GAEZ データへのアクセス
解析を開始するために、ArcGIS Pro プロジェクトを作成して、マップに GAEZ イメージ サービスを追加します。 イメージ サービスをマップに追加したら、フィルター設定を使用してデータをフィルター処理し、選択した作物、給水設備タイプ、および期間に関する情報を表示します。 次に、2010 年に灌漑された小麦を表示します。
プロジェクトの作成
このセクションでは、ArcGIS Pro プロジェクトを作成して、GAEZ イメージ サービスを読み込みます。
- ArcGIS Pro を起動します。 サイン インを求められたら、ライセンスが割り当てられた ArcGIS 組織アカウントを使用してサイン インします。
注意:
ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
- ホーム ページの [新しいプロジェクト] で [マップ] をクリックします。
- [マップ] をクリックします。
[新しいプロジェクトの作成] ウィンドウが開きます。 作業用のプロジェクト フォルダーを作成します。
- [名前] に「Wheat Analysis」と入力します。 [場所] で、プロジェクトを保存するコンピューター上の場所を参照します。
- [OK] をクリックします。
空のマップが表示されます。 続いて、メキシコのヤキ バレーを拡大表示します。
- リボンの [マップ] タブをクリックします。 [照会] グループの [場所検索] をクリックします。
[場所検索] ウィンドウが表示されます。 対象の場所を検索してマップに表示することができます。
- [場所検索] ウィンドウの [検索] ボックスに「Ciudad Obregon」と入力します。 Enter キーを押します。
複数の結果が表示され、自動的に最初の場所が拡大表示されます。
- 縮小表示して南に移動し、周辺エリアを表示します。
表示エリアが、解析対象のヤキ バレーになります。
- [場所検索] ウィンドウを閉じます。
次に、ベースマップを変更して、全般的な農地を表示します。
- [マップ] タブの [レイヤー] グループにある [ベースマップ] をクリックします。 [衛星画像ハイブリッド] を選択します。
濃い緑のエリアが、GAEZ データを使用して解析する農地です。
GAEZ データの読み込み
ArcGIS Pro プロジェクトが設定され、プロジェクト エリアに焦点が絞られたので、GAEZ データを検索してマップに追加します。
- Web ブラウザーを開き、FAO GAEZ v4 Data Portal に移動します。
- [GAEZ v4 Image Service and Metadata Listing] テーブルまでスクロールします。
このテーブルで、複数の GAEZ 変数にアクセスできます。 イメージ サービスとして [Actual Yields and Production] データにアクセスします。 テーブルには、メタデータへのリンクも含まれており、データに関する詳細な説明を参照できます。
- [Theme 5: Actual Yields and Production] の行を探します。 その行の [Image Service URL] を右クリックしてリンク アドレスをコピーします。
注意:
URL をコピーするプロセスはお使いの Web ブラウザーによって異なることがあります。 [イメージ サービスの URL] は https://gaez-services.fao.org/server/rest/services/res06/ImageServer です。
- ArcGIS Pro のリボンで、[マップ] タブをクリックします。 [レイヤー] グループの [データの追加] でドロップダウン矢印をクリックします。 [パスから] を選択します。
[パスからのデータの追加] ウィンドウが表示されます。 このウィンドウで、データ ポータルから URL を貼り付け、そのイメージ サービスをマップに追加します。
- [パスからのデータの追加] ウィンドウの [パス] で右クリックして、[貼り付け] を選択します。
- [追加] をクリックします。
GAEZ データがマップに追加されますが、表示する前にレイヤーを構成する必要があります。 まず、このレイヤーの名前を変更します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [res06] レイヤーをクリックし、F2 キーを押します。 「Actual Yields and Production」と入力します。
レイヤーの名前が変更されます。 次に、レイヤーの属性を調べます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Actual Yields and Production] を右クリックして [属性テーブル] を選択します。
属性テーブルがマップの下に表示されます。 このイメージ サービスには 498 のラスターがあります。
このテーブルのラスターの数を減らして、2010 年の灌漑小麦生産を表すラスターのみを表示します。
イメージ サービスのクエリ処理
マップに GAEZ データが追加されたので、[定義クエリ] により、一連の SQL を使用してラスターの数を 498 から 1 に減らします。 この定義クエリにより、灌漑小麦の生産量ラスターが表示されます。 続いて、シンボルを変更して、データをわかりやすくします。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Actual Yields and Production] を右クリックして、[プロパティ] を選択します。
[レイヤー プロパティ] ウィンドウが表示されます。 ここで定義クエリを作成できます。
- [レイヤー プロパティ] ウィンドウで、[定義クエリ] タブをクリックします。 [新しい定義クエリ] をクリックします。
次に、2010 年の灌漑小麦の生産量を選択する一連の句を含む式を作成します。 最初の句で、小麦の生産地を選択します。
- [Where 句] [Crop が Wheat と等しい] という句を作成します。
次に、灌漑されているエリアを選択する 2 番目の句を追加します。
- [項目の追加] をクリックします。 [Water Supply が Irrigated と等しい] レイヤーを選択する句を作成します。
3 番目の句で、生産量変数を選択します。
- [項目の追加] をクリックします。 [Variable Name が Yield と等しい] レイヤーを選択する句を作成します。
最後の句は、2010 年のデータを選択します。
- [項目の追加] をクリックします。 [Time Period が 2010 と等しい] レイヤーを選択する句を作成します。
- [適用] をクリックします。 [OK] をクリックします。
これで、属性テーブルにラスターが 1 つだけ表示され、そのラスターがマップに表示されます。 これは、2010 年の灌漑小麦の生産量 (トン/ヘクタール) を示しています。
注意:
マップに [Actual Yields and Production] レイヤーが表示されない場合は、[マップ] ビューの右下隅にある [更新] ボタンをクリックします。
レイヤーの構成とマップの範囲によって、[Actual Yields and Production] の実際のシンボル表示は上記の画像と異なる可能性があります。
- 属性テーブルを閉じます。
次に、シンボルを変更して、トン/ヘクタールで実際の生産量値を表示します。 これには、既存のシンボルの削除 ([処理テンプレート] としても知られる) から始めます。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Actual Yields and Production] レイヤーが選択されていることを確認します。
- リボンの [データ] タブをクリックします。 [処理] グループで [処理テンプレート] をクリックします。 [None] を選択します。
分析範囲で同じシンボルを持ったデータが表示されます。
このエリアのデータを見やすくするため、[DRA] つまり Dynamic Range Adjustment (ダイナミック レンジ調整) を使用します。 ダイナミック レンジ調整は、マップの現在の表示範囲内のピクセル値のみをストレッチする、コントラスト ストレッチです。 この設定が有効になっている場合、マップを画面移動して範囲を変更すると、レイヤーのシンボルが更新されます。
- リボン上の [イメージ サービス レイヤー] タブをクリックします。 [レンダリング] グループで [DRA] をクリックします。
[Actual Yields and Production] シンボルが更新されます。 レイヤーのシンボルには、より多くのグラデーションが見られます。
注意:
実際のシンボルは上記の画像とは異なる可能性があります。 これは、ダイナミック レンジ調整によるものです。 マップを画面移動すると、マップの範囲に応じてシンボルが変わります。 基のピクセル値は変更されません。
次に、データを確認しやすくするために、シンボルを白黒から緑に変更します。
- リボンの [イメージ サービス レイヤー] タブの [レンダリング] グループで、[シンボル] をクリックします。
[シンボル] ウィンドウが表示されます。 ここで、マップ上のレイヤーの表示設定を変更できます。 白黒のカラー ランプをさまざまな色合いの緑に変更します。
- [シンボル] ウィンドウ [配色] でドロップダウン矢印をクリックします。 [名前の表示] の横のチェックボックスをオンにします。 [緑 (淡から濃)] を選択します。
マップは、濃い緑色で、生産量が多いエリアを示します。 反対に、生産量が少ないエリアは、薄い緑で表されます。 マップをクリックすると、基になっている生産量の値がトン/ヘクタールで表示されます。
- [Ciudad Obregon] の周辺のセルをクリックします。
選択したセルに関する情報を含む [ポップアップ] が表示されます。 生産量値 (単位はトン/ヘクタール) は、[ポップアップ] の [Service Pixel Value] に表示されます。
- [ポップアップ] を閉じます。
シウダ・オブレゴン周辺の値は、約 5.1 または 5.2 トン/ヘクタールです。 ナボホアの町に近いヤキ バレーの南端の値は、約 5.0 トン/ヘクタールです。
- [保存] ボタンをクリックします。
ここまでは、ArcGIS Pro プロジェクトを作成して、GAEZ イメージ サービスを追加しました。 また、ヤキ バレーにおける灌漑小麦の生産量のラスターを表示するフィルター設定を適用しました。 次に、ヤキ バレー全体の小麦の生産量を分析し、世界の生産量と比較する方法を確認します。
小麦の生産量の解析
次に、分析範囲の小麦の生産量を解析します。 最初に、グローバル データセットに灌漑小麦のヒストグラムを作成します。次に、ラスターをエクスポートして分析範囲を抽出し、ヤキ バレーのヒストグラムを作成します。 最後に、生産量マップのシンボルを分類して変更します。
世界の生産量のヒストグラム作成
このセクションでは、世界全体の小麦生産量のヒストグラムを作成します。 その後、世界規模の結果を地域の生産量と比較します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Actual Yields and Production] レイヤーを右クリックします。 [チャートの作成] をポイントし、[ヒストグラム] を選択します。
マップの下に空のチャートが表示されます。 [チャート プロパティ] ウィンドウも表示されます。 このウィンドウを使用して、ヒストグラムを構成します。 チャートから、小麦生産量の値を取得します。この値は [Band_1] という名前になります。
- [チャート プロパティ] ウィンドウの [変数] にある [数値] を [Band_1] に設定します。
ヒストグラムがチャート ビューでレンダリングされますが、左側に偏っています。 原因はダイナミック レンジ調整です。
次に、ダイナミック レンジ調整をオフにします。
- リボン上の [イメージ サービスー レイヤー] タブにある [レンダリング] グループで [DRA] をクリックします。
ダイナミック レンジ調整がオフになり、ヒストグラムが再描画されます。
このヒストグラムは、世界全体の灌漑小麦の 2010 年の生産量を表しています。 次に、データの理解に役立つ統計情報をさらに追加します。
- [チャート プロパティ] ウィンドウの [統計情報] で、[標準 偏差] をオンにします。
統計情報がさらにヒストグラムに追加されます。
世界平均は 4.2 トン/ヘクタールです。 このチュートリアルの前半で、生産量の値がほぼ 5.0 (ナボホア) と 5.2 (シウダ・オブレゴン) であることがわかりました。 これらの値は世界平均を上回っていますが、標準偏差の範囲内 (< 5.94 トン/ヘクタール) です。 これは、生産量を増やす余地があることを示しています。
地域の生産量のヒストグラム作成
次に、地域の小麦生産量のヒストグラムを作成します。 はじめに、ヤキ バレーの生産量ラスターをエクスポートします。 次に、この特定の分析範囲の小麦生産量のヒストグラムを作成します。 最後に、地域の結果をより広範な世界規模と比較します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Actual Yields and Production] レイヤーを右クリックします。 [データ] にポインターを合わせて [ラスターのエクスポート] を選択します。
[ラスターのエクスポート] ウィンドウが表示されます。 このウィンドウでは、より大きいラスター データセットから対象地域を抽出できます。 このウィンドウを使用して、ヤキ バレーに限定したラスターを作成します。 はじめに、ラスターに名前を付けて、プロジェクトのファイル ジオデータベースに保存します。
- [ラスターのエクスポート] ウィンドウの [出力ラスター データセット] で [参照] をクリックします。
[出力場所] ウィンドウが表示されます。 ラスターを保存する場所を選択できます。
- [プロジェクト] で [データベース] を展開し、[Wheat Analysis.gdb] を選択します。
- [Name] に 「Irrigated_Wheat_Yield」と入力します。 [保存] をクリックします。
次に、プロジェクト エリアの北 (上)、東 (右)、南 (下)、および西 (左) の範囲を設定します。 このエリアは、追加ラスターとしてエクスポートされます。
- [クリップ ジオメトリ] を [以下の指定に一致] に設定します。 次のパラメーターを入力します。
- [上] に「27.86」と入力します。
- [右] に「-108.80」と入力します。
- [下] に「26.63」と入力します。
- [左] に「-110.78」と入力します。
注意:
世界の別の地域でこの解析を行う場合は、マップ範囲を解析したい対象地域に設定してください。 続いて、[クリップ ジオメトリ] を [現在の表示範囲] に設定します。 [上]、[右]、[下]、[左] の各パラメーターは、マップの範囲に基づいて自動的に入力されます。
続いて、[ピクセル タイプ] を設定して、エクスポート プロセス中に、ラスターが元のデータセットから小数点以下の値を削除しないようにします。
- [ピクセル タイプ] を [32 ビット浮動小数点] に設定します。
最後に、値を持たないピクセルを 0 に設定します。
- [NoData 値] には「0」と入力します。
- [エクスポート] をクリックします。
エクスポートされたラスターが [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。
次に、このラスターを取得して使用し、その値のヒストグラムを作成します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、名前を [Irrigated_Wheat_Yield] から [Irrigated Wheat Yield] に変更します。
- [Irrigated Wheat Yield] を右クリックして [チャートの作成] をポイントし、[ヒストグラム] を選択します。
- [チャート プロパティ] ウィンドウの [変数] にある [数値] を [Band_1] に設定します。
- [統計情報] で、[標準 偏差] をオンにします。
統計情報を使用して、ヤキ バレーのヒストグラムが作成されます。 次のセクションでマップを作成する際は、平均値の 5.1 トン/ヘクタールと標準偏差値の約 5.1 および 5.44 トン/ヘクタールを使用します。
- ヒストグラムを閉じます。
このヒストグラムは、2010 年のヤキ バレーの灌漑小麦の生産量の分布です。 生産量が平均値から 1 つの標準偏差を下回る農場は、生産能力強化などの地域プロジェクトの対象となる可能性があります。 これらのプロジェクトは、農家が時間の経時的に生産量を改善するのに役立ちます。
生産量の分類マップ作成
このセクションでは、前のセクションで特定した平均値と標準偏差値を使用して、小麦生産量のマップを作成します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Actual Yields and Production] レイヤーをオフにします。
- [Irrigated Wheat Yield] レイヤーを右クリックして [シンボル] を選択します。
[シンボル] ウィンドウが表示されます。 標準偏差の上下のエリアをマッピングします。
- [シンボル] ウィンドウの [プライマリ シンボル] で、[分類] を選択します。
- [クラス] で、[3] を選択します。
- [配色] で [黄緑青 (連続)] を選択します。
- [クラス] タブの最初の [上限値] に「5.1」と入力します。 2 番目の [上限値] に「5.3」と入力し、3 番目の [上限値] に「5.44」と入力します。
マップは、ヤキ バレーで生産量が少ない地域を黄色で示しています。
これらの生産量の結果を衛星画像のベースマップでより適切に表示するには、ブレンドを使用します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Irrigated Wheat Yield] レイヤーが選択されていることを確認します。
- リボンの [ラスター レイヤー] タブをクリックします。 [効果] グループの [レイヤーのブレンド] を [オーバーレイ] に設定します。
[Irrigated Wheat Yield] レイヤーと画像を、[マップ] ビューに一緒に表示することができます。
緑色の地域は、平均小麦生産量が 1 ヘクタールあたり約 5.3 トンです。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Irrigated Wheat Yield] レイヤーをオフにします。
- プロジェクトを保存します。
ヤキ バレーにおける灌漑小麦の生産量をマッピングしました。 ヒストグラムを使用して、このエリアの地域分布をより広い世界の小麦生産量と比較しました。 次に、生産達成率を特定して生産ギャップのマップを作成します。
生産ギャップのマッピングと解析
このチュートリアルの前半では、ヤキ バレーにおける灌漑小麦の生産量のヒストグラムを作成しました。 次に、生産達成率のマップを計算して表示します。 生産達成率は、地域の実際の生産量と潜在的な生産量の間で計算されたパーセンテージとして、地域が生産量の最大化にどれだけ近づいているかを判断する計測値です。 2000 年から 2010 年までのこの比率を特定し、生産ギャップをマッピングします。 これにより、2000 年から 2010 年までの間で生産ギャップが縮小した地域と、この期間内に進歩が見られなかった地域を識別します。 進歩が見られなかった地域は、今後数年間で生産量を増やす可能性があります。
生産達成率の表示
このセクションでは、2000 年から 2010 年の生産達成率を表示します。 まず、GAEZ v4 Data Portal の別のイメージ サービスにアクセスする必要があります。
- Web ブラウザーで、FAO GAEZ v4 Data Portal に戻ります。
- [GAEZ v4 Image Service and Metadata Listing] テーブルで、[Theme 6: Yield and Production Gaps] という行を探します。 その行の [Image Service URL] を右クリックしてリンク アドレスをコピーします。
注意:
URL をコピーするプロセスはお使いの Web ブラウザーによって異なることがあります。
[Image Service URL] は https://gaez-services.fao.org/server/rest/services/res07/ImageServer です。
- ArcGIS Pro のリボンで、[マップ] タブをクリックします。 [レイヤー] グループで [データの追加] のドロップダウン メニューをクリックし、[パスからのデータ] を選択します。
[パスからのデータの追加] ウィンドウが表示されます。
- [パスからのデータの追加] ウィンドウのパスの下に、イメージ サービス URL を貼り付けます。 [追加] をクリックします。
[res07] という名前のラスターが [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。
このレイヤーの名前を変更します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、レイヤー名を [res07] から [Yield and Production Gaps] に変更します。
次に、フィルター設定を使用して、生産達成率についての、2000 年以降の灌漑小麦に関連するデータを抽出します。
- [Yield and Production Gaps] を右クリックして [プロパティ] を選択します。
[レイヤー プロパティ] ウィンドウが表示されます。
- [レイヤー プロパティ] ウィンドウで、必要に応じて [フィルター設定] タブをクリックします。
- [新しいフィルター設定] をクリックし、[Where 句 Crop が Wheat と等しい] レイヤーを選択する句を記述します。
- [項目の追加] をクリックして、[Water Supply が Irrigated と等しい] レイヤーを選択する句を記述します。
- [項目の追加] をクリックして、[Variable Name が Cropwise Yield Achievement Ratio と等しい] レイヤーを選択する句を記述します。
- [項目の追加] をクリックして、[Time Period が 2000 と等しい] レイヤーを選択する句を記述します。
このクエリは、2000 年の対象変数を抽出します。
- [適用] をクリックします。 [OK] をクリックします。
マップは、緑色で、ヤキ バレーの生産達成率が約 70 ~ 85 パーセントであることを示します。
続いて、2010 年の生産量と生産ギャップを調べます。 既存の定義クエリを編集して行います。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Yield and Production Gaps] レイヤーを右クリックして、[プロパティ] を選択します。
[レイヤー プロパティ] ウィンドウが表示されます。 既存の定義クエリを編集し、対象年を 2000 年から 2010 年に変更します。
- 必要に応じて、[定義クエリ] タブをクリックします。 [編集] ボタンをクリックします。
既存の定義クエリを更新して、別の年を表示することもができます。
- 最後の句を、[Time Period が 2010 と等しい] レイヤーを選択するよう変更します。
- [適用] をクリックします。 [OK] をクリックします。
マップは、濃い緑色で、2010 年の生産達成率が 85 パーセントを超えていることを示します。
生産ギャップを調べる
この次のセクションでは、2000 年と 2010 年の生産ギャップをマッピングします。 続いて、ギャップを視覚的に比較します。 まず、シンボルを更新して既存のフィルター設定を変更します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Yield and Production Gaps] レイヤーが選択されていることを確認します。
- リボンの [データ] タブをクリックします。 [処理] グループで [処理テンプレート] をクリックして、[None] を選択します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Yield and Production Gaps] を右クリックして、[プロパティ] を選択します。
[レイヤー プロパティ] ウィンドウが表示されます。
- 必要に応じて、[定義クエリ] タブをクリックします。 [編集] をクリックします。
[Variable Name] を、[Cropwise Yield Achievement] から [Cropwise Apparent Production Gap] に変更します。
- 3 番目の句の [Cropwise Yield Achievement] を [Cropwise Apparent Production Gap] に変更します。
- [適用] をクリックします。 [OK] をクリックします。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Yield and Production Gaps] レイヤーが選択されていることを確認します。
- [シンボル] ウィンドウの [配色] で [赤-黄-緑 (連続)] を選択します。
マップの色は、大きいギャップが緑、小さいギャップが赤で表示されますが、誤解を招きやすく適切ではありません。 次に、カラーランプを反転して、大きいギャップを赤で表示するようにします。
- [反転] の横のチェックボックスをオンにします。
[コンテンツ] ウィンドウの値は生産ギャップです。 値に 1,000 を乗算して、トンの単位にする必要があります。 たとえば、セルの値が 4.2 の場合、これは小麦 4,200 トンの生産ギャップがある地域と読み取ることができます。
赤い地域は、生産ギャップが最も大きい地域です。 つまり、2010 年、この地域は作物の追加の可能性が最も高かった地域です。 次に、2010 年と 2000 年の生産ギャップを比較しましょう。
- [コンテンツ] ウィンドウで、名前を [Yield and Production Gaps] から [Yield and Production Gaps 2010] に変更します。
- [Yield and Production Gaps 2010] レイヤーを右クリックして [コピー] を選択します。
- [マップ] を右クリックし、[貼り付け] を選択します。
2 番目の [Yield and Production Gaps 2010] レイヤーがマップに追加されます。
- 貼り付けた [Yield and Production Gaps 2010] レイヤーの名前を [Yield and Production Gaps 2000] に変更します。
2010 年の生産ギャップを示す元のレイヤーがコピーされたので、フィルター設定を変更して 2000 年の生産量と生産ギャップを表示するように更新します。
- [Yield and Production Gaps 2000] を右クリックして [プロパティ] をクリックします。
[レイヤー プロパティ] ウィンドウが表示されます。
- 必要に応じて、[定義クエリ] タブをクリックします。 [編集] をクリックします。
- [Time Period が 2010 と等しい] の句を [Time Period が 2000 と等しい] に変更します。
- [適用] をクリックします。 [OK] をクリックします。
2000 年の生産量と生産のギャップが表示されるよう、マップが更新されます。 赤い地域は引き続き、以前大きいギャップがあったことを示します。
マップ上には 2 つの期間がありますが、一度に表示できるのは 1 つだけです。 2 つの期間を比較するため、[スワイプ] ツールを使用します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Yield and Production Gaps 2000] レイヤーが選択されていることを確認します。
- リボン上の [イメージ サービス レイヤー] タブをクリックします。 [比較] グループの [スワイプ] をクリックします。
スワイプ ツールを使用すると、別のレイヤー上に直接配置されているレイヤーを部分的に表示できます。 2000 年と 2010 年の生産量と生産ギャップを視覚的に比較できます。
- [スワイプ] ツールを使用するには、ツールをクリックして [マップ] ビューにドラッグします。
比較のために、ポインターを移動して [Yield and Production Gaps 2010] レイヤーを表示すると、[Yield and Production Gaps 2000] レイヤーが動的に非表示になります。 視覚的に、生産量と生産ギャップの変化を確認できます。
注意:
[スワイプ] ツールの使用を停止するには、[マップ操作] ツールに切り替えます。 このツールにアクセスするには、リボンの [マップ] タブをクリックします。 [ナビゲーション] グループで、[マップ操作] をクリックします。
生産ギャップの計算
この最後のセクションでは、2 つの期間の生産量と生産ギャップの変化を計算し、生産ギャップが縮小されていない地域を特定します。 これには、[ラスター演算 (Raster Calculator)] ジオプロセシング ツールを使用します。
- [コマンド検索] で、「Raster Calculator」と入力し、[ラスター演算 (Raster Calculator)] を選択します。
注意:
[ラスター演算 (Raster Calculator)] ツールが 2 回表示されます。 いずれかのオプションを選択できます。 どちらのオプションでも、同じジオプロセシング ツールが表示されます。
[ジオプロセシング] ウィンドウが表示されます。 [ラスター演算 (Raster Calculator)] ツールを使用して、[Yield and Production Gaps 2000] レイヤーと [Yield and Production Gaps 2010] レイヤーの差を計算します。
- [マップ代数演算式] の [ラスター] で、[Yield and Production Gaps 2000] をダブルクリックします。
[Yield and Production Gaps 2000] レイヤーが、ラスター リストの下の式に追加されます。
- [ツール] の [オペレーター] で、[減算] 演算子をダブルクリックします。
式に減算演算子が追加されます。
- [マップ代数演算式] の [ラスター] で、[Yield and Production Gaps 2010] をダブルクリックします。
[Yield and Production Gaps 2010] レイヤーが式に追加されます。
注意:
式は、「"Yield and Production Gaps 2000" - "Yield and Production Gaps 2010"」になるはずです。
次に、出力ラスターに名前を付けます。
- [出力ラスター] で、「Yield_Production_Gap_Difference」と入力します。
生産量と生産ギャップの変化を計算する式が完成しました。 ツールを実行する前に、ツールがヤキ バレーについてのみ実行されることを確認します。
- [環境] タブをクリックします。
次に、X 値と Y 値の最小値と最大値を手動で入力して、このツールが処理する地理的範囲を決定します。
- [処理範囲] の [範囲] で [X および Y の範囲] を展開します。
- [X および Y の範囲] で、次のパラメーターを入力します。
- [上] に「27.86」と入力します。
- [左] に「-110.78」と入力します。
- [右] に「-108.80」と入力します。
- [下] に「26.63」と入力します。
最後に、作成しているラスターが処理中に地理的に移動しないようにします。
- [ラスター解析] の [スナップ対象ラスター] で [Yield and Production Gaps 2000] を選択します。
- [実行] をクリックします。
[Yield_Production_Gap_Difference] レイヤーが [マップ] ビューに追加されます。
注意:
シンボルは上記の画像とは異なる場合があります。
結果を見やすくするため、シンボルを更新します。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Yield_Production_Gap_Difference] レイヤーを右クリックし、[シンボル] を選択します。
[シンボル] ウィンドウが表示されます。
- [プライマリ シンボル] で [ストレッチ] を選択します。
- [配色] で [Condition Number] を選択します。
- [反転] の横のチェックボックスをオンにします。
[Yield_Production_Gap_Difference] レイヤーは、生産ギャップが最も減少した、つまり、1 ヘクタールあたり約 3,000 トンの地域を濃い緑色で示しています。 改善されなかった地域は赤色、つまり 2000 年から 2010 年の間に 1 ヘクタールあたり 0 トン減少した地域です。 これらの地域は、今後より多くの小麦を生産できる可能性があります。
- プロジェクトを保存します。
このチュートリアルでは、ArcGIS Pro プロジェクトを作成して、メキシコのヤキ バレーにおける灌漑小麦の生産量を解析しました。 また、視覚化のために FAO (Food and Agriculture Organization of the United Nations) から GAEZ (Global Agro-Ecological Zones) イメージ サービスにアクセスする方法も学びました。 さらに、ヒストグラムを使用して地域規模と世界規模を比較することで、小麦の生産量を分析しました。 最後に、生産ギャップをマッピングし、2000 年から 2010 年の間にギャップが縮小されていない地域を特定し、今後数年で生産量が増加する可能性のある地域を特定しました。
他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。