ワークブックの作成

最初に、シアトル地区を拠点にするワシントン州の医者のデータを調べることができるワークブックを作成します。この医者は、非合法のリドカインの処方箋を書くことに関与した可能性があります。 あなたは初回のデータ調査を実施しており、疑わしいパターンが現れた場合は、その調査結果を管理者に報告します。

リドカインは、連邦政府から補助を受ける医療制度であるメディケア パート D の適用対象です。 パート D の処方箋を追跡するスプレッドシートを ArcGIS Insights にアップロードし、複数の視覚化を使用してデータ内のパターンに関する質問に答えます。 チャート、グラフ、およびマップをリンクして、異常に多い処方箋の数、時間の経過に伴う大きな変化、または処方薬が調合された広い地域が存在するかどうかを確認します。 このチュートリアルでは、最初からワークブックを作成し、ワシントン州のデータを解析します。 その後、フロリダ州で再利用するために、このモデルを保存します。

このチュートリアルで提供されるワークフローおよびデータは、連邦政府の調査に基づいています。

新しいワークブックの作成

ArcGIS Insights にサイン インして、新しいワークブックを開始します。 ArcGIS Online 組織から ArcGIS Insights アプリにアクセスできます。 その後、ワシントン州内の医者の処方薬データをワークブックに追加し、カードを使用して視覚化します。 Insights は、ページで構成されるワークブックの概念を使用してデータを整理し、視覚化します。 各ページは、データのテーブルのマッピング、チャート作成、および表示に使用されるカードのコレクションを保持できます。

  1. washington state.xlsx ファイルおよび florida.xlsx ファイルをダウンロードし、コンピューター上の、デスクトップなどの簡単に見つけることができる場所に保存します。 Microsoft Excel がインストールされている場合は、数分かけてこれらのファイルを確認し、各テーブル内の列に注意してください。
  2. Insights Online アカウントまたは Insights in ArcGIS Enterprise アカウントにサイン インします。
    注意:

    Insights in ArcGIS Online にアクセスするには、ArcGIS 組織の管理者からライセンスを付与されていなければなりません。 組織に Insights ライセンスがない場合は、無料トライアルにサインアップできます。

    Insights in ArcGIS Enterprise にアクセスするには、組織の必要なメンバーにライセンスと権限を付与する必要があります。 詳細については、「Insights in ArcGIS Enterprise および Insights in ArcGIS Online の管理」をご参照ください。

    はじめて Insights を使用する場合は、[Insights へようこそ] ウィンドウが開き、Insights で実行できることのリストが表示されます。

  3. 必要に応じて、[Insights へようこそ] ウィンドウで [スキップ] をクリックします。
  4. [ワークブック] タブをクリックします。

    新しいワークブックの作成

  5. [新しいワークブック] をクリックします。

    新しいワークブック

    [ページに追加] ウィンドウが表示されます。 このウィンドウで、データセットを選択して新しいワークブックに追加できます。 ArcGIS 組織でホストされているデータ、コンピューター上にあるファイルのデータ、または ArcGIS Living Atlas of the World のデータを選択できます。

  6. [ページに追加] ウィンドウで、[ファイルのアップロード] をクリックします。

    [ファイル] タブ

  7. 展開した washington state.xlsx ファイルをドラッグまたは参照して、ワークブックに追加します。

    テーブルが [選択したデータ] ウィンドウに追加されます。

    [選択したデータ] ウィンドウ

  8. [追加] をクリックします。

    データがワークブックに追加され、このワークブックが画面上に初めて開きます。

  9. [データ] ウィンドウで [Washington.Table] にポインターを合わせます。
  10. [データセット名の変更] をクリックして「Washington state」と入力します。

    Washington state テーブル

  11. [データセットのオプション] ボタンをクリックして [データ テーブルの表示] を選択します。

    データ テーブルの表示

    この Excel ファイルには、シアトルを拠点にする医者からのパート D の薬の処方箋を含んでいる 1,308 レコードが含まれています。 この CSV ファイルは、ワークブックに追加したテーブルのさらに詳細な表示を提供します。 このテーブルから、次の情報を学習できます。

    • 医者のオフィスは同じ時間に複数の患者をスケジュールすることが多いため、1 人の医者からの合計で 1,308 の処方箋は異常ではありません。
    • [City] 列は、処方薬が調合された都市を表しており、必ずしも医者がいる都市ではありません。
    • [Date] フィールドは、2015 年~ 2017 年の処方箋を表しています。
    • [Type] フィールドは、他のタイプのパート D の薬を含んでいます。 リドカインは、そのうちの 1 つにすぎません。
    • [X] フィールドおよび [Y] フィールドは、処方薬が調合された都市の位置を表しています。
  12. テーブルを閉じます。
  13. ワークブックの上部で [無題のワークブック] をクリックし、「Suspicious Lidocaine Prescriptions」と入力して Enter を押します。

    Suspicious Lidocaine Prescriptions

  14. [保存] をクリックします。

    保存ボタン

    これでワークブックが作成され、解析用のページおよびカードを追加できるようになりました。

解析用のカードの追加

カードは、テーブル データ内のフィールドから作成される視覚的表現であり、マップ、チャート、またはテーブルとして表示することができます。 カードは、同じデータを異なる方法で視覚化するように変更できます。

  1. データ ウィンドウで、[Washington state] テーブルを展開します。

    展開された Washington state テーブル

    各属性フィールドには、データ タイプを表すアイコンがあります。 データ タイプは、そのデータを使用して実行できる解析の種類を決定するため、重要です。 OID および Cost には数値シンボルがあるため、これらをカウントしてチャートのサイズを決定することができます。 City、State、および Type には、すべて文字列シンボル (小さいカラム チャート) が表示されており、これらは、マップ上の個別値シンボルとして、またはチャート内のデータのグループとして表示することができます。 X および Y は数値として表示されますが、位置を有効化した後に、これらを座標に変換することができます。

  2. [データセット オプション] ボタンをクリックして [位置の有効化] を選択します。

    [位置の有効化] オプション

    注意:

    [位置の有効化] ウィンドウは、Washington state テーブル内の X 列および Y 列を、処方薬が調合された場所の緯度と経度を含んでいるとして自動的に識別しました。

  3. [空間参照] ボックスで、ドロップダウン矢印をクリックします。 検索ボックスに「web」と入力します。

    WGS 1984 Web メルカトル (球体補正)

  4. [WGS 1984 Web メルカトル (球体補正)] をクリックします。

    [WGS 1984 Web メルカトル (球体補正)] は、ArcGIS Online およびその他の Web アプリでの Web マップのデフォルトの座標系です。 他のオンライン マップ プロバイダーも、この座標系およびそのいくつかの変形を標準の Web マップとして使用します。

  5. チェックボックスをオンにして、[同じ機能の繰り返し] パラメーターを有効にします。
  6. [実行] をクリックします。

    同じフィーチャの繰り返し

    新しい [座標] フィールドが、[Washington state] レイヤーの上部に追加されます。

    次に、マップ カードを作成して、ワシントン州の医者からの処方箋の空間分布を表示します。

  7. [Washington state] レイヤーで、[座標] にポインターを合わせ、チェック マークをクリックします。

    [座標] の選択

    青いチェック マークが、選択されたフィールドを示します。 複数のフィールドを選択してデータを結合し、複数の変数を含むチャートおよびテーブルを作成することができます。

  8. [座標] フィールドを、ページ上の [マップ] ドロップ領域にドラッグします。

    [マップ] ドロップ領域

    米国西部のマップが、リドカイン処方薬が調合された場所を反映するオレンジ色の点とともに表示されます。

  9. 米国本土全体が表示されるように、マップの右ハンドルをドラッグします。

    米国のマップ上の右ハンドル

    デフォルト ベースマップは、地形、水域フィーチャ、主要道などのさまざまなデータを表示する地形図です。 データ内の空間パターンをさらに適切に視覚化するために、ベースマップを、データに焦点を合わせるシンプルなベースマップに変更します。

  10. [ベースマップ] をクリックして、[キャンバス (ダーク グレー)] を選択します。

    キャンバス (ダーク グレー) ベースマップ

  11. マップの凡例で、矢印をクリックして [レイヤー オプション] ウィンドウを展開します。

    マップの凡例ボタン

  12. [レイヤー オプション] ウィンドウで、[シンボル] タブをクリックします。

    シンボル ボタン

  13. [シンボル タイプ] の下で矢印をクリックして、[ヒート マップ] を選択します。

    [ヒート マップ] の選択

  14. [レイヤー オプション] ウィンドウを閉じます。

    ヒート マップは、頻度または分布を視覚化するのに使用されます。 ポイントが最も多いエリアは最もホットであり、明るい黄色および赤色で表示されます。 より薄い水色であるほど、発生レベルが低いことを表します。

    ヒート マップ

    調査対象の医者はシアトルを拠点にしているため、ヒート マップがワシントン州内でより強い色を表示していることは理にかなっています。

    では、カリフォルニア州、ネバダ州、およびテキサス州を含む南西部で調合された処方薬についてはどうでしょうか? それらの集中は、二重戸籍の退職者 (非公式にスノーバードと呼ばれる) によって説明できます。 二重戸籍の退職者は、州の所得税がなく、冬季の気候が暖かい地域に引き付けられます。 二重戸籍の退職者は自分の生まれた州に一時期住んでいるため、これらの人々の多くは、冬の別荘の近くの新しい医者との関係を築くのではなく、長年知っている医者との関係を維持することを好みます。

    このデータはすぐには関係しないため、引き続きデータを分析し、タイプ別にパート D の薬を調べます。

  15. データ ウィンドウから [Type] を、[チャート] ドロップ領域の [ツリーマップ] ポップアップにドラッグします。

    [ツリーマップ] の選択

    ツリーマップは、四角形のサイズを使用して関連性を表示し、データの階層を表します。 リドカインは、この医者が最も多く処方したパート D の薬です。 ツリーマップのメリットは、異なる薬のタイプおよび数量を簡単に区別できることです。

    リドカインの処方箋を含んでいるツリーマップ

    注意:

    カードを非アクティブにするには、別のカードまたは空のスペースをクリックします。 各カードには、作成された順序に基づいて「カード 1」などのデフォルトのタイトルが付けられます。 不正なテーブル、チャート、またはマップをページに追加した場合、それを削除するには、[その他] ボタンをクリックして、[削除] を選択します。

    削除ボタン

    次のテーブルでは、コストを調べます。 これは「カード 3」になります。

  16. データ ウィンドウで、[Type] を選択します (これを表示するには、下方向にスクロールする必要がある場合があります)。
  17. 選択したフィールドを [テーブル] ドロップ領域にドラッグします。

    これによって、サマリー テーブルが作成されます。 カードを再配置するには、ツールバーをクリックして、ページ上の新しい位置にドラッグします。 アクティブまたは非アクティブなカードのツールバーにポインターを合わせると、ポインターが 4 方向矢印に変わります。 ページの上部に沿って隣接するように、カード 1、2、および 3 を配置します。

  18. 必要に応じて、右下にある [縮小] ボタンをクリックして、3 つのカードすべてを確認できるようにします。

    整列された 3 つのカード

    これで、4 番目のカードを作成する準備ができました。

  19. データ ウィンドウで [Date][Type] の両方を選択し、それらをチャート カードの [時系列] ドロップ領域にドラッグします。

    時系列チャートの作成

  20. 時系列グラフの長さがカード 1 および 2 の長さに一致するように、右ハンドルをドラッグします。

    時系列カード

    カードを拡大すると、2 年間にわたる各薬の処方箋の毎月のサマリーを確認することができます。 処方箋における予期しないスパイクは、異常な疑わしい傾向を識別するのに役立つ可能性があります。 さらに、個々のラインにポインターを合わせるとポップアップがアクティブになり、薬のタイプ、処方箋の数、および時間範囲の詳細が表示されます。

    これで、5 番目のカードを作成する準備ができました。

  21. データ ウィンドウで、[State] レイヤーを右下隅にドラッグし、[チャート] にポインターを合わせて、このフィールドを [ドーナツ チャート] にドロップします (必要に応じて、5 つのカードをすべて確認できるように縮小します)。
    州別の処方薬

    カード 5 は、処方薬が調合された州を表示します。 各州にポインターを合わせて、正確な数を得ることができます。 ドーナツ チャートは、ワシントン州で処方薬の大部分が調合されたことを示します。

    カードを作成した後に、データを明確にするために、それらの外観を変更できます。

  22. [カード 3] (サマリー チャート) をクリックし、[可視化タイプ] をクリックして、[バー チャート] を選択します。

    可視化ボタン

  23. バー チャートで、[並べ替え] ボタンをクリックして、メニューから [昇順で並べ替え] を選択します。 必要に応じて、新しいバー チャートの右下隅をドラッグして展開します。

    リドカインを特徴とするバー チャート

    このチャートは、ワシントン州内のリドカインの処方箋の数が、希釈薬として知られていない、より高価な局所麻酔薬であるリドカイン/プリロカインの組み合わせの処方箋の数の 2 倍であることを示しています。

    このバー チャートでは、リドカインにポインターを合わせて、2015 年~ 2017 年にワシントン州内に 694 の処方箋が存在していたことを確認できます。 この数だけでは疑わしいとして警告されるほど十分な情報ではありません (これらのリドカインの処方箋の数が、この薬に関して書かれるこの医者の処方箋の数の正常な範囲内に収まっている可能性がまだあります)。さらに深い洞察を得るには、まだ他の情報が必要です。 他のカードを調べることで、さらに詳細を明らかにすることができます。

    ワークブック ページには、現在 5 つのカードがあります。 ページをさらに意味のあるものにするために、カード名を変更することができます。

  24. カードの名前を次のように変更します。
    • [カード 1]:「分布ヒート マップ
    • [カード 2]:「タイプ別のツリーマップ
    • [カード 3]:「タイプ別のコスト バー チャート
    • [カード 4]:「タイプ別の時系列
    • [カード 5]:「州別の分布

    ページ名をより説明的な名前に変更することもできます。

  25. ワークブックの左下で [ページ 1] をクリックして、「Washington state」と入力します。

    [Washington state] タブ

    現在ページは関連する 5 つのカードを含んでおり、これらのカードには、あなたおよび他のユーザーが解析を表示するのに役立つように、すべて明確なラベルが付けられています。 作成したモデルを使用して、データをさらに詳しく調べて、この医者が疑わしいかどうかを確認します。

    一緒に表示された 5 つのカード

データの探索

あなたは、調査員として、パターンにおける変化を伝えている可能性のあるデータ内の異常を探しています。この異常は、非合法活動を示している場合があります。 ワーキング モデルを作成したので、各カードを調べて、兆候を探します (カードは、情報を明らかにすることもあれば、そうでないこともあります)。まず、クロス フィルターを使用して各カードを関連付け、1 つのタイプの薬を一度に調べることができるようにします。 次に、疑わしく見えるパターンを細かく調べます。

  1. [タイプ別のツリーマップ] カードのツールバーをクリックしてアクティブにし、[クロス フィルターの有効化] を選択します

    [クロス フィルターの有効化] ボタン

    ツールバーが表示されない場合は、カードを展開する必要があります。

    カード ツールバーを展開する

  2. [タイプ別の時系列] および [分布ヒート マップ] で、[クロス フィルターの有効化] をクリックします (すべてのヘッダーボタンを表示するためにテーブルを展開すること、およびすべてのカードを表示できるようにするために縮小することが必要になる場合があります)。

    3 つのカードを関連付けるクロス フィルター

    クロス フィルターを使用して選択をフィルターに変えることによって、カード間でデータを関連付けることができます。 このフィルタリングによって、データを適切に比較および対比することができ、関連する情報を分離して、解析に焦点を合わせることができるようにします。

    次に、データを調べて、リドカインの処方箋が、ワシントン州の医者をさらに調査することを正当化するかどうかを決定します。

  3. [分布ヒート マップ] をクリックしてワシントン州にズームし、この州がマップ全体に広がるようにします。

    ワシントン州のヒート マップ

    ヒント:

    Shift キーを押したままマウス ポインターをエリアの周囲でドラッグすることによって、そのエリアを拡大することができます。

    高い濃度が都市の中心に集中しています。これは、リドカインが人口の多いエリア内で多く処方されているということを示唆しています。 これは理にかなっています。

  4. [タイプ別のツリーマップ] カードで [Lidocaine] をクリックします。

    クロス フィルターを有効化したので、マップおよび時系列カードが、リドカインの処方箋のデータのみを表示するように変更されます。

    • [分布ヒート マップ] 内で、リドカインの処方箋は、他のタイプのパート D の薬とほぼ同じ位置に現れています。
    • [タイプ別のコスト バー チャート] では、リドカインは、未処理の数に関して、最も多く処方された薬であるように反映されています。 これは、このリドカインが安価で、一般的に処方される薬であるという既知の情報を裏付けています。
    • [タイプ別の時系列] では、トレンド ラインが、2 年間にわたって同じ範囲内に収まっており、医者が追加のリドカインの違法な処方に関与している場合に予想されるような、処方箋における短期間での突然の疑わしいスパイクが存在しないということを示しています。

    タイプ別の時系列

    このカードは、最も重要な検討対象である可能性があります。それはこのカードが、ワシントン州の医者からのリドカインおよびその他のパート D の薬の処方箋に異常なスパイクがなかったということを示す情報を提供するからです。

  5. [タイプ別のツリーマップ][Lidocaine] を再びクリックして、すべてのデータが表示されるようにします。
  6. ワークブックのリボンの [保存] をクリックします。

モデルの共有

次に、フロリダ州内の医者の処方箋を調査および検索するために、解析をモデルとして共有し、同じワークフローを再利用できるようにします。 ワークブックの準備はほぼ完了していますが、説明的データを追加し、モデル (解析手順の視覚的な記録) として共有する必要があります。 モデルは、作業する際に自動的に作成されます。そのため、モデル自体を作成する代わりに、解析に集中することができます。

  1. [解析ビュー] ボタンをクリックします。

    [解析ビュー] ボタン

    [解析ビュー] では、現在のワークフローをモデルとして視覚化し、各カードがどのように関連付けられているかを確認することができます。

    モデル ビュー

  2. ワークブックの右上で、[公開] ボタンをクリックします。

    [モデルとして共有] ボタン

  3. [公開] ウィンドウの [タイプ] で、[モデル] を選択します。

    [タイプ] ドロップダウンでの [モデル] の選択

  4. [共有] ウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
    • [タイトル] に「Lidocaine analysis」と入力します。
    • [タグ][Insights] を削除し、「パート D」、「HHS」、および「リドカイン」を入力します (各タグの入力後に Enter を押します)。
    • [説明] に「Possible Part D prescription abuse」と入力します。
    • [次のグループと共有] の下で、組織の名前をオンにします。

    モデルの公開ウィンドウ

  5. [公開] をクリックします。
  6. 必要に応じて、続行する前に、解析ビューからページ ビューに切り替えます。

    [ページ ビュー] ボタン

5 つのカードをすべて確認した後に、この医者に対して疑わしいとして警告を与えるのに必要な正当な理由がないということを決定しました。 最も重要なカードが [タイプ別の時系列] であるということがわかりました。このカードは、2 年間にわたるすべてのリドカインの処方箋が、この医者からの処方箋の数の正常な範囲内に現れていることを示しました。 これは結局、予期された行動です。 ただし、ここで作成したものは、疑わしいフロリダ州の医者を調査するときに比較に使用するベースラインになります。


異常の報告

前のレッスンでは、ワシントン州の医者の処方箋の履歴を調べることができるようにするワークブックを構築しました。 次に、フロリダ州内の医者に関して受け取った第 2 の情報を調べます。 この医者も、違法な麻薬取引に使用される可能性のあるリドカインの過剰処方に関して疑われています。 2 番目のページを作成し、前のセクションで作成したモデルを追加することから開始します。 次に、そのモデルを、フロリダ州の医者の処方箋に関するデータを表示するように更新し、疑わしいと考えられるパターンを見つけるためにデータを解析します。

2 番目のページの作成

各ワークブックは複数のページを含むことができ、それらのページを使用して、モデル間および解析間を切り替えることができます。 フロリダ州の医者を調査するために、別のページを作成し、モデルをそのページに追加します。 その後、フロリダ州の医者の処方箋に関するデータを追加します。

  1. リボンで、[Washington state] タブの横にある [新規ページ] をクリックします。

    [新規ページ] タブ

    新しいページが作成され、[ページに追加] ウィンドウが表示されます。

  2. [ファイルのアップロード] をクリックします。
  3. [コンピューターの参照] をクリックして florida.xlsx ファイルを参照し、[開く] をクリックします。

    最初のセクションでは、カードを開発し、ワークフローを自動的に記録するモデルを共有しました。 このセクションでは、同じモデルを使用し、フロリダ州のデータを追加することによって、シアトルの医者およびオーランドの医者のリドカインに関する行動を比較する、カード間の有効な比較を作成します。

  4. [ページに追加] ウィンドウで、[モデル] ボタンをクリックします。

    [ページに追加] ウィンドウの [モデル] ボタン

  5. [結果] で、[Lidocaine analysis] モデルを探して選択します。

    [Lidocaine analysis] モデルを探して選択する

  6. [追加] をクリックします。

    Florida テーブルがデータ ウィンドウに追加されますが、再利用しているモデルによって作成されたページ上のカードには、まだ関連付けられていません。 ページ名およびカード名は、モデルとして共有するために使用された Washington state ページに一致します。 次のセクションでは、データを使用してモデルを更新します。

    ページ上のカードにまだ関連付けられていない Florida テーブル

  7. [分布ヒート マップ] カードで、[<Washington state>] をクリックします。
  8. [データセット] テーブルで、次のパラメーターを変更します。
    • [データセットの選択]: [Florida.Table]
    • [置換フィールド] [X]: [X_coordinate]
    • [置換フィールド] [Y]: [Y_coordinate]
    カード プロパティの更新
  9. [更新] をクリックします。

    インポートされたモデルが、先ほどインポートした Florida Excel ファイルのデータで更新され、すべてのカードがフロリダ州のデータを参照するようになります。

    更新されたフロリダ州のモデル
  10. 下のタブで、[ページ 2] という名前を「Florida」に変更します。
  11. [データ ウィンドウ] で、[データセット名の変更] をクリックし、[Florida.Table] を「Florida」に変更します。
  12. [データセットのオプション] をクリックし、[データ テーブルの表示] をクリックします。

    Florida データ テーブルの表示

    Florida テーブル内のデータは、Washington state テーブルと同じ形式で整理されています。 ただし、このテーブルには 2,584 レコードが含まれているという点が異なっており、これは、フロリダ州の医者によって書かれた処方箋の数のほうが著しく多いということを示しています。 ワシントン州内の医者は、同じ期間中に、1,308 の処方箋を書きました。

  13. テーブルを閉じます。

    これで、ワシントン州のデータを調査したのと同じ方法で、フロリダ州のデータを非常に詳細に調査する準備ができました。

フロリダ州内の異常の識別

最初のセクションと同様に、カードを比較および対比し、疑わしいリドカインの処方箋を分離できるようにします。

この医者は、オーランドを拠点にしているため、黄色がフロリダ州中部に集中しているのは理にかなっています。 また、フロリダ州は所得税がなく、気候が温暖な州であり、退職者に人気があります。 アメリカ中西部でのヒートマップの値が低いことについては、次のように説明できます。ワシントン州からの二重戸籍の居住者のような、フロリダ州の一部の退職した居住者は、自分の生まれた州の医師を継続して利用することを好むため、夏の数か月の間、アメリカ中西部に住んでいるときに処方薬を調合するからです。

  1. [分布ヒート マップ] カードをクリックし、フロリダ州中部を拡大します。

    フロリダ州中部の画像

    ワシントン州とは異なり、フロリダ州内の密集度の高い地域は、すべてが市に集まっているわけではありません (実際、それらの集中の多くは、農業、かんきつ類、および畜牛によって占められているフロリダ州中部の一部の田園地帯を含んでいます)。 加えて、フロリダ州中部には、麻薬密売の歴史があります。

  2. [タイプ別のツリーマップ] カードで、パート D の薬をそれぞれクリックし、[Lidocaine] で止めます。

    カードが、選択した薬に関連して変更されます。 他のカードが更新された後に、次のデータ パターンが明らかになります。

    • [分布ヒート マップ] では、リドカインの処方箋のホット スポットが、他のパート D の薬と比較して、全体的に不規則な位置に現れています。
    • [タイプ別のコスト バー チャート] では、リドカインの処方箋の数 (1,395) が、リドカイン/プリロカイン (希釈薬として麻薬中毒者に使用されないより高価な薬) の処方箋の数 (594) の 2 倍を少し上回っています。 やはり最初のセクションと同様に、これは、未知のことを何も伝えていません。つまり、リドカインは一般的であり、安価な薬です。
    • [州別の分布] は、リドカイン処方薬が調合された州を反映しています。 フロリダ州は、この医者に関する調合された処方薬の数が群を抜いて最も多い州であり、2 番目と 3 番目には、オクラホマ州とアーカンソー州が位置しています。 これは問題ではありません。
    • しかし、[タイプ別の時系列] は、まだ観察されていないことを明らかにしています。つまり、2017 年 3 月以降、この医者からのリドカインの処方箋の数が、予想外に大きく急増しています。

    リドカインが急増している [タイプ別の時系列]

    リドカインのラインにカーソルを合わせると、ポップアップがアクティブになり、月別ではなく週別に詳細化されたさらに具体的な数を表示します。

  3. 2017 年 1 月 1 日から開始して、ライン上をドラッグし、リドカインのラインの末端の点線で止めると、劇的な急上昇が 2017 年 3 月 5 日に始まっていることがわかります。

    2017 年 3 月 5 日の週の [タイプ別の時系列]

    2017 年 3 月 5 日の週以降、この医者およびリドカインの処方箋に関わる何かが起きました。 1 週間で処方箋の数が 3 から 31 に急増したことを確認できますが、その理由がわかりません。

  4. [タイプ別のツリーマップ] で、再び [Lidocaine] をクリックして選択解除し、ページ上のすべてのパート D の薬を表示します。

    すべてのパート D の薬の処方箋の時系列

    このカードは、この急増が、この医者からのパート D の薬の処方箋の通常のパターンとは大きく異なることを明確に示しています。

    フロリダ州の医者に関わる発見に関する可能性のある背景情報を確認するために、Washington state ページに切り替え、シアトルの医者のリドカインの履歴とオーランドの医者のリドカインの履歴の間で有効な比較を行うことができるようにします。

  5. ワークブックの左下で [Washington state] タブをクリックします。

    [Washington state] タブ

  6. [タイプ別のツリーマップ] カードで [Lidocaine] をクリックします。

    シアトルの医者のリドカインの処方箋

    やはり、最初のセクションで学習したように、ワシントン州の医者は、タイプ別の時系列カードに示されているように、2015 ~ 2017 の期間中にリドカインの処方箋における予想外の急増を示していません。 これは、リドカインの処方箋が 2017 年 3 月に劇的かつ予想外に急増したフロリダ州の医者とはまったく対照的です。

    リドカインが急増しているフロリダ州の [タイプ別の時系列]

    フロリダ州は、違法薬物の主要な供給源または産地である中南米に近いため、歴史的にコカインの密輸の侵入地点でした。 そのため、より大きな背景において、フロリダ州の医者が麻薬の不法取引に使用される薬の処方に関わっている可能性が高いということは、理にかなっています。 時間とともに、コカインの混合物の死亡率は変化しましたが、リドカインは、主な希釈薬のうちの 1 つとして根強く残っているように見えます。

  7. [保存] をクリックします。

    [タイプ別の時系列] において明らかにされた情報に基づいて、疑わしいリドカインの処方箋に関してオーランドの医者を警戒する正当な理由があるということを決定しました。 あなたは、追加調査が正当化されると感じ、この結果を管理者と共有したいと思っています。

ワークブックの共有

ArcGIS Insights を使用して、データ、ページ、解析、およびワークブックを共有できます。 この場合、解析および正当性を管理者に示して説明できるように、ワークブックを共有する必要があります。

注意:

管理者権限を持つユーザーは、ワークブックが共有されているかどうかにかかわらず、組織内で作成されたすべてのワークブックにアクセスできます。 Insights in ArcGIS Online でワークブックを作成して保存すると、[Insights ワークブック] アイテムが ArcGIS Online コンテンツ内に作成されます。 ワークブックをホーム ページから共有すると、そのワークブックは組織で利用できるようになります。 また、共有するときに、読み取り専用のアクセスを提供します。コンテンツに対する編集のフルコントロールは維持されます。

  1. 必要に応じて、ワークブックを保存します。
  2. ワークブックのヘッダーで、Insights のロゴをクリックします。

    ワークブックのヘッダーにある Insights のロゴ

    ワークブックが閉じられ、Insights のホーム ページが表示されます。

  3. [ワークブック] タブをクリックします。

    [ワークブック] ページには、設定に応じて、自分のワークブック、自分と共有されたワークブック、またはその両方が表示されます。

  4. [Suspicious Lidocaine Prescriptions] ワークブックを見つけます。 ワークブックは自動的に新しい順に並べ替えられるため、このワークブックはページの最上部に表示されているはずです。
    [Suspicious Lidocaine Prescriptions] ワークブック
  5. [共有] をクリックします。

    共有ボタン

  6. [共有範囲] ウィンドウで、組織のチェックボックスをオンにして、[共有] をクリックします。
    共有ウィンドウ

    これで、読み取り専用のワークブックを、組織のメンバーが使用できるようになります。

このチュートリアルでは、ワシントン州に関する 1 番目のページで作成した情報を利用し、疑わしいリドカインの処方箋を書いている可能性のあるフロリダ州の医者に関する情報を発見しました。 シアトル内の医者とフロリダ州内の医者の間で客観的比較を行うことができるように、カードを比較しました。 あなたは、フロリダ州の医者に関わる法執行調査を正当化できる指標を発見したと考えています。

このチュートリアルの実行では、異なる州内の 2 人の医者に関する処方箋データを調査し、フロリダ州の医者の活動を疑わしいとして警戒するよう促す情報を発見しました (加えて、別の調査を必要としなかったワシントン州の医者に関するデータを説明し、解析しました)。ArcGIS Insights を使用することによって、オフィスのリソースを、さらに精査する価値のある医者に向かわせ、そうでない医者から遠ざけることに成功しました。 この情報をあらかじめ知っておくことで、オフィスの労力、時間、および資金を節約することができました。

ArcGIS Insights は、説明に役立つ任意のデータに適用することができます。 データを地理対応にし、カードを作成することによって、位置にかかわらず同僚および管理者と共有できるワークブックを作成できます。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。