マップの作成

最初に、ArcGIS Pro を使用してマップを作成します。 プロジェクトを開始します。プロジェクトには、マップとその作成に必要なツールが含まれています。 次に、オンラインでヴェネツィアのデータを検索し、マップに追加します。 最後に、ナビゲーション ツールとブックマークを使用してデータを調べます。

プロジェクトの開始

マップを作成する前に、まずプロジェクトを作成する必要があります。 プロジェクトには、マップ、データベース、ツールボックス、スタイルに加え、自分のマップの作成に役立つその他のフォルダーが含まれています。

  1. ArcGIS Pro を起動します。 サイン インを求められたら、ライセンスが割り当てられた ArcGIS 組織アカウントを使用してサイン インします。
    注意:

    ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

    ArcGIS Pro を開くと、新しいプロジェクトを作成するか、既存のプロジェクトを開くかを選択できるオプションが表示されます。 以前プロジェクトを作成したことがある場合は、最近使用したプロジェクトのリストが表示されます。

  2. [新しいプロジェクト] の下の [マップ] をクリックします。

    マップ テンプレート

    [マップ] テンプレートにより、2D マップのプロジェクトが作成され、すぐに開始可能になります。 また、2D マップのテンプレートを使用して開始した場合でも、3D マップをプロジェクトに追加することができます。 [カタログ][テンプレートを使用せずに開始] オプションでは、マップのないプロジェクトが開くので、必要なマップまたはシーン タイプを追加できます ([カタログ] テンプレートは、デフォルトで最初にカタログ ビューが開きます)。 [シーン] テンプレートでは、3D マップのプロジェクトが作成されます。

  3. [新しいプロジェクトの作成] ウィンドウで、プロジェクトの名前を「Venice Acqua Alta」に変更します。

    プロジェクトの設定

    デフォルトでは、プロジェクトは、コンピューターの C: ドライブの [ドキュメント] フォルダーにある ArcGIS フォルダーに保存されます。 他の場所に保存する場合は、別の場所をご参照ください。

  4. [OK] をクリックします。

    プロジェクトが開き、マップ ビューが表示されます。

    デフォルト マップ

マップへのデータの追加

ヴェネツィアの地形図を調べるには、データが必要です。 データの追加方法は多数ありますが、このチュートリアルでは、レイヤー パッケージの形式でデータを追加します。 レイヤー パッケージでは、複数のデータ レイヤーが 1 つのファイルにバンドルされているため、多数のデータを一度に追加できます。

  1. 必要に応じて、ページ上部のリボンの [マップ] タブをクリックします。 [レイヤー] グループの [データの追加] をクリックします。

    データの追加ボタン

    [データの追加] ウィンドウが開きます。 このウィンドウには、プロジェクト フォルダー ([プロジェクト])、オンライン ([ポータル])、コンピューター ([コンピューター]) の 3 つのデータ検索場所があります。

    注意:

    ArcGIS Enterprise を使用している場合、「VeniceData.zip」 をダウンロードして、プロジェクトで作成したプロジェクト フォルダーに展開します。 [VeniceData] を参照して、[Venice_Feature_Layers] アイテムを追加します。 ポータルのセキュリティのために、Enterprise ではユーザーが ArcGIS Online に保存されたアイテムを検索することはできません。 データは、ライセンス ポータル、ArcGIS Living Atlas、またはローカルでホストする必要があります。

  2. ウィンドウのパネルで、[ポータル] の下の [ArcGIS Online] をクリックします。

    データの追加ウィンドウのウィンドウ

  3. ウィンドウ上部の検索ボックスに、「Venice_Feature_Layers」と入力します。 Learn ArcGIS の管理者アカウントが所有するレイヤーに検索結果を絞り込むために、「owner:Learn_ArcGIS」を検索に追加します。 Enter キーを押します。

    データの検索

  4. 検索結果の [Venice_Feature_Layers] レイヤー パッケージをダブルクリックして、そのレイヤーをマップに追加します。

    マップにレイヤーが追加され、イタリアのヴェネツィアにズームします。

    ヴェネツィアのデフォルトの範囲

    緑色の小さなポイントが有名なランドマーク、赤いラインが運河、ターコイズのポリゴンが構造物をそれぞれ表します。

マップのナビゲートとブックマークの作成

このチュートリアルの最後のパートでは、マップをナビゲートして、主要エリアにすばやく戻るためのブックマークを作成します。

  1. [マップ] タブの [ナビゲーション] グループにある [定率縮小] ボタンをクリックします。

    定率縮小ボタン

    マップが一定距離に縮小します。

    ヒント:

    ズームするには、マップ ウィンドウにポインターを置いて、マウスをスクロールする方法もあります。

  2. 必要に応じて、市内全体が表示されるまで縮小します。

    ヴェネツィアの全範囲

    ヴェネツィアのほぼ全土が構造物で覆われています。 ベースマップには、わずかな領域の自然地形が薄緑色で表示されていますが、この領域は、構造物のシンボルの影響で見にくくなっています。 シンボルの変更は次のチュートリアルで行いますので、ここではこのまま続けます。

  3. 必要に応じて、[マップ] タブの [ナビゲーション] グループにある [マップ操作] ボタンをクリックします。

    マップ操作ボタン

  4. マップをクリックしてドラッグし、橋を横切って北西に画面移動します。

    本土への橋

    橋はヴェネツィアから本土のイタリアまでつながっています。 ヴェネツィアは、アドリア海のヴェネツィア湾の一部であるヴェネツィア潟内にあります。 アドリア海の細長い形状が、水流を増幅し、ヴェネツィアの高潮を引き起こす原因となっています。

  5. ヴェネツィアの画面に戻ります。

    次に、対象ポイントにすばやく移動できるようブックマークを作成します。

  6. [マップ] タブの [ナビゲーション] グループにある [ブックマーク] ボタンをクリックし、[新しいブックマーク] を選択します。

    ブックマーク ボタン

  7. [名前] に「Venice」と入力し、[OK] をクリックします。

    ブックマークの作成ウィンドウ

  8. 以下の図で示した都市の中南部の空き領域にズームします。

    サンマルコ広場

    ヒント:

    特定の範囲をズームするには、Shift キーを押したままマップ上で範囲を示すボックスを描画します。

    これは、ヴェネツィアの主要な公共広場であるサンマルコ広場です。 ヴェネツィアで最も訪問者の多い場所の 1 つであると同時に、最も標高の低い場所の 1 つでもあります。 高潮が発生すると、しばしば浸水します。

  9. この広場をブックマークします。 ブックマークに「Piazza San Marco」と名前を付けます。
  10. [ブックマーク] ボタンをクリックし、[Venice] ブックマークをクリックします。

    その他にブックマークすべき重要な場所はどこでしょうか。 ヴェネツィアに行ったことがなければ、わからないかもしれません。 しかし、問題ありません。[ランドマーク] レイヤーに重要な場所が表示されています。

  11. マップ上で緑色の小さな円のいずれかをクリックして、ポップアップを表示します。

    Teatro la Fenice ポップアップ

    ポップアップはフィーチャごとにあります。 デフォルトでは、ポップアップに、選択されたフィーチャの属性データが表示されます。 上記の例では、フィーチャの名前と重要な説明が表示されています。

  12. 9 つのランドマークのいくつかをクリックして、そのデータと、洪水が都市にもたらす問題を把握します。
    ヒント:

    現在のランドマークのシンボルの色は、構造物に溶け込んでいます。 これらのシンボルが見つけにくい場合は、[コンテンツ] ウィンドウで、[Structures] レイヤー名の横にあるチェックボックスをオフにして、このレイヤーを非表示にすることができます。

  13. 対象とするポイントを 2 つか 3 つズームして、それぞれのブックマークを作成します。

    後のチュートリアルで洪水が都市に与える影響を分析するときに、これらのブックマークを再度使用することができます。

  14. [Venice] ブックマークに戻ります。 [クイック アクセス ツールバー][保存] ボタンをクリックして、プロジェクトを保存します。

    保存ボタン

ArcGIS Pro でプロジェクトを開始し、マップにデータを追加して、データを調べました。


レイヤーのシンボル化とフィーチャの編集

データを操作したときに、シンボル化の方法が原因で一部のフィーチャが区別しにくいということがありました。 次に、マップをさらにわかりやすくシンボル化していきます。

構造物レイヤーのシンボル化

まず初めに、ターコイズの構造物に、より適した色を付けます。

  1. 必要に応じて、ArcGIS Pro[Venice Acqua Alta] プロジェクトを開きます。
  2. [コンテンツ] ウィンドウで、[Structures] レイヤーのターコイズの四角形シンボルをクリックします。

    構造物シンボル

    [シンボル] ウィンドウが開いて、[ギャラリー] が表示されます。

  3. 検索ボックスに「シエナ」と入力し、Enter キーを押します。 シエナのシンボルを選択します。
    注意:

    または、ミディアム ダーク ブラウンの色を選択することもできます。

    シエナのシンボル

    [Structures] レイヤーのシンボルがターコイズから茶色に更新されます。

    シンボル化された構造物

運河レイヤーのシンボル化

現在、運河は暗赤色でシンボル表示されています。 ヴェネツィアの運河は、当然暗赤色ではありません。 運河は水域であるため、青を表す別の色を使用する方が適切です。 そこで、運河シンボルを変更します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Canals] レイヤーの赤いライン シンボルをクリックします。
  2. [シンボル] ウィンドウの [プロパティ] をクリックします。

    シンボル ウィンドウのプロパティ

  3. [色] で、シンボルをクリックして [ヨゴ ブルー] を選択します。

    ヨゴ ブルー

    ヒント:

    色の上にマウスポインターを合わせると、その名前が表示されます。

    [ヨゴ ブルー] は、地形図ベースマップの青色に溶け込むことなく水域を表現できる青色です。 ただし、運河は細いため、場所によっては見にくくなります。

  4. [ライン幅] に「1.5」と入力します。
  5. [シンボル] ウィンドウの下部にある [適用] をクリックします。

    [運河] レイヤーがよりわかりやすく表示され、水路がより適切に表現されるようになりました。

    シンボル化された運河

ランドマーク レイヤーのシンボル化

[Landmarks] レイヤーは重要な場所を表すため、目立つようにシンボルをカスタマイズします。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Landmarks] レイヤーの緑のポイント シンボルをクリックします。
  2. [シンボル] ウィンドウの [ギャラリー] をクリックします。 テキスト ボックスに「押しピン」と入力し、Enter キーを押します。

    複数の検索結果が返されます。

  3. 大きな丸い押しピン シンボルをダブルクリックします。

    押しピン シンボル

    レイヤー シンボルが更新されるとともに、[シンボル] ウィンドウが更新されます。

    デフォルトのスタイルをさらに目立つようにカスタマイズできます。

  4. [シンボル] ウィンドウで、シンボルをクリックします。

    シンボル

  5. [プロパティ] タブをクリックし、[レイヤー] ボタンをクリックします。

    レイヤー タブ

  6. [表示設定][図形塗りつぶしシンボル] で、[塗りつぶし (アウトライン付き - 0.5 ポイント)] を選択します。

    塗りつぶし (アウトライン付き - 0.5 ポイント)

  7. [色][ダーク アメジスト] を選択します。

    ダーク アメジスト

    紫色は、赤茶色の構造物を背景にすると目立ちます。 アウトラインとしては、やや濃い色が有効です。

  8. [アウトライン色][ウルトラマリン] を選択します。

    ウルトラマリン

  9. [アウトライン幅] および [サイズ] のデフォルト設定をそのまま使用します。

    押しピンの表示設定

  10. [適用] をクリックします。

    シンボル化されたランドマーク

    紫色の押しピンは、緑の点よりも格段にはっきりと目立ちます。

  11. [シンボル] ウィンドウを閉じます。

ランドマーク レイヤーの編集

前のチュートリアルで調べた「サンマルコ広場」などの重要な場所が、ランドマーク レイヤーから抜けています。 データは必ずしも完全であるとは限りません。 そのような場合でも、レイヤーを編集して、抜けている場所を追加すれば問題はありません。

  1. [Piazza San Marco] ブックマークにズームします。
  2. リボンの [編集] タブをクリックします。 [フィーチャ] グループの [作成] ボタンをクリックします。

    作成ボタン

    [フィーチャ作成] ウィンドウが開いて、編集できるレイヤーが表示されます。

  3. [フィーチャの追加] ウィンドウで、[Landmarks] 押しピン シンボルをクリックします。

    フィーチャ作成ウィンドウ

    これで、マップにランドマークが追加できました。

  4. サンマルコ広場の中心をクリックして、ポイントを追加します。

    サンマルコ広場ランドマーク

    新しいポイントが自動的に選択され、青色で強調表示されます。

    ヒント:

    ポイントの配置場所が適切ではない場合、設定を元に戻すことができます。 または、次の方法でそのポイントを削除できます。ポイントが選択されていることを確認後、[編集] タブの [フィーチャ] グループで [削除] をクリックします。

  5. [Venice] ブックマークにズームします。

    次に、ヴェネツィアのもう 1 つの重要な場所である「リアルト橋」をランドマークに追加します。

  6. マウス ホイール ボタンを使用してマップを拡大/縮小し、C キーを押してマップを画面移動します。 ヴェネツィアの中心にある運河にかかる橋にズームします。

    リアルト橋の位置

    これは、ヴェネツィアで最古の橋の「リアルト橋」です。

  7. C キーを放して、ポインターを [Landmarks] シンボルに戻します。 橋にポイントを追加します。

    リアルト橋ランドマーク

    注意:

    ポイントを追加すると、ポインターが他のフィーチャ レイヤーにスナップされる場合があります。 スナップは、フィーチャ同士を横に並べやすくするフィーチャ編集です。 スナップをオフにするには、[編集] タブの [スナップ] ボタンをクリックするか、編集中にスペース キーを押したままにしてスナップを一時停止します。

  8. [Venice] ブックマークにズームします。

    ヴェネツィアにおいて重要な役割を果たすもう 1 つのランドマーク「サンミケーレ島」を追加します。

  9. ヴェネツィアの真北の島にズームします。

    サンミケーレ島の位置

  10. 島の中心近くにポイントを追加します。

    サンミケーレ島ランドマーク

    サンミケーレ島は、ヴェネツィアの墓地です (ただし、必ずしも最終墓地ではありません。区画の価格が非常に高いため、移動せざるを得ない場合もあります)。 サンミケーレ島は、サンマルコ広場やリアルト橋ほど有名ではありませんが、それでも十分重要なランドマークです。

  11. [Venice] ブックマークに戻って、[フィーチャ作成] ウィンドウを閉じます。
  12. [編集] タブをクリックし、[編集の管理] グループにある [保存] ボタンをクリックします。

    保存ボタン

  13. [編集の保存] ウィンドウで、[はい] をクリックして編集をすべて保存します。
    注意:

    [編集] タブの [保存] ボタンを使用すると、[コンテンツ] ウィンドウで選択したレイヤーに対するすべての変更が保存されます。 このとき、プロジェクトは保存されません。 プロジェクト全体を保存するには、[クイック アクセス ツールバー][保存] ボタンをクリックします。

属性データの編集

これまでに、[Landmarks] レイヤーに新しいフィーチャを 3 つ追加しました。 ただし、これらのフィーチャには、その内容や重要性を説明する属性がありません。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Landmarks] レイヤーを右クリックし、[属性テーブル] をクリックします。

    属性テーブル

  2. 属性テーブルのフィールドを確認します。

    デフォルトの属性テーブル

    [Landmarks] レイヤーには 4 つのフィールドがあります。 [OBJECTID][Shape] はソフトウェアで設定されますが、[Name] フィールドと [Description] フィールドはユーザーが指定します。 追加した 3 つのポイントのこれらのフィールド値は [NULL] となっています。 最後に追加したポイントが、マップ上と属性テーブルの両方で選択されています。

    注意:

    編集プロセスの途中で 1 つのポイントを削除した場合、ポイントの [OBJECTID] 値が異なっていることがあります。 ID が異なっていても、解析の結果に影響はありません。

  3. 最初に追加したポイントの行で、[Name] フィールドの NULL 値をダブルクリックして編集します。 「Piazza San Marco」と入力し、Enter キーを押します。

    テーブルの編集

  4. 2 番目に追加したポイントの [Name] 属性を編集して、「Ponte di Rialto」にします。
  5. 3 番目に追加したポイントの [Name] 属性を編集して、「Isola di San Michele」にします。

    ポイントに名前が指定されましたが、まだ説明がありません。 先ほど確認したとおり、[Description] フィールドには、ランドマークの意味を説明する文を指定します。 説明は長くなる可能性が高いため、入力せずに貼り付けます。

  6. 次のテキストを選択してコピーします。

    ヴェネツィアの主要な公共広場である「サンマルコ広場」は、市内で最も訪問者の多い場所の 1 つで、有名なランドマークが複数あります。 人気の観光スポットには、サンマルコ寺院、マルチアーナ国立図書館、ドゥカーレ宮殿などがあります。 サンマルコ広場は、市内で最も低い位置にあるエリアの 1 つで、水位が上がると頻繁に洪水が発生します。

  7. サンマルコ広場の [Description] フィールドをダブルクリックして、編集を開始します。 前のステップの説明を貼り付けて、Enter キーを押します。
  8. 同じ操作を行って、リアルト橋に次の説明を指定します。

    リアルト橋は、ヴェネツィアのカナルグランデにかかる 4 つの橋のうちの最古の橋です。 歴史的に見ると、市内の主要な経済の中心地であるリアルトマーケットへの重要な接続手段としての役割を果たしてきました。 高潮が発生すると、高架橋の大部分は浸水しませんが、周辺エリアでは、木製の歩道橋を歩行者が安全に渡れることが求められています。

  9. 同じ操作を行って、サンミケーレ島に次の説明を指定します。

    サンミケーレ島は、19 世紀初頭以降ヴェネツィアの墓地としての役割を果たし、Igor Stravinsky と Ezra Pound の墓もあります。 島の端にある Cappella Emiliana チャペルは、金属製の障壁によって洪水から保護されていますが、著しく水位が上がると被害を受ける危険があります。

  10. すべてのポイントに名前と説明があることを確認します。

    更新された属性テーブル

  11. 属性テーブルを閉じます。
  12. [編集] タブで、[編集の管理] グループの [保存] ボタンをクリックして編集をすべて保存します。
  13. クイック アクセス ツールバー[保存] をクリックして、プロジェクトを保存します。

レイヤーのシンボル化とフィーチャの修正を行いました。 前回のレッスンでは、マップはシンボル化されてはいましたが、目立たせたり明確にするという点が欠けていました。 データにも、ヴェネツィアの最も重要なランドマークを表す主要なフィーチャが欠けていました。 これで、ヴェネツィアの洪水の問題を調べる準備ができました。


3D データの調査

次に、ヴェネツィアの洪水を分析します。 地元住民にはアクア アルタ (高潮) として知られているヴェネツィアの洪水は、ヴェネツィアの標高が低いことと高潮位のときに潟の標高が高くなるという 2 つの要素が原因となっています。 前回、2D データを操作しましたが、ここでは、標高に新しい次元の「高さ」を追加します。

目的は、異常潮位 (海抜 1.4 メートルと定義) が発生したときに、ヴェネツィアのどのくらいのエリアが影響を受けるかを明らかにすることです。 結果を有効に示すためには、3D データを視覚化できるようになる必要があります。 このチュートリアルでは、まず標高のレイヤーをマップに追加します。 次に、データを 3D に変換して、ヴェネツィアの標高とそれが原因となる問題について理解していきます。

ラスター データの追加と調査

前回のレッスンでは、フィーチャ データ (不連続オブジェクトとして表示されるデータ、すなわちフィーチャ) を操作しました。 フィーチャ データは、構造物、運河、ランドマークを表現するにはすぐれていますが、連続するサーフェス上の標高を表すには適していません。 これを表すには、ラスター データという別の種類のデータを使用します。

ラスター データは多数のピクセルから構成されており、そのそれぞれに独自の値があります。 フィーチャ データと外観は異なりますが、マップへの追加方法は同じです。

  1. 必要に応じて、ArcGIS Pro[Venice Acqua Alta] プロジェクトを開きます。
  2. [マップ] タブの [レイヤー] グループにある [データの追加] ボタンをクリックします。

    [データの追加] ウィンドウが開きます。

    注意:

    ArcGIS Enterprise を使用している場合、[VeniceData] を参照し、[Venice_Elevation_Data] アイテムを追加して、手順 6 に進みます。

  3. [データの追加] ウィンドウで、[ポータル] の下の [ArcGIS Online] をクリックします。
  4. 検索ボックスに「Venice_Elevation_Data owner:Learn_ArcGIS」と入力し、Enter キーを押します。

    データの検索

  5. [Venice_Elevation_Data] をダブルクリックして、マップに追加します。
    注意:

    パッケージは、150 MB と若干大きいため、ネットワークの接続状況によってはダウンロードに数分かかる場合もあります。

  6. [コンテンツ] ウィンドウで、必要に応じて 2 つの新しいレイヤーを展開します。

    パッケージには、[Venice 1m][Venice Ground Surface] の 2 つのレイヤーが入っています。

  7. [コンテンツ] ウィンドウで、[Landmarks][Canals][Structures] の横にある各ボックスをオフにして、[Venice 1m] とベースマップだけを表示します。

    Venice 1m ラスター レイヤー

    このチュートリアルでシェープ ジオメトリを使用して探索した他のフィーチャ レイヤーとは異なり、[Venice 1m] は各ピクセルが独自の値を格納するピクセル マトリックスを使用するラスター レイヤーです。 レイヤー名「Venice 1m」は、その解像度 (ピクセルのサイズ) を表します。 1m は、各ピクセルが 1 平方メートルの面積であることを意味しています。

  8. [コンテンツ] ウィンドウの [Venice 1m] の横にある矢印をクリックして、シンボルを表示します。

    Venice 1m のシンボル

    このレイヤーには、単一のシンボルではなく、複数値を表す配色があります。 値は、メートル単位の標高を表します。 ヴェネツィアの標高は、海面直下 (暗い色) から海抜約 11 メートル (明るい色) までとなっており、非常に平坦です。

  9. [マップ] タブの [ナビゲーション] グループにある [マップ操作] をクリックします。 ラスター レイヤー上の任意の場所をクリックして、ポップアップを開きます。

    画像例では、ピクセルの標高は、海抜約 2.9 メートルです。

    Venice 1m のポップアップ

  10. ポップアップを閉じます。

    マップの調査から、ヴェネツィアのほとんどのエリアは海抜約 1 メートルであり、市内の東西の端部の標高がいくぶん高いに過ぎないことがわかります。 このように標高の低い環境のため、ヴェネツィアは洪水の被害を受けやすくなっています。 ヴェネツィアの極端に平坦な地形をさらに理解するために、3D で視覚化します。

マップからシーンへの変換

元々、マップのデータは 2D で表示されます。 シーンは、データを 3D で表示するマップです。 デフォルトでは、ArcGIS Pro はマップをグローバル シーンに変換します。グローバル シーンは、世界全体を球体で表現します。 ここでは、対象が世界全体ではなくヴェネツィアであるため、設定を変更して、マップがローカル シーンに変換されるようにします。

  1. リボンの [表示] タブをクリックします。 [表示] グループで、[変換] をクリックして、[ローカル シーンに変換] を選択します。

    変換ボタン

    マップが 3D に変換され、[Map_3D] という新しいウィンドウが作成されます。 いつでも [マップ] タブをクリックして、2D マップに戻ることができます。

  2. [コンテンツ] ウィンドウで、[Venice 1m] をオフにします。 [Structures][Landmarks]、および [Canals] をオンにします。
    注意:

    シーンでは、レイヤーは 2D または 3D のいずれかで指定できます。 現在使用しているレイヤーは 2D であるため、平坦なままです。 これはこのチュートリアルで後ほど変更します。

    デフォルトのヴェネツィアのシーン

  3. ポインターをドラッグしながら V キーを押すと、3D シーンを傾斜および回転させて操作できます。 2D マップの場合と同じ方法で画面移動やズームを行います。 右クリックでズームすることもできます。

    傾けられたヴェネツィアのシーン

    ヴェネツィアの平坦な地形が、遠くの山々と対照的に表示されます。 ラスター データはヴェネツィア以外は表示しないはずですが、これらの山々はなぜ表示されているのでしょうか。 デフォルトでは、シーンは、標高サーフェスという標高データのマップを使用して標高を判断しています。 このデフォルトのサーフェスが、解像度は低い (詳細ではない) ものの、世界全体を網羅しているためです。

  4. [Venice] ブックマークに戻ります。
    注意:

    マップをシーンに変換すると、マップの 2D ブックマークも 3D ブックマークに変換されます。 現時点ではどちらのブックマーク セットも同じものなので、どちらを使用しても構いません。

標高ソースの追加

デフォルトの地表サーフェスは、ヴェネツィアの極端に平坦な土地を正確に描画します。 ただし、解像度が低いため、詳細を分析するには適していません。 次のチュートリアルの準備として、高解像度のラスター レイヤーの 1 つを新しい標高サーフェスとして追加します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Venice Ground Surface] レイヤーをオンにします。

    Venice ground surface

    [Venice Ground Surface] レイヤーには [Venice 1m] レイヤーと同じ標高データがありますが、周辺の潟の海抜データも含まれています。 このデータにより、ヴェネツィアの標高が詳細になり、シーンの設定に役立ちます。 このレイヤーを地表面の標高として設定します。

    まず、ローカル コンピューター上で、[Venice Ground Surface] レイヤーの格納場所を見つけます。

  2. [コンテンツ] ウィンドウで、[Venice Ground Surface] レイヤーをダブルクリックします。

    [レイヤー プロパティ: Venice Ground Surface] ウィンドウが開きます。

  3. [レイヤー プロパティ: Venice Ground Surface] ウィンドウで、[ソース] タブをクリックします。

    ソース タブ

    [ソース] タブでは、レイヤーが保存されているソースを確認できます。 このパスをコピーします。

  4. [データ ソース][データベース] で、パスをコピーして、[キャンセル] をクリックします。

    次に、[Venice Ground Surface] レイヤーを標高ソースとして追加します。

  5. [マップ] タブの [レイヤー] グループで、[データの追加] ボタンをクリックして [標高ソース レイヤー] を選択します。

    標高ソース レイヤーを追加

    [標高ソース レイヤーを追加] ウィンドウが表示されます。

  6. [標高ソース レイヤーを追加] ウィンドウで、前にコピーしたパスを貼り付けて Enter キーを押します。

    パスに移動

  7. [venicesource] をクリックし、[OK] をクリックします。

    [venicesource] レイヤーが、[コンテンツ] ウィンドウの [標高サーフェス] セクションの下に追加されます。 標高サーフェスは 2 つあります。 1 つは先ほど追加した [venicesource] レイヤーで、もう 1 つはデフォルトのサーフェスです。

  8. [データの追加] ボタンをクリックして [標高ソース レイヤー] を選択します。
  9. [venice1m] をクリックし、[OK] をクリックします。
  10. [OK] をクリックします。

    新しい標高サーフェスがヴェネツィア周辺エリアの地表として設定されます。 デフォルトの標高値は、引き続きヴェネツィア以外のエリアで使用されます。したがって、背景の山々も引き続き表示されます。

  11. [コンテンツ] ウィンドウの [2D レイヤー] で、[Venice Ground Surface] をオフにします。
  12. 画面移動、ズーム、傾斜を行ってシーンをナビゲートし、新しい地表面サーフェスの表示をより見やすくします。

    更新されたヴェネツィアのシーン

    標高のシフトを表示するために非常に近くまでズームする必要がある場合があります。ヴェネツィアは、非常に平坦で標高が低いためです。 標高が非常に低いことで、ヴェネツィアで洪水がどれほど深刻であるかがよくわかります。

ランドマーク レイヤーの 3D 表示

シーンを傾けるとわかりますが、ランドマーク レイヤーは、2D レイヤーとして表示され、押しピンのシンボルが地表に対してフラットになっています。 このレイヤーには標高データがありませんが、レイヤーの表示を変更して、押しピンのシンボルに高さを加えることができます。

  1. [コンテンツ] ウィンドウの [2D レイヤー] セクションで、[Landmarks] レイヤーを [2D レイヤー] グループから [3D レイヤー] グループにドラッグします。

    3D ランドマーク

    押しピンが 3D で表示され、マップを回転したり画面移動したりすると、垂直に立ち上がるようになります。

    ヴェネツィアのシーン

構造物レイヤーの立ち上げ

また、現在はフラットですが、3D で表示できるレイヤーとして、[Structures] レイヤーがあります。 [Structures] レイヤーには、[Landmarks] レイヤーとは異なり、属性に高さデータがあります。 レイヤーを 3D で表示するには、立ち上げと言われるコマンドを使用します。立ち上げは、定数または属性を Z 値として使用してフィーチャを 3D で表示します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[2D レイヤー] グループの [Structures] レイヤーを [3D レイヤー] グループにドラッグし、[Landmarks] レイヤーの下に配置します。

    [Structures] レイヤーの外観が若干変わりますが、まだフラットなままです。 フィーチャを立ち上げるには、属性を使用して各フィーチャの Z 値を決定します。

  2. [コンテンツ] ウィンドウで、[Structures] を右クリックして、[属性テーブル] を選択します。

    属性テーブル

    テーブルには 5 つのフィールドがあります。そのうちの 1 つが [Height] です。 このフィールドの値を使用して、[Structures] レイヤーを立ち上げます。

  3. 属性テーブルを閉じます。
  4. [フィーチャ レイヤー] タブの [立ち上げ] グループで、[タイプ] ボタンをクリックして [最大高度] を選択します。
    注意:

    [フィーチャ レイヤー] タブは、状況依存であるため、特定の状況でのみ表示されます。 このタブは、[コンテンツ] ウィンドウでレイヤーが選択された場合にのみ表示されます。 次に進む前に [Structures] レイヤーが選択されていることを確認してください。

    タイプ ボタン

  5. [立ち上げ] グループの [フィールド] で、[Height] を選択します。 [単位] パラメーターはそのままにしておきます。
    Height フィールドを設定します。

    フィーチャが立ち上げられると、選択したフィールドに基づいて高さ値が設定されます。 これで、マップが 3D 表示されます。

    立ち上げられたシーン

  6. プロジェクトを保存します。

2D マップをシーンに変換し、標高とレンダリングの設定を調整して、データをさらに効果的に表示しました。 ヴェネツィアは、非常に標高が低いため、わずかな水面上昇でも危険な状態になることがわかります。


アクア・アルタ (異常潮位現象)

前回、ヴェネツィアの 3D マップを作成し、その非常に低い標高を観察しました。 次に、高潮の発生時にヴェネツィアのどのくらいの割合のエリアが浸水するかを計算し、浸水の様子を 3D で表現します。

まず初めに、ヴェネツィアの浸水箇所を表現するラスターを作成します。 次に、影響を受けるエリアを計算します。 最後に、前のチュートリアルのシーンを利用して、浸水の状態を視覚化します。

洪水ラスター レイヤーの作成

ヴェネツィアの洪水地域のラスターを作成するには、土地の標高と潮位 (海抜) という 2 つの値が必要です。 土地の標高は、前のチュートリアルの [Venice 1m] ラスターからすでにわかっています。 水に関しては、1.4 メートルの高さを使用します。この高さは、ヴェネツィアの自治体が異常高潮の値として定義しているものです。 過去に、異常高潮は 4 年に 1 回の頻度で発生していました。 2008 年から 2014 年の間は、6 回の異常高潮が記録されており、年 1 回の発生率となっています。

これらの値を数式に当てはめて、浸水するエリアと浸水しないエリアのラスター レイヤーを作成します。 次に、浸水しないエリアを除去し、浸水エリアのレイヤーのみを残します。

  1. 必要に応じて、ArcGIS Pro[Venice Acqua Alta] プロジェクトを開きます。

    洪水レイヤーを作成しそのエリアを計算するには、まず別のレイヤーを作成して、そこから作業を進めていく必要があります。 これらのレイヤーを使用することでシーンがわかりにくくならないよう、ワークスペースとして 2D マップを使用します。

  2. [マップ] タブをクリックして、2D マップに戻ります。

    マップ タブ

  3. リボンの [解析] タブの [ジオプロセシング] グループで、[ツール] をクリックします。

    ツール ボタン

  4. [ジオプロセシング] ウィンドウの検索ボックスに「Raster Calculator」と入力します。 [ラスター演算] (Spatial Analyst ツール) をクリックします。

    ラスター演算の検索

    [ラスター演算] ツールにより既存のラスターに数式が適用され、ラスターが作成されます。 式を [Venice 1m] ラスターに適用して、洪水の範囲を決定します。

  5. [マップ代数演算式] ボックスに「"Venice 1m" < 1.4」という式を作成します。
    ヒント:

    "Venice 1m"」を式に追加するには、[ラスター] の下の [Venice 1m] をダブルクリックします。 [<] を追加するには、[ツール] の下にあるより小さい演算子をダブルクリックします。

    マップ代数演算式

    分析での水位として 1.4 メートルを使用します。 これは、年間での異常に高い水位を表します。 頻繁には発生しませんが、自治体が最大限に準備をしておく必要があるシナリオです。 必要に応じて、この式の値を変えることで分析での水位を変更することができます。

    この式により、[Venice 1m] ラスターの各ピクセル値が 1.4 より小さい (ピクセル値が水位より低い) か、1.4 より大きい (ピクセル値が水位より高い) かが判断され、各ピクセルに 1 または 0 のいずれかの値が割り当てられます。

    たとえば、[Venice 1m] ラスターのあるピクセルの値が 1.2 メートルであるとします。 この値は 1.4 より小さいため、式は TRUE となり、ピクセルの属性値は TRUE を表す 1 となります。 ピクセル値が 1.6 の場合、式は FALSE となり、ピクセルの属性値は FALSE を表す 0 が割り当てられます。

  6. [ラスター演算 (Raster Calculator)] ツールの [出力ラスター] で「Flood_Calculation」と入力し、[実行] をクリックします。

    レイヤーがマップに追加されます。

  7. [Flood_Calculation] とベースマップ以外のすべてのレイヤーをオフにします。

    洪水の計算

    注意:

    レイヤーの色はランダムに割り当てられます。 色を変更するには、[コンテンツ] ウィンドウのレイヤー名の下にあるシンボルをクリックします。

    新しいラスター内の値 1 のピクセルは浸水するエリアを表し、値 0 のピクセルは浸水しないエリアを表します。 分析で重要となるのは、浸水エリアのみです。 次に、分析の妨げにならないようラスターから浸水しないエリアの値を削除します。

  8. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[戻る] ボタンをクリックして検索ボックスに戻ります。

    戻るボタン

  9. 前の検索事項を消去して「Set NULL」と入力します。 [Set NULL] (Spatial Analyst ツール) をクリックします。

    Set NULL の検索

    [Set NULL] ツールは、ピクセル値を [NoData] に変更します。分析ではこの値は無視されます。

  10. [Set NULL] ツールの [入力条件付きラスター][Flood_Calculation] を選択します。
  11. [式] ボックスで「Where 句 Value が 0 と等しい」という式を作成します。

    Set NULL 検索式

  12. [条件式が FALSE のときの入力ラスター、または定数値][Flood_Calculation] を選択します。

    このパラメーターにより、0 でない値 (ここでは 1) が変更されなくなります。

    必要に応じて、[参照] フォルダーをクリックして [Venice Acqua Alta.gdb] から [Flood_Calculation] を選択します。

  13. [出力ラスター] の名前を「Flood_Region」に変更して、[実行] をクリックします。

    Set NULL のパラメーター

    ラスター レイヤーがマップに追加されます。

  14. [コンテンツ] ウィンドウで、[Flood_Calculation] をオフにして、レイヤーをオフにします。

    洪水エリア

    このラスターの値は 1 のみです。値 1 は、水位 1.4 メートルで浸水するエリアを示します。 さて、ヴェネツィアのどのくらいのエリアが浸水するのでしょうか。 大半のエリアが浸水するように見えますが、さらに詳細に分析を行ってエリアを定量化する必要があります。

  15. プロジェクトを保存します。

浸水エリアの計算

浸水エリアは、値 1 のラスターのセル サイズ (1 平方メートル) にセル数をかけた値になります。 この計算には、[ゾーンのジオメトリ] というツールを使用できます。 [ゾーンのジオメトリ] では、ラスターのゾーンごとにエリアが計算されます。ゾーンは、同じ値を持つすべてのセルとして定義されます。 ここでは、値が 1 つだけなので、ゾーンも 1 つです。

  1. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[戻る] ボタンをクリックして検索ボックスに戻ります。 前の検索事項を消去して「Zonal Geometry」と入力します。 [ゾーンのジオメトリ (Zonal Geometry)] (Spatial Analyst ツール) をクリックします。

    ゾーンのジオメトリの検索

  2. [ゾーンのジオメトリ] ツールで、次のパラメーターを設定します。
    • [入力ラスター、またはフィーチャ ゾーン データ][Flood_Region] を選択します。
    • [出力ラスター] の名前を「Flood_Statistics」に変更します。
    • その他のパラメーターはそのままにしておきます。

    ゾーンのジオメトリのパラメーター

  3. [実行] をクリックします。

    ラスター レイヤーがマップに追加されます。

    ゾーンのジオメトリ レイヤー

  4. [Flood_Statistics] レイヤー上の任意の場所をクリックして、ポップアップを表示します。

    洪水エリアのポップアップ

    ピクセル値により、洪水エリアの総面積がわかります (各ピクセルの値は同じです)。 値はおよそ、740 万平方メートル (7.4 平方キロメートル) です。

  5. ポップアップを閉じて、プロジェクトを保存します。

    ヴェネツィアの総面積はおよそ、12.9 平方キロメートルです。 水位が 1.4 メートルに達すると、ヴェネツィアのおよそ 5 分の 3 (57.3 パーセント) が浸水します。

洪水レイヤーの作成

先ほどは、特定の水位に達したときに、ヴェネツィアのどのくらいのエリアが洪水の影響を受けるかを分析しました。 次に、その洪水を 3D マップでモデル化し、分析に視覚的要素を加えます。

  1. [Map_3D] タブをクリックして、シーンに戻ります。

    Map_3D タブ

    前のセクションで作成したラスター レイヤーは、2D で作成し変換をしていないため、シーンには表示されません。 ラスター レイヤーはここでは必要ありません。 水位を 3D でモデル化するには、ポリゴン レイヤーを作成して立ち上げます。

  2. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[戻る] ボタンをクリックして検索ボックスに戻ります。 前の検索事項を消去して「Raster to Polygon」と入力します。 [ラスター → ポリゴン (Raster to Polygon)] (変換ツール) をクリックします。

    ラスター → ポリゴンの検索

    [ラスター → ポリゴン] ツールは、ラスター レイヤーをポリゴン レイヤーに変換します。すなわちここでは、洪水ラスターを立ち上げ可能な形式に変換します。

  3. [ラスター → ポリゴン] ツールの [入力ラスター] で、[参照] ボタンをクリックします。

    洪水ラスターは [Map_3D] [コンテンツ] ウィンドウにないため、リストから選択するのではなく、ラスター データを含むフォルダーを参照します。

  4. ブラウザー ウィンドウの左側のウィンドウで、[プロジェクト][データベース] をクリックします。 プロジェクト (Venice Acqua Alta) と同じ名前のデータベースをダブルクリックします。 [Flood_Region] ラスター レイヤーをクリックしてから [OK] をクリックします。

    ラスターの検索

  5. [出力ポリゴン フィーチャ] に「Floodwater」と入力します。 その他のパラメーターはすべてそのままにしておきます。

    ラスター → ポリゴンのパラメーター

  6. [実行] をクリックします。

    ポリゴン レイヤーがマップに追加されます。

    洪水レイヤー

  7. プロジェクトを保存します。

洪水レイヤーへの高さ属性データの追加

新しいポリゴン レイヤーには水位を表す属性がありません。レイヤーを正しく立ち上げるには、この属性が必要です。 テーブルに新しい属性を追加して、正しい値を設定します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Floodwater] を右クリックして、[属性テーブル] を選択します。

    属性テーブル

    洪水レイヤーには数千ものフィーチャがあり、レイヤー内の各ポリゴンを表しています。

  2. 属性テーブルの上部にある [フィールドの追加] ボタンをクリックします。

    フィールドの追加

    フィールド ビューが表示されます。 このビューでは、既存のフィールドまたは新しいフィールドのパラメーターを編集できます。

  3. テーブルの下部にある空のフィールドの [フィールド名] に「Height」と入力します。 [データ タイプ] で既存の値をダブルクリックし、10 進数のデータを保持できる [Float] を選択します。 その他のパラメーターはそのままにしておきます。

    新しいフィールドのパラメーター

  4. リボンの [フィールド] タブで、[保存] をクリックします。

    保存ボタン

    変更内容が保存され、フィールドがテーブルに追加されます。

  5. フィールド ビューを閉じます。
  6. [Floodwater] 属性テーブルで、[Height] フィールドを見つけます。

    高さフィールド

    [Floodwater] レイヤーに高さデータを格納するためのフィールドが設定されました。ただし、値はまだ NULL です。 この値を編集する必要があります。

  7. 属性テーブルの上部にある [フィールド演算] ボタンをクリックします。

    フィールド演算ボタン

    [フィールド演算] ウィンドウが開きます。

  8. [フィールド演算] ウィンドウの [フィールド名][Height] を選択します。 [式] テキスト ボックスに「1.4」と入力します。

    フィールド演算のパラメーター

  9. [OK] をクリックします。

    属性テーブルの [Height] フィールドの値が 1.4 に変更されます。

  10. 属性テーブルを閉じます。

洪水レイヤーの立ち上げ

これで、[Floodwater] レイヤーに、立ち上げに使用する高さデータが設定されました。 ただし、このレイヤーはまだ、海面ではなく地表と同じ標高の 2D レイヤーです。 水位はメートル単位の海抜で測定するため、この設定を変更する必要があります。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Floodwater][2D レイヤー] から [3D レイヤー] にドラッグし、[Landmarks] の下に置きます。

    3D 洪水

  2. [コンテンツ] ウィンドウで、[Floodwater] を右クリックして、[プロパティ] を選択します。

    [レイヤー プロパティ] ウィンドウが表示されます。

  3. [レイヤー プロパティ] ウィンドウで、[高度] をクリックします。 [フィーチャ] で、[絶対高度] を選択します。

    絶対高度

    デフォルトの絶対高度は、0 メートルすなわち海水面です。その他の値はそのままにしておきます。

  4. [OK] をクリックします。

    これで、[Floodwater] フィーチャを立ち上げることができます。

  5. [フィーチャ レイヤー] タブの [立ち上げ] グループで、[タイプ] をクリックして [最大高度] を選択します。
  6. [タイプ] の横にある [フィールド] をクリックして、[Height] を選択します。 [単位] パラメーターはそのままにしておきます。

    立ち上げ

    [Floodwater] レイヤーが 1.4 メートルの高さまで立ち上げられます。

洪水レイヤーのシンボル化

[Floodwater] レイヤーのシンボルはランダムに生成されているため、水に関連する色を反映していない場合があります。 これを変更して、シーンを見やすくします。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Floodwater] のシンボルをクリックして、[シンボル] ウィンドウを開きます。
  2. 必要に応じ、[ギャラリー] タブをクリックして検索ボックスに「」と入力し、Enter キーを押します。 必要に応じて、[ArcGIS 2D] の見出しを展開します。

    水に関する複数のシンボルが検索されます。

    シンボル ウィンドウ

  3. 好みの [水 (エリア)] シンボルを選択します。

    シンボル化された洪水

  4. [シンボル] ウィンドウを閉じます。
  5. [フィーチャ レイヤー] タブをクリックし、[効果] グループで、[透過表示] スライダーを「50.0%」に調整します。

    透過表示

    透過表示にすることで、[Floodwater] レイヤーが他のレイヤーの表示を妨げることがなくなります。
  6. シーンを確認します。 サンマルコ広場の構造物など、洪水で浸水する構造物を拡大して表示します。

    サンマルコ広場

    [Floodwater] レイヤーが構造物の側面に接する場所が浸水を示しています。 ランドマークとその周辺エリアを調べると、建築物に損害を与える可能性のある場所がいくつか確認できます。

    スキアヴォーニ河岸はその一例です。

    スキアヴォーニ河岸

    その他の例には、サンティ ジョヴァンニ エ パオロ聖堂が挙げられます。

    サンティ ジョヴァンニ エ パオロ聖堂

    サンタマリア デッラサルーテ聖堂も一例です。

    サンタマリア デッラサルーテ聖堂

    注意:

    拡大すると、立ち上げた構造物によって、一部のランドマークが見にくくなる場合があります。 このような場合、[Structures] レイヤーをオフにするか、透過表示にします。

    最も洪水の影響が大きいのはどのランドマークか? 最も影響が小さいのはどのランドマークか? まったく影響を受けないランドマークはあるのか? シーンを調べると、これらの問いの答えが見つかります。

    洪水をモデル化すると、多くの実用的な側面が見えてきます。 構造物の浸水箇所がわかると、修復作業箇所の特定に役立ち、ヴェネツィアの歴史的建造物を水害から救うことができます。 また、高架の歩道を建設したり、ヴェネツィア周辺の輸送や交通をスムーズにするための情報を関係当局に伝えることもできます。 3D マップは、これまでまとめてきた分析データとあわせて使用することで、マニュアルや都市計画に非常に役立ち、ヴェネツィアがしばしば影響を受ける高潮に対する備えをすることができます。

  7. プロジェクトを保存します。

ジオプロセシング ツールを使用して洪水ラスターを作成し、洪水の影響を受けるヴェネツィアのエリアの割合を計算しました。 また、ラスターをポリゴンに変換して、高潮が引き起こす被害が及ぶ可能性のある範囲を示しました。


現実的な表現を使ったシーンの表示

前回、ヴェネツィアの洪水の問題を分析しました。 分析の結果が出て、それを視覚化し他のユーザーに表示できるようになりましたが、シーンを改善する余地はまだあります。 現在のところ、シーンの構造物にはすべて同じ汎用のシンボルが使用されています。 次に、シーンに特別な 3D テクスチャやモデルを使用して、シーンの外観をより現実感のあるものにしていきます。

構造物レイヤーへのルール パッケージの適用

構造物のシンボルを 3D 表示すると見やすくなりますが、現実感がまだ足りません。 構造物をさらに現実的にするには、「ArcGIS CityEngine」で作成されたルール パッケージを使用して、レイヤーのシンボルを設定します。 ルール パッケージには、さらに複雑なシンボルを作成する一連の設計の設定が含まれています。 ArcGIS Pro ではルール パッケージを作成できませんが、外部ファイルから取り込んで変更することができます。

  1. Venice Facades rule package (ヴェネツィアの外観のルール パッケージ)」をダウンロードしてください。
  2. [ダウンロード] フォルダー内の圧縮ファイルを見つけます。 Windows Explorer を使用して、コンピューターの C: ドライブの [ドキュメント] フォルダー、または選択した場所にファイルの内容を展開します。

    取り込んだファイルは、VeniceFacades.rpk という単一のファイルです。

  3. 必要に応じて、ArcGIS Pro[Venice Acqua Alta] プロジェクトを開きます。
  4. [コンテンツ] ウィンドウで、[Structures] シンボルをクリックします。
  5. [シンボル] ウィンドウの [プロパティ] をクリックして、[レイヤー] ボタンをクリックします。

    シンボル ウィンドウのレイヤー

    ダウンロードしたルール パッケージを使用して、ソリッド塗りつぶしのシンボルをプロシージャル塗りつぶしに変更します。

  6. [ソリッド塗りつぶし] をクリックして [プロシージャル塗りつぶし] を選択します。

    プロシージャル レイヤー

    オプションが変化してプロシージャル塗りつぶしの設定が表示されますが、現時点でこれらは空です。 ルールを割り当てる必要があります。

  7. [ルール] をクリックします。

    ルール ボタン

    [ルール パッケージの選択] ウィンドウが表示されます。

  8. 展開した VeniceFacades.rpk ファイルの場所を参照して、ファイルをダブルクリックします。
    注意:

    ルール パッケージにアクセスするには、[ルール パッケージの選択] ウィンドウを更新することが必要になる場合があります。

    [シンボル] ウィンドウに、複数のシンボル設定、すなわちルールが入力されます。これは調整することもできます。 ここでは、デフォルトの設定を確認します。

  9. [適用] をクリックします。
    注意:

    構造物のすべてを更新するには時間がかかる場合があります。

  10. サンマルコ広場を拡大表示し、マップの更新されたシンボルをよく見てください。

    デフォルトのルールの適用後

    構造物が汎用の色の表示から現実感のある外観に変わっています。 一方で、サンマルコ広場の塔が低くなり、フラットな建物になっています。 他の建物の高さも同様に変更されています。 これは、パッケージ内のルールの 1 つが高さを決定し、構造物の立ち上げに使用した高さ属性を上書きしてしまったためです。 この問題は、ルールの設定を調整することで解決します。

  11. [シンボル] ウィンドウで、ルールを確認します。

    シンボル ウィンドウのルール

    [Nbr_of_Floors] の設定により構造物の階数が決定し、[Floor_Height] の設定により各階の高さが決定します。 現在の設定では、各構造物には、およそ 4 メートルの階が 3 つ設定されています (屋根は含みません)。

    3 ~ 4.5 (それぞれ、ルールで設定される最小値と最大値) の間の数字を階の高さに設定できますが、ルールをその構造物の高さ属性に対応させることもできます。

  12. [Floor_Height] 設定の [属性マッピングの設定] ボタンをクリックします。

    属性マッピングの設定 ボタン

    [属性マッピングの設定] ウィンドウが表示されます。 階の高さを構造物の高さ属性と正確に同じに設定することができますが、各構造物には階が 3 つあります。 階数を考慮するには、階の高さを高さ属性の 3 分の 1 に設定する式を作成します。

  13. [属性マッピングの設定] ウィンドウで、[式の設定] ボタンをクリックします。

    式の設定ボタン

    [式の設定] ウィンドウが表示されます。

  14. [式の設定] ウィンドウで、式「$feature.Height/3」を作成します。

    式の設定

  15. [OK] をクリックします。 [属性マッピングの設定] ウィンドウの [OK] をクリックします。
  16. [シンボル] ウィンドウの [適用] をクリックして [シンボル] ウィンドウを閉じます。

    構造物が新しい高さデータで更新されます。

    注意:

    フィーチャの再描画には時間がかかる場合があります。

    ルールの適用後

    次に、ベースマップを変更してシーンの外観に追加します。

  17. [マップ] タブの [レイヤー] グループにある [ベースマップ] をクリックします。

    ベースマップ ボタン

  18. [衛星画像] ベースマップを選択します。

    衛星画像ベースマップを選択

    シーンで現実に近いヴェネツィアが表現できるようになりました。

    衛星画像ベースマップを適用

  19. プロジェクトを保存します。

サンマルコ広場の 3D モデルの追加

ルール パッケージのシンボルは、ヴェネツィアのほとんどの構造物で正常に機能しますが、サンマルコ広場の有名な構造物 (ドゥカーレ宮殿、サンマルコ寺院など) は、独特の建築様式を取り込んださらに詳細なシンボルを使用すると、さらに外観の質が向上します。 そこで、CityEngine で特別に設計された新しいフィーチャを追加して、これらの有名な構造物の外観を表現し、シーンを充実させます。

  1. [マップ] タブの [データの追加] ボタンをクリックします。
  2. [データの追加] ダイアログ ボックスで、[ポータル] の下の [ArcGIS Online] をクリックします。 検索ボックスに「Piazza_San_Marco owner:Learn_ArcGIS」と入力し、Enter キーを押します。
  3. [Piazza_San_Marco] をダブルクリックして、シーンに追加します。 [Piazza San Marco] ブックマークを拡大表示して、新しいフィーチャを表示します。

    新しいフィーチャ

    新しいフィーチャが追加されましたが、既存の [Structures] レイヤーと重なっています。

  4. [コンテンツ] ウィンドウで、[Piazza San Marco] レイヤーとベースマップ以外のすべてのレイヤーをオフにします。
  5. シーンの画面移動、ズーム、傾斜を行って、新しいフィーチャを確認します。

    サンマルコ広場

    新しいフィーチャには、サンマルコ寺院のドーム屋根やアーチなどの要素が取り込まれています。これらは、立ち上げたフィーチャにルールを適用するだけでは表現できません。 これらのフィーチャは、マルチパッチ フィーチャです。 マルチパッチ フィーチャは、[Structures] レイヤーなどの立ち上げフィーチャとは異なり、単に一律の高さ値が設定された 2D フットプリントではありません。 マルチパッチ フィーチャの 3 次元が CityEngine でモデル化されているため、さらに詳細な表現が可能です。

    次に、サンマルコ広場と重なっている [Structures] レイヤーのフィーチャを削除します。 重複フィーチャを選択して、データセットから完全に削除します。 元のデータのバックアップをとってからフィーチャを削除することをお勧めしますので、まずデータのコピーをとってください。

  6. [コンテンツ] ウィンドウの [Structures] レイヤーを右クリックし、[データ] をポイントして [フィーチャのエクスポート] をクリックします。

    フィーチャのエクスポート

    [フィーチャのエクスポート] ウィンドウが表示されます。

  7. [フィーチャのエクスポート] ウィンドウの [出力名] に「Structures_Copy」と入力します。

    フィーチャのエクスポートのパラメーター

    コピーはプロジェクトのデフォルトのジオデータベースに保存されます。ここは、前のチュートリアルの [Floodwater] レイヤーの保存場所です。

  8. [OK] をクリックします。

    元の [Structures] レイヤーのコピーが 3D レイヤーとしてマップに追加されます。 データのバックアップがとれていることを確認したら、マップ上のコピーは不要になります。 それを削除してから、元の [Structures] レイヤーからフィーチャを削除してください。

  9. [コンテンツ] ウィンドウの [Structures_Copy] レイヤーを右クリックし、[削除] をクリックします。 [Structures] レイヤーをオンにして表示します。
  10. [マップ] タブの [選択] グループにある [空間条件で選択] ボタンをクリックします。

    空間条件で選択

    [ジオプロセシング] ウィンドウが開いて、[空間条件で選択] ツールが表示されます。

  11. [空間条件で検索] ウィンドウの [入力フィーチャ][Structures] を選択します。 [選択フィーチャ][Piazza San Marco] を選択します。 他のパラメーターはそのままにしておきます。

    空間条件で選択 パラメーター

    ツールによって、[Piazza San Marco] レイヤーと接する (交わる) [Structures] レイヤーのすべてのフィーチャが選択されます。

  12. [OK] をクリックします。

    選択されたフィーチャは、水色でハイライト表示されます。

    選択フィーチャ

  13. 選択したフィーチャを確認します。

    よく見ると、端がわずかにサンマルコ広場フィーチャと接触しているだけの 2 つのフィーチャが選択されていることがわかります。以下の図の丸で囲んだ部分です。

    重なっていないフィーチャ

    これらフィーチャは実際には重なっていないため、削除する必要はありません。 その他のフィーチャは選択したままで、この 2 つのフィーチャだけを選択解除します。

  14. [マップ] タブの [選択] グループにある [選択オプション] ボタンをクリックします。

    選択オプション

    [オプション] ウィンドウが表示され、[選択] タブが開きます。

  15. [オプション] ウィンドウの [選択組み合わせモード] で、[現在の選択セットから削除] を選択します。

    選択オプションの設定

    この設定を選択して選択 (Select) ツールを使用すると、クリックしたフィーチャの選択が解除され、残りのフィーチャは選択したままになります。

    ヒント:

    Ctrl キーを押しながらフィーチャをクリックする操作でも、現在の選択セットからフィーチャを削除できます。

  16. [OK] をクリックします。
  17. [マップ] タブの [選択] グループにある [選択] ボタンをクリックします。

    選択ボタン

  18. 重なっていないサンマルコ広場の南端のフィーチャを特定してクリックし、選択解除します。
    ヒント:

    フィーチャをさらによく観察するために、画面移動、ズーム、または傾斜を行う必要がある場合、C キーを押したままにして [マップ操作] ツールを有効にします。

    選択解除 1

    ヒント:

    フィーチャを間違って選択解除した場合、再び選択できます。選択オプションに戻って、[選択組み合わせモード][現在の選択セットに追加] を選択します。

  19. 重なっていないサンマルコ広場の北端のフィーチャを特定してクリックし、選択解除します。

    選択解除 2

    ヒント:

    選択解除が完了したら、[選択組み合わせモード] 設定をデフォルトの [新しい選択セットの作成] に戻すことができます。

    次に、選択したフィーチャを削除します。

  20. [編集] タブをクリックし、[フィーチャ] グループで [削除] をクリックします。

    削除ボタン

    残りの選択したフィーチャが完全に削除されます。

    最終的に完成したサンマルコ広場

  21. [編集の管理] グループにある [保存] をクリックします。 [編集の保存] ダイアログ ボックスの [はい] をクリックして、編集を保存します。
  22. [コンテンツ] ウィンドウで、[Landmarks][Floodwater][Canals] の各レイヤーをオンにして再表示します。
  23. プロジェクトを保存します。

    完成したマップ

これでシーンが完成しました。 ルール パッケージとマルチパッチ フィーチャを使用して、シーンの外観を現実感のある表示に改善しました。 前のチュートリアルで行った分析と魅力的なマップとを組み合わせることで、表示が格段に向上しました。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。