3D データの調査
Web シーンは、3D Web マップのようなものです。 3 次元のデータを描写する静的マップはかなり前から存在していますが、さまざまな課題を抱えています。 たとえば、前方にあるフィーチャは後方のフィーチャを隠し、後方のフィーチャよりも大きく見える傾向があります。 3D データは、ユーザーがすべての角度から見ることができなければ、表現することは困難です。 次に、対話形式のシーンによって、こうした表示を実現する方法などについて学びます。
- 3D Ocean Explorer アプリを開きます。
- [Explore data] をクリックします。
世界の海洋の 3D マップが表示されます。
このアプリのデータは、Esri、USGS、NOAA、NASA、USFWS、NIWA、MCI、NatureServe、GEO、Duke Marine Geospatial Ecology Lab、GRID Arendal、Woods Hole Oceanographic Institution、および University of Auckland から取得しています。
- マップの左側で、[Nitrate] をクリックします。
マップが更新され、硝酸データの変数が表示されます。 高濃度の硝酸は赤色で、低濃度の硝酸は黄色で示されます。 硝酸は、光合成に必要な主要栄養素です。
このマップは 3D であるため、硝酸の濃度が変化する様子を、海面についてだけでなく深度についても確認できます。 ただし、現時点では、海岸線とマップの端に沿った深度の変化のみ表示されます。 たとえば、インド洋の中央で、深度に応じて硝酸濃度がどのように異なるかは確認できません。
- マップの右側で、展開ボタンをクリックします。
コントロール パネルが表示されます。
- コントロール パネルの上部で、[Enable slice] 切り替えボタンをオンにします。 [Horizontal slice] をクリックします。
マップで、北極海の上に矢印ツールが表示されます。
- このツールを上下にドラッグして、さまざまな深度のデータを表示します。
データを対話操作することで、3 つの次元すべてを探索し、2 次元だけでは見えないパターンを発見することができます。 たとえば、海洋の深度が増すにつれて、硝酸も増えますが、均等ではありません。中程度の深度では、北太平洋は赤色ですが、北大西洋は薄いオレンジ色です。
注意:
3D 対話形式のマップの別の例については、「Terrain 3D」をご参照ください。 このシーンに主題データは含まれていませんが、2D では描写しきれない山岳地形を理解することができます。
海洋は、本質的に 3 次元空間であり、3 次元処理の恩恵を大いに受けます。 静的マップでは、海洋の個々のスライスをスモール マルチプルとして描写できますが、3D Ocean Explorer アプリでは、海洋のすべての部分を一度に描写できます。 3D シーンを作成する方法を学習するには、「シーンの作成」チュートリアルをお試しください。
対話形式のコントロールでさらに探索
次に、3D Ocean Explorer アプリの他の対話型コントロールのいくつかを探索します。これらのコントロールは、マップに表示されるデータに影響し、マップ リーダーでコントロールされるようになります。 このようなコントロールは、多くの対話形式のマップやアプリで一般的ですが、3D データの探索に特に有用です。
- コントロール パネルで、[Enable slice] をオフにして、[Enable section] をオンにします。
- [Longitude] スライダーおよび [Orientation] スライダーを試してみます。
このツールにより、3D データを別の方法で探索できます。
- コントロール パネルで、[Enable section] をオフにして、[Display isosurface] をオンにします。
シーンに、硝酸濃度が 20 マイクロモル/リットル (μmol/l) であるすべての海洋の部分が表示されます。
- 右クリックしてドラッグし、シーンを傾けます。
20 μmol/l の領域が北大西洋の深くまで伸びているのに対し、海洋の他のすべての部分では、表面近くにとどまっていることがわかります。
- コントロール パネルの他のオプションを試し、シーンの左側に表示される変数を変更して、アプリをさらに探索します。
注意:
アプリの対話型コントロールの別の例については、「Sea Ice Aware」を参照し、時間スライダーおよびチャートに対話操作を行ってマップを操作してください。
対話形式のマップやアプリは、おなじみの静的なマップよりも多くの情報を保存したり、伝達したりできます。 このメリットは、おそらく 3D シーンに最も顕著に表れます。3D シーンでは、ほとんどのデータはナビゲートするか、スライス、セクション、フィルタリングの各ツールを使用して内部領域にアクセスしないと、表示されません。
このチュートリアル シリーズでは、現代の GIS が持つカートグラフィックの力を示す、対話形式のマップとアプリの 4 つの例を探索しました。 特に、マップがアプリになると、メッセージをより適切に伝えられることや、多様なソースのデータを活用してより充実したマップやアプリを作成できること、さらに、ArcGIS Arcade でカスタマイズとより明確なコミュニケーションが可能になることを確認しました。
対話形式のマップおよびアプリにより、以前よりもはるかに幅広いデータの探索や探求が可能になり、こうした作業が促進されます。