ポリシー マップの作成
ポリシー マップは、政策的な介入が優先される必要がある地域を示すマップです。 選挙で選ばれた役職者が、ユーザーが提案する特定地域の専門知識を持っていない可能性があるため、これらの役職者がマップを明確かつ簡単に理解できるよう配慮することは重要です。 また、マップに説得力を持たせ、アクションのきっかけとなるようにする必要があります。 ここでは、まず全米で出生時体重が低い郡を示すポリシー マップを作成します。 次に、ミシシッピ州に注目します。 このマップでは、新生児の健康に関する結果を改善するための介入プログラムを最も必要としている郡に焦点を当てます。
このマップでは、CDC の低出生時体重に関する目標達成間近の郡と、介入によって最大の効果が見込まれる、最大の外れ値を持つ郡を示します。
新しいマップへのデータの追加
まず、データを用意します。 ArcGIS Living Atlas of the World には正式な GIS データが多数あるので、出生時体重の郡別データを検索します。
- 「ArcGIS の組織アカウント」にサイン インします。
注意:
組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
- 組織サイトのホーム ページ上部にある [コンテンツ] をクリックします。
- リボンの [Living Atlas] をクリックします。
このタブには、ArcGIS Living Atlas のさまざまなコンテンツが含まれます。
- [Living Atlas の検索] ボックスに、「County Health Data」と入力します。 検索結果で、[County Health Rankings 2023] を選択します。
フィーチャ レイヤーのアイテム ページが表示されます。
このページには、データとそのソースに関するドキュメントが含まれています。 データの出典は County Health Rankings & Roadmaps なので、信頼性があります。 しかし、このレイヤーには出生時体重に関するデータはあるでしょうか。
- [データ] タブをクリックします。
データ属性がテーブルとして表示されます。 テーブルには数多くのデータが含まれているので、必要なデータを入手するために、属性フィールド名のリストを検索します。
- 上部の隅にある [フィールド] をクリックします。
- 検索バーに「Birth」と入力します。
この検索では複数の結果が返されますが、多くが低出生時体重の割合に関するものです。 このレイヤーを使用し、ポリシー マップを作成できます。
- [概要] タブをクリックします。
説明のリンクの 1 つをクリックすると、ダウンロード可能な Excel スプレッドシートのリストが開きます。 レイヤーのベースとなっているのは、「2023 County Health Rankings National Data」スプレッドシートです。 スプレッドシートをダウンロードし、[Ranked Measure Sources & Years] タブを開くと、2014 年~ 2020 年の低出生時体重のデータが含まれています。
データをポリシー マップで使用する前にデータを理解し、その出典を把握しておくことが重要です。 詳細ページやメタデータを必ずお読みください。 これで、新規マップにデータを追加する準備が整いました。
- アイテム ページで [Map Viewer で開く] をクリックします
マップが開き、米国の郡の境界が表示されます。
- [コンテンツ] (暗い背景の) ツールバーで、[保存と開く] をクリックしてから [名前を付けて保存] をクリックします。
注意:
Map Viewer のツールバーを折りたたんで、マップを表示するスペースを拡張できます。 [コンテンツ] ツールバーのラベルが表示されていない場合は、下部にある [展開] をクリックします。
- [マップの保存] ウィンドウで、次のパラメーターを入力します。
- [タイトル] に「Low Birth Weight by County, 2014-2020」と入力します。
- [タグ] に、「Birth Weight」、「Newborns」、「United States」、「public health」と入力します。
- [サマリー] に、「This map shows the rate of low birth weight by county relative to the 2020 CDC goal of reducing the rate of infants born with low birth weight to 7.8 percent」(このマップは、低出生時体重の新生児の割合を 7.8% に減らす CDC の 2020 年目標に対する郡別の低体重の割合を示しています) と入力します。
- [保存] をクリックします。
全国的なパターンの発見
対象となる州に注目する前に、全国的なパターンを見出して、出生時体重の状況に対する理解を深めます。 データのパターンを見ると、さまざまな形でデータをスタイル設定する際に役立ちます。
まず、ベースマップを変更します。 一般的なデフォルトは、[地形図] ベースマップです。これは、参照マップとして設計されたものです。 データを強調するため、地形フィーチャが少ない [Human Geography Map] ベースマップを使用します。
- [コンテンツ] ツールバーの [ベースマップ] をクリックします。 [ベースマップ] ウィンドウを下にスクロールして、[Human Geography Map] をクリックします。
ベースマップが変更されます。 次に、データのスタイルを変更し、低出生時体重の割合が高い郡と低い郡を色分けします。
- [コンテンツ] ツールバーの [レイヤー] をクリックします。 [レイヤー] ウィンドウで、[County Health Rankings 2023] を展開します。
[County Health Rankings 2023] グループ レイヤーには、[Nation]、[State]、[County] の 3 つのレイヤーがあります。 [Nation] と [State] のレイヤー名はグレーになっており、これらが現在マップ上で表示されていないことを意味しています。 [County] レイヤーのみが表示されています。
- マップで、レイヤーが表示されるまで縮小します。
異なる地理的単位に対して異なるレイヤー表示設定を行うことで、データを表示するズーム レベルを考慮してマップ データを操作することができます。 このチュートリアルでは、主に [County] レイヤーのデータの確認と構成を行います。
- [County] レイヤーが再び表示されるまで拡大します。
- [レイヤー] ウィンドウで、[County] レイヤーをクリックして選択します。
レイヤー名の横にある青いバーは、そのレイヤーが現在選択されていることを示しています。
- [設定] (明るい背景の) ツールバーで、[シンボル] をクリックします。
- [スタイル] ウィンドウの [属性の選択] で、削除ボタンをクリックして [Percentage of adults that report fair or poor health] 属性を削除します。
- [フィールド] をクリックします。
- [フィールドの選択] ウィンドウで、「birthweight」を検索します。 [Percentage of births with low birthweight (<2500g)] を選択します。
- [追加] をクリックします。
このフィールドはパーセントまたは割合なので、デフォルトでは (サイズまたは単一シンボルではなく) 色の描画スタイルが選択され、郡は高から低のカラー ランプで自動的にスタイル設定されます。
色の分布は、凡例で説明します。 色の濃い郡では、新生児の 10% 以上が低体重と見なされていました。 色の薄い郡では、新生児の 6% 未満が低体重でした。 米国の南西部の多くの郡と、ニューメキシコ州およびコロラド州のいくつかの州で、低体重の割合が高くなっています。
次に、ヒストグラムを確認して、値の分布をさらに掘り下げます。
- [スタイルの選択] の [数と量 (色)] ボックスで、[スタイル オプション] をクリックします。
[スタイル オプション] ウィンドウが開き、ヒストグラムが表示されます。
最小値は 0.0 (群によってはデータがないことを示しています)、最大値は 21.7 です。 x̅ シンボルは平均値 (7.9%) を示します。 ただし、これを全国平均と考えるべきではありません。 データの平均値はすべての郡を均等として見なします。つまり、郡の人口差は考慮に入れていません。
ヒストグラムの横に表示される値 (10.4 と 5.5) は、平均値から 1 ポイント上、および 1 ポイント下の標準偏差を表します。 これらの値は、最も濃い色と最も薄い色の区切りとして割り当てられています。 データのデフォルトの統計的分類でも問題ありませんが、設定に変更を加えて、さらに多くのパターンを明らかにします。
- [テーマ] で [上下] を選択します。
マップのスタイルが変わります。 今回は、2 つの色を使用して平均よりも上の値と下の値を表します。 最も濃い色と最も薄い色の区切りは変わりません。 ただし、ヒストグラムに 7.93 という新しいハンドルが追加されました。これは平均の近似値です。
CDC が発表した統計によると、2020 年の全国での低出生時体重の割合は 8.24% でした。 この値に一致するように真ん中のハンドルを変更します。
- ヒストグラム上の真ん中のハンドル値をクリックし、「8.24」と入力して Enter キーを押します。
ヒント:
ハンドルをドラッグして調整することもできます。
マップ上で郡の色が調整されます。
- 下限ハンドルを「7.8」に変更します。
この割合は、CDC が 2020 年の低出生時体重の平均として掲げた目標です。 この値を平均値としてマップのスタイルを設定することで、目標を達成するために支援が必要な郡が明確にわかります。
データセットは尾が長くなっています。 つまり、外れ値が大きいということです (最大値は約 22%)。 外れ値も、平均から標準偏差 1 ポイント分しか違わない場合も、スタイル設定はまったく同じです。 次に、データ分布を変更して、最も支援が必要な郡を見やすくします。
- 上部ハンドルを「11」に変更します。
マップ上で、CDC の目標値を上回る値がグラデーションで表示されます。
次に、使用するカラー ランプを変更します。 ベースマップの色は薄いので、高い値 (濃い色) に着目してもらえるよう中心が薄い色のカラー ランプを使用します。 さらに、CDC の目標値を下回る値はポリシー マップには無関係なので、強調しないようにします。
- [シンボル スタイル] でカラー ランプをクリックします。
- [シンボル スタイル] ウィンドウの [色] で、カラー ランプをクリックします。
- [オレンジおよびグレー 1] カラー ランプを選択します。
- [完了] をクリックします。
- [スタイル オプション] ウィンドウで [完了] をクリックします。 [シンボル] ウィンドウで [完了] をクリックします。
これで、2020 年の目標である低出生時体重の新生児の割合 7.8% を超過している、最も懸念される郡を視覚的に捉えられるマップになりました。
- [コンテンツ] ツールバーで [保存して開く] をクリックしてから [保存] をクリックします。
マップが保存されます。
ポップアップの構成
マップ上のデータをクリックすると、そのデータの属性に関する情報を含むポップアップが表示されます。 郡をクリックすると、その郡で低体重で生まれた子どもの割合が表示されるようにすると便利です。
- マップ上の郡をクリックして、そのポップアップを開きます。
デフォルトのポップアップには、健康状態が不良または普通と報告した割合、健康の結果および健康要因に関する郡のランキングの説明が含まれています。 このマップは低出生時体重の新生児の割合を扱っているため、ポリシー マップに関連する情報のみを表示するよう、ポップアップを構成します。
- ポップアップを閉じます。
- [設定] ツールバーの [ポップアップ] をクリックします。
[County] レイヤーの [ポップアップ] ウィンドウが表示されます。
- [ポップアップ] ウィンドウの [テキスト] で、[オプション] ボタンをクリックしてから [削除] をクリックします。
- [コンテンツの追加] をクリックし、[テキスト] を選択します。
- 表示されたテキスト エディターで、次のテキストを入力します (またはコピーして貼り付けます)。
The percent of babies born at low birth weight (5.5 lbs or less) between 2014 and 2020 in {COUNTY}, {state}, was {v037_rawvalue} percent.
In 2020, the national rate of low birth weight infants was 8.24 percent. The CDC set a goal in 2007 to reduce the rate of low birth weight infants to 7.8 percent by 2020.
テキスト [{v037_rawvalue}] は、[Percentage of births with low birthweight] 属性のフィールド名です。 重要な情報が見やすくなるよう、ポップアップ テキストを書式設定します。
- [{v037_rawvalue}] をハイライト表示して、[太字] ボタンをクリックします。
- テキスト [8.24 percent] をハイライト表示し、[太字] ボタンをクリックします。
- [OK] をクリックします。
ポップアップのプレビューが新しいポップアップ テキストで更新されます。
ポップアップには、ポリシー マップに関連する重要な情報が表示されるようになりました。
次に、人種および民族別の低出生時体重の割合の違いを示すチャートをポップアップに追加します。
- [ポップアップ] ウィンドウで、[コンテンツの追加] をクリックし、[チャート] を選択します。
- [チャートの構成] ウィンドウで、[フィールドの選択] をクリックします。
- 検索バーに「birthweight」と入力します。 以下のフィールドを選択します。
- Percentage of births with low birthweight (<2500g) for non-Hispanic American Indian and Alaska Natives
- Percentage of births with low birthweight (<2500g) for non-Hispanic Asians
- Percentage of births with low birthweight (<2500g) for non-Hispanic Blacks
- Percentage of births with low birthweight (<2500g) for Hispanics
- Percentage of births with low birthweight (<2500g) for non-Hispanic whites
- [完了] をクリックします。 [チャートの構成] ウィンドウで、[完了] をクリックします。
- [ポップアップ] ウィンドウの [メディア] で、[タイトル] に「Percentage of births with low birth weight by race and ethnicity」と入力します。 [説明] に、「Point to each bar to see more information」と入力します。
ポップアップのプレビューにチャートが表示されます。
ポップアップは、重要な情報だけを表示します。 一部の郡では人種および民族データが報告されていないため、チャートは空になります。
- ポップアップを閉じ、[ポップアップ] ウィンドウを閉じます。 マップを保存します。
州別の低出生時体重のマップ作成
作成したマップは、全米における低出生時体重の問題に対処する際に有益です。 ただし、州レベルでは、意思決定者が郡に関する政策決定に活用する機会が多いかもしれません。 ここでは、州が CDC の目標を達成できるよう、ターゲットを絞った介入を実施する必要がある州内の郡を明示的にハイライト表示します。
そのために、州別の低出生時体重のマップを作成し、低出生時体重の影響が大きい州を特定します。
- [レイヤー] ウィンドウで、[County] レイヤーにポインターを合わせ、[表示設定] ボタンをクリックしてオフにします。
- [State] レイヤーがマップに表示されるまで縮小します。
- [レイヤー] ウィンドウで、[State] レイヤーをクリックして選択します。 [設定] ツールバーの [スタイル] をクリックします。
- [スタイル] ウィンドウの [属性の選択] で、[Percentage of adults that report fair or poor health] を削除します。 [フィールド] をクリックして [Percentage of births with low birthweight] を追加します。
- [数と量 (色)] で、[オプション] をクリックします。
- [スタイル オプション] ウィンドウで、以下を更新します。
- [テーマ] で [上下] を選択します。
- [シンボル スタイル] で、[オレンジおよびグレー 1] を選択します。
- ヒストグラムで、上限の閾値を「11」に変更します。
- 両方のスタイル ウィンドウで [完了] をクリックします。
このビューから、低出生時体重の新生児の割合が最も高い州はミシシッピ州であることが判断できます。 ルイジアナ州とアラバマ州でもこの割合が高くなっています。
介入が必要な郡の特定
マップのコピーを保存し、割合が最も高い州として特定したミシシッピ州の郡だけを表示するようデータをフィルターします。 次に、現在の低出生時体重の割合が 2020 年の目標に対してどれだけ近いか (またはかけ離れているか) を基準にミシシッピ州の郡をシンボル表示します。
注意:
必要であれば、ミシシッピ州だけではなく、米国のどの州でもこのワークフローを実行できます。
- [コンテンツ] ツールバーで [保存して開く] をクリックして [名前を付けて保存] を選択します。 次のパラメーターを入力します。
- [タイトル] には「Priority Counties for Prenatal Programs」と入力します。
- [タグ] で [United States] タグを [Mississippi] に置換します。
- [サマリー] に、「Map showing Mississippi counties that should be prioritized for additional resources and programs in maternal and child healthcare to reduce the rate of infants born with low birth weight」と入力します。
- [保存] をクリックします。
元のマップのコピーで作業を行っています。 次に、データをフィルターします。
- [レイヤー] ウィンドウで [County] レイヤーを選択します。 [表示設定] ボタンをクリックして再度オンにします。
- マップに複数の群が表示されるまで拡大します。
- [設定] ツールバーの [フィルター] をクリックします。
フィルターでは、条件式を使用して、レイヤーの中で表示するフィーチャを決定します。 特定のフィールドや属性を使用し、条件式を作成することができます。 データには州のフィールドがあるので、それを活用します。
- [フィルター] ウィンドウで、[新しく追加] をクリックします。
- [条件] で、[州の略語が MS に等しい] という式を作成します。
このフィルターは、これらの条件を満たすフィーチャのみを表示します。
- [フィルター] ウィンドウで [保存] をクリックします。
- マップ上でミシシッピ州を拡大します。
ミシシッピ州のほとんどの郡は濃いオレンジ色になっています。 州内で、郡別の低出生時体重の割合が高い範囲が存在します。 次に、州の値のヒストグラムを調べます。
- [設定] ツールバーの [スタイル] をクリックします。
- [スタイル] ウィンドウで、[スタイルの選択] の下にある [数と量 (色)] のスタイルで [スタイル オプション] をクリックします。
[スタイル オプション] ウィンドウで、州の低出生時体重データのヒストグラムを表示することができます。
国レベルで設定したブレークポイントが残っていますが、平均が 12.3% に変わっています。 この平均値は郡の人口差を考慮に入れていませんが、CDC は複数の健康トピックに関して州別の統計情報を提供しています。 CDC のレポートでは、ミシシッピ州の平均の低出生時体重は 12.3% でした。
低出生時体重の割合が州平均をすでに下回っている郡で、この割合をさらに減らすために多大な投資を行ったとしても、成果はあまり上がらないでしょう。 そのため、州としては、この割合が高い郡に注力する方が効果的です。 これらの郡では多大な投資が必要ですが、州全体の平均に大きな変化をもたらす可能性があります。
CDC が目標として掲げている 7.8% を若干上回るだけの郡に投じるリソースは少なくて済むため、このような郡も要介入としてハイライト表示します。 ポリシー マップでは、CDC 目標を大きく上回る郡と、若干上回るだけの郡の 2 つのグループを強調表示します。
介入の対象となる郡が明確にわかるようにマップ上で表示するには、値の増減に伴って徐々に色が変化する連続的なカラー ランプではなく、特定の値範囲を持つ郡に対して特定の色を使用します。 このスタイル設定によりマップが一目でわかりやすくなり、意思決定者にもシンプルで明確な内容を伝えられるようになります。
CDC 目標を上回る郡のみに自動的に焦点を当てる分類を使用するため、「高から低」のテーマを使用します。
- [スタイル オプション] ウィンドウの [テーマ] で、[高から低] を選択します。
- [シンボル スタイル] でカラー ランプをクリックします。 [色] でカラー ランプをクリックします。
- [ランプ] ウィンドウで [カテゴリ] を [赤と黄色] に変更します。 [オレンジ 4] を選択します。
- [完了] をクリックして [シンボル スタイル] ウィンドウを閉じます。 ヒストグラムの下で、[データの分類] をオンにします。
その他のオプションが表示されます。
デフォルトのデータ分類方法は [自然分類] で、データの分布に基づいてデータが複数のカテゴリに自動的に分類されます。 ここでは、全国平均 (8.24)、州全体の平均 (12.3)、全国平均の 2 倍の値 (16.5) に手動で分類を作成します。
- ヒストグラム上で、ヒストグラムのハンドルを (下から上へ) [8.24]、[12.3]、[16.5] に調整します。
次に凡例を調整して、それぞれの分類の意味を明確にします。
- 分類のリストまで下にスクロールします。 [> 16.5 - 20] ラベルをクリックし、「- Above 2x the national average, highest need for interventions」を追加して、Enter キーを押します。
- 残りのラベルを以下のように追加します。
- [> 12.3 - 16.5] に「- Above state average, very high need for interventions」を追加します。
- [> 8.24 - 12.3] に「- Above national average, high need for interventions」を追加します。
- [6.709 - 8.24] に「- Below national average, moderate to low need for interventions」を追加します。
- 両方のスタイル ウィンドウで [完了] をクリックします。
このマップは、介入が最大限に必要な 7 つの郡に加え、介入を推奨する郡の明確なカテゴリを示します。
- マップを保存します。
人種的平等コンテキストの追加
公共衛生の支援活動では、人種的不平等と、その不平等が介入の優先順位や方法論に与える影響を検討することが重要です。 レイヤーを複製し、黒人および白人の母親から生まれた低出生時体重の新生児の割合を示すように変更します。
注意:
このチュートリアルでは、黒人と白人の母親間の格差のみを調査しますが、特定の人口地域内のすべての人口統計グループで人種および民族の格差を考慮することがベスト プラクティスと見なされています。 このワークフローでは、すべての人種および民族グループについて、入手可能なすべてのデータを考慮することをお勧めします。
- [レイヤー] ウィンドウの [County] レイヤーで、[オプション] ボタンをクリックして、[名前の変更] を選択します。
- レイヤー名の末尾に「(Percent Low Birth Weight)」を追加し、[OK] をクリックします。
- [County (Percent Low Birth Weight)] レイヤーで、[オプション] ボタンをクリックして [複製] を選択します。
レイヤーのコピーが作成されます。
- [County (Percent Low Birth Weight)-Copy] レイヤーの名前を変更し、「County (Ratio Black to White)」にします。
- 必要に応じて [County (Ratio Black to White)] をクリックして選択します。 [スタイル] ウィンドウの [属性の選択] で [Percentage of births with low birthweight] フィールドを削除します。
- [条件式] をクリックします。
- 式の設定ウィンドウで、[新しい式] を「Ratio of Percentage Black Low Birth Weight to Percentage White Low Birth Weight」に置き換えます。
- 式ボックスで、以下のテキストを入力するか、コピーして貼り付けます。
$feature["v037_race_black"]/$feature["v037_race_white"]
[Percentage of births with low birthweight (<2500g) for non-Hispanic Blacks] のフィールド名は [v037_race_black] であり、[Percentage of births with low birthweight (<2500g) for non-Hispanic whites] のフィールド名は [v037_race_white] です。 この式を作成することで、黒人の母親から生まれた低出生時体重の新生児の割合と、白人の母親から生まれた低出生時体重の新生児の割合を比較する比率を作成します。 値が 1 の場合は、2 つのグループ間の割合が等しいことを意味します。 値が 1 を超える場合は、黒人の母親から生まれた低出生時体重の新生児の割合が、白人の母親の割合よりも高いことを示しています。 値が 1 未満の場合は、黒人の母親に比べて白人の母親のほうが、低出生時体重の割合が高いことを示しています。
- [完了] をクリックします。
- [スタイル] ウィンドウの [スタイルの選択] で [色とサイズ] をクリックします。 [スタイル オプション] をクリックします。
- [スタイル オプション] ウィンドウの [テーマ] で、[上下] を選択します。
マップが更新され、比率が平均より高いか低いかを示す山型シンボルが表示されます。 黒人の母親に低出生時体重の割合が多いかどうかを特定するため、適宜ヒストグラムを調整します。
- ヒストグラムで、ブレーク ポイントを「0」、「1」、「2」に変更します。
- ヒストグラムの下にある [サイズ範囲] で、右のスライダーを [20] にドラッグします。
- [シンボル スタイル] で、[赤およびグレー 1] を選択します。
- 両方のスタイル ウィンドウで [完了] をクリックします。
- [設定] ツールバーの [ポップアップ] をクリックします。
- [ポップアップの有効化] をオフにします。
これで、ポップアップを表示するレイヤーは、[County (Percent Low Birth Weight)] のみになりました。
- マップを保存します。
ミシシッピ州で低出生時体重の割合が最も高い郡に加えて、黒人および白人の母親間の低出生時体重の割合の人種間格差を示すポリシー マップを作成しました。 このマップは、低出生時体重の新生児の割合を 7.8% にする CDC の目標に近づくために、効果的な介入を最も必要としているミシシッピ州の郡を明らかにしています。
Web アプリでの結果の共有
ここまでに、ミシシッピ州の出産前プログラムを重点的に実施する郡を表すポリシー マップを作成しました。 州当局の主なオーディエンスに対して、ポリシー マップを明確に、かつわかりやすい形で提示したいと考えています。 そのために、Web アプリを作成します。
Web アプリは、カスタマイズされたユーザー インターフェイスであり、マップの外観を改善したり、機能を追加 (または削除) したり、マップを他のメディアと統合したりできます。 マップを目にする意思決定者は GIS に精通していないので、ユーザー インターフェイスを簡素化し、特に重要な情報が見つかりやすい Web アプリであることが理想です。
アプリ テンプレートの選択
まず、マップを共有して、ArcGIS Instant Apps テンプレートを選択します。 ここでは Sidebar アプリ テンプレートを使用します。
- [コンテンツ] ツールバーの [マップの共有] をクリックします。
- [共有] ウィンドウで、[すべての人に公開 (パブリック)] を選択します。 [保存] をクリックします。
マップがすべての人に表示され、マップが追加されたすべての Web アプリで表示されるようになりました。
- [コンテンツ] ツールバーで [アプリの作成] ボタンをクリックし、[Instant Apps] を選択します。
Instant Apps ギャラリー ページが、ブラウザーの新しいタブに表示されます。 このページは、適切なアプリ テンプレートの選択に役立つ情報とガイダンスを提供します。
- [サイドバー] テンプレートを見つけ、[選択] をクリックします。
- [アプリの作成] ウィンドウで、[アプリの作成] をクリックします。
アプリ構成ウィンドウが開き、アプリの対話形式のプレビューが表示されます。 選択したテンプレートに基づいて、アプリが作成されます。 次に、ユーザーがマップを理解するのに役立つアプリのエレメントを構成します。
Web アプリケーションを構成する
アプリを構成するときに、デフォルトの高速セットアップ ステップを使用できます。このモードには構成可能なオプションのサブセットがあります。 デフォルトをすべてそのまま使用することも、変更したい設定を検索することもできます。 設定が高速設定になっていない場合は、アプリで利用できるすべての構成可能設定にアクセスするために高速をオフにするよう求められます。
配色を明るい色に変更してマップを補完します。 マップの詳細情報とともに、ユーザーがマップを理解するのに役立つポップアップ コンテンツとマップの凡例が含まれるようにサイド パネルを更新します。
- 構成パネルで [テーマとレイアウト] のステップをクリックします。
- [モードの選択] で [明るい] を選択します。
アプリのプレビューが更新され、変更が表示されて下書きが自動保存されます。
- 垂直方向のツールバーで [検索設定] をクリックし、「details」と入力します。 表示された候補リストで [詳細コンテンツの編集] をクリックします。
- [詳細コンテンツの編集] で [編集] をクリックします。
- テキスト エディターで、次のテキストをコピーして貼り付けます。
「低出生時体重は、公衆衛生における重大な懸念事項です。 低体重で出生した乳児は、感染や発達遅滞のみならず、死亡のリスクも高くなります。 疾病管理センター (CDC) は、5.5 ポンド未満で生まれる乳児の全国的な割合を 7.8% に低減する目標を掲げています。 2020 年の全国における低出生時体重の新生児の割合は 8.24% でしたが、ミシシッピ州では 12.3% でした。
低出生時体重の新生児の割合を検討するうえでもう 1 つ重要なのが、人種間格差です。 一部の研究では、黒人/アフリカ系アメリカ人の女性は、他の人種および民族グループに比べて、一貫して低出生時体重の新生児が生まれやすいことがわかっています。 ミシシッピ州では、大半の郡で、黒人の母親から生まれた低出生時体重の新生児の割合が、白人の母親の割合に比べて高いことが報告されています。
このマップでは、ミシシッピ州の 4 種類の郡を特定しています。
- Enter を押して、テキストの新しい行を追加します。 [箇条書きリスト] ボタンをクリックし、次の箇条書きリストを追加します。
- Counties above twice the national average, with the highest need for interventions. (国の平均を 2 倍以上上回り、介入の必要性が最も高い郡)
- Counties above the state average, with very high need for interventions. (州の平均を上回り、介入の必要性が非常に高い郡)
- Counties above the national average, with a high need for interventions. (国の平均を上回り、介入の必要性が高い郡)
- Counties above the 2020 CDC Goal, with moderate need for interventions. (2020 年の CDC 目標を上回り、介入の必要性は中程度の郡)
- [閉じる] をクリックします。
アプリが構成されました。 アプリを公開する準備が整いました。
- 構成パネルで [公開] をクリックします。
- [公開] ウィンドウで、[確認] をクリックします。
公開が完了すると、操作が正常に完了した旨のメッセージが表示されます。 [共有] ウィンドウが表示されます。このウィンドウには、アプリへのリンクが含まれます。
アプリの確認および共有
これでアプリの構成と公開が完了したので、アプリをテストします。 次に、共有設定を更新し、関係者や意思決定者とアプリを共有できるようにします。
- [共有] ウィンドウで [起動] をクリックして、アプリを新しいブラウザー タブで開きます。
- [詳細] タブをクリックして、追加した説明を表示します。
- [凡例] タブをクリックします。
このパネルには、マップの凡例が表示されます。 マップを作成したときに構成したラベルが使用されます。 これらのラベルはわかりやすいので、変更する必要はありません。
- [情報] タブをクリックし、マップ上の任意の郡をクリックします。
郡のポップアップ情報が、ポップアップではなくサイド パネルに表示されます。
- アプリ ウィンドウを閉じます。
アプリの確認が完了し、アプリを共有する準備ができました。
- Instant Apps 構成ウィンドウで、[共有] ウィンドウを閉じて [終了] をクリックします。 確認ウィンドウで [終了] をクリックします。
アプリのアイテム ページが開き、サマリー、説明、利用規約を入力し、データ ソースの著作権情報を設定できます。
- [共有] をクリックします。
- [共有] ウィンドウで、[すべての人に公開 (パブリック)] を選択して、[保存] をクリックします。
アイテム ページの下部の [URL] に、アプリを表示できるリンクがあり、このリンクをコピーして関係者と共有することができます (変更が必要な場合は、[構成] ボタンをクリックします)。
このチュートリアルでは、公開されているデータを見つけ、それを有意義にスタイル設定して、有益なポップアップを構成することで、ミシシッピ州の低出生時体重に関するポリシー マップを作成しました。 また、詳細の説明を含む Web アプリを作成し、意思決定者が使いやすいように能率化しました。
このワークフローは、低出生時体重だけでなく、その他の数々の地域や健康および人口統計データに対して実施することもできます。 あなたが特に関心を寄せている米国や世界の地域はどこですか? ポリシー マップで、どのような課題や問題をより明確に示すことができますか? 幅広いマップ トピックに対して ArcGIS Living Atlas を探索し、マッピングを始めてみましょう。
他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。