ArcGIS Pro で Web マップを開く
ArcGIS Online でマップを起動した後に、デスクトップ ソフトウェアでのみ使用できるいくつかの機能にアクセスする必要もあることに気付く場合があります。 ArcGIS Pro で Web マップを開き、そこで作業を続行することができます。
- 「Ancient cities in Africa」Web マップを開きます。
マップが表示され、アフリカの 37 の古代都市の場所が示されます。 このマップは、Wikipedia の継続的に居住されているアフリカ最古の都市のリストから作成されました。 このマップの作成方法を知りたい場合は、チュートリアル「歴史的な場所のリストをマップに変換する」をお試しください。
このマップの印刷バージョンを作成する必要があります。 ArcGIS Online から直接印刷できますが、このチュートリアルでは、投影法、ラベリング プロパティ、レイアウトの設計を利用できるように、まず ArcGIS Pro でマップを開きます。 ArcGIS Pro に移動すると、印刷メディア向けに設計されたバージョンのマップを作成できます。
- Web ブラウザーのアドレス バーで、= 記号の後にある、URL の末尾の文字列をハイライト表示してコピーします。
この文字列は、Web マップのアイテム ID です。
- ArcGIS Pro を起動します。 サイン インを求められたら、ライセンスが割り当てられた ArcGIS 組織アカウントを使用してサイン インします。
注意:
ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
- [新規] の下で、[マップ] をクリックします。
- [新しいプロジェクトの作成] ウィンドウの [名前] に「Ancient cities in Africa print」と入力します。 必要に応じて、プロジェクトに別の場所を選択します。 [OK] をクリックします。
マップが表示されますが、このマップは使用しません。 代わりに、Web マップを開きます。
- [カタログ] ウィンドウで [ポータル] をクリックし、[ArcGIS Online] タブをクリックします。
- 先ほどコピーしたアイテム ID (39af22bac6fb421c84ce72773928bc02) を検索バーに貼り付けて、Enter キーを押します。
- 検索結果で [Ancient cities in Africa] Web マップを右クリックして、[追加して開く] をクリックします。
アフリカの都市のマップが表示されます。
座標系の変更
現在、マップでは Web メルカトル投影法が使用されています。この投影法は、Web マップを作成するための実用的な選択です。 ただし、今は静的マップを作成しているので、アフリカを表現するのにより適した投影法を選択できます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Ancient cities in Africa] マップを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。
- [マップ プロパティ] ウィンドウで、[座標系] タブをクリックします。
正角図法を選択すると、アフリカとアフリカ内部のフィーチャの形状は正しいように見えます。 ただし、アフリカのマッピング専用に設計された投影法を選択するため、アフリカ大陸の面積と距離の歪みが最小になります。
注意:
適切な投影法を選択する方法の詳細については、チュートリアル「適切な投影法の選択」をご参照ください。
- 検索バーに「アフリカ」と入力して Enter を押します。
- [使用可能な XY 座標系] のリストで、[投影座標系]、[大陸範囲の座標系]、[アフリカ] の順に展開します。
- [Africa Lambert Conformal Conic] をクリックして、[OK] をクリックします。
マップが新しい投影法で再描画されます。 北半球が引き延ばされていますが、アフリカはよく表現されています。
レイアウトの作成
次に、レイアウトを作成します。 レイアウトでは、マップの最終的な見栄えを詳細に制御でき、凡例、画像、縮尺記号などの整飾情報を追加できます。 このマップに必要な整飾情報は、タイトルとデータ ソースをクレジットするテキストだけです。
- リボンの [挿入] タブをクリックします。 [プロジェクト] グループで、[新しいレイアウト] をクリックします。
- レイアウト ギャラリーの [ANSI - Portrait] で、[レター] を選択します。
レイアウトに最初に追加するものはタイトルです。
- リボンの [挿入] タブをクリックします。 [グラフィックスとテキスト] グループで、[四角形テキスト] ボタンをクリックします。
- レイアウト上でクリック アンド ドラッグして、ページの上部に四角形を描画します。
- 次のテキストを入力するか、コピーして貼り付けます。
Ancient Cities in Africa
Some of the oldest continuously inhabited cities in Africa
Source: https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_oldest_continuously_inhabited_cities
- テキスト ボックスの外側をクリックして、編集を終了します。 テキスト ボックスをクリックして選択します。
タイトルらしく見えるように、テキストを書式設定します。
- リボンで [テキスト] タブをクリックします。 [テキスト シンボル] グループで、フォントを [Candara] に変更します。
注意:
Candara フォントがインストールされていない場合は、他の任意のフォントを使用します。
- [Regular] をクリックして、[Bold] を選択します。 中央揃えの [フォントの配置] ボタンをクリックします。
- テキスト ボックスで、テキストの最初の行をハイライト表示します。 リボンで、フォント サイズを [36 pt] に変更します。
- テキストの中央の行のフォント サイズを [18 pt] に変更します。
- 必要に応じて、テキスト ボックスのサイズと位置を変更して、テキストの上下にいくらか空白スペースがあるようにします。
レイアウトにマップを追加
次に、レイアウトにマップを追加して、その位置と縮尺を制御します。
- リボンの [挿入] タブをクリックします。 [マップ フレーム] グループで、[マップ フレーム] をクリックします。
- [Ancient cities in Africa] の下でいずれかのオプションをクリックします。
- レイアウト ページのいずれかの下隅をクリックしてドラッグし、タイトルの下のスペース全体を埋める四角形を作成します。
マップのサイズと位置を変更して、使用可能なスペースを埋めるようにします。
- レイアウト ビューの下部にある縮尺ボックスに「38,000,000」と入力して、Enter キーを押します。
- レイアウト上でマップを右クリックし、[アクティブ化] をクリックします。
これで、マップを操作できるようになりました。
- マップ上で画面移動して、アフリカをページの中央に配置します。
ヒント:
マップの代わりにレイアウト上で画面移動およびズームするには、1 キーを押したままにします。 誤ってマップ上でズームした場合は、縮尺ボックスに再度「38,000,000」と入力します。
- レイアウト ビューの上で、[レイアウトに戻る] リンクをクリックします。
マップに必要な縮尺と範囲を選択したので、後で誤って移動しないようにレイアウトを固定します。
- 必要に応じて、マップをクリックして選択します。
- [マップ フレームの書式設定] ウィンドウで、[表示オプション] タブをクリックします。
ヒント:
[マップ フレームの書式設定] ウィンドウが表示されていない場合は、マップを右クリックして [プロパティ] をクリックします。
[制約] で [固定中心および縮尺] を選択します。
これで、マップをアクティブにするとマップを編集できますが、画面移動もズームもできなくなりました。
マップに黒い枠線が付いていますが、これは不要なため削除します。
- [マップ フレームの書式設定] ウィンドウで、[表示] タブをクリックします。 [枠線] で、[シンボル] を [0 pt] に変更します。
ラベルの構成
静的マップが Web マップよりも勝る点は、マップマーカーがマップ ラベルを完全に制御できることです。 ラベルを再配置することで、読みやすくしたり、マップの密集部分にさらにラベルを表示するためのスペースを確保したりできます。 ラベルをグラフィックスに変換して手動で編集できるようにする前に、マップのいくつかの自動ラベリング プロパティを構成します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Ancient cities in Africa] レイヤーを右クリックして、[ラベリング プロパティ] をクリックします。
[ラベル クラス] ウィンドウが表示されます。 まず、マップのタイトルと一致するようにラベルのフォントを変更します。
- [シンボル] タブをクリックします。 [表示設定] を展開し、[フォント名] で [Candara] を選択します。
- このウィンドウの下部にある [適用] をクリックします。
マップ上のラベルとポイントの間に大きなオフセットがあるため、どのラベルがどのポイントのものなのかわかりにくくなっています。 また、必要とされた余分なスペースは、すべての都市をラベル付けするための十分なスペースがないことを意味します。
いくつかのラベリング プロパティを調整して、より多くのラベルがマップに明確に収まるようにします。
- [ラベル クラス] ウィンドウで、[位置] タブをクリックします。 [配置] で、[最適位置] を選択します。
マップ上にさらにいくつかのラベルが表示されますが、まだ間隔が広すぎます。
- [優先オフセット] で、[4 ポイント] を選択します。 [オフセットの計測開始点] で [フィーチャ ジオメトリ] を選択します。
ラベルがポイントの近くに描画されますが、十分なスペースがないために、一部のラベルはまだ読みにくい状態です。
静的マップにはポップアップがないため、すべての都市が読みやすいラベルを確実に持つようにしたいと思います。 ラベルをグラフィックスに変換して、密集しているラベルを手動で再配置できるようにします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Ancient cities in Africa] レイヤーを右クリックして [ラベルの変換] にポインターを合わせ、[ラベルをグラフィックスに変換] をクリックします。
[ジオプロセシング] ウィンドウが表示されます。 [ラベルをグラフィックスに変換] ツールのパラメーターがすでに入力されています。
- [実行] をクリックします。
[GroupGraphics] という名前の新しいグループ レイヤーが、[コンテンツ] ウィンドウに追加されました。 マップは変化していないように見えますが、実際には、ラベルはすべてグラフィックス オブジェクトになっており、もうグラフィックス フィーチャに関連付けられていません。
注意:
グラフィックス テキストをグラフィックス フィーチャに再度リンクすることはできません。 グラフィックス対応ラベルに戻す必要がある場合は、[GroupGraphics] レイヤーをオフにして、[Ancient cities in Africa] レイヤーでラベリングをオンに戻します。
- マップを右クリックして [アクティブ化] をクリックします。
- リボンで、[グラフィックス] タブをクリックします。 [編集] グループで、[選択] ボタンをクリックします。
- マップでラベルをクリックして選択します。 ラベルを新しい位置までドラッグして移動させます。
- 煩雑になっているように見える任意のラベルを移動させます。 画面移動またはズームを行うには、1 キーを押したままにします。
- レイアウト ビューの上で、[レイアウトに戻る] リンクをクリックします。
PDF ファイルとしてレイアウトをエクスポート
マップ レイアウトが完成しました。 最後に、このレイアウトを .pdf ファイルとしてエクスポートして、簡単に共有および印刷できるようにします。
- リボンの [共有] タブをクリックします。 [出力] グループで、[レイアウトのエクスポート] ボタンをクリックします。
- [レイアウトのエクスポート] ウィンドウの [ファイル タイプ] で [PDF] を選択します。
- [名前] で、[参照] ボタンをクリックして、場所を選択します。 [名前] で、「Ancient cities in Africa」と入力します。 [保存] をクリックします。
- [グラフィックス範囲でクリップ] をオフにします。
このオプションは、ページの上部の空白スペースを削除します。
- [圧縮] で次のプロパティを設定します。
- [画像として出力] をオフにします。
- [画像圧縮] で、[アダプティブ] を選択します。
- [品質] で [80] 付近までスライダーをドラッグします。
- [ベクター グラフィックスを圧縮] をオンにします。
これらの設定によって、ベクター テキストとベクター グラフィックスがラスター画像に変換されなくなり、ファイル サイズが比較的小さく保たれます。
- [解像度] で、[300 DPI] を選択します。
解像度を 300 DPI より高くしても、印刷されたドキュメントでは目で見てはっきりわかりません。 解像度をこれより低くすると、ピクセルが目立つことがあります。
- [ラスター リサンプル] で、[2] を選択します。
- [埋め込みフォント] をオンにします。
これによって、Candara フォントがインストールされていないコンピューターでこのドキュメントを開いても、このドキュメントが機能するようになります。
- その他のチェックボックスはオフのままにします。 [レイヤーと属性] で、[なし] を選択します。
- [エクスポート] をクリックします。
- エクスポートが完了したら、[エクスポートしたファイルの閲覧] をクリックします。 レイアウトが完成し、タイトル、説明、中心を合わせたマップが追加されました。
Web マップと静的マップは利点が異なり、問題点も異なります。 マップがどちらかのフォームで開始しても、そのフォームに制限されません。 このチュートリアルでは、Web マップを静的マップに変換し、投影法、レイアウトの設計、制御されたラベルなど、そのフォームのいくつかの利点を利用しました。 ArcGIS Online 内で ArcGIS Pro のコンテンツを見つけ、ラベリング プロパティを構成し、ラベルをグラフィックスに変換して、.pdf ファイルをエクスポートする方法を学習しました。
マップの作成とレイアウトのデザインの詳細については、チュートリアル シリーズ「データのシンボル表示とマップの公開」をご参照ください。
カートグラフィのその他のチュートリアルについては、「カートグラフィの概要チュートリアル シリーズ」のページをご参照ください。