複数のレイヤーを 1 つにマージ

ビデオ

このチュートリアルは、ビデオでも利用できます。

詳細は、以下に記載の手順をご参照ください。

注意:

このビデオは、ArcGIS Pro 3.4 を使用して 2025 年 4 月 30 日に収録されました。

マージ ツールの実行

[マージ] ジオプロセシング ツールでは、複数のレイヤーをマージできますが、これらのレイヤーが同じフィーチャ タイプの場合に限ります。 たとえば、2 つのライン レイヤーをマージすることはできますが、ライン レイヤーとポイント レイヤーをマージすることはできません。 このツールを使用して、陸地を表す 2 つのポリゴン レイヤーをマージします。

  1. ノルウェーのプロジェクト パッケージ」をダウンロードします。

    Norway.ppkx という名前のファイルが、コンピューターにダウンロードされます。 .ppkx ファイルは ArcGIS Pro プロジェクト パッケージです。これには、ArcGIS Pro で開くことができるマップ、データ、その他のファイルが含まれます。

  2. コンピューター上で、ダウンロードしたファイルを選択します。 [Norway.ppkx] をダブルクリックして ArcGIS Pro で開きます。 サイン インを求められたら、ArcGIS アカウントを使用して、サイン インします。
    注意:

    ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

    ノルウェーのマップが表示されます。

    ノルウェーのマップ

    このマップには、[NorwayLand] (薄い緑色) と [NorwayMinorIslands] (濃い緑色) という 2 つのポリゴン レイヤーがあります。

    ノルウェーのマップの詳細

    注意:

    このマップのデータは「Natural Earth」から取得されたものです。

    プロジェクトでは、すべての陸地ポリゴンを 2 つのレイヤーとして管理するよりも、1 つのレイヤーとして管理した方が簡単です。 [マージ] ジオプロセシング ツールを使用して、すべての陸地部分を含む新しいレイヤーを作成します。

  3. リボンの [解析] タブをクリックします。 [ツール] グループで、展開ボタンをクリックします。

    解析タブのその他ボタン

    ギャラリーが開き、よく使用するツールがいくつか表示されます。

  4. 下にスクロールします。 [データの管理] グループで [マージ] をクリックします。

    ツール ギャラリーのマージ ボタン

    [ジオプロセシング] ウィンドウが開き、[マージ] ツールのパラメーターが表示されます。 このツールを実行すると、複数の入力レイヤーが結合されて新しい 1 つの出力レイヤーになります。

    マージ ツールの図

    ヒント:

    [マージ] ツールの詳細を確認するには、[ジオプロセシング] ウィンドウにあるヘルプ ボタンをクリックします。

    ヘルプ ボタン

  5. [ジオプロセシング] ウィンドウの [入力データセット][NorwayLand][NorwayMinorIslands] を選択します。

    [出力データセット] フィールドが更新されて [NorwayLand_Merge] になります。

  6. [出力データセット] フィールドをクリックします。

    パスが表示されます。 デフォルトでは、新しいデータセットがプロジェクトのジオデータベースに格納されます。

    出力データセット フィールドのパス

    出力データセットのデフォルトの場所と名前をそのまま使用します。

  7. [フィールドの一致モード] で、デフォルトの選択肢である [すべての入力から統合されたフィールドを自動的に生成] のままにします。
  8. [実行] をクリックします。

    このツールが実行され、[NorwayLand_Merge] という新しいレイヤーが [コンテンツ] ウィンドウに表示されます。 マップ上で、小さな島々が薄い緑色になりました。 他のレイヤーをオフにして、薄い緑色のフィーチャすべてが新しいレイヤーに属していることを確認します。

  9. [コンテンツ] ウィンドウで、[NorwayLand] レイヤーと [NorwayMinorIslands] レイヤーをオフにします。

    コンテンツ ウィンドウ

    2 つの入力レイヤーから取得したすべてのフィーチャが 1 つの出力レイヤーに配置されており、マージは成功したように見えます。

属性テーブルの確認

[マージ] ツールは空間データをマージするだけでなく、両方の入力レイヤーの属性もマージします。 次に、属性テーブルを確認し、調整が必要かどうかを判断します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで [NorwayLand_Merge] を右クリックしてから [属性テーブル] をクリックします。

    属性テーブルがマップの下に表示されます。

  2. テーブルを垂直方向にスクロールして、内容を確認します。

    いくつかのフィールドにはすべてのフィーチャの値が格納されていますが、[min_zoom][ORIG_FID][zoom_level][Name] の各フィールドには一部のフィーチャの値しか格納されていません。

  3. [120] までスクロールします。

    [min_zoom] フィールドと [ORIG_FID] フィールドには、([featurecla] フィールドに示されているとおり) [NorwayLand] レイヤーから取得されたフィーチャの値のみが格納されています。一方、[zoom_level] フィールドと [Name] フィールドには [NorwayMinorIslands] レイヤーから取得された値のみが格納されています。

    属性テーブル

    このように出力が混在した状態は、マージされたレイヤーで許容される場合もあります。 ただし、より明確な結果を作成することも可能です。 次に、ソース レイヤーでこれらのフィールドを調査し、どのようにマージすべきかを判断します。

  4. [NorwayLand_Merge] テーブルを閉じます。
  5. [NorwayLand] レイヤーと [NorwayMinorIslands] レイヤーの属性テーブルを開きます。
  6. 属性テーブルの上にある [NorwayMinorIslands] タブを右クリックしてから [新規タブ グループを上下に並べる] を選択します。

    新規タブ グループを上下に並べる

    これで、両方のテーブルを同時に表示できるようになりました。 次に、出力レイヤーで不一致が見られたフィールド ([min_zoom][ORIG_FID][zoom_level][Name]) について調査します。

    [min_zoom] フィールドと [zoom_level] フィールドには、よく似た情報が格納されています。 どちらのフィールドでも、フィーチャを Web マップに表示する場合のズーム レベルが推奨されています。

    属性テーブル内の min_zoom フィールドと zoom_level フィールド

    これら 2 つのフィールドをマージして、新しい出力レイヤー内で 1 つのフィールドにします。

    [ORIG_FID] フィールドは [NorwayLand] レイヤーのみに存在しますが、今回の目的では不要なフィールドです。 このフィールドを出力レイヤーから削除します。

    [Name] フィールドは [NorwayMinorIslands] レイヤーのみに存在します。 ほとんどのフィーチャで NULL 値になっているものの、島々の名称は残したいので、このフィールドは保持します。

フィールド マップの構成

2 つのレイヤーの属性をマージする方法を考案したので、[マージ] ツールを再実行します。 今回は、フィールド マップを使用して属性のマージ方法を指定します。

  1. [ジオプロセシング] ウィンドウの [フィールドの一致モード] で、[フィールド マップを使用してフィールドの違いをリコンサイル] を選択します。
  2. [フィールド マップ] セクションで、[編集] をクリックします。

    Edit ボタン

    [フィールド プロパティ] ウィンドウが表示されます。

  3. [フィールド][featurecla (2)] をクリックします。

    [(2)] ラベルは、この出力フィールドに関連しているソース フィールドが 2 つ存在することを示します。 [テーブル] にある情報は、[featurecla] というフィールドがどちらの入力レイヤーにも存在することを示しています。

    featurecla フィールドの情報

    これら 2 つのフィールドの内容がマージされ、出力レイヤー内で新しい 1 つの [featurecla] フィールドになります。 次に、出力レイヤーのこのフィールドの名前を変更します。

  4. [プロパティ] テーブルの [フィールド名] で、[featurecla] を削除し、「type」と入力します。 また、[エイリアス] を「type」に変更します。

    フィールド名とエイリアスを type に変更

  5. [フィールド][min_zoom] をクリックします。

    min_zoom フィールド

    [テーブル] セクションから、このフィールドには [NorwayLand] レイヤーから取得された 1 つのソースしかないことがわかります。

  6. [テーブル][NorwayMinorIslands (0)] をクリックします。

    テーブル リストの NorwayMinorIslands

    選択したレイヤーからソース フィールドを追加することができます。

  7. [アクションとソース フィールド] で、下にスクロールして [zoom_level] をクリックします。

    アクションとソース フィールド セクションに追加された新しいソース フィールド

    これで、[min_zoom] フィールドと [zoom_level] フィールドの両方が出力レイヤー内の新しいフィールドに関連付けられます。

  8. [フィールド][ORIG_FID] をクリックします。

    このフィールドは、1 つのテーブルにしか存在しません。 このフィールドは新しいレイヤーでは不要になるため、削除します。

  9. [フィールド] で、[ORIG_FID] にポインターを合わせて、[削除] ボタンをクリックします。

    削除ボタン

    [zoom_level] の値は [min_zoom] フィールドにすでに含まれているため、こちらも削除しても構いません。

  10. [zoom_level] フィールドを削除します。

    [(2)] ラベルが付いていない最後のフィールドは [Name] です。 先ほど [Name] は出力フィールドとして保持することを決めました。 ソース レイヤーが 1 つだけでも問題ありません。

    最後のフィールド セクション

  11. [フィールド プロパティ] ウィンドウで、[OK] をクリックします。

マージ ツールの再実行

フィールド マップの構成が完了しましたので、[マージ] ツールを再実行して結果を確認します。

  1. [ジオプロセシング] ウィンドウの [フィールド マップ] で、[出力へのソース情報の追加] のチェックボックスをオフのままにします。

    出力へのソース情報の追加のチェックボックス

    このオプションにより、各フィーチャのソース レイヤーを示すフィールドがさらに追加されます。 ただし、今回は [featurecla] ([type] という名前を設定) フィールドがすでにその役割を果たしているため、ソース情報をさらに追加する必要はありません。

  2. [実行] をクリックします。

    ツールが実行され、[コンテンツ] ウィンドウで [NorwayLand_Merge] レイヤーが更新されます。 [出力データセット] の名前を変更していないので、前に作成した名前が上書きされました。

  3. [NorwayLand] 属性テーブルと [NorwayMinorIslands] 属性テーブルを閉じます。
  4. [NorwayLand_Merge] レイヤーの属性テーブルを開きます。
  5. テーブルをスクロールして、両方の入力レイヤーから取得されたフィーチャが含まれており、これらのフィールドが正常にマージされていることを確認します。

    8 つのフィールド ([OBJECTID][Shape][type][scalerank][min_zoom][Name][Shape_Length][Shape_Area]) があるはずです。

    NorwayLand_Merge 属性テーブル

  6. 属性テーブルを閉じます。
  7. [コンテンツ] ウィンドウで [NorwayLand] を右クリックしてから [削除] を選択します。

    レイヤーのショートカット メニューにある削除

  8. [NorwayMinorIslands] レイヤーも削除します。
  9. [クイック アクセス ツールバー][プロジェクトの保存] ボタンをクリックします。

    プロジェクトの保存ボタン

  10. このプロジェクトが以前のバージョンで作成されたというメッセージが表示された場合は、[はい] をクリックします。

2 つのポリゴン レイヤーをマージして新しい 1 つのレイヤーにしました。 フィールド マップを使用して、一致しないフィールドを新しいレイヤー内でマージする方法を確認しました。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。