地図作成 - 差し込みマップの作成
新しいマップの作成
差し込みマップを作成するには、既存のマップのコピーを作成し、ほとんどのデータを削除します。
- 前のチュートリアル「地図作成 - マップ レイアウトの配置」を完了したら、再度 Arctic sea ice.aprx を開きます。 完了していない場合は、「Cartographic creations 5.ppkx」をダウンロードします。 ファイルをダブルクリックし、ArcGIS Pro で開きます。
注意:
.ppkx ファイルは、ArcGIS Pro プロジェクト パッケージです。これには、ArcGIS Pro で開くことができるマップ、データ、その他のファイルが含まれます。 .ppkx ファイルの管理の詳細については、このガイドをご参照ください。
- サイン インを求められたら、ライセンスが割り当てられた ArcGIS アカウントを使用して ArcGIS Pro にサイン インします。
注意:
ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
- [カタログ] ウィンドウを開きます。 [プロジェクト] タブで [Maps] を展開します。
- [Map] を右クリックし、[複製] をクリックします。
[Map1] という 2 つ目のマップが作成されます。
- [Map 1] を右クリックし、[開く] をクリックします。
新しいマップが開きます。
- [コンテンツ] ウィンドウの [Map 1] の下で、[Fade] レイヤーを右クリックして [削除] をクリックします。
- [Index years] と [ArcticCircle] 以外のすべてのレイヤーを削除します。
- [Index years] をクリックして、このレイヤーを選択します。 リボンの [フィーチャ レイヤー] タブをクリックします。 [効果] グループの [レイヤーのブレンド] を [標準] に変更します。
このレイヤーの 2 つのコピーを作成します。1 つはすべての年を表し、もう 1 つは氷域面積が最小の年を表します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Index years] を右クリックして、[コピー] をクリックします。 [Map 1] を右クリックし、[貼り付け] をクリックします。
- [Index years] レイヤーを選択した状態で、F2 キーを押してその名前を編集できるようにします。 レイヤーの名前を「2012」に変更します。
マップには、3 年のデータのアウトラインのみが表示されます。 下のレイヤーのフィルター設定を編集し、すべての 9 月を表示するようにします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Index years] を右クリックして、[プロパティ] をクリックします。 必要に応じて、[定義クエリ] タブをクリックします。
- [Query 1] で、[編集] をクリックします。
現在のクエリは、データをフィルタリングして 9 月と特定の年だけにしています。 年に関連する項目を削除します。
- 2 つ目のクエリ項目で、[項目の削除] ボタンをクリックします。
- [適用] をクリックし、[OK] をクリックします。
マップに、各年のデータのゴールドのアウトラインが表示されます。
マップは興味深く見えますが、あまり叙述的ではありません。 特定の年をハイライト表示するために、[2012] レイヤーをシンボル表示します。
- [2012] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。 [定義クエリ] タブの [Query 1] で [編集] をクリックします。
- 2 つ目の項目の最後のメニューで、既存のテキストを削除して「2012」と入力します。
- [適用] をクリックし、[OK] をクリックします。
両方のレイヤーが同様にシンボル表示されているため、この変更がマップに表示されません。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[2012] レイヤーのシンボルをクリックして、[シンボル] ウィンドウを開きます。
- 必要に応じて [プロパティ] タブと [シンボル] タブをクリックします。
- [色] を [白] に変更します。 [アウトライン色] を [カベルネ] に変更します。
- [アウトライン幅] を [1 pt] に変更します。
- [適用] をクリックします。
ヒント:
レイヤーのシンボルを更新するたびに [適用] をクリックせずに済むように、[シンボル] ウィンドウで [自動的に適用] を有効にします。
[2012] レイヤーの白い塗りつぶしは、マップ ビューの白い背景では見えませんが、このマップをレイアウトに配置すると、背景がベージュになり見えるようになります。
レイアウト上に差し込みマップとテキストを配置
次に、レイアウトに差し込みマップを配置して、その位置と縮尺を特定します。
- マップ ビューの上にある [レイアウト] タブをクリックします。
- リボンの [挿入] タブをクリックします。 [マップ フレーム] グループで、[マップ フレーム] をクリックし、[Map 1] の下のいずれかのオプションをクリックします。
- レイアウトのいずれかの下隅をクリックしてドラッグし、レイアウトの下半分を埋めるボックスを描画します。
- [レイアウト] ビューの下部にある縮尺ボックスに「40,000,000」と入力して、Enter キーを押します。
マップの縮尺が変更されます。
- マップ フレームを右クリックして [アクティブ化] をクリックします。 マップをドラッグして、マップがノルウェー北部地方で大きいマップの北極圏と重なるようにします。 右のガイドとも少し重ねます。
- [レイアウトに戻る] リンクをクリックします。
差し込みマップは、レイアウトにいくらか視覚的なバランスを提供します。 これで、2012 年の氷域面積を表す白いエリアが、ベージュの背景に対して表示されるようになりました。 この北極圏は、大きなマップに視覚的参照ガイドを提供することによって役に立ちます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Map Frame 1] の名前を「Inset map」に変更します。 [ロック] ボタンをクリックします。
マップ フレームを囲む黒い枠線によって注意がそらされてしまうため、これを削除します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Inset map] をクリックします。 リボンで [マップ フレーム] タブをクリックします。
- [現在の選択セット] グループで、[マップ フレーム] をクリックして、[枠線] を選択します。
- [枠線] グループで、[ストローク] を [0] pt に変更します。
差し込みマップを囲む黒い枠線が表示されなくなり、マップをページにより自然に収めることができます。 大きなマップ フレームからも枠線を削除します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Map Frame] を選択し、その枠線も削除します。
次に、レイアウトの残りのエレメントを並べ替えます。
- [The decline in sea ice…] テキスト ボックスを選択し、アイスランドのすぐ下に配置します。 このボックスを左のガイドにスナップし、差し込みマップにほぼ到達するまで右に拡張します。
- [The decline in sea ice…] テキスト ボックスがまだ選択された状態で、Shift キーを押しながらチャートと [September is the month…] テキスト ボックスも選択します。 選択したいずれかのエレメントを右クリックして、[整列] にポインターを合わせ、[同じ幅に揃える] をクリックします。
- もう一度右クリックしてポインターを [配置] に合わせ、[左揃え] をクリックします。
これで、3 つのエレメントすべてが同じ幅になり、左のガイドにスナップされました。
- すべてのテキストが表示されるまで、3 つのエレメントのサイズを垂直方向に変更します。 必要に応じて、これらのエレメントを再配置して、チャートが中央に置かれるようにします。
- 残り 2 つのテキスト ボックスを移動して、これら両方が右のガイドにスナップされるようにします。 著作権のテキスト ボックス ([Ice data: Fetterer…]) を下部に配置します。
- 両方のテキスト ボックスを選択し、差し込みマップと同じ幅になるまで左に拡張します。
- すべてのテキストが表示され、差し込みマップの下に収まるまで、2 つのテキスト ボックスのサイズを垂直方向に変更します。
差し込みマップにテキストと透過表示を追加
大きなマップと同様に、差し込みマップ上のシンボルを説明する必要があります。 通常、シンボルは凡例で説明されますが、場合によっては、ラベルや他のテキストで簡単に説明できます。
差し込みマップに説明テキストを追加し、差し込みマップのレイヤーの 1 つに透過表示を追加します。
- リボン上の [挿入] タブにある [グラフィックスとテキスト] グループで [四角形テキスト] をクリックします。
- 差し込みマップの上に 2 つのテキスト ボックスを描画します。 各テキスト ボックスに次のテキストを入力するか、コピーして貼り付けします。
- White areas show the 3.57 million km2 extent of ice in 2012: the smallest Arctic sea ice extent on record. (白いエリアは 2012 年の 357 万平方キロメートルの氷域面積を示しています。これは、記録上最小の北極海氷域面積です。)
- The gold lines show each September ice extent between 1979 and 2021. (ゴールドのラインは、1979 ~ 2021 年の各 9 月の氷域面積を示しています。)
- 両方のテキスト ボックスを選択します。 リボンで [テキスト] タブをクリックします。 [テキスト シンボル] グループで、[Gold] をクリックします。
- [テキスト シンボルのフォント サイズ] を [8 pt] に変更します。 [中央] 水平アライメント ボタンをクリックします。
- 白いエリアを説明するテキストを、差し込みマップの白い中心に配置します。
- 北極圏内のゴールドのラインを説明するテキストを、グリーンランドの東方に配置します。
これで、凡例のように機能する説明テキストで、差し込みマップが十分に説明されるようになりました。 このマップにもう 1 つ変更を加えます。ゴールドのラインがかなり重なり合っています。その重なりをもっと見やすくすると、マップがより興味深く見えるでしょう。 各ラインを半透明にして、この効果を実現します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Inset map] を展開します。 [Index years] の下のシンボルをクリックして、[シンボル] ウィンドウを開きます。
- [シンボル] ウィンドウで、必要に応じて、[プロパティ] タブと [シンボル] タブをクリックします。
- [アウトライン色] で、[お気に入り] からゴールドの [Text] 色を選択します。
透過表示と組み合わせる場合は、濃い色のほうが薄い色より効果的です。
- [アウトライン色] メニューを再度クリックし、[色プロパティ] をクリックします。
- [カラー エディター] ウィンドウで、[透過表示] を「70%」に変更します。
- [OK] をクリックします。 必要に応じて、[シンボル] ウィンドウの [適用] をクリックします。
この効果はわずかですが、ラインの絡みにいくらか深みを加え、氷のエッジが最も多く存在する場所を示すのに役立ちます。
マップに最後の仕上げを適用
マップがほぼ完成しました。 最後の仕上げをさらに 2 つ追加して、その洗練されたプロフェッショナルな外観を改善します。凡例にハローを追加してよりわかりやすくし、タイトルにグラデーション効果を追加して太くします。
- レイアウトで、凡例にズームします。
凡例は北極圏と交差しており、この点線によってテキストが読みづらくなっています。 ハローを追加して、テキストと交差する場所で北極圏のラインをマスクします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Legend] グループを展開します。 Ctrl キーを押しながら、[Legend] グループ内の 3 つのテキスト エレメントをすべてクリックします。
- 必要に応じて、選択したいずれかのエレメントを右クリックして [プロパティ] をクリックし、[エレメント] ウィンドウを開きます。
- [エレメント] ウィンドウで [テキスト シンボル] タブをクリックします。
- [ハロー] を展開します。 [ハロー シンボル] で、[白 (塗りつぶし)] オプションを選択します。
- [色] の [お気に入り] で、ベージュの [Land] 色を選択します。 [ハローのサイズ] を「3 pt」に変更します。
- [適用] をクリックします。 レイアウトの外側をクリックして、テキスト エレメントの選択を解除します。
これで、北極圏のラインがテキストのハローによってマスクされるようになりました。
次に、タイトルに色をもう 1 つ追加します。
- レイアウトで、Title をクリックして選択します。
[エレメント] ウィンドウが更新され、[Title] テキスト エレメントのプロパティが表示されます。
- [エレメント] ウィンドウで [テキスト シンボル] タブをクリックします。 [表示設定] を展開します。
タイトルのテキストが、ある色から別の色にフェードするようにします。
- [テキストの塗りつぶしシンボル] メニューをクリックし、[塗りつぶしグラデーション (線形)] オプションをクリックします。
- [色] で最初の色 (グレー) をクリックし、[お気に入り] からピンクの [Melt] 色を選択します。
- 2 つ目の色 (白) をクリックし、[スポイト] をクリックします。
- ミディアム オレンジ色が見つかるまで、マップにポインターを合わせます。 この色をクリックして選択します。
- [シンボル] ウィンドウの [適用] をクリックします。
これで、タイトルの色が鮮やかになったため、タイトルが太く見えるようになりました。 また、このタイトルはマップのシンボルを模倣しており、溶けているように見えます。
マップがほぼ完成しました。
- 気に入らないレイアウト エレメントの位置を調整します。
- 位置を調整したエレメントがある場合は、レイアウトの外側をクリックして、エレメントの選択を解除します。
- [レイアウト] ビューの周囲のルーラーを右クリックし、[ガイド] をオフにして、ガイドなしのレイアウトをプレビューします。
- [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] をクリックします。
レイアウトのエクスポート
マップをエクスポートする準備ができました。 後で印刷したり、オンラインで共有したりできる .png ファイルとして、マップをエクスポートします。
- リボンの [共有] タブをクリックします。 [出力] グループで、[レイアウトのエクスポート] をクリックします。
- [レイアウトのエクスポート] ウィンドウの [ファイル タイプ] で [PNG] を選択します。
- [名前] で、[参照] ボタンをクリックします。 簡単にアクセスできる場所を選択し、ファイルに「ArcticSeaIceDecline.png」という名前を付けます。 [OK] をクリックします。
- 残りのパラメーターが以下に一致することを確認します。
- [グラフィックス範囲でクリップ] をオフのままにします。
- [透過表示された背景] をオフのままにします。
- [解像度] で、[300] DPI に設定します。
- [色深度] で、[32 ビット アルファ付き] が選択されていることを確認します。
- [エクスポート] をクリックします。
- [エクスポートしたファイルの閲覧] をクリックして、.png ファイルを開きます。
これでマップが完成しました。 大きなデータセットを調べ、フィルターをして小さなサブセットにしました。 適切な投影座標系を選択し、シンボル、ラベル、凡例、チャートを設計しました。 これらすべてのエレメントを一緒に配置して、バランスのとれた有益なレイアウトを実現しました。
北極海の氷は減少し続けています。このマップは、その減少がこれまでにどこでいつ起こってきたかを示すために役立ちます。 データセットは、その未加工の形式では、このストーリーを明確に伝えることができませんでしたが、地図製作について多くの決定を下すことで、データを有効活用し、理解しやすくすることができました。
マップの設計はクリエイティブな作業です。 このデータセットを配置、シンボル表示、表現するための他の方法を見つけることをお勧めします。 次に、このマップを独自のデザインにする方法をいくつか紹介します。
- 横長のページ向けに、マップと他のエレメントを再配置します。
- 氷域面積の変化をデータ クロックでチャート化します。
- 9 月の氷域面積と 2 月の氷域面積を比較するマップを作成します。
- 青の配色を使用します。
ここに示した手順よりもさらに詳細な「こちらの例」のマップを検討してみてください。
このシリーズのすべてのチュートリアルは、「ArcGIS Pro での地図製作」にあります。 カートグラフィのその他のチュートリアルについては、カートグラフィの概要ページをご参照ください。