ストーリーの作成
通常、静的マップはある特定のレイアウトで表示されます。レイアウトには、マップの主題やメッセージの説明に役立つ、タイトル、凡例、その他の情報が含まれています。 Web マップにも同様のコンテキスト情報を提供するためのレイアウトが必要です。 Web マップ用のレイアウトは「アプリ」と呼ばれ、内部のマップと同様に、ほぼ必ずインタラクティブなものになります。
ArcGIS Instant Apps、ArcGIS StoryMaps、ArcGIS Dashboards、ArcGIS Enterprise のすべてでアプリを作成できます。 このチュートリアルでは、ArcGIS StoryMaps を使用して、「ストーリー」と呼ばれる特殊な種類のアプリを作成します。
- 前のチュートリアルの「カートグラフィック作成 - ポップアップとラベルの作成」を完了している場合は、ArcGIS アカウントまたは ArcGIS Enterprise ポータルにサイン インします。
- 前のチュートリアルを完了していない場合は、Lake District National Park 4 Web マップを開きます。 [サイン イン] をクリックし、ArcGIS アカウントにサイン インします。 [コンテンツ] ツールバーで、[保存して開く] ボタンをクリックしてから [名前を付けて保存] をクリックします。 [タイトル] の [4] を削除します。 [保存] をクリックします。
注意:
ArcGIS アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
- リボンのユーザー名の横にある、アプリ ランチャー ボタンをクリックして、[ArcGIS StoryMaps] をクリックします。
- [新しいストーリー] または [ストーリーの作成] をクリックします。
ストーリーの利点の 1 つは、一時停止して吹出しを表示し、さまざまな縮尺やフィーチャについて説明しながら、マップ全体についてユーザーをガイドできることです。 [クイック スタート] の下に表示されるオプションは、ユーザーをガイドするための各種手法を表します。
- [サイドカー] をクリックします。
サイドカー フィーチャ ブロックは、一連のスライドを表示します。 このストーリーで、同じマップの異なるビューを描写するように各スライドを構成します。 ユーザーが次のスライドにスクロールすると、マップが画面移動し、新しいビューにズームします。 この種のガイド操作はマップ コレオグラフィーと呼ばれることがあります。
- [ストーリーのタイトル] をクリックし、「Lake District Fells」と入力します。
- [簡単な説明またはサブタイトルから開始 (オプション)] をクリックし、「Explore the peaks of England’s Lake District National Park」と入力します。
マップの追加
次に、[Lake District National Park] Web マップをストーリーに追加します。
- ストーリーのサイドカー セクションまで下にスクロールします。 [追加] ボタンをクリックし、[マップ] をクリックします。
- [Lake District National Park] Web マップを選択します。
ここでは、イングランドの国立公園の概要説明からストーリーを開始します。 この説明により、ユーザーが詳しくないかもしれない地域に関する地理的な背景情報を伝えます。 最初のスライドは、その後のストーリーのロケーター マップのような役割を担います。
- マップで、イングランド全土が表示されるまで縮小します。
- [保存] をクリックします。
- [ストーリーを続行] をクリックします。
- 次のとおり入力するか、コピーして貼り付けます。「Lake District is the largest of ten national parks in England. It was designated as a national park in 1951 and as a UNESCO World Heritage Site in 2017.」
テキスト パネルが画面上のスペースを大量に使用しています。 テキストがマップの前面にフローティング表示されるようにデザインを変更します。
- マップの下側で、[オプション] ボタンをクリックし、[レイアウトの変更] をクリックします。
- [フローティング] を選択して [保存] をクリックします。
次に、最初のスライドを複製して 2 つ目のスライドを作成します。
- マップの下側で、最初のカードのオプション ボタンをクリックし、[複製] をクリックします。
- マップ上の [編集] ボタンをクリックします。
- マップ上でレイク・ディストリクト国立公園にズームします。 公園のラベルが表示されるまでズームします。
- [保存] をクリックします。
- スライド上で、テキストを削除して、次のとおり入力します。Lake District is famous for its mountainous terrain, formed by glaciers. The mountains in this area are also called "fells".
凡例の構成
これまで、ストーリーではレイク・ディストリクト国立公園を紹介してきました。 マップ ユーザーは今、この公園がどこにあるかを知っています。 次に、複製スライドをさらに作成し、拡大して山々を表示します。 山のシンボルを説明する凡例を追加します。 また、Web マップに戻って凡例を一部変更します。
- 2 つ目のカードを複製して、3 つ目を作成します。
- マップ上の [編集] ボタンをクリックします。 山を表す三角形シンボルが表示され、かつラベルは表示されない程度まで拡大します。
これらのシンボルを見ただけでは内容はわかりません。 この縮尺では、三角形が何を表しているかを説明するための凡例が必要です。
- サイド パネルで [オプション] タブをクリックします。
- [凡例] オプションと [凡例を開いたままにする] オプションをオンにします。
凡例がマップ上に表示されます。 この凡例には多くの情報がありますが、関連のない情報も含まれています。
[Lake District National Park] レイヤーについては、凡例で説明する必要はありません。レイヤーのラベルと前の 2 つのスライドで、大きなポリゴンがこの公園を表すことがすでに明確であるためです。 [Clip] レイヤーは視覚効果を提供するためだけに存在するため、凡例に含めるべきではありません。 [Lakes] レイヤーと [Rivers] レイヤーは凡例にあっても良いですが、必要ではありません。 これらのレイヤーの目的は、ベースマップの一部として表示することでした。ベースマップのフィーチャは通常、凡例では説明しません。 また、ユーザーが地図に慣れており、青のシンボルを水フィーチャと認識できると想定します。
凡例の余分な情報は無害なものに見えますが、重要な情報から注意をそらし、マップの読みやすさや理解しやすさを損ないます。 そのため、Web マップを編集して、凡例から余分なレイヤーを削除します。
- サイド パネルで、[レイヤー] タブをクリックします。
- ウィンドウの下部で、[ArcGIS で編集] をクリックします。
ArcGIS Map Viewer が開き、Web マップとその変更用のすべてのツールが表示されます。
注意:
Map Viewer でマップを開くよう求められた場合は、[Map Viewer で開く] をクリックします。
- 必要に応じ、[コンテンツ] (暗い背景の) ツールバーにある [レイヤー] をクリックして [レイヤー] ウィンドウを開きます。
- [レイヤー] ウィンドウで、[Lake District National Park] レイヤーをクリックして選択します。
レイヤーが選択されると、そのレイヤーの横に青いバーが表示されます。
- 必要に応じ、[設定] (明るい背景の) ツールバーの [プロパティ] ボタンをクリックし、[プロパティ] ウィンドウを開きます。
- [プロパティ] ウィンドウで、[マップの凡例に表示] をオフにします。
- [National Parks (England)] レイヤーでも同じプロパティをオフにします。
- [レイヤー] ウィンドウで、[グループ レイヤー] を展開します。 [Clip] レイヤー、[Lakes] レイヤー、[Rivers] レイヤーの凡例のプロパティをオフにします。
- [コンテンツ] ツールバーで、[凡例] ボタンをクリックします。 表示状態のレイヤーが [LakeDistrictFells] のみであることを確認します。
ヒント:
[凡例] ウィンドウが空の場合は、山シンボルが表示されるまでマップを拡大します。
以上で、1 つのレイヤーを除くすべてのレイヤーを凡例から削除しました。 ストーリーに戻って、適用された変更内容を確認できる状態です。
- [コンテンツ] ツールバーで、[保存して開く] ボタンをクリックしてから [保存] をクリックします。
- Map Viewer のブラウザー タブを閉じて、ArcGIS StoryMaps タブに戻ります。
マップが自動的に更新されます。 新しい凡例は、マップについてシンプルかつ簡潔に説明しています。
ただし、レイヤー名の [LakeDistrictFells] はぎこちない形式であり、ストーリーのこれまでの段階で説明済みの冗長な情報が含まれています。 この名前を短くして、凡例をさらにシンプルにします。
- サイド パネルで、[LakeDistrictFells] をダブルクリックして「Fells」と入力し、レイヤーの名前を変更します。
凡例内でもレイヤー名が変わります。
- [保存] をクリックします。
- Web ページを更新して、古い凡例を新しい凡例に置き換えます。
- 3 つ目のスライドまで下にスクロールし、新しい凡例を表示します。
このチュートリアル シリーズでは、マップのデザインを、最初にマップを作成し、次にアプリを作成するという直線的プロセスで示しています。しかし、マップのデザインは直線的ではありません。 独自のマップをデザインするときは、マップとアプリの間で頻繁に切り替えると思っておいてください。 たとえば、色とフォントを選択する際にはマップとアプリの両方のデザインを検討する必要があります。マップのコレオグラフィーに基づいて表示範囲を選択する必要があります。マップのテキストを計画する際には、ポップアップとストーリーの両方を検討する必要があります。
シンボルとフィーチャの説明
このマップの山は多変量シンボルによりスタイル設定されており、2 つの属性を、色とサイズの 2 つの視覚変数で表現しています。 そのような多変量シンボルは複雑で誤って理解されることが多いため、説明の記述を付けて凡例を補います。
また、特定の山に吹出しを付けるスライドも作成します。 フィーチャの例を表示することで、コンテキストの面からそのシンボルについて説明し、さらにストーリーへの興味を引くことができます。
- 3 つ目のスライドで、既存のテキストを削除し、次の 3 つの文を貼り付けます。
This map shows all of the Lake District fells according to the Database of British and Irish Hills.
The size of each triangle symbol corresponds to height: the larger the symbol, the taller the peak.
The color of each symbol corresponds to prominence, or drop: the darker the symbol, the more prominent the peak.
テキストと一緒にハイパーリンクをコピーして貼り付けたため、一部のテキストに下線が引かれています。
テキスト ブロックによって凡例が一部隠れています。 この状態にならないように、テキスト ブロックをマップの反対側に移動します。
- テキストの上で、[パネルの表示設定の変更] ボタンをクリックします。 [水平位置] で、[右揃え] ボタンをクリックします。
カードがマップの反対側に移動します。 次に、ある具体的な山頂を描写するためのスライドを作成します。
- 3 つ目のスライドを複製し、4 つ目を作成します。
- マップ上の [編集] ボタンをクリックします。
- マップ上で、最も大きく暗い色をした三角形を拡大します。これが Scafell Pike のシンボルです。
- [オプション] タブをクリックします。 [凡例を開いたままにする] オプションをオフにします。
凡例はユーザーがボタンを押すと再度表示されます。
- [ポップアップを開いたままにする] と [ポップアップのドッキング] のオプションをオンにします。
- マップ上で Scafell Pike の三角形をクリックして、そのポップアップを表示します。
このスライドは、山頂ごとにポップアップを表示できることをユーザーに実際に示すものです。
- [保存] をクリックします。
- スライドで、既存のテキストを削除します。 次のテキストを入力するか、コピーして貼り付けます。
Scafell Pike is both the highest and the most prominent mountain in England. It has a height of 978 meters, or 3,209 feet.
Scafell Pike is part of an extinct volcano which was active more than 400 million years ago. It was also shaped by glacial erosion more than 20,000 years ago.
最後のスライドの作成
主題やマップを理解するための十分なコンテキストを提供したので、次に、より詳細な調査を促すためのスライドをさらに 1 つ作成します。
- 4 つ目のスライドを複製し、5 つ目を作成します。
- マップ上の [編集] ボタンをクリックします。
- [Scafell Pike] ポップアップを閉じます。
- [オプション] タブで、[ポップアップを開いたままにする] オプションをオフにします。
- ほとんどの山シンボルが表示され、かつラベルが非表示にならない程度までマップを縮小します。
- [保存] をクリックします。
- スライドのテキストを削除し、次のテキストに置き換えます。Explore some of the other mountains in Lake District National Park! Click any fell to learn more about it.
次に、各スライドでのマップの位置を最終調整します。
- ストーリーをスクロールしてすべてのスライドを確認します。
- スライドでのマップの位置が適切でない場合は、[編集] ボタンをクリックします。 マップをより適切な位置に画面移動して、[保存] をクリックします。
注意:
ArcGIS StoryMaps では作業内容が自動で保存されるため、ストーリーを保存する必要はありません。
このチュートリアルでは、レイク・ディストリクト国立公園にある山々の Web マップ全体についてユーザーをガイドするストーリーを構成しました。 サイドカー ブロックを使用して 5 つのスライドを作成し、各スライドでマップの異なるビューを表示するようにしました。 マップの凡例を改善し、ポップアップを描写しました。 テキストを追加し、マップを面白いものにしました。 次のチュートリアルでは、ストーリーのスタイルを変更し、画像を追加し、データ ソースにクレジットを付記することで、ストーリーを完成させます。