公平性指数の調査

GIS を使用して人種的平等と社会正義のワークフローを実施する場合、不平等の影響を受けている人々の体験に耳を傾け、差別をなくすために時間をかけることが重要です。 このシナリオで、あなたの部門は、コミュニティが信頼する地元のコミュニティベースの組織と協力して、多数のコミュニティが参加するセッションを主催しました。 議論では、市民が徒歩や自転車などのアクティブな交通手段を利用する際の障壁、健康への悪影響の一因となり得る運動不足などの健康にかかわる行動、大気汚染物質への不当な曝露などの環境不正に関して市民が直面している課題などをより深く理解することに重点が置かれました。

議論から得られた重要なメッセージの 1 つは、自転車ルートにおける接続性の欠如でした。 市内には多くの自転車道がありますが、貧困層の人々や有色人種のコミュニティの割合が高い地域では、道はバラバラで、適切な仕事を見つけたり、買い物をしたり、緑地や公園に簡単にアクセスしたりできる場所に到達できません。 運動不足も問題です。心臓病、糖尿病、癌、メンタル ヘルスなど、その他の健康問題に悪影響を与える可能性があります。 アクティブな交通手段を利用する機会を増やすことで、より多くの活動を促進できるうえに、いくつかの慢性疾患を予防し、リスクを軽減することができます。

これらの議論を基に、助成金申請書の作成を開始します。この申請書で、コミュニティの真のニーズを明らかにし、歴史的に十分なサービスを受けられず、環境害による偏った影響を受けてきた地域の重要なニーズを計画案が満たすことを説明します。

マップへの指数の追加

助成金を受けるには、州レベルの環境正義指数を使用して、提案の中で公平性のニーズを明らかにします。 はじめに、この指数をマップに追加して市のデータを調べます。

  1. ArcGIS Pro を起動します。 サイン インを求められたら、ライセンスが割り当てられた ArcGIS 組織アカウントを使用してサイン インします。
    注意:

    ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

    ArcGIS Pro を開くと、新しいプロジェクトを作成するか、既存のプロジェクトを開くかを選択できるオプションが表示されます。 以前プロジェクトを作成したことがある場合は、最近使用したプロジェクトのリストが表示されます。

  2. [新しいプロジェクト] の下の [マップ] をクリックします。

    新しいプロジェクトのマップ

  3. [新しいプロジェクトの作成] ウィンドウで、[名前] に「Bike path proposal」と入力して [OK] をクリックします。

    新しいプロジェクトの作成ウィンドウ

    空のマップ テンプレート プロジェクトが表示されます。

    マップに追加する最初のレイヤーは、環境正義指数です。

  4. リボンの [マップ] タブをクリックします。 [レイヤー] グループの [データの追加] をクリックします。

    マップ タブのレイヤー グループにあるデータの追加

    [データの追加] ウィンドウが開きます。

  5. [データの追加] ウィンドウのサイド メニューで、[ポータル] の下の [ArcGIS Online] をクリックします。

    データの追加ウィンドウのポータルの下の ArcGIS Online

  6. 検索バーに「calenviroscreen」と入力し、Enter キーを押します。
  7. 結果のリストで [CalEnviroScreen 4.0 Results] をクリックします。

    データの追加ウィンドウ内の CalEnviroScreen 4.0 Results レイヤー

    レイヤーの詳細を表示したウィンドウが開きます。 このウィンドウでは、レイヤーが正式な行政機関の所有であることを確認できます。 [パス] リンクをクリックし、ブラウザーに表示されたレイヤーのアイテム ページで、データの所有者と出典に関する詳細情報を確認することもできます。

  8. [OK] をクリックします。

    [CalEnviroScreen 4.0 Results] レイヤーがマップに追加され、マップがカリフォルニア州にズームします。

    マップ上の CalEnviroScreen レイヤー

    CalEnviroScreen」は、「カリフォルニア環境健康有害性評価室 (OEHHA)」によって開発されたマッピング ツールです。これにより、2010 年の国勢調査地区の区画で、汚染源によって最も悪影響を受けているコミュニティを特定します。 OEHHA は、カリフォルニア州の環境による健康災害とリスクに関連する政策および規制を情報提供し、支援し、指導する科学的評価を実施しています。 CalEnviroScreen ツールの強みの 1 つは、環境災害への暴露リスクの累積的影響、5 歳未満や 65 歳以上など汚染暴露に特に敏感な人々のグループ、社会経済的要因を考慮することです。 最新の CalEnviroScreen は、2021 年 10 月にリリースされたバージョン 4.0 です。

    マップのデフォルト ビューでは、複合指数のスコアがパーセンタイルとして表示されるので、国勢調査地区ごとにさまざまなコミュニティを比較できます。 スコアが高い地域は、スコアが低い地域よりもはるかに高い汚染負荷を経験しています。 75 番目のパーセンタイルの国勢調査地区は、汚染スコアが最も高い国勢調査地区の上位 25% に入っていることを意味します。

    指数内のデータの調査を開始する前に、マップをフレズノ市にフォーカスします。 マップに市の境界線データを追加します。

    注意:

    このチュートリアルでは、例としてフレズノ市を使用しています。 この解析とワークフローは、公式な推奨事項や解析として使用するためのものではありません。 このチュートリアルは、ユーザーが GIS を使用して特定の介入に指数を適用する方法を示す例となるよう作成されています。

    データの追加は、[カタログ] ウィンドウで行うこともできます。

  9. 必要に応じて、[表示] タブをクリックします。 [ウィンドウ] グループで、[カタログ ウィンドウ] をクリックします。

    表示タブのウィンドウ グループのカタログ ウィンドウ。

  10. [カタログ] ウィンドウで [ポータル] タブをクリックし、[ArcGIS Online] をクリックします。

    カタログ ウィンドウのポータル タブにある ArcGIS Online タブ

  11. 検索バーに「Fresno owner:Esri_Tutorials」と入力して Enter キーを押します。
  12. 結果のリストで、[Fresno City Limits] レイヤーを右クリックし、[現在のマップに追加] をクリックします。

    Fresno City Limits レイヤーの現在のマップに追加

    ヒント:

    レイヤーを [カタログ] ウィンドウからマップにドラッグして追加することもできます。

    フレズノ市の境界がマップに追加されます。

  13. [コンテンツ] ウィンドウで、[FresnoCityLimits] レイヤーを右クリックして [レイヤーにズーム] をクリックします。

    FresnoCityLimits レイヤーのレイヤーにズーム

    マップがフレズノ市にズームします。

    マップ上のフレズノ市の境界線。

    [CalEnviroScreen] レイヤーは、現時点では、州全体の複合指数のスコアをパーセンタイルとして表示しています。 フレズノ市内で、国勢調査地区の大部分は、赤色とオレンジ色の最も高いパーセンタイルに該当します。 州全体と比較してではなく、市内に限定して指数スコアが高い場所を把握する必要があります。 [ペアワイズ クリップ] ツールを使用して、CalEnviroScreen データを市の該当地区にのみクリップします。

  14. リボンの [解析] タブをクリックします。 [ジオプロセシング] グループで、[ツール] をクリックします。

    解析タブのジオプロセシング グループのツール

    [ジオプロセシング] ウィンドウが表示されます。

  15. [ジオプロセシング] ウィンドウの検索バーに「ペアワイズ クリップ」と入力し、Enter キーを押します。 結果のリストで [ペアワイズ クリップ] を選択します。

    ジオプロセシング ウィンドウでペアワイズ クリップを検索した結果

  16. [ペアワイズ クリップ] ツール ウィンドウで、以下を入力します。
    • [入力フィーチャ][CalEnviroScreen 4.0 Results] を選択します。
    • [クリップ フィーチャ][FresnoCityLimits] を選択します。
    • [出力フィーチャクラス] に「FresnoCES」と入力します。

    ペアワイズ クリップ ツール ウィンドウに入力されたパラメーター

    注意:

    CES は CalEnviroScreen の短縮形です。

  17. [実行] をクリックします。
  18. [コンテンツ] ウィンドウで、[CalEnviroScreen 4.0 Results] レイヤーをオフにします。

    [FresnoCES] レイヤーのシンボルは、フレズノ市内の国勢調査地区のみの複合指数スコアを示すようになりました。

    元のレイヤーは、州全体の国勢調査地区のスコアを示していました。 その結果、フレズノ市内の大半の地区が、州全体で最も高いスコアであることが判明しました。 ただし、現時点のこのレイヤーでは、市内の地区のみが表示され、シンボル色の範囲が調整されているので、スコアの高い地区が多い都市の中で、どの地区が特にスコアが高いかを確認できます。

    州レベルのレイヤーと比較して、市内で最もニーズが高い地域がどこかを示す、より焦点を絞ったマップが作成されました。

    フレズノ市の境界線にクリップされた CalEnviroScreen レイヤー

データの調査

CalEnviroScreen 4.0」指数スコアは、以下の 2 つの指標グループの因子を使用して計算されます。

  • 汚染負荷 - オゾン、微粒子物質 (PM2.5)、ディーゼル排出ガス、飲料水汚染、住宅起因の子供への鉛リスク、農薬の使用、施設/交通/清掃工場からの有毒物質の放出、地下水の危険、有害廃棄物、汚染された水域、固形廃棄物処理場
  • 人口特性 - 喘息/心血管疾患/低出生体重児の割合、教育レベル、住宅負担、言語的孤立、貧困、失業率
注意:

各指標の詳細と説明については、「CalEnviroScreen 4.0 Indicator Maps」をご参照ください。

[CalEnviroScreen 4.0 Results] レイヤーには、国勢調査地区別の人種および民族ごとの人口数とその割合に関するデータが含まれています。 データは、米国国勢調査の 2019 American Community Survey によるもので、回答者が自認する民族および人種に基づいて、次の 6 つのグループに分類されています。

  • ヒスパニック (すべての人種のヒスパニック系またはラテン系)
  • 白人 (非ヒスパニック系)
  • アフリカ系アメリカ人
  • アメリカ先住民
  • アジア系アメリカ人
  • その他複数
注意:

CalEnviroScreen の手法と人種および民族区分の使用についての詳細は、「Analysis of Race/Ethnicity and CalEnviroScreen 4.0」(PDF) をご参照ください。

指標とそれが市内で最も一般的な場所を調べます。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[FresnoCES] レイヤーを右クリックし、[データ エンジニアリング] をクリックします。

    FresnoCES レイヤーのデータ エンジニアリング

    データ エンジニアリング ビューでは、大気汚染指標の数を調べます。

  2. データ エンジニアリング ビューのフィールド パネルで、[pm][diesel][traffic] の各フィールドをクリックして、統計パネルにドラッグします。

    FresnoCES のデータ エンジニアリング ビューの統計パネルにドラッグするフィールド パネルのフィールド

  3. [計算] をクリックします。

    データ エンジニアリング ビューの計算

  4. [フィールド名] 見出しを右クリックし、[固定/解除] をクリックします。

    データ エンジニアリング ビューのフィールド名列の固定/解除

    これで、左右にスクロールすると、フィールド名を含む最初の列が常に表示されるようになります。 次に、微粒子物質を表す [pm] フィールドを調べます。

  5. [pm] フィールドで、[Q3] (第三四分位) 見出しまでスクロールして [pm] フィールドの [Q3] セルを右クリックし、[選択] にポインターを合わせて [四分位より上] をクリックします。

    データ エンジニアリング ビューの pm 値の最上位の四分位にある地区を選択します

    マップ上で、pm 値の最上位の四分位を含む国勢調査地区が選択されています。

    マップ上で選択された、pm 値の最上位の四分位を含む地区

    追加データを使用して指数を検証し、それが地域の現実を正確に反映していることを確認することをお勧めします。 市内の空港の位置を示すレイヤーを追加します。 空港を出入りする航空交通や自動車交通は、微粒子物質汚染の主な原因となる可能性があります。

  6. [マップ] タブの [レイヤー] グループで、[データの追加] をクリックします。 「Airports owner: Esri_Tutorials」と入力して [ArcGIS Online] を検索します。
  7. [Airport Locations] レイヤーを追加します。

    市内には 3 つの空港があります。 PM 値が高い地域は、2 つの空港の間に位置しています。 研究により、商業空港での活動が微粒子物質の増加の一因となる可能性があることが判明しています (「Riley, et al., 2021」)。

    マップに追加された空港レイヤー

  8. データ エンジニアリング ビューのフィールド パネルで、[Hispanic.pct] フィールドまでスクロールし、[チャートの作成] ボタンをクリックします。

    Hispanic.pct フィールドのチャートの作成

    チャートが表示され、[pm] の最上位の四分位として選択された国勢調査地区がチャート内で選択されたままになります。

    ヒスパニック系の人口比率のチャート

    チャートには、ヒスパニック系の人口比率ごとの国勢調査地区の数が表示されています。 前に [pm] 値の最上位の四分位として選択した地区は、チャート内で引き続き選択されたままです。 pm 曝露のリスクが同じように最も高い地域の多くは、ヒスパニック系の人口比率が高い地域です。

    次に、その他の汚染フィールドを調べます。

  9. リボンの [マップ] タブをクリックし、[選択] グループで [選択解除] をクリックします。

    マップ タブの選択グループの選択解除

  10. データ エンジニアリング ビューで、[diesel] の第三四分位を超える国勢調査地区を選択します。

    diesel の最上位の四分位にある地区がマップ上で選択されます。

    マップ上で選択された、diesel 値の最上位の四分位の地区

    選択された地区の多くは高速道路沿いです。高速道路では、車やトラックの交通量が多く、ディーゼル汚染の主な原因となっている可能性があります (「American Lung Association」)。

  11. リボンの [マップ] タブの [選択] グループで、[選択解除] をクリックします。
  12. データ エンジニアリング ビューで、[African.American.pct] のチャートを作成します。 チャートで、アフリカ系アメリカ人の比率が最も高い 4 本のバーの周囲にボックスを描画して選択します。

    選択された最も高い 4 本のバー

    このチャートは、アフリカ系アメリカ人の人口比率が増加している地区の数を示しています。 中央の青いバーは約 6% で、市内のすべての地区のアフリカ系アメリカ人人口の平均割合を表しています。 ハイライト表示された 4 本のバーは、アフリカ系アメリカ人の人口比率が最も高い地区を表しており、地区人口の約 15 ~ 22 パーセントを占めています。

    対応する地区がマップ上で選択されます。

    アフリカ系アメリカ人の人口比率が最も高い地区のマップ

    アフリカ系アメリカ人の人口比率が最も高いエリアは、高速道路沿いでもあり、ディーゼル排出ガス暴露リスクの値が最も高いエリアと同じです。

  13. 選択を解除します。
  14. [ArcGIS Online] を検索し、[Esri_Tutorials] が所有する [Fresno Traffic Counts] レイヤーを追加します。
  15. データ エンジニアリング ビューで、[traffic] の第三四分位を超える国勢調査地区を選択します。

    対応する地区がマップ上でハイライト表示されます。

    交通量の値の最上位の四分位を含む地区とマップに追加された Traffic Counts レイヤー

    選択されたのは、交通量が最も多い地区です。 [Traffic Counts] レイヤーは、市内の主要な交差点の通過車両数を示します。 通過車両数の値がより大きいエリアは、交通量も最も多い同様のエリアであると考えられます。

  16. ご自分のマップでデータの確認を続けます。
  17. 終了したら、選択を解除します。 データ エンジニアリング ビューを閉じて、チャートを開きます。
  18. [コンテンツ] ウィンドウで、[Airport Locations] レイヤーと [Fresno Traffic Counts] レイヤーをオフにします。
  19. [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] ボタンをクリックして、プロジェクトを保存します。
    ヒント:

    Ctrl + S キーを押してプロジェクトを保存することもできます。

    クイック アクセス ツールバーの保存ボタン

データの計算と追加

人種および民族指標は、CalEnviroScreen スコアの計算には含まれません。 コミュニティのワークショップで、これが公平性に対する重要な考慮事項であることが明らかになり、コミュニティは新しい自転車道を提案するプロセスにこれらの指標を含めることの重要性を主張しました。

フィールドを作成して、各国勢調査地区の有色人種の比率を計算します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで [FresnoCES] レイヤーを右クリックし、[データ設計] にポインターを合わせて [フィールド] を選択します。

    FresnoCES レイヤーのデータ設計メニューのフィールド

    フィールド ビューが開き、[フィールド] タブがリボンに表示されます。

  2. リボンの [フィールド] タブの [編集] グループで、[新規] をクリックします。

    フィールド タブの、編集グループの新規

    編集可能な空白のフィールドが、フィールド ビューの下部に表示されます。

  3. 新しいフィールドの [フィールド名] に「PerPOC」と入力します。 [エイリアス] に「Percent People of Color」と入力します。 [データ タイプ][Double] を選択します。

    入力された PerPOC フィールド名、エイリアス、データ タイプ パラメーター

    新しいフィールド行で、[数値形式] のセルをクリックし、[数値とデータ フィールド タイプの表示形式を決定] ボタンをクリックします。

    数値とデータ フィールド タイプの表示形式を決定ボタン

    [数値形式] ウィンドウが表示されます。

  4. [数値形式] ウィンドウの [カテゴリ] で、[数値] を選択します。 [桁数設定][桁数] に「2」を入力して、[OK] をクリックします。

    数値形式ウィンドウ

  5. リボンの [編集の管理] グループで [保存] をクリックします。

    編集の管理グループの保存

  6. フィールド ビューを閉じます。

    新しい空白のフィールドが作成されました。 次に、人口に占める有色人種の割合を計算します。

  7. [コンテンツ] ウィンドウで [FresnoCES] レイヤーを右クリックし、[属性テーブル] をクリックします。
  8. テーブルで、[Percent People of Color] が表示されるまでスクロールします。

    属性テーブルの Percent People of Color フィールド見出し

  9. [Percent People of Color] 見出しを右クリックして、[フィールド演算] をクリックします。
  10. [フィールド演算] ウィンドウの [PerPOC =] に「100 -」と入力します。
    注意:

    CalEnviroScreen 4.0 レイヤーに含まれている人種および民族の補足データは、米国国勢調査局の人種および民族の分類に基づきます。 これは、さまざまな背景を持つ人々がどこに住んでいるかを特定するためのデータ ソースとして広く受け入れられていますが、限界があり、アイデンティティや文化的経験の全容を適切にとらえることはできません。 国勢調査局の人種および民族の分類を使って有色人種コミュニティを計算する別の方法もあります。 このチュートリアルでは、手順を簡素化するためこの方法を使用します。 ただし、米国国勢調査局が収集したデータを使用して有色人種コミュニティを計算する他の方法と同様、この方法にも限界があります。

  11. [フィールド] 列で [White.pct] をダブルクリックします。

    白人 (非ヒスパニック系) の比率フィールドのコードが式に追加されます。

    非ヒスパニック系白人に該当しない人口の割合を決定する式

  12. [OK] をクリックします。

    そのフィールドについて、有色人種の比率が計算されます。

    属性テーブルで計算された Percent People of Color フィールド

  13. テーブルを閉じます。

次に、指数スコアと有色人種の割合を示すようマップのスタイルを設定します。

マップのスタイル設定

CalEnviroScreen のスコアと有色人種の比率の両方をマップ上で視覚化できるようにします。 各レイヤーのスタイルを調整し、両方を同時に表示するようにします。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで [FresnoCES] レイヤーを右クリックし、[コピー] をクリックします。
  2. [マップ] を右クリックし、[貼り付け] をクリックします。

    コンテンツ ウィンドウのマップで貼り付け

    レイヤーのコピーがマップに追加されます。 コピーしたレイヤーの名前を変更します。

  3. コピーした [FresnoCES] レイヤーの名前を 2 回クリックして、テキストを編集可能にします。 「Percent People of Color」と入力して Enter キーを押します。

    名前が Percent People of Color に変更されたレイヤー

  4. [Percent People of Color] レイヤーを右クリックして、[シンボル] を選択します。

    サイズと色の組み合わせを使用して、有色人種の割合を示します。 割合を示すために、カラー ランプを使用することをお勧めします。 各地区の人口数をシンボルのサイズで表し、有色人種の人口比率を色で表すことにします。

  5. [シンボル] ウィンドウの [プライマリ シンボル] で、[等級シンボル] を選択します。 [フィールド][ACS2019TotalPop] を選択します。

    Percent People of Color レイヤーのシンボル ウィンドウ

  6. [属性によってシンボルを変更] タブをクリックして、[色] セクションを展開します。

    属性によってシンボルを変更タブで展開された色

  7. [フィールド][Percent People of Color] を選択します。 [配色][黄緑 (連続)] を選択します。
    ヒント:

    配色の名前を表示するには、配色にポインターを合わせます。

    色セクションで設定されたフィールドと配色

    [Percent People of Color] レイヤーのスタイルが更新されました。

    色によって有色人種の比率を示し、サイズによって人口数を示したマップ

    [Percent People of Color] レイヤーのスタイルが設定されました。各地区の人口規模を表すさまざまなサイズのシンボルが表示され、有色人種の比率が高いほど緑色が濃くなっています。

    次に [FresnoCES] レイヤーのスタイルを更新します。

  8. [コンテンツ] ウィンドウで [FresnoCES] レイヤーをクリックします。
  9. [シンボル] ウィンドウの [配色][青-紫 (連続)] を選択します。

    青-紫 (連続) 配色

  10. [クラス] タブで [詳細] をクリックし、[シンボルの順序の反転] を選択します。

    シンボル ウィンドウのクラス タブの詳細メニューにあるシンボルの順序の反転

  11. リボンで [マップ] タブをクリックし、[レイヤー] グループで [ベースマップ] をクリックして [キャンバス (ライト グレー)] を選択します。

    ベースマップ メニューのキャンバス (ライト グレー)

    マップのスタイルが設定されました。

    スタイル設定されたマップ

    汚染負荷の高い地域 (濃い紫色) は、有色人種 (濃い緑色) の比率が高い地域でもあります。 汚染負荷が低い地域は、有色人種の比率が非常に低い地域です。

  12. プロジェクトを保存します。

ここまで、市の環境公平性指数とその指標のいくつかについて調べました。 指標の値を交通および空港の位置データと比較しました。 市内の有色人種コミュニティの割合を計算し、その情報を指数スコアと比較できるようにスタイル設定しました。

すべての指数が自分の事例に当てはまるわけではないことを考慮するのが重要です。 たとえば、一般的な健康の脆弱性および社会的脆弱性に関する、全国規模に基づいた別の指数が見つかる可能性はありますが、入手可能なデータの最低レベルは郡レベルです。 これは市レベルの分析ではあまり役に立ちません。市レベルの分析では、国勢調査地区またはブロック レベルの細分化されたデータの方がより具体的であり、意思決定にとって意味があります。 環境公平性の介入に CalEnviroScreen を使用するのは適切ですが、ブロードバンド インターネット接続へのより多くの投資が必要な分野を判断するには不適切な可能性があります。 CalEnviroScreen の人口特性指標は、公平性の評価基準を考慮したブロードバンド インターネット接続ネットワークの構築に役立つ可能性はありますが、汚染特性はインターネット接続とほとんど関係がありません。 意思決定に指数を使用する場合は、意思決定が行われる特定の介入、プロジェクト領域の固有の特性の範囲と限度に合わせて指数を調整することをお勧めします。

指数に対する理解のベースラインができたので、健康データを追加し、自転車道の接続性を高めることによって最も恩恵を受ける市内のエリアを特定します。


公平性計画の提案

このセクションでは、市内の運動不足比率に関する情報を追加します。 健康活動データを追加すると、市内のどこが健康に悪影響を与えるリスクが高く、提案する介入から最も利益を得られるかに焦点を当てることができます。 指数のデータ、チュートリアルの前半で計算した有色人種の比率、および運動不足比率のデータを使用して、提案の主な重点エリアを決定します。

健康アウトカム データの追加

疾病予防管理センター (CDC) によって提供されているデータにアクセスします。 「PLACES」データセットには、米国の各国勢調査地区レベルで計測した健康活動のアウトカム データが含まれています。 このデータは、CDC が実施したモデル化された調査データから得たものです。

  1. リボンの [マップ] タブの [レイヤー] グループで、[データの追加] をクリックします。
  2. [データの追加] ウィンドウで、[ポータル] の下の [Living Atlas] をクリックします。 検索バーに「cdc places」と入力し、Enter キーを押します。

    データの追加ウィンドウで cdc places を検索します。

    複数の結果が表示されます。 これらのレイヤーはグループ レイヤーなので、複数のレイヤーが含まれています。 [Tracts] レイヤーのみが必要なので、グループ レイヤー内のそのレイヤーを表示します。

  3. [Places: Local Data for Better Health] グループ レイヤーをダブルクリックします。

    データの追加ウィンドウの Places: Local Data for Better Health グループ レイヤー

    [Places: Local Data for Better Health] グループ レイヤー内のレイヤーが表示されます。

  4. [Tracts] をクリックし、[OK] をクリックします。

    データの追加ウィンドウで選択された Tracts

    [Tracts] レイヤーがマップに追加されます。 レイヤーは、現時点で、健康保険未加入率を表示するようスタイル設定されています。 ここで見たいのは、運動不足の比率を表示するフィールドです。

    次に、空間結合を使用して、運動不足比率フィールドを [FresnoCES] レイヤーに追加します。

  5. [ジオプロセシング] ツール ウィンドウで、[空間結合] ツールを検索して開きます。
  6. [空間結合] ツール ウィンドウで、以下を入力します。
    • [ターゲット フィーチャ][FresnoCES] に設定されていることを確認します。
    • [結合フィーチャ][Tracts] を選択します。
    • [マッチ オプション][重心が含まれる] を選択します。

    空間結合ツール ウィンドウに入力されたパラメーター

  7. [フィールド] セクションを展開します。

    新しく結合されるレイヤーに含まれるすべてのフィールドがリストされます。 [FresnoCES] および [PLACES Tracts] レイヤーのフィールドが含まれています。 [PLACES Tracts] レイヤーのすべての属性の中で、運動不足比率に関連する属性のみが必要です。 その他のフィールドを削除します。

  8. 下にスクロールして、先頭が [ACCESS2] のフィールドをクリックします。

    フィールド セクションの ACCESS2_CrudePrevalence フィールド

  9. Shift キーを押しながら、リストの末尾までスクロールし、最後のフィールドをクリックします。

    [ACCESS] で始まるフィールドから末尾までのフィールドが選択されます。

  10. [LPA_CrudePrev] フィールドまでスクロールし、Ctrl キーを押しながら [LPA_CrudePrev] フィールドをクリックして選択を解除します。

    運動不足によるおよその有病率フィールドを除いて選択された健康アウトカム フィールド

    ヒント:

    LPA は、Low Physical Activity (低身体活動) の略です。 フィールドにポインターを合わせても、そのフィールドの名前全体を表示できます。

  11. 選択されたフィールドのいずれかを右クリックして、[削除] をクリックします。

    選択したフィールドの削除

    [PLACES Tracts] レイヤーから追加される唯一のフィールドは、運動不足比率に関するデータを含むフィールドです。

  12. [実行] をクリックします。
  13. [FresnoCES_SpatialJoin] レイヤーの属性テーブルを開きます。

    環境指数データ、有色人種の比率が算出されたフィールド、健康活動データを含むレイヤーが準備できました。 同じ情報を持ついくつかのレイヤーは削除できます。

  14. [コンテンツ] ウィンドウで、[CalEnviroScreen 4.0 Results] レイヤーを右クリックして、[削除] を選択します。
  15. 次のレイヤーを削除します。
    • Airport Locations
    • Fresno Traffic Counts
    • Tracts
    • FresnoCES
  16. [コンテンツ] ウィンドウで、[FresnoCES_SpatialJoin] レイヤーを [FresnoCityLimits] レイヤーの下にドラッグします。
    ヒント:

    チェックボックスの横の矢印をクリックして、[コンテンツ] ウィンドウのレイヤーの凡例を折りたたみます。

    FresnoCityLimits レイヤーの下にドラッグされた FresnoCES_SpatialJoin レイヤー

健康活動データを準備できたので、新しい自転車道案での重点エリアを決定します。

重点エリアの決定

新しい自転車道案を描画する重点エリアを決定するため、CalEnviroScreen スコアの上位四分位、有色人種の比率、運動不足比率を含む国勢調査地区を表示するようマップを制限します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで [Percent People of Color] レイヤーをオフにします。
  2. [コンテンツ] ウィンドウで、[FresnoCES_SpatialJoin] を右クリックして、[データ エンジニアリング] を選択します。
  3. データ エンジニアリング ビューで、[CISscore][Percent People of Color][Physical inactivity crude prevalence (%)] の各フィールドを統計パネルにドラッグします。
  4. [計算] をクリックします。
  5. [フィールド名] を右クリックし、[固定/解除] を選択します。 [Q3] 見出しまでスクロールします。

    データ エンジニアリング ビューに、各フィールドの最上位の第三四分位の値が表示されます。

    データ エンジニアリング ビューの第三四分位見出し

  6. [コンテンツ] ウィンドウで、[FresnoCES_SpatialJoin] レイヤーをダブルクリックします。

    [レイヤー プロパティ] ウィンドウが表示されます。

  7. [定義クエリ] タブをクリックします。 [新しい定義クエリ] ボタンをクリックします。

    レイヤー プロパティ ウィンドウの定義クエリ タブにある新しい定義クエリ ボタン

  8. [クエリ 1] で、[Where 句 CISscore が 55.3 以上] という式を作成します。

    クエリ 1 に定義された CISscore クエリ

  9. [項目の追加] をクリックして、2 番目の式 [And 句 Percent People of Color が 85 以上] を作成します。
  10. [項目の追加] をクリックして、3 番目の式 [And 句 Physical inactivity crude prevalence (%) が 33 より大きい] を作成します。

    これで [クエリ 1] の項目は 3 つになりました。

    クエリ 1 に入力された 3 つの項目

  11. [OK] をクリックします。

    3 つすべての条件を満たしている国勢調査地区は、マップに表示されたままです。 表示中の地区は、アクティブな交通手段のリソースを集中させたいターゲット エリアを示します。

    定義したクエリがマップに表示されます。プロジェクト案の重点エリアまたはターゲット エリアが表示されています。

    次に、既存の自転車道を追加して、接続することでこのターゲット エリアがメリットを得られる場所の情報を示します。

  12. データ エンジニアリング ビューを閉じます。
  13. [カタログ] ウィンドウで [ポータル] をクリックし、[ArcGIS Online] タブをクリックします。
  14. 検索バーに「bikepath owner:Esri_Tutorials」と入力して Enter キーを押します。

    カタログ ウィンドウで bikepath レイヤーを検索します

  15. 結果のリストで [Existing Bikepaths (Learn)] レイヤーを見つけて、マップに追加します。

    [Existing_bikepaths] レイヤーがマップに追加されます。

    マップに追加された Existing_bikepaths レイヤー

    ターゲット エリアには、既存の自転車道はほとんどなく、接続もそれほどありません。 市民が学校、職場、店舗に行くために自転車道を確実に利用できるように接続することは重要です。

    また、コンテキスト レイヤーをさらに追加して、自転車道の接続性がコミュニティのメリットになる場所について、より詳しい情報を提供します。 レイヤーを追加して、公園と公立学校の位置を表示します。

  16. これまでに学習した手順で、ArcGIS Online からデータを追加します。 [Esri_Tutorials] が所有する次のレイヤーを検索して追加します。
    • Parks Fresno
    • Public Schools Fresno

    レイヤーがマップに追加されます。

    マップに追加された公園と学校の位置

  17. プロジェクトを保存します。

自転車道の提案

これで、公平性の観点から接続する自転車道案に必要な情報をすべて準備できました。 はじめに、マップのシンボルを調整して見やすくしてから、自転車道案の描画を開始します。

重点エリアでは、コミュニティが優先したい指標の組み合わせをすでにシンボルが表していることがわかっているので、単色で表示します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで [FresnoCES_SpatialJoin] レイヤーを 2 回クリックして、名前を「Project focus area」に変更します。
  2. [FresnoCityLimits] レイヤーを [Project focus area] レイヤーの下にドラッグします。
  3. [コンテンツ] ウィンドウで、[Project focus area] レイヤーを右クリックして [シンボル] をクリックします。
  4. [シンボル] ウィンドウの [プライマリ シンボル] で、[単一シンボル] を選択します。
  5. シンボルを右クリックして [ライト オリーブ] を選択します。
    ヒント:

    色の名前を表示するには色にカーソルを合わせます。

    カラー パレットのライト オリーブ

    次に、異なるシンボルを選択して、市の境界線を表示します。 フレズノ市の境界線は複雑です。 アウトライン スタイルを使用すると、マップ上の他のレイヤーに対して境界線がやや見にくくなります。 これに対処するため、市の境界内のエリアのスタイルを単一色に設定します。

  6. [コンテンツ] ウィンドウで、[FresnoCityLimits] レイヤーをクリックします。 [シンボル] ウィンドウで、シンボルをクリックします。
  7. [ギャラリー] タブで、[教育] という明るい黄色のシンボルを選択します。

    シンボル ウィンドウのギャラリー タブの教育スタイル

    マップ上のスタイルが更新されます。

    市の境界線とターゲット エリアを単一のシンボルとして表示するよう更新したマップ スタイル

    明るい黄色は、市内のエリアを示します。 やや濃い黄色は、ターゲット エリアを示します。 緑色のエリアは公園を、三角形は公立学校を示します。 濃いラインは既存の自転車道です。

    ただし、現時点では、ベースマップの道路網は見づらくなっています。 2 つのレイヤーに [レイヤーのブレンド] 効果を設定して、ベースマップを見やすくします。

  8. リボンの [フィーチャ レイヤー] タブをクリックします。 [効果] グループの [レイヤーのブレンド] で、[乗算] を選択します。

    フィーチャ レイヤー タブの効果グループにあるレイヤーのブレンドの乗算

  9. [コンテンツ] ウィンドウで、[Project focus area] レイヤーをクリックします。 [フィーチャ レイヤー] タブで、[レイヤーのブレンド][乗算] に設定します。

    ベースマップは 2 つのレイヤーの下でより見やすくなっています。

    ベースマップが見やすくなるようブレンドされたレイヤー

    マップのスタイルが更新され、自転車道案が描画しやすくなりました。

    自転車道案を描画する前に、自転車道レイヤーのコピーを作成する必要があります。

  10. [ジオプロセシング] ウィンドウを開きます。 [ジオプロセシング] ウィンドウで、[フィーチャのエクスポート] ツールを検索して開きます。
  11. [フィーチャのエクスポート] ツール ウィンドウの [入力フィーチャ] で、[Existing_bikepaths] を選択します。 [出力フィーチャクラス] に「Existing_Bikepaths」と入力します。
  12. [実行] をクリックします。
  13. [コンテンツ] ウィンドウで、元の [Existing_bikepaths] レイヤーを削除します。
  14. リボンの [編集] タブをクリックします。 [フィーチャ] グループの [作成] をクリックします。

    編集タブのフィーチャ グループの作成

    [フィーチャ作成] ウィンドウが表示されます。

  15. [フィーチャ作成] ウィンドウの [Existing_Bikepaths] で、[Existing] をクリックします。

    フィーチャ作成ウィンドウの Existing シンボル

    最初に、新しいルートを 1 つ描画し、後で [Type] 属性を [Existing] から [Proposed] に更新します。

    マップで、接続可能なポイントを探して、ターゲット エリアに新しい自転車道を提案します。

  16. マップで、提案したいルートの開始点をクリックします。

    マップ上のルート開始点

  17. ルートを終了したいポイントをダブルクリックします。

    ルート案の終点

    [衛星画像][道路地図] などの他のベースマップを使用して、案に対するその他の潜在的な制限を考慮します。 コミュニティ メンバーは実体験からどのルートが最適かをよくわかっていると考えられるので、コミュニティ メンバーと協力してルート案を作成することもお勧めします。

  18. [編集] タブの [編集の管理] グループで、[保存] をクリックします。

    編集タブの編集の管理グループの保存

  19. [編集の保存] ウィンドウで、[はい] をクリックします。
  20. 新しいラインを選択した状態で、[コンテンツ] ウィンドウの [Existing_Bikepaths] レイヤーを右クリックして、[属性テーブル] をクリックします。
  21. 属性テーブルで [選択レコードを表示] をクリックします。

    属性テーブルの下部にある選択レコードを表示ボタン

  22. 選択した行の [Type] で、既存のテキストをダブルクリックして編集可能にします。 「Proposed」と入力して Enter キーを押します。

    属性テーブルで選択された行で Proposed に更新された Type

  23. [編集] タブの [選択] グループで、[選択解除] ボタンをクリックします。
  24. [コンテンツ] ウィンドウで、[Existing_Bikepaths] レイヤーを右クリックして [シンボル] をクリックします。
  25. [シンボル] ウィンドウの [プライマリ シンボル] で、[個別値] を選択します。
  26. [すべての値を追加] をクリックします。

    シンボル ウィンドウのクラス タブのすべての値を追加ボタン

  27. [Proposed] のシンボルをクリックします。 [ギャラリー] タブで、[4.0 ポイント] スタイルを選択します。

    シンボル ウィンドウのギャラリー タブの 4.0 ポイント スタイル

    マップ上のスタイルが更新されます。

自転車道のルートの接続案

自転車道のタイプとして Proposed が設定できたので、完全なルート案の計画の描画を開始できるようになりました。

  1. [編集] タブの [フィーチャ] グループで、[作成] をクリックします。
  2. [フィーチャ作成] ウィンドウの [Existing_Bikepaths] セクションで、[Proposed] をクリックします。

    ライン ツールで選択された [Proposed] タイプの [BikePath] がアクティブになります。

    フィーチャ作成ウィンドウの BikePaths で選択された Proposed タイプ

  3. マップで、自転車道のルート案をさらに追加します。 重点エリアと近くの学校や公園へ接続するルートを検討します。
    ヒント:

    編集ツールがアクティブな状態でマップを移動するには、C キーを押してマップを移動します。 C キーを放すと、編集ツールの使用状態に戻ります。

    道路幅、交通量、自転車利用者にとって安全上の問題を引き起こす可能性のあるエリアやルートなど、考慮すべき重要な要素は他にも多数考えられます。 このような検討は、ルートを提案する際に実施することが重要であり、自転車道の開発に特定の制限や基準を設けている可能性がある他の地方自治体やコミュニティからの情報と協力して行う必要があります。 このチュートリアルでは、これらの事項が考慮されている前提でルートを提案します。

  4. 完了したら、リボンで [保存] ボタンをクリックします。 表示された [編集の保存] ウィンドウで [はい] をクリックします。
  5. 必要に応じて選択を解除します。

    ここまでで、この決定を下すのに役立った他の重要な要素を考慮して、自転車道の案を示すマップが完成しました。

    ターゲット エリアを既存のルートに接続する自転車道のルート案の例

    この段階では、コミュニティやパートナー組織がこの提案を検討し、フィードバックを提供する方法を確立することが重要です。 可能な選択肢についての議論を促進するために、複数のオプションやバージョンを提示するのは珍しいことではありません。

このセクションでは、健康活動のアウトカム データを追加し、プロジェクトの重点エリアを決定しました。コミュニティが公平性の評価基準に基づいて優先したい地域でアクティブな交通手段での接続性を増進する自転車道の計画案を作成しました。 次のセクションでは、計画をコミュニティのメンバーやパートナーと共有できるよう、マップをオンラインの Web アプリに公開します。


Web アプリによる政策の公開

人種的平等と社会正義のワークフローを GIS に適用する際の最も重要なステップは、コミュニティに参加してもらい、コミュニティを巻き込むことです。 ここまでに作成したマップを印刷し、それを使用してコミュニティと共有することができます。 一方で、閲覧者がデータの操作やレイヤーのオン/オフの切り替えを行える、オンラインの対話型デジタル バージョンのマップを作成することもでき、ハード コピーのマップよりも広く共有できます。

マップとポップアップの準備

マップを公開する前に、マップ データに若干の調整を加えて、幅広い閲覧者にとってわかりやすくて意味のあるものにします。 はじめに、レイヤー名を更新します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[FresnoCityLimits] を 2 回クリックします。 「Fresno City Limits」と入力して Enter キーを押します。
  2. 学習した手順で、[Existing_Bikepaths] レイヤーの名前を「Bike Paths」に変更します。

    次に、ポップアップを構成します。

  3. マップ上で、学校のシンボルをクリックします。

    学校ポイントのポップアップ

    ポップアップが表示されます。 ポップアップには現在、レイヤー内のすべてのフィールドが含まれています。 この情報の多くは、自転車道が提案された理由を理解するために必要なものではありません。 表示したいフィールドは、学校名のみです。

  4. [コンテンツ] ウィンドウで、[Public Schools] を右クリックして、[ポップアップの構成] をクリックします。

    [ポップアップの構成] ウィンドウが開きます。

  5. [フィールド] エレメントにポインターを合わせて、[ポップアップ エレメントの削除] ボタンをクリックします。

    ポップアップの構成ウィンドウのフィールド エレメントのポップアップ エレメントの削除ボタン

  6. マップ上で、公立学校のシンボルをクリックします。

    ポップアップで、ポップアップ タイトルに学校名のみが表示されるようになりました。

  7. [Parks] レイヤーで、これまで学習した手順でポップアップを構成し、タイトルに公園名のみが表示されるようにします。

    いくつかのレイヤーはポップアップが不要なので、ポップアップを無効にします。

  8. [コンテンツ] ウィンドウで [Fresno City Limits] を右クリックし、[ポップアップの無効化] をクリックします。

    Fresno City Limits レイヤーのポップアップの無効化

  9. [Bike Paths] レイヤーと [Percent People of Color] レイヤーのポップアップを無効にします。
  10. [コンテンツ] ウィンドウで、[Project focus area] をクリックします。
  11. [ポップアップの構成] ウィンドウで、[フィールド] エレメントをダブルクリックします。

    重点エリアを決定したフィールドを表示する必要があります。

  12. [表示] をオンにしてから再度オフにし、すべてのフィールドをオフにします。

    ポップアップの構成ウィンドウの表示のオンとオフ

  13. フィールド リストで、[CIscore][Percent People of Color][Physical inactivity crude prevalence (%)] の各フィールドをオンにします。
  14. 戻る矢印をクリックします。
  15. [タイトル] フィールドをダブルクリックします。

    ポップアップ タイトル

  16. 既存のテキストを削除して、「Tract {tract}」と入力します。

    レイヤー名とポップアップが構成されました。

マップがさらに使いやすくなり、オンラインで公開する準備が整いました。

マップのオンライン公開

次に、マップを Web マップとして公開します。 マップを共有する前に、マップ プロパティを設定して一意の数値 ID を割り当てる必要があります。 これは、マップをオンラインで共有するために必要です。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[マップ] をダブルクリックします。

    [マップ プロパティ] ウィンドウが表示されます。

  2. [マップ プロパティ] ウィンドウの [一般] タブで [Web レイヤーを共有できるよう一意の数値 ID の割り当てを許可] をオンにします。

    マップ プロパティ ウィンドウの一般タブで、オンにした Web レイヤーを共有できるよう一意の数値 ID の割り当てを許可

  3. [OK] をクリックします。
  4. リボンの [共有] タブをクリックします。 [共有] グループで、[Web マップ] をクリックします。

    共有タブの共有グループの Web マップ

  5. [共有] ウィンドウで以下を入力します。
    • [名前] に「Bike_path_proposal」と入力します。
    • [概要] に「Map of proposed bike paths」と入力します。
    • [タグ] に、「bike paths」、「active transportation」、「equity」、proposal」と入力し、各語の後で Enter キーを押します。
  6. [すべての人に公開] のボックスをオンにします。

    [Web マップとして共有] ウィンドウが構成されます。

    Web マップとして共有ウィンドウ

  7. [分析] をクリックします。

    エラーが検出されています。

  8. エラー メッセージを展開し、各メッセージをダブルクリックしてエラーを解消します。

    メッセージ タブで解決されたエラー

  9. [分析] をクリックして、他にエラーがないことを確認します。
  10. [共有] をクリックします。
  11. [Web マップの管理] リンクをクリックします。

    Web マップがオンラインで正常に共有された後の Web マップの管理リンク

    Web マップのアイテム ページがブラウザーに表示されます。

  12. ArcGIS の組織アカウント」にサイン インします。
    注意:

    組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

  13. [Web アプリの作成] をクリックし、[Instant Apps] を選択します。

    Web アプリの作成メニューの Instant Apps

Web アプリの作成と構成

Instant Apps テンプレートを選択し、自転車道計画案を閲覧者が確認して操作できるように構成します。

  1. [対話形式の凡例] テンプレートの [選択] をクリックします。

    対話形式の凡例テンプレートの選択ボタン

  2. [アプリの作成 - 対話形式の凡例] ウィンドウで、タイトルに「Bike Path Proposal Viewer」と入力します。

    アプリの作成 - 対話形式の凡例

  3. [アプリの作成] をクリックします。
  4. [高速] ウィンドウで、[ステップ 3. 対話形式の凡例] をクリックします。

    ステップ 3. 高速ウィンドウの対話形式の凡例

  5. [対話形式の凡例] ウィンドウの [凡例のスタイル] で、[サイド パネル] をクリックします。

    凡例のスタイルのサイド パネル ボタン

    凡例がサイド パネルに移動します。

    対話形式の凡例がサイド パネルとして表示されたアプリのプレビュー

  6. [次へ] を 2 回クリックします。

    このウィンドウで、自分のプロジェクトに合ったテーマを選択できます。 この案は、アクティブな交通手段を増進して炭素排出量を削減し、歴史的に環境不正を経験してきた地域で緑地にアクセスしやすくするものです。 緑色を使用したテーマを選択します。

  7. [テーマとレイアウト] ウィンドウの [設定済みのテーマを選択][森林] を選択します。

    テーマとレイアウト ウィンドウの森林テーマ

  8. [公開] をクリックします。
  9. [公開] ウィンドウで、[確認] をクリックします。

    次に、共有設定を行って、誰でもこの Web アプリを表示できるようにします。

  10. [共有] ウィンドウで [共有設定の変更] をクリックします。

    共有ウィンドウの共有設定の変更リンク

  11. [共有] ウィンドウで、[すべての人に公開] をクリックして、[保存] をクリックします。

    これで、このリンクを知るすべての人がアプリにアクセスできるようになりました。 アプリを表示します。

  12. [共有] をクリックします。

    ツールバーの共有

  13. [共有] ウィンドウで、[起動] をクリックします。

    Web アプリが新しいウィンドウまたはタブで開きます。

    このセクションでは、ArcGIS Online に公開するためのマップを準備し、自転車道計画案について閲覧者がコメントしたりフィードバックを提供したりする必要がある最も重要な情報のみが含まれるように設定しました。 ArcGIS Online にマップを公開し、Instant Apps アプリを作成しました。これにより、閲覧者は、レイヤーのオンとオフを切り替えて自転車道案を詳しく確認することができます。

人種的平等と社会正義のすべての適用は、複数回にわたるコミュニティの関与と、計画案の改訂版が必要です。 このチュートリアルで学んだ手順で提案を調整して、新しいバージョンの計画をオンラインで公開し、受け取ったフィードバックに対する反応を論証して、対象となるコミュニティのニーズとエクスペリエンスを真に満たす計画を実行することができます。

このチュートリアルでは、データおよびデータと地域の事情の関連を調べることで、環境正義指数を事業化しました。 健康アウトカム データと、学校、公園、既存の自転車道などのその他の裏付けとなるデータを追加し、公平な観点で、接続性を持つ新しい自転車道案に最適な場所を報告しました。 案を ArcGIS Online に公開し、Instant Apps アプリを作成しました。これにより、計画の初稿をコミュニティと共有できます。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。