都市部のヒート アイランドの要因をマッピング

都市部のヒート アイランドの影響が誰に及ぶかを把握するには、まず、猛暑を引き起こしている条件が存在する場所を特定します。 夜間気温、樹冠被覆、および不浸透面被覆に関するデータを解析ツールで使用して、都市部のヒート アイランドの要因が街区グループ間を交差している場所を視覚化します。

都市部のヒート アイランド現象を調査する際に考慮できる要因は他にもいくつかありますが (車の排出ガスやエアコンの使用など)、この解析では、不浸透面被覆と樹冠被覆が夜間気温にどのように影響しているかに重点を置いています。 この情報を活用すると、都市部のヒート アイランドに関連した条件による影響を不均衡に受けているコミュニティ内の場所を特定することができます。

調査とマップのコピーの保存

はじめに、既存の Web マップを開いてコピーを保存し、マップ内のレイヤーを探索します。

  1. Richmond Urban Heat Islands Web マップを開きます。

    Map Viewer で開いたマップ

  2. ArcGIS の組織アカウント」にサイン インします。
    注意:

    組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

  3. 必要に応じて、[コンテンツ] ツールバーにある [レイヤー] ウィンドウをクリックして、Web マップに含まれるレイヤーを表示します。

    [レイヤー] ウィンドウのレイヤー

    [City Boundary] レイヤーと [Census Block Groups] レイヤーには、リッチモンド市を構成している分析範囲とブロック グループの概要が示されています。 [Impervious Surfaces] レイヤー、[Evening Temperature] レイヤー、および [Percent Tree Canopy] レイヤーは、都市部のヒート アイランド現象が街区グループに及ぼす影響の評価に使用します。 これらの要因を個別に調査しますが、続行する前に、マップのコピーを保存しておきます。

  4. [コンテンツ] (暗い背景の) ツールバーで、[保存と開く] をクリックしてから [名前を付けて保存] を選択します。

    保存して開くメニューの名前を付けて保存

  5. [マップの保存] ウィンドウで、次のパラメーターを入力します。
    • タイトルに「Urban heat islands」と入力し、その後に自分の名前またはイニシャルを付加します。
    • タグに「heat islands」、「raster analysis」、「Richmond VA」と入力します。
    • サマリーに「Map of heat islands in Richmond, VA, for monitoring conditions across city block groups and city districts」と入力します。
  6. [保存] をクリックします。

    [Richmond Urban Heat Islands] マップのコピーを自分の ArcGIS アカウントに保存しました。

    次に、都市部のヒート アイランドを評価する際の最初の要因である樹冠被覆を調査します。 樹木は、二酸化炭素を吸収し、大気の質を良くするだけでなく、傘のような役割を果たすことで周辺地域に自然冷却をもたらします。 葉に日光が当たると、樹木はこの太陽エネルギーの一部を利用し、蒸散というプロセスを通して水分を大気中に放出します。 この水分が樹木の周囲の大気を冷却します。

    都市部に樹木が多数存在する場合は、これらの樹木の葉が道路や建物の上に樹冠層を形成するため、太陽熱が地表に到達するのを防止します。 この結果、周囲の気温が下がり、特に 1 年のうちの暑い時期に都市がより快適な場所になります。

    [Percent Tree Canopy] レイヤーは、国勢調査区グループごとの樹冠被覆の割合を示しています。 リッチモンド市には、他の地域よりも樹木がはるかに多く存在する地域が存在します。

    注意:

    このレイヤーは City of Richmond's GeoHub から取得されており、各国勢調査区グループ内で木陰になっている地域を推定することができます。

    [表示設定] オプションを使用して、[Percent Tree Canopy] レイヤーだけを表示します。

  7. [レイヤー] ウィンドウで、[Percent Tree Canopy] レイヤーの [可視性] をクリックします。

    Percent Tree Canopy レイヤーで表示設定ボタンがオンに設定された状態

    [Percent Tree Canopy] レイヤーが [City Boundary] および [Census Block Groups] レイヤーと一緒に表示されます。

    Percent Tree Canopy レイヤーがマップ上に表示されている状態

    [Percent Tree Canopy] レイヤーの色のグラデーションが表している内容をよりわかりやすくするために、[凡例] ウィンドウを開きます。

  8. [コンテンツ] ツールバーの [凡例] をクリックします。

    コンテンツ ツールバーの凡例

    [凡例] ウィンドウが開き、[Percent Tree Canopy] レイヤー セクションが表示されます。

    Percent Tree Canopy レイヤーの凡例

    マップ上の明るい地域は樹冠被覆の割合が低い場所を表し、暗い地域は樹冠被覆の割合が高い場所を表しています。

    注意:

    このレイヤーがどのように作成されているかの詳細については、Build a Heat Risk Index for Local Climate Planning: Part 2 of 3 をご参照ください。

  9. [レイヤー] ウィンドウに戻り、[Percent Tree Canopy] レイヤーの [可視性] をクリックして、このレイヤーを非表示にします。

    次に、都市部のヒート アイランド現象の別の要因である不浸透面を調査します。 不浸透面は熱を吸収して保持するため、周囲の気温が長期間にわたって上昇したままになります。

  10. [レイヤー] ウィンドウで、[Impervious Surfaces] レイヤーの [可視性] ボタンをクリックします。

    [Impervious Surfaces] レイヤーが表示されます。

    Impervious Surfaces レイヤーがマップ上に表示されている状態

  11. [コンテンツ] ウィンドウで [凡例] をクリックして、凡例を表示します。

    明るい色のラスター ピクセルは不浸透面の割合が低いことを表し、暗い色のラスター ピクセルは不浸透面の割合が高いことを表しています。

    最後は、これまでに学習した手順に従って、このチュートリアルでの都市部のヒート アイランド現象の最後の要因である夜間気温を表示します。 気温は樹冠被覆と不浸透面被覆の影響を受けるため、これらの要因が都市部のヒート アイランド現象を引き起こしている場合に、これらの要因の影響を測る手段となります。

  12. [レイヤー] ウィンドウで、[Impervious Surfaces] レイヤーの [可視性] ボタンをクリックして、このレイヤーをオフにした後、[Evening Temperature] レイヤーの [可視性] ボタンをクリックします。

    [Evening Temperature] レイヤーがマップ上に表示されます。

    Evening Temperature レイヤーがマップ上に表示されている状態

  13. [コンテンツ] ウィンドウで [凡例] をクリックして、凡例を表示します。

    日中気温ではなく夜間気温を解析すると、都市部のヒート アイランドに関連した持続的な気温の上昇に関して貴重な洞察を得ることができます。 日中から夜にかけて常に気温が高いと、暑さから逃れることが困難です。

    このチュートリアルでは、都市部のヒート アイランド現象におけるこれら 3 つの要因を調査します。 実際には、特定の分析範囲と空間解析の目的に応じて、これ以外にも、調査対象の要因が多数存在する可能性があります。

    注意:

    都市部のヒート アイランドの要因の詳細については、University Corporation for Atmospheric Research (UCAR) Center for Science Education の Urban Heat Islands ページをご参照ください。

    [Percent Tree Canopy] レイヤーには、国勢調査区グループ レベル別に集計されたデータがすでに用意されています。 [Impervious Surfaces] レイヤーと [Evening Temperature] レイヤーは現在、ラスター形式になっています。 これらの各レイヤーからデータを集計するには、解析ツールを使用し、国勢調査区グループ別にデータを集計して視覚化します。 これで、各ブロック グループを比較し、リッチモンド市全体の都市熱のパターンを特定することができます。

    続行する前に、マップを保存します。

  14. [コンテンツ] ツールバーで [保存と開く] をクリックして [保存] を選択します。

気温ラスター データの解析

このセクションでは、国勢調査区グループごとに夜間の最高気温を算出します。 [ゾーン統計をテーブルに出力] ツールを使用すると、ラスター データを含む気温レイヤーから値を抽出し、この情報を国勢調査区グループごとに集計して、地区間の気温の変化を把握することができます。

  1. [設定] (明るい背景の) ツールバーで [解析] をクリックします。 [解析] ウィンドウで、[ツール] をクリックします。

    解析ウィンドウのツール

  2. 検索バーに「zonal」と入力します。 結果のリストから [ゾーン統計をテーブルに出力] ツールを選択します。

    ツール ウィンドウ内のゾーン統計をテーブルに出力

    注意:

    ArcGIS Image for ArcGIS Online のライセンスを所有していない場合は、代わりに EveningTemp_CBG (Tutorials) テーブルと EveningTemp_Mean (Tutorials) テーブルをマップに追加し、次のセクションに進んで、このチュートリアルを続行することができます。

    テーブルを追加するには、[コンテンツ] ウィンドウの [テーブル] をクリックします。 [追加] ボタンをクリックします。 [ArcGIS Online] で「EveningTemp owner:Esri_Tutorials」を検索し、2 つのテーブルの [追加] ボタンをクリックします。

  3. [ゾーン統計をテーブルに出力] ツールで、次の情報を入力します。
    • [入力ゾーン ラスターまたはフィーチャ][Census Block Groups] を選択します。
    • [ゾーン フィールド][GEOID] を選択します。
    • [入力値ラスター][Evening Temperature] を選択します。
    • [統計解析の設定][統計の種類][最大] を選択します。

    Evening Temperature データに関するゾーン統計をテーブルに出力ツールのパラメーター

  4. [出力テーブル名] に「EveningTemp_CBG」と入力して、自分の名前またはイニシャルを付加します。
    注意:

    CBG は国勢調査区グループを表します。

  5. [実行] ボタンの上にある [クレジットの推定] をクリックします。

    クレジットの推定ボタン

    このツールを実行するには、約 1 クレジットが必要です。

    注意:

    クレジットの詳細については、クレジットの概要をご参照ください。

  6. [実行] をクリックします。

    実行が完了するまでに数分かかることがあります。

  7. [解析] ウィンドウの [履歴] タブをクリックします。

    解析ウィンドウの履歴タブ

    このツールの実行中に、[履歴] タブで進行状況を確認できます。

    このツールの実行が完了すると、テーブルが [テーブル] ウィンドウ内のマップに追加されます。

  8. [コンテンツ] ツールバーの [テーブル] をクリックします。

    コンテンツ ツールバーのテーブル

    [テーブル] ウィンドウが開き、[EveningTemp_CBG - ZonalStatisticsTable] テーブルが表示されます。 このテーブルには、国勢調査区グループごとの夜間の最高気温が華氏温度で表示されます。 このテーブルをクリックして開き、内容を確認して、国勢調査区グループ間で観察した気温の範囲を書き留めておきます。 このチュートリアルで後から、[フィーチャの結合] ツールを使用して、このテーブルを [Census Block Groups] レイヤーと結合します。

    次に、都市全体の平均値を計算して、夜間気温のベースライン値を求めます。

  9. [ゾーン統計をテーブルに出力] ツールで、次の情報を更新します。
    • [入力ゾーン ラスターまたはフィーチャ][City Boundary] を選択します。
    • [入力値ラスター][Evening Temperature] に設定されていることを確認します。
    • [統計解析の設定][統計の種類][平均] を選択します。

    この都市の夜間気温の平均値を計算するためにゾーン統計をテーブルに出力ツールに入力されたパラメーター

  10. [出力テーブル名] に「EveningTemp_Mean」と入力して、自分の名前またはイニシャルを付加します。 [実行] をクリックします。
    注意:

    このツールを実行するには、1 クレジットが必要です。

    [EveningTemp_Mean - ZonalStatisticsTable] テーブルが作成され、[テーブル] ウィンドウに追加されます。

  11. [テーブル] ウィンドウを開きます。 [EveningTemp_Mean - ZonalStatisticsTable] テーブルの [オプション] ボタンをクリックして [テーブルの表示] を選択します。

    テーブル ウィンドウの EveningTemp_Mean テーブルの表示

    [EveningTemp_Mean - ZonalStatisticsTable] テーブルには、都市全体で収集された 1 日の夜間気温の平均値 (華氏 87.63 度) が示されています。

    これで、この平均値を各ブロック グループ内の最高気温と比較し、特定の国勢調査区グループがその都市の他の国勢調査区グループよりも一定の温度だけ温かいか涼しいかを確認できるようになります。

  12. マップを保存します。

不浸透面のマッピング

歩道、屋上、建物、駐車場など、造成された空間に存在する不浸透面は、熱を吸収して保持するため、都市部のヒート アイランド現象を引き起こします。 [ゾーン統計をテーブルに出力] ツールを使用すると、各国勢調査区グループ内の不浸透面の平均の割合を算出することができます。 その後で、各国勢調査区グループ内の不浸透面の割合を算出できます。

注意:

ArcGIS Image for ArcGIS Online のライセンスを所有していない場合は、代わりに ImperviousSurface_CBG (Tutorials) テーブルをマップに追加し、次のセクションに進んで、このチュートリアルを続行することができます。

テーブルを追加するには、[コンテンツ] ウィンドウの [テーブル] をクリックします。 [追加] ボタンをクリックします。 [ArcGIS Online] で「ImperviousSurface owner:Esri_Tutorials」を検索し、2 つのテーブルの [追加] ボタンをクリックします。

  1. [ゾーン統計をテーブルに出力] ウィンドウに次の情報を入力します。
    • [入力ゾーン ラスターまたはフィーチャ][Census Block Groups] を選択します。
    • [ゾーン フィールド][GEOID] を選択します。
    • [入力値ラスター][Impervious Surfaces] を選択します。

    不浸透面データに関するゾーン統計をテーブルに出力のパラメーター

  2. [統計解析の設定] セクションの [統計の種類][平均] を選択します。

    統計解析の設定で統計の種類が平均に設定された状態

  3. [出力テーブル名] に「ImperviousSurfaces_CBG」と入力して、自分の名前またはイニシャルを付加します。
  4. [実行] をクリックします。
    注意:

    このツールを実行するには、1 クレジットが必要です。

    このテーブルが [テーブル] ウィンドウに追加されて表示されます。

  5. [MEAN] フィールドが表示されるまでこのテーブルをスクロールします。

    ImperviousSurfaces_CBG テーブルの COUNT_ フィールドと SUM_ フィールド

    [MEAN] フィールドは、ブロック グループ内の不浸透面の平均の割合を示しています。

  6. マップを保存します。

解析の集計

気温と不浸透面を国勢調査区グループ別に集計したので、解析結果を結合して 1 つのレイヤーを作成し、都市全体でヒート アイランドが存在する可能性のある場所を表示します。

  1. [ゾーン統計をテーブルに出力] ツールのウィンドウで、戻る矢印をクリックして [ツール] ウィンドウに戻ります。
  2. [フィーチャの結合] ツールを検索して開きます。
  3. [フィーチャの結合] ツールのウィンドウにある [ターゲット レイヤー][Census Block Groups] を選択します。 [結合レイヤー][Evening Temp CBG] を選択します。

    フィーチャの結合ツールのウィンドウに入力されたパラメーター

  4. [結合の設定] セクションの [ターゲット フィールド][結合フィールド][GEOID] を選択します。

    結合の設定でターゲット フィールドと結合フィールドが GEOID に設定された状態

  5. [結果レイヤー] セクションの [出力名] に「CBG_Temp」と入力して、自分の名前またはイニシャルを付加します。
  6. [実行] をクリックします。
    注意:

    このツールを実行するには、0.38 クレジットが必要です。

    次に、不浸透面テーブルのデータを [CBG_Temp] レイヤーに結合します。

  7. [フィーチャの結合] ツールのウィンドウに次の情報を入力します。
    • [ターゲット レイヤー][CBG_Temp] を選択します。
    • [結合レイヤー][ImperviousSurfaces CBG] を選択します。
    • [結合の設定] セクションの [ターゲット フィールド][結合フィールド][GEOID] を選択します。
    • [出力名] に「CBG_Temp_Surfaces」と入力して、自分の名前またはイニシャルを付加します。
  8. [実行] をクリックします。
    注意:

    このツールを実行するには、0.38 クレジットが必要です。

    [CBG_Temp_Surface] レイヤーが [レイヤー] ウィンドウに追加されます。 これで、[CBG_Temp_Surface] に、国勢調査区グループごとの夜間の最高気温と不浸透面の平均値に関するデータが含まれます。

    最後に、樹冠データを [CBG_Temp_Surface] レイヤーに結合します。

  9. [フィーチャの結合] ツールのウィンドウにある [ターゲット レイヤー][CBG_Temp_Surface] を選択します。 [結合レイヤー][Percent Tree Canopy] を選択します。

    気温データと不浸透面データを含むレイヤーに樹冠データを結合するための入力レイヤー

    これは最後に実行する [フィーチャの結合] ツールになるため、最後のレイヤーには、ヒート アイランドに関連する要因がすべて含まれていることを示す名前を付けます。

  10. [出力名] に「Urban heat islands factors」と入力して、自分の名前またはイニシャルを付加します。
  11. [実行] をクリックします。
    注意:

    このツールを実行するには、0.406 クレジットが必要です。

    [Urban heat island factors] レイヤーがマップと [レイヤー] ウィンドウに追加されます。

    これで、都市部のヒート アイランド現象の要因を国勢調査区グループ別に視覚化できるレイヤーが作成されました。 次のセクションでは、このレイヤーの複製をスタイル設定して、それぞれの要因を国勢調査区グループ別に表示し、グループ レイヤー内でグループ化します。

グループ レイヤーの作成

次に、都市部のヒート アイランド現象に関連したデータを含むレイヤーを 1 つのグループ レイヤーに整理します。

グループ レイヤーは、グループとして整理されたレイヤーとテーブルのコレクションであり、同じアイテム タイプまたは別々のアイテム タイプで構成することができます。 たとえば、ラスター レイヤーとフィーチャ レイヤーをグループ レイヤー内で共存させることができます。 グループ レイヤーを作成すると、特に個々のレイヤーを多数操作する場合に、マップを構成しているレイヤーを管理しやすくなります。

続行する前に、今後使用する必要のないレイヤーを削除しておきます。

  1. [レイヤー] ウィンドウで、[CBG_Temp_Surfaces] レイヤーの [オプション] ボタンをクリックしてから [削除] をクリックします。

    CBG_Temp_Surfaces レイヤーの削除

    [CBG_Temp_Surfaces] レイヤーが [レイヤー] ウィンドウから削除されます。

  2. これまでに学習した手順に従って、次のレイヤーを削除します。
    • CBG_Temp
    • Impervious Surfaces
    • Evening Temperature
    • Census Block Groups

    [City Boundary][Urban heat island factors]、および [Percent Tree Canopy] レイヤーだけが [レイヤー] ウィンドウに残るはずです。

    レイヤー ウィンドウに残されたレイヤー

    次に、[Percent Tree Canopy] レイヤーを使用して、グループ レイヤーを開始します。

  3. [Percent Tree Canopy] レイヤーの [オプション] ボタンをクリックしてから [グループ] をクリックします。

    Percent Tree Canopy レイヤーのグループ

    グループ レイヤーが作成されます。

    次に、作成したばかりのグループ レイヤーの名前を変更します。

  4. グループ レイヤーの [オプション] をクリックしてから [名前の変更] をクリックします。
  5. [タイトル] に「Urban heat island indicators」と入力して [OK] をクリックします。

    グループ レイヤーの名前が変更されました。 次に、[Urban heat island factors] レイヤーを複製し、不浸透面の値別にスタイル設定します。

  6. [Urban heat island factors] レイヤーの [オプション] ボタンをクリックしてから [複製] をクリックします。
  7. コピーしたレイヤーの名前を「Impervious Surfaces」に変更します。
  8. [Urban heat island indicators] グループ レイヤーを展開します。

    Urban heat island indicators グループ レイヤーの展開矢印

  9. [Impervious Surfaces][Urban heat island indicators] グループ レイヤーまでドラッグします。

    Impervious Surfaces レイヤーがグループ レイヤーまでドラッグされた状態

  10. これまでに学習した手順に従って、[Urban heat island factors] レイヤーを複製し、コピーしたレイヤーの名前を [Evening Temperature] に変更します。
  11. [Evening Temperature] レイヤーを [Urban heat island indicators] グループ レイヤーまでドラッグします。

    次に、[Impervious Surfaces] レイヤーと [Evening Temperature] レイヤーをスタイル設定します。

グループ レイヤー内のレイヤーのスタイル設定

次に、[Impervious Surfaces] レイヤーと [Evening Temperature] レイヤーをスタイル設定します。

  1. [レイヤー] ウィンドウで [Impervious Surfaces] レイヤーをクリックします。 [設定] ツールバーの [スタイル] をクリックします。
  2. [シンボル] ウィンドウの [属性の選択] で、[フィールド] をクリックします。 使用できるフィールドのリストから [MEAN] を選択して [追加] をクリックします。

    [Impervious Surfaces] レイヤーがスタイル設定されます。

    国勢調査区グループ別にスタイル設定された Impervious Surfaces レイヤー

  3. [レイヤー] ウィンドウで [Evening Temperature] レイヤーをクリックします。 必要に応じて、このレイヤーが表示されるようにします。
  4. [スタイル] ウィンドウの [属性の選択][フィールド] をクリックした後、[MAX_] をクリックしてから [追加] をクリックします。

    デフォルトのカラー ランプは青色のカラー ランプです。 温度のテーマに合わせて、赤い色合いの別のカラー ランプを選択します。

  5. [スタイルの選択][数と量 (色)][スタイル オプション] をクリックします。 [スタイル オプション] ウィンドウの [シンボル スタイル] で該当するカラー ランプをクリックして [シンボル スタイル] ウィンドウを開きます。
  6. [シンボル スタイル] ウィンドウで、[色] をクリックします。
  7. [ランプ] ウィンドウの [カテゴリ][赤と黄色] を選択します。 [Orange 4] カラー ランプをクリックしてから [完了] をクリックします。

    ランプ ウィンドウの赤と黄色カテゴリの Orange 4 カラー ランプ

    ヒント:

    カラー ランプの名前を表示するには、そのカラー ランプにポインターを合わせます。

    [Evening Temperature] レイヤーのスタイルが更新されます。

    Evening Temperature レイヤーがスタイル設定された状態

    次に、[Urban heat island indicators] グループ レイヤーの表示設定を構成します。

  8. [レイヤー] ウィンドウで [Urban heat island indicators] グループ レイヤーをクリックして選択します。

    レイヤー名の横に青色のインジケーターが表示されている場合は、そのレイヤーまたはグループ レイヤーが選択されています。

  9. [プロパティ] ウィンドウの [可視性][排他的な表示設定] をオンにします。

    プロパティの表示設定で排他的な表示設定がオンに設定された状態

    [表示設定の有効化] 切り替えボタンを使用すると、[レイヤー] ウィンドウ内のグループ レイヤーが更新され、そのグループ レイヤー内で一度に 1 つのレイヤーが表示されます。

    グループ レイヤー内で Percent Tree Canopy レイヤーが選択された状態

    [表示設定の有効化] をオンにすると、グループ レイヤー内の各レイヤーを表示することができます。 これで、樹木が少ない地域、不浸透面が多い地域、気温が高い地域など、各レイヤーの傾向を視覚的に確認できるようになります。

  10. マップを保存します。

このセクションでは、既存の Web マップを開いて探索および解析のためのコピーを作成しました。 また、Map Viewer の解析ツールを使用して、リッチモンド市の国勢調査区グループごとに夜間の最高気温と不浸透面の合計も算出しました。

都市全体のヒート アイランドの要因をそれぞれ視覚化したので、コンテキスト データを取り込んで、これらの危険な環境条件の影響が誰に及ぶかを把握します。


コミュニティが受ける影響の評価

都市全体にヒート アイランドの要因がどのように分布しているかをすでにマッピングしました。 このセクションでは、これらの状況の影響を受けている人々を調査します。 人口統計データを付加して、これらの状況が存在するコミュニティを特定し、これらの状況が長期間にわたる体系的な投資取り消しのパターンと符合している様子を詳しく確認します。

ブロック グループへの人口統計データの付加

[レイヤーへの情報付加] ツールを使用して、潜在的ヒート アイランド レイヤーに人口統計データを付加し、これらのコミュニティにどのような人々が暮らしているか、これらのコミュニティの特徴が極端な気温に対する脆弱性をどれだけ悪化させる可能性があるかを十分に理解します。

  1. 必要に応じて、[Richmond Urban Heat Island] Web マップを開きます。
  2. [設定] (明るい背景の) ツールバーで [解析] をクリックします。 [分析] ウィンドウで、[ツール] をクリックします。 [レイヤーへの情報付加] ツールを検索して選択します。

    レイヤーへの情報付加 (Enrich Layer) ツール

  3. [レイヤーへの情報付加] ツールのウィンドウにある [入力フィーチャ][Urban heat island factors] を選択します。
  4. [情報付加データ][変数] をクリックします。

    レイヤーへの情報付加ツールのウィンドウにある変数ボタン

    [データ ブラウザー] ウィンドウが表示されます。

  5. [Race] をクリックします。

    データ ブラウザーの Race

  6. [Non Hispanic Origin] をクリックします。 結果のリストで [2024 Race and Hispanic Origin (Esri)] を展開します。
    注意:

    [データ ブラウザー] ウィンドウ内の人口統計データは定期的に更新されます。 利用可能な最新のデータを使用します。

  7. 以下の変数を確認します。
    • 2024 White Non-Hispanic Population (Esri)
    • 2024 Black/African American Non-Hispanic Population (Esri)
    • 2024 American Indian/Alaska Native Non-Hispanic Population (Esri)
    • 2024 Asian Non-Hispanic Population (Esri)
    • 2024 Pacific Islander Non-Hispanic Population (Esri)
    • 2024 Other Race Non-Hispanic Population (Esri)
    • 2024 Multiple Races Non-Hispanic Population (Esri)

    データ ブラウザー ウィンドウの Race Variables

    [選択した変数] には、これまでに 7 つの変数を追加したことが示されています。

  8. [戻る] ボタンを 1 回クリックします。
  9. [Race Variables] に「Hispanic」と入力して Enter キーを押します。
  10. 必要に応じて、[2024 Race and Hispanic Origin (Esri)] を展開し、[2024 Hispanic Population (Esri)] のチェックボックスをオンにします。

    データ ブラウザーで Hispanic Population (Esri) 変数がオンに設定された状態

  11. [戻る] ボタンを 2 回クリックします。
  12. [Population] をクリックして、[2024 Total Population (Esri)] のチェックボックスをオンにします。

    この変数を含めると、ブロック グループごとに人種と民族の数を人口の割合に変換することができます。

    データ ブラウザーで Total Population 変数がオンに設定された状態

    次に、社会的に脆弱な人々に関連した変数を追加します。 車を利用していない人々や収入が貧困レベルを下回っている人々は、起こりうる猛暑に対処できるだけの資源が不足しています。

  13. [戻る] ボタンをクリックします。 検索バーに「no vehicle」と入力して Enter キーを押します。

    データ ブラウザーで Renters with No Vehicles 変数がオンに設定された状態

  14. [2018-2022 Vehicles Available (ACS)] を展開し、[2022 Renter Households with No Vehicles (ACS 5-Yr)] のチェックボックスをオンにします。

    車を利用していないと、クーリング センターなど、極端な気温から避難できる場所まで到達することがさらに困難になります。

  15. [戻る] ボタンをクリックします。 [Poverty] をクリックして、[2022 Households Below the Poverty Level (ACS 5-Yr)] のチェックボックスをオンにします。

    データ ブラウザーで Households Below the Poverty Level 変数がオンに設定された状態

    11 個の変数がすでに選択されているはずです。

    注意:

    このチュートリアルでは、これらの変数を使用して、都市部のヒート アイランドの要因の影響を受けている人々のコンテキストを提供します。 実際には、これ以外にも、解析に追加できる関連変数が多数存在します。 公平性ワークフローの変数は、影響を受けているコミュニティおよび主要な関係者の協力の下で決定する必要があり、公平性の目標を達成するための分析範囲と介入対象に固有でなければなりません。

  16. [選択] をクリックして [データ ブラウザー] ウィンドウを閉じた後、選択内容を保存します。

    これらの変数は [レイヤーへの情報付加] ツールのウィンドウに追加されます。

    レイヤーへの情報付加ツールのウィンドウに追加された変数

  17. [レイヤーへの情報付加] ツールのウィンドウで [出力名] に「Urban heat island factors enriched」と入力します。
  18. [実行] をクリックします。
    注意:

    このツールを実行するには、20.9 クレジットが必要です。

    クレジットが不足している場合は、情報が付加されたデータを含む作成済みのレイヤーを追加できます。 Urban heat islands enriched (Tutorials) レイヤーを追加するには、[レイヤー] ウィンドウの [追加] ボタンをクリックします。 [ArcGIS Online] で「urban heat island enriched owner:Esri_Tutorials」を検索します。

    [Urban heat island factors enriched] レイヤーがマップと [レイヤー] ウィンドウに追加されます。

    地理的境界に人口統計情報を付加すると、都市部のヒート アイランド現象の影響を受けている可能性のある脆弱なコミュニティを具体的に把握することができます。

    都市部のヒート アイランドの要因レイヤーに情報を付加して新しいレイヤーを作成したので、[Urban heat island factor] レイヤーは不要になりました。

  19. [レイヤー] ウィンドウで [Urban heat island factor] レイヤーを削除します。
  20. マップを保存します。

歴史的背景の追加

次に、住宅所有者資金貸付会社が概説しているリッチモンド市全域の履歴レッドライン グレードを示すレイヤーを取り込み、これらのパターンが極端な気温の影響を過度に受けている地域と重なっている様子を視覚化できるようにします。

ニュー ディール政策の一環として 1933 年に設立された連邦政府機関である住宅所有者資金貸付会社 (HOLC) は、1935 年から 1940 年にかけて、米国の主要都市のさまざまな地域に関連している住宅ローン貸付機関のリスクを概説したマップを作成しました。 その過程で危険と判断された地域が赤色の枠線で示されているため、これらのマップをレッドライン マップと呼ぶこともあります。

このような赤色の枠線で示された地域の多くは、低所得から中所得で、主に少数民族のコミュニティとして特徴付けられています。このことは、これらのマップによって、人種に基づいて経済的機会の利用を制限することで数十年にわたる体系的な不平等のパターンがいかに効果的に築かれてきたかを示しています。

ArcGIS Living Atlas of the World から住宅所有者資金貸付会社 (HOLC) のデータを追加します。

  1. [レイヤー] ウィンドウで、[追加] ボタンをクリックします。
  2. [マイ コンテンツ] をクリックして [Living Atlas] を選択します。
  3. 検索バーに「redlining」と入力します。 結果のリストにある [Mapping Inequality Redlining Areas] レイヤーで [追加] をクリックします。

    レイヤーの追加ウィンドウの Mapping Inequality Redlining Areas レイヤー

  4. [レイヤーの追加] ウィンドウの上部にある戻る矢印をクリックします。
  5. [レイヤー] ウィンドウで、[Mapping Inequality Redlining Areas] レイヤーをグループ レイヤーまでドラッグします。

    Mapping Inequality Redlining Areas レイヤーがグループ レイヤーまでドラッグされた状態

  6. [Mapping Inequality Redlining Areas] レイヤーを選択して、このレイヤーが表示されるようにします。

    これで、リッチモンド市の上に [Mapping Inequality Redlining Areas] レイヤーを表示できるようになりました。

    Mapping Inequality Redlining Areas レイヤーがグループ レイヤー内で選択され、マップ上に表示されている状態

    現在、このレイヤーには、評価のない地域がグレーで表示されています。 これらの地域は工業地帯または商業地区になります。 これらの地域の表示設定をオフにして、評価のある住宅地だけが表示されるようにします。

  7. [設定] ツールバーの [スタイル] をクリックします。 [タイプ (個別値シンボル)][スタイル オプション] ボタンをクリックします。
  8. [スタイル オプション] ウィンドウで [Ohter] チェックボックスをオフにします。

    スタイル オプション ウィンドウでOhterチェックボックスがオフに設定された状態

    非住宅地が表示されなくなります。

  9. [レイヤー] ウィンドウで、都市部のヒート アイランドの要因レイヤーをそれぞれ選択し、レッドライン データと関連している可能性があるかどうかを確認します。

    危険と評価されたことのある地域は、優良を表す A と評価されたことのある地域と比べて、不浸透面が多く、夜間気温が高く、樹冠が少ない傾向が強く見られます。

    過去の土地利用政策に関する意思決定と慣例を考慮しながら、根本原因に迫り、一部のコミュニティが蓄積してきた負担を理解した上で、公平性を高めるための決定事項を伝えることができます。

  10. マップを保存します。

    また、マップと作成したレイヤーの共有設定を行い、ダッシュボードを共有した時点でそのマップとレイヤーが表示されるようにする必要があります。

  11. [コンテンツ] ツールバーの [マップの共有] をクリックします。
  12. [共有] ウィンドウで、[すべての人に公開 (パブリック)] をクリックして、[保存] をクリックします。
  13. [アイテムの共有が正常に更新されました] ウィンドウで、[共有の確認] をクリックします。 表示された [共有の確認] ウィンドウで [共有の更新] をクリックします。

ダッシュボードを作成するための Web マップの準備

このセクションでは、ArcGIS Dashboards Web アプリを作成できるように Web マップを構成して準備します。レイヤーの名前を変更し、表示する必要のあるレイヤーがオンになっていることを確認し、ダッシュボードでインジケーターとして使用するキー フィールドの表示名をカスタマイズします。

  1. [レイヤー] ウィンドウで [Urban heat island factors enriched] レイヤーの名前を「Urban heat island factors and enriched data」に変更します。

    このレイヤーには、都市部のヒート アイランドの要因と人口統計データを集計したデータが含まれています。 このレイヤーを選択できるようにしたい一方で、その下にあるレイヤーも表示できるようにしたい場合があります。 塗りつぶし色を透過表示にして、アウトライン色だけが表示されるようにスタイルを設定します。

  2. [レイヤー] ウィンドウで [Urban heat island factors and enriched data] レイヤーが表示および選択されていることを確認します。
  3. [設定] ツールバーの [スタイル] をクリックします。 [スタイル] ウィンドウの [スタイルの選択] にある [場所 (単一シンボル)][スタイル オプション] をクリックします。
  4. [スタイル オプション] ウィンドウの [シンボル スタイル] で該当するシンボルをクリックします。
  5. [シンボル スタイル] ウィンドウの [塗りつぶし色][色なし] をクリックします。 [アウトライン色] でグレーを選択し、[アウトライン幅] の値を [1] に変更します。

    アウトライン色とアウトライン幅が設定された状態

    これで、[Urban heat island factors and enriched data] レイヤーのアウトラインだけが表示され、その下にあるレイヤーが表示されます。

    次に、[Urban heat island factors] グループ レイヤーがオンになっており、任意のユーザーがダッシュボードを開いた時点で最初に表示されるレイヤーとして設定されていることを確認します。

  6. [Urban heat island factors] グループ レイヤーと [Mapping Inequality Redlining Areas] レイヤーが選択されていることを確認します。

    グループ レイヤーが表示され、Mapping Inequality Redlining Areas に設定された状態

    次に、フィールド名を確認します。 これは、ダッシュボードでインジケーターを設定して計算する際に役立ちます。

  7. [レイヤー] ウィンドウで、[Urban heat islands factors] レイヤーの [オプション] をクリックしてから [テーブルの表示] をクリックします。
  8. [Urban heat island factors] のテーブルで、結合されたフィールド [MAX][MEAN]、および [Tree Canopy] を検索します。

    Urban heat island factors テーブル内のフィールド

    • [MAX] フィールドは、国勢調査区グループごとの [Evening Temperature] の最大値を表す値を示しています。
    • [MEAN] フィールドは、国勢調査区グループごとの不浸透面の平均の割合を示しています。
    • [TreeCanopy] フィールドは、国勢調査区グループごとの樹冠被覆の割合を示しています。

    次に、すべてのレイヤーのポップアップをオフにします。 ダッシュボード インジケーターを使用して各ブロック グループの詳細を表示するので、ポップアップを表示する必要はありません。

  9. [レイヤー] ウィンドウで、[Percent Tree Canopy] レイヤーをクリックして、このレイヤーが選択されるようにします。 [設定] ツールバーの [ポップアップ] をクリックします。
  10. [ポップアップ] ウィンドウで [ポップアップの有効化] をオフにします。

    ポップアップ ウィンドウでポップアップの有効化をオフ

    [Percent Tree Canopy] レイヤーのポップアップが表示されなくなります。

  11. これまで学習した手順に従って、マップ上の残りのレイヤーのポップアップをオフにします。

    最後に、マップの範囲を調整します。これは、ダッシュボードを開いた時点で表示されるマップの範囲になります。

  12. マップのズームと画面移動を行い、リッチモンド市が中心に配置され、マップが全画面表示になるようにします。

    都市が表示されるようにマップの範囲が設定された状態

  13. マップを保存します。

このセクションでは、国勢調査区グループに人口統計情報を付加して、ヒート アイランド現象の影響を受けている可能性のあるコミュニティを具体的に把握しました。 高温で土地被覆タイプの違いが存在する場所を特定し、これらの状況にさらされている人々についての認識を深めました。 履歴レッドライン情報をマップに付加した上で、ヒート アイランド現象に関連した歴史的背景を十分に理解しました。

これで、すべての情報を集計し、その結果をコミュニティと共有するための画期的なダッシュボードを作成する準備ができました。


結果をダッシュボードで共有

ヒート アイランド現象の影響を受けているブロック グループを特定し、コンテキスト データを追加したので、結果を集計して、これらの地域を監視するダッシュボードを作成します。 Map Viewer から ArcGIS Dashboards に移行し、リッチモンド市でのヒート アイランド現象の集計に役立つダッシュボードを作成します。

最初のエレメントの作成と構成

まず、Web マップからダッシュボードを作成し、最初のエレメントであるシリアル チャートを追加します。

  1. 必要に応じて、[Urban heat island effect] Web マップを開きます。
  2. [コンテンツ] (暗い背景の) ツールバーで [アプリの作成] をクリックし、[Dashboards] を選択します。

    アプリの作成メニューのダッシュボード

  3. [新しいダッシュボードの作成] ウィンドウの [タイトル] で、タイトルの末尾に「Dashboard」を付加し、その後に自分の名前またはイニシャルを付加します。 必要に応じて、タグとサマリーを入力します。

    新しいダッシュボードの作成ウィンドウに入力されたタイトル

  4. [ダッシュボードの作成] をクリックします。

    マップがマップ インジケーターとしてダッシュボードに表示されます。 まず、ダッシュボードのテーマを設定します。

  5. ダッシュボード ツールバーで [テーマ] をクリックします。 [テーマ] ウィンドウの [レイアウト] にある [テーマ][暗色] を選択します。

    テーマ ウィンドウの暗色テーマ

    ヒント:

    ツールバーのラベルを表示するには、ツールバーの下部にある [展開] をクリックします。

    ダッシュボードのテーマが更新されます。

  6. [テーマ] ウィンドウを閉じます。

    ここでは、各国勢調査区グループ内の最高気温をわかりやすくするために、インジケーター エレメントを作成します。

  7. ダッシュボードのツールバーで [エレメントの追加] をクリックします。

    ダッシュボード ツールバーのエレメントの追加

  8. マップの右側にポインターを合わせて、マップの右側にあるドッキング ボタンをクリックします。

    マップ インジケーターの右側のドッキング ボタン

  9. インジケーターのリストで [シリアル チャート] をクリックします。

    インジケーターのリストにあるシリアル チャート

  10. [レイヤーの選択] ウィンドウで [Urban heat island factors and enriched data] を選択します。
  11. [シリアル チャート] ウィンドウの [カテゴリの設定元][フィールド] を選択します。
  12. [フィールドの追加] をクリックして [2024 White Non-Hispanic Pop] を選択します。
  13. 引き続き次のフィールドを追加します。
    • 2024 Non-Hispanic Black Pop
    • 2024 Hispanic Population
    • 2024 Non-Hispanic Asian Pop
    • 2024 Non-Hispanic Pacific Islander Pop
    • 2024 Non-Hispanic American Indian Pop
    • 2024 Non-Hispanic Other Race Pop
    • 2024 Non-Hispanic Multiple Races Pop

    これらのフィールドは [データ オプション] ウィンドウに追加されます。

    データ オプション ウィンドウのカテゴリ フィールドに追加された人種変数と民族変数

  14. [シリーズ] タブをクリックします。 [バーの色][カテゴリ別] を選択します。

    シリーズ タブでバーの色がカテゴリ別に設定された状態

  15. [カテゴリ軸] タブをクリックして [ラベル] セクションを展開します。 [配置][折り返して配置] を選択します。

    カテゴリ軸タブのラベル セクションで配置が折り返して配置に設定された状態

    シリアル チャート インジケーターが構成されます。

    シリアル チャートが構成された状態

  16. [終了] をクリックします。

    続行する前に、ダッシュボードを保存しておきます。

  17. ダッシュボード ツールバーで [保存] をクリックして [保存] を選択します。

    ダッシュボード ツールバーの保存

最初のダッシュボード エレメント (人種および民族データを示すシリアル チャート) を構成して追加しました。

インジケーター エレメントの追加

次に、[Evening Temperature] 変数を示すインジケーター エレメントを追加します。

  1. ダッシュボードのツールバーで [エレメントの追加] をクリックします。 シリアル チャートの上部にあるドッキングをクリックして、チャートの上にインジケーターを追加し、[インジケーター] をクリックします。

    シリアル チャート インジケーターの上部にあるドッキングにインジケーター エレメントを追加します。

  2. [レイヤーの選択] ウィンドウで [Urban heat island factors and enriched data] を選択します。
  3. [インジケーター] ウィンドウの [値のタイプ][フィーチャ] を選択します。 [値フィールド][MAX_] を選択します。

    データ オプション タブで値のタイプがフィーチャに設定され、値フィールドが MAX_ に設定された状態

  4. [インジケーター] タブをクリックします。 [インジケーター オプション] ウィンドウの [下位テキスト] に「Maximum Temperature (F)」と入力します。

    インジケーター タブに入力された下位テキスト

  5. [中位テキスト] で、フォントの色を赤に設定します。 カラー パレット ウィンドウの [保存済み] で、追加ボタンをクリックします。

    中位テキストの色として選択された赤と、色を保存する追加ボタン

    赤色を保存しておくと、後からまったく同じ赤色を使用できます。

  6. [アイコンの追加] をクリックします。 [アイコンの選択] ウィンドウで [ソリューション] を展開して、炎のアイコンを選択します。

    ソリューション セクションの炎のアイコン

  7. [OK] をクリックします。
  8. [塗りつぶし] で、保存済みの赤色をクリックします。

    アイコンの塗りつぶしパラメーターで保存済みの赤色が選択された状態

    インジケーターが構成されます。

    テンプレート インジケーターが構成された状態

  9. [終了] をクリックします。
  10. ダッシュボードを保存します。

    次に、インジケーター エレメントを複製し、ブロック グループごとの不浸透面の割合を表示するように設定します。

追加インジケーター エレメントの構成

不浸透面の割合を示す 2 番目のインジケーターの作成を簡単にするために、まず、構成したばかりのインジケーターを複製します。

  1. インジケーター エレメントの隅にポインターを合わせて [複製] をクリックします。

    インジケーター エレメントの複製

  2. 複製したインジケーター エレメントの隅にポインターを合わせて [構成] をクリックします。

    不浸透面の割合を構成するために、[値フィールド][MEAN] フィールドに設定します。このフィールドは、各ブロック グループ内の不浸透面被覆の平均の割合を示します。

  3. [インジケーター] ウィンドウの [データ オプション] ウィンドウにある [値フィールド][MEAN] を選択します。

    参照セクションの参照フィールドで MEAN が設定された状態

  4. [インジケーター] タブをクリックします。 [中位テキスト] で「%」を既存のテキストの末尾に追加します。 オレンジ茶色を選択し、その色を保存します。

    インジケーター タブで構成された中位テキスト

  5. [下位テキスト] で、既存のテキストを消去して「Impervious surface coverage」と入力します。
  6. [アイコン][変更] をクリックします。 [ソリューション] を展開し、道と橋を示すアイコンを選択します。 [OK] をクリックします。
  7. [塗りつぶし] で、保存済みのオレンジ茶色をクリックします。

    インジケーターが構成されます。

    不浸透面インジケーターが構成された状態

  8. [終了] をクリックします。
  9. これまでに学習した手順に従って、インジケーター エレメントを複製し、樹冠被覆の割合を表示します。
    • 気温インジケーター エレメントを複製します。
    • 複製したインジケーター エレメントの構成をクリックします。
    • [データ オプション] ウィンドウで [値フィールド][TreeCanopy] に設定します。
    • [インジケーター] タブの [下位テキスト] で、テキストを「Tree canopy coverage」に変更します。
    • アイコンを木に変更
    • 必要に応じて、[中位テキスト] のフォントの色とアイコンの塗りつぶし色を緑色に変更します。
    • [完了] をクリックします。

    樹冠被覆インジケーターが構成されます。

    樹冠被覆インジケーターが構成された状態

  10. これまでに学習した手順に従って、インジケーター エレメントを複製し、各国勢調査区グループの最高気温と市の境界線に関連付けられた気温の平均値との差を表示します。
    • 気温インジケーター エレメントを複製します。
    • 複製したインジケーター エレメントの構成をクリックします。
    • [データ オプション] ウィンドウで [値の変換] をオンにして、[オフセット] に「-87.63」と入力します。
    • [インジケーター] タブで、[上位テキスト] に「Evening Temperature Difference (F)」と入力し、[下位テキスト] に「from the city average」と入力します。
    • アイコンを温度計に変更します。
    • [中位テキスト] のフォントの色とアイコンの塗りつぶし色を黄色に更新します。
    • [終了] をクリックします。

    夜間気温インジケーターが構成されます。

    夜間気温差インジケーターが構成された状態

    これで、4 つのインジケーターがダッシュボード上に構成されました。 次に、これらのインジケーターを並べ替えて、すべてのインジケーターが均等なサイズで表示されるようにします。

  11. リスト内で 2 番目に表示されているインジケーターにポインターを合わせて [アイテムのドラッグ] ボタンをクリックします。

    インジケーター エレメントのアイテムのドラッグ ボタン

  12. 夜間気温差インジケーターを、上部にあるインジケーターの右側までドラッグします。

    インジケーターをドラッグして、右上の行にドッキングします。

    これで、2 つのインジケーターが並んで表示されました。

    2 つのインジケーターが別のインジケーターの上に並んで表示された行

  13. 下部にあるインジケーターを 2 行目のインジケーターの右側までドラッグします。
  14. 区切り線をドラッグして、これらのインジケーターが比較的均等に表示されるようにします。

    これで、4 つのインジケーターがバー チャートの上のグリッド内に配置されました。

    インジケーターとシリアル チャートが構成された状態

  15. ダッシュボードを保存します。

人口統計データのインジケーターを追加 (オプション)

必要に応じて、さらに 2 つのインジケーターを追加して、社会的脆弱性に関する別の変数を表示することができます。

  1. 不浸透面インジケーターを複製します。
  2. 複製した不浸透面インジケーターの [構成] ボタンをクリックします。
  3. 表示される [インジケーター] ウィンドウの [データ] タブで、次のパラメーターを選択します。
    • [値フィールド][2022 HHS: Inc Below Poverty Level (ACS 5-Yr)] を選択します。
    • [参考情報] セクションを展開し、[参照タイプ][フィーチャ] を選択します。
    • [参照フィールド][2024 Total Population] を選択します。

    データ オプション ウィンドウで値フィールドが貧困変数に設定され、参照フィールドが総人口変数に設定された状態

  4. [インジケーター] タブをクリックします。 [中位テキスト] で、既存のテキストを消去して [フィールドの追加] ボタンをクリックします。 [100 * value / reference] を選択します。

    中位テキストが 100 * value / reference に設定された状態

  5. 次のパラメーターを使用して、[インジケーター] タブの構成を続けます。
    • [中位テキスト] で、テキストの色を青色に設定します。
    • [下位テキスト] で、既存のテキストを消去して「Income below poverty level」と入力します。
    • [アイコン] で、ハート形を作った手など、ケアを表している可能性のあるアイコンを選択します。
    • [塗りつぶし] 同じ青色を選択します。

    貧困インジケーターが構成されます。

    貧困インジケーターが構成された状態

  6. [終了] をクリックします。
  7. これまでに学習した手順に従って、車を利用していない賃貸住宅居住者の割合を示すインジケーターを作成します。
    • 貧困レベル インジケーターを複製します。
    • 複製したインジケーターの [構成] ボタンをクリックします。
    • [データ] タブの [フィールド値][2022 Renter HHs with 0 Vehicles (ACS 5-Yr)] を選択します。
    • [インジケーター] タブの [中位テキスト] で、テキストの色として紫色を選択します。
    • [下位テキスト] で、テキストを「Renters with no vehicles」に変更します。
    • [アイコン] で、車のシンボルを選択します。
    • [塗りつぶし] で、同じ紫色を選択します。

    車を利用していない賃貸住宅居住者が構成されます。

    車を利用していない賃貸住宅居住者が構成された状態

  8. 2 つの社会的脆弱性インジケーターをシリアル チャートの右側までドラッグして、サイズを変更します。

    ダッシュボード上で社会性インジケーターが構成された状態

  9. ダッシュボードを保存します。

マップ アクションの構成

ダッシュボードを対話形式にするには、マップ インジケーターのレイヤー アクションを構成します。 レイヤー アクションが構成されている場合、ダッシュボード ユーザーはマップ上のフィーチャをクリックして、レイヤーからフィーチャを選択できます。 [マップをクリックしたとき] オプションを使用すると、マップ上のフィーチャを選択した際に、選択したフィーチャのダッシュボード インジケーター値を更新するかどうかを指定できます。

  1. マップ エレメントの隅にポインターを合わせて [構成] をクリックします。
  2. [設定] ウィンドウで、[凡例][レイヤーの表示設定] をオンにします。
  3. [全般] タブをクリックします。 [タイトル] で、[編集] をクリックします。
  4. テキスト エディターで、次のテキストを入力するか、コピーして貼り付けます。

    Urban heat island effect factors - Richmond, VA

    国勢調査区グループをクリックして、ヒート アイランドの要因と人口統計データを表示します。

  5. テキストの最初の行をハイライト表示します。 [段落] をクリックして [見出し 2] を選択します。

    タイトル テキストの最初の行が見出し 2 に設定された状態

  6. [レイヤー アクション] タブをクリックします。 [Urban heat island factors and enriched data] を展開してから [フィルター] を展開します。

    レイヤー アクション タブの Urban heat island factors and enriched data レイヤーのフィルター

  7. すべての [インジケーター] ボタンと [シリアル チャート] エレメントをオンにします。
  8. それぞれの [フィルター処理時のみレンダリング] チェックボックスをオンにします。

    インジケーターとシリアル チャートがフィルターに設定され、フィルター処理時のみレンダリング チェックボックスがオンに設定された状態

  9. [マップをクリックしたとき] セクションで、[ポップアップの表示] をオフにしてから [フィーチャの選択] をオンにします。

    マップをクリックしたときが構成された状態

  10. [終了] をクリックします。
  11. ダッシュボード ツールバーで [保存] ボタンをクリックします。
  12. 必要に応じて、ブラウザー ページを更新します。
  13. ダッシュボードをテストするには、マップをクリックしてブロック グループを選択します。 危険を表す D として評価されたことのあるブロック グループを選択します。

    赤として評価されたことのある地域の国勢調査区グループがマップ上で選択された状態

    この地域における都市部のヒート アイランドの要因と人口統計データに関して何か気付いた点はありますか?

  14. 優良を表す A として評価されたことのあるブロック グループを選択します。

    優良として評価されたことのある地域の国勢調査区グループがマップ上で選択された状態

    この地域における都市部のヒート アイランドの要因と人口統計データに関して何か気付いた点はありますか?

    次に、マップ ツールを操作して、マップ内の他のレイヤーを表示します。

  15. マップ インジケーターで、レイヤー リスト ツールをクリックします。 [Urban heat island factors] グループ レイヤーを展開して [Evening Temperature] を選択します。

    Evening Temperature がレイヤー リスト ツールのグループ レイヤー内で選択された状態

    これで、[Evening Temperature] レイヤーがマップ上に表示されます。

  16. ダッシュボードを保存します。

    次に、他のユーザーと共有できるようにダッシュボードを設定します。

  17. ダッシュボード メニューをクリックしてから [ダッシュボード アイテムの詳細] をクリックします。

    ダッシュボード メニューのダッシュボード アイテムの詳細

    ダッシュボードのアイテム ページが表示されます。

  18. ダッシュボードのアイテム ページで [共有] をクリックします。
  19. [共有] ウィンドウで、[すべての人に公開 (パブリック)] を選択して、[保存] をクリックします。

    この分析範囲内のヒート アイランド現象を集計するダッシュボードが正常に作成されました。 このダッシュボードを関係者 (コミュニティ メンバーや地元の選出議員など) と共有できるようになったので、関係者は、地域間の気温差、各地域内の土地被覆、ヒート アイランドの影響を過度に受けている可能性のあるコミュニティの人口統計を十分に把握することができます。

このチュートリアルは、バージニア州リッチモンド市のヒート アイランド現象を解析する手助けになりました。 都市全体の気温データを調査して、地域ごとの最高気温を評価しました。 樹冠被覆の割合と不浸透面被覆の割合を解析し、ヒート アイランド現象を引き起こしている土地被覆要因に関して理解を深めました。

どの地域が他の地域よりも高温であるか、また都市全体の気温と比べるとどうかを確認した後、分析範囲に人口統計情報を付加して、このような猛暑の影響を受ける可能性のあるコミュニティで誰が暮らしているかと、一部の人を他の人よりも脆弱にしている要因は何かを理解しました。 また、コミュニティが猛暑の影響を過度に受ける原因となった過去の意思決定と慣例も調査しました。

最後に、解析の結果を集計して、その結果を関係者と共有するためのダッシュボードを作成し、関係者がこの情報を活用して、緑地の拡大や公共交通機関へのアクセスの改善など、このような資源が不足している地域でコミュニティ全体の生活の質の向上につながる解決策を実現できるようにしました。 このチュートリアルでは、空間的な視点と公平性の観点をうまく結び付けて、ヒート アイランド現象という環境公平性の問題を調査します。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。