2D シンボルと 3D シンボルの適用

まず、データ ファイルをダウンロードして ArcGIS Pro でレイヤーを開きます。 次に、シーンを探索して、2D レイヤーと 3D レイヤーのシンボルを主題に沿って構成します。

プロジェクトをダウンロードして開く

はじめに、データをダウンロードします。

  1. ThematicCityscape.zip 圧縮フォルダーをダウンロードします。
  2. コンピューター上でダウンロードしたファイルを指定し、ドキュメント フォルダーなどの見つけやすい場所に解凍します。
  3. [ThematicCityscape] フォルダーを開きます。 このフォルダーには、チュートリアルのステップで使用する複数のレイヤー パッケージが含まれています。

    データはカリフォルニア州サンディエゴ地域を表し、3D ジオメトリおよびテクスチャ マップに加え、ポイント、2D ポリゴン、3D ポリゴン、標高データ、およびその他の形式で提供されるその他のデータによって構成されます。 3D モデルの面積は、約 19.5 平方キロメートルです。

  4. ArcGIS Pro を起動します。 [空のテンプレート][ローカル シーン] をクリックします。

    ローカル シーン プロジェクト テンプレート

    注意:

    ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

  5. [新しいプロジェクトの作成] ウィンドウの [名前] に「ThematicCityscapeProject」を入力し、[OK] をクリックします。

レイヤーへのシンボルの適用

3D オブジェクトを主題別に表現するシンプルな方法としては、色を変えることが挙げられます。 これは、2D のコロプレス マップに非常によく似ています。 個別のカテゴリ別、または値の範囲によって、フィーチャの色を変えることができます。 ここでは、対象地域にいくつかの建物があり、それらを建物のフロア数に応じて表現していきます。

シンボルを適用する前に、新しい空のシーンにレイヤーを追加する必要があります。

注意:

ダウンロードしたプロジェクト フォルダーで、名前に [Completed] と示されるレイヤーにはこのチュートリアルのステップがすでに適用されているため、作業を終了後に参照用として使用します。

  1. リボンの [表示] タブをクリックします。 [ウィンドウ] グループで、[カタログ ウィンドウ] をクリックします。

    カタログ ウィンドウ

    [カタログ] ウィンドウが表示されます。

  2. [カタログ] ウィンドウで [フォルダー] を右クリックして、[フォルダー接続の追加] をクリックします。
  3. [フォルダー接続の追加] ウィンドウで、レイヤー パッケージ (.lpkx ファイル) を含む [ThematicCityscape] フォルダーを参照し、[OK] をクリックします。

    [ThematicCityscape] フォルダーが [カタログ] ウィンドウに追加されます。

    カタログ ウィンドウのフォルダーに接続された ThematicCityscape フォルダー

  4. [カタログ] ウィンドウで [ThematicCityscape] フォルダーを展開し、3D シーンに [Untextured Buildings - Source.lpkx] レイヤー パッケージをドラッグします。

    [コンテンツ] ウィンドウの [3D レイヤー] セクションにレイヤーが表示されます。 マルチパッチ レイヤーは本質的に Z 対応なので、これらのレイヤーはデフォルトで常に表示されます。

  5. [Untextured Buildings (AOI)] レイヤーを右クリックし、[レイヤーにズーム] を選択します。

    ダウンタウン サンディエゴ

  6. シーン下部で、[ナビゲーション] ツールの [フル コントロールの表示] ボタンをクリックします。

    ナビゲーション ツールのフル コントロールの表示ボタン

    [ナビゲーション] ツールが表示されます。

  7. マウス ホイールを使用して建物を拡大し、[ナビゲーション] ツールを使用してシーンを探索します。

    中心部の球場の 3D 表示

    ここではデフォルト色が適用されていますが、デフォルトのベースマップに対して建物が見づらくなっています。

  8. 必要に応じ、[コンテンツ] ウィンドウで [Untextured Buildings (AOI)] レイヤーが選択されていることを確認します。
  9. [フィーチャ レイヤー] タブの [描画] グループで [シンボル] をクリックします。

    シンボル ボタン

  10. [シンボル] ウィンドウの [プライマリ シンボル] で、[等級色] を選択します。

    等級色

    デフォルトでは、[等級色] レンダラーが、[等級色] レンダラーにとって有用と思われる最初のフィールドをデータ内で見つけます。このこでは [FloorCount] です。 その後、グラデーション方法にデフォルト設定 (クラス数) を適用し、ランダムな配色を選択します。 シンボルを更新します。

  11. [シンボル] ウィンドウの [クラス] で、[7] を選択します。

    クラス数は、7 色にしておくことをお勧めします。 8 色以上にすると、より多くのクラス数を効果的に表す配色を作成することが困難になります。 使用するクラス数を選択する際は、オーディエンスを考慮してください。

  12. [シンボル] ウィンドウの [配色] ドロップダウン メニューを使用し、[名前の表示] のチェックボックスをオンにし、[青 (連続)] を選択します。

    青 (連続) オプション

    シーンが更新され、フロア数に応じて白から青に変化する建物が表示されます。 フロア数の多い、高い建物は濃い色、低い建物は淡い色で表されます。

    サンディエゴ中心地の球場の 3D 図

  13. [配色] ドロップダウン メニューをクリックし、[配色の書式設定] をクリックします。

    配色の書式設定オプション

    [配色エディター] ウィンドウが表示されます。ここでは、アプリケーションのさまざまなカラー ランプを等級シンボルとして定義できます。 ランプの外観を左右する色を追加または削除したり、カラー ランプの間隔ごとに異なる透過率を設定したりできます。

    次に、カラー ランプを変更して、建物をベージュから茶色に変わるようにします。フロア数の少ない建物はベージュ、フロア数の多い建物は茶色とします。 また、低層の建物が高層の建物よりも透明度が高くなるよう書式設定します。

  14. 配色の中央の色をクリックし、[色の削除] ボタンをクリックします。

    連続配色から青の中程度の色調を選択

  15. 配色の両端に 1 色ずつしか残らなくなるまで、この手順を繰り返します。

    連続配色で濃い青を選択

  16. 左側の色をクリックし、[色][サハラ サンド] を選択します。 [透過表示] で「20」と入力します。
    ヒント:

    色の名前を表示するには色にカーソルを合わせます。

    サハラ サンドを選択

  17. 右側の色を選択します。 [色][バーントアンバ] を選択し、[透過表示] で「40」と入力します。

    バーントアンバと 40% の透過表示を選択

  18. [OK] をクリックします。

    シーンが更新され、茶色で透過表示を設定した建物が表示されます。

    茶色の陰影を施した、サンディエゴ中心部の 3D 表示

  19. [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] をクリックして、プロジェクトを保存します。
    ヒント:

    Ctrl + S キーを押して、プロジェクトを保存することもできます。

これで、建物のフロア数に応じてベージュから茶色に変わるよう、主題的に表示するシーンが完成しました。 ここでは、フロア数が増えるにつれて色が段階的に濃くなるよう設定していますが、透過表示については、濃い色の透過表示を高く、薄い色は透過表示を低く設定しています。 これにより、シーン内で濃い色が際立つ効果を和らげています。 色が薄いフィーチャの透過表示を過剰に高めることによって、視覚的に捉えにくくなります。

2D テーマと 3D テーマの一致

2D レイヤーと 3D レイヤーが混在する複数のレイヤー間で、主題的な表現を一致させたいこともあります。

サンディエゴ市について、ArcGIS CityEngine で建物案を作成しました。 都市環境における日射量への影響を把握したいと考えていますが、地表への影響と、既存の建物の屋上への影響の両方について理解したいと思っています。 類似したシンボルを用いて、地表への日射量と建物への日射量を表示し、2 つのレイヤーでシームレスな視覚表現を行えるようにします。

まず、シーンにデータを追加する作業から始めます。

  1. [カタログ] ウィンドウで [Proposed Buildings.lpkx] レイヤー パッケージを 3D シーンにドラッグします。
    ヒント:

    [カタログ] ウィンドウを開くには、リボンの [表示] をクリックし、[ウィンドウ] グループで [カタログ ウィンドウ] をクリックします。

    建物案の 3D 表示

    これらは、サンディエゴ市に対して手順を追って生成された建物の図です。 建物は、フロアごとの利用タイプに応じて、主題別に色分けされています。 色はマルチパッチ テクスチャとして適用されたので、[シンボル] ウィンドウを使用して変更したり、修正したりすることはできません。

  2. [カタログ] ウィンドウで [Solar Radiation (AFTER).lpkx] レイヤー パッケージを 3D シーンにドラッグします。
  3. [コンテンツ] ウィンドウで [Solar Radiation (AFTER)] レイヤーをオンにして選択します。

    サンディエゴ中心部の日射量の 3D 表示

    このレイヤーは、キロワット時単位の日射量を表します。 建物の形状と標高サーフェスを組み合わせ、日射量を評価するジオプロセシング ツールを実行することで作成されました。

  4. [Building Solar Potential - Source.lpkx] レイヤー パッケージを 3D シーンにドラッグします。

    予想日射量レイヤーの 3D 表示

    ここでは、プロシージャル技術によって、対象エリア内のすべての建物の屋上を抽出しています。 屋上の部分ごとに値が異なるように、屋上をパネルに分割しています。 その後、空間結合を使用して、ラスターから取得した日射量の値を各屋上パネルに付加しました。

  5. [コンテンツ] ウィンドウで [BuildingPanelsSolar] レイヤーをクリックし、必要に応じて [シンボル] ウィンドウを開きます。
  6. [シンボル] ウィンドウの [プライマリ シンボル] で、[ストレッチ] を選択します。
  7. [フィールド][Solar] を選択します。

    プライマリ シンボルをストレッチ、フィールドを Solar に設定

  8. [配色] でドロップダウン メニューをクリックし、[配色の書式設定] をクリックします。
  9. [配色エディター] ウィンドウで、次のパラメーターを設定します。

    • 最初と最後以外のすべてのカラー ストップを削除します。
    • 左の色をクリックし、[色][ユッカ イエロー] を選択します。
    • 右の色をクリックし、[色][マーズ レッド] を選択します。

    連続配色で濃い赤を選択

  10. [OK] をクリックします。

    [BuildingPanelsSolar] レイヤーが更新され、屋上パネルごとに割り当てられた [Solar] 値でシンボル化された屋根が表示されます。

    赤の Solar 値を屋上に割り当てた状態

    複数の主題レイヤーを同時に表示すると、色の競合によって混乱が生じることがあります。

  11. [コンテンツ] ウィンドウで [Untextured Buildings (AOI)] レイヤーのシンボルをクリックします。 [シンボル] ウィンドウの [プライマリ シンボル] で、[単一シンボル] を選択します。
  12. [シンボル] でシンボルを右クリックし、ミディアム グレーを選択します。

    シンボルでミディアム グレーを選択

    これで、太陽光発電している屋根がわかりやすくなりました。

    さまざまな色調の赤で示されるサンディエゴ中心部の 3D 表示

  13. プロジェクトを保存します。

複数のレイヤーの解析を表示するマップが作成されました。 建物に対して、同一データを主題的に表すことにより、2D の解析結果を 3D データと一体化できます。


主題的立ち上げの適用

立ち上げは、フィーチャの条件、ステータス、または強度を表す、もう 1 つの方法です。 一区画の財政的な価値を面積で正規化した比率に基づいて立ち上げの高さを決定するなど、抽象的な表現であることも、 立ち上げの高さと、区域の最大高さに関連する規制を関連付けるなど、具体的な表現であることもあります。 どちらの場合でもデータは主題的に表されます。つまり、物理的な世界には物体として存在しないが、3D 空間では意味があるということです。

主題的立ち上げの探索と適用

このセクションでは、主題的立ち上げの例を探索します。 サンディエゴ市では、再開発に最適な区画のサブセットを特定しました。 この区域は、市内のバス高速輸送路線案と並行しています。 市では、高速輸送路線に沿った区画の容積率 (密度の指標) の計画政策を変更して、都市密度を高めることを検討しています。 また、路線沿いの建物の最大許容高さを増やすことも考えています。 この開発可能性を表すレイヤーを策定し、それを 3D で表示します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、シーンでベースマップ以外のすべての 3D レイヤーと 2D レイヤーをオフにします。
    ヒント:

    Ctrl キーを押しながら 1 つのレイヤーをオフにすると、すべてのレイヤーを同時にオフにできます。

  2. [カタログ] ウィンドウの [ThematicCityscape] フォルダーで、3D シーンに [Development Potential - Source.lpkx] レイヤー パッケージをドラッグします。

    さまざまな色と色調で表されるサンディエゴ市内の区画

    レイヤーは、地表にドレープした 2D ポリゴンとして表示されます。 容積率 (FAR) の主題的表現が、シンボルの一環としてすでに適用されています。 ただし、建物の最大高さも表す必要があります。

  3. [コンテンツ] ウィンドウで [Development Potential] レイヤーを [3D レイヤー] カテゴリにドラッグします。

    Development Potential レイヤーを 3D レイヤー レイヤー グループに移動

    Development Potential レイヤーをサンディエゴにドレープした状態

    レイヤーが更新されます。 各ポリゴンの頂点が起伏のあるサーフェス上に配置されており、その内部が不均等に計算されているため、レイヤーには凹凸があるように見えます。 次に、[Development Potential] レイヤーを立ち上げ、カートグラフィック オフセットを適用します。

  4. 必要に応じ、[コンテンツ] ウィンドウで [Development Potential] レイヤーをクリックして選択します。
  5. [フィーチャ レイヤー] タブをクリックし、[立ち上げ] グループで [タイプ] ドロップダウン矢印をクリックして、[最小高度] を選択します。

    最小高度を選択した状態

  6. [立ち上げ] グループで [立ち上げの式] ボタンをクリックします。

    立ち上げの式ボタン

    [式の設定] ウィンドウが開きます。 次に、各ポリゴンの現在の高さ値に 10 を足し、ポリゴンを立ち上げる式を作成します。

  7. [式の設定] ウィンドウの [フィールド] リストで、[height] をダブルクリックし、「+ 10」と入力します。

    式は、「$feature.height + 10」となります。

    高さと式を示す式の設定

  8. [OK] をクリックします。

    [Development Potential] レイヤーが更新され、立ち上げの高さが [height] フィールドに 10 を足した値の建物が表示されます。

    さまざまな色で描画された建物のサンディエゴの 3D 表示

  9. いずれかの建物をズームし、ポリゴンのベースのシンボル効果に注目します。

    3D 表示した 3 つの建物のベース部分の拡大図

  10. [コンテンツ] ウィンドウで [Development Potential] レイヤーを右クリックし、[プロパティ] を選択します。
  11. [レイヤー プロパティ] ウィンドウで、[高度] タブをクリックします。 [カートグラフィック オフセット] に「-10」と入力します。 [高度単位][メートル] に設定されていることを確認します。
  12. [OK] をクリックします。

    各区画のベース部分は、地表から 10 メートル下になり、凹凸のある建物フットプリントはなくなります。

    3D 表示された 4 つの建物

    最小高度から 10 メートルに立ち上げました。 また、カートグラフィック オフセットを使用し、区画のベースを地表から 10 メートル下にスライドしました。 これにより、地表との視覚的な混乱をなくし、開発ポリゴン周辺のエッジが鮮明に見やすくなりました。 さらに、各ポリゴンの最小高度値から立ち上げることによって、最悪の場合の開発制約要因を示しました。

  13. プロジェクトを保存します。

    立ち上げたポリゴンで変更できるのは、塗りつぶし色だけではありません。 立ち上げた形状のエッジに、ポリゴンやマルチパッチとともに主題的マッピングを適用することもできます。

  14. [カタログ] ウィンドウで [Development Potential - Overlay.lpkx] レイヤー パッケージと [Development Potential - Underlay.lpkx] レイヤー パッケージを 3D シーンにドラッグします。

    各再開発区画案に対し、土地利用カテゴリを示す 2 つのレイヤーが新たにシーンに追加されます。

    さまざまな色で描画された建物の 3D 表示

    オーバーレイの色は、土地利用に基づき、立ち上げられたポリゴンのエッジをコード化します。 アンダーレイは、土地利用カテゴリ別に、区画を地表にドレープして色付けします。

    これで、[コンテンツ] ウィンドウに [Development Potential] という名前のレイヤーが 3 つ作成されました。 2 つは [3D レイヤー] にリストされており、そのうちの 1 つはエッジ効果を表し、もう 1 つは建物の形状を半透明の 3D 形状で表示して、エッジ効果を 3D 空間で表します。

  15. 先ほど追加した [Development Potential] レイヤーで、名前を 2 回クリックして編集します。 「Development Potential Overlay」と入力し、Enter キーを押します。

    レイヤー名の変更

    注意:

    基になる [Development Potential] レイヤーは、[コンテンツ] ウィンドウの [2D レイヤー] グループにあります。このレイヤーには、フィーチャに関連付けられた高度情報がないからです。 必要に応じ、このレイヤーの名前を [Development Potential Underlay] に変更します。

    [コンテンツ] ウィンドウで、各土地利用カテゴリに対する異なるエッジ効果を確認できます。

    ポリゴン周辺に異なるフレーム色を適用できますが、すべての表示モード (ダッシュなど) がポリゴン エッジで使用できるわけではありません。 現在のシーンでは、3 つの主題的な変数 (FAR、建築可能な最大高さ、土地利用カテゴリ) の組み合わせを表示しています。

    建物を複数の色で描画した、サンディエゴ中心部の縮小した 3D 図

    現在の表示には膨大な情報が含まれており、視覚的に過剰である可能性があります。 シーンまたは一連のレイヤーに組み込む情報量を考え、その中でも最も重要で、オーディエンスに受け入れられる情報を決定します。

  16. [Development Potential] レイヤーをオフにします。

    [Development Potential Overlay] レイヤーと [Development Potential] レイヤーのみが表示されます。

    Development Potential レイヤーと Development Potential Overlay レイヤーのみが表示された状態

    エッジ レンダリングは、フィーチャの形状を決定するジオメトリを強調表示するため、立ち上げライン、立ち上げポリゴン、マルチパッチの編集ワークフローにおいて有用です。

  17. プロジェクトを保存します。

主題サイズおよび形状シンボルの適用

マルチパッチとポリゴンの表現は、ラインとポイントの表現とはまったく異なります。 マルチパッチとポリゴンの場合は、形状はジオメトリによって明示的に定義されます (マルチパッチでもポリゴンでも、ラインとして扱われるエッジのサイズは異なることがあります)。 しかし、ラインの場合は、ラインの長さに沿ってスイープされるジオメトリ (プロファイルとも呼ぶ) の形状に変化をつけることができます。 ポイントについては、あらかじめ構築したいくつかの 3D モデルを使用して独自のシンボルを作成するか、独自のモデルをインポートすることができます。 ラインに沿ってスイープしたプロファイルのサイズを変えたり、あるいはポイント上の 3D モデルのサイズを変えたりすることで、データの主題的な違いをハイライトできます。

たとえば、雨水排水システムの雨水量を、そのシステムを表すプロファイルのサイズ (幅、高さ、半径など) によって表現するなどです。 または、地下地震の震源地のマグニチュードを、サイズの異なる円柱で表すこともできます。

主題的表現におけるサイズの適用

このセクションでは、視覚変数としてのサイズを見ていきます。 市の公共事業部門に、市内を網羅する水道本管を表すデータセットがあります。 公共事業部門の担当者は、開発ニーズをサポートするうえで水圧が足りない場所を特定するために、これらの水道本管沿いで水圧値を収集し始めました。 水圧値を、サイズの異なるパイプとして 3D で視覚化したいと考えています。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、シーンに表示されているすべてのレイヤーをオフにして折りたたみ、ベースマップのみを表示します。
  2. [カタログ] ウィンドウで [Water Mains - Source.lpkx] レイヤーを 3D シーンにドラッグします。
  3. [コンテンツ] ウィンドウで [Water Mains] レイヤーのチェックボックスをオンにし、レイヤーを有効にします。
  4. [Water Mains] レイヤーを右クリックして [レイヤーにズーム] をクリックします。

    サンディエゴ中心部を網羅する水道本管

    次に、水道管のサイズに応じてシンボルを更新します。

  5. [コンテンツ] ウィンドウで [Water Mains] を右クリックし、[シンボル] をクリックします。
  6. [シンボル] ウィンドウで、次のように入力します。
    • [プライマリ シンボル] で、[等級シンボル] を選択します。
    • [フィールド][PSI] を選択します。
    • [最小サイズ][0.5 pt] に設定されていることを確認します。
    • [最大サイズ] に「8」と入力し、Enter キーを押します。
    注意:

    PSI は Pounds per square inch (ポンド毎平方インチ) の略で、さまざまな用途で圧力の単位として使用されています。

    シンボル - Water Mains ウィンドウ

  7. [テンプレート] のシンボルをクリックします。

    テンプレートを選択

    [ギャラリー] タブが表示されます。

  8. [プロパティ] タブをクリックし、[レイヤー] タブをクリックします。 [表示設定][色][クレタ ブルー] を選択します。 [プロファイル][管] を選択します。
    ヒント:

    色の名前を表示するには、色をポイントします。

    色とプロファイルを選択したプロパティ ウィンドウ

  9. [適用] をクリックします。
  10. [ナビゲーター] またはキーボード ショートカットを使用し、シーンを探索します。 拡大縮小し、水道管のサイズが一定していることを確認します。

    サンディエゴ中心部の水道本管

    シンボルのサイズは、画面のポイント サイズによって変わります。 つまり、拡大しても、水道管が画面のスペースを占める量は常に同じであるということです。 これは、縮尺にかかわらず、フィーチャを常に表示したい場合に便利です。 しかし、縮尺によっては、シンボルが結合し、明確さが失われることがあります。

  11. [Water Mains] レイヤーを右クリックして [レイヤーにズーム] をクリックします。
  12. [コンテンツ] ウィンドウで、[Water Mains] レイヤーを右クリックして [プロパティ] をクリックします。
  13. [レイヤー プロパティ] ウィンドウで、[表示] タブをクリックします。 [3D シンボルを実世界の単位で表示] をオンにして、[OK] をクリックします。

    Water Mains のレイヤー プロパティ ウィンドウの表示タブ

  14. [シンボル] ウィンドウで、戻るボタンをクリックします。 [最小サイズ] で「2」と入力し、[最大サイズ] で「20」と入力します。

    シンボルは実世界の単位で表示されます。 つまり、縮小したときに大きくなって結合することなく、徐々に小さくなってピクセル化し、最終的にはフェードアウトして見えなくなります。

  15. 拡大縮小すると、水道管のサイズは絶対サイズのまま変わらないことがわかります。

    サンディエゴとその周辺地域の水道管の 3D 表示

  16. サンディエゴから、南カリフォルニア、州全体、そしてグローバル ビューへとズーム アウトします。

    ズーム アウトするにつれシンボルが縮小し、区別しにくくなり、最終的には表示されなくなります。 この場合、水圧 (PSI) を表現する唯一の方法は、シンボルのサイズを変えることです。

    次に、PSI を表現するもう 1 つの方法として、立ち上げを探索します。

  17. [Water Mains] レイヤーをオフにします。
  18. [カタログ] ウィンドウで [Water Mains - Extruded.lpkx] レイヤー パッケージを 3D シーンにドラッグします。 先ほど追加した [Water Mains] レイヤーを右クリックし、[レイヤーにズーム] をクリックします。

    立ち上げた水道本管システムの 3D 表示

    相対的なサイズによって PSI の大きさを表す等級シンボルと同じように、立ち上げ高さも、同じように視覚的な見分けが可能です。

  19. [フィーチャ レイヤー] タブの [立ち上げ] グループで、[式の設定] ボタンをクリックし、立ち上げ高さを示すための式を確認します。

    [式の設定] ウィンドウに、立ち上げ高さをシンボル表示するための式が表示されます。

    式の設定ウィンドウと式

    この式は、PSI の値を使用して、[Water Main - Extruded] レイヤーの各セグメントで、立ち上げ高さを変えたことを示します。

  20. [式の設定] ウィンドウで [キャンセル] をクリックしてプロジェクトを保存します。

3D シーンでの主題的表現としてサイズを適用し、探索したところで、次に、3D シーンの情報の主題を表現するために、形状を使用する方法を見ていきます。

主題的表現における形状の適用

ポイントは、各種の 3D モデル、マーカー、シンボルによって表現できます。 主題的な違いを表現するには、形状を変える方法があります。 一部のマーカーとシンボルのフォームはビルボード表示し、常にユーザーの方に向けることができます。 他のマーカーとシンボルをビルボード表示し、Z 軸を中心に回転させてユーザーの方に向けることができます。

市の公共事業部門は、球場周辺の樹木の状態を監視してきました。これらの樹木は重要な資産で、視認性も高いからです。 調査した樹木の中には、枯死したもの、病気にかかったもの、ストレスがかかったものもありました。 公共事業部門の担当者は、早急に植え替えが必要な樹木を明確に把握できるように視覚化したいと考えています。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、シーンに表示されているすべてのレイヤーをオフにし、ベースマップのみを表示します。
  2. [カタログ] ウィンドウで [Trees - Source.lpkx] レイヤーを 3D シーンにドラッグします。 追加したレイヤーを右クリックし、[レイヤーにズーム] をクリックします。
    注意:

    レイヤーのシンボルはランダムに生成されるため、この画像例とは異なる場合がありますが、解析の結果には影響を与えません。

    樹木が表示されたマップ

    樹木は単一のポイントとして表示されます。 これを 3D の樹木に変更します。

  3. リボンの [フィーチャ レイヤー] タブの [描画] グループで、[シンボル] ドロップダウン メニューをクリックして [個別値] を選択します。

    個別値を選択

    [シンボル] ウィンドウが表示されます。

  4. [シンボル] ウィンドウの [フィールド 1] で、[Condition] を選択します。

    Condition を選択

    レイヤー シンボルが更新され、各 [Condition] タイプに対して個別シンボルが表示されます。

  5. [クラス][Dead] のシンボルをクリックします。

    Dead 属性のシンボル

    [ギャラリー] タブが表示されます。

  6. [プロパティ] タブをクリックし、シンボルの横の [図形マーカー][3D モデル マーカー] に変更します。

    3D モデル マーカーを選択

  7. [ギャラリー] タブをクリックします。
  8. [プロジェクト スタイル] をクリックし、[すべてのスタイル] を選択します。 検索バーに「」と入力し、Enter キーを押します。

    木の検索

  9. [3D 植生 - 主題][一般的な枯れ木] を選択します。
    ヒント:

    スタイルの完全な名称を確認するには、スタイルをポイントします。

    [一般的な枯れ木] スタイルは、あらゆる種類の樹木をカートグラフィック的に表現できるよう設計され、さらにスタイリングできるよう陰影起伏されます。

    [枯れ木] の樹木のシンボルが、選択されたスタイルに更新されます。

  10. [シンボル] ウィンドウで [プロパティ] タブをクリックし、[レイヤー] タブをクリックします。

    レイヤー タブ

  11. [表示設定] の下で、次のパラメーターの値を設定します。
    • [単色モデル] のチェックボックスをオンにします。
    • [色] で赤色を選択します。
    • [高さ (Z)]に「40」と入力し、Enter キーを押します。

    シンボル ウィンドウと設定

  12. [位置] を展開し、[カスタムの固定ポイントでモデルの原点をオーバーライド] のチェックボックスをオンにし、[Z] で「-50」と入力し、Enter キーを押します。

    シンボル ウィンドウの位置セクションのパラメーター

  13. [適用] をクリックします。

    シーンでシンボルが更新されます。

    枯死した樹木のシンボルが更新される

  14. [シンボル] ウィンドウの上部で戻るボタンをクリックし、[Diseased Trees] のシンボルをクリックします。
  15. シンボル タイプを [図形マーカー] から [3D モデル マーカー] に変更します。

    選択された 3D モデル マーカー

  16. [表示設定][スタイル] をクリックし、[木] スタイルを検索してダブルクリックします。
  17. [シンボル] ウィンドウで、次のパラメーターを設定します。

    • [単色モデル] をオンにします。
    • [色] でオレンジを選択します。
    • [高さ (Z)] に「25」と入力し、Enter キーを押します。
    • [位置] セクションの [Z] で「-50」と入力し、Enter キーを押します。

  18. [適用] をクリックします。
  19. 前の手順に従って [Healthy][Stressed] の樹木のスタイルを構成します。

    [Healthy] の樹木は、次のように設定します。

    • [図形マーカー][3D モデル マーカー] に変更します。
    • [スタイル][木] を選択します。
    • [単色モデル] をオンにし、[色] で緑を選択します。
    • [高さ (Z)] に「13」と入力します。
    • [位置][Z] に「-50」と入力します。
    • [適用] をクリックします。

    [Stressed] の樹木は、次のように設定します。

    • [図形マーカー][3D モデル マーカー] に変更します。
    • [スタイル][木] を選択します。
    • [単色モデル] をオンにし、[色] で黄を選択します。
    • [高さ (Z)] に「18」と入力します。
    • [位置][Z] に「-50」と入力します。
    • [適用] をクリックします。

    構成した色と形状のシンボルで、シーンが更新されます。

    さまざまな種類の樹木を選択した 3D マップ

  20. プロジェクトを保存します。

    必要に応じて 3D モデルの変更をさらに探索し、この状態を表現してみましょう。 たとえば、他の 3D モデルを探索し、適切な樹木の種を選択するなどです。

このセクションでは、ポイント シンボルを、樹木の状態に応じてスタイル設定した 3D モデルとして表示しました。 樹木の状態を色とサイズでスタイル設定することで、さらにケアが必要な樹木の視覚的階層を作成しました。


方向を使用した主題シンボルの適用

ポイントも、軸を中心に回転させることができます。 この方向は、変数を表すこともあります。 たとえば、米国の各郡の上に、住民がどの政党にどの割合で投票したかに応じて、左か右を指すポイントを指定できます。

市では、開発計画によって、中心部のヒート アイランドに及ぶ影響を理解しようとしています。 これまでに、市では日射量解析に加えて気流解析を追加で実施し、日射量が多い場所と静止空気が発生している場所が重なる地域を特定しました。 このような気流ポイントを、その強度に応じて色分けおよびサイズ分けし、フロー方向によって方向を設定したいと考えています。ここでは、主題による 3 つの視覚化の方法を 1 つのレイヤーに集約します。

未分類の 3D シンボルの適用

まず、建物レイヤーをオンにし、建物案を追加する前後の風速と風向を示すレイヤーを追加します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、表示されているすべてのレイヤーをオフにして折りたたみ、ベースマップ、[Untextured Buildings (AOI)] レイヤー、[Proposed Buildings] レイヤーのみを表示します。

    Untextured Buildings レイヤーと Proposed Buildings レイヤーがオンの状態

  2. 必要に応じ、[カタログ] ウィンドウで [フォルダー][ThematicCityscape] フォルダーを展開し、3D シーンに [Wind (AFTER) - Source.lpkx] レイヤーをドラッグします。

    [Wind (AFTER)] レイヤーがシーンに追加されます。

    気流ポイントを示すドット

  3. [Wind (AFTER)] レイヤーをクリックして選択します。
  4. リボンで [表示設定] タブをクリックし、[描画] グループで、[シンボル] ドロップダウン メニューをクリックして [比例シンボル] を選択します。

    [シンボル] ウィンドウが表示されます。

  5. [シンボル] ウィンドウの [フィールド][speed_1] を選択します。 [データ表現][未分類のシンボル] を選択します。

    プライマリ シンボル ウィンドウ

  6. [テンプレート] の横にあるシンボルをクリックします。
    注意:

    レイヤーのシンボル色はランダムに生成されるため、この画像例とは異なる場合がありますが、解析の結果には影響を与えません。

    テンプレート シンボル

    [シンボル ギャラリー] ウィンドウが開きます。

  7. [プロパティ] タブで [レイヤー] タブをクリックします。 [図形マーカー][3D モデル マーカー] に更新します。

    3D モデル マーカーを選択

  8. [表示設定][スタイル] をクリックします。

    スタイルを選択

  9. [3D モデルの選択] ウィンドウが表示されるので、[矢印] シンボルをダブルクリックします。

    矢印を選択

  10. [シンボル] ウィンドウの [適用] をクリックします。

    レイヤーのシンボルが更新されます。

  11. [シンボル] ウィンドウの上部にある戻るボタンをクリックします。
  12. [最小サイズ] で「3」と入力し、[最大サイズ] で「10」と入力します。

    最小サイズが「3」、最大サイズが「10」のウィンドウ

  13. [シンボル] ウィンドウ上部の [属性によってシンボルを変更] タブをクリックし、[回転] セクションを展開します。

    属性によってシンボルを変更タブで回転セクションを展開

  14. [回転] セクションの [方向 (Z)][dir_1] フィールドを選択し、[回転スタイル][地理学] を選択します。

    回転セクションのパラメーター

  15. [色][フィールド][speed_1] を選択します。 [配色][黄から赤] を選択します。

    配色の名前を表示するには、配色をポイントします。

    フィールドと配色パラメーター

    [Wind (AFTER)] レイヤーのシンボルが完成しました。 次に、同じシンボルを [Wind (BEFORE)] レイヤーに適用し、建物案がアーバン キャニオン効果に及ぼす影響を比較します。

  16. [カタログ] ウィンドウで [Wind (BEFORE) - Source.lpkx] レイヤー パッケージを 3D シーンにドラッグします。
  17. [フィーチャ レイヤー] タブをクリックし、[描画] グループの [インポート] ボタンをクリックします。

    インポートを選択

    [シンボルのインポート] ウィンドウが開きます。

  18. [シンボルのインポート] ウィンドウの [シンボル レイヤー][Wind (AFTER)] を選択し、[OK] をクリックします。

    [Wind (BEFORE)] レイヤーが更新され、[Wind (AFTER)] レイヤーと同じシンボルが表示されます。

  19. プロジェクトを保存します。

計画案の確認

次に、[Wind (BEFORE)] レイヤーと [Wind (AFTER)] レイヤーのオンとオフを切り替え、設計案への影響を確認します。 [Proposed Buildings] レイヤーを随時オフにすると、影響が見やすくなります。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで [Wind (AFTER)] レイヤーと [Proposed Buildings] レイヤーをオフにし、球場周辺の地域を拡大します。

    建物のサイズと形状によって、風が構造物に沿って風向きが変わることがわかります。 3D シンボルを使用することでこの効果を確認し、理解できます。

    球場の構造周辺の風シンボル

  2. [Wind (BEFORE)] レイヤーをオフにし、[Wind (AFTER)] レイヤーをオンにします。 建物案周辺の風向と風速を確認します。

    これらの新しい建物を追加すると、地表レベルで気流が遅くなります。

    提案された建物周辺で風速が遅くなることを表す Wind (AFTER) レイヤー

  3. シーンを球場の西に移動します。

    高層ビルの谷間や、建物の間の路地を風が通ると、アーバン キャニオン効果も見られます。

    球場西側の市街地風

    建物案によってアーバン キャニオン効果が発生するエリアはありますか?

  4. [Solar Radiation (AFTER)] レイヤーをオンにし、日射量が多く、気流が遅いエリアを特定します。

    日射量が多く、気流が遅いエリア

    これらは、暑さを軽減するために樹木や植生が追加で必要なホット スポットである可能性があります。

    風シンボルと日射量シンボルを変更し、気流が低速で日射量が多い場所を示すにはどうすればよいでしょうか。

このチュートリアルでは、3D で主題データを表現するさまざまな方法について学習しました。 個別値に応じた色分け、等級シンボル、ストレッチ、属性によって、データに変化を持たせました。 サイズは、等級サイズ、比例シンボル、立ち上げによって変化させました。 カテゴリを、多種多様な色とサイズを用いた 3D モデルのタイプとして表示しました。 さらに、サイズ、色、方向を組み合わせ、複数の変数を持つ複雑な主題データも表現しました。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。