犯罪発生地点のシンボル表示
犯罪分析を始めるには、リンカーン警察署が提供するレイヤーを使用して、過去 1 か月間の犯罪のマップを作成します。 最初に、データについて理解を深めます。 次に、データがより明確に、一目で理解できるようになるように、マップをシンボル表示します。 最後に、今後の参照用に、いくつかの主要な地理フィーチャをラベリングします。
マップの作成
まず、マップを開き、米国中西部の都市ネブラスカ州リンカーン市の犯罪、警察署、行政区 (群区) 境界線を表すレイヤーを追加します。
- 指定ユーザー アカウントを使用して、ArcGIS Enterprise にサイン インします。
注意:
必要に応じて、ArcGIS Enterprise の構成がこれらのレッスンに対応していることを確認してください。
- 組織サイトのホーム ページ上部にある [マップ] をクリックします。
新しいセッションが開いている場合、ベースマップのある新しいマップが開きます。ベースマップは、追加するデータ レイヤーに地理情報を提供するグローバル参照情報です。
注意:
既存のマップが開いている場合、ページの右上隅にある [新規マップ] をクリックして [マップの新規作成] を選択します。
- リボンの [追加] をクリックし、[レイヤーの検索] を選択します。
ArcGIS Online で、ネブラスカ州リンカーン市のデータを含むレイヤーを検索します。 検索結果を Learn_ArcGIS アカウントが所有するレイヤーに限定することもできます。
- [レイヤーの検索] ウィンドウで、[マイ コンテンツ] をクリックして [ArcGIS Online] を選択します。
- [レイヤーの検索] に「Lincoln owner:Learn_ArcGIS」と入力し、Enter キーを押します。
4 つの検索結果が返されます。
- 結果のリストで、次の順序に従って、各レイヤーの横にある [追加] をクリックして、結果をマップに追加します。
- Lincoln Crime
- Lincoln Municipal Districts
- Lincoln Police Stations
- Lincoln City Boundaries
マップでネブラスカ州リンカーン市にズームすると、4 つの新しいレイヤーが表示されます。 太字の外線は市の境界を示し、ピンクの透過色のポリゴンは市街区を示します。 大きな黒丸は警察署の位置を示します。 小さな黒丸は、過去 1 か月間に発生した犯罪の位置を示しますが、この表示は Districts レイヤーの影響でやや見にくくなっています。 マップ レイヤーの描画順序を変更します。
- [戻る] ボタンをクリックします。
- [コンテンツ] ボタンをクリックすると、[コンテンツ] ウィンドウが開き、マップ内のすべてのレイヤーがリストされます。
- [Lincoln Crime] レイヤーにポインターを合わせ、レイヤー名の横にある縦方向の省略記号 (縦方向に連続した 3 つのドット) をクリックし、そのレイヤーを districts レイヤーの上にドラッグします。
crimes レイヤーは、マップ上の地区の上に表示されており、シンボルが見やすくなっています。
- 必要に応じて、他のレイヤーを移動させ、[コンテンツ] ウィンドウに次の順序で表示されるようにします。
- Lincoln City Boundaries
- Lincoln Police Stations
- Lincoln Crime
- Lincoln Municipal Districts
すべてのレイヤー名に「Lincoln」という単語を含める必要はないので、レイヤーの名前を変更することもできます。
- [Lincoln City Boundaries] レイヤー名にポインターを合わせ、[その他のオプション] ボタンをクリックして、[名前の変更] を選択します。
- [名前の変更] ウィンドウで、レイヤー名を「Lincoln」に変更します。
- その他のレイヤーの名前を変更します。
- [Lincoln Police Stations] を「Police Stations」に変更します。
- [Lincoln Crime] を「Crime」に変更します。
- [Lincoln Municipal Districts] を「Districts」に変更します。
このレッスンでは、デフォルト ベースマップが地形図であると仮定していますが、組織によっては異なるデフォルトを使用している可能性があります。 地形図ベースマップでは、公園、ランドマーク、地形フィーチャが強調表示されます。 ここでは、道路と他の都市フィーチャを強調表示する道路地図ベースマップを使用します。
- [ベースマップ] をクリックして、[道路地図] をクリックします。
ベースマップがマップ内で更新されます。
警察署のシンボルは犯罪のシンボルと類似しているため、ややわかりにくくなっています。 各レイヤーの横にあるチェックボックスは、レイヤーがマップ上で表示されるかどうかを示します。 現時点ではすべてのレイヤーがオンになっているため、マップ上のすべてのレイヤーを見ることができます。
- [Crime] レイヤーをオフにして、非表示にします。
[Crime] レイヤーをオフにすると、マップ上で [Stations] レイヤーがずっと見やすくなります。 ほとんどの警察署は市の中心部付近にありますが、いくつかは都市の境界に近い位置にあります。
- [Crime] レイヤーを再びオンにします。
犯罪と警察署の両方を同時に見やすく表示するために、レイヤーのシンボルを変更します。 続行する前に、マップを保存します。
- マップの上にあるリボンで [保存] をクリックし、[保存] を選択します。
[マップの保存] ウィンドウが開きます。 このウィンドウで、マップの名前を指定し、メタデータの一部を設定し、保存場所を選択します。
- タイトルに「Lincoln Crime Analysis」と入力します。
- 「crime, Lincoln, Nebraska, heatmaps, drive-time」などのタグを指定します。
- サマリーに「Map showing the locations of police stations and crimes in Lincoln, Nebraska.」と入力します。
- マップの保存先となるフォルダーを選択します。
注意:
ArcGIS を初めて利用する場合は、1 つのフォルダーだけを使用できます。 マイ コンテンツ内に新しいフォルダーを作成できますが、データが失われないようにするために、先にマップを保存しておくことをお勧めします。
- [マップの保存] をクリックします。
マップの名前がリボンの上に表示され、マップの保存が完了したことが示されます。
データの確認
マップのシンボルを更新する前に、データの属性について学ぶことが重要です。 ほとんどのレイヤーは、マップ上のフィーチャに関する追加情報、つまり属性が格納されているテーブルを保持しています。 これらの属性は、シンボル表示と分析に使用できます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Crime] レイヤーにポインターを合わせて [テーブルの表示] ボタンをクリックします。
Crime レイヤーのテーブルが開きます。
テーブルの上部に、レイヤー内のフィーチャの総数 (1,025) が示されます。 テーブルの列は属性で構成されます。 このレイヤーには、Day (犯罪が行われた曜日)、Address (犯罪の発生場所)、Offense (犯罪のタイプ)、District (犯罪が発生した市街区) の 4 つの属性が含まれています。
- 属性の最初の行をクリックして選択します。
マップ上でも、選択した属性を含むフィーチャが選択されます (フィーチャを囲む青色の四角形で示されます)。 選択したポイントは、金曜日に 4717 Union Hill 道路で起こった窃盗事件を表しています。
- テーブルを閉じます。
選択が解除され、マップ上のフィーチャもハイライト表示されなくなります。
- 必要に応じて、他のレイヤーのテーブルを開きます。
残りのほとんどのレイヤーには、Crimes レイヤーよりも少ない属性情報が含まれています。 Stations レイヤーには各警察署の住所が含まれ、Districts レイヤーでは、各地区に 1 ~ 5 の番号が割り振られます。 Lincoln レイヤーには、行政上の ID 番号や都市の人口をはじめとするさまざまな属性が含まれますが、この種の情報は、犯罪分析にとって有用ではないと考えられます。
- 開いているテーブルを閉じます。
シンボルの変更
これでデータについて理解を深めることができました。今度は、各レイヤーがマップ上によりわかりやすく表示されるように、シンボルを変更します。 最初に、Stations レイヤーを、Crimes レイヤーとははっきり異なるように表示します。 次に、各地区が固有のシンボルを持つように Districts レイヤーを変更して、これらの地区を簡単に一目で識別できるようにします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Police Stations] レイヤーにポインターを合わせて [スタイルの変更] ボタンをクリックします。
[スタイルの変更] ウィンドウが開きます。 このレイヤーは、属性、単一シンボル、ヒートマップのいずれかに基づいてシンボル表示できます。 属性に基づくシンボル表示では、含まれる属性データに基づいて、それぞれ異なるシンボルがレイヤー内の各フィーチャに割り当てられます。 ヒート マップの場合、レイヤーは、フィーチャの密度に基づいてシンボル表示されます。 ここでは、マップ上で警察署の場所を識別できるようにするだけであるため、単一シンボルを使用してレイヤーをシンボル表示します。
- [描画スタイルの選択] で、[場所 (単一シンボル)] の下の [オプション] をクリックします。
ウィンドウが変化して、[Police Stations] シンボルのオプションが表示されます。
- [場所のみを表示] の下の [シンボル] をクリックします。
シンボルの形や色を変更するためのオプションを含め、追加のシンボル オプションを示すウィンドウが表示されます。 黒色の円シンボルの代わりに、警察署をより明確に示すシンボルを選択します。
- カテゴリのメニューをクリックして、[公共安全] を選択します。
シンボルのリストが変化します。 公共安全カテゴリには、警察などの公共サービスを表す多数のシンボルが含まれています。
- シンボルのリストで、青色の警察官バッジ シンボルをクリックします。
シンボルのサイズも変更できますが、ここでは、デフォルトのサイズをそのまま使用します。
- [OK] をクリックして、シンボルをマップに適用します。
これらのシンボルは適切に表示されているため、変更内容を確定します。
- [スタイルの変更] ウィンドウの下部にある [OK] をクリックします。 [完了] をクリックします。
次に、Districts レイヤーのシンボルを変更します。 現在のところ、それぞれの地区を互いに識別することは困難です。 地区は都市の主要な下位区分であるため、一目でそれらの地区を識別できるように各地区に固有のシンボルを割り当てます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Districts] レイヤーにポインターを合わせて [スタイルの変更] ボタンをクリックします。
各地区に固有のシンボルを割り当てるには、属性に基づいてシンボル表示します。 前述のとおり、Districts レイヤーには、各地区に 1 ~ 5 の番号を割り振る属性が 1 つだけ含まれています。
- [表示する属性を選択] で、[Districts] を選択します。
使用可能な描画スタイルのリストが変化します。 場所 (単一シンボル) に加えて、数と量 (サイズ)、数と量 (色)、種類 (個別値シンボル) によってシンボル表示できるようになります。 数と量描画スタイルは、数量を表す属性データ用に最適です。 Districts 属性は数値データを含んでいますが、これらの番号は数量ではありません。 地区 1、地区 2 などを表す名前です。 選択した属性は、定量的データではなく、定性的データを含んでいるため、名前やカテゴリに最も適している [種類 (個別値シンボル)] を選択します。
- [描画スタイルの選択] で、[種類 (個別値シンボル)] の下の [選択] をクリックします。
この描画スタイルを選択すると、マップが変化し、それぞれが固有のシンボルを持つ地区が表示されます。
地区のデフォルトの色は、現在のベースマップで色を調整するスマート マッピング機能により選択されています。 デフォルトの色で十分なため、これらの色は変更しません。 ただし、レイヤーの透明性を高めて、ベースマップ上にフィーチャを見やすく表示します。
- [スタイルの変更] ウィンドウで、[種類 (個別値シンボル)] の下の [オプション] をクリックします。
- [透過表示] で、スライダーを [50%] までドラッグします。
マップ上の透過表示が自動的に変化します。
それぞれの地区を明確に区別することができ、地区の表示によってマップ上の他の情報が隠れることはありません。
- [スタイルの変更] ウィンドウの下部にある [OK] をクリックします。 [完了] をクリックします。
フィーチャのラベリング
最後に、各地区を識別できるよう番号でラベリングします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Districts] レイヤーにポインターを合わせて [その他のオプション] ボタンをクリックし、[ラベルの管理] を選択します。
[ラベル フィーチャ] ウィンドウが表示されます。 ラベルのテキストと外観を変更できます。 各フィーチャの Districts 属性を表示するように、ラベルのテキストを指定します。
- [テキスト] で、[Districts] を選択します。
ラベルがマップに表示されますが、それらは小さくて黒く、黒い犯罪ポイントで囲まれた場合に特に見づらくなります。 マップのシンボルに比べてより大きく、より目立つようにラベルを変更します。
- ラベルのテキスト サイズを [28] に変更します。 ラベルの色を白色に変更します。
マップ上に、サイズの大きいラベルが鮮明に表示されるようになりました。 ただし、ラベルの一部はなお、それ以外のレイヤーの部分と区別がつかない感じがします。 そこで、ラベルの周りにハロー、すなわち境界を追加して、くっきり目立つようにラベルを表示します。
- [ハロー] ボックスをオンにします。 ハローの色を黒色に変更します。
変更がマップ上に自動的に反映されます。
- [ラベル フィーチャ] ウィンドウの下部にある [OK] をクリックします。
- マップを保存します。
これで、マップ上にはるかに明確にデータ レイヤーが表示されるようになりました。 レイヤーのシンボルを変更したため、警察署付近で発生した犯罪の量の分析を開始することができます。
犯罪の近接性と密度のマッピング
前回は、Lincoln Crime Analysis マップでシンボルを変更し、さまざまなフィーチャを区別しやすくしました。 今回は、警察署との犯罪の近接性および都市全域にわたる犯罪の密度を分析します。 リンカーン市警察は、今後の人員の割り当てを決定する際に、現在の人員によって犯罪を取り締まる態勢がどれだけ整っているかを知る必要があります。 ほとんどの犯罪が警察署の付近で発生している場合、人員の変更はほとんど必要ありません。 しかし、かなりの件数の犯罪が警察署から遠く離れた場所で発生している場合、リンカーン市警察は現場により多くの警官を配置する必要があります。
警察署の周囲の到達圏エリアの作成
最初に、リンカーン市の警察署の周囲に 5 分の到達圏エリアを作成します。 到達圏エリアでは、ある場所から指定した時間内に車で移動できる距離を決定するために、道路網と移動速度に関する情報が使用されます。 実行する分析では、リンカーン市警察が 5 分以内に対応できる犯罪の比率を求めます。
- 必要な場合は、Lincoln Crime Analysis マップを開きます。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Police Stations] レイヤーにポインターを合わせて [解析の実行] ボタンをクリックします。
[解析の実行] ウィンドウが表示されます。 このウィンドウでは、データから新しい情報を引き出すために、さまざまな解析機能を選択できます。 到達圏エリアは近接解析の一種であり、フィーチャが互いにどれほど近接しているかを決定します。
- 必要な場合は、[フィーチャの解析] をクリックします。 [近接エリアの分析] グループを展開します。
近接解析ツールのリストが展開します。
注意:
ツールの詳細を確認するには、そのツール名の右側にある青色の情報ボタンをクリックします。
- [到達圏レイヤーの作成] をクリックします。
[到達圏レイヤーの作成] ツールが開きます。 このツールを実行する前に、到達圏の距離や交通状況など、いくつかのパラメーターを入力する必要があります。
- [到達圏を計算するポイント レイヤーを選択] で、[Police Stations] が選択されていることを確認します。
次に、到達圏エリアの時間を選択します。 犯罪を取り締まるには迅速な対応が不可欠であるため、5 分という短い運転時間を選択します。
- [計測] で、[運転時間] が [5] [分] であることを確認します。
また、一般的な交通状況を到達圏解析に含めるかどうかを選択することもできます。 通常、緊急対応車両は交通量を無視できるため、交通状況はオフのままにしておきます。 次のパラメーターは、それぞれ異なるポイントからの到達圏エリアを結合する方法を指定します。 Stations レイヤーのように、複数のポイントを含むポイント レイヤーを使用する場合、到達圏レイヤーの作成ツールは、それぞれのポイントからの到達圏を計算します。 ポイント間が十分に近い場合、これらの到達圏エリアが重なり合う可能性があります。 各警察署からの到達圏エリアを個別のフィーチャとして維持するか、警察署ごとにそれらのエリアを 1 つのフィーチャにディゾルブするかを選択できます。 ここでの検討対象は、リンカーン市内における合計の到達圏範囲であるため、到達圏エリアをディゾルブすることにします。
- [複数エリアの重なり] で [ディゾルブ] をクリックします。
- [結果レイヤーの名前] で、名前を「Five-Minute Drive-Time from Stations」に変更します。 名前が組織内で一意になるように、自分の名前またはイニシャルを付加します。
- [分析の実行] をクリックします。
ツールが実行され、到達圏レイヤーがマップに追加されます。 Districts レイヤーがあるため、到達圏レイヤーが少し見づらく感じます。 加えて、Stations レイヤーが到達圏レイヤーの下に表示されるようになりました。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Districts] レイヤーをオフにして、非表示にします。
- [Police Stations] レイヤーをポイントします。 レイヤー名の横にある縦方向の省略記号 (縦方向に並んだ 3 つのドット) をクリックして、そのレイヤーを到達圏レイヤーの上にドラッグします。
これで、[Police Stations] レイヤーはマップ上で到達圏レイヤーの上に表示されるようになりました。
紫色の到達圏エリアは、警察署から 5 分以内のすべての場所を示しています。 警察署のカバー範囲は、リンカーン市の合計面積の約半分しか占めていないように見えますが、犯罪の大半は到達圏エリア内で発生しているようです。 ただし、到達圏エリア外で発生する犯罪の正確な件数は不明です。
到達圏エリア内で発生した犯罪の比率の計算
次に、警察署の近辺で発生する犯罪の比率 (それと同時に、警察署から離れた場所で発生する犯罪件数) を正確に計算します。 ポイントの集約ツールを使用してこの割合を計算します。 このツールは、指定されたエリア内にある一連のポイントを集計します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Crime] レイヤーにポインターを合わせて [解析の実行] ボタンをクリックします。
- [解析の実行] ウィンドウで、[データの集約] をクリックします。
- [ポイントの集約] をクリックします。
[ポイントの集約] ツールが開きます。 初めに、ポイントのレイヤーとエリアのレイヤーを選択します。 到達圏エリア内で発生した犯罪の総数を知ることができます。
- [エリアに集約するポイントを含むレイヤーを選択] で、[Crime] を選択します。 [集約エリアを含むレイヤーを選択] で、[Five-Minute Drive-Time from Stations] が選択されていることを確認します。
必要に応じて、特定の属性フィールドに関する統計情報を計算できます。 ただし、前回のレッスンで Crime レイヤーのテーブルを調べたときに、その属性に数値データが含まれていないことを学習しているため、このオプション設定はスキップします。
さらに、統計情報のグループ化の基準にするフィールドを選択することもできます。 たとえば、到達圏エリア内で起こった犯罪のタイプ (窃盗や暴行など) ごとの合計件数を求めることができます。 警察署に近い犯罪の合計パーセンテージのみを決定したいため、グループ化の基準にするフィールドを選択パラメーターを変更しないままにします。
- 結果レイヤーの名前を「Crime Near Police Stations」に変更して、自分の名前またはイニシャルを付加します。
注意:
すべてのデータ ポイントがマップの範囲内に表示されていることを確認します。表示されていない場合は、[現在のマップ範囲を使用] をオフにし、すべてのデータ ポイントが結果に含まれるようにします。
- [分析の実行] をクリックします。
ツールが実行され、新しいポイント レイヤーがマップの中心に追加されます。 マップ上のレイヤーの表示設定は重要ではありませんが、その属性テーブルには、犯罪ポイントに関するサマリー情報が含まれています。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Crime Near Police Stations] レイヤーにポインターを合わせて [テーブルの表示] ボタンをクリックし、テーブルを開きます。
テーブル内の 1 番目の属性フィールドは、Count of Points です。このフィールドには、到達圏エリア内の犯罪ポイントの総数 (863) が含まれています。 前回のレッスンで Crime レイヤーのテーブルを調べたときに、犯罪の総数が 1,025 であることを学習しました。 1,025 のうちの 863 は、84.2% です。 (ソース データは定期的に更新されるため、結果は異なる場合があります)。
リンカーン市内の犯罪の約 5 分の 4 が警察署から 5 分以内のエリアで発生します。 これは、非常に良好なカバー率です。しかし、非常に多くの犯罪が、迅速な応答時間で対応するには警察署からあまりにも遠い場所で発生しています。 これらの犯罪をカバーするには、リンカーン市警察が、現場の警官に人員を割り当てる必要があります。そうすれば、警官たちは、警察署から遠く離れた場所までパトロールすることができ、犯罪が発生した場合に迅速に対応できます。 割り当てる人員の総数は、市内の全犯罪の 5 分の 1 に対処できるだけの数でなければなりません。
- テーブルを閉じます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Crime Near Police Stations] レイヤーと [Five-Minute Drive-Time from Stations] レイヤーをオフにして、非表示にします。
ヒート マップの作成
リンカーン市の総面積のうち、かなりの部分が警察署から 5 分以内に到達できないため、リンカーン市警察は、現場警察官をどの場所に派遣するかにあたって、戦略的な決定を下す必要があります。 リンカーン市警察を支援するために、ヒート マップを作成して、犯罪の密度を視覚化し、人員が集中的に配置される必要があるエリアをハイライト表示します。 ヒート マップは連続するサーフェス マップであり、ある現象または事象がエリア全体にわたって変化する状況をマッピングします。 前のセクションでは、変化しない空間特性を持つオブジェクトやエリア (警察署の場所など) を描画する不連続データを使用しました。 具体的に言うと、ヒート マップには密度、つまり、フィーチャがクラスター化されている場所が表示されます。 ヒート マップは、Crime レイヤーのシンボルを変更することで作成できます。
- 必要な場合は、Lincoln Crime Analysis マップを開きます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Crime] レイヤーにポインターを合わせて [スタイルの変更] ボタンをクリックします。
- [描画スタイルの選択] で、[ヒート マップ] の下の [選択] をクリックします。
マップ上の犯罪地点ポイントがヒート マップに変化します。
このヒート マップのシンボルは、指定されたエリア内の犯罪の密度を示します。 青色のエリアは、犯罪の発生密度が低い場所を示します。 赤色と黄色のエリアは、犯罪の発生密度が特に高い場所を示しています。 このヒート マップに基づくと、犯罪の発生密度は市の中心部で最も高くなっており、小さな犯罪のクラスターは都市全体に点在しています。 次に、ヒート マップと到達圏エリアを比較して、警察署から 5 分以上離れたエリアのうちで最も犯罪の密度が高いエリアを確認します。
- [スタイルの変更] ウィンドウの下部にある [完了] をクリックします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Five-Minute Drive-Time from Stations] レイヤーをオンにします。
警察署は、市内で犯罪の密度が高いエリアの大部分をカバーしています。 しかし、リンカーン市警察がより多くの現場警察官を配置する可能性がある高密度のエリアが到達圏エリアの周辺部にいくつか存在しています。 さらに付け加えると、リンカーン空港の左手にあるエリアは、犯罪の発生密度はあまり高くありませんが、どの警察署からも遠く離れているという理由で、このエリアに人員を派遣しなければならない可能性があります。
- マップを保存します。
作成したマップは、警察署が位置する場所を基準にした犯罪の発生場所に関する貴重な情報をリンカーン市警察に提供することができます。 ここでは、最初に近接解析を実行して、警察署から 5 分以上離れた場所で発生した犯罪を見つけ出しました。 次に、犯罪の密度を表すヒート マップを作成して、より多くの人員を割り当てる必要があるエリアを特定しました。 このマップ内の情報は、これ以外の目的にも利用することができます。 たとえば、犯罪のヒート マップを Districts レイヤーと併せて使用することで、特定の地区への人員の割り当てを決定することができます。 また、暴行や窃盗など、特定タイプの犯罪のみに焦点を当てるために Crime レイヤーをフィルタリングすることもできます。 しかしながら、このプロジェクトで目的とした分析はこれで完了です。
その他のレッスンについては、「Learn ArcGIS Lesson ギャラリー」をご参照ください。