マップの生物多様性と保護地域
マップへのデータの追加
ArcGIS Living Atlas of the World から、生物多様性、保護、対象の国の国境に関連する、公開されているレイヤーを追加します。 保護地域は、地球の生物多様性を保護し、その保護に向けた進捗状況を測るためのガイドとなるよう設計されています。 WDPA (World Database on Protected Areas) は政府、非政府組織、地主、コミュニティにより更新され、地上および海洋の保護地域に関する最も包括的な世界的データベースです。
- ArcGIS の組織アカウントまたは ArcGIS Enterprise 指定ユーザー アカウントを使用してサイン インします。
注意:
組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
- リボンで自分のユーザー名をクリックし、[設定] を選択します。
- [一般] ページで、[単位] が表示されるまで下にスクロールします。 必要に応じて、[メートル法] を選択します。
単位を [メートル法] に設定すると、以降のセクションで、確実に正しく計算されます。
- リボンの [マップ] タブをクリックします。
注意:
組織とユーザーの設定によっては、Map Viewer Classic が開いている場合があります。ArcGIS Online には、マップの表示、使用、作成のための 2 つの Map Viewer があります。 利用可能で使用する Map Viewer の詳細については、こちらの「FAQ」をご参照ください。
このチュートリアルでは Map Viewer を使用します。
- 必要に応じて、[コンテンツ] (暗い背景の) ツールバーの [レイヤー] をクリックします。 [レイヤー] ウィンドウの [追加] をクリックします。
[検索] ページが表示されます。 ArcGIS Online からデータを追加します。このデータは、異なる大陸や分類単位について同じ質問に回答するため再利用できます。 アイテムの説明で、そのデータセットの作成者を確認できます。
- [マイ コンテンツ] をクリックし、[ArcGIS Online] を選択します。 検索ボックスに「Africa Countries」と入力して Enter キーを押します。
- 結果のリストで [Africa Countries] レイヤーを探し、[追加] をクリックします。
レイヤーがマップに追加されます。 マップ上でレイヤーの範囲 (アフリカ大陸) が拡大表示されます。 このレイヤーは [World Countries Generalized] レイヤーの一部です。 generalized レイヤーは、元のレイヤーよりも頂点が少なくなります。 頂点が少ないレイヤーはマップで高速に描画されるため、視覚化に最も適しています。
このレイヤーにはすべての国々の国境が表示され、クリックすると詳しい情報が表示されます。 各ポップアップは、その国の国名、人口、国旗、および詳細情報へのリンクを表示するよう構成されています。 これらの情報はすべて、レイヤーの属性テーブルから抽出されます。
- [レイヤーの追加] ウィンドウで、[Global terrestrial species richness and rarity patterns (0.25)] レイヤーを検索して追加します。
レイヤーがマップに追加されます。 全世界規模の地域が関係する計算を実行するには、全世界で一貫したグリッドが必要です。 このグリッドは、経度 1 度分の幅で、長さはすべてのセルの面積が約 776 km2 になるよう可変で作成されます。 このデータは視覚化のため Web メルカトル座標系で再投影されているため、引き延ばされて見えます。 レイヤーには希少な鳥類が表示されます。 希少度と豊富さは、生物多様性の一般的な基準です。
種の豊富さは、各グリッド セルにおける異なる種の数の測定値です。 鳥類の世界的な豊富さを計算するため、Map of Life アナリストは全世界の種の範囲マップを使用し、各セルで重複している数をカウントします。
種 1、種 2、種 3、および種 4
種の範囲に基づいた豊富さの計算
種の希少度は、グリッドの各セル内でその種が平均してどの程度地理的に分散しているかを反映しています。 種の希少度を計算するため、アナリストは最初のそれぞれの種の固有性の値を計算します。この値は、その種が存在する単一のグリッド セルで表される種の範囲の個体数を表します。 この計算は、その種が存在するセルの数を範囲全体の面積として簡略化できます。
固有性 = セル エリア / 範囲エリア
図 1: 種 1: 1 / 1 = 1、図 2: 種 2: 1 / 2 = 0.5
図 3: 種 3: 1/3=0.33、図 4: 種 4: 1/4=0.25
その後で、鳥類のすべての種について、グリッドの各セルにおける固有性の値を合計し、合計固有性を計算します。
合計固有性 = (セル エリア / 範囲エリア 1) + (セル エリア / 範囲エリア 2) + (セル エリア / 範囲エリア 3) + (セル エリア / 範囲エリア 4)
セルでの合計固有性の計算
グリッドの各セルの希少度を調べるにため、合計固有性を豊富さで除算します。
セルあたりの種の希少度 = 合計固有性 / 合計固有性の豊富さ
セルでの種の希少度の計算
このチュートリアルでは、この方法を使用して保護地域内での鳥類の種の希少度を計算します。 このために、次に保護地域のレイヤーを追加するので、ArcGIS Online のすべてに対して検索を変更します。
- 検索ウィンドウで、[WDPA_Africa] レイヤーを検索して追加します。 必要に応じて、owner:Learn_ArcGIS という検索用語を追加します。
- 戻る矢印をクリックして、[レイヤー] ウィンドウに戻ります。
- [Africa Countries] レイヤーと [Global terrestrial species richness and rarity patterns (0.25)] レイヤーで、[表示設定] ボタンをクリックして、レイヤーを非表示にします。
- [WDPA Africa] レイヤーの [オプション] をクリックします。 [ズーム] を選択します。
このレイヤーには、World Database of Protected Areas から、このチュートリアルのために抽出された小さなサブセットが表示されています。 保護地域は、地球の生物多様性を保護し、その保護に向けた進捗状況を人間が測れるよう設計されています。 WDPA (World Database on Protected Areas) は政府、非政府組織、地主、コミュニティにより更新され、地上および海洋の保護地域に関する最も包括的な世界的データベースです。
ここで使用するサブセットはアフリカ大陸のもので、2020 年 3 月に抽出されました。 完全な WDPA レイヤーは非常に大きいため、サブセットを使用すると分析を短時間で実行できます。 データセットを完成して更新するには、ArcGIS Living Atlas で WDPA レイヤーを使用します。
各国の保護地域面積の計算
これで、野鳥の希少度が高い地域における保護活動を説明するための、すべての関連レイヤーが追加されました。 次に、最も希少度の高い野鳥の地域と、調査地域の範囲に情報をフィルタリングし、各国の地域の面積を計算します。
各国の地域の面積は、各国での保護活動について説明するための以下の計算すべての基礎となります。 まず、国ごとに単一のレコードが存在することを確認します。 一部の国には島々や、連続していない地域 (米国の本土とアラスカなど) があるため、これらは別々にリストされています。 ここでは一般化されたレイヤーを使用しているため、計算は正確なものではないことに注意してください。
- [設定] (明るい背景の) ツールバーで [解析] をクリックします。
[解析] ウィンドウが表示されます。
- [解析] ウィンドウで [ツール] をクリックします。
- [データの管理] を展開し、[境界のディゾルブ] を選択します。
- [入力フィーチャ] で、[+ レイヤー] をクリックし、[Africa Countries] を選択します。
- [ディゾルブ設定] で、[フィールドの値が一致するフィーチャをディゾルブ] を有効化します。 [照合するフィールド] で、[+ フィールド] をクリックし、[NAME] を選択して [完了] をクリックします。 [マルチパート フィーチャの作成] オプションが有効になっていることを確認します。
このデータセットでは、複数の関連するポリゴンを持つ国々はすべて、親の国名の下に表示されます。 マルチパート フィーチャを許可すると、単一のレコード内で、必要に応じて別の複数のポリゴンを使用できます。
- [結果レイヤー] の [出力名] に、「Dissolve Africa Countries」に続けて自分の名前またはイニシャルを入力します (例: Dissolve Africa Countries (自分の名前))。
注意:
ArcGIS 組織に同じ名前で 2 つのレイヤーを作成することはできません。 レイヤー名にユーザーのイニシャルを追加すると、組織の他のユーザーもこのチュートリアルを完了することができます。 レイヤーが作成されたら、マップ内で名前を変更してイニシャルを削除できます。基になるデータ レイヤーの名前には影響しません。
- [環境設定] で、[処理範囲] が [全範囲] に設定されていることを確認して [実行] をクリックします。
ツールの実行が完了するまで、数分の時間がかかります。 ディゾルブされたレイヤーがマップに追加されます。
- [レイヤー] ウィンドウの [Dissolve Africa Countries - DissolvedFeatures] レイヤーで、[オプション] ボタンをクリックして [名前の変更] をクリックします。
- レイヤーの名前を [Dissolve Africa Countries] に変更して、[OK] をクリックします。
- [オプション] ボタンをもう一度クリックして、[テーブルの表示] をクリックします。
テーブルが開きます。 ここにはレイヤーの属性 (マップ上のデータに関する追加情報) が含まれます。 各行は単一の国に対応し、各列のフィールドには国名や、平方キロメートル単位の面積の情報が含まれます。 以後の作業では、この国データのレイヤーを使用するので、Africa Countries レイヤーは削除します。
注意:
レイヤーの面積単位が平方マイルの場合、最初のセクションで単位を変更していなかった可能性があります。 最初のセクションの手順 2 ~ 3 を実行し、[ディゾルブ] ツールを再実行します。
- [レイヤー] ウィンドウの [Africa Countries] レイヤーで、[オプション] ボタンをクリックして [削除] を選択します。
次に、各国のうちどれだけの面積が保護されているかを知る必要があります。 ここで使用する WDPA レイヤーはデータセットの一部で、アフリカの情報のみが示されています。 WDPA レイヤーの [アイテムの詳細] ページで、それぞれの作成日および最終更新日に注目します。 このレイヤーは、国連環境計画の World Conservation Monitoring Centre により毎月更新されます。 サブセット版は 2020 年 3 月版から作成されたものなので、アフリカ諸国の保護地域が更新されたかどうかについては、毎月の更新内容をチェックしてください。
- [設定] ツールバーの [解析] をクリックして、[ツール] をクリックします。
- [データの管理] を展開し、[境界のディゾルブ] をクリックします。
- [境界のディゾルブ] ウィンドウの [入力フィーチャ] で、[+ レイヤー] をクリックし、[WDPA_Africa] レイヤーを選択します。
- [ディゾルブ設定] で、[フィールドの値が一致するフィーチャをディゾルブ] を有効化します。 [+ フィールド] をクリックし、[NAME] (大文字) を選択します。 [完了] をクリックします。
[NAME] フィールドは、保護地域が存在する国を示しています。 [Name] フィールドは、保護地域またはパークの名前を示しています。
- [出力名] を「Dissolve_WDPA_Africa」に変更し、そのレイヤー名が組織内で一意になるように、自分のイニシャルを付加します。 [環境設定] で、[処理範囲] が [全範囲] に設定されていることを確認します。
注意:
このツールの実行には 10 サービス クレジットが必要です。 または、マップに [Dissolve_WDPA_Africa owner:Learn_ArcGIS] レイヤーを追加し、手順 13 で解析を続行することもできます。 - [実行] をクリックします。
ツールの実行が完了するまで、数分の時間がかかります。 完了すると、ディゾルブされたレイヤーがマップに追加されます。
- [レイヤー] ウィンドウで、[Dissolve WDPA Africa - DissolvedFeatures] という名前を [Dissolve WDPA Africa] に変更して、その属性テーブルを開きます。
テーブルが開きます。 ここにはレイヤーの属性 (マップ上のデータに関する追加情報) が含まれます。 各行は単一の国に対応し、各列のフィールドには国名や、平方キロメートル単位の保護地域面積の情報が含まれます。
- テーブルを閉じます。
各国で最も鳥類の多様性が大きいセルの識別
次に、生物多様性レイヤーにフィルターを適用し、鳥類の希少度が最も高いセルのみを表示します。 これらの地域を特定することで、生物多様性の大きい地域がどこに存在するかを理解できます。 レイヤーをフィルター処理するには、属性情報に基づいて、表示するフィーチャのタイプを示す論理式を作成します。 次に、[オーバーレイ] ツールを使用して、アフリカ大陸に存在しない国々について、希少度のデータを削除します。
- [レイヤー] ウィンドウで、[表示設定] ボタンを使用して [Global terrestrial species richness and rarity patterns (0.25)] 以外のレイヤーを非表示にします。
- [Global terrestrial species richness and rarity patterns (0.25)] レイヤーをクリックして選択します。 [設定] ツールバーの [フィルター] をクリックします。
- [フィルター] ウィンドウで、[式の追加] をクリックします。
- [式] の 1 つ目のボックスで、[Rarity: birds] を選択します。 2 つ目のボックスで、[より大きい] 演算子を選択します。
- 3 つ目のボックスに、「80」と入力します。
完成した式は「Rarity: Birds が 80 より大きい」になります。 この式により、鳥類の希少度が最高ランクのセルのみが表示されます。
- [保存] をクリックします。
マップ上のデータがフィルター処理されます。 鳥類の希少度が最高ランクのセルのみが表示されます。 これで、最上位 2 つの変位値のビンが選択されました。 変位値のビンは、データを等しい部分に分割したもので、それぞれの変位値に属するセルの数は同一です。
左: データセットの例を示します。 中央: データがビンに並べ替えられます。 右: データがビンに割り当てられます。 鳥類の希少度のデータは 9 つの変位値に並べ替えられるため、それぞれがデータの 1/9 (11.1%) を表します。 哺乳類の種の数は鳥類よりもはるかに少ない可能性がありますが、これらのビンを使用することで、各グループについて低い生物多様性と高い生物多様性を比較できます。
- [設定] ツールバーの [解析] をクリックします。
- [データの管理] を展開し、[オーバーレイ] をクリックします。
[レイヤーのオーバーレイ] ツールは、2 つのレイヤーを結合して 1 つのレイヤーにします。
- [入力レイヤー] で、[Global terrestrial species richness and rarity patterns] レイヤーを選択します。 [オーバーレイ フィーチャ] で、[Dissolve Africa Countries] を選択します。 [オーバーレイ タイプ] で [インターセクト] が選択されていることを確認します。
交差を選択すると、オーバーレイ フィーチャと重なっている入力のフィーチャが保持されます。
- [出力名] パラメーターを「Rarity_80_Birds_Africa」に変更し、自分の名前またはイニシャルを追加します。
- [実行] をクリックします。
ツールの実行が完了するまで、数分の時間がかかることがあります。 完了すると、交差したレイヤーがマップに追加されます。 このレイヤーには鳥類の希少度セルに加えて、重なっている国についての情報も表示されます。 セルが国境をまたいでいる場合、セルが分割されます。
- レイヤーの名前を [Rarity 80 Birds Africa] に変更します。
各国で最も鳥類の多様性が大きい保護地域の識別
希少度が高い地域のどれがすでに保護されているかを理解するには、WDPA レイヤーと、前のセクションで作成した希少度レイヤーとを比較します。
- アフリカ大陸全体が表示されるまでマップを拡大/縮小し、移動します。
- [オーバーレイ解析] ウィンドウの横にある戻る矢印をクリックして、[ツール] ウィンドウに戻ります。
- [データの管理] を展開し、[オーバーレイ] をクリックします。
このツールにはいくつかのパラメーターが必要です。
- [入力フィーチャ] で [Dissolve WDPA Africa] を選択し、[オーバーレイ フィーチャ] で [Rarity 80 Birds Africa] を選択します。
- [出力名] パラメーターを「Intersect_WDPA_Rarity_80_Birds_Africa」に変更し、自分の名前またはイニシャルを追加します。 [環境設定] の [処理範囲] で、[表示範囲] を選択します。
- [実行] をクリックします。
ツールの実行が完了するまで、数分の時間がかかることがあります。 解析が終了すると、交差したレイヤーがマップに追加されます。 このレイヤーには、WDPA のうち鳥類の希少度が高い部分が表示されます。
- [レイヤー] ウィンドウで、新しいレイヤーの名前を [Intersect WDPA Rarity 80 Birds Africa] に変更します。
- [Global terrestrial species richness and rarity patterns (0.25)] レイヤーをオンにします。
視覚的な比較から、鳥類の希少度が高いセルの一部はすでに保護地域でカバーされているが、カバーされていない地域が多いことがわかります。 保護されている各セルの数を計算するには、[エリア内での集計] ツールを使用します。
- [オーバーレイ] ウィンドウの横にある戻る矢印をクリックして、[ツール] ウィンドウに戻ります。
- [データの集約] を展開し、[エリア内での集計] を選択します。
- [入力フィーチャ] で、[Intersect WDPA Rarity 80 Birds Africa] を選択します。 [集計エリア] の [集計ポリゴン レイヤー] で [Rarity 80 Birds Africa] を選択します。
[レイヤーから統計情報を追加して集計] のデフォルト設定を使用すると、グリッドの各セル内の保護地域の合計面積が確実に加算されます。
- [統計情報の計算] の [フィールドでグループ化] で、[NAME] を選択し、[集計されたフィーチャの割合を含める] の横にあるチェックボックスをオンにします。
[NAME] 属性は国名を表します。 このパラメーターを使用すると、そのセルがどの国に属するかを示す属性が、各セルに含まれます。 [集計されたフィーチャの割合を含める] オプションをオンにすると、属性値のどれだけが各国内に存在するかが計算されます。
- 結果レイヤーに「Summarize_WDPA_Rarity_80_Birds_Africa」という名前を付けて [実行] をクリックします。
結果レイヤーでは、色の暗いセルほど、より多くの土地が保護されていることを示します。 色の明るいセルは、種の希少度が高いにもかかわらず十分な保護が行われていない地域を示します。
- レイヤーの名前を [Summarize WDPA Rarity 80 Birds Africa] に変更します。
- [レイヤー] ウィンドウの [Summarize WDPA Rarity 80 Birds Africa] レイヤーで、[オプション] をクリックして、[テーブルの表示] をクリックします。
レイヤーの属性テーブルが開きます。 [集計された地域 (平方キロメートル)] 列が関心のある列で、保護地域のどれだけが、希少度の高い各セルと重なっているかを示す属性です。
- [集計された地域 (平方キロメートル)] セルをクリックして、フィールド名の横にある矢印アイコンを使用して、値を降順で並べ替えます。
テーブルが再度並べ替えられ、最も大きな値が先頭に表示されます。 最も大きな値の多くはナミビアにあり、続いてエチオピアとタンザニアにあります。 行をクリックすると、マップで対応するセルが選択されます。
- 属性テーブルを閉じます。
- [コンテンツ] ツールバーで [保存して開く] をクリックして [保存] を選択します。
[マップの保存] ウィンドウが表示されます。
- [マップの保存] ウィンドウで、次のパラメーターを入力します。
- [タイトル] に、「Species distribution pattern」と入力します。
- [タグ] には、ユーザーが検索でこのマップを見つけやすくなるような単語を入力します。 各タグの入力後には、Enter キーを押します。
- [サマリー] に、「A map of protected areas and species information on the rarity of birds in Africa」と入力します。
- [マップの保存] をクリックします。
結果のシンボル表示
最後に、25、50、75% が保護されているセルを示すため、紫色のシェーディングの値を編集します。 Global terrestrial species richness and rarity patterns (0.25) レイヤーの派生として、Summarize_WDPA_Rarity_80_Birds_Africa レイヤーは 776.78 km2 のグリッド セルで構成されます。 このため、たとえば [集計された地域 (平方キロメートル)] 属性が 388 平方キロメートルより大きい場合、セルの 50% より多くが保護地域でカバーされています。
- [レイヤー] ウィンドウで、[Summarize WDPA Rarity 80 Birds Africa] レイヤーをクリックして選択します。
- [設定] ツールバーの [スタイル] をクリックします。
- [スタイル] ウィンドウの [数と量 (色)] で、[スタイル オプション] をクリックします。
- [データの分類] の下で、次のように設定します。
- [方法] で [等間隔] を選択します。
- [クラス数] に「4」と入力します。
マップが変更され、新しい値が表示されます。 新しいシンボルにより、鳥類の種の希少度が高いセルのほとんどは、保護されている割合が半分に満たないことがわかります。
このデータのように、重要な中間点を持つ値の範囲が存在する場合、高い値と低い値を強調するため異なる配色を使うようにします。 現在使用している紫色は連続的なもので、データ範囲の片側 (ほとんどが保護地域でカバーされているもの) だけが強調 (暗色のシェーディング) されます。
- [シンボル スタイル] で、カラー パレットをクリックします。
[シンボル スタイル] ウィンドウが表示されます。
- [塗りつぶし色] で、カラー パレットをクリックします。 暗い青から赤のカラー ランプが表示されるまで下にスクロールします。 カラー ランプを選択し、[完了] をクリックします。
マップが変更され、新しいカラー ランプが表示されます。
- [スタイル オプション] ウィンドウで [完了] を 2 回クリックします。
マップを操作します。 75% 以上が保護されているセルは暗い青色、25% 未満しか保護されていないセルは暗いオレンジ色で表示されます。
- マップを保存します。
アフリカ大陸で最も希少度の高いセルを探しました。 また、それぞれのセルの中ですでに保護されている地域面積を計算し、シンボル化しました。 次に、Arcade スクリプト処理を使用して、各国で保護されている地域の割合を計算します。
Arcade による比率の計算
各国について、その国の大きさ、保護地域の面積、希少な野鳥が存在する地域の面積、保護地域のうち希少な野鳥が存在する地域の割合の情報を取得するため必要な、空間解析を実行しました。 次に、希少種をどのように保護するのが最良かを理解する上で必要な計算を行うため、各国について対象の異なる比率を計算する属性条件式を作成します。
条件エディターによる最初の式の構築
これらの条件式を構築するには、ArcGIS 専用の JavaScript 派生版である Arcade を使用します。 Arcade を使用して、値がその場で計算されるフィールドを作成できます。 属性条件式では、非表示のものも含めて、Web マップに存在するすべてのレイヤーで利用可能な情報を使用できます。 構築する最初の条件式は、その国で保護地域として登録されている地域の比率を計算します。
- [レイヤー] ウィンドウで、[Dissolve Africa Countries] レイヤー以外のすべてのレイヤーをオフにします。
- マップ上で、いずれかの国をクリックします。
表示されるポップアップで、いくつかのデフォルト情報をカスタマイズします。
- [レイヤー] ウィンドウで、[Dissolve Africa Countries] レイヤーをクリックします。 [設定] ウィンドウで、[ポップアップ] をクリックします。
- [ポップアップ] ウィンドウで [属性式] をクリックします。
- [式の追加] をクリックします。
属性条件式の作成ウィンドウが開きます。 属性条件式は Arcade で作成します。 属性条件式では、非表示のものも含めて、Web マップに存在するすべてのレイヤーで利用可能な情報を使用できます。
- 条件式の名前を [新しい条件式] から [Protected Proportion] に変更します。
この条件式は、各国で保護されている地域の割合を計算します。 最初に WDPA 変数を定義します。
- [条件式] エディターの行 4 に「var wdpa =」と入力します。
正しい WDPA データで変数を設定するため、マップ レイヤーを選択します。
- サイド パネルで、展開アイコンをクリックします。
- [プロファイル変数] をクリックします。
- [プロファイル変数] ウィンドウで、[$map] の横の矢印をクリックします。 同様に、[Dissolve WDPA Africa] の横にある矢印をクリックします。
- [Dissolve WDPA Africa] の下にある [FeatureSetByName] をクリックします。
コードがスクリプトに追加されます。 FeatureSetByName() 関数は最初の引数として Web マップをポイントします。 レイヤー名が渡され、関数内の引数はカンマで区切られます。 この関数の詳細については、「FeatureSetByName」をご参照ください。 さらに 2 つの引数を追加します。
- 2 番目の引数 (括弧で囲まれたレイヤー名) の後ろにカンマを追加し、「["NAME_1","AnalysisArea"]」と入力します。
これで、条件式は次のとおりになります。
var wdpa = FeatureSetByName($map,"Dissolve_WDPA_Africa_INITIALS",["NAME_1","AnalysisArea"])
注意:
レイヤー名にはユーザーのイニシャルまたは名前が含まれます。
次の計算に使用されるデータをレイヤーとリンクするため、これら 2 つの列の名前が必要です。 角括弧内にカンマで区切られた文字列を含めると、文字列のリストになります。 最後の引数として含めるのはブール値で、フィーチャのジオメトリが必須かどうかを示します。 この場合は属性テーブルの情報のみが必要なので、false に設定します。
- 3 番目の引数の後ろにカンマを追加し、「false」と入力します。
コードの最初の行は次のようになります。
var wdpa = FeatureSetByName($map,"Dissolve_WDPA_Africa_INITIALS",["NAME_1","AnalysisArea"], false)
これ以外に必要な変数として、国名、国名を使用してレイヤーをリンクするためのフィルタリング ステートメント、フィルタリングされる情報、および国の保護地域の割合があります。最後の変数は、最初は 0 パーセントです。
- 行 5 ~ 8 に次の内容を入力または貼り付けします。
var country_name = $feature.NAME var filterStatement = "NAME_1 = @country_name" var wdpa_ft_set = Filter(wdpa, filterStatement) var prop_wdpa = 0
スクリプトの最後の行は条件付きステートメントで、その国に保護地域がある場合のみ実行されます。 その国に保護地域がない場合、返される値は 0 です。
- 行 9 ~ 13 には、各国の保護地域の割合を計算する if ステートメントを入力または貼り付けます。
if(count(wdpa_ft_set)>0){ var wdpa_first = First(wdpa_ft_set) var wdpa_area_km2 = wdpa_first['AnalysisArea'] prop_wdpa = (wdpa_area_km2/$feature.AnalysisArea) *100 }
注意:
コード行「if(count(wdpa_ft_set)>0){」でエラーが発生した場合は、「より大きい」記号のシンボルを「>」に変更する必要があります。 - 最後に行 14 に return prop_wdpa ステートメントを追加します。これは、保護地域の割合の値を返すようスクリプトに指示します。
完成したスクリプトは、最初の行および追加されたコメントを除いて、次のようになります。 コメントは二重のスラッシュで示されます。
var wdpa = FeatureSetByName($map,"Dissolve_WDPA_Africa_INITIALS",["NAME_1","AnalysisArea"], false) //this variable requests the layer of protected areas that is loaded in the webmap, only the two columns of interest will be returned and the geometry will be omitted as it is not necessary var country_name = $feature.NAME //for each feature, which represents a country the name of the country will be stored in the variable country_name var filterStatement = "NAME_1 = @country_name" //NAME_1 refers to the field from the the wdpa layer we requested at the beginning of the script. It is possible to use the variable country_name in this statement by adding an @ as prefix var wdpa_ft_set = Filter(wdpa, filterStatement) //The wdpa layer is going to be filtered by matching the fields of the name of the countries that were specified earlier. var prop_wdpa = 0 // this line initialises the variable prop_wdpa that will contain the proportion of protected area for a country. if(count(wdpa_ft_set)>0){ //this is the start of the conditional code. The code between curly brackets will only be executed if the condition count(wdpa_ft_set)>0 is true. In other words, the code will only be run if the number of features filtered (the number of protected areas the country has) is more than 0. var wdpa_first = First(wdpa_ft_set) // because we are working with a dissolved feature, there is only one feature of protected areas per country. var wdpa_area_km2 = wdpa_first['AnalysisArea'] // this variable stores the information on the protected area size prop_wdpa = (wdpa_area_km2/$feature.AnalysisArea) *100 // the variable prop_wdpa is updated with the division of the protected area size by the country size return prop_wdpa //the final result is the value of the proportion of protected area }
- [実行] をクリックします。 条件式が上記のものと一致することを確認したら、[完了] をクリックします。
2 番目の条件式の作成
ここまでで、国の保護地域の割合についての情報を提供する最初の条件式を構築しました。 保護地域と、希少な野鳥が存在する地域とがどれだけ重なっているかを計算するため、もう 1 つの式を追加します。 この最後の計算により、前にシンボル化したのと同様な保護スコアが得られます。希少度と保護データセットの分解能が異なることに注意する必要があります。 単純なオーバーレイでは、実際よりもはるかに希少度の高い地域の保護が得られます。 このため、セルの 50 パーセントより多くが保護されている場合のみ、計算において高い希少度の保護を考慮します。
- [属性式] ウィンドウで [式の追加] をクリックします。
- 条件式に「High Rarity Protection Score」という名前を付けます。
この式は、希少度の高い野鳥が 50% を超えて保護されているセルの割合を計算します。
- [条件式] エディターで、次を貼り付けます。
var summ_fset = FeatureSetByName($map,"Summarize_WDPA_Rarity_80_Birds_Africa_INITIALS", ["NAME", "AnalysisArea", "SUM_Area_SquareKilometers"], false) var country_name = $feature.NAME var filterStatement = "NAME = @country_name" var bird_rar_wdpa_ft_set = Filter(summ_fset, filterStatement) var sum_is_protected = 0 for(var f in bird_rar_wdpa_ft_set){ var f_prop = f.SUM_Area_SquareKilometers/f.AnalysisArea if (f_prop>=0.5){ // this statement will only take into account cells that have at least 50% of protection sum_is_protected += 1 } } var prot_score = sum_is_protected/count(bird_rar_wdpa_ft_set) return prot_score
注意:
コード行「if (f_prop>=0.5){」でエラーが発生した場合は、「より大きい」記号のシンボルを「>」に変更し、等号 (=) を追加する必要があります。 - Summarize_WDPA_Rarity_80_Birds_Africa_INITIALS プレースホルダーを、自分のレイヤーの名前に置き換えます。
- [完了] をクリックします。
- [属性式] の横にある戻る矢印をクリックして、[ポップアップ] ウィンドウに移動します。
- [タイトル] を展開し、レイヤー名を削除して、{NAME} 属性のみが残るようにします。
- [フィールド リスト] で、[オプション] をクリックし、[削除] を選択します。
- [コンテンツの追加] をクリックし、[テキスト] を選択します。
- テキスト ボックスに「{」と入力して表示されたリストから [{expression/expr0}] を選択します。
属性 {expression/expr0} がウィンドウに追加されます。 次に、説明のテキストを追加します。
- [{expression/expr0}] 属性の後に「% of」と入力します。 スペースを追加して、「{」と入力し、[NAME] を選択して「is designated as protected land」と入力します。
この構文を使用すると、それぞれの国について、Arcade 条件式の結果に続いて % インジケーターが各ポップアップに表示されます。 たとえば、タンザニアのポップアップは [38.31% of Tanzania is designated as protected land] になります。
- Enter キーを押して新しい行を開始し、次の内容を入力または貼り付けします。
The country has a protection score of {expression/expr1}%, the percentage of cells with high rarity of birds that are covered by more than 50 percent protected land.
- [OK] をクリックします。
次に、パーセンテージの数値を小数点以下 2 桁に制限します。
- [設定] ウィンドウで、[フィールド] をクリックします。
- [Protected Proportion] をクリックします。 [書式設定] ウィンドウの [有効桁数] で [2 桁] を選択し、[完了] をクリックします。
- 同様に、[High Rarity Protection Score] を [2 桁] に変更します。
- 国の 1 つをクリックすると、構成されたポップアップが表示されます。
ポップアップのタイトルには依然としてレイヤー名が表示されます。これは分析の目的には説明的でわかりやすいものですが、ポップアップとしては長すぎます。
- マップを保存します。
アフリカ諸国のシンボル化
最後に、African countries レイヤーをシンボル化し、そのレイヤーと、Summarize WDPA Rarity 80 Birds Africa レイヤーが同時に表示されるようにします。 前のセクションでは、Summarize WDPA Rarity 80 Birds Africa レイヤーのセルを色分けし、保護地域でカバーされているセルの割合を示すようにしました。 これらのセルを、ここで構成したポップアップとともに表示するには、国レイヤーのデフォルトの青色を変更し、枠線のみを示すようにします。
- [レイヤー] ウィンドウで、[Dissolve Africa Countries] レイヤーをクリックします。 [設定] ウィンドウで、[スタイル] をクリックします。
- [スタイルの選択] の [場所] で [スタイル オプション] をクリックします。
[スタイル オプション] ウィンドウが表示されます。
- [シンボル スタイル] で、カラー パレットをクリックします。
- [塗りつぶし色] で [色なし] を選択します。
各国を示すポリゴンは枠線のみが表示されます。 編集内容を保存する前に、アウトラインの色を変更します。
- [アウトライン色] で、ラインに黒色を選択します。
- [スタイル オプション] ウィンドウで [完了] を 2 回クリックして、変更を保存します。
- [レイヤー] ウィンドウで、[Summarize WDPA Rarity 80 Birds Africa] レイヤーをオンにします。
このレイヤーにはポップアップもありますが、構成されていません。 このポップアップをオフにし、マップをクリックしたときカスタムのポップアップが表示されるようにします。
- [Summarize WDPA Rarity 80 Birds Africa] レイヤーをクリックします。 [設定] ツールバーの [ポップアップ] をクリックし、切り替えボタンを使用して、レイヤーのポップアップを無効化します。
最後に、シンボル化した枠線をセルがカバーしていることに注目します。 希少度セルの上に枠線が表示されるよう、レイヤーの順序を変更します。
- [Dissolve Africa Countries] レイヤーをポイントし、[レイヤー] ウィンドウ上で [Summarize WDPA Rarity 80 Birds Africa] の上にドラッグします。
- マップを保存します。
このチュートリアルでは、ArcGIS Living Atlas のデータを使用して、保護が最も重要な地域を見つけました。 アフリカ大陸を例として、保護地域の割合と、希少な種の野鳥が存在し、その 50 パーセントを超える地域が保護されているセルの割合を、国ごとに計算しました。
ポップアップを使用して、アフリカ全体について、希少度の高い野鳥が存在する地域の現在の保護ステータスについて最初の図を作成しました。 保護スコアに驚いたでしょうか? 希少度が高いにもかかわらず保護スコアが低い国々に注目し、そこで行われている人為的活動を調査して、さらに詳しく調べることもできます。 この分析は、世界の他の場所でも同様に行うことができます。 自分の国で同じ解析を行うには、ArcGIS Living Atlas の World Countries レイヤーと完全な Protected Areas レイヤーを使用してください。 半球プロジェクトのマッピング作業では、これらのものや、生物多様性の他の空間的パターンを使用して、種の生息地についてより強力な保護が必要な場所を識別できます。 このプロジェクトは、このプロセスに関与する考慮事項のいくつかの導入となるものです。 詳しくは、「半球プロジェクト」をご参照ください。
他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。