SafeGraph のソーシャル ディスタンシング データの探索
あらゆるものは時間の経過とともに変化します。 都市は成長し、税の評価は上がり、犯罪の傾向は増減します。 認識できる非永続性が存在し、それは調査し、理解することができます。
私たちの毎日の選択や行動も同様です。新型コロナウイルス (COVID-19) の大流行ほど、私たちの集団的な空間行動に変化を与えたものはありません。 人々の行動は、時間の経過とともに、国内各地でさまざまな方法、さまざまな速度で変化しています。 ArcGIS Pro には、これらの変化を理解するためのツールが用意されています。このチュートリアルでは、これらのツールのいくつかを使用し、このパンデミックがカリフォルニアの移動パターンに及ぼした影響を視覚化して把握します。
ソーシャル ディスタンシング データセットの調査
はじめに、データをダウンロードして調べます。
- Visualize SafeGraph にアクセスしてデータをダウンロードします。
プロジェクト ファイルのサイズは 1.1 GB であるため、ダウンロードに多少時間がかかります。
- ダウンロードの完了後、[VisualizeSafeGraphSocialDistancing.ppkx] プロジェクト パッケージをダブルクリックします。
データ量が多い (45 日分のカリフォルニア州のブロック グループ ポリゴン) ので、プロジェクトの読み込みには少し時間がかかる場合があります。 求められた場合、ArcGIS アカウントにサイン インします。
注意:
ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
プロジェクトには、2 つのマップと 1 つのローカル シーンが含まれています。 カリフォルニア州のマップがアクティブです。
このマップには、[SafeGraph Social Distancing] データが、[% devices with stay at home behavior] フィールドによってシンボル化され、表示されています。 明るい青のエリアは、ステイホームの行動パターンを示すサンプリング デバイス (つまり、自宅から半径 200 メートル以内にとどまっているデバイス) の割合が低いことを示します。
このデータには、2020 年 5 月 1 日~ 2020 年 6 月 14 日の日次スライスが含まれています。
続いて時系列チャートを作成し、この期間の傾向を可視化します。
データ クロック チャートの作成
時系列チャートは、この SafeGraph データのような、時間値を含むデータの傾向を明らかにする方法を提供します。 データ クロックは、大きな時間単位をリングに分割し、リングを小さな時間単位で扇形に分割して、時系列ビンのセットを作成する円形チャートです。 データ クロック チャートを使用して、曜日に基づくいくつかの変数における傾向を把握します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[SG Social Distancing polygon] レイヤーを右クリックして [チャートの作成] をクリックし、[データ クロック] をクリックします。
- [チャート プロパティ] ウィンドウの [データ] タブで、次の変数を設定します。
- [日付] で [Date] を選択します。
- [リング] で [週] を選択します。
- [扇型] で [曜日] を選択します。
- [集約] で、[平均] を選択します。
- [数値] で [% devices with stay at home behavior] を選択します。
- [NULL] で [色なし] を選択します。
このデータ クロックでは、各同心円 (リング) が週を表し、各円セグメント (扇型) が曜日を表します。 日付の範囲 (2020 年 5 月 1 日~ 2020 年 6 月 14 日) は、中心から始まり外側に向かって広がります。 各扇形の色は、変数の値を示します。 作成したデータ クロックは、すべてのブロック グループでステイホームの行動が確認されたデバイスの割合の平均値を表します。
このチャートは、ステイホームの行動が確認されたデバイスについて、日曜日は多くの人が家にいる傾向があるものの、その傾向が徐々に低下していることを示しています。
SafeGraph のデータには、他の行動パターンを示すデバイスの割合を表したフィールドも含まれています。 プロジェクトには、その他の行動パターンの同じ時間枠での傾向を示す 3 つのデータ クロックも含まれています。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Change in mean % devices with a delivery driver behavior by Days over Weeks] チャートをダブルクリックします。
このチャートは、配送ドライバーの行動を示すデバイスで、金曜日の行動が多いことを表しています。 金曜日は、テイクアウトや食料雑貨の配達注文が多かった可能性があります。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Change in mean % devices with full-time worker behavior by Days over Weeks] チャートをダブルクリックします。
このチャートは、フルタイム労働者の行動を示すデバイスで、月~金曜日が行動のピークであることを表しています。 割合の値は 3 ~ 5.5 パーセントで、比較的低くなっています。 戦没者追悼記念日 (2020 年 5 月 25 日) は、通勤の移動が顕著に減っています。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Change in mean % devices with part-time worker behavior by Days over Weeks] チャートをダブルクリックします。
このチャートでは、パートタイム労働者の行動を示すデバイスで、平日の値が高いものの、土曜日の値が徐々に高くなっていることが明らかです。 割合の値は 5 ~ 7.7 パーセントで、比較的低いですが、フルタイム労働者よりも高くなっています。
- 4 つのデータ クロック チャートを閉じます。
データ クロック チャートは、周期的または季節的なデータの可視化に適した方法です。 次に、ライン チャートを使用して、時間的傾向を別の方法で調べます。
ライン チャートの作成
ライン チャートは、データを可視化する方法としてよく使用されます。 今度は、ライン チャートで日付範囲全体の [% devices with stay at home behavior] 変数の変化を探ります。 このチャートは、2020 年 5 月 1 日~ 2020 年 6 月 14 日の変数の平均についての時間的傾向を示します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[SG Social Distancing polygon] レイヤーを右クリックして [チャートの作成] をクリックし、[ライン チャート] をクリックします。
- [チャート プロパティ] ウィンドウの [データ] タブで、次の変数を設定します。
- [日付または数値] で [Date] を選択します。
- [集約] で、[平均] を選択します。
- [数値フィールド] で [% devices with stay at home behavior] を選択して [適用] をクリックします。
- [時間ビニング オプション] セクションで、[間隔サイズ] ボタンをクリックして、[間隔サイズ] を [1] に、単位を [日] に設定します。
作成されたライン チャートから、日付範囲全体でも周期的な週次パターンでも [% devices with stay at home behavior] 変数が顕著に降下している傾向がわかります。
データ クロックで見たように、ステイホーム行動のこれらの周期的なピークは多くの場合、日曜日です。 このチャートから、人々のステイホーム行動は、曜日ごとのパターンに違いはあるものの、時間の経過とともに徐々に減っていることがわかります。
- ライン チャートを閉じ、[チャート プロパティ] ウィンドウを終了します。
タイム スライダーを使用した経時的な変化の視覚化
タイム スライダーは、時間コンポーネントにより設定されたシンボル表示データの定量的、視覚的評価に役立ちます。 タイム スライダーは、スライダーに設定された日付範囲を表示するようフィーチャをフィルター処理します。 これにより、経時的な傾向がわかります。
- リボン上の [マップ] タブにある [ナビゲーション] セクションで、[ブックマーク] ボタンをクリックします。 [California ブックマーク] セクションで [San Francisco] をクリックします。
マップがサンフランシスコにズームします。
- [コンテンツ] ウィンドウで [SG Social Distancing polygon] レイヤーをダブルクリックして、[レイヤー プロパティ] を開きます。
- [時間] タブをクリックし、[時間を使用したフィルター] で、[属性値に基づいてレイヤー コンテンツをフィルター] を選択します。
[レイヤーの時間] パラメーターはデフォルトで [各フィーチャに 1 つの時間フィールドがあります] に設定され、[時間フィールド] はデフォルトで [日付] に設定されます。 これらの値は正確です。
マップに、[時間] ボタンが表示されます。
- [OK] をクリックします。
- [時間] ボタンをクリックします。
- [タイム スライダー] の [再生] ボタンをクリックします。
マップで、各曜日のデータを示すアニメーションが再生されます。 アニメーションを一時停止するには [一時停止] ボタンをクリックします。両側の [次のステップへ進む] ボタンおよび [前のステップに戻る] ボタンをクリックすると、間隔内のステップを移動できます。
時間ステップ間隔を表示すると、このマップ上で経時的変化を確認できます。 これは、経時的な傾向の理解に役立つ、定量的、視覚的な評価方法です。 この方法は、一部の特定のデータセットでより有効です。 その他の変数のレイヤーをシンボル表示すると、それらの変数を視覚的に調べることができます。
ブロック グループで記録されたデバイス数が少なかったため、ある時間間隔の一部のポリゴンが不足しています。
このデータセットでは、経時的なパターンを視覚的に定量化することは難しいですが、動向はわかります。 (曜日などの) 間隔の時系列参照は、周期的なパターンのように見えるものを理解するために必要です。このチュートリアルの前半で扱ったデータ クロックおよび折れ線グラフは、このアニメーションに表示される内容を解釈するのに役立ちます。
- [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] ボタンをクリックして、プロジェクトを保存します。
注意:
現在の ArcGIS Pro のバージョンでこのプロジェクト ファイルを保存すると、これより前のバージョンでファイルを再び開けなくなることを警告するメッセージが表示される場合があります。 このメッセージが表示されたら、[はい] をクリックして続行します。
ここでは、SafeGraph のソーシャル ディスタンシング データの時間的傾向を評価するいくつかの方法を学びました。 データ クロックの視覚化は、周期的パターンの特定に役立ちました。 日曜日は家にいる人の割合が最も高い日であり、フルタイムの仕事のために移動する人の割合が最も高いのは月~金曜日であることがわかりました。 ライン グラフは、ステイホームを守っている人の割合が減少傾向にあることを示しました。 最後に、時間と空間によって変化する、ステイホーム行動を示すデバイスの割合を視覚化するのに、タイム スライダーが役立ちました。
このようなデータの考察は、データ理解の第一歩です。 データの考察は重要ですが、主観的でもあります。 次回は、[時空間キューブ (Space Time Cube)] および [時空間ホット スポット分析 (Emerging Hot Spot Analysis)] ジオプロセシング ツールを使用して、統計的に有意な経時的傾向を特定します。
ホット スポットの時間的および空間的傾向の特定
高度な統計情報解析と視覚化に対応した形式のデータを取得します。
ポイントの集約による時空間キューブの作成
時空間ホット スポットを解析し、データをボクセルとして視覚化するには、SafeGraph ソーシャル ディスタンシング データから時空間キューブを作成する必要があります。
- 必要に応じてプロジェクトを開きます。
- [Pattern Analysis] ビューをクリックして、マップをアクティブ化します。
このマップのポイント レイヤーは、先ほど使用したブロック グループ レイヤーから作成されており、属性はブロック グループの重心に紐づけられています。
- リボンの [解析] タブの [ジオプロセシング] グループで、[ツール] をクリックします。
[ジオプロセシング] ウィンドウが表示されます。
- [ジオプロセシング] ウィンドウで 「ポイントの集約による時空間キューブの作成」を検索し、クリックしてツールを開きます。
[時空間パターン マイニング] ツールボックスに [ポイントの集約による時空間キューブの作成] ツールがあります。
- [ポイントの集約による時空間キューブの作成] ツール ウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
- [入力フィーチャ] で [SG Social Distancing point] を選択します。
- [出力時空間キューブ] で、C:\SocialDistancing など、出力 NetCDF ファイルを保存するフォルダーを参照し、「SG_Social_Distancing」などの名前を付けます。
- [時間フィールド] で [date_range_start_Converted] を選択します。
- [時間ステップの間隔] で [1 日] を選択します。
- [距離間隔] で [5 マイル] を選択します。
- [集計フィールド] セクションで [複数追加] ボタンをクリックしてフィールドを追加します。
- 以下のチェックボックスをオンにし、[追加] をクリックします。
- mean_distance_traveled_from_home
- pctHome
- pctfulltime
- pctpttime
- pctdelivery
フィールドが [集計フィールド] セクションに追加されます。 セクションの警告インジケーターは、各フィールドに対して詳細情報を提供する必要があることを示します。
- 各フィールドについて、[統計情報] 値を [平均] に、そして [空のビンの補完] 値を [空間近傍] に更新します。
- [実行] をクリックします。
ツールが実行され、時空間キューブが作成されます。時空間キューブは、指定したフォルダーの NetCDF ファイルに格納されます。 このツールの出力はマップに追加されません。 NetCDF ファイルは、傾向を示すために使用される形式でサマリー データを整理し、時空間ホット スポット分析を実行し、視覚化を作成します。
次に、ツールの出力を使用し、時空間ホット スポット分析を実行します。
時空間ホット スポット分析の実行
[時空間ホット スポット分析] ツールを使用すると、先ほど作成した時空間キューブの値に見られる傾向を特定できます。 このツールは空間ビンのデータをカテゴリ化し、起こっていることを経時的に把握して、特徴付けできるようにするものです。 ツールを 2 回実行し、在宅中のデバイスの割合と、フルタイム勤務の挙動を示すデバイスの割合の時空間パターンを比較します。
- [ジオプロセシング] ウィンドウで [戻る] ボタンをクリックし、検索ボックスに「Emerging Hot Spot Analysis」と入力します。
- [時空間ホット スポット分析] をクリックしてツールを開きます。
- [時空間ホット スポット分析] ツール ウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
- [入力時空間キューブ] で前のステップの出力キューブ (「SG_Social_Distancing.nc」など) を選択します。
- [分析変数] で [PCTHOME_MEAN_SPATIAL_NEIGHBORS] を選択します。
- [出力フィーチャ] で「PctHome_EmergingHotSpotAnalysis」と入力します。
- [実行] をクリックします。
- [SG Social Distancing point] レイヤーをオフにし、時空間ホット スポット分析の結果を表示します。
- 南カリフォルニアのロサンゼルス地域を拡大します。
青色の四角形のセルは、新規のコールド スポット パターンを表します。 これらは、これまでは統計的に有意なコールド スポットになったことはないが、最後の時間ステップで統計的に有意なコールド スポットになった部分です。 最近、ロサンゼルスの統計的に有意なデバイス数におけるステイホームの割合は減っていたことがわかります。
- マップを画面移動し、北カリフォルニアのサンフランシスコ地域を見てみましょう。
ロサンゼルスとは対照的に、サンフランシスコ地域では減衰しているホット スポット パターンが圧倒的多数であることがわかります。 これらは、最後の時間ステップも含め、時間ステップ間隔の 90% で統計的に有意なホット スポットになったセルです。 さらに、各時間ステップにおけるクラスタリングの強度が全体的に減少し続けており、その減少が統計的有意性を持っています。
詳細については、「時空間ホット スポット分析の仕組み」をご参照ください。
一般的に、ロサンゼルスの住民はサンフランシスコの住民よりも自宅の外に出ていることが多いことを表しており、このパターンはデータの日付範囲の後半に出現しています。 サンフランシスコの住民は、ステイ ホーム行動を時間の経過とともに徐々に減らしているようです。
次に、ツールをもう一度実行して、Full Time Work 変数でパターンを分析します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [PctHome_EmergingHotSpotAnalysis] レイヤーをオフにします。
- リボンの [解析] タブにある [ジオプロセシング] グループで、[履歴] をクリックします。
[履歴] ウィンドウには、実行済みのツールがリストされています。
- [履歴] ウィンドウで [時空間ホット スポット分析] をダブルクリックします。
前回使用した設定でツールが開きます。 ツールに少し手を加えて、複数回実行する場合には便利です。 ここでは分析変数と出力名を変更します。
- [時空間ホット スポット分析] ツール ウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
- [分析変数] で [PCTFULLTIME_MEAN_SPATIAL_NEIGHBORS] を選択します。
- [出力フィーチャ] に「PctFulltime_EmergingHotSpotAnalysis」と入力します。
- ツールを実行します。
興味深いパターンが浮かび上がりました。
赤で示すエリアは永続的なホット スポットを表します。つまり、期間を通してフルタイム勤務の挙動を見せた、統計的に有意なホット スポットとなったエリアです。
その原因を探るのは困難ですが、Esri の Tapestry Segmentation システムによると、これらは The Great Outdoors タペストリ セグメントが多く存在するエリアです。 このタペストリ セグメントの特徴は、退職した世代が人口の大半を占めており、アウトドアの趣味を楽しんでいることです (これが出勤の行動として捉えられている可能性があります)。
サンフランシスコの北と、カーソン シティの北西のエリアを見ると、フルタイム勤務に出勤する傾向が比較的高いことがわかります。この傾向は、分析期間を通じて一貫しています。
一方で、ロサンゼルス地域では違うパターンが見られます。
ロサンゼルスの東のエリアでは、振動しているコールド スポットと、散発性のあるコールド スポットの両方が示されています。 ロサンゼルスの東の振動しているコールド スポットには、最後の時間ステップ間隔では統計的に有意なコールド スポットになったものの、前の間隔ではホット スポットであった部分があります。 そのエリアの東側の散発性のあるコールド スポットは、統計的に有意なホット スポットであった期間がなく、時間ステップ間隔の 90% 以下が統計的に有意なコールド スポットであった部分です。
ロサンゼルスの東側のエリアは、フルタイム勤務に出勤する住民の割合については、一貫した傾向が見られません。 振動しているコールド スポットとして分類されるエリアでは、最近になって、フルタイム勤務の出勤が減っています (しかし、ホット スポットになった時間ステップもあります)。 ロサンゼルスのさらに東のエリアは、散発性のあるコールド スポットとして分類されます。このエリアは、分析期間中はフルタイム勤務の出勤アクティビティのホット スポットになったことがない場所です。
フィーチャ データを、NetCDF データ形式で格納される時空間キューブに変換し、[時空間ホット スポット分析] ツールを使用して、2 つの行動変数の時間経過に伴う統計的に有意なパターンを抽出しました。 次のセクションでは、時空間キューブ データをボクセル レイヤーとして表示する方法を学びます。
ボクセル レイヤーとしてのソーシャル ディスタンシング データの視覚化
次に、3D シーン ビューでデータをボクセルとして視覚化します。
多次元ボクセル レイヤーとしてのデータの視覚化
先ほど学習したように、[ポイントの集約による時空間キューブの作成] ツールはフィーチャ データを NetCDF データ形式で格納される時空間キューブにビンし、集約します。 このデータは定間隔でグリッド化されており、多次元ボクセル レイヤーとして表示することができます。 ボクセル レイヤーでは NetCDF ファイル形式の構造を使用して、3D データを新しい方法で表示します。 このセクションでは、ボクセル レイヤーとして視覚化された時空間キューブを探索します。
- [SafeGraph Voxel Layer] ビューをクリックして、シーンをアクティブ化します。
- リボンの [マップ] タブをクリックします。 [レイヤー] グループで [データの追加] ドロップダウン メニューをクリックし、 [多次元ボクセル レイヤー] をクリックします。
- 前のセクションで NetCDF ファイルを保存したフォルダーを参照し、作成した [SG_Social_Distancing.nc] ファイルをクリックして [OK] をクリックします。
- [変数の選択] セクションで、リストの下部にスクロールし、[PCTHOME_MEAN_SPATIAL_NEIGHBORS] の [デフォルト変数] ボタンをクリックしてこれをデフォルト変数として設定し、[OK] をクリックします。
このリストでは、ボクセル レイヤーに含める変数を選択できます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[SG_Social_Distancing] レイヤーのカラー パッチをクリックします。
虹色の配色が表示されていますが、高い値のエリアと低い値のエリアを区別するのが困難です。
- [シンボル] ウィンドウの [配色] ドロップダウン リストをクリックします。 [名前の表示] オプションをオンにします。 下にスクロールして [赤青 (連続)] 配色をクリックします。
- [透過表示関数] チェックボックスをオンにします。
[透過表示関数] コントロール ウィンドウでは、透過表示は設定されません。 色のグラデーションにコントロール ポイントを追加すると、色の透過表示を指定できます。
- グラデーションの赤セクションの中央付近、下から半分あたりの部分をダブルクリックします。
ダブルクリックした位置にコントロール ポイントが追加されます。
[透過表示関数] コントロールの背景がグレーと白のチェック パターンに変わります。3 つのコントロール ポイントをつなぐ黒の線は、すべての色におけるグラデーションの透過性を示します。 線が上に近ければ、色はより不透明になります。 線が下の方にあるほど、色は透明に近くなります。
- グラデーションの青セクションの中央付近、下から半分あたりの部分をダブルクリックします。
これらのコントロール ポイントを追加することによって、赤と青の中間値の陰影が半透明になり、グラデーションの両端にある値が不透明になる効果があります。 つまり、シーン ビューで極値をはっきりと表示できるようになります。
- リボンの [マップ] タブにある [ナビゲーション] セクションで [ブックマーク] ボタンをクリックします。[SafeGraph Voxel Layer ブックマーク] セクションで [NorCal] をクリックします。
ビューが北カリフォルニアにズームします。
エリアの一部は、白くかすんでいます。 これは、配色の中間値が半透明だからです。
このボリューム視覚化では、古い時間ビンは下にあり、新しい時間ビンほど上にあります。 ステイホームの割合が高いエリアは青で表示され、値が高ければ不透明度が高く、濃い青になります。 ステイホームの割合が一番低いエリアは赤で表示され、値が低くなるほど不透明度が高く、濃い赤になります。 ステイホームの高い値と低い値の視覚化が容易になります。
各カラムのボクセルは、個々の位置の時間スライスに対応します。 下の方のボクセルは古いので、カラムを下から上に見ることで、その場所における行動の変化を見ることができます。 たとえば、カラムの下の方が濃い青で、徐々に薄い青からピンク、そして濃い赤へと変化している場合は、その場所ではステイホーム行動が少なくなる傾向があるといえます。 データ クロックとライン チャートでは、週の中でステイホーム行動が増減するサイクルがあり、全体的にはステイホーム行動が減る傾向があることが判明しています。
- マウスを使用して表示を画面移動、ズーム、回転します。
3D ナビゲーションの詳細については、ヘルプ トピックの「3D でのナビゲーション」をご参照ください。
- [シンボル] ウィンドウの [透過表示関数] コントロールで、追加した両方のコントロール ポイントをクリックして、一番下までドラッグします。
[透過表示関数] コントロール上部のデータ値ヒストグラムで、透過表示セクションを見ることができます。
- [NorCal] ブックマークに戻ります。
- [シンボル] ウィンドウの [透過表示関数] コントロールで、配色の赤い端のコントロール ポイントをクリックし、一番下までドラッグします。
これによって、ステイホーム行動が一番高いボクセルが強調されます。
- 中間値が半透明になるよう、コントロール ポイントを調整します。
高いステイホーム値が、赤でシンボル表示された低い値 (ほとんど透過表示) を背景に強調表示されます。
ここで、低ステイホーム値のエリアを強調表示するよう切り替えます。
- 青い値が完全に透明になり、赤い値が不透明になるよう、コントロール ポイントを調整します。
これで、ステイホーム行動が最も低いボクセルが強調表示されるようになります。
データをボクセル レイヤーとして視覚化し、色と透過表示のコントロールを使用して、データのさまざまな値を強調表示しました。 次に、ボクセル レイヤーのスライスを作成して、データの断面を確認します。
ボクセル レイヤーのスライスの作成
ボクセル レイヤーは、データをボリュームとして示す 3D ビューを表します。 エッジ周辺のボクセルでは、データの時間範囲全体を見ることができます。 しかし、ボリューム内側のデータ値は、その周辺にある値に隠れる傾向があります。 ボクセル レイヤーでスライスを作成し、その内側を確認することができます。
- [コンテンツ] ウィンドウの [SG_Social_Distancing] レイヤー セクションで、[スライス] を右クリックして [スライスの作成] をクリックします。
スライスを操作するための [スライスおよびセクション] ツールバーがシーン ビューの最下部に追加され、ポインターが十字線に変わります。
- ボクセル レイヤーの西端にある赤いセルをクリックし、ポインターを東方向に動かして、もう一度クリックします。
クリックした位置の間にスライスが現れます。
ボクセル レイヤーにスライスを作成すると、その中を見ることができます。
- [スライスおよびセクション] ツールバーで [プッシュまたはプル] ボタンをクリックし、スライスをクリックして、スライスの面に対して垂直にドラッグします。
ボクセル レイヤーにスライスをプッシュおよびプルすると、さまざまな場所のデータを対話的にみることができるとともに、スライスの位置を変更することもできます。
- [ボクセル探索] ウィンドウで、スライスに「SF West-East」という名前を付けます。
- [ボクセル探索] ウィンドウで [位置] スライダーをクリックしてドラッグし、スライスを移動します。
- スライスをもう 1 つ作成します。ただし、今回は、最初のスライス周辺をクリックし、ポインターを最初のスライスから北に離れた場所に移動し、もう一度クリックします。
これで、データが南北軸に沿ってスライスされました。
- [スライスおよびセクション] ツールバーで [反転] ボタンをクリックし、スライスの反対側のデータを表示します。
- [ボクセル探索] ウィンドウで、スライスに「SF North-South」という名前を付けます。
[ボクセル探索] ウィンドウは、[コンテンツ] ウィンドウで選択したスライスを制御します。
- [コンテンツ] ウィンドウの [SG_Social_Distancing] レイヤーの [スライス] セクションで、[SF West-East] スライスをオフにします。
これで、データの南北スライスのみが表示されます。
スライスを作成し、管理することで、ボクセル レイヤーの内部の値を探索する方法を学びました。
ボクセル レイヤーのさまざまな変数の表示
ボクセル レイヤーとは、多次元時空間キューブを視覚化する方法です。 ここまでは、ステイホーム行動の変数を探索してきましたが、元のデータには他の行動パターンの変数 (配送ドライバー、フルタイム勤務、パートタイム勤務など) も含まれていました。 ここで、他の変数に切り替えます。
- リボンの [ボクセル レイヤー] タブの [変数] セクションで、[変数] ドロップダウン矢印と [PCTDELIVERY_MEAN_SPATIAL_NEIGHBORS] をクリックします。
新しい変数は、新しい配色を使用してボクセル レイヤーに表示されます。
- レイヤーのシンボルを、[赤-青 (連続)] の配色に変更します。
- 極値をはっきりと表示し、中間値をより透明にするよう、透過表示を変更します。
- 画面移動とズームにより、データを探索します。
- ボクセル レイヤーのスライスを使用し、内側の値を表示します。
- プロジェクトを保存します。
また、他の変数の探索、別の角度からのスライス作成、データの水平スライスの作成も可能です。
SafeGraph が共有したソーシャル ディスタンシング データを探索するいくつかの方法を学習しました。これらの方法は、犯罪解析、人口統計解析、日付値を含む他のポイント データ セットなど、さまざまな領域やデータ タイプに応用できます。 データ クロックは周期的パターンのビューを表示し、ライン グラフは時間経過に伴う全体的な傾向を示します。 タイム スライダーにより、データを視覚的に解釈できます。 [時空間ホット スポット] ツールでは、統計的に有意な時空間の傾向を定量化し、その傾向に基づいてエリアを分類します。
経時的な傾向を 3D で視覚化すると、全体を空間的に把握するのに役立ち、時空間の傾向を直感的に把握できる方法として多くの人に活用されています。 新しいボクセル レイヤーを使用し、多次元時空間キューブの変数を視覚化しました。 また、透過表示を使用して、データの所定の値を強調表示し、ボクセル レイヤーのスライスを使用して、データ ボリュームの中心にある値を確認しました。
これらの方法は、SafeGraph のソーシャル ディスタンシング指標などの複雑なデータセットにおける時空間の傾向を探索し、理解するうえで役立ちます。 これらの方法を時空間データで応用することで、質的および量的分析における傾向について理解を深めることができるようになります。