書きされた場合にも ID が保持されます。 ID が保持されないと、このレイヤーを使用する Web マップが破損する可能性があります。 レイヤーの公開後に上書きする予定はありませんが、将来的には元のデータに変更を加えた場合に上書きが必要になる可能性があります。 (たとえば、2023 年以降のデータに更新する場合) そのため、一意の数値 ID を割り当ててエラーを解決します。
- ヘルプ ページを閉じます。 ArcGIS Pro に戻ります。
- [Web レイヤーとして共有] ウィンドウで、[00374 一意の数値 ID が割り当てられていません] をダブルクリックします。
[マップ プロパティ] ウィンドウが表示されます。 このウィンドウに、一意の数値 ID を割り当てるためのオプションがあります。
- [Web レイヤーを共有できるよう一意の数値 ID の割り当てを許可] のボックスをオンにします。
- ウィンドウの下部で、[OK] をクリックします。
ID が割り当てられます。 [Web レイヤーとして共有] ウィンドウで、エラーが解決されたことを示すチェックマークが表示されます。
他にエラーはありません。 公開する準備が整いました。
- [Web レイヤーとして共有] ウィンドウの下部にある [公開] ボタンをクリックします。
しばらくすると、Web レイヤーが公開されます。
- [クイック アクセス ツールバー] で [プロジェクトの保存] ボタンをクリックします。
Web レイヤーの探索
Web レイヤーを公開したので、次に ArcGIS Online で探索し、正しく公開されていることを確認します。
- [共有の完了] で、[Web レイヤーの管理] をクリックします。
公開された Web レイヤーのアイテム ページが表示されます。 公開レイヤーをすべてのユーザーと共有したため、サイン インしていなくても参照できます。
アイテム ページにはレイヤーに関するメタデータが含まれています。 メタデータには、レイヤーの公開時に設定したサマリーとタグがありますが、その他にも詳細説明、利用規約、著作権を設定できます。
ヒント:
メタデータの追加についてはこのチュートリアルでは取り上げませんが、ArcGIS Online で公開されるすべてのアイテムについて詳細なメタデータを追加することをおすすめします。 詳細ページを編集するには、まず ArcGIS アカウントにサイン インしていることを確認します。 次に、セクション ヘッダーの横にある [編集] ボタンをクリックします。 [アイテム情報] セクションでは、詳細ページのどの部分を追加または変更する必要があるかを確認できます。
ページの URL をコピーして、レイヤーを見てほしいユーザーに送信するだけで、このページを共有できます。 続行する前に、公開したレイヤーを Web マップで探索します。
- [Map Viewer で開く] をクリックします。
レイヤーが Web マップに追加されます。 表示されるシンボルは、ArcGIS Pro にあったレイヤーのシンボルと一致しています。
レイヤーを ArcGIS Pro から ArcGIS Online へ公開する場合、Web レイヤーでは、そのレイヤーに対して行われたすべてのシンボルの変更点を維持しようとします。 ArcGIS Pro と ArcGIS Online のシンボルのオプションには一部違いがあるため、すべてのシンボルの変更点を維持できるわけではありません。 それでも、ほとんどのシンボルに互換性があります。
注意:
必要であれば、ArcGIS Online でもレイヤーのシンボルを編集できます。 ArcGIS Online でのデータのスタイル設定に関する詳細については、「ArcGIS Online での主題図用シンボルの設計」をご参照ください。
- [レイヤー] ウィンドウで、[United States Homelessness] の横にある [オプション] ボタンをクリックし、[テーブルの表示] を選択します。
レイヤーのテーブルが表示されます。
- テーブルをスクロールします。
このテーブルには、ArcGIS Pro のレイヤーの属性テーブルと同じ情報が含まれています。 レイヤーに関連するすべての情報が正しく公開されています。
- テーブルを閉じます。
- マップ上で任意の州をクリックします。
州のポップアップが表示されます。 ArcGIS Pro のポップアップと同じ情報が含まれています。カスタムの Arcade 式を使用して計算した割合の増減に関する情報もあります。
ポップアップの情報はカスタマイズした場合でも、レイヤーの公開後も維持されています。
- ポップアップを閉じます。
レイヤーが正しく公開されていることを確認しました。 アカウントの [コンテンツ] ページから、レイヤーのアイテム ページにもう一度アクセスできます。
- 必要に応じて、リボンで [サイン イン] をクリックします。 ArcGIS Pro にアクセスしたときに使用したものと同じ ArcGIS アカウント認証情報を使用してサイン インします。
- リボンの [無題のマップ] の横にあるオプション ボタンをクリックします。
- メニューで、[コンテンツ] をクリックします。 このまま現在のページから移動するかどうか確認を求められた場合は、[移動] をクリックします。
自分の ArcGIS アカウントのコンテンツ ページが表示されます。 公開したレイヤーが、ここに表示されている最新のレイヤーです。 また、同じ名前のサービス定義ファイルもあります。
サービス定義は、Web レイヤーを公開するために必要なすべての情報を含むファイルです。 ArcGIS Pro から ArcGIS Online へデータを公開すると、このファイルが自動的に作成されます。 サービス定義は、同じサービスを異なる環境で公開するために使用できますが、このチュートリアルでは使用する必要はありません。
注意:
サービス定義の詳細については、ヘルプ トピック「サービス定義の保存の概要」をご参照ください。
- [United States Homelessness] フィーチャ レイヤーの名前をクリックします。
アイテム ページに戻ります。
このチュートリアルでは、レイヤーを ArcGIS Pro から ArcGIS Online へ公開しました。 公開したレイヤーは Web マップやその他の ArcGIS オンライン アプリで使用できるようになりました。 Web レイヤーを使用した Web マップ作成方法の詳細については、「はじめての ArcGIS Online」をご参照ください。
他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。