ディープ ラーニング用の ArcGIS Pro の設定

ArcGIS Pro ディープ ラーニング ツールは、バックグラウンドで Python ディープ ラーニング ライブラリを使用します。 ライブラリをインストールして、インストールが成功したことを確認します。

ディープ ラーニング ライブラリのインストール

最初に、ディープ ラーニング ライブラリをダウンロードして、インストールします。 ArcGIS Pro のバージョンとディープ ラーニング ライブラリのバージョンが一致している必要があります (例: どちらも 3.4)。 3 つのケースがあります。

  • 初めてディープ ラーニング ライブラリをインストールする場合は、このセクションで説明するステップに従ってください。
  • 過去にディープ ラーニング ライブラリをインストールしており、ArcGIS Pro 3.4 (またはそれ以降) に更新しようとしている場合は、このセクションで説明するステップに従ってください。
  • 過去にディープ ラーニング ライブラリをインストールしており、古いバージョンの ArcGIS Pro (3.3 またはそれ以前) に更新しようとしている場合は、詳細な手順について、このチュートリアルの後半にある「古いバージョンの ArcGIS Pro のライブラリをすでにインストールしている場合の更新」セクションをご参照ください。 このオプションは最も推奨度が低くなります。

以下のステップでは、バージョン 3.4 での手順を示します。

  1. ArcGIS Pro アプリケーションが終了していることを確認します。
  2. [Deep Learning Libraries Installers for ArcGIS] ページに移動します。
  3. [Download] の下の [Deep Learning Libraries Installer for ArcGIS Pro 3.4] をクリックします。

    ダウンロードのオプション

    注意:

    以前のリリースの ArcGIS Pro を使用している場合、[Downloads for previous versions] をクリックして対応するライブラリを見つけることができます。

    [ArcGIS_Pro_34_Deep_Learning_Libraries.zip] 圧縮フォルダーがコンピューターにダウンロードされます。

  4. Microsoft File Explorer で、[Downloads] フォルダーに移動して、[ArcGIS_Pro_34_Deep_Learning_Libraries.zip] ファイルを見つけます。
  5. [ArcGIS_Pro_34_Deep_Learning_Libraries.zip] を右クリックして、コンピューター上のフォルダーに展開します。

    これを行うには、[すべて展開] メニュー オプションまたは他のアーカイブ抽出アプリケーション ([7-Zip] など) を選択します。

    すべて展開および 7-Zip メニュー オプション

  6. 展開した [ArcGIS_Pro_34_Deep_Learning_Libraries] フォルダーを開きます。

    展開した ArcGIS_Pro_34_Deep_Learning_Libraries フォルダー

    注意:

    展開したフォルダーではなく圧縮された .zip ファイル内から [ProDeepLearning.msi] インストーラー パッケージを実行すると、インストール プロセスは失敗します。

  7. [ProDeepLearning.msi] Windows インストーラー パッケージをダブルクリックしてディープ ラーニング ライブラリをインストールします。

    ProDeepLearning.msi Windows インストール パッケージ

    注意:

    ファイル拡張子が表示されていない場合、[表示] タブの [表示/非表示] セクションで拡張子を表示できます。

    インストーラー ウィンドウが表示されます。

    インストーラー ウィンドウ

  8. インストーラー ウィンドウで [次へ] を 2 回クリックします。
  9. [マスター契約書に同意する] をクリックし、[次へ] をクリックします。
  10. [インストール] をクリックします。
  11. [このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか] というメッセージが表示されたら、[はい] をクリックします。

    ディープ ラーニング ライブラリがコンピューターにインストールされます。

    注意:

    インストールが完了するまで数分かかる場合があります。

  12. インストールが完了したら、[終了] をクリックします。

インストールが成功したことを確認

ディープ ラーニング ライブラリをインストールした後は、ArcGIS Pro を開き、インストールが成功したことを確認します。

  1. ArcGIS Pro を起動します。 サイン インを求められたら、ライセンスが割り当てられた ArcGIS 組織アカウントを使用してサイン インします。
    注意:

    ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

  2. [設定] をクリックします。

    設定ボタン

  3. [パッケージ マネージャー] をクリックします。

    パッケージ マネージャー オプション

    [インストール済みパッケージ] セクションで、インストールしたパッケージを確認できます。 これらは解析を実行するときにバックグラウンドで使用されます。

    注意:

    ArcGIS Pro 向けに別の Python 環境をすでに作成している場合は、最初にデフォルトの [arcgispro-py3] 環境に切り替える必要があります。 ディープ ラーニング ライブラリは [arcgispro-py3] に自動的にインストールされます。

  4. [インストール済みパッケージ] セクションで、検索ボックスに「deep」と入力し、[deep-learning-essentials] パッケージが結果にリストされていることを確認します。

    これは ArcGIS Pro でディープ ラーニング トレーニングと推測を実行するために必要なパッケージの 1 つです。

    Deep-learning-essentials パッケージ

ディープ ラーニング ライブラリをインストールし、ArcGIS Pro でインストールを確認しました。 これで、ディープ ラーニングの Learn ArcGIS チュートリアルまたは ArcGIS Pro のその他のディープ ラーニング ワークフローで提供されるディープ ラーニング解析を実行する準備ができました。

ディープ ラーニング ツールを実行するとコンピューターのシステム構成によって、問題が発生する場合があります。 その場合は、作業を一時停止し、詳細について、このチュートリアルの次のパート「一般的な問題のトラブルシューティング」をご参照ください。

ArcGIS Pro のディープ ラーニング ツールでは、CPU または GPU プロセッサのどちらを使用するかの選択が示されることがあります。 お使いのコンピューターで使用可能なオプションが不明な場合は、「GPU の利用可能性の確認」セクションを確認してください。


一般的な問題のトラブルシューティング (オプション)

前に行ったディープ ラーニング ライブラリのインストールは、ArcGIS Pro でのディープ ラーニングを準備する最も重要な手順であり、通常必要なのはこの手順だけです。 ただし、場合によっては、コンピューター システムが適切に構成され、ディープ ラーニング ワークフローの実行時に正常に機能するように、追加の手順を実行する必要がある場合があります。 詳細について知りたい場合、または ArcGIS Pro でディープ ラーニング ツールの実行中に問題が発生している場合は、次のヒントを確認してください。

GPU の利用可能性の確認

ArcGIS Pro でディープ ラーニング ツールを実行する際は、コンピューターの標準プロセッサーである CPU (中央処理装置) ではなく、コンピューターの GPU (グラフィックス処理装置) を使用して実行することをお勧めします。 ディープ ラーニング手法では、多くの処理能力が要求されます。GPU は複数の同時計算を実行できるため、よく適合しています。 ただし、すべての GPU がディープ ラーニングに対応しているわけではありません。 具体的には、ディープ ラーニング ライブラリは、NVIDIA GPU プラットフォームを想定しています。 このセクションでは、コンピューターに適切な GPU が搭載されているかどうかを確認する方法について説明します。

注意:

コンピューターに搭載されているのが CPU だけの場合、(「ディープ ラーニング事前トレーニング済みモデルを使用したオブジェクトの検出」チュートリアルで示すような) シンプルなディープ ラーニング ワークフローに使用することはできますが、処理時間が長くなります。

コンピューターに NVIDIA GPU 機能が搭載されているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. Windows タスクバーで、[検索] ボタンをクリックします。

    検索ボタン

  2. 検索ボックスに「タスク マネージャー」と入力して、Enter キーを押します。

    タスク マネージャーを検索します。

  3. [タスク マネージャー] ウィンドウで、[パフォーマンス] タブをクリックします。

    パフォーマンス タブ

  4. パフォーマンス インジケーターのリストで、[NVIDIA] タイプの [GPU] オプションを探します。

    GPU パフォーマンス インジケーター

    • [NVIDIA GPU] がリストされている場合は、[GPU] モードで ArcGIS Pro ディープ ラーニング ツールを実行でき、高速なパフォーマンスが得られます。
    • [NVIDIA GPU] の記述がない場合、その機能はお使いのコンピューターに搭載されていません。 選択を求められた場合は、[CPU] モードで ArcGIS ディープ ラーニング ツールを実行する必要があります。
    • コンピューターに 2 つの GPU (1 つは NVIDIA、もう 1 つは NVIDIA 以外) が搭載されている場合があります。 GPU モードでディープ ラーニング ツールを実行すると、ArcGIS Pro は NVIDIA GPU を自動的に選択し、もう 1 つの GPU を無視します。

    リストされた 2 つの GPU
    例では、NVIDIA GPU を含む 2 つの GPU を搭載しているコンピューターを示しています。

    注意:

    詳細については、GPU の確認方法とそれが重要である理由をご参照ください。

    古いコンピューターの場合、ディープ ラーニング ライブラリでは機能しない NVIDIA GPU が搭載されている場合があります。 NVIDIA GPU 計算機能の詳細をご参照ください。

    NVIDIA GPU の能力を計測する主なインジケーターは、専用メモリの容量です。 4 ~ 8 GB の専用メモリ (推論だけを実行する場合は 4 GB、最初からディープ ラーニング モデルをトレーニングする場合は 8 GB) をお勧めします。 ここで、NVIDIA GPU の仕様を確認します。

  5. [NVIDIA GPU] インジケーターをクリックして、その GPU に関する詳細情報を表示します。
  6. [専用 GPU メモリ] インジケーターを見つけます。
    • 2 番目の数字は、使用可能な専用メモリの総容量を示します (次の画像例では [8 GB])。
    • 最初の数字は、現在使用されている専用メモリの容量を示します (画像例では [1.9 GB])。

    専用 GPU メモリ インジケーター

  7. [専用 GPU メモリ使用量] グラフを見つけます。

    専用 GPU メモリ使用量グラフ

    このグラフは、専用 GPU メモリ使用量をリアルタイムで示します。 ArcGIS Pro でディープ ラーニング ツールを実行すると、このグラフ上で使用量が急に上がるのがわかります。

  8. 提供された残りの情報を調べます。

    次の仕様が特に重要です。

    • GPU モデルの名前 (次の画像例では [NVIDIA Quadro RTX 4000])。
    • [ドライバーのバージョン] (ここでは [31.0.15.3598])。
    • [ドライバーの日付] (ここでは [5/24/2023])。

    NVIDIA Quadro RTX 4000 GPU モデル

GPU ドライバーが最新の状態でないために問題が発生した場合、この情報は極めて重要です。 この状況については、次のセクション「NVIDIA ドライバーの更新」で説明します。

NVIDIA ドライバーの更新

古い GPU ドライバーはディープ ラーニング ツールが失敗する原因となります。 この問題が発生した場合に、GPU ドライバーを更新する方法について説明します。

  1. ArcGIS Pro アプリケーションが終了していることを確認します。
  2. NVIDIA GPU のモデルとドライバーのバージョンに関する情報を収集していることを確認します (このチュートリアルの前の「GPU の利用可能性の確認」セクションを参照)。
  3. NVIDIA の「Download Drivers」ページに移動します。
  4. [NVIDIA Driver Downloads] セクションで、お使いの GPU に対応するオプションを選択します。 この例では、GPU モデルは [NVIDIA Quadro RTX 4000] です。

    NVIDIA Driver Downloads セクション

    注意:

    [Operating System] では、ご利用のコンピューターの [設定] を開いて [About your PC] を検索すると、関連情報を見つけられます。

    [Download Type] では、基本的に [Production Branch/Studio] を選択します。

  5. [Search] をクリックし、[Download] をクリックし、[Agree & Download] をクリックします。

    ドライバーのインストーラー ファイルがコンピューターにダウンロードされます。

  6. コンピューター上で、インストーラー ファイルを見つけて実行します (通常は [ダウンロード] フォルダー)。
  7. システムに対する変更を許可するため [はい] をクリックし、[OK] をクリックしてインストーラーを実行します。
  8. [NVIDIA インストーラー] ウィンドウで、[Agree and Continue] をクリックし、デフォルトのインストール オプションをそのまま使用し、[Next] をクリックします。
  9. インストールが完了したら、[Close] をクリックします。

これで、GPU ドライバーは最新になりました。

古いバージョンの ArcGIS Pro のライブラリをすでにインストールしている場合の更新

正常に動作させるには、ディープ ラーニング ライブラリのバージョンが ArcGIS Pro のバージョンと一致している必要があります (例: どちらも 3.4)。 過去に古いバージョンの ArcGIS Pro のディープ ラーニング ライブラリをインストールしていて、新しいバージョンに更新したい場合は、2 つのケースがあります。

  • ArcGIS Pro 3.4 (またはそれ以降) に更新しようとしている場合は、本チュートリアルの「ディープ ラーニング ライブラリのインストール」セクションと「インストールが成功したことを確認」セクションで説明するステップに従ってください。 このオプションを強くおすすめします。
  • 古いバージョンの ArcGIS Pro (3.3 またはそれ以前) を更新しようとしている場合は、以下のステップに従ってください。 エラーを引き起こす可能性のあるバージョンの不一致を回避するため、コンポーネントのアンインストールおよび再インストールを特定の順序で行う必要があります。

ArcGIS Pro 3.3 またはそれ以前に更新しようとしている場合は、最初に、コンピューターに現在インストールされているディープ ラーニング ライブラリのバージョンを確認して、状況をよく把握します。

  1. Windows タスクバーで、[検索] をクリックします。

    検索ボタン

  2. 検索ボックスに「Add or remove programs」と入力して、Enter キーを押します。

    Add or remove programs の検索。

    [Add or remove programs on your computer] ウィンドウが表示されます。

  3. 検索ボックスに「deep」と入力します。

    deep の検索。

  4. 結果のリストで、[Deep Learning Libraries for ArcGIS Pro] をクリックします。

    Deep Learning Libraries for ArcGIS Pro アプリ名

    ライブラリのバージョン番号が表示されます。

    バージョン番号

    最初の 2 桁 (この場合、3.2) は、バージョンを示しています。 これらのライブラリは、ArcGIS Pro 3.2 で機能するようになっています。 目的が ArcGIS Pro とディープ ラーニング ライブラリを次のバージョン (例: 3.3) にアップグレードすることであれば、一番安全な方法はどちらもアンインストールしてから再度インストールすることです。 このプロセスについては、3.2 から 3.3 へのアップグレードを例に、この後の手順で説明します。

    注意:

    ArcGIS Pro 3.3 にすでにアップグレード済みで、ディープ ラーニング ライブラリがまだバージョン 3.2 の場合、一番安全な方法は上記と同じく ArcGIS Pro とディープ ラーニング ライブラリの両方をアンインストールしてから再度インストールすることです。

    ArcGIS Pro もディープ ラーニング ライブラリもすでに目的のバージョン (例: 3.3) にアップデート済みにもかかわらずディープ ラーニング ツールを実行するとエラーが発生する場合は、以前のバージョンを最初にアンインストールしなかった可能性があります。 その場合、以下の手順に従って、クリーンな再インストールを行ってください。

    まず、ライブラリをアンインストールします。

  5. [Add or remove programs on your computer] ウィンドウの [Deep Learning Libraries for ArcGIS Pro][アンインストール] をクリックし、画面に表示される指示に従ってアンインストール プロセスを完了します。

    アンインストール ボタン

    今度は ArcGIS Pro をアンインストールします。

  6. [Add or remove programs on your computer] ウィンドウで [ArcGIS Pro] を検索して、[Uninstall] をクリックします。 画面に表示される指示に従って、アンインストール プロセスを完了します。

    ArcGIS Pro のアンインストール

  7. [Add or remove programs on your computer] ウィンドウを閉じます。

    次に、クリーン アップをいくつか行います。

  8. Windows エクスプローラーで C:\Program Files\ArcGIS\Pro\bin\Python\envs\arcgispro-py3 に移動するか、または同等のインストール場所に移動して、まだ残っているすべてのファイルを直接削除します。

    これらのファイルは、以前に変更を加えた環境からそのまま残っていたファイルの可能性があります。

  9. ArcGIS Pro 3.3 をインストールします。
    注意:

    ArcGIS Pro のインストールへの進み方がわからない場合は、システム管理者にお問い合わせください。 一般的な方法としては、自分の認証情報で ArcGIS Online にログインして設定に移動し、[ライセンス] をクリックしたら [ArcGIS Pro] の横にある [ArcGIS Pro のダウンロード] をクリックします。 次に、ダウンロードしたインストーラー ファイルを確認し、ダブル クリックしてインストールを開始します。

    ArcGIS Pro のダウンロード

  10. 本チュートリアルの「ディープ ラーニング ライブラリのインストール」セクションと「インストールが成功したことを確認」セクションの手順を参考に、Deep Learning Libraries for ArcGIS Pro 3.3 をインストールします。

これで、ArcGIS Pro でディープ ラーニング解析を実行する準備ができました。

ディープ ラーニング ライブラリを含む環境の管理

ArcGIS Pro では、Python はデフォルトで [arcgispro-py3] という Python 環境内で実行されます。 場合によっては、個別の環境を作成して、異なる Python ライブラリをインストールしていることもあります。 ディープ ラーニング ライブラリ インストーラーでは、ライブラリはデフォルトの [arcgispro-py3] 環境に常にインストールされます。 [arcgispro-py3] 以外の環境に切り替えた場合、ディープ ラーニング ツールを使用する前に、[arcgispro-py3] に戻す必要があります。 これを行うには、次の手順を実行します。

  1. ArcGIS Pro を起動します。
  2. [設定] をクリックします。

    設定ボタン

  3. [パッケージ マネージャー] をクリックします。
    • パッケージ マネージャー オプション
  4. [アクティブな環境] で、環境名が選択されていることを確認します。

    次の画像例では、現在のアクティブな環境は [myenv] で、これはユーザーが作成したカスタム Python 環境です。

    アクティブな環境

    代わりにデフォルトの環境をアクティブ化します。

  5. ドロップダウン矢印をクリックし、[arcgispro-py3] を選択します。

arcgi.spro-py3 の選択。

デフォルトの Python 環境 [arcgispro-py3] がアクティブ化されました。 この場所に、ディープ ラーニング ライブラリがインストールされました。 これで ArcGIS Pro ディープ ラーニング ツールを正常に使用できるようになりました。

ディープ ラーニング ライブラリを含むまたは含まないデフォルトの環境のクローン作成

ディープ ラーニング ライブラリを含む ArcGIS Pro クローン環境を作成するには、ライブラリをインストールした後にデフォルトの arcgispro-py3 環境のクローンを作成します。 ディープ ラーニング ライブラリが新しい環境に含まれます。

別の Python ライブラリをインストールしようとして一部のパッケージの競合が見つかった場合など、その他のいくつかのケースで、ディープ ラーニング ライブラリを含んでいない環境が必要になることがあります。 このような環境を作成するには、次の手順の説明に従って、Python コマンド プロンプトを使用します。

  1. ArcGIS Pro を終了します。
  2. Windows タスクバーで、[検索] ボタンをクリックします。

    検索ボタン

  3. 検索ボックスに「Python Command Prompt」と入力して Enter キーを押します。

    Python コマンド プロンプトの検索。

  4. [Python コマンド プロンプト] ウィンドウで、次の Conda コマンドを入力します。

    conda create -n myenv arcpy=3.2

    この例では、「myenv」は作成する新しい環境の名前、「3.2」は ArcPy パッケージのバージョンです。これは、コンピューターにインストールされている ArcGIS Pro のバージョンに一致します (この場合 ArcGIS Pro 3.2)。

    Conda create -n myenv arcpy=3.2 コマンド

    注意:

    [myenv] を任意の名前に置き換えることができます。

  5. Enter キーを押します。

    コマンドが実行されます。

  6. [Proceed ([y]/n)] と表示されたら、「y」を入力して Enter キーを押します。

    Proceed ([y]/n)

    注意:

    プロセスの終了には時間がかかる場合があります。

  7. プロセスが完了したら、ArcGIS Pro を起動します。
  8. [設定] をクリックします。
  9. [パッケージ マネージャー] をクリックします。
  10. [アクティブな環境] で、環境名が選択されていることを確認します。

    次の画像例では、デフォルトの環境 [arcgispro-py3] が現在アクティブになっています。

    Arcgispro-py3 が現在アクティブになっています。

    作成した環境をアクティブ化します。

  11. ドロップダウン矢印をクリックし、[myenv] (またはカスタム環境用に選択した別の名前) を選択します。

    myenv の選択。

  12. 新しい環境で使用する他の (ディープ ラーニング以外の) パッケージをインストールするには、[パッケージの追加] タブを使用します。

    パッケージの追加ボタン

    注意:

    詳細については、「パッケージ マネージャー」およびパッケージの追加方法をご参照ください。

これで、新しいカスタム Python 環境がアクティブになりました。 ディープ ラーニング ライブラリは含まれていませんが、必要な他の (ディープ ラーニング以外の) Python パッケージが含まれています。

メモリの問題

ArcGIS Pro でディープ ラーニング ツールを実行すると、専用 GPU メモリが不足して失敗することがあります。 これは一般的に、選択した [バッチ サイズ] 値が GPU に対して大きすぎるためです。 これを解決するには、[バッチ サイズ] 値を減らし (たとえば、[4] から [2] または [1])、ツールをもう一度実行します。

問題の報告と質問

ArcGIS Pro のディープ ラーニングに関する問題を報告したり質問をしたりする方法は複数あります。

  • ディープ ラーニング ライブラリのインストール中に予期しない動作が生じた場合は、ディープ ラーニング フレームワークGitHub リポジトリに問題を報告できます。
  • Esri CommunityArcGIS Image Analyst セクションで ArcGIS Pro のディープ ラーニング ツールの使用に関する質問を投稿できます。 また、「deep learning」タグを追加して、「ArcGIS Pro Questions」セクションにこれらの質問を投稿することもできます。
  • ディープ ラーニング ツールは完全にサポートされているため、サポート ケースを開くこともできます。

参考資料

このチュートリアルで提供されたトピックの詳細は、次の参考資料をご参照ください。

このチュートリアルでは、ArcGIS Pro でのディープ ラーニングの準備方法について学習しました。 Python ディープ ラーニング ライブラリを設定し、インストールに成功したことを確認しました。 また、コンピューターの設定を確認する方法と発生する可能性がある一般的な問題をトラブルシューティングする方法についても学習しました。 これで、ArcGIS Pro でディープ ラーニング ワークフローを実行する準備が整いました。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。