空間解像度の視覚化
まず、空間解像度の概念について学習します。 次に、さまざまな空間解像度の衛星画像を探索します。
空間解像度の詳細
画像は、航空機、ドローン、衛星、地上のセンサー、古地図のスキャンによって収集できます。 画像はラスター形式で保存され、情報はセル (またはピクセル) のグリッドとして表されます。
注意:
ラスター データの詳細については、「画像およびラスター データの概要」をご参照ください。
空間解像度 (ピクセル サイズまたはセル サイズとも言います) は、地上において、1 つのセルによって表される空間的な範囲の大きさです。 データセットの空間解像度が 10 メートルの場合、これはセルの一辺の長さを示し、各セルが地上の 10 メートル四方 (100 m2 の面積) であることを意味します。
空間解像度は、画像で表される詳細レベルに影響します。 セルのサイズが小さい場合は、空間解像度がより高くなるとされ、ラスター内で現実世界をより詳細に捉えることができます。 たとえば、以下のグラフィックスでは、左側のラスターの空間解像度が右側のラスターよりも高くなっています。
注意:
特定のピクセル サイズでは、セル内のすべてのフィーチャが 1 つの値によって集約されます。
空間解像度が高いほど、より多くのコンピューター ストレージが必要になり、処理と分析の時間が長くなります。 商用データの購入が必要になる場合もあります。 プロジェクトでラスター データの空間解像度を選択する際に、次の事柄を確認する必要があります。
- プロジェクトの対象フィーチャを捉えられるだけの高解像度であること (たとえば、山、川、地表、道などが見える必要があるのか、など)
- コンピューター ストレージ、処理時間、および潜在的な関連コストを最小限に抑えられるだけの低解像度であること
注意:
詳細については、「画像およびラスター データのピクセル サイズ」をご参照ください。
衛星画像の場合、空間解像度は一般的にセンサーによって異なることがあります。 空間解像度のいくつかの例として、1000 m、500 m、250 m (MODIS)、90 m、60 m、30 m (ASTER)、30 m (Landsat)、10 m (Sentinel)、5 ~ 3 m (PlanetScope)、0.5 m (SkySat) があります。 航空機やドローンで撮影された画像の場合、空間解像度は 1 m (NAIP) から 1 cm (ドローン) 以下まで、はるかに高くなることがあります。 このチュートリアルでは、衛星画像に焦点を当てます。
地域規模でのペンバモトの探索
次に、ArcGIS Pro でタンザニアのペンバモト地域に焦点を当て、衛星画像とその空間解像度を探索します。 ペンバモト地域を広範囲で効率的に描写できる画像を調査します。 まず、ArcGIS Pro プロジェクトを設定します。
- Pembamoto_spatial_resolution パッケージをダウンロードします。
[Pembamoto_spatial_resolution.ppkx] という名前のファイルがコンピューターにダウンロードされます。
注意:
.ppkx ファイルは、ArcGIS Pro プロジェクト パッケージです。これには、ArcGIS Pro で開くことができるマップ、データ、その他のファイルが含まれます。 .ppkx ファイルの管理の詳細については、このガイドをご参照ください。
- コンピューター上で、ダウンロードしたファイルを選択します。
ヒント:
ほとんどの Web ブラウザーでは、ダウンロード フォルダーがダウンロード先です。
- [Pembamoto_spatial_resolution.ppkx] をダブルクリックして ArcGIS Pro で開きます。 サイン インを求められたら、ArcGIS アカウントを使用して、サイン インします。
注意:
組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
プロジェクトが開きます。 プロジェクトには、[Pembamoto region]、[Regreening project]、および [Resampling] の 3 つのマップが含まれます。 ここでは、最初のマップを使用します。
- [Pembamoto region] マップが選択されていることを確認します。
マップには、デフォルトの地形ベースマップが表示され、タンザニアに焦点が置かれています。 ドドマの東にある小さな赤い四角形は、このチュートリアル全般の対象領域を示しています。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Region_of_interest] を右クリックし、[レイヤーにズーム] を選択します。
マップが更新され、[Landsat9 - 01/28/2023 - 30m - region] という名前の画像レイヤーが表示されます。
これは、2023 年 1 月 28 日に撮影された Landsat 9 衛星画像で、赤い四角形のサイズに切り抜かれたものです。 Landsat 9 画像の空間解像度は 30 メートルで、記憶領域を使いすぎずに地域全体などのより大きな範囲を表現するのに効果的です。
注意:
Landsat 9 は、USGS および NASA が 2021 年に打ち上げた衛星ミッションです。 11 のスペクトル バンドを使用して画像を生成し、そのほとんどは 30 メートルの空間解像度となります。 画像は地球全体をカバーし、16 日ごと (または Landsat 8 画像と組み合わせた場合は 8 日ごと) に地球のあらゆる場所の画像が撮影されます。 Landsat は最も長い歴史を誇る衛星画像取得プログラムであり、50 年もの間、連続的な地球の観測データを提供しています。
Landsat 画像は無料で提供されています。 独自の Landsat 画像をダウンロードする方法についてご参照ください。
- 画像を観察します。
この地域のさまざまな土地被覆のタイプを識別できますか?
- ほとんどが地表になっており、植生が疎になっている (薄いピンクと暗いピンクの色調) 乾燥したエリア
- 植生がいくらかある山地のエリア (緑の色調で起伏のあるエリア)
- 植生が多い谷 (濃い緑色)
(1) 乾燥したエリア、(2) 植生がいくらかある山地のエリア、(3) 植生が多い谷を描写した Landsat 画像。 - マウス ホイールを使用して、画像がピクセル化され、個別のセルが見えるまで拡大します。
30 メートルのセル サイズのため、Landsat 9 画像では、個々の家や樹木など、地面の小さいフィーチャを識別することができません。
- 必要に応じて、画像を縮小してからさまざまなエリアを拡大しなおして、さらに詳しく調べます。
全体的に、Landsat 画像は、砂漠化や都市の拡大、その他の土地被覆の変化傾向といった地域の現象を識別および監視するのに最適です。
空間解像度の比較
タンザニアのこの地域について広域的に理解できたところで、次はズームして、ペンバモト地域で行われている植生復元プロジェクトについて調べます。 アフリカを再緑化することで地球温暖化への対処を目指す NGO の Justdiggit は、ペンバモト地域社会と協力し、土が雨水を捉えられるようにする一連の土手 (半円形のくぼみ) を掘りました。 これらの土手を作ったおかげで、これまで乾燥していた同地域では、わずか数年で劇的な植生の成長がみられました。
注意:
このプロジェクトの詳細については、「Seeing African Restoration From Space」、「Northern Tanzania Work」、および「Quantifiable impact: monitoring landscape restoration from space. A regreening case study in Tanzania」の調査記事をご参照ください。
2022 年 12 月~ 2023 年 1 月に撮影された、空間解像度の異なる衛星画像を使用して、ペンバモトの再緑化プロジェクトのサイトを調べます。 まず、次のマップに切り替えます。
- [Regreening project] マップ タブをクリックします。
マップには、先ほど調べたのと同じペンバモト地域全域が表示されます。 小さな赤い四角形は、再緑化プロジェクトが行われている、より小さな対象地域 (AOI) を示しています。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Pembamoto_AOI] を右クリックして [レイヤーにズーム] を選択します。
[コンテンツ] ウィンドウには 4 つの画像レイヤーがあり、現在オフになっています。
各画像の名前には、画像のタイプ、撮影日、空間解像度が記載されます。 これらの画像は AOI のサイズに切り抜かれたもので、それぞれの空間解像度は 30 メートル~ 0.5 メートルまで異なります。 空間解像度が最も低いレイヤーから最も高いレイヤーまでオンにして比較します。
- [Landsat9 - 01/28/2023 - 30m] レイヤーの横のボックスをオンにします。
マップに画像が表示されます。
これは先ほど見た同じ Landsat 画像ですが、今回は、より小さい AOI に適合するように切り抜かれています。 当然、この縮尺では、Landsat 画像がある程度ピクセル化されて表示されます。 ただし、濃い緑色の色調で表示されている再緑化プロジェクトのエリアを明確に表示することができます。 それを囲んでいる植生のない土地は、土のタイプと地質的形成に応じてピンクまたは青みがかった色調で表示されます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Sentinel2 - 12/09/2022 - 10m] レイヤーをオンにします。
マップに画像が表示されます。
これは、2022 年 12 月 9 日に撮影された Sentinel-2 衛星画像です。 Sentinel-2 画像の空間解像度は最大 10 メートルで、地域レベルの表示や分析に使用できるものの、地面のより詳細なフィーチャも表示できるため、汎用性がかなり高くなっています。
現在の縮尺では、画像はピクセル化されておらず、再緑化プロジェクトのエリアが非常に明確に表示されています。 北部にあるいくつかの山や、南東部の農業地、何本かの道など、他のフィーチャも識別できます。 山の東には、白い雲が写っています。 雲の影を見つけられますか?
注意:
Sentinel-2 は、European Space Agency の衛星ミッションです。 2015 年に打ち上げられ、13 のスペクトル バンドを使用して画像を生成します。その一部の解像度は 10 メートルです。 画像は地球全体をカバーし、少なくとも 5 日ごとに地球のあらゆる場所の画像が撮影されます。
Sentinel-2 の画像は無料で提供されており、Copernicus Data Space Ecosystem からダウンロードすることができます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[PlanetScope - 01/01/2023 - 3m] レイヤーをオンにします。
これは、2023 年 1 月 1 日に撮影された PlanetScope 衛星画像です。 PlanetScope の画像の空間解像度は 3 メートルで、地表の多くの詳細なフィーチャを描写しています。 そのタイプの空間解像度の画像は、フィーチャ縮尺の分析に使用されることが多く、農業、考古学、インフラストラクチャ、森林などの用途があります。
この画像では、前の画像と同じフィーチャの多くを確認できますが、表示がより細かくなっています。 濃い茶色の土地がいくつかのエリアに表示されており、12 月下旬が活発な耕うん (土地を作物のために備え、耕すこと) などの農業活動の時期であったことを示しています。
注意:
PlanetScope の画像は Planet Labs が生成しています。 PlanetScope は、2014 年以降に展開された 180 以上の衛星の一群であり、3 メートルの解像度で最大 8 つのスペクトル バンドを使用して画像を生成しています。 画像は地球のほぼ全体の土地をカバーし、ほぼ毎日、各所の画像が撮影されます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[SkySat - 12/13/22 - 0.5m] レイヤーをオンにします。
これは、2022 年 12 月 13 日に撮影された SkySat 衛星画像です。 SkySat の画像の空間解像度は 0.5 メートルで、地表のフィーチャを非常に詳細なレベルで描写します。 そのタイプの空間解像度の画像は、精密マッピング、3D 都市モデリング、または精密農業で多く使用されています。
この画像では、個々の樹木や灌木、地面の微妙なニュアンスなど、多くの詳細が表示されています。
注意:
SkySat の画像は Planet Labs が生成しています。 SkySat は、2013 年以降に展開された約 20 の衛星の一群であり、0.5 メートルの解像度で 4 つのスペクトル バンドを使用して画像を生成しています。 SkySat 衛星はアクティブに操作して、地球の任意の場所の画像を撮影することできます。
以上で、このプロジェクトで提供されているすべての画像を確認しました。
- 必要に応じて、画像のオンとオフを切り替えたり、マウス ホイールで拡大または縮小したりして、画像をさらに調べます。
ヒント:
上にあるレイヤーが、下にあるレイヤーの見通しを妨げてしまうため、必要に応じてオンまたはオフにしてください。
セル サイズと空間範囲の調査
ブックマークを使用してペンバモトの再緑化サイト周辺の特定エリアを拡大し、空間解像度の探索を続けます。 元の画像の範囲も比較します。
- リボンの [マップ] タブをクリックします。 [ナビゲーション] グループで、[ブックマーク] をクリックします。
セル サイズの概念についてさらに理解を深めるため、個々のセルが表示される詳細レベルまで拡大します。
- ブックマークのリストで [Cells] を選択します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、4 つの画像レイヤー ([Landsat-9]、[Sentinel-2]、[PlanetScope]、[SkySat] レイヤー) をすべてオフにしてから、1 つずつオンに戻します。
(1) Landsat-9、(2) Sentinel-2、(3) PlanetScope、(4) SkySat の画像。 セル サイズはそれぞれ大幅に異なります。 各画像タイプで、現在の範囲にはいくつのセルが含まれているでしょうか? Landsat 9 にはわずか数個のセル、Sentinel-2 には約 60 個のセル、PlanetScope には数百セル、SkySat には数千セルが含まれます。
- リボンの [マップ] タブで、[ブックマーク] をクリックして [Roads and Fields] を選択します。
マップで AOI の東側のエリアが拡大表示されます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、4 つの画像レイヤーをすべてオフにして、1 つずつオンに戻します。
(1) Landsat-9、(2) Sentinel-2、(3) PlanetScope、(4) SkySat の画像。 必要なストレージを最小限に抑えつつ、主要道路を区別できる画像を選ぶ必要があるとしたら、4 つの画像のうちどれを選びますか? 一般道路や土の道を区別する場合は? 農地は? 家屋は? 個々の樹木や灌木の場合は?
- 必要に応じて、[Town] ブックマークにズームし、同様に観察します。
4 つの画像レイヤーは AOI の境界に適合するように切り抜かれていましたが、各衛星によって撮影された元の画像は、それよりもはるかに大きいものでした。
次の図は、すべての画像を元の完全な範囲で写したものです。ペンバモトの AOI は、左下部の小さな赤い四角形として表示されています。
これらの画像の相対的サイズについて、何が観測できるでしょうか。 Landsat 9 の場合、セル サイズが非常に大きいため、1 つの画像で非常に広い範囲を捉えることができます。 セル サイズが小さい画像に移るにつれて、1 つの画像で捉えられる範囲は小さくなります。 これは一般的な傾向です。ただし、画像ごとの正確なセル数は、各センサーの技術仕様によって異なります。
チュートリアルのこの部分では、空間解像度の基本的な概念について理解し、空間解像度の異なる衛星画像を比較しました。 ペンバモト エリアを探索し、そこで行われている革新的な再緑化プロジェクトについて学習しました。 1 つの重要ポイントは、空間解像度の高い画像の詳細レベルと、空間解像度の低い画像に必要な記憶領域と処理時間との間にトレードオフがあるということです。 プロジェクトの画像を選択する際は、このトレードオフを考慮する必要があります。
画像の空間解像度の変更
次に、画像の解像度の変更について学習し、リサンプリングの概念を理解します。 その後、ご自身で画像をリサンプリングし、元のイメージ レイヤーとリサンプリングされた出力を比較します。
空間解像度の変更とリサンプリングの詳細
画像または別のタイプのラスター データを受け取った際は、元の空間解像度で使用できます。 ただし、変更した方が良い場合もあります。
- プロジェクトの対象フィーチャがあまり高い空間解像度を必要とせず、ストレージと処理時間を最小化したい場合、セル サイズを大きくすることもできます。
- プロジェクトの複数のラスター レイヤーの空間解像度が異なる場合、分析のために、すべてのレイヤーが同じセル サイズになるよう一部のレイヤーの空間解像度を変更することをお勧めします。
空間解像度の変更は、リサンプリングと呼ばれる処理によって行われます。 リサンプリングは、ラスター グリッドの変換が必要なときに随時使用されます。 グリッド変換の別の例として、ラスターを投影変換する必要がある場合が挙げられます (投影法の詳細については、「適切な投影法の選択」チュートリアルをご参照ください)。 サーフェス ツールセットなど、リサンプリングを使用するジオプロセシング ツールは他にもさまざまあります。
リサンプリングを適用するには、出力ラスターの各セルの値の計算方法を選択する必要があります。 画像に適用できる 3 つのリサンプリング方法の例を次に示します。
- 最近隣内挿法 - 出力ラスターの各セルは、元のラスター内の対応する最も近いセルの値をそのまま使用します。
- 共一次内挿法 - 出力ラスターのセルの値は、元のラスター内の対応する最も近い 4 個のセルの平均によって計算され、出力がより滑らかになります。
- 三次たたみ込み内挿法 - 出力ラスターのセルの値は、元のラスター内の対応する最も近い 16 個のセルの平均によって計算されます。
注意:
リサンプリングの詳細については、「解析でのセル サイズとリサンプリング」をご参照ください。
画像をリサンプリングしてセル サイズを大きくする
次に、画像をリサンプリングしてセル サイズを変更する方法を学習します。 セル サイズが 3 メートルの PlanetScope 画像をプロジェクトに使おうとしていますが、同じプロジェクトの他のラスター レイヤーのセル サイズは 10 メートルであることが分かっています。 PlanetScope 画像をリサンプリングして 10 メートルの解像度に合わせます。 はじめに、プロジェクトの 3 つ目のマップに切り替えます。
- [リサンプリング] タブをクリックします。
このマップには、先ほどこのワークフローで見たものと似ている [PlanetScope_01012023_3m] という画像が含まれています。 画像をリサンプリングするには、リサンプル ジオプロセシング ツールを使用します。
- リボンの [表示] タブの [ウィンドウ] グループで、[ジオプロセシング] をクリックします。
[ジオプロセシング] ウィンドウが表示されます。
- [ジオプロセシング] ウィンドウの検索ボックスで、「リサンプル」と入力します。 結果リストで [リサンプル] ツールをクリックして開きます。
このツールは、[データ管理] ツールボックスにあります。
- [リサンプル] ツールで、次のパラメーターの値を選択します。
- [入力ラスター] で、[PlanetScope_01012023_3m] を選択します。
- [出力ラスター データセット] で、「PlanetScope_01012023_10m」と入力します。
[出力セル サイズ] の下の [X] と [Y] フィールドには現在、入力画像の解像度である約 3 メートルが表示されています。 これをターゲット値に置き換えます。
- [出力セル サイズ] の下で、[X] と [Y] に「10」と入力します。
注意:
画像をリサンプリングする際は、多くの場合、このワークフローと同じようにセル サイズを大きくします。
リサンプリングしてセル サイズを小さくする場合は注意が必要です。 新しいデータは作成されないことを理解しておくことが重要です。 入力画像の解像度が 100 メートルのときにセル サイズを 50 メートルと指定すると、出力ラスターのセル サイズは 50 メートルになりますが、精度は 100 メートルのままです。
- [リサンプリング手法] で [共一次内挿法] を選択します。
先に説明したリサンプリング手法、[最近隣内挿法]、[共一次内挿法]、[三次たたみ込み内挿法] が使用できます。 3 つの手法はすべて画像に使用できます。 [共一次内挿法]を使用すると、結果が滑らかになります。
[最頻値] という別のオプションもありますが、通常は画像には使用しません。 このオプションについての詳細は、「リサンプル」ドキュメントをご参照ください。
注意:
元のセルの値を維持することが重要なため、リサンプリング方法に [最近隣内挿法]、または [最頻値] しか使用できない主題 (もしくはカテゴリ、または不連続) と呼ばれる別のラスター タイプもあります。 ラスター データのさまざまなタイプの詳細をご参照ください。
- [リサンプル] ツール ウィンドウで [環境] タブをクリックし、[出力座標] セクションを見つけます。
セル サイズの変更の代わりに、またはセル サイズの変更に加えて画像を投影変換したい場合、ここにターゲット座標系を指定します。 このワークフローでは投影変換をしないため、これらのパラメーターは空白のままにします。
- [実行] をクリックします。
しばらくすると、新しい [PlanetScope_01012023_10m] という画像がマップに表示されます。
デフォルトのレンダリングを使用しているため、元の画像より暗くなっています。 元の画像に合うように表示設定を変更します。
注意:
画像の表示設定オプションの詳細をご参照ください。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[PlanetScope_01012023_10m] を右クリックし、[シンボル] を選択します。
- [シンボル] ウィンドウでオプション ボタンをクリックして [レイヤーからインポート] を選択します。
- [レイヤーのシンボル情報を適用] で、次のパラメーター値を選択します。
- [入力レイヤー] で [PlanetScope_01012023_10m] が選択されていることを確認します。
- [シンボル レイヤー] で、[PlanetScope_01012023_3m] を選択します。
- [実行] をクリックします。
リサンプリングされた画像が元の画像と同じようなレンダリングに更新されます。
元の画像とリサンプリングされた画像の比較
次に、[スワイプ] ツールを使用して、元のレイヤーとリサンプリングされたレイヤーを比較します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[PlanetScope_01012023_10m] レイヤーが選択されていることを確認します。
- リボンの [ラスター レイヤー] タブの [比較] グループで、[スワイプ] をクリックします。
- マップで上下にドラッグして [PlanetScope_01012023_10m] レイヤーをめくり、下の [PlanetScope_01012023_3m] レイヤーを表示します。
この縮尺では、2 つの画像にほとんど違いは見えません。 どちらのケースでも、再緑化プロジェクト エリアや多数の農地など大きなフィーチャが見分けられます。 詳細レベルまで拡大します。
- リボン上の [マップ] タブの [ナビゲーション] グループで、[ブックマーク] をクリックしてから、[Roads and fields] ブックマークを選択します。
- スワイプ ポインターで上下にドラッグしてスワイプします。
この縮尺では、リサンプリングされたレイヤーは、セルが大きくなっているため、元の画像よりブロック状になっています。 最後に、さらに拡大して個別のセルを確認します。
- リボンの [マップ] タブで、[ブックマーク] をクリックして、[Cells] ブックマークを選択します。
ドラッグしてスワイプし、2 つのレイヤーを比較します。
リサンプリングされたレイヤーのセルの幅が元のレイヤーのものよりも 3 倍ほど大きいことがはっきりと確認できます。
- 探索を終了したら、リボンの [マップ] タブの [ナビゲーション] グループで [マップ操作] ボタンをクリックしてスワイプ モードを終了します。
このチュートリアルのパートでは、画像の空間解像度を変更できることを学びました。 また、リサンプリングの概念について学習するとともに、リサンプリング方法についてもいくつか学習しました。 次に、画像をリサンプリングしてセル サイズを大きくし、元の入力とリサンプリングされた出力を比較しました。
画像のセル サイズの特定
本ワークフローで使用した画像には、いずれも画像名に空間解像度が含まれていました。 しかし、実際の業務で画像データセットを受け取った際は、空間解像度はわからないかもしれません。 次は、その情報を確認する方法について学習します。
画像のプロパティでのセル サイズの確認
画像のセル サイズを確認する標準的な方法は、画像のプロパティを調べることです。
- [リサンプリング] マップ タブが選択されていることを確認します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[PlanetScope_01012023_3m] を右クリックして、[プロパティ] を選択します。
- [プロパティ] ウィンドウで [ソース] タブをクリックして [ラスター情報] セクションを展開し、[セル サイズ X] フィールドと [セル サイズ Y] フィールドを確認します。
[セル サイズ X] フィールドと [セル サイズ Y] フィールドには、それぞれおよそ [3] という値が表示されています。 これは、各セルが地表 3 × 3 メートルの正方形を表していることを意味します。 計測単位がメートルかどうか不明な場合もあるかもしれません。 この情報は、[空間参照] セクションで確認できます。
- [空間参照] を展開し、[距離単位] フィールドを確認します。
このセクションには、画像の投影法と座標系に関する情報が含まれています。 [投影座標系] の値は [WGS 1984 UTM Zone 37S] で、[距離単位] の値は [メートル] となっています。 これで、セル サイズがメートルで表されていることが確認できます。 したがって、PlanetScope の画像のセル サイズは 3 メートルであることがわかります。
- 必要に応じて、学習した手順で、[PlanetScope_01012023_10m] レイヤーのセル サイズを確認します。
画像セルの計測
最後に、画像のセルを自分で計測する方法を学習します。 画像のプロパティを確認する方法が最も一般的ではありますが、自分でセルを計測することは、セル サイズの概念をさらに理解するうえで良い方法です。
- [リサンプリング] マップで、[PlanetScope01012023_10m] と [PlanetScope01012023_3m] がオンになっていることを確認します。
[PlanetScope01012023_10m] の方が上に表示されているので、こちらを先に計測します。
- 必要に応じて、リボンの [マップ] タブで、[ブックマーク] をクリックして、[Cells] ブックマークを選択します。
- リボンの [マップ] タブの [照会] セクションで、[計測] をクリックします。
マップに、距離の [計測] ウィンドウが計測ポインターと共に表示されます。
- セルの両側をクリックし、幅を計測します。
セル幅は、およそ 10 メートルです。
- [距離の計測] ウィンドウの [結果の削除] ボタンをクリックします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[PlanetScope01012023_10m] レイヤーをオフにします。
マップに、[PlanetScope01012023_3m] の画像が表示されます。
- セルの両側をクリックし、幅を計測します。
幅は、およそ 3 メートルです。
- 計測が完了したら、リボンの [マップ] タブの [マップ操作] ボタンをクリックして、計測モードを終了します。
このチュートリアルでは、空間解像度の基本概念についての理解を深めました。 空間解像度の高い画像や低い画像を視覚的に区別する方法を学んだほか、プロジェクトに最も適した空間解像度を選択する方法も学びました。 また、画像の空間解像度を変更する方法について学習するとともに、リサンプリング方法についてもいくつか学習しました。 最後に、画像のプロパティを確認したりセルを直接計測したりして、画像の空間解像度を調べる方法を学習しました。
他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。