ホスト イメージ レイヤーを作成して画像からフィーチャを抽出する

地滑りなどの自然災害に弱いインフラストラクチャを特定するため、最初にインフラストラクチャの場所を知る必要があります。 グレナダ島の一部を表す航空写真を入手したので、ArcGIS Online クラウドでホストされるオンライン イメージ レイヤーを作成します。 続いて、ArcGIS Online でディープ ラーニング解析機能を使用して、イメージ レイヤーから建物フットプリントを自動抽出します。

データのダウンロードとタイル イメージ レイヤーの作成

まず、航空写真を含む圧縮ファイルをダウンロードし、ローカル コンピューターに保存します。

  1. Grenada_TIFF_files.zip ファイルをダウンロードします。
  2. コンピューター上で、ダウンロードした [Grenada_TIFF_files.zip] ファイルを選択します。
    注意:

    ほとんどの Web ブラウザーでは、デフォルトでコンピューターのダウンロード フォルダーにファイルがダウンロードされます。

  3. [Grenada_TIFF_files.zip] ファイルを右クリックして、コンピューター上の場所 (C ドライブなど) に展開します。
  4. 展開した [Grenada_TIFF_files] フォルダーを開いて調べます。

    このフォルダーには、16 個の TIFF 画像およびその補助ファイルが含まれています。 これらを併せて使用して、解析したいグレナダの範囲を表します。

    TIFF 画像ファイルの一覧

画像をコンピューターにダウンロードしたので、実際のワークフローを開始する準備ができました。

オンラインのタイル イメージ レイヤーの作成

この解析フローをクラウドで実行するので、16 個の画像を ArcGIS Online にアップロードして単体のホスト イメージ レイヤーにまとめます。

  1. ArcGIS の組織アカウント」にサイン インします。
    注意:

    組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

  2. 上部リボンの [コンテンツ] をクリックします。

    コンテンツ ボタン

  3. [新しいアイテム] をクリックします。

    新しいアイテム ボタン

  4. [新しいアイテム] ウィンドウで、[イメージ レイヤー] をクリックします。

    イメージ レイヤー オプション

    [イメージ レイヤーの作成] ページが開きます。

    注意:

    新しいアイテム メニューに [イメージ レイヤー] オプションが表示されていない場合、ユーザー タイプ (Professional、または Professional Plus) がないか、イメージ ホスティング権限がない可能性があります。

  5. [ステップ 1 – 開始] タブで、[タイル イメージ レイヤー] がオンになっていることを確認します。

    タイル イメージ レイヤー オプション

    [タイル イメージ レイヤー] タイプは、クラウドでの分散処理と解析用に最適化されます。 今回の解析で適切に機能します。

    注意:

    ArcGIS Online がサポートするさまざまな種類のオンライン イメージ レイヤーの詳細については、「イメージ データとラスター データの共有ガイド」をご参照ください。

  6. [次へ] をクリックします。 [ステップ 2 – レイヤー構成] タブの [画像に基づいてレイヤー構成を選択] で、[1 つのモザイク画像] を選択します。

    1 つのモザイク画像オプション

    このオプションにより、16 個のすべての画像を、対象地域全体を占める単体レイヤーにまとめることができます。

  7. [次へ] をクリックします。 [ステップ 3 – 画像の定義] タブで、[画像に最適なラスター タイプを選択] パラメーターの設定は [Raster Dataset] のままにします。

    デフォルトで選択されたラスター データセット。

  8. [入力画像の選択][参照] をクリックします。

    参照ボタン

  9. [開く] ウィンドウで、ダウンロードした [Grenada_TIFF_files] フォルダーを参照します。 Ctrl+A キーを押し、リストされている 64 個のファイルをすべて選択し、[開く] をクリックします。

    選択されたすべての TIFF ファイル。

    画像ファイルのアップロードが始まります。 [アップロード ステータス] 列で、進行状況を監視できます。

    進行中の画像ファイルのアップロード

  10. すべてのファイルが 100 パーセント アップロード済みになったら、[次へ] をクリックします。
  11. [ステップ 4 – アイテム詳細の設定] で、[タイトル] に「Grenada_aerial_imagery」に自分の名前のイニシャルを追加して入力します。
    注意:

    ArcGIS Online にイメージ レイヤーかフィーチャクラス レイヤーを作成する際は、必ず組織において一意の名前を使用する必要があります。 そのための方法のひとつとして、作成するすべてのレイヤーの最後に自分のイニシャルを追加する方法があります。 たとえば、Jane Smith という名前であれば、レイヤー名は [Grenada_aerial_imagery_JS] になります。

  12. 画像に関する残りの情報を入力します。
    • [タグ] に「グレナダ」と入力します。
    • [サマリー] に「グレナダ島の航空写真」と入力します。
    • [フォルダーに保存] でデフォルトの場所を使用するか、ArcGIS Online アカウントの任意のフォルダーを選択します。

    タイル イメージ レイヤーの情報

  13. [作成] をクリックします。

    ホスト イメージ レイヤーを作成するプロセスが開始されます。 数分後、新しいレイヤーのアイテム詳細ページが表示されます。 16 個の TIFF 画像から、ArcGIS Online クラウドでホストされる単体のタイル イメージ レイヤーを作成しました。 次に、Web マップでレイヤーを開いて視覚的に調べます。

  14. イメージ レイヤーのアイテムの詳細ページで [Map Viewer で開く] をクリックします。

    Map Viewer で開くボタン

    新しいマップにイメージ レイヤーが表示されます。

    マップ上の Grenada_aerial_imagery レイヤー

  15. マップを拡大表示したり画面移動したりして、建物の場所をより詳細に調べます。

    Grenada_aerial_imagery レイヤーの詳細

グレナダのこの区域には何百もの建物があります。 各建物を手動でトレースしてフットプリントをフィーチャとしてフィーチャ レイヤーに格納できますが、手間と時間のかかる作業です。 その代わりに、ディープ ラーニングを使用して、建物のフットプリントを自動的に抽出します。

ディープ ラーニングを使用した建物フットプリントの抽出

ディープ ラーニング モデルは、画像内のフィーチャの分類や検出を効果的に行うことができます。 独自のモデルを構築してトレーニングすることや、既存のトレーニング済みモデルをファインチューニングすることは高度な作業です。 ディープ ラーニングの使用において最も困難で時間を要する部分は、ユーザーが関心を持っている特定の種類の情報について、モデルが学習するための一連のトレーニング サンプルを作成することです。

その代わりに、トレーニング済みの既存のモデルを使用できます。 ArcGIS Living Atlas of the World では、このような事前トレーニング済みのディープ ラーニング モデルのライブラリが用意されており、常に拡充が続けられています。 これらのモデルを使用すれば、すぐに人工知能を使用して情報を抽出し、画像についての分析情報を得ることができます。 次に、ArcGIS Living Atlas の事前トレーニング済みのモデルを使用し、画像レイヤーから建物のフットプリントを検出します。

  1. [設定] (明るい背景の) ツールバーで [解析] をクリックします。

    設定ツールバーの解析オプション

  2. [分析] ウィンドウで、[ツール] をクリックします。

    ツール オプション

  3. [ツール] ウィンドウで [ディープ ラーニングの使用] セクションをクリックし、[ディープ ラーニングを使用したオブジェクトの検出 (Detect Objects Using Deep Learning)] ツールをクリックします。

    ディープ ラーニングを使用したオブジェクトの検出オプション

    [ディープ ラーニングを使用したオブジェクトの検出 (Detect Objects Using Deep Learning)] ツール ウィンドウが表示されます。

    注意:

    [ツール] ウィンドウに [ディープ ラーニングの使用] セクションが表示されていない場合、ユーザー タイプ (Professional、または Professional Plus) がないか、イメージ ホスティング権限がない可能性があります。

  4. [入力レイヤー] で、次のパラメーター値を設定します。
    • [入力イメージ レイヤーまたはフィーチャ レイヤー][レイヤー] をクリックし、[Grenada_aerial_imagery] を選択します。
    • [処理モード][モザイク画像として処理] が選択されていることを確認します。

    入力レイヤーの情報

    ヒント:

    各パラメーターの横にある [i] ボタンをポイントするか、「ディープ ラーニングを使用したオブジェクトの検出」のドキュメントを見直して、各パラメーターの詳細を確認できます。

  5. [モデル設定][オブジェクト検出のモデル] で、[モデルの選択] をクリックします。

    モデルの選択ボタン

  6. [アイテムの選択] ウィンドウで、[マイ コンテンツ] をクリックして [Living Atlas] を選択します。

    Living Atlas オプション

    ArcGIS Living Atlas で管理されている事前トレーニング済みディープ ラーニング モデルのリストが表示されます。

  7. 検索ボックスに、「Building Footprint Extraction」と入力します。
  8. 結果リストで [Building Footprint Extraction - USA] を選択し、[確定] をクリックします。

    Building Footprint Extraction - USA ディープ ラーニング パッケージ

    ディープ ラーニング モデルを選択すると、ツール ウィンドウにモデルの引数が自動的に読み込まれます。

  9. [モデル引数] の下の [閾値] に「0.6」と入力します。

    0.6 に設定された閾値

    検出されたオブジェクトは、信頼度が閾値の値以上のときのみ、オブジェクト データセットに追加されます。 最適な閾値の値を見つけるには、試行錯誤が必要です。

  10. [結果レイヤー][結果レイヤーの名前] に、「Grenada_buildings」と入力して自分の名前のイニシャルを追加します。

    結果レイヤーの情報

    ツールが実行できる状態になっています。 ArcGIS Online で解析を実行する際はいつでも、データ処理に使用するリソースについて Esri のクレジットに関するコストが発生します。 解析実行前に、ツールが消費するクレジット数を特定できます。 解析を実行すると、ユーザーの組織が利用可能なクレジットからクレジットが差し引かれます。

  11. [クレジットの推定] をクリックします。

    クレジットの推定ボタン

    しばらくすると、データに対してツールを実行するためにかかるクレジット数として [10.63] が表示されます

    推定クレジット 10.63

    注意:

    ArcGIS Online で解析ツールを実行するコストは、解析の複雑さと処理される画素数に基づき決定されます。 より狭い範囲でツールを実行することでコストを削減できます。マップ上で対象地域を拡大し、ツール ウィンドウで [環境設定] セクションを展開して、[処理範囲][表示範囲] を選択します。

  12. ツール ウィンドウの下部にある [実行] ボタンをクリックします。

    しばらくすると、プロセスが送信されたことがポップアップで通知されます。 ツールの実行には 10 分から 15 分かかることがあります。

  13. ポップアップの [ステータスの表示] をクリックします。

    ステータスの表示リンク

    プロセスが現在実行されていることを示す [履歴] タブが表示されます。

    ディープ ラーニングを使用したオブジェクトの検出 (Detect Objects Using Deep Learning) ツールが実行中の履歴ウィンドウ

    ヒント:

    [ディープ ラーニングを使用したオブジェクトの検出 (Detect Objects Using Deep Learning)] ツール ウィンドウで [履歴] ボタンをクリックしても、[履歴] タブにアクセスできます。

    履歴ボタン

    プロセスが完了すると、ステータス メッセージが更新されてその旨が表示されます。

    完了したディープ ラーニングを使用したオブジェクトの検出 (Detect Objects Using Deep Learning)。

    注意:

    ステータス メッセージをクリックすると、プロセスに関する詳細を表示できます。

    結果レイヤーの [Grenada buildings - ObjectsDetected] が、[レイヤー] ウィンドウにリスト表示されます。

    レイヤー ウィンドウにリスト表示された Grenada buildings - ObjectsDetected レイヤー

    このレイヤーは、マップ上にも表示されます。 これは、各ポリゴンが建物を表すフィーチャ レイヤーです。

    マップ上のグレナダの建物レイヤー

  14. マップを拡大表示して解析結果を確認します。

    マップ上のグレナダの建物レイヤーの詳細

  15. [レイヤー] ウィンドウで、[Grenada buildings - ObjectsDetected] レイヤーの横にある [表示設定] ボタンのオンとオフを切り替えます。

    可視性ボタン

    マップで、画像内の建物とディープ ラーニングを使用して検出した建物を比較できます。

    画像内の建物とディープ ラーニングを使用して検出した建物の比較
    画像のみ (左) と検出した建物 (右)。

    モデルによって画像内のほとんどの建物が正しく検出されたことを確認できます。

このワークフローのここまでで、モザイク化された 16 個の個別の画像で構成されるオンライン イメージ レイヤーを作成しました。 続いて、ArcGIS Online のディープ ラーニング解析機能と、ArcGIS Living Atlas の事前トレーニング済みモデルを使用して、レイヤーから建物フットプリントを自動抽出しました。

これで、フィーチャ レイヤーとしての建物が用意できました。このレイヤーを使用して、さまざまな操作を実行できます。 このチュートリアルの残りの部分では、このレイヤーを使用して、潜在的な地滑りがその地域の建物構造に与える可能性がある影響をより深く理解します。


地滑り危険度解析の実行

建物の場所が判明したので、グレナダで地滑りに弱いエリアを特定する必要があります。 この解析では、4 つのラスター レイヤーを使用し、単一のラスター関数テンプレートに集積された、いくつかのラスター関数を適用します。 最後に、地滑り危険度の結果レイヤーを、抽出された建物レイヤーと比較し、最もリスクの大きい構造物を特定します。

Web マップを開いて解析レイヤーを操作する

地滑り危険度を解析するには、4 つのラスター レイヤーを入力として使用します。 それぞれは、地滑りのリスク評価の主要な要因を表しています。

  • 土壌タイプ - 土壌に特定のタイプの粘土が含まれているエリアは、地滑りのリスクが高くなります。
  • 標高 - 急な傾斜があるエリアはリスクが高くなります。
  • 河川までの距離 - 河川に近いエリアはリスクが高くなります。
  • 土地利用 - 道路や建物があるエリアや、人工的に緑化されたエリアはリスクが高く、森林はリスクが低くなります。

共有された Web マップに収集された 4 つのラスター レイヤーを調べてみましょう。 まず、マップを開きます。

  1. Web ブラウザーの新しいタブで、「Grenada landslide analysis」 (グレナダの地滑り解析) Web マップのアイテムの詳細ページを開きます。
  2. アイテムの詳細ページで、必要に応じて ArcGIS の組織アカウントにサイン インします。

    サイン イン ボタン

  3. [Map Viewer で開く] をクリックします。

    Map Viewer で開くボタン

    Web マップが開いてグレナダ島が表示されます。 地形図ベースマップ以外のレイヤーは、オフになっているため、この時点では表示されていません。

    地形図ベースマップに表示されたグレナダ。

    このマップは別の ArcGIS Online 組織でホストされており、自分では所有していません。 解析を続行する前に、Web マップのコピーを自分のアカウントに保存します。

  4. [コンテンツ] (暗い背景の) ツールバーで、[保存して開く] をクリックしてから [名前を付けて保存] を選択します。

    名前を付けて保存オプション

  5. [マップの保存] ウィンドウでデフォルト値をそのまま使用して、[保存] をクリックします。

    表示されているマップが、自分の ArcGIS Online アカウントに保存された自分専用のコピーになっています。 次に、重要な地滑りのリスク要因を表す 4 つのラスター レイヤーを調べます。

  6. [コンテンツ] ツールバーの [レイヤー] をクリックします。

    コンテンツ ツールバーのレイヤー

  7. [レイヤー] ウィンドウで、[Land use] レイヤーの横にある [表示設定] ボタンをオンにします。

    可視性ボタン

    レイヤーがマップ上に表示されます。

    マップ上に表示された Land use レイヤー。

  8. [コンテンツ] ツールバーの [凡例] をクリックします。

    コンテンツ ツールバーの凡例

    [Land use] レイヤーの凡例が表示されます。

    Land use レイヤーの凡例

    ヒント:

    [凡例] ウィンドウには、現在マップ上に表示されているレイヤーの凡例情報のみが表示されます。

  9. マップの [Land use] レイヤーと、[コンテンツ] ウィンドウにある凡例を調べます。 拡大およびパンし、レイヤーに含まれている情報を詳しく調べます。
  10. 調べ終えたら、[コンテンツ] ウィンドウで [レイヤー] をクリックします。
  11. [Land use] の表示をオフにし、[Distance to rivers] の表示をオンにします。

    表示がオフの Land use と表示がオンの Distance to rivers

  12. [Distance to rivers] レイヤーを調べます。 同様に、[Elevation] レイヤーと [Soil types] レイヤーを、必要に応じて凡例を参照しながら調べます。
    注意:

    [Distance to rivers] の値は、メートル単位で、最も近い川までの距離を表します。

    [Elevation] の値は、同じくメートル単位で、海抜高度を表します。

    地滑り危険度解析の 4 つのラスター レイヤー
    4 つのラスター レイヤー: (A) Land use、(B) Distance to rivers、(C) Elevation、(D) Soil types。

次に、これらのレイヤーを、地滑りの危険度解析への入力として使用します。

ラスター関数テンプレートを使用して危険度レイヤーを作成する

4 つのレイヤーを入力として使用し、危険度解析を行います。 これらのレイヤーに、いくつかのラスター関数を集積 (チェーン) した単一のラスター関数テンプレート (RFT) を適用します。 ArcGIS Online で共有された既存の RFT を使用します。 まず、RFT を検索してその内容を調べます。

  1. [設定] ツールバーの [解析] をクリックします。

    設定ツールバーの解析ボタン

  2. [解析] ウィンドウで、[ラスター関数] をクリックします。

    ラスター関数オプション
    注意:

    [ツール] ウィンドウに [ラスター関数] が表示されていない場合、ユーザー タイプ (Professional、または Professional Plus) がないか、イメージ ホスティングおよび解析の権限がない可能性があります。

  3. [ラスター関数] ウィンドウの上部にある [ラスター関数テンプレートを開く] をクリックします。

    ラスター関数テンプレートを開くボタン

  4. [ラスター関数テンプレートの参照] ウィンドウで、[マイ コンテンツ] をクリックし、[ArcGIS Online] を選択します。

    ArcGIS Online メニュー オプション

    ArcGIS Online で、対象の RFT を検索します。

  5. 検索ボックスに「Landslide Susceptibility Grenada owner:Learn_ArcGIS」と入力します。 結果一覧で、[Landslide Susceptibility Grenada][詳細] をクリックします。

    Landslide Susceptibility Grenada の検索

    RFT の詳細情報が表示されたサイド ウィンドウが開きます。

  6. サイド ウィンドウの下部にある [詳細の表示] をクリックします。

    詳細の表示ボタン

    RFT のアイテム ページが、Web ブラウザーの新しいタブに表示されます。

  7. アイテムの詳細ページで、必要に応じて ArcGIS の組織アカウントにサイン インします。

    RFT の内容を確認するには、ラスター関数エディターで開きます。

  8. [ラスター関数エディターで開く] をクリックします。

    ラスター関数エディターで開くボタン

    しばらくすると、[ラスター関数エディター] ウィンドウに RFT が開き、含まれているすべてのエレメントが連結して表示されます。

    RFT の内容

    RFT にある 4 つの緑のエレメントは、RFT の実行時に入力する必要がある 4 つのラスター入力を表しています。 それぞれの黄のエレメントは、ラスター関数を表します。 この処理は次のように進められます:

    • まず、一部のラスターが事前処理されます。たとえば、[標高] ラスターは傾斜角ラスターに変換され、各セルは特定の場所におけるテレインの傾斜の険しさを示すようになります ([傾斜角] 関数)。
    • 次に各ラスターが処理され、各セルの元の値が 1 から 10 までの値に変換されます。10 は地滑りのリスクが最も高いことを、1 は最も低いことを表します ([再分類] または [演算] 関数)。
    • その後で、4 つの結果レイヤーが結合され ([加重合計])、出力ラスターに変換されます。出力ラスターの各セルには 1 から 5 までの値が含まれ、総合的な地滑り危険度のスコアを示します ([再分類: 結果の分類])。
    • 最後に、1 から 5 までの数値にラベルが追加されて 5 段階のリスクが表され ([非常に低い][低い][中程度][高い][非常に高い])、割り当てられた配色 ([属性テーブル]) でシンボル表示されます。
  9. オプションとして、RFT のラスター関数の一部をダブルクリックすると、どのように設定されているかを確認できます。
    注意:

    必要に応じて、[名前を付けて保存] ボタンをクリックしてこの RFT の自分専用のコピーを作成し、ラスター関数エディターで編集します。 ただし、このチュートリアルでは、既存の RFT を変更せずにそのまま自分のデータに適用します。

  10. レビューが完了したら、[ラスター関数テンプレートの参照] ウィンドウが表示されている [Grenada landslide analysis] Web マップを含む Web ブラウザー タブに戻ります。

    RFT をデータに適用できるようになりました。

  11. [ラスター関数テンプレートの参照] ウィンドウで、[Landslide Susceptibility Grenada] を選択して [確認] をクリックします。

    選択された Landslide Susceptibility Grenada

    しばらくすると、マップの横に RFT がツールとして、必要なパラメーターとともに表示されます。

  12. [Landslide Susceptibility Grenada] ウィンドウで、以下の入力パラメーター値を選択します。
    • [Distance to Rivers][Distance to rivers] を選択します。
    • [Land Use][Land use] を選択します。
    • [Elevation][Elevation] を選択します。
    • [Soil Types][Soil types] を選択します。

    設定された 4 つのパラメーター。

  13. [結果レイヤー][出力名] に「Landslide susceptibility」と入力し、その後に自分の名前のイニシャルを追加します。
  14. [結果タイプ][タイル イメージ レイヤー] に設定されていることを確認します。

    結果レイヤー セクション

  15. [クレジットの推定] をクリックします。

    クレジットの推定ボタン

    しばらくすると、データに対してツールを実行するためにかかる推定クレジット数として [1.46] が表示されます

  16. [実行] をクリックします。

    3 ~ 4 分後、結果レイヤーが表示されます。

    マップ上の Landslide susceptibility レイヤー

  17. [レイヤー] ウィンドウで、[Landslide susceptibility] 結果レイヤーを除くすべてのレイヤーの [表示設定] がオフになっていることを確認します。
  18. [コンテンツ] ツールバーで [凡例] をクリックし、5 つの [Landslide susceptibility] クラスのカラー シンボルを表示します。

    Landslide susceptibility レイヤーの凡例

  19. 拡大表示して画面を移動し、結果レイヤーを確認します。

    拡大表示された Landslide susceptibility レイヤー。

    赤のエリアは地滑りの危険度が最も高く、緑は最も低いエリアです。

このセクションでは、ラスター関数テンプレートを調べて実行し、地滑り危険度ラスター レイヤーを作成しました。

建物フットプリントの追加とレイヤーの比較

次に、以前に抽出した建物フットプリントを、地滑り危険度レイヤーと比較し、リスク構造を識別します。 まず、建物フットプリント レイヤーを現在のマップに追加します。

  1. 必要に応じて、[コンテンツ] ツールバーの [レイヤー] をクリックします。 [レイヤー] ウィンドウの [追加] をクリックします。

    追加ボタン

  2. [レイヤーの追加] ウィンドウで、[マイ コンテンツ] が選択されていることを確認し、リスト内の [Grenada_buildings] を見つけます。 [Grenada_buildings] レイヤーの [追加] をクリックします。

    Grenada_buildings レイヤーの追加ボタン

    レイヤーがマップ上に表示されます。 見やすくなるよう拡大表示します。

  3. [レイヤーの追加] の横の戻るボタンをクリックして [レイヤー] ウィンドウに戻ります。

    戻るボタン

  4. [Grenada_buildings] レイヤーで、[オプション] ボタンをクリックして [ズーム] を選択します。

    ズーム メニューオプション

    ディープ ラーニング モデルを使用して建物を抽出したエリアにマップが拡大されます。

    注意:

    このチュートリアルを簡潔にするため、建物のフットプリントは島の一部についてのみ抽出しています。 実際の設定では、島全体について建物のフットプリントを抽出する選択も可能です。

  5. マップを拡大および画面移動し、危険度の高いエリアの建物を特定します (赤またはオレンジで表示)。

    危険度の高いエリアにある建物の特定

    グレナダのほとんどの建物は、危険度が低いエリアにあるようです。 しかし、危険度の高いゾーンにいくつかの建物があります (オレンジ)。 マップを保存します。

  6. [コンテンツ] ツールバーで [保存して開く] をクリックして [保存] を選択します。

    保存オプション

次のステップとして、[コンテンツ] ツールバーで [マップの共有] をクリックして、Web マップを同僚やコミュニティと共有することが可能です。 解析の結果得られたレイヤーは、ArcGIS 組織アカウントにサイン インして [コンテンツ] をクリックすることで、いつでも取り出すことができます。 これらのレイヤーは、さまざまな方法で再利用できます。

注意:

たとえば、3D Web シーンで表示することができます。 シーンの例では、2D の建物のフットプリントには 10 メートルの立ち上げが適用されているため、建物は 3D オブジェクトとして表示されている点に注目してください。 3D シーン ワークフローの詳細については「シーンの作成」チュートリアルで学習できます。

このチュートリアルでは、画像や他のタイプのラスター データを使用し、グレナダ島で地滑りの危険がある構造物を調べました。 まず、16 枚の TIFF 形式の航空写真を ArcGIS Online にアップロードし、それらをすべて、1 つのタイル イメージ レイヤーにまとめました。 次に、ArcGIS Living Atlas の事前トレーニング済みのディープ ラーニング モデルにアクセスし、そのモデルを使用してイメージ レイヤーから建物フットプリントを抽出しました。 その次に、ラスター関数テンプレートを使ってラスター解析を実行し、地滑り危険度に応じて地形を分類しました。 最後に、地滑り危険度レイヤーと抽出した建物フットプリントを比較して、リスクのある構造物を視覚化しました。 結果の Web マップは、同僚やコミュニティと共有できるようになりました。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。