解析用のデータの準備

最初に、環境公平性解析を実施する際に使用するデータを追加、調査、準備します。 このデータには、米国環境保護局 (EPA) から取得した有害物質排出情報と米国国勢調査局から取得した社会経済データおよび人口統計データが含まれます。

1986 年に、EPA は緊急事態計画および地域住民の知る権利法を立法化し、産業上の危険に関する情報が対象エリアの住民に提供されるようになりました。 このデータは、年次自己報告データベースである EPA の有害化学物質排出目録 (TRI) から入手できます。 自己報告は、施設の運営者に、毎年その施設が排出した有害化学物質の種類と量に関するデータを追跡して TRI に提供する責任があることを意味しています。

有害物質排出施設のマッピング

ワークフローを開始するに当たり、有害物質排出施設データをマップに追加し、報告された有害化学物質排出を業種別に調査するチャートを作成します。

  1. ArcGIS の組織アカウント」にサイン インします。
    注意:

    組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

  2. リボンの [マップ] をクリックします。

    リボンのマップ

    Map Viewer で新しいマップが開きます。

  3. [レイヤー] ウィンドウで、[追加] ボタンをクリックします。

    レイヤー ウィンドウの追加ボタン

    複数のソースからデータ レイヤーを取得できます。 ArcGIS Online からカナー郡の有害物質排出データを含むレイヤーを検索します。

  4. [レイヤーの追加] ウィンドウで、[マイ コンテンツ] をクリックして [ArcGIS Online] を選択します。

    レイヤーの追加ウィンドウの

  5. 検索バーに「KanawhaTRI owner:Esri_Tutorials」と入力して Enter キーを押します。
  6. [KanawhaTRI] レイヤーの [追加] ボタンをクリックします。

    KanawhaTRI レイヤーの追加ボタン

    [KanawhaTRI] レイヤーがマップに追加されます。

    デフォルトのベースマップには、多種多様な色とシンボルが含まれています。 解析したいデータに焦点が当たるように、ベースマップをより最小限のデザインに変更します。

  7. [レイヤーの追加] ウィンドウの上部にある戻る矢印をクリックします。

    レイヤーの追加ウィンドウの上部にある戻る矢印

  8. [コンテンツ] (暗い背景の) ツールバーにある [ベースマップ] をクリックします。 [キャンバス (ライト グレー)] を選択します。

    ベースマップ ウィンドウのキャンバス (ライト グレー)

    ベースマップが更新されます。

    ベースマップをより最小限の設計にしたので、報告された年に何ポンドの化学物質が排出されたかが通知されるように有害物質排出施設ポイントをスタイル設定します。

  9. [設定] (明るい背景の) ツールバーで、[シンボル] をクリックします。

    設定ツールバーのスタイル

  10. [スタイル] ウィンドウで [フィールド] をクリックします。

    [KanawhaTRI] レイヤー内のフィールドのリストが表示されます。 施設から排出された化学物質の総量を表示したいので、[SUM_ON_SITE_RELEASE_TOTAL] フィールドを選択します。

  11. [フィールドの追加] ウィンドウで [SUM_ON_SITE_RELEASE_TOTAL] を選択して [追加] ボタンをクリックします。

    フィールドの追加ウィンドウで選択されている SUM_ON_SITE_RELEASE_TOTAL フィールドと追加ボタン

    [KanawhaTRI] レイヤーのスタイルは更新されますが、いくつかのポイントが互いに重なり合っているため、すべての施設を確認することが難しくなっています。 円の透明度が高くなるように、スタイルを調整します。

  12. [数と量 (サイズ)][スタイル オプション] をクリックします。

    スタイル ウィンドウの数と量 (サイズ) スタイルのスタイル オプション

  13. [スタイル オプション] ウィンドウで [シンボル スタイル] をクリックします。
  14. [シンボル スタイル] ウィンドウの [塗りつぶし色] で、赤色を選択します。 [塗りつぶし色の透過表示] を「50」に設定します。

    シンボル スタイル ウィンドウで塗りつぶし色が赤色に設定され、塗りつぶし色の透過表示が 50% に設定された状態

  15. [アウトライン色] で、赤色を選択し、[アウトラインの透過表示] を「0」に設定します。
  16. [スタイル オプション] ウィンドウで [完了] を 2 回クリックします。

    施設ごとの化学物質の総排出量が表示されるように [KanawhaTRI] レイヤーがスタイル設定されます。

    KanawhaTRI レイヤーの更新されたスタイルを示すマップ

    続行する前に、マップを保存します。

  17. [コンテンツ] ツールバーで [保存して開く] をクリックして [名前を付けて保存] を選択します。

    コンテンツ ツールバーにある保存して開くの名前を付けて保存オプション

  18. [マップの保存] ウィンドウで、次のパラメーターを入力します。

    • [タイトル] に「Toxic release analysis」と入力して、自分の名前またはイニシャルを付加します。
    • [タグ] に「environment」、「equity」、「EPA」、「toxic release inventory」と入力し、各タグの後でカンマを入力するか、Tab キーを押します。
    • [概要] に「Map analyzing the potential toxic exposure to populations by race and income variables near EPA Toxic Release Inventory facilities in Kanawha County, West Virginia」と入力します。

    マップの保存ウィンドウ

    注意:

    ArcGIS 組織に同じ名前で 2 つのレイヤーを作成することはできません。 レイヤー名にユーザーのイニシャルを追加すると、組織の他のユーザーもこのチュートリアルを完了することができます。 レイヤーが作成されたら、マップ内で名前を変更してイニシャルを削除できます。基になるデータ レイヤーの名前には影響しません。

  19. [保存] をクリックします。

カナー郡の EPA TRI 施設から排出された有害物質の総量を示すレイヤーを追加してスタイル設定し、マップを保存しました。 次のセクションでは、先ほど追加したばかりのデータを詳しく調査します。

チャートの作成

次に、それぞれの業種で有害物質の排出を比較する方法を調査するチャートを作成します。

  1. [コンテンツ] ツールバーの [レイヤー] をクリックします。 [レイヤー] ウィンドウで、[KanawhaTRI] レイヤーが選択されていることを確認します。
  2. [設定] ツールバーで、[チャートの構成] をクリックします。

    設定ツールバーのチャートの構成

  3. [チャート] ウィンドウで [チャートの追加] をクリックし、[バー チャート] を選択します。

    チャート タイプの選択オプションのバー チャート

    [データ] ウィンドウが開いたら、バー チャートを構成します。構成したチャートが表示される場所に、そのチャートの空白のプレビューが表示されます。 業種別に報告された化学物質排出の量と種類を視覚化します。

  4. [データ] ウィンドウの [カテゴリ][業種] を選択します。 [集約] で、[合計] を選択します。
  5. [数値フィールド][数値フィールドの選択] をクリックします。

    [フィールドの選択] ウィンドウが表示されます。 [KanawhaTRI] レイヤー内のフィールドのリストが表示されます。 どのように施設から化学物質が排出されたかを詳しく確認します。 排出の種類ごとの合計を含むフィールドを選択します。

    一時的な排気は予想された大気への排出であり、設備からの漏れ、換気による排出、流出による蒸発など、意図しない排出が考えられます。 土地処理による排出には、作物を水で湿らせるフラッキング廃水など、農地や土壌への TRI 化学物質の排出があります。 埋め立てによる排出は、埋め立て地に放出された廃棄物を指します。 煙突からの排気は、煙突、ダクト、配管などに閉じ込められた気流による排出を指します。 地下排出には、注入井戸やその他の地下貯蔵方法による化学物質の排出があります。 排水には、水域への化学物質の排出があります。 これ以外にも、上記のカテゴリにまだ分類されていない排出の種類があります。

    注意:

    各種の化学物質排出の詳細については、一般的な TRI 用語をご参照ください。

  6. [フィールドの選択] ウィンドウが表示されたら、次のフィールドを選択して [完了] をクリックします。

    • SUM_FUGITIVE__AIR
    • SUM_LAND__TREATMENT
    • SUM_LANDFILLS
    • SUM_OTHER
    • SUM_STACK_AIR
    • SUM_UNDERGROUND
    • SUM_WATER

    バー チャートの数値フィールドを選択するためのフィールドの選択ウィンドウで選択されている化学物質排出の種類フィールド

    チャートが更新され、それぞれの排出の種類が業種ごとに別々のバーで表示されます。 チャートをもっとわかりやすくするために、排出の種類が重ねて表示されるようにチャートを調整します。これにより、化学物質の総排出量を業種別に視覚化できます。

  7. [系列] タブをクリックし、[複数の系列を表示][積み上げ] を選択します。

    系列 タブの複数の系列を表示の積み上げ表示スタイル

    バー チャートに、各種の化学物質排出が業種別に重ねて表示されます。

    [系列] タブで、チャートの凡例ラベルをカスタマイズして、読者がもっとわかりやすく理解できるようにします。

  8. [系列][SUM_FUGITIVE__AIR] をクリックします。 [系列のスタイル] ウィンドウで [ラベル] に「Fugitive Air」と入力します。

    系列のスタイル ウィンドウでラベルが Fugitive Air に設定された状態

  9. 残りのラベルを同様の形式で更新します。

    凡例ラベルがわかりやすくなります。

    更新された凡例ラベル

    最後に、チャートのタイトルと軸のタイトルを更新します。

  10. [一般] タブをクリックします。 [チャートのタイトル] に「Chemical release method by industry in 2021」と入力します。 [Y 軸のタイトル] に「Chemicals (lbs)」と入力します。

    一般タブで更新されたチャートのタイトルと Y 軸のタイトル

    カナー郡の施設からの化学物質排出の報告された量と種類を業種別に表示するチャートを作成しました。

    完成したチャート

    このチャートには、化学物質排出に最も関与した業種が化学産業であり、排出のほとんどが排水、煙突からの排気、一時的な排気によって発生していることが示されています。

  11. チャートを閉じます。

    チャートにもう一度アクセスするには、[コンテンツ] ツールバーで [チャート] をクリックします。構成したチャートのリストが [チャート] ウィンドウに表示されます。

    [チャート] ウィンドウ

    データをさらに追加する前に、マップを保存しておきます。

  12. [コンテンツ] ツールバーにある [保存して開く] をクリックし、[保存] をクリックしてマップを保存します。

EPA の有害化学物質排出目録にある施設からの有害化学物質の排出を視覚化し、チャートを作成して、化学産業が郡の主な汚染源であることを明らかにしました。 次のモジュールでは、考えられる汚染暴露リスクが特定の人口に及ぼす影響を確認し、そのリスクを郡の総人口と比較します。

人口統計データの追加

次に、人口統計変数を含む国勢調査地区レイヤーをマップに追加します。 郡内のコミュニティが化学物質の排出によって不均衡に大きな影響を受けているかどうかに関心があります。 公平性のイニシアティブの一環として、不平等をなくすために、より多くの資源と予防政策を導入する必要がある場所を特定したいと思っています。 これらのレイヤーから取得したデータを使用して、人種、民族、および貧困状態別に人口に対する TRI 施設からの有害物質排出への潜在的な曝露を計算します。

  1. [コンテンツ] ツールバーの [レイヤー] をクリックします。 [レイヤー] ウィンドウで、[追加] ボタンをクリックします。

    米国国勢調査局など、Esri が検証した組織から提供されたマップ、アプリ、データのグローバルなデータベースである ArcGIS Living Atlas of the World を検索します。

  2. [レイヤーの追加] ウィンドウで、[マイ コンテンツ] をクリックして [Living Atlas] を選択します。
  3. 検索バーに「acs race」と入力して Enter キーを押します。
  4. [ACS Race and Hispanic Origin Variables - Boundaries] アイテムの [追加] ボタンをクリックします。

    レイヤーの追加ウィンドウの検索結果のリストにある ACS Race and Hispanic Origin Variables - Boundaries アイテムの追加ボタン

    注意:

    ArcGIS Living Atlas のレイヤーは定期的に更新されます。 利用可能な最新のレイヤーを使用してください。

    [ACS Race and Hispanic Origin Variables - Boundaries] グループ レイヤーがマップに追加されます。 次に、貧困状態変数から ACS データを検索してマップに追加します。

  5. 検索バーで、既存のテキストを削除してから、「acs poverty」と入力して Enter キーを押します。 結果のリストにある [ACS Poverty Status Variables - Boundaries] アイテムの [追加] ボタンをクリックします。

    acs poverty の検索結果と、レイヤーの追加ウィンドウにある ACS Poverty Status Variables - Boundaries アイテムの追加ボタン

  6. [レイヤーの追加] ウィンドウで、戻るボタンをクリックします。

    2 つのグループ レイヤーがマップに追加されます。

  7. [レイヤー] ウィンドウで [ACS Poverty Status Variables - Boundaries] グループ レイヤーを展開します。

    ACS Poverty Status Variables - Boundaries グループ レイヤーが展開された状態

    このグループ レイヤーには、それぞれの区画レベルのデータが含まれています。 [State] レイヤーと [County] レイヤーもこのグループ レイヤーに含まれていますが、これらのレイヤーの名前はライト グレーで表示されています。つまり、これらのレイヤーは、マップの現在のズーム レベルまたは範囲では表示されません。 主な関心は区画レベルのデータにあります。 [Tract] レイヤーには、米国のすべての国勢調査地区の国勢調査データが含まれていますが、ここでは、カナー郡のみを対象とします。 フィルターを使用して、対象となる郡内の国勢調査地区だけが表示されるようにします。

  8. [ACS Poverty Status Variables - Boundaries] グループ レイヤーで [Tract] をクリックして選択します。

    レイヤー ウィンドウで選択された ACS Poverty Status Variables - Boundaries グループ レイヤー内の Tract レイヤー

    [レイヤー] ウィンドウでレイヤー名の横にある青色のラインは、そのレイヤーが選択されていることを示します。

  9. [設定] ツールバーの [フィルター] をクリックします。 [フィルター] ウィンドウで、[新しく追加] をクリックします。

    フィルター ウィンドウの新しく追加ボタン

    カナー郡内の区画だけを表示する式を作成します。

  10. 最初のフィールドのドロップダウン矢印をクリックします。

    属性フィールドのドロップダウン矢印

  11. [フィールドの置換] ウィンドウで [County] をクリックします。

    フィールドの置換ウィンドウで郡フィールドが選択された状態

  12. 3 番目のドロップダウン メニューをクリックして、カナー郡を検索します。 [Kanawha County] をクリックします。
  13. [フィルター] ウィンドウで [保存] をクリックします。

    これで、[ACS Poverty Status Variables - Boundaries] グループ レイヤー内の [Tract] レイヤーに、カナー郡内の区画だけが表示されます。

  14. これまでに学習した手順に従って、[ACS Race and Hispanic Origin Boundary] グループ レイヤー内の [Tract] レイヤーにフィルターを適用します。
    ヒント:

    [レイヤー] ウィンドウで [ACS Race and Hispanic Origin Boundary] グループ レイヤーを展開して [Tract] レイヤーを選択します。 [フィルター] ウィンドウで [式の追加] をクリックし、[County is Kanawha County] という式を作成して [保存] をクリックします。

    現時点で、各グループ レイヤーに 2 つの [Tract] レイヤーが存在します。 レイヤー名を編集して、人種データおよび民族データが含まれているレイヤーと、貧困状態データが含まれているレイヤーを区別できるようにします。

  15. [Poverty Status] グループ レイヤー内の [Tract] レイヤーで、[オプション] ボタンをクリックしてから [名前の変更] をクリックします。

    Tract レイヤーの名前の変更オプション

  16. Tract - Poverty」レイヤーの名前を変更します。
  17. [Race and Hispanic Origin] グループ レイヤー内の [Tract] レイヤーの名前を「Tract - Race」に変更します。

    これらのレイヤーの名前が変更されます。

    レイヤー ウィンドウで名前が変更された区画レベル レイヤー

  18. マップを保存します。

人口統計データをマップに追加しました。 次に、Map Viewer の解析ツールを使用して、解析用にデータを準備します。

分析ツールの使用

空間解析ツールでは、データ内のパターンと関係を定量化し、結果をマップ、テーブル、チャートとして表示できます。 空間解析ツールを使用することで、視覚的な解析だけではわからない疑問に答えたり、意思決定を下したりすることができます。

注意:

詳細については、「解析の実行 (Map Viewer)」をご参照ください。

[フィーチャの結合] ツールを使用して、[Tract - Poverty] レイヤーと [Tract - Race] レイヤーの属性が組み合わされたレイヤーを作成します。

  1. [設定] ツールバーの [解析] をクリックします。 [分析] ウィンドウで、[ツール] をクリックします。

    解析ウィンドウ内のツール

  2. [ツール] タブの検索バーに「join」と入力します。 結果のリストから [フィーチャの結合] ツールを選択します。

    分析ウィンドウのフィーチャの結合ツール

  3. [フィーチャの結合] ツールのウィンドウにある [入力フィーチャ][ターゲット レイヤー][レイヤー] をクリックして [Tract - Race] を選択します。 [結合レイヤー][レイヤー] をクリックして [Tract - Poverty] を選択します。

    フィーチャの結合ツールの入力フィーチャ パラメーター

  4. [結合の設定] で、次の設定を行います。
    • [属性リレーションシップの使用] をオンにします。
    • [ターゲット フィールド][Geographic Identifier (GEOID)] を選択します。
    • [フィールドの結合][Geographic Identifier (GEOID)] を選択します。

    フィーチャの結合ツールの結合の設定のパラメーター

  5. [出力名] に「KanawhaTracts_Demographics」と入力して、自分のイニシャルまたは名前を付加します。

    解析ツールの実行にはクレジットが必要です。 解析を実行する前に、ツールに必要なクレジット数を確認することができます。

  6. [実行] ボタンの上にある [クレジットの推定] をクリックします。

    このツールの実行には、0.114 クレジットが必要です。

    注意:

    クレジットの詳細については、クレジットの概要をご参照ください。

  7. [実行] をクリックします。

    このツールの実行中に、[履歴] タブをクリックして進行状況を確認できます。

  8. [解析] ウィンドウで [履歴] タブをクリックします。

    解析ウィンドウの履歴タブ

    このツールの実行が完了するまで、数分かかることがあります。 このツールの実行が完了すると、[KanawhaTracts_Demographics] レイヤーがマップに追加されます。

    次に、区画内の化学物質の総排出量を集計します。 [エリア内での集計] ツールを使用して計算を行い、このデータを [KanawhaTracts_Demographics] レイヤーと結合します。

  9. [フィーチャの結合] ツールの上部にある戻る矢印をクリックします。
  10. [ツール] ウィンドウで、[エリア内での集計] ツールを検索して選択します。

    ツール ウィンドウのエリア内での集計ツール

  11. [エリア内での集計] ツールのウィンドウにある集計対象フィーチャの [入力フィーチャ][KanawhaTRI] を選択します。 [集計エリア][集計ポリゴン レイヤー][KanawhaTracts Demographics] を選択します。

    入力フィーチャで KanawhaTRI が設定され、集計ポリゴン レイヤーで KanawhaTracts Demographics が設定された状態

  12. [統計情報の計算][フィールド統計情報] で、[フィールド] をクリックして [SUM_ON_SITE_RELEASE_TOTAL] を選択します。 [Sum] 統計が選択されていることを確認します。

    フィールド統計情報で SUM_ON_SITE_RELEASE_TOTAL フィールドが選択され、統計の種類が Sum に設定された状態

  13. [結果レイヤー][出力名] に「Kanawha Equity Analysis」と入力します。 [実行] をクリックします。
    注意:

    このツールの実行には 0.073 クレジットが必要です。

    [Kanawha Equity Analysis] レイヤーがマップに追加されます。

  14. [レイヤー] ウィンドウの [Kanawha Equity Analysis] レイヤーで [オプション] ボタンをクリックして [テーブルの表示] を選択します。

    Kanawha Equity Analysis レイヤーのオプション メニューのテーブルの表示

    現地の総排出量を含むフィールドが計算され、施設が所在している国勢調査地区に追加されました。 このレイヤーには、ACS 貧困状態、人種、および民族レイヤーから取得したフィールドがすでに含まれているため、解析に必要なデータをすべて用意できました。

    Kanawha Equity Analysis レイヤーのテーブル

  15. テーブルを閉じて、マップを保存します。

人口統計データ別にマップをスタイル設定

郡内の国勢調査地区別に黒人の人口の割合を表示するようにマップをスタイル設定します。 グループ レイヤーは必要がなくなったので削除します。

  1. [レイヤー] ウィンドウで、[ACS Poverty] グループ レイヤーの [オプション] ボタンをクリックしてから [削除] をクリックします。
  2. [ACS Race and Hispanic origin] グループ レイヤーを削除します。

    人種公平性解析の準備として、主要な人種および民族別に郡内の区画をスタイル設定します。

    注意:

    簡単にするために、このチュートリアルでは、カナー郡の主要な 2 つの人種グループの計算だけを取り上げます。 ただし、すべての人種および民族グループとアイデンティティの混交性を特定の区画に含めることが最善の方法です。 独自の人種および民族グループをさらに追加することをおすすめします。

  3. [レイヤー] ウィンドウの [KanawhaTRI] レイヤーで表示設定ボタンをクリックします。
  4. [レイヤー] ウィンドウで、[KanawhaTracts_Demographics] レイヤーが選択されていることを確認します。 [設定] ツールバーの [スタイル] をクリックします。
  5. [スタイル] ウィンドウの [フィールド] ボタンをクリックします。
  6. [フィールドの追加] ウィンドウの検索バーに「percent」と入力して Enter キーを押します。 [Percent of Population that is Black or African American Alone, Not Hispanic or Latino] フィールドをオンにして [追加] をクリックします。

    フィールドの追加ウィンドウの Percent of Black population フィールド

  7. [スタイルの選択][数と量 (色)][スタイル オプション] をクリックします。
  8. [スタイル オプション] ウィンドウで [シンボル スタイル] をクリックします。 [シンボル スタイル] ウィンドウで [色] をクリックします。

    シンボル スタイル ウィンドウの塗りつぶし色

  9. [ランプ] ウィンドウで [青 9] カラー ランプを選択して [完了] をクリックします。
    ヒント:

    カラー ランプの名前を表示するには、そのカラー ランプにポインターを合わせます。

    ランプ ウィンドウの青 9 カラー ランプ

  10. [スタイル オプション] ウィンドウで [完了] を 2 回クリックします。

    ウェスト バージニア州カナー郡の黒人の人口と白人の人口の主要カテゴリ スタイル マップ

  11. マップを保存します。

解析ツールを使用して、さまざまな人口で有害物質排出への暴露における環境公平性を視覚化して解析するのに必要なすべてのデータを含むレイヤーを準備しました。


有害物質負荷量リスクを人種と収入別に計算

有害物質負荷量とは、食物、大気、水、その他の外部要因によって生成された化学物質から人間の体内に取り込まれた毒素の量を指します。 米国疾病予防管理センターによると、TRI に示された場所の近くに居住していることは COPD などの呼吸器系疾患での入院受療率の上昇と、ある種の癌のリスクの増加に関連しています。

また、過去から現在まで続いている人種の住み分け、人種に関連した収入の不平等、その他の制度的かつ体系的な人種差別によって、有色人種のコミュニティは不均衡と言えるほど汚染場所の近くに位置しています。 多くの場合、これらのコミュニティには、望ましくない土地利用に反論したり、環境に関する意思決定に影響を与えたりする機会が限られています。 これは、有色人種のコミュニティが有害物質にさらされている状況で不平等を特定するために公平性に基づくアプローチが重要であることを強調しています。

さまざまな人口サブグループに対して有害物質負荷量リスクを計算するには、各グループの有害物質負荷量リスクの割合を算出し、その値を郡全体の有害物質負荷量リスクと比較します。 この比率が 1 に相当する場合、そのサブグループには郡の総人口と同じ度合いの有害物質負荷量リスクがあり、公平性が存在することを意味します。 一方、この比率が 1 より大きい場合、そのサブグループは郡の残りの人口よりも有害物質負荷量リスクが高いことを意味します。

Arcade を使用して有害物質負荷量リスクを計算

有害物質負荷量リスクを計算するには、各区画の人口にその区画の化学物質排出量を乗算します。 この計算結果を総人口で除算すると、その区画の有害物質負荷量リスクが求められます。 収入と人種に基づく各区画の部分母集団に対してこの処理を繰り返し実行しますが、最初に、レイヤーの属性テーブルを表示して郡の総人口を確認します。

  1. [レイヤー] ウィンドウの [Kanawha Equity Analysis] レイヤーで [オプション] ボタンをクリックしてから [テーブルの表示] をクリックします。
  2. このテーブルを [Total Population] フィールドまでスクロールします。
    ヒント:

    フィールドの名前全体を表示するには、そのフィールドの名前にポインターを合わせます。

    Kanawha Equity Analysis のテーブルのフィールド名

  3. [Total Population] フィールドで [オプション] ボタンをクリックしてから [情報] をクリックします。

    総人口フィールドのオプション メニューの情報

    このフィールドの情報ウィンドウが表示されます。

  4. [統計] セクションにある [値の合計] 統計を記録しておきます。

    Total Population フィールドの値の合計

  5. これまでに学習した手順に従って、次のフィールドで値の合計を求めます。
    • White alone, not Hispanic or Latino Population (白人のみ、ヒスパニック系またはラテン系人種を除く)
    • Black or African American, not Hispanic or Latino Population (黒人/アフリカ系アメリカ人のみ、ヒスパニック系またはラテン系人種を除く)
    • Population whose income in the past 12 months is below federal poverty level (過去 12 か月の収入が連邦貧困レベルを下回っている人口)

    これらのフィールドの値の合計を次に示します。

    フィールド名値の合計

    Total Population

    179,895

    White alone, not Hispanic or Latino Population (白人のみ、ヒスパニック系またはラテン系人種を除く)

    156,088

    Black or African American, not Hispanic or Latino Population (黒人/アフリカ系アメリカ人のみ、ヒスパニック系またはラテン系人種を除く)

    11,860

    Population whose income in the past 12 months is below federal poverty level (過去 12 か月の収入が連邦貧困レベルを下回っている人口)

    29,058

    人口グループごとに値の合計を取得したので、ArcGIS Arcade を使用して、有害物質負荷量リスクの割合を計算します。

  6. [スタイル] ウィンドウの [属性の選択] で、現在のフィールドを削除します。

    スタイル ウィンドウの属性の選択の属性の削除

  7. [式] ボタンをクリックします。

    スタイル ウィンドウの属性の選択にある式ボタン

    式ウィンドウが表示されます。 Arcade を使用して、解析レイヤーをスタイル設定するカスタム属性式を作成します。

    Arcade は、ArcGIS アプリケーションでのカスタム コンテンツの作成に使用される移植可能で軽量かつ安全な式言語です。

    化学物質が排出されている区画ごとに、郡の総人口に対する有害物質負荷量リスクを計算するには、人口に化学物質排出量を乗算し、その計算結果を総人口で除算します。 この計算結果として、区画の総人口のうち、化学物質にさらされている人口の割合が求められます。

    郡の総人口に対する有害化学物質負荷量リスクの割合を計算する方法を示す図

  8. 式ウィンドウで、既存のテキストを削除し、「var TotalTB =」と入力します。

    このコードでは、該当する区画の総人口に対する有害物質負荷量リスクを表す TotalTB 変数を定義します。

  9. [プロファイル変数] タブをクリックしてから [$feature] の矢印をクリックします。

    式ウィンドウのプロファイル変数タブにある $feature の矢印

  10. 検索バーに「release」と入力します。 [値][Sum SUM_ON_SITE_RELEASE_TOTAL] 変数をクリックします。

    化学物質の総排出量の変数が式に追加されます。

    式ウィンドウで定義された TotalTB 変数

  11. 乗算記号 (*) を入力し、[プロファイル変数] ウィンドウで [Total Population] を検索して選択します。

    条件式は次のようになります。

    var TotalTB = $feature.sum_SUM_ON_SITE_RELEASE_TOTAL * $feature.B03002_001E

  12. 乗算式の前後に括弧を追加し、行の末尾に「/179895」と入力します。

    179,895 という値は、値の合計の表で記録した総人口を示します。

    完成した式は次のようになります。

    var TotalTB = ($feature.sum_SUM_ON_SITE_RELEASE_TOTAL * $feature.B03002_001E) / 179895

    TotalTB 変数が定義されています。 次に、黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクの割合を定義します。

    黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクの割合を計算する方法を示す図

  13. これまでに学習した手順に従って、式を作成するか、次の内容をコピーして式の新しい行に貼り付けます。

    var BlackTB = ($feature.sum_SUM_ON_SITE_RELEASE_TOTAL * $feature.B03002_004E) / 11860

    最後に、黒人の人口と総人口の有害物質負荷量リスクを比較するために、比率を計算します。 黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクの割合を総人口に対する有害物質負荷量リスクの割合で除算します。 この比率が 0 の場合は、完全な公平性が存在し、黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクの度合いが総人口と同じであることを意味します。 この比率が 1 より大きい場合は、黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクが総人口に対する有害物質負荷量リスクよりも高いことを意味します。 この比率が 1 より小さい場合は、黒人の人口に対する負荷量が少ないことを意味します。

    黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクの割合と総人口に対する有害物質負荷量リスクの割合の比率を計算する方法を示す図

  14. 式の末尾で、BlackTB/TotalTB という式をコピーして貼り付けます。

    黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクの割合と総人口に対する有害物質負荷量リスクの割合の比率を計算する Arcade コードを完成させます。

  15. 式ウィンドウの上部にある [新しい式] をクリックして「Black toxic burden」と入力します。

    また、式のタイトルにテキストを追加して、説明文が凡例に表示されるようにします。

  16. risk」という語句の後にセミコロンを入力し、その後に「>1 = Risk for Black population > county population」と入力するか、このテキストをコピーして貼り付けて Tab キーを押します。

    結果を説明するコンテキストを提供するために更新された式のタイトル

  17. [完了] をクリックします。

    マップが更新され、施設のある区画ごとに比率の値が表示されます。

有害物質負荷量リスクのスタイル設定

比率の値が 1 より大きい区画が表示されるようにレイヤーをスタイル設定します。これは、黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクが総人口に対する有害物質負荷量リスクよりも高いことを意味します。

  1. [スタイル] ウィンドウの [スタイルの選択][色とサイズ] をクリックします。 [色とサイズ] で、[テーマ][上下] に設定して [スタイル オプション] をクリックします。

    色とサイズ スタイルで上下に設定されたテーマとスタイル オプション ボタン

  2. [スタイル オプション] ウィンドウで、次の設定を行います。
    • [シンボル ペア][矢印付き円] を選択します。
    • [カラー ランプの反転] ボタンをクリックして、赤色が大きい値を表すようにします。
    • ヒストグラムの中央にあるハンドルを [1.0] に設定します。
    • [サイズ範囲] で、範囲の下限を [15] に設定し、範囲の上限を [45] に設定します。

    スタイル オプション ウィンドウで設定されたパラメーター

    ヒストグラムの中央にあるハンドルを 1 に設定すると、黒人のコミュニティに対する負荷量が大きいことを示す赤色の円をすべて視覚化できます。 円が大きくなるほど、黒人のコミュニティに対する負荷量も大きくなります。 [サイズ範囲] パラメーターを調整すると、最も小さい円がもっと見やすくなります。

  3. [完了] を 2 回クリックします。

    総人口を基準にした黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクの比率を示すマップ

    黒人の人口に基づいて化学物質の排出率が非常に高い (リスクが 6 倍高い) 1 つの国勢調査地区がマップに表示されます。 この区画は、黒人の人口の割合が高く、化学物質の排出量が最も多い区画です。

  4. [スタイル オプション] ウィンドウで [完了] を 2 回クリックします。
  5. マップを保存します。

有害物質負荷量リスクの計算を続行

カナー郡の黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクを計算したので、白人の人口と過去 12 か月に貧困状態にあった人口でも同じ計算を行います。

  1. [レイヤー] ウィンドウで [Kanawha Equity Analysis] レイヤーの名前を「Toxic burden risk Black population」に変更します。
  2. [Toxic burden risk Black population] レイヤーで [オプション] ボタンをクリックして [複製] を選択します。
  3. コピーしたレイヤーの名前を「Toxic burden risk White population」に変更します。

    [Toxic burden risk White population] レイヤーのスタイルを編集し、現時点で [Toxic burden risk Black population] レイヤーの表示設定をオフにします。

  4. [Toxic burden risk Black population] レイヤーの表示設定をオフにします。

    レイヤー ウィンドウで Toxic burden risk Black population レイヤーがオフになっている状態

  5. [Toxic burden risk White population] レイヤーが選択されていることを確認して、[設定] ツールバーの [スタイル] をクリックします。
  6. [スタイル] ウィンドウで [Black toxic burden risk] 式をクリックします。

    Black toxic burden risk 属性式をクリックして Arcade コードを編集します。

  7. [BlackTB] 変数行の後に新しい行を追加して、白人の人口に対する有害物質負荷量リスクを計算する変数を作成します。

    var WhiteTB = ($feature.sum_SUM_ON_SITE_RELEASE_TOTAL * $feature.B03002_003E) / 156088

    Arcade 式ウィンドウで定義された WhiteTB 変数

  8. BlackTB / TotalTB 行で、BlackTBWhiteTB に置換して、最後の行で WhiteTB / TotalTB が読み取られるようにします。
  9. 式のタイトルを「White toxic burden risk; >1 = Risk for White population > county population」に変更します。

    White toxic burden risk に変更された式のタイトル

  10. [完了] をクリックします。

    レイヤーのスタイルが更新され、総人口に対する有害物質負荷量リスクを基準にした白人の人口に対する有害物質負荷量リスクになります。 黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクを示すレイヤーと同じスタイルでレイヤーをスタイル設定します。

  11. [スタイル] ウィンドウの [色とサイズ] スタイルで [スタイル オプション] をクリックし、[Toxic burden risk Black population] レイヤーをスタイル設定した方法と同じ方法でレイヤーをスタイル設定します。
    • [カラー ランプの反転] ボタンをクリックして、赤色が大きい値を表すようにします。
    • ヒストグラムの中央にあるハンドルを [1.0] に設定します。
    • [サイズ範囲] で、範囲の下限を [15] に設定し、範囲の上限を [45] に設定します。

    総人口を基準にした白人の人口に対する有害物質負荷量リスクの比率を示すマップ

    白人の人口に対する有害物質排出負荷量リスクが総人口に対する有害物質負荷量リスクよりも少し高い国勢調査地区がいくつか存在することがマップに表示されます。 一方で、凡例を見ると、すでに計算した黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクと比べて、その値は比較的小さい (リスクが 9% 高い) ことがわかります。

  12. これまでに学習した手順に従って、レイヤーを作成し、過去 12 か月の収入が貧困レベルを下回っている人口に対する有害物質負荷量リスクが表示されるようにスタイル設定します。

    総人口を基準にした貧困状態の人口に対する有害物質負荷量リスクを示すマップ

    このマップには、有害物質排出施設のある最西端の区画が、過去 1 年間に貧困状態にあった人々に過度に影響を与えていることが示されています。

  13. マップを保存します。

有害物質負荷量リスクの人種的格差を計算

比率を計算してサブグループを総人口と比較するだけでなく、各サブグループの有害物質負荷量リスクを相互に比較することもできます。 このチュートリアルでは、白人の人口を基準にして黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクの比率を計算します。

  1. [レイヤー] ウィンドウで [Toxic burden risk White population] レイヤーを複製します。
  2. コピーしたレイヤーの名前を「Toxic burden risk disparity」に変更します。
  3. [スタイル] ウィンドウで [White toxic burden risk] 式をクリックします。

    式の設定ウィンドウが表示されます。 現時点では、白人の有害物質負荷量リスクを総人口に対する有害物質負荷量リスクで除算して、白人の人口に対する有害物質負荷量リスクが算出されます。 有害物質負荷量リスクに人種的格差が存在するかどうかを確認するには、黒人の有害物質負荷量リスクを白人の有害物質負荷量リスクで除算します。

    この比率の結果が 1 に相当する場合は、同じ度合いの有害物質負荷量リスクが存在することを意味します。 この値が 1 より大きい場合は、黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクが白人の人口に対する有害物質負荷量リスクよりも高いことを意味します。

  4. 式の設定ウィンドウで、WhiteTB/TotalTB 行を BlackTB / WhiteTB に置き換えます。
  5. 式のタイトルを「Black to White toxic burden risk ratio; Population in poverty toxic burden risk; >1 = Risk for Black population > White population」に変更して Tab キーを押します。
  6. [完了] をクリックします。
  7. [レイヤー] ウィンドウで、[Toxic burden risk disparity] レイヤーの表示設定をオンにして、[Toxic burden risk population in poverty] レイヤーの表示設定をオフにします
  8. [Toxic burden risk Black population] レイヤーをスタイル設定した方法と同じ方法で、[Toxic burden risk disparity] レイヤーをスタイル設定します。
    • [シンボル ペア][矢印付き円] を選択します。
    • [カラー ランプの反転] ボタンをクリックして、赤色が大きい値を表すようにします。
    • ヒストグラムの中央にあるハンドルを [1.0] に設定します。
    • [サイズ範囲] で、範囲の下限を [10] に設定し、範囲の上限を [45] に設定します。

    黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクが白人の人口に対する有害物質負荷量リスクよりも高い場所がマップに表示されます。 最も格差が大きい区画では、黒人の人口に対する有害物質負荷量リスクが白人の人口に対する有害物質負荷量リスクよりも 10 倍高くなっています。

    黒人の人口と白人の人口の間に存在する有害物質負荷量リスクの格差を示すマップ

  9. マップを保存します。

政策マップのスタイル設定と共有

有害化学物質排出目録の化学物質データの解析を実行し、カナー郡のいくつかの部分母集団で有害物質負荷量リスクの比率を計算して比較しました。 ここでは、解析で明らかになった環境的不平等に対応できる政策を提唱するために、コミュニティのメンバー、選出議員、意思決定者などの関係者と共有できるようにマップをスタイル設定して準備します。

コミュニティや意思決定者が簡単に理解し、居住地や権力を持つ立場に基づいて施設のある場所を確認できる境界線を追加することができます。 政治的境界をマップに追加します。

  1. [レイヤー] ウィンドウで、[追加] ボタンをクリックします。
  2. [マイ コンテンツ] をクリックして [ArcGIS Online] を選択します。 検索バーに「Kanawha districts owner: Esri_Tutorials」と入力します。

    レイヤーの追加ウィンドウで Esri_Tutorials が所有する KanawhaCounty_Districts レイヤーを追加

  3. [KanawhaCounty_Districts] レイヤーをマップに追加します。
  4. [レイヤーの追加] ウィンドウで、戻るボタンをクリックします。 [レイヤー] ウィンドウで [Toxic burden risk disparity] レイヤーをオンにします。

    黒人の人口と白人の人口の間に存在する有害物質負荷量リスクの格差、区画別の白人の人口を基準にした黒人の人口の居住地の比率、郡の選挙区境界線がマップに表示されます。

    人種別の有害物質負荷量リスクの格差と郡の選挙区境界線を示す最終的な政策マップ

    このマップはすでに関係者と共有できる状態になっています。

    白人の人口に対して黒人の人口の割合が高い場所を表示するようにマップがスタイル設定されます。 [Toxic burden risk disparity] レイヤーには、ある特定の区画で白人コミュニティよりも黒人コミュニティに対する有害物質負荷量リスクがはるかに高く、その区画が 3 区に位置していることが示されています。この理由として、この区画内にある施設から大量の化学物質が排出されており、この区画内に居住している黒人の人口の割合が高いことが考えられます。

  5. マップを保存します。
  6. [コンテンツ] ツールバーの [マップの共有] をクリックします。
  7. [共有] ウィンドウで、[すべての人に公開 (パブリック)] を選択して、[保存] をクリックします。

    共有設定が異なる項目を確認するよう、メッセージが表示されます。 マップのすべてのレイヤーがすべてのユーザーに表示されるように、設定を更新します。

  8. [共有の確認] をクリックして、[共有の更新] をクリックします。

    Web マップの全レイヤーが、マップを閲覧するユーザー全員に表示されるようになります。

このチュートリアルでは、ウェスト バージニア州カナー郡の TRI データを探索しました。 施設からの化学物質の総排出量を基準にデータを視覚化し、郡内にある施設の中で最も顕著であった業種と化学物質排出の種類を特定しました。 Arcade を使用して、それぞれの人口グループの有害物質負荷量リスクの割合を計算し、有害物質負荷量リスクの人種的格差を算出しました。 政治的境界を追加して、対象ユーザーにわかりやすい方法でマップをスタイル設定しました。

このマップを使用すると、コミュニティ連合を構築し、環境正義政策への市民の参加を強化することができます。 マップのデータ主導の解析と影響を受けるエリア内のコミュニティの経験およびストーリーを組み合わせると、意思決定者は、影響を受けるコミュニティで環境正義の保護政策を取るために説得力のある議論を行うことができます。 これには、緩和策と予防策を強化するように施設に求める政策や、影響を受ける住民が医療または移転のリソースを利用するための基金に寄付する政策などがあります。

EPA TRI には、米国全土のデータが収容されています。 このワークフローをお住いの市または郡で再現することを検討してください。 空間解析を実施し、有害物質にさらされている状況で考えられる格差をマッピングすることは、積極的行動や社会政策を促進する有効な手段になります。

ウェスト バージニア州での環境正義活動に関する次の例をご参照ください。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。