解析用のデータの準備
航空機を安全かつ効率的に運航するには、障害物解析を欠かすことはできません。 離着陸場周辺のすべての障害物を対象に、サーフェスに対する空間解析を行います。このサーフェスは、空港に離着陸する航空機の最小運航高度を表します。 ArcGIS Aviation Airports の複数のジオプロセシング ツールは、航空機に危険を及ぼしかねない障害物をインポート、解析、および視覚化できます。
データのダウンロード
まず、ArcGIS Pro の航空フィーチャを含むプロジェクトをダウンロードし、開きます。
- ObstacleAnalysis プロジェクト パッケージ (.ppkx ファイル) をダウンロードします。
- [ObstacleAnalysis] プロジェクト パッケージをダブルクリックし、ArcGIS Pro で開きます。 求められた場合、ArcGIS アカウントまたは ArcGIS Enterprise にサイン インします。
注意:
ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
プロジェクトが開き、航空フィーチャを含むマップが表示されます。
- リボンで [プロジェクト] タブをクリックして [名前を付けて保存] をクリックし、このプロジェクトをハード ディスク ドライブ上のローカル ファイルに保存します。
- [Projects] フォルダーで、プロジェクトの名前を指定します。
注意:
続行する前に、ArcGIS Pro に ArcGIS Aviation Airports エクステンションが構成されていることを確認します。
- [プロジェクト] タブをクリックして [ライセンス] タブをクリックし、[Esri エクステンション] テーブルで [Aviation Airports] の [ライセンス] ステータスが [はい] であることを確認します。
エクステンションがライセンス済みであれば、チュートリアルを続行します。 ライセンス済みではない場合は、トライアル ライセンスをリクエストします。
- [戻る] ボタンをクリックしてプロジェクトに戻ります。
プロジェクトには、サンフランシスコ国際空港 (SFO) のフィーチャを表すポイント、ライン、ポリゴンのレイヤーが含まれています。 [コンテンツ] ウィンドウに、次のフィーチャがあります。
- VerticalStructurePoint - 障害物フィーチャを格納するポイント フィーチャクラス。
- AirportControlPoint - 空港の標高と滑走路の Displaced Threshold (滑走路末端) フィーチャを含むポイント フィーチャクラス。
- ObstructionIdSurface_MP - 障害識別サーフェスを含むマルチパッチ フィーチャクラス。
- RunwayCenterline - SFO の滑走路中央線を含むポリライン フィーチャクラス。
- Runway - SFO の滑走路を表すポリゴン フィーチャクラス。
ObstructionIdSurface_MP フィーチャクラスは空白ですが、レイヤーはサーフェス タイプでシンボル表示されています。 障害識別サーフェスは、いくつかのコンポーネント サーフェスで構成されます。 以下の図に、一般的な障害識別サーフェスに含まれるサーフェスのタイプを示します。 アプローチ サーフェスは後ほど作成します。
OIS には、以下のコンポーネントがあります。
1
円錐サーフェス
2
水平サーフェス
3
進入サーフェス
4
転移サーフェス
障害物データの取得
プロジェクトのフィーチャクラスを把握したところで、次に、FAA (連邦航空局) の障害物データを使用して、[VerticalStructurePoint] フィーチャクラスを設定します。 FAA は、米国の全 50 州に加え、米国管理下にある領空の障害物データを含む DOF (デジタル障害物ファイル) を配布しています。
FAA の DOF は、パブリック ドメイン ライセンスで定期的にリリースされています。 最新の DOF は FAA の Web サイトからダウンロードできますが、このチュートリアルでは 2020 年 11 月のサンプル DOF を使用します。
- SourceData パッケージをダウンロードします。
- 圧縮ファイルを、コンピューター上のフォルダーに展開します。
- ArcGIS Pro で、リボンの [表示] タブをクリックしてから [カタログ] ウィンドウをクリックします。
- [カタログ] ウィンドウで [フォルダー] を右クリックしてから [フォルダー接続の追加] をクリックします。
- 展開した [SourceData] フォルダーを参照し、[OK] をクリックします。
- [フォルダー] を展開し、[SourceData] フォルダーを開きます。
[SourceData] フォルダーには 2 つのファイルがあります。 06-CA.DAT ファイルは、カリフォルニア州の障害物を含む DOF です。 [ProposedObstacles.lpkx] ファイルは、DOF に含まれていないその他の障害物を含むレイヤー パッケージです。
- リボンの [表示] タブで [ジオプロセシング] をクリックして [ジオプロセシング] ウィンドウを開き、[カタログ] ウィンドウの横にドッキングします。
- [ジオプロセシング] ウィンドウで [ツールの検索] ボックスをクリックし、「Import Digital Obstacle File」と入力します。
- [Import Digital Obstacle File] をクリックします。
[Import Digital Obstacle File] ツールが開きます。
注意:
[ツールのライセンスがありません] メッセージが表示された場合は、ArcGIS Aviation Airports のライセンスがありません。 トライアル ライセンスをリクエストできます。 ライセンスを取得するまでは、このチュートリアルを続行できません。
- [Input Digital Obstacle File] で [SourceData] フォルダーから [06-CA.DAT] ファイルを参照します。
- [Target Obstacle Features], で [VerticalStructurePoint] フィーチャクラスを選択します。
- [実行] をクリックします。
[Import Digital Obstacle File] ツールを実行すると、障害ポイントがマップに表示されます。
DOF の障害データ ポイントを [VerticalStructurePoint] フィーチャクラスに読み込みました。 これらのポイントは、それぞれ人工的な障害物を表します。 データ プロパティをクリックすると、属性を表示できます。
[VerticalStructurePoint] フィーチャクラスには、障害物の種類、障害物の海水面からの平均高度、障害物の地表からの高さなどを示す属性が含まれます。 FAA の DOF は 56 日ごとに更新されます。 インポートした DOF には、レンタカー施設の建設計画に盛り込まれるクレーンの障害物データは含まれていないため、次にこれを追加します。
障害物を含むレイヤー パッケージの追加
[SourceData] パッケージにダウンロードしたデータには、建設計画のクレーンの設置候補地のレイヤーが含まれます。 そのデータをマップに追加します。
- [カタログ] ウィンドウで [SourceData] フォルダーをクリックします。
- [ProposedObstacles.lpkx] を右クリックし、[現在のマップに追加] をクリックします。
[ProposedObstacles.lpkx] ファイルは、DOF に含まれていないその他の障害物を含むレイヤー パッケージです。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[ProposedObstacles] レイヤーを右クリックして [レイヤーにズーム] をクリックします。
[ProposedObstacles] レイヤーには、建設用クレーンの設置候補地を表す 8 つのポイント フィーチャ (青で縁取りされた、塗りつぶされていない円) が含まれます。
- いずれかのフィーチャをクリックして属性を表示します。
[Elev_Val] という属性を含むポップアップ ウィンドウが表示されます。この属性は、クレーン先端の海面からの平均高度を示します。 [Elev_Val] フィールドを使用し、このチュートリアルの後半で障害物を 3D で視覚化します。
- [ポップアップ] ウィンドウを閉じます。
DOF データを読み込み、マップにクレーンの設置候補位置を追加して、プロジェクトの解析を行う準備を整えました。 次に、データの解析を開始します。
空港の障害物の解析
今回は、プロジェクトに追加した障害物が航空機に危険を及ぼすかどうかの識別に使用する空港のサーフェスを作成します。
障害識別サーフェスの作成
障害識別サーフェス (OIS) は、飛行中の航空機と地表の障害物との間隔を表すマルチパッチ フィーチャまたはポリゴン フィーチャです。 この画像は、市営空港の滑走路の進入 OIS サーフェスを 3D で示したものです。
この画像は、サーフェスが滑走路 (2) に向かって下方向に傾斜していくにつれて OIS の高さ (1) が変化していることを示しています。 この演習では、滑走路に向かって下方向に傾斜している任意のポイントで、高さが OIS と交差する障害物を把握します。 このような貫通障害物は、航空機の操縦に危険を及ぼす可能性があります。
ArcGIS Aviation Airports には、さまざまな仕様の OIS を生成する複数のジオプロセシング ツールが含まれています。 FAA や ICAO などの航空機関では、OIS 作成の規格や仕様を提供しています。 ここでは、[FAA FAR 77] ジオプロセシング ツールを使用して OIS を作成します。
- マップで、空港の滑走路がラベル付きで表示されるまで縮小します。
- リボンの [マップ] タブをクリックします。 [選択] グループの [選択] ツールをクリックします。
- 滑走路 [10R/28L] の中心線をクリックして選択します。
- [ジオプロセシング] ウィンドウで、[FAA FAR 77] ツールを検索して開きます。
[FAA FAR 77] ツールが開きます。
- [FAA FAR 77] ツールに次の内容を入力します。
- [Input Runway Features] で、[RunwayCenterline] を選択します。
- [Target OIS Features] で、[ObstructionIdSurface_MP] を選択します。
- [High Runway End Classification] で、[Non precision instrument runway greater than (>) 3/4 mile] を選択します。
- [Low Runway End Classification] で、デフォルト値の [Same as High Runway End Classification] のままにします。
- [Input Airport Control Point Feature] で、[AirportControlPoint] を選択します。
- [実行] をクリックします。
[FAA FAR 77] ジオプロセシング ツールが実行され、選択した滑走路 [10R/28L] の OIS フィーチャが [ObstructionIdSurface_MP] フィーチャクラスに追加されます。
- 縮小表示して、更新された [ObstructionIdSurface_MP] レイヤーの範囲全体を表示します。
- リボンの [マップ] タブの [選択] グループで、[選択解除] をクリックします。
空港のすべての滑走路に対してこのツールを実行することもできますが、この演習では、選択した滑走路に対してのみ実行します。
生成された OIS には、進入サーフェス、円錐サーフェス、水平サーフェス、主要サーフェス、および転移サーフェスが含まれています。 滑走路 10R の端にある障害物を把握するため、進入サーフェスのみを解析します。
進入サーフェスへの定義クエリの適用
定義クエリを使用し、属性に基づいて表示されるサーフェスをフィルターできます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[ObstructionIdSurface_MP] レイヤーを右クリックして [プロパティ] をクリックします。
- [レイヤー プロパティ] ウィンドウで、[定義クエリ] をクリックします。
- [新しい定義クエリ] をクリックします。
- クエリの値を [Name] が [Approach Surface]、[と等しい] に設定します。
- [適用] をクリックします。
- [OK] をクリックします。
定義クエリが適用され、進入サーフェスのみがマップに表示されます。
滑走路の障害物の解析
マップを見ると、進入サーフェスとオーバーラップする複数の障害物がこの滑走路の両端に存在することがわかります。 これらの既存の障害物は青のドットでシンボル表示されており、建設に関連付けられた障害物候補は大きな青色の円でシンボル表示されています。 下の画像に示されているとおり、この滑走路の下端には、上端に比べて非常に多くの障害物があるように見えます。
これらの各障害物は、航空機がこの滑走路で離着陸する際に障害となる可能性があると考えられますが、OIS を貫通する障害物のみが飛行障害と見なされます。
[Analyze Runway Obstacles] ジオプロセシング ツールは、障害物の標高値と、滑走路に向かって下方向に傾斜している進入サーフェスの高さを比較します。 このツールは、各入力障害物と OIS 進入サーフェスとの相互作用を表す新しいフィーチャクラスを出力します。
ここでは、[Analyze Runway Obstacles] ジオプロセシング ツールを使用して、OIS 進入サーフェスと交差し、飛行障害として分類されるフィーチャを決定します。
- [ジオプロセシング] ウィンドウで、[戻る] ボタンをクリックし、検索バーに「Analyze Runway Obstacles」と入力します。
検索結果に [Analyze Runway Obstacles] ジオプロセシング ツールが表示されます。
- [Analyze Runway Obstacles] ツールをクリックします。
- [Analyze Runway Obstacles] ツールのウィンドウに次の内容を入力します。
- [Input OIS Deatures] で、[ObstructionIdSurface_MP] レイヤーを選択します。
- [Input Obstacle Features] で [VerticalStructurePoint] レイヤーを選択します。
- [Output Obstacle Feature Class] ボックスに「DOF_Hazards」と入力します。
- [Obstacle Height] で [Elev_Val] を選択します。
- [Unit] で [Feet] を選択します。
- [実行] をクリックします。
[Analyze Runway Obstacles] ツールが実行され、[DOF_Hazards] フィーチャ レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。
[DOF_Hazards] フィーチャ レイヤーには、OIS 内の複数のポイントを示す、複数のフィーチャが含まれています。
- [コンテンツ] ウィンドウで [DOF_Hazards] レイヤーを右クリックし、[属性テーブル] をクリックすると、属性が表示されます。
この図は、OIS を貫通する障害物と、対応するフィールド値を示しています。
1
障害識別サーフェス (OIS)
2
障害物
3
Delta_Z フィールド値
4
OIS_Z フィールド値
5
Z フィールド値
[Delta_Z] フィールドは、OIS の上下にある障害物の高さを示しています。 [Delta_Z] の値が負のフィーチャは OIS の下にあり、[Delta_Z] の値が正または 0 のフィーチャは OIS を貫通しています。
定義クエリを使用して貫通障害物を表示
次に、[DOF_Hazards] フィーチャ レイヤーに定義クエリを適用し、OIS を貫通する障害物の正確な数を決定します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [DOF_Hazards] レイヤーを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
- [レイヤー プロパティ] ウィンドウの [定義クエリ] をクリックして、[新しい定義クエリ] をクリックします。
- クエリの値を [Delta_Z] が [0]、[以上] に設定します。
- [適用] をクリックします。
- [OK] をクリックします。
定義クエリが適用されます。
- [コンテンツ] ウィンドウで [DOF_Hazards] を右クリックし、[レイヤーの全体表示] をクリックします。
6 つの貫通 DOF 障害物がマップに表示されます。
注意:
レイヤーのシンボル色はランダムに生成されるため、この画像例とは異なる場合がありますが、解析の結果には影響を与えません。
滑走路の障害物の解析
次に、[Analyze Runway Obstacles] ジオプロセシング ツールを使用し、[ProposedObstacles] フィーチャ レイヤーの障害物を解析します。
- [ジオプロセシング] ウィンドウで [Analyze Runway Obstacles] ジオプロセシング ツールを検索して開きます。
- [Analyze Runway Obstacles] ツールのウィンドウに次の内容を入力します。
- [Input OIS Features] で、[ObstructionIdSurface_MP] フィーチャ レイヤーを選択します。
- [Input Obstacle Features] で [ProposedObstacles] レイヤーを選択します。
- [Output Obstacle Feature Class] ボックスに「Construction_Hazards」と入力します。
- [Obstacle Height] で [Elev_Val] を選択します。
- [Unit] で [Feet] を選択します。
- [実行] をクリックします。
[Analyze Runway Obstacles] ツールが実行され、[Construction_Hazards] フィーチャ レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。
[Construction_Hazards] フィーチャ レイヤーには、8 つのフィーチャが含まれています。
DOF 障害物に使用した定義クエリと同様の定義クエリを使用して、OIS を貫通する障害物を表示します。
定義クエリを使用して貫通障害物を表示
ここでは、建設用クレーンを設置する候補地に関するクエリ定義を作成します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Construction_Hazards] レイヤーを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
- [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスで、[定義クエリ] をクリックします。
- [新しい定義クエリ] をクリックします。
- クエリの値を [Delta_Z] が [0]、[以上] に設定します。
- [適用] をクリックします。
- [OK] をクリックします。
定義クエリが適用され、2 つの [Construction_Hazard] フィーチャがマップに表示されます。
レンタカー施設の建設用クレーン候補のうち、黄色の円で示されている 2 つのクレーンが、航空機の操縦に危険を及ぼす可能性があることを示しています。
OIS サーフェスを作成し、DOF 障害物と建設用クレーンの候補地を比較しました。 建設用クレーンの候補地のうち、2 箇所が危険を及ぼす可能性があると判断しました。
空港と障害物の 3D での視覚化
ArcGIS Pro では、OIS と障害物データを 3D で視覚化できます。 データを 3D で表示することで、進入サーフェス沿いの飛行障害に関する詳しい洞察を得ることができます。
マップからシーンへの変換
現在のマップを 3D シーンに変換します。
- リボンの [表示] タブをクリックします。
- [表示] グループで [変換] をクリックしてから [ローカル シーンに変換] をクリックします。
マップと同じレイヤーを含む 3D シーンが新しいタブで開きます。 これがローカル シーンです。ローカル シーンは、グローバル シーンよりも、ローカル スケールのデータの表示に適しています。 また、ローカル シーンは、このマップで使用されている State Plane 座標系などのローカル座標系に対応しています。
DOF Hazards レイヤーへの 3D シンボルの適用
マップをローカル シーンに変換したので、次に、障害物データを 3D でシンボル表示します。 まず、障害物フィーチャを真の高さに立ち上げます。
- [コンテンツ] ウィンドウで [DOF_Hazards] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
[レイヤー プロパティ] ウィンドウが開きます。
- [レイヤー プロパティ] ウィンドウで、[高度] タブをクリックします。
- [フィーチャ] で [地表] を選択して [OK] をクリックします。
このオプションを設定すると、フィーチャは地球の表面から立ち上げられます。
- [コンテンツ] ウィンドウで [DOF_Hazards] レイヤーをクリックして選択します。
- リボンの [フィーチャ レイヤー] タブをクリックします。
- [立ち上げ] グループで [タイプ] をクリックして [絶対高度] を選択します。
- [立ち上げ] グループで [フィールド] ドロップダウン メニューを選択し、[Z] を選択します。
Z フィールドは、障害物の地表からの標高を表します。
- [単位] で [US フィート] を選択します。
- [DOF_Hazards] を右クリックし、[レイヤーの全体表示] をクリックします。
既存の障害物フィーチャは、地表から真の高さに立ち上げられています。
OIS を貫通する障害物を確認できます。 これらの障害物を拡大することで、滑走路を使用する航空機に対してこれらの障害物がどれだけ危険になりうるか把握できます。 空港を安全に運用できるよう、既存の障害物は、移動するか、高度を下げるか、ライトを点灯するなど、危険性を軽減させます。
3D シンボルの適用
次に、同じ方法で [Construction_Hazards] レイヤーをシンボル表示します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Construction_Hazards] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
- [高度] タブの [フィーチャ] ドロップダウン メニューをクリックして、[地表] をクリックし、[OK] をクリックします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Construction_Hazards] レイヤーをクリックして選択します。
- リボンの [フィーチャ レイヤー] タブの [立ち上げ] グループで、[タイプ] をクリックして [絶対高度] をクリックします。
- [立ち上げ] グループで [フィールド] ドロップダウン メニューを選択し、[Z] を選択します。
Z フィールドは、障害物の地表からの標高を表します。
- [単位] で [US フィート] が選択されていることを確認します。
- [Construction_Hazards] を右クリックし、[レイヤーの全体表示] をクリックします。
障害物フィーチャは、地表から真の高さに立ち上げられています。 OIS を貫通する障害物を確認できます。 これらの障害物を拡大することで、滑走路を使用する航空機に対してこれらの障害物がどれだけ危険になりうるか把握できます。
危険となりうる既存の障害物のハイライト表示
次に、航空機に危険を及ぼしかねない障害物をハイライト表示できるよう、既存の障害物フィーチャのシンボルを調整します。 すべての障害物を表示するには、先程設定した定義クエリを削除します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [DOF_Hazards] レイヤーの [プロパティ] を開きます。 [定義クエリ] タブで [定義クエリの削除] ボタンをクリックします。
- [はい] をクリックしてから [OK] をクリックします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[DOF_Hazards] レイヤーを右クリックして [シンボル] をクリックします。
- [シンボル] ウィンドウの [プライマリ シンボル] で [個別値] を選択します。
- [フィールド 1] で [式の設定] ボタンをクリックします。
[式の設定] が開きます。
条件に基づき、このレイヤーのフィーチャのシンボルを変更する式を構築します。
OIS を貫通する [DOF_Hazards] フィーチャには、0 以上の [Delta_Z] 属性を持ちます。 Arcade 式を使用し、これらのフィーチャが OIS を貫通するかどうかに基づいてシンボルを変更します。
- [式] ボックスで、既存の式を削除し、次の Arcade スクリプトをコピーして貼り付けます。
if ($feature.Delta_Z >= 0) { return "Penetrating" } else { return "Not penetrating" }
- [OK] をクリックします。
[式の設定] が閉じ、[DOF_Hazards] フィーチャ レイヤーは貫通フィーチャと非貫通フィーチャでシンボル表示されます。
- [シンボル] ウィンドウで [Not penetrating] クラスのシンボルをクリックします。
- [ギャラリー] タブで、緑色の [Non penetrating Obstacles] シンボルを選択して [戻る] ボタンをクリックします。
- [シンボル] ウィンドウで [Penetrating] クラスのシンボルをクリックします。 [ギャラリー] タブで、赤色の [Penetrating Obstacles] シンボルを選択して [戻る] ボタンをクリックします。
[Penetrating] シンボルと [Non penetrating] シンボルを更新しました。
OIS を貫通する既存の障害物フィーチャが見やすくなりました。 先ほど追加した定義クエリがあるため、今は貫通フィーチャのみが表示されています。 クエリを削除すると、赤と緑のシンボルによって、貫通フィーチャと非貫通フィーチャを区別できます。
危険となりうる建設障害物のハイライト表示
次に、同じ方法を用いて、建設障害物フィーチャのシンボルを調整し、航空機の飛行障害になるおそれがある障害物をハイライト表示します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Construction_Hazards] レイヤーの定義クエリを削除します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Construction_Hazards] レイヤーを右クリックし、[シンボル] をクリックします。
- [シンボル] ウィンドウの [プライマリ シンボル] で [個別値] を選択します。
- [式の設定] ボタンをクリックします。
- [式] ボックスで、既存の式を削除し、次の Arcade スクリプトをコピーして貼り付けます。
if ($feature.Delta_Z >= 0) { return "Penetrating" } else { return "Not penetrating" }
- 次の Arcade スクリプトをコピーし、[式] ボックスに貼り付けます。
- [OK] をクリックします。
[式の設定] が閉じ、[DOF_Hazards] フィーチャ レイヤーは貫通フィーチャと非貫通フィーチャでシンボル表示されます。
- [シンボル] ウィンドウで [Not penetrating] クラスのシンボルをクリックします。 [ギャラリー] タブで、緑色の [Non penetrating Obstacles] シンボルを選択して [戻る] ボタンをクリックします。
- [シンボル] ウィンドウで [Penetrating] クラスのシンボルをクリックします。 [ギャラリー] タブで、赤色の [Penetrating Obstacles] シンボルを選択して [戻る] ボタンをクリックします。
OIS を貫通する、建設障害物フィーチャが見やすくなりました。
シーンの探索
次に、3D のシーンを探索して、障害物がどの程度 OIS を貫通するか把握します。
- 3D ビューの左下隅で [フル コントロールの表示] をクリックして、3D ナビゲーション コントロールを展開します。
- リング コントロールをクリックして上方向にドラッグすると、シーンの視点を変更できます。
リングが横向きであれば、自分がサーフェスに立っているようなシーンになります。
また、シーンをクリックしてドラッグすることで、移動することも可能です。
- 3D シーンをクリックし、下方向にドラッグして拡大します。
貫通する障害物を、貫通しない障害物に関連付けて見ることができます。
- [Construction_Hazards] を右クリックし、[レイヤーの全体表示] をクリックします。
- 3D ナビゲーション コントロールを使用し、障害物を地表から確認します。
- プロジェクトを保存します。
一部の障害物は OIS と接触しないものの、滑走路に最寄りの 2 つの障害物は貫通することがわかりました。
このような視覚化を活用し、航空機の障害になる可能性があるクレーン位置を建設チームに示すことができます。
このチュートリアルでは、SFO の GIS アナリストとして、滑走路 10L の端の障害物を解析しました。 障害物解析は、離着陸場およびその周辺で航空機を安全かつ効率的に運航するには欠かすことができない演習です。 ArcGIS Aviation Airports ツールセットのジオプロセシング ツールから飛行データを読み込んで解析し、その結果を 2D と 3D の両方で視覚化しました。
他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。