ビデオ レイヤーの公開
ビデオの空間情報をマップで使用するには、最初に、そのビデオをホスト ビデオ レイヤーとして公開しておく必要があります。
ビデオのダウンロード
まず、ワイオミング州シャイアン市にある施設を映したビデオをダウンロードします。 次に、ArcGIS Enterprise ポータルにサイン インし、ビデオを ArcGIS Video Server に公開する際に使用する ArcGIS Excalibur にアクセスします。
- cheyenne-inspection zipped folder をダウンロードします。
- コンピューター上でダウンロードしたフォルダーを検索し、ドキュメント フォルダーなどの覚えやすい場所に解凍します。
注意:
お使いの Web ブラウザーによっては、ダウンロードを開始する前に、ファイルの場所を選択するよう求めるメッセージが表示される場合があります。 ほとんどのブラウザーでは、デフォルトでコンピューターのダウンロード フォルダーがダウンロード先の場所になります。
抽出したフォルダーには、[cheyenne-inspection.mpg] という 1 つのファイルが含まれています。 .mpg ファイルはビデオ ファイルの一種です。
- 指定ユーザー アカウントを使用して、ArcGIS Enterprise ポータルにサイン インします。
注意:
このチュートリアルを実行するには、お使いの Enterprise アカウントで、ビデオの公開ロール権限が必要です。 この権限がない場合は、Enterprise ポータルの管理者にお問い合わせください。
- ポータルのホーム ページのリボンにあるアプリ ボタンをクリックして [Excalibur] を選択します。
Excalibur ホーム ページが表示されます。
ビデオをホスト レイヤーとして公開
次に、ArcGIS Excalibur を使用して、ダウンロードしたビデオをホスト ビデオ レイヤーとして ArcGIS Video Server に公開します。 ビデオをホスト レイヤーとして公開すると、そのビデオを他のエンタープライズ GIS ソフトウェアで使用できるようになります。
- Excalibur のホーム ページで [レイヤーの公開] ボタンをクリックします。
ヒント:
また、[新規公開: ホスト Web レイヤー] をクリックすることもできます。
最初に、作成するホスト Web レイヤーのタイプについて問われます。 Excalibur を使用して、イメージ レイヤー、観測レイヤー、またはビデオ レイヤーをホストすることができます。
- [ビデオ レイヤー] で、[オンデマンド] の横にある矢印をクリックします。
注意:
ビデオ レイヤーを公開するように Enterprise 環境が構成されていない場合は、ビデオ レイヤーを公開するオプションが表示されません。 このための環境を構成する方法については、「ArcGIS Video Server サイトを ArcGIS Enterprise ポータルとフェデレート」をご参照ください。
ビデオ レイヤーに関する基本的なメタデータをいくつか入力するよう求められます。
- 次の情報を設定します。
- [アイテム名] に「Latest Damage Assessment around Facility of Interest」と入力し、自分の名前またはイニシャルを付加して、このタイトルが一意であることを確認します。
- [フォルダー名] で、レイヤーを公開するポータルのフォルダーを選択します。
- [サマリー] に「This video can be used to analyze structural damage in and around a facility of interest in Cheyenne, Wyoming.」と入力します。
- [タグ] に「Aerial Video」と入力します。
- [共有] で、[組織] を選択します。
- [次のステップ] をクリックします。
次に、アップロードするファイルを選択します。
- [参照して選択するか、アップロードするファイルをここにドロップ] をクリックします。 [cheyenne-inspection.mpg] を参照してダブルクリックします。
このファイルがページに追加されます。 合計アップロード サイズが表示されます。 お使いのファイルのアップロード サイズは約 77 MB です。
- [次のステップ] をクリックします。
- [Video Server で公開されるサービスの名前] に「Latest_Damage_Assessment_」と入力して自分の名前またはイニシャルを付加します。
出力ビデオ解像度を選択することもできます。 ビデオ レイヤーがホストされているコンピューター上に ArcGIS Video Server の GPU リソースがある場合、ビデオ レイヤーはさまざまな解像度でエンコードされます。 GPU リソースが利用できない場合、公開時に使用できるのはソース解像度だけです。
ビデオ レイヤーの解像度は、ソースより低くすることができますが、ソースより高くすることはできません。 元のビデオの解像度は 1920 x 1080 であるため、それに応じた解像度を選択します。
- [目的の出力ビデオ解像度の選択] で [フル HD] をオンにします。
レイヤーの位置の詳細を構成するオプションも確認します。 これは、ビデオ レイヤーの公開時に、マップ パネルにテレメトリを表示するのに必要なメタデータを持たないビデオ ファイルがある場合に役立ちます。 しかしこのファイルについては、ビデオ ファイルにこのメタデータが含まれているため、詳細を定義する必要はありません。
- [次のステップ] をクリックします。
ビデオ レイヤーを公開する準備が整いました。
- サマリーを確認し、[レイヤーの作成] をクリックします。
公開が終了すると、その旨を知らせるメッセージが表示されます。 新しいホスト ビデオ レイヤーを使用できるようになりました。 このビデオ レイヤーは、お使いのアカウントのコンテンツに格納され、組織内のすべてのユーザーがアクセスできます。
- 必要に応じて、新しいブラウザー タブで、Enterprise ポータルのホーム ページに移動します。 リボンの [コンテンツ] をクリックします。
ビデオ レイヤーは、お使いのアカウントでアイテムとして使用できます。
- ArcGIS Excalibur のブラウザー タブで [キャンバスに接続] をクリックします。
ビデオ レイヤーがキャンバスに追加され、そこで操作したり解析したりすることができます。 デフォルトで、キャンバスには、テレメトリとビデオが撮影された場所のマップが表示される [マップ パネル] と、ビデオが表示される [フォーカス パネル] という 2 つのパネルがあります。
ヒント:
また、[コンテンツ] ページからキャンバスにビデオ レイヤーを追加することもできます。 ビデオ レイヤーの名前をクリックして、そのレイヤーの詳細ページに移動します。 次に、[ArcGIS Excalibur で開く] をクリックします。
ビデオ ファイルをホスト ビデオ レイヤーとして Video Server に正しく公開しました。 これで、ビデオを Excalibur で解析するためにマップや他の空間データと組み合わせて使用できるようになりました。
ビデオ レイヤーの解析
ビデオ レイヤーをすでに公開したので、そのビデオ レイヤーを解析します。 このビデオには、ワイオミング州シャイアン市にある施設を空撮した様子が映されています。 ビデオを同じエリアの画像マップと比較して、施設の屋上に損傷、がれきごみ、その他の想定外の相違がないかを調査します。 相違にアノテーションを追加し、スクリーンショットをキャプチャして他のユーザーと共有します。
ビデオを見る
まず、ベースマップを変更して、衛星画像を表示します。 次に、ビデオを再生して、マップ上の画像と比較します。
- Excalibur の [マップ パネル] で [ベースマップ] をクリックします。 [ベースマップ] ウィンドウで [衛星画像] を選択します。
ベースマップが変更されます。
- [ベースマップ] ウィンドウを閉じます。
この画像は、施設を真上から撮影したものです。
- [フォーカス パネル] で [ビデオの再生] ボタンをクリックします。
ビデオが再生されます。 ビデオを再生すると、マップが更新され、ビデオをキャプチャしているセンサーの位置 (円) とセンサーがキャプチャしている位置 (ポリゴン) が表示されます。 点線がセンサーに追従し、その経路が表示されます。
- ビデオを最後まで視聴し、時間の経過に伴ってマップがどのように変化したかを観察します。
ビデオ内で施設の屋上に目に見えるごみがありますか? この質問に答えるには、Excalibur のビデオ解析ツールを使用します。
ビデオ フレームのキャプチャ
ビデオ レイヤーを操作する際に、[マップ パネル] でいくつかの解析ツールを使用できます。これには、ビデオの要素を計測またはカウントするツールやビデオの要素に関するレポートを作成するツールなどがあります。
ツールを使用して特定のビデオ フレームをキャプチャし、ビデオに映っているものと画像に表示されているものを比較できるようにします。
- ビデオをもう一度再生します。 00:22 マークの位置で [ビデオの一時停止] ボタンをクリックします。
ヒント:
また、いつでもビデオを一時停止し、タイム スライダーを 00:22 の位置までドラッグすることもできます。
このフレームに表示されている白い円筒形の建物のいくつかは、その上にごみが付いているか、損傷があるように見えます。 このフレームを比較対象としてキャプチャします。
- [フォーカス パネル] の上にある [ツール] をクリックして [ビデオ フレーム] を選択します。
- [ビデオ フレーム] パネルで [キャプチャ] をクリックします。
ビデオ フレームがキャプチャされ、プレビューとして表示されます。
注意:
画像のプレビューが表示されない場合は、ブラウザーでセキュリティ エラーが発生している可能性があるため、画像をダウンロードすることができません。 これに該当する場合は、操作を続行する前に、証明書エラーを解決しておく必要があります。
フレームをマップ上に表示するか、ダウンロードするかを選択できます。 フレームをマップ上に表示して、衛星画像と比較します。
- [マップに追加] を選択し、[送信] をクリックします。
ビデオ フレームがマップに追加されたことを通知で確認できます。 マップの現在の範囲では、ビデオ フレームが見づらくなる可能性があるため、ビデオ フレームに移動します。
- [ビデオ フレーム] パネルの上にある [レイヤー] をクリックします。
- [キャプチャされたビデオ フレーム] で [ズーム] ボタンをクリックします。
[マップ パネル] で、キャプチャされたビデオ フレームの範囲がズームされます。
フレームを見やすくするには、マップ上のレイヤーをオフにして、センサーの視線とフレームのアウトラインが表示されるようにします。
- [フォーカス パネル] で [ビデオ レイヤー グラフィックスの更新] ボタンをクリックします。
- [センサーの視線]、[フレームのアウトライン]、および [フレームの中心] をオフにします。
これで、ビデオ フレームを遮るものなくマップに表示されます。
- [レイヤー] ボタンをクリックします。 [キャプチャされたビデオ フレーム] で [レイヤーの非表示] ボタンをクリックします。
ビデオ フレームがマップで非表示になります。
- [キャプチャされたビデオ フレーム] レイヤーを表示または非表示にして、ビデオ フレームと画像を比較します。
ビデオ フレームは完全にオルソ補正されていませんが、比較対象の画像とよく似ています。
ビデオ フレームと画像の間に大きな相違がいくつかあります。 建物のいくつかは、画像で欠落していますが、ビデオ フレームには存在しています。 また、損傷があるように見える建物やごみが付いているように見える建物もあります。 画像はビデオよりも新しく撮影されたものなので、これらの建物のいくつかはすでに除去されている可能性があります。
マップの描画
画像とビデオを比較したので、マップを描画して、損傷がある建物、ごみで覆われている建物、完全に欠落している建物にアノテーションを追加します。
- ビデオ フレームがマップ上で非表示になっており、施設の周辺の対象地域がまだズームされていることを確認します。
- [ツール] をクリックして [描画] を選択します。
ポイント、ライン、ポリゴン、四角形、テキストでマップを描画することができます。 ポイントを使用して、欠落している建物または損傷がある建物にマークを付けます。
- [描画] パネルで [クリックしてポイントを追加します] ボタンをクリックします。
ポイントをマップに追加する前に、サイズと色を変更します。
- [サイズ] に「16」と入力します。 [塗りつぶし] で、青色を選択するか、「#1E90FF」と入力します。
- [マップ パネル] で、サンプル画像内の場所など、ビデオ フレームと比較して画像内で欠落していると思われる建物をクリックします。
- [描画] パネルで [クリックしてポイントを追加します] ボタンをクリックします。 次のパラメーターを変更します。
- [サイズ] に「16」と入力します。
- [塗りつぶし] に「#1E90FF」と入力します。
- [マップ パネル] で、ビデオ フレームと比較して画像内で欠落していると思われる別の建物をクリックします。
- 必要な場合は、同じパラメーターを使用して、画像ではなく、ビデオ内で損傷があるか、ごみで覆われているように見える建物にポイントをさらに追加します。
注意:
描画は、サンプル画像と同じでなくてもかまいせん。
建物の周囲に四角形を描画して、視覚的に建物をグループ化します。 このエリアのスクリーンショットをキャプチャして他のユーザーと共有することを目的としているので、詳しい状況を表すテキストも追加します。
- [描画] パネルで [クリック&ドラッグして四角形を描画します。] ボタンをクリックします。
- [アウトライン] に「#1E90FF」と入力します。 [塗りつぶしの透過表示] を [100% 透明] に変更します。
- [マップ パネル] で、追加したポイントの周囲に四角形を描画します。
- [描画] パネルで [クリックしてテキストの位置を定義します。] ボタンをクリックします。
- [ラベル] に「The marked structures are either damaged, covered in debris, or missing when compared to the video.」と入力します。 [色] に「#FFFFFF」と入力します。
- [マップ パネル] で、描画した四角形の上にテキストを追加します。
これで、ビデオ フレームと画像を比較した結果がマップに描画されました。
スクリーンショットのキャプチャ
描画したマップのスクリーンショットをキャプチャします。このスクリーンショットをダウンロードして、プロジェクトに参加している他のユーザーと共有することができます。
- [ツール] をクリックして [スクリーンショット] を選択します。
- [スクリーンショット] パネルで [エリアの描画] をクリックします。
- [マップ パネル] で、マップ範囲全体を覆う四角形を描画します。
指定したエリアのプレビューが [スクリーンショット] パネルに表示されます。
ヒント:
プレビューに満足できない場合は、[再描画] をクリックして、スクリーンショットの範囲を描画し直します。
次に、スクリーンショットをダウンロードします。
- [エクスポート オプション] で、[保存] を選択します。 [ファイル名] に「Facility Structures Analysis」と入力します。
- [送信] をクリックします。
スクリーンショットがダウンロードされました。
- コンピューター上で、ダウンロードしたスクリーンショットを検索して開きます。
このファイルは、他の調査メンバーと共有したり、プレゼンテーションやブリーフィングで使用したりすることができます。
Excalibur プロジェクトに繰り返しアクセスできるようにしたい場合は、そのプロジェクトを保存しておくことができます。
- ArcGIS Excalibur で [保存] をクリックします。 [Excalibur プロジェクトを作成] ウィンドウに次の情報を入力します。
- [タイトル] に「Facility Structures Analysis」と入力します。
- [フォルダー名] に「Facility Structures Analysis」がデフォルトで入力されていることを確認します。
- [プロジェクト手順] に「Inspect the differences between a video and imagery of the facility.」と入力します。
- [サマリー] に「A comparison between video and imagery of a facility in Cheyenne, Wyoming.」と入力します。
- [タグ] に「Aerial video」と入力します。
- [共有レベル] を [組織] に設定します。
- [プロジェクトの作成] をクリックします。
プロジェクトが保存され、後からアクセスできるようになります。
このチュートリアルでは、ホスト ビデオ レイヤーを ArcGIS Video Server に公開しました。 ビデオを公開した後で、ArcGIS Excalibur を使用して、同じエリアの衛星画像と並べて調査と解析を実行しました。 その結果を描画し、スクリーンショットとしてエクスポートして、他のユーザーと共有しました。
Video Server でホストされているビデオ レイヤーは、そのレイヤーを共有しているすべてのユーザーがアクセスして再利用することができます。 このチュートリアルのビデオは、いつでも別の用途に再利用できます。
他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。