3D ローカル シーンを設計する
データをダウンロードしてプロジェクトを作成
最初に、チュートリアルで使用するデータとマップ パッケージの一部をダウンロードします。 .zip ファイルをダウンロードしたら、ローカル シーンに基づき、ArcGIS Pro でプロジェクトを作成します。
- PortBuilding_WithCage.zip 圧縮フォルダーをダウンロードして、コンピューター上の任意の場所にデータを解凍します。
- ArcGIS Pro を起動します。
- 「ArcGIS の組織アカウント」にサイン インします。
注意:
組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
- [新しいプロジェクト] で [ローカル シーン] をクリックします。
- [名前] に「Scene-Level-Properties」と入力します。 [場所] でデフォルトの [プロジェクト] フォルダーを承認します。
- [OK] をクリックしてプロジェクトを作成し、空のローカル シーンを開きます。
Web シーンを検索して開く
プロジェクトとローカル シーンを取得したので、公開するコンテンツを ArcGIS Online に追加します。
- [カタログ] ウィンドウで、[ポータル] タブをクリックします。 [ArcGIS Online] ボタンをクリックします。
- 検索バーに「Boston 911」と入力し、Enter を押します。
- 検索結果のリストで、[Boston 911 Calls (Simulated)] を右クリックして [追加して開く] を選択します。
公開したシーンが開き、3D レイヤーが表示されます。このレイヤーは、建物、911 通報位置、および 911 通報が行われた位置の推定 x、y、z 精度を表します。
- マウスのホイール ボタンで、シーンの傾きとその周辺の移動を練習します。
シーンのイルミネーションの操作
イルミネーション設定は、シーンに最大の視覚的効果を与えます。 イルミネーション設定は、シーンの光源の位置、陰影がフィーチャから差すか、空がどのように表示するか、テレイン サーフェスに陰影を付けるかどうかを定義します。 たとえば、飛行機が着陸する日中の時間や単純に見栄えのためなど、イルミネーション設定は、シーンの目的に合うように、特定のモーメントに設定することができます。 複数の照明設定をテストして、シーンに最適なものは何かを確認します。
- リボンの [マップ] タブをクリックします。 [ブックマーク] をクリックして [Area of interest] を選択します。
- キーボードで、B キーを押したまま画面をクリックし、カメラの観測点を傾けて地平線を表示します。
次に、いくつかのイルミネーション プロパティを Boston 911 Calls (Simulated) シーンのプロパティで設定します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Boston 911 Calls (Simulated)] をダブルクリックします。
[マップ プロパティ: Boston 911 Calls (Simulated)] ウィンドウが開きます。
- [イルミネーション] タブをクリックします。 [イルミネーションの定義] セクションの [日時] で次の変更を行います。
- [日時] に「4/15/2017 6:00:00 AM」と入力します。
- [タイムゾーン] で [(UTC-05:00) 東部標準時 (米国およびカナダ)] を選択します。
- [サマータイムを適用] がオンになっていることを確認します。
- [OK] をクリックします。
シーンが更新され、太陽が地平線から昇ってくる情景が表示されます。 これは十分に見えますが、建物の外面の陰影処理が均一で、太陽と別の方向を向いており、1 色のブロブに混ざってしまっていることに気づきます。
建物の外観と外面の間の相違をさらに示せるように、建物にエッジ レンダリングを加えます。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Buildings] レイヤーを展開してシンボルをクリックします。
[シンボル] ウィンドウが表示されます。 ここでは、異なって表示されるように、レイヤーのシンボルのプロパティを変更できます。 エッジのあるテクスチャを選択して、建物がよりはっきりと表示されるようにします。
- [シンボル - Buildings] ウィンドウの [ギャラリー] タブで、[エッジのある白 (テクスチャを使用)] アイテムをクリックします。
建物のエッジのシャープな境界にラインをレンダリングすることで、視覚的に分離することができます。
現在の表示では、太陽が空の低い位置にあるときの大気による赤みを帯びた色合いが出せません。 朝の光をよりリアルに出すために、大気の設定を調整します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Boston 911 Calls (Simulated)] をダブルクリックして、[マップ プロパティ] ウィンドウを開きます。
- [イルミネーション] タブで、[大気照明] の下の [大気の影響を表示] をオンにして、[OK] をクリックします。
シーンが更新されます。 陰影効果が非常に顕著です。
- [Boston 911 Calls (Simulated)] の [マップ プロパティ] を開きます。
- [イルミネーション] タブで [日時] を「4/15/2017 6:30:00 AM」に変更して、[OK] をクリックします。
シーンが更新され、陰影効果が大幅に小さくなりました。
次に、シーンに影を加えて、より現実感のあるものにしていきます。
- [マップ プロパティ: Boston 911 Calls (Simulated)] ウィンドウの [イルミネーション] タブで、[影を 3D で表示] をオンにします。 [日時] で時刻を「4/15/2017 8:30:00 AM」に変更します。
- [OK] をクリックします。
シーンが更新されます。 建物から差す影が見えるようになりました。 影は、現在のイルミネーション設定に基づきます。
注意:
影は、表示パフォーマンスを低下させ、長い表示距離では自動的に表示から削除されます。 小さなローカルでのビュー範囲で大気の影響を見ましたが、これは計算され、シーンの地球全体に適用されることに注意してください。
- リボンの [マップ] タブの [ナビゲーション] グループで、[全体表示] ボタンをクリックします。
- シーンをクリックしてカーソルを移動し、地球と北米を画面移動します。
予測通り、ボストンでは最近、朝の太陽が見られます。また、地球の他の場所では、同時に日の出が見られます。 地球全体を画面移動し続けると、太陽と月を遠くかなたに見ることができます。太陽と月は両方とも日付と時刻が正しくモデルされています。
多くのシーンには、このような効果は必要ありません。 シンプルなシーンでは、どこに移動してもイルミネーションが十分であることのみを確認します。 このような場合、現在のカメラの位置に基づくように、シーンのイルミネーションを設定することができます。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Boston 911 Calls (Simulated)] のプロパティを開きます。
- [イルミネーション] タブで、次の操作を実行します。
- [大気の影響を表示] チェックボックスをオフにします。
- [影を 3D で表示] チェックボックスをオフにします。
- [カメラからの天頂位置] オプションをクリックして有効にします。
- [OK] をクリックします。 ボストンを再度拡大します。
どこでズームまたは画面移動しても、照明が一貫して上から表示されるようになりました。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Call Locations] をクリックして [レイヤーにズーム] を選択します。
シーンが [Call Locations] レイヤーのフィーチャの範囲に更新されます。
次に、3D ナビゲーション ツールでテストをします。
スクリーン ナビゲーター コントロールを使用したシーンを探索
3D でのナビゲーション、およびどの方向が北かを把握することが、難しい場合があります。 いずれの場合も、スクリーン コントロール ([ナビゲーター]) を使用すると容易に操作できます。
注意:
シーンの下部に [ナビゲーター] が表示されない場合は、画面内の任意の場所を右クリックして [ナビゲーター] をクリックして有効にします。 シーンが更新されて、3D [ナビゲーター] コントロールが表示されます。
- [ナビゲーター] コントロールで北の矢印のインジケーターをクリックして、シーンを北向きにします。
これで、シーンが北向きになりました。
- [ナビゲーター] コントロールで外側のリングをクリックして、ポインターの方向に画面移動します。 画面移動するにつれて、リングが青色にハイライト表示されます。
より詳細な 3D ナビゲーション オプションのために、[ナビゲーター] コントロールを展開することができます。
- [ナビゲーター] コントロールで [フル コントロールの表示] ボタンをクリックします。
- 内側のリングを使用して、シーンを傾けて回転させます。
- 上下の矢印を使用して、カメラを上下に垂直も動かします。
- [前方にズーム] ボタンと [後方にズーム] ボタンを使用して、前後にズームします。
- ナビゲーターの内側のボールをクリックして、シーン全体を見ます。
- [ナビゲーター] コントロールでさらにテストをします。
マップをプロジェクトにインポート
前のステップでは、グローバル シーンのボストンのシーンを扱いました。 コンテンツを球体のグローブ上でレンダリングし、照明モデルは物理的に太陽の軌道に基づきました。また、投影されたスペースや平面世界のスペースでコンテンツがレンダリングされたローカル シーンのデータで作業することもできます。これらは、多くの場合、水槽ビューと呼ばれます。 ローカル シーンは、キャンパス、採掘現場、サイエンティフィック ビジュアライゼーションなどの狭い範囲のコンテンツに適切です。 ローカル シーンのその他の大きなメリットは、データのネイティブの座標系でレンダリングできることです。これは、3D GIS フィーチャの編集時に推奨されるビュー タイプです。
- リボンの [挿入] タブをクリックします。 [プロジェクト] グループで [マップのインポート] をクリックします。
- マップ パッケージを抽出した場所を参照します。 [PortBuilding_WithCage.mpkx] を選択して、[OK] をクリックします。
[PortBuilding] という名前のローカル シーンが開き、カリフォルニアの Port of Long Beach にある建物の 3D モデルが表示されます。
ベースマップは、不要な広い範囲をカバーします。 シーンの範囲を設定して、このコンテンツを対象地域 (AOI) に縮小することができます。
- リボンの [マップ] タブで、[ブックマーク] をクリックして [Set the Extent] を選択します。
クリップ範囲は四角形かつ北向きで、このブックマークに合致します。 カスタムの範囲を設定する場合、N (北) と P (垂直) のショートカット キーを使用して、クリップするビュー範囲を適切にプレビューできます。
- [コンテンツ] ウィンドウで [PortBuilding] をダブルクリックして [マップ プロパティ] ウィンドウを開きます。
- [範囲] タブで、[カスタム範囲の使用] を選択します。
- [範囲を取得] で [現在の表示範囲] を選択します。
- [OK] をクリックします。
- ホイール ボタンを使用してドラッグし、カメラを異なる観測点に回転させます。
ローカル シーンは、範囲が大きなエリアをカバーしていないため、視覚的により有用になりました。 シーンは、建物周辺エリアに切り取られ、このシーンをフォーカスしています。
一部のローカル シーンでは、データに高さインデックス グリッドがあると便利です。 ArcGIS Pro にプロシージャル ケージ シンボルがあり、この要件に役立ちます。 これには 2 つのデフォルト設定があり、1 つは地域範囲で、もう 1 つはパーセル範囲です。 シンボルは、このシーン用に構成されています。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Cage] レイヤーを選択してオンにします。
シーンが更新され、建物周辺にケージまたはフレームワークが表示されます。 選択すると、[コンテンツ] ウィンドウの [Cage] レイヤー シンボルをクリックして、フィーチャの [シンボル] ウィンドウでプロパティを調整できます。
平行ビュー モードの使用
平行ビューは、建築とサイエンティフィック ビジュアライゼーションでよく使用される技術で、インタラクティブなシーンや動画ではなく、通常は特定の観測点から撮られた静的画像のセットとして提示されます。 一般的に、世界を 3 次元表示で見ることができます。 つまり、光線が遠方の消失点で消えます。このため、フィーチャは、自分から離れるほど小さくなります。 反対に、平行ビュー モードでは光線が平行になります。 これにより、フィーチャは、カメラからどれだけ遠く離れても視覚的に同じ大きさに見えます。 このセクションでは、透視から平行モードに変更して、違いを観察します。
- リボンの [マップ] タブで [ブックマーク] をクリックして、[Bld Top View] を選択します。
- リボンの [表示] タブをクリックします。 [シーン] グループで、[描画モード] をクリックして [平行描画モード] を選択します。
シーンが更新され、建物が平行描画モードで表示されます。 スタック ケージ バーが視覚的に整列しました。
- リボンの [マップ] タブで、[ブックマーク] をクリックして [Front View] を選択します。
- [ブックマーク] をクリックして [Oblique] を選択します。
シーンが更新され、建物が平行モードの斜角度で表示されます。
平行ビュー モードは小さいですが、3D マッピングで重要な役割を果たします。 これは、視覚効果が必要なときに使用し、不要なときは使用しません。 人々は自然に 3 次元でものを見るため、平行ビュー モードでは不自然に見えます。また、平行ビュー モードでは簡単な作業、特に編集とナビゲーションでさえも極めて難しくなる可能性があります。
- リボンの [表示] タブをクリックします。 [シーン] グループで、[描画モード] を [透視描画モード] に変更します。
シーンが更新され、建物が透視描画モードの斜角度で表示されます。 このモードでは、建物がより四角く見えます。一方、平行モードでは、正面より背面が高く見えます。
イルミネーション プロパティの変更、シーンのナビゲーション、カスタム範囲の設定など、3D シーンのフィーチャの表示方法をいくつかテストしました。
効果的で魅力的な 3D ビューの作成は、レイヤー プロパティでは終わりません。 シーンレベルでの表示プロパティを検討して、シーンを向上し改善する必要もあります。
シーンへのイルミネーション方法は、メッセージに追加またはメッセージから抽出できます。 影を使用することで、現実感を向上できるとともに、建物の効果やその周りの世界の他のフィーチャに関する情報を提供できます。 限定範囲のデータで作業する場合は、表示範囲を対象範囲まで縮小すると効果的です。また、GIS の操作では、データのネイティブ座標系での作業が常に推奨されます。 また、透視表示の視覚的歪みなしでコンテンツを提示するためには、平行ビュー モードの使用もご検討ください。
他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。