ポリシー マップの作成

マップへのデータの追加

ポリシー マップは、政策的な介入が必要な地域を示します。 ここではカリフォルニア州パサデナ市のポリシー マップを作成しますが、これは歩行者または自転車に乗った人が負傷または死亡した交通事故が最も多い 5 つのスクール ゾーンを示すものです。 これにより市当局は、これらの地域の安全向上に向けた政策努力に重点を置くことができます。

マップのテーマは、パサデナ市における歩行者と自転車の事故なので、まずは関連するデータを新しいマップに追加します。

  1. ArcGIS の組織アカウントまたは ArcGIS Enterprise 指定ユーザー アカウントを使用してサイン インします。
    注意:

    組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

  2. リボンの [マップ] タブをクリックします。

    Map Viewer を開きます。

  3. [レイヤー] ウィンドウの [追加] をクリックします。

    追加ボタン

    [レイヤーの追加] ウィンドウが開きます。 デフォルトでは、アカウント内のデータのみを検索するように設定されています。 ここでは、このチュートリアル用に特別に準備された、Esri チュートリアルの管理者アカウントがホストするデータを追加します。 このデータは元はパサデナ市によってコンパイルおよびアップロードされたものです。

  4. [マイ コンテンツ] をクリックして [ArcGIS Online] を選択します。

    検索パラメーター用の ArcGIS Online オプション

  5. 検索ボックスに「Traffic Collisions」と入力します。 検索を絞り込むために、「owner:Esri_Tutorials」を追加します。 Enter キーを押します。
  6. 結果のリストで、[Traffic Collisions] に対して [追加] ボタンをクリックします。

    Traffic Collisions レイヤーの追加ボタン

    レイヤーが、マップに追加されます。 マップ上でレイヤーの範囲が拡大表示されます。これがカリフォルニア州パサデナ市です。

    注意:

    ブラウザー ウィンドウのサイズによっては、デフォルトのズーム範囲は図例と表示が異なる場合があります。 必要に応じて、マップを拡大または縮小して、すべてのデータを明確に表示します。

    マップに追加された Traffic Collisions レイヤー

    このレイヤーには、過去 10 年にパサデナ市で発生したすべての事故が表示されます。 ポリシー マップでは、データセットが現実を合理的に表しているかどうか判別することが不可欠です。 データにバイアスがかかっていると結果が歪められ、誤った情報による政策が生まれます。

    交通事故の例では、レポートされていない事故がバイアスとなる可能性があります。 このデータはパサデナ市当局から入手したものなので、データは正式なものであり、交通事故の件数を正確に表していることがわかっています。

データのフィルター

次に、歩行者と自転車を巻き込む事故のみを表示するように、レイヤーをフィルター処理します。

  1. [レイヤーの追加] ウィンドウで、[戻る] ボタンをクリックします。

    レイヤーの追加ウィンドウの戻るボタン

    [レイヤー] ウィンドウには [Traffic Collisions] レイヤーと組織のデフォルト ベースマップが表示されます。 レイヤーをフィルター処理するには、まず属性情報をよく理解する必要があります。 このレイヤーに、事故に歩行者または自転車が巻き込まれたかどうかを説明する属性が存在するかどうかを確認します。

  2. [Traffic Collisions] レイヤーで、[オプション] ボタンをクリックして [テーブルの表示] を選択します。

    テーブルの表示オプション

    テーブルが開きます。 ここにはレイヤーの属性 (マップ上のデータに関する追加情報) が含まれます。 各行が 1 つの事故に対応しており、各列は特定のタイプの情報を含むフィールドです。

  3. テーブルをスクロールして、[InvolvedWith] フィールドを見つけます。

    テーブル内の InvolvedWith 属性フィールド

    このフィールドには、事故に巻き込まれた人の説明があります。 事故に巻き込まれたのが歩行者なのか、自転車なのか、他の自動車なのかに関する情報が含まれています。 このフィールドを使用して、レイヤーをフィルターできます。

  4. テーブルを閉じます。
  5. [レイヤー] ウィンドウで、[Traffic Collisions] レイヤーが選択されていることを確認します。 [設定] (暗い背景の) ツールバーの [フィルター] ボタンをクリックします。

    コンテンツ ウィンドウのフィルター ボタン

    [フィルター] ウィンドウが開きます。 レイヤーをフィルター処理するには、属性情報に基づいて、表示するフィーチャのタイプを示す論理式を作成します。

  6. [フィルター] ウィンドウで、[新しく追加] をクリックします。

    新しく追加ボタン

  7. 次の式を作成します。
    • 最初のドロップダウン ボックスをクリックして、[InvolvedWith] を選択します。
    • 演算子として、2 番目のドロップダウンで [含む] を選択します。

    レイヤーをフィルター処理するための最初の式

    [含む] 演算子は、フィルターに複数の値を選択できます。 対象は、自転車または歩行者を巻き込んだ衝突事故です。

  8. [値の選択] をクリックします。
  9. [Bicycle][Pedestrian] のチェックボックスをオンにします。 [完了] をクリックします。

    値の選択メニューで歩行者と自転車を選択した状態と、完了ボタン

    式は [InvolvedWith includes Bicycle, Pedestrian] と表示されます。 この式は、自転車と歩行者を巻き込んだ事故のみを表示するように、レイヤーをフィルター処理します。

  10. [フィルター] ウィンドウの下部で、[保存] をクリックします。

    マップ上のデータがフィルター処理されます。 自転車または歩行者のいずれかを巻き込んだ事故のみが表示されます。

    自転車または歩行者を巻き込んだ衝突事故でフィルター処理された衝突事故がマップに表示されます

    データをフィルター処理すると、関心の対象がハイライト表示されます。 必要な場合は、特定の年または期間のデータのみを表示するようにフィルターを作成することもできます。 日付フィルターを使用すると、時間の経過に合わせて事故を比較し、市警察がプラス効果を発揮しているかどうか示すことができます。

パターンの明確化

事故はマップ化されましたが、このデータからどのようなパターンを見出すことができるでしょうか。 特に事故の発生が大きく集まっているような地域はあるでしょうか。 さまざまなマップ スタイルでデータを表示することは、傾向の発見に役立ちます。

データのパターンを発見する方法には、ポイントのクラスタリング、ヒート マップ、ホット スポット解析が含まれます。 これらの方法はすべて、事故が異常な確率で発生している場所を明らかにします。 ここでは、3 つの方法すべてを使用して事故をマップ化し、データから洞察を得ます。

はじめに、ポイントにクラスタリングを適用します。 クラスタリングとは、相互の距離が特定の範囲内にあるポイントを 1 つのシンボルにグループ化し、多くのポイントが密集している場所を示すことです。

  1. [設定] ツールバーの [集約] をクリックします。

    集約ボタン

  2. [集約] ウィンドウで、[クラスタリング] をクリックします。

    コンテンツ ウィンドウのポイントのクラスタリング ボタン

    マップ上のシンボルが結合されて、ポイントがクラスター化されます。 ポイントのサイズが大きいほど、クラスターが表す衝突の数が多くなります。 これらのクラスター ポイントはデフォルト パラメーターを使用して集約されましたが、クラスターの集約設定、ラベリング、その他のプロパティを変更できます。

    デフォルトのクラスタリング パラメーターを使用してポイントがクラスター化されたマップ

    事故が最も大きくクラスター化されている地域は、市の中心部のようです。 ポイントのラベルには、各クラスター ポイントが表すフィーチャの数が表示されます。

  3. [クラスタリング][オプション] をクリックします。
  4. [クラスターの半径] で、スライダーをドラッグして、事故数がもっと多いまたは少ないクラスターを表示します。

    少数のクラスタリングだと、大きなクラスターでも 10 件程度の事故を表すだけですが、多数のクラスタリングだと、大きなクラスターが 472 件もの事故を表します。 クラスタリングでは、ポイントが高い密度で存在する場所のパターンを示す傾向がありますが、クラスタリングの度合いによって、こうしたパターンが現れているように見える場所が変わる可能性があります。

    たとえば、あるレベルのクラスタリングでは、パサデナ市の東側に事故数の多いクラスターがあるように見えますが、別のレベルのクラスタリングではそうは見えません。

  5. [クラスタリング] ウィンドウで、[戻る] をクリックします。 [集約の有効化] をオフにします。

    次に、事故のヒート マップを作成します。 ヒート マップもポイントが高密度で存在する場所を示しますが、シンボル サイズではなく色を使用します。

  6. [設定] ツールバーの [スタイル] をクリックします。

    設定ツールバーのスタイル ボタン

    [スタイル] ウィンドウで、データに対してさまざまなスタイルを選択できます。 衝突データには現在、交通事故の場所だけが表示されているため、選択できるオプションは 2 つあります ([位置 (単一シンボル)] または [ヒート マップ])。

  7. [スタイルの選択][ヒート マップ] をクリックします。

    ヒート マップ描画スタイル

    描画スタイルがマップに自動的に適用されます。

    カリフォルニア州パサデナ市の事故のヒート マップ

    クラスター化されたポイントのように、ヒート マップでもパサデナ市の中心部で事故が高密度になっています。 ただしヒート マップでは、フットヒル フリーウェイの南側、ダウンタウンに該当する地域が特に強調されています。

    明るい黄色の地域が政策の重点を置くべき地域のように見えますが、ヒート マップはポリシー マップではありません。 ポリシー マップは立場を明確にするもので、政策の重点を置くべき地域をはっきりと示します。 そのような主張を行うには、まだ情報が十分ではありません。 もっと別のパターン探索方法によって、データに関する新しい情報がもたらされる可能性もあります。

  8. [スタイル] ウィンドウで、[キャンセル] をクリックします。

    パターン探索の最後の方法は、ホット スポットによるものです。 ホット スポットとは、空間データにおける統計的に有意なクラスターのことです。 ヒート マップは事故の密度のみを示すものですが、ホット スポット マップは統計解析を使用して、地域間の集中度の高低を相対的に比較します。 ホット スポットを作成するには、データに対して解析ツールを実行する必要があります。

  9. [設定] ツールバーの [解析] をクリックします。

    リボンの解析ボタン

    [解析] ウィンドウが表示されます。

  10. [ツール] をクリックします。

    ツール ボタン

  11. [パターンの解析] を展開します。 [ホット スポット分析] をクリックします。

    ホット スポット分析ツール

    このツールにはいくつかのパラメーターが必要です。 ホット スポットを計算するためのレイヤーを設定し、デフォルト パラメーターを変更して、ホット スポットが六角形のビンの形状で表示されるようにします。 ツールを実行するには、赤い点でマークされているパラメーターが必要です。

  12. [入力レイヤー] で、[レイヤー] をクリックして [Traffic Collisions] レイヤーを選択します。

    入力レイヤーのパラメーター

  13. [ホット スポットの設定] で、[変数のタイプ] の設定を [ポイント数] のままにしておきます。 [集約形状タイプ][六角形のセル] を選択します。

    六角形のセル オプション

  14. [結果レイヤー] で、[出力名] を「Traffic Collision Hot Spots」に変更して自身の名前のイニシャルを追加します。
    注意:

    ArcGIS 組織に同じ名前で 2 つのレイヤーを作成することはできません。 レイヤー名にユーザーのイニシャルを追加すると、組織の他のユーザーもこのチュートリアルを完了することができます。 レイヤーが作成されたら、マップ内で名前を変更してイニシャルを削除できます。基になるデータ レイヤーの名前には影響しません。

    結果レイヤーの名前パラメーター

    一部の解析ツールを実行するには、サービス クレジットが必要です。 解析にかかるコストを確認するために、必要なクレジット数を推定できます。 [ホット スポット分析] ツールなど、多くの場合で、入力レイヤーのフィーチャの数に、ツールを実行するコストが乗算されます。

  15. ウィンドウの下部で、[クレジットの推定] をクリックします。

    このツールの実行には約 2 クレジットが必要です。

  16. [実行] をクリックします。

    ツールの実行が完了するまで、約 1 分かかります。 完了すると、ホット スポット レイヤーがマップに追加されます。

  17. [レイヤー] ウィンドウで、[Traffic Collisions] にポインターを合わせて [可視性] をクリックします。

    可視性ボタン

    マップにホット スポット レイヤーのみが表示されます。

    マップ上のホット スポット レイヤー

    赤い六角形のビンが空間的に有意なクラスタリングの地域を示し、白い六角形のビンは有意でないクラスタリングの地域を示します。 このマップには青い領域は存在しませんが、存在する場合は、統計的にクラスタリングの少ない地域を表します。 このマップは、事故が統計的には市全体で規則的に発生しているものの、ダウンタウン地域では統計的に有意なクラスタリングが存在することを示しています。

    これらの結果はすべて、ダウンタウンで事故の発生率が高いパターンを指し示しています。 これで、データに対する理解が深まりました。

  18. [Traffic Collision Hot Spots] レイヤーにポインターを合わせて [可視性] をクリックします。 [Traffic Collisions] レイヤーを再びオンにします。

レイヤー スタイルの構成

次に、事故のレイヤーのシンボルを変更して、さまざまなカテゴリの事故を表示します。 特に、負傷のみの事故と死亡事故を区別したいと考えています。 自転車の事故と歩行者の事故も区別したいと考えています。 この情報は調査結果に詳細内容を追加し、テーマに対する政策決定者の意思決定をサポートします。

これら 4 つのシンボル カテゴリーを作成するには、Arcade 式を使用します。 Arcade 式は属性情報を使用してスタイルを決定します。

  1. [レイヤー] ウィンドウで、[Traffic Collisions] をクリックして選択します。
  2. [設定] ツールバーの [スタイル] をクリックします。
  3. [スタイル] ウィンドウの [属性の選択][式] をクリックします。

    式ボタン

    Arcade 式エディターのウィンドウが開きます。 新しい式のデフォルト名は [新しい式] です。

  4. デフォルト名を削除して、「Collision Type」と入力します。

    式の最初の部分では、シンボル表示する 4 つのカテゴリを表す変数を作成します。 各変数が、カテゴリに関する情報を含む属性フィールドを参照します。 最初の変数は、歩行者と自転車を巻き込む事故に対応します。

  5. 式エディターで、サンプル コードの最初の 3 行を削除します。 1 行目に、「var type = 」と入力します。

    タイプ変数の行の前半分

    Arcade では、var は変数を意味します。 type という単語は、ユーザー選択の変数名です。 次に、この変数を定義する属性フィールドを選択します。 データのテーブルを確認したときに学んだように、[InvolvedWith] フィールドには、歩行者と自転車のどちらが事故に巻き込まれたのかに関する情報が含まれます。 変数を式に追加するには 2 つの方法があります。 最初に、[プロファイル変数] タブを使用します。 [プロファイル変数] 方法は、Arcade 構文がよくわからない場合や、使用可能な変数のリスト全体を確認したい場合に使用することをお勧めします。

  6. [プロファイル変数] ボタンをクリックします。

    プロファイル変数ボタン

  7. [プロファイル変数] ウィンドウで、[$feature] の横の矢印をクリックします。

    $feature 変数

  8. フィールドのリストをスクロールして [$feature.InvWith] をクリックします。

    Arcade 式に追加する InvolvedWith フィールド

    このフィールドが式に追加されます。

    完成したタイプ変数の行

    この変数は歩行者と自転車の両方に使用できるので、あと 2 つの変数を作成するだけです。1 つは死者、もう 1 つは負傷者を表すものです。 [NumberKilled] および [NumberInjured] フィールドには、これらの変数に関連する情報が含まれます。 変数を追加するための構文がわかったので、式エディターから直接、これらの変数を追加します。

  9. 行の末尾をクリックして Enter を押します。 2 行目に、「var fatal = $」と入力します。 自動完成の候補で [feature] を選択します。

    自動完成の候補

  10. [$feature] の後にピリオド (「.」) を入力します。 自動完成の候補で [NoKilled] を選択します。

    NoKilled 変数

  11. injured」という名前の別の変数を作成して、フィールドを [NumberInjured] として設定します。
    ヒント:

    式を作成するのが難しい場合は、次のテキストをコピーして貼り付けることができます。

    var fatal = $feature.NoKilled
    var injured = $feature.NoInjured

    3 つの完成した変数

    これらの 3 つの変数は、マップ上に描く 4 つのタイプの属性を表しています。 ただし、これらの変数は排他的ではありません。 歩行者または自転車を巻き込む事故により、負傷者または死者が発生する可能性があります。 タイプ、死亡、負傷の変数には 4 つの組み合わせがあります。

    • 歩行者と死者が関係する事故。
    • 歩行者と負傷者が関係する事故。
    • 自転車と死者が関係する事故。
    • 自転車と負傷者が関係する事故。

    これらの組み合わせを示すために、関数を作成します。

  12. Enter キーを 2 回押します。 5 行目に、「When (」と入力します。

    When 関数は、特定の条件と一致して、特定のシンボル カテゴリが使用されるタイミングを示します。 まず、歩行者の死者に対するシンボル カテゴリを作成します。

  13. type == "Pedestrian" && fatal == "1", "Pedestrian Fatality"」と入力します。

    Pedestrian Fatality (歩行者の死者) カテゴリを作成するための関数

    この関数の構文は紛らわしいように見えますが、要約すると、type 変数が Pedestrian と等しく、fatal 変数が 1 と等しい (死者 1 人を意味する) 場合、Pedestrian Fatality という名前のカテゴリが使用されます。

    When 関数にその他のカテゴリに対する行をさらに追加します。

  14. カンマを入力して、Enter キーを押します。 次の行を括弧内の式に追加します。
    type == "Pedestrian" && injured != "0", "Pedestrian Injury",  
    type == "Bicycle" && injured != "0", "Bicycle Injury",
    type == "Bicycle" && fatal == "1", "Bicycle Fatality",
    null

    最終的な Arcade 式

    注意:

    injured != "0" という式の一部は、負傷者が 0 以外の任意の数であれば条件を満たすことを示しています。 事故の中には複数の負傷者が発生するものがあるので、この構文が必要です。 ただし、データ内に、自転車または歩行者が巻き込まれた事故で複数の死者が発生したものはないので、fatal == "1" には死者が発生したすべての事故が含まれます。 こうした詳細は、ポリシー マップを作成する前にデータを理解することが重要である理由を示しています。

  15. [完了] をクリックします。
  16. [スタイル] ウィンドウの [スタイルの選択] で、[タイプ (個別値シンボル)] をクリックします。

    式を使用して事故がシンボル表示されます。 各カテゴリが異なるシンボルで表されます。

    Arcade 式によってシンボル表示されたマップ

    指定した 4 つのカテゴリに加えて、[その他] という名前の 5 番目のカテゴリがあります (グレーのシンボル)。 このカテゴリには、作成済みのカテゴリのどの条件も満たさない事故が含まれます。 これらの事故では、負傷者も死者も発生していない可能性があります。

    次に、もっと視覚的に違いが明確なシンボルを作成します。

カテゴリー別のスタイルを構成

死亡事故にもっと大きなシンボルを割り当て、歩行者と自転車の事故を色分けします。 [その他] シンボルも削除します。これらの事故はおそらく軽微で、政策に影響しないからです。

  1. [スタイル] ウィンドウの [タイプ (個別値シンボル)][スタイル オプション] をクリックします。

    タイプ描画スタイルのスタイル オプション

    ウィンドウが切り替わり、カテゴリとそれぞれのシンボルのリストが表示されます。

  2. [その他] をオフにします。
  3. 3 つのドットを各シンボルの左側にドラッグして、それぞれを次の順序に並べ替えます。
    • Pedestrian Fatality
    • Pedestrian Injury
    • Bicycle Fatality
    • Bicycle Injury

    並べ替えられたシンボルのリスト

  4. [Pedestrian Fatality] シンボルをクリックします。

    Pedestrian Fatality シンボル

    [シンボル スタイル] ウィンドウが開いてシンボル オプションが表示されます。 シンボルを赤色にしてサイズを大きくします。

  5. [塗りつぶし色] をクリックします。 [色の選択] ウィンドウで、16 進数の値を「FF4040」に変更します。

    Pedestrian Fatality シンボルの 16 進数の値

  6. [完了] をクリックします。
  7. [基本ポイント] の下で、[サイズを自動調整] をオフにします。 [サイズ] を「15」px に変更します。

    Pedestrian Fatality シンボルのサイズの値

  8. [シンボル スタイル] ウィンドウを閉じます。
  9. 残りのシンボルを次のパラメーターで変更します。
    • [Pedestrian Injury] で、塗りつぶし色の 16 進数の値を「FF4040」に、サイズを「3」px に設定します。
    • [Bicycle Fatality] で、塗りつぶし色の 16 進数の値を「FFAA00」に、サイズを「15」px に設定します。
    • [Bicycle Injury] で、塗りつぶし色の 16 進数の値を「FFAA00」に、サイズを「3」px に設定します。

    死者には大きなシンボルが付けられ、負傷事故と死亡事故の重大度の違いが示されます。

    Traffic Collisions レイヤー用に完全に構成されたスタイル

  10. [スタイル オプション] ウィンドウで [完了] を 2 回クリックします。

    最後に、シンボルがさらに目立つようにベースマップを変更します。

  11. [コンテンツ] ツールバーの [ベースマップ] をクリックします。 [ベースマップ] ウィンドウで、[キャンバス (ダーク グレー)] を選択します。

    キャンバス (ダーク グレー) ベースマップ オプション

    ベースマップが自動的に切り替わります。

    シンボル表示されたマップ

    これで、ポイントとベースマップの色が競合しなくなったので、事故が目立つようになりました。 自転車と歩行者の事故にも明確な違いがあります。

スクール エリアの追加

政策決定となると、ホット スポットとヒート マップは大したコンテキストを提供せず、データに関して明確な主張を行いません。 ここでのテーマは単なる事故ではなく、学校近辺の事故についてなので、Pasadena Unified School District (PUSD) の学校のレイヤーをマップに追加します。 後で、各校から半マイルの徒歩距離のエリアを見つけます。

  1. [コンテンツ] ツールバーの [追加] をクリックし、[レイヤーの参照] を選択します。 [マイ コンテンツ] をクリックして [ArcGIS Online] を選択します。
  2. 検索ボックスに「PUSD Schools owner:Esri_Tutorials」と入力し、Enter キーを押します。 結果のリストで、[PUSD Schools] に対して [追加] ボタンをクリックします。

    PUSD Schools レイヤーの追加ボタン

    学校のレイヤーがマップに追加されます。 デフォルトでは、学校には赤色のポイント シンボルが付いており、事故のポイントとの区別がつきにくい状態です。 学校がさらに目立つようにシンボルを変更します。

  3. [コンテンツ] ツールバーの [レイヤー] をクリックします。 [レイヤー] ウィンドウで、[PUSD Schools] が選択されていることを確認します。
  4. [設定] ツールバーの [スタイル] ボタンをクリックします。 [位置 (単一シンボル)] で、[スタイル オプション] をクリックします。
  5. [シンボル スタイル] をクリックします。

    シンボル スタイル オプション

  6. [シンボル スタイル] ウィンドウの [現在のシンボル][基本ポイント] をクリックします。 四角のシンボルをクリックします。

    基本形状カテゴリの四角のシンボル

  7. [シンボル スタイル] ウィンドウの下部にある [完了] をクリックします。

    四角形なので、事故の円形と区別しやすくなります。 色も白色に変更して、暗色のベースマップに対して目立ちやすくします。

  8. [塗りつぶし色] をクリックします。 [色の選択] ウィンドウで、16 進数の値を「FFFFFF」に変更して [完了] をクリックします。
  9. [塗りつぶしの透過表示] で「40」と入力します。

    塗りつぶし色と塗りつぶしの透過表示のパラメーター

  10. アウトラインに関する次のパラメーターを設定します:
    • [アウトライン色] で、色が [#FFFFFF] であることを確認します。
    • [アウトラインの透過表示] で「0」と入力します。
    • [アウトライン幅] に「2」と入力します。
  11. [シンボル スタイル] ウィンドウを閉じます。

    シンボルがマップに適用されます。

    学校がシンボル表示されたマップ

    これで学校が目立つようになり、事故と見分けがつくようになりました。

  12. [スタイル オプション] ウィンドウで [完了] を 2 回クリックします。

移動エリアの作成

次は、各校周辺に徒歩時間エリアを作成します。 後で、各校近隣の衝突数を計算できるようになります。

  1. [設定] ツールバーの [解析] をクリックします。 [戻る] ボタンをクリックして、ツールのリストに戻ります。
  2. [近接性の使用] グループを展開して、[移動エリアの生成] ツールをクリックします。

    移動エリアの生成ツール

    このツールは、道路網データを使用して、特定の運転距離/時間または徒歩距離/時間内で到達可能なエリアを作成します。 学校から半マイルの徒歩距離のエリアを作成すると、多数の生徒の歩行者が発生する可能性がある場所が示されます。

  3. [入力レイヤー] で、[レイヤー] をクリックして [PUSD Schools] レイヤーを選択します。
  4. [解析の設定] で次のパラメーターを設定します:
    • [移動モード][徒歩距離] を選択します。
    • [カットオフ] に「.5」と入力し、Enter を押します。
    • [カットオフ単位][マイル] を選択します。

    移動エリアの生成ツールの解析の設定のパラメーター

    スクール エリアが重なる場合は、それらを明確に異なるフィーチャとして維持する必要があります。 そうすれば、各エリアの事故数を計算できるようになります。

  5. [重なりポリシー] で、[重ねる] が選択されていることを確認します。

    移動エリアの生成ツールの結果レイヤーの名前パラメーター

  6. [出力名] に「Half Mile Walking Distances from Schools」と入力して、自分の名前またはイニシャルを付加します。
  7. [実行] をクリックします。
    注意:

    このツールの実行には 15 クレジットが必要です。

    ツールの実行には少し時間がかかる場合があります。 完了すると、徒歩時間エリアがマップに追加されます。 大部分は学校を中心とする周辺です。

    移動エリアの生成解析ツールの結果レイヤー

    レイヤーを並べ替えて、徒歩時間エリアが学校および事故レイヤーの下に表示されるようにします。

  8. [レイヤー] ウィンドウで、[Half Mile Walking Distances from Schools] レイヤーを [Traffic Collisions] レイヤーの下にドラッグします。

    レイヤー ウィンドウでのレイヤーの順序

    レイヤーのスタイルも変更して、これらのエリアをもっと透過的に表示し、学校と一致する白色にします。

  9. 必要に応じて、[Half Mile Walking Distances from Schools] レイヤーをクリックして選択します。 [設定] ツールバーの [スタイル] をクリックします。
  10. [場所 (単一シンボル)] で、[スタイル オプション] をクリックします。
  11. [シンボル スタイル] をクリックします。 [シンボル スタイル] ウィンドウで、[塗りつぶしの透過表示] を「75」パーセントに変更します。
  12. [塗りつぶし色] で、最近使用した色のグループから白色をクリックします。 [アウトライン色][色なし] を選択します。

    塗りつぶし色とアウトライン色のパラメーター

  13. [スタイル] ウィンドウで [完了] を 2 回クリックします。

    新しいスタイルがマップに適用されます。

    マップ上の学校からの徒歩距離

    一部のスクール エリアでは歩行者または自転車の事故が発生していませんが、その他のエリアではかなりの件数になっています。 同時に、事故の密度が大きいエリアはどのスクール エリア内にも入っていません。 ヒート マップを超える情報を追加することで、政策決定者に重要なコンテキストが提供されます。

最も危険なスクール エリアの検出

ここで解析を停止して、このマップを根拠にしてすべてのスクール ゾーンを包含する政策を実施することもできます。 こうしたエリアの道路標識を変え、自転車レーンを増やすことで、学校付近の事故は減少する可能性があります。

しかし、すべての場所で新しい政策を実施するには市の資金が足りない場合があります。 パサデナ市の多くのスクール ゾーンではほとんど事故が発生していないので、これらのエリアにおける政策効果はほとんどないと考えられます。 代わりに、政策決定者は、政策努力を最も必要とするエリアに重点を置く必要があります。

各スクール ゾーン内の事故数を計算し、レイヤーをフィルター処理して最も危険な 5 つのゾーンのみを表示します。 これで政策決定者は、すでに比較的安全なゾーンよりもこれらのゾーンを優先させることができます。

  1. [設定] ツールバーの [解析] ボタンをクリックします。 [戻る] ボタンをクリックして、ツールのリストに戻ります。
  2. [データの集計] グループで、[エリア内での集計] ツールをクリックします。

    エリア内での集計ツール

    このツールは、ポリゴン フィーチャ内のポイント フィーチャの数を集計します。

  3. [入力フィーチャ] で、[レイヤー] をクリックして [Traffic Collisions] を選択します。
  4. [集計ポリゴン レイヤー]で、[Half Mile Walking Distances from Schools] を選択します。

    入力フィーチャと集計ポリゴン レイヤーのパラメーター

    ここで知りたいのは各ポリゴン内のポイント数のみなので、その他の統計や属性フィールドによるグループを追加する必要はありません。

  5. [出力名] に「Five Most Dangerous School Zones」と入力して、自分の名前またはイニシャルを付加します。
  6. [実行] をクリックします。
    注意:

    このツールを実行するには、約 2 クレジットが必要です。

    ツールが実行され、レイヤーがマップに追加されます。 各スクール ゾーンの事故数に関する情報は、レイヤーのテーブル内にあります。

  7. [レイヤー] ウィンドウの [Five Most Dangerous School Zones] レイヤーで、[オプション] ボタンをクリックして [テーブルの表示] を選択します。
  8. [Count of Points] フィールドまでスクロールします。 このフィールドで、[メニュー] ボタンをクリックして、[降順で並べ替え] を選択します。

    [降順で並べ替え] オプション

    テーブルが並べ替えられ、事故数の多いスクール ゾーンが最初に表示されます。 最初の 5 つのスクール ゾーンの事故数の合計は、それぞれ 205、196、155、112、93 です。

    6 番目のスクール ゾーンの事故数は 90 で、5 番目に多い事故数と大差ありません。 この情報の限りでは、6 番目のスクール ゾーンに政策を拡大することも検討の余地があります。 あるいは、市の財源によっては、政策の重点を最も危険な 3 つのスクール ゾーンのみに置くように制限することも考えられます。これらの事故数は 4 番目を大きく引き離しているからです。

    このシナリオでは、引き続き 5 つの最も危険なスクール ゾーンに重点を置きます。 レイヤーをフィルター処理して、3 つのゾーンのみを表示します。

  9. テーブルを閉じます。 [設定] ツールバーの [フィルター] ボタンをクリックします。
  10. [フィルター] ウィンドウで、[新規追加] をクリックします。 [Count of Points が 93 以上] という式を作成します。

    危険なスクール ゾーンに対応する式

    この式によりレイヤーがフィルターされ、事故数が 93 件以上のスクール ゾーンのみが表示されます。 5 番目に危険なスクール ゾーンの事故数は 93 件なので、上位 5 つのみが表示されることになります。

    5 つの最も危険なスクール ゾーン

  11. [フィルター] ウィンドウの下部で、[保存] をクリックします。

    5 つの最も危険なスクール ゾーンはすべて、互いに比較的近い場所にあります。 最も危険なゾーンのうち 2 つは全体がほとんど重なり合っています。つまり、市は多くの同じ政策決定によってこの 2 つの学校の安全を向上できるということです。

    危険なスクール ゾーンのレイヤーのデフォルトの描画スタイルには、ゾーン内の事故数に比例するサイズのポイントが含まれています。 このシンボルは他のポイント データの邪魔になるので、描画スタイルを変更します。

  12. [設定] ツールバーの [スタイル] をクリックします。 [スタイル] ウィンドウの [属性の選択] で、[Count of Points] を削除します。

    描画スタイルが変更されます。 危険なスクール ゾーンが単一の塗りつぶし色で表示されるようになります。 塗りつぶし色を削除し、アウトラインを変更します。

  13. [位置 (単一シンボル)] で、[スタイル オプション] をクリックします。
  14. [シンボル スタイル] をクリックします。 次のパラメーターを設定します。
    • [塗りつぶし色][色なし] をクリックします。
    • [アウトライン色] には、白 (「FFFFFF」) を選択します。
    • [アウトラインの透過表示] で「0」と入力します。
    • [アウトライン幅] に「2」と入力します。

    5 つの最も危険なスクール ゾーンのシンボル スタイル設定

  15. [スタイル] ウィンドウで [完了] を 2 回クリックします。

    レイヤーのスタイルが設定されます。

    シンボル表示更新後の危険なスクール ゾーン

マップの内容の整理と保存

最後に、いくつかのレイヤーの名前を変更して自分の名前またはイニシャルを削除するか、明確さを付加します。 不要なレイヤーの削除も行います。 次に、マップを保存します。

  1. [レイヤー] ウィンドウの [Five Most Dangerous School Zones] レイヤーで、[オプション] をクリックして [名前の変更]を選択します。

    オプション メニューの名前の変更オプション

  2. レイヤー名から自分の名前またはイニシャルを削除します。 [OK] をクリックします。
  3. [Half Mile Walking Distances from Schools] レイヤーの名前を同じ方法で変更します。

    [PUSD Schools] レイヤーの名前も変更します。 ユーザーが頭字語に詳しくない可能性があり、学区 (school district) は学校の地理的場所よりも重要性が低いと考えられます。

  4. [PUSD Schools] を「Schools」に名前変更します。

    ポリシー マップではホット スポットのレイヤーを使用しませんでした。 したがって、このレイヤーを削除します (使用する場合は、アカウントのコンテンツ内に存在しています)。

  5. [レイヤー] ウィンドウの [Traffic Collision Hot Spots] で、[オプション] ボタンをクリックして [削除] を選択します。
  6. [コンテンツ] ツールバーの [保存と開く] をクリックして [名前を付けて保存] を選択します。

    名前を付けて保存オプション

  7. [マップの保存] ウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
    • [タイトル] には「Pasadena Traffic Collisions」と入力します。
    • [タグ] に「Pedestrians」、「Bicycles」、「Schools」、「Pasadena」、「California」と入力します (タグを入力するたびに Enter を押します)。
    • [サマリー] には「This map displays traffic collisions in Pasadena, California.」と入力します。
  8. [保存] をクリックします。

これで、政策の介入によるメリットが予想される 5 つのスクール ゾーンをハイライト表示したマップが作成できました。 このマップは、データ ポイントの位置を示すだけでなく、支援が最も必要なエリアに対する見解を示しています。 次のステップでは、マップをコミュニティと共有する方法に応じて、ArcGIS Instant Apps テンプレートの 1 つを使用してアプリを作成するか、ArcGIS StoryMaps を使用してストーリーを作成します。 これらの作成方法については、「アプリの作成」または「ArcGIS StoryMaps の基本操作」をご参照ください。

ポリシー マッピングは、GIS を使用することで、周囲にある問題を検出し、地理的見地からその問題を理解し、データを調べ、関与する問題への理解をパーソナライズし、可能な介入ポイントを表示し、状況改善の進行を追跡することを目的としています。 このチュートリアルで学んだ実践内容を身につけて、自分が作成するポリシー マップに適用することができます。 はじめに、テーマを定義することから始めます。 次に、テーマに関連する正式な空間データを見つけます。 さらにコンテキストとなるデータを追加し、パターンを解析します。 交通事故から人口分布まで、同様の手法を適用できます。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。