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解析用の水牛存在データの準備

前回のレッスンでは、データを再分類し、その結果を集計して、特定の環境および気候の特性が分析範囲内でどの程度一般的かに関する情報を含んでいる複数の新しいラスターを生成しました。集水域に基づいて分析範囲を構築することによって、水牛が観察された領域よりも大幅に大きいエリアを使用して作業しています。そのメリットは、[フォーカル統計 (Focal Statistics)] ツールの実行によって導入されるエッジ効果が、分析範囲の外縁に含まれるため、解析に影響を与えないという点です。エッジ効果は、定義済みエリアのエッジで構築された近傍範囲では、含めるセルがそれ以上存在しないポイントに達するため、そのような近傍範囲が、分析範囲の中央で構築された近傍範囲と同じ数のセルを必ずしも含んでいないということから生じます。エッジ効果を処理する方法は多数ありますが、この場合、十分に大きい分析範囲を使用し、境界での結果を解釈するときに注意する必要があるということを知っておくことによって、エッジ効果を考慮することができます。

水牛の位置を含むラスターの作成

次に、水牛の目撃情報に関するデータを準備します。元のデータには、水牛が目撃された位置ごとに 1 つのポイントが含まれています。ENFA がラスターを入力として必要とすることを思い出してください。ポイントの位置をラスターに変換するには、[ポイント → ラスター (Point to Raster)] ツールを使用します。このツールは、各セルがそのセルに含まれるポイントの数を含んでいるラスターを作成します。このプロセスを開始するには、水牛が好む生態的地位を決定するために、環境情報および水牛の存在に適合することができるように、分析範囲と同じ範囲を持つラスターを作成します。

  1. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[ポイント → ラスター (Point to Raster)] 変換 ツールを開きます。
  2. [入力フィーチャ][African_Buffalo_Locations] を選択します。[値フィールド] で、[visible] を選択します。

    水牛が観察されたすべてのセルでは、visible フィールドが 1 の値を持っています。

  3. [出力ラスター データセット] で、[Ecological Niche Factor Analysis] ジオデータベースを選択し、ラスターに「African_Buffalo_Locations_Raster」という名前を付けます。
  4. [集約タイプ] で、[合計] を選択します。

    複数の水牛が観察された位置では、その位置での水牛の数を取得するために、すべての値が合計されます。

  5. [セルサイズ][928] であることを確認し、[実行] をクリックします。

    これは、最大のラスター セルのサイズです。前に、ジオプロセシング環境を使用して、他のすべてのラスターのサイズをこのセル サイズに変更しました。それらの環境がまだ設定されているため、生成する各追加ラスターは、それらのパラメーターに従います。各追加ラスターは Elefantes_Incomati_Watersheds レイヤーと同じ範囲を持ち、928 のセル サイズを持つことになります。

  6. [コンテンツ] ウィンドウで、[African_Buffalo_Locations_Raster] および [地形図] ベース マップを除くすべてのレイヤーをオフにします。

    新しいラスターは、黒から白までのデフォルトのカラー ランプを持っています。これを変更して、見やすくします。

  7. 必要に応じて、[コンテンツ] ウィンドウで [African_Buffalo_Locations_Raster] レイヤーを展開し、カラー ランプを右クリックしてからカラー ランプ オプションを展開します。

    デフォルトのカラー ランプを変更する

  8. 緑から赤までカラー ランプを選択します。

    水牛存在ラスター

    値を持つセルは、アフリカ水牛の位置を表すポイントと同じ位置に現れます。他のすべてのセルは、水牛がそれらの位置に存在しなかったため、NoData 値を含んでいます。ただし、データに基づいて、水牛がそこで観察されなかったということを、それらの位置に反映させる必要があります。それを行うには、NoData のセルを、代わりにゼロを含むように変更します。この場合、ゼロは、水牛がその位置にまったく存在しないということを反映せず、代わりに、水牛がまだそこで確認されていないということを反映します。これは重要な違いであり、生態的地位因子分析を非常に強力する要因の 1 つです。

水牛存在ラスターの作成

水牛が存在する位置および水牛が好む生息地の特性を知ることの重要な一部は、水牛が存在しない位置を知ることです。データがないすべてのセルを分類することによって、水牛が観察されなかった位置を表示するラスターを作成します。水牛が観察されたセルを 0 の値で埋め、NoData 値を含んでいた他のすべてのセルが 1 の値を持つようにします。これは、最初は矛盾しているように見えるかもしれませんが、この結果は、最終的な水牛存在ラスターの生成に役立ちます。次に、ラスターを切り替えて、水牛が存在する位置または存在しない位置で、各セルが 1 または 0 の値のみを表示することを確認します。これらのラスターは、分析範囲ラスター レイヤーの各セル内で観察された水牛の数の計算の一部になります。

  1. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[NULL である] Spatial Analyst ツールを開きます。
  2. [入力ラスター] で、[African_Buffalo_Locations_Raster] を選択し、[出力ラスター データセット] で、結果に「African_Buffalo_NoData_Locations_Raster」という名前を付けます。
  3. [実行] をクリックします。

    NoData の位置

  4. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[Con] Spatial Analyst ツールを開きます。
  5. 次のパラメーターを設定します。

    • [入力ラスター]: [African_Buffalo_NoData_Locations_Raster]
    • [条件式が TRUE のときの入力ラスター、または定数値]:「0
    • [条件式が FALSE のときの入力ラスター、または定数値]: [African_Buffalo_Locations_Raster]
    • [出力ラスター]:「African_Buffalo_Presence_Raster

  6. [実行] をクリックします。
  7. [コンテンツ] ウィンドウで、[African_Buffalo_Locations_Raster] および [African_Buffalo_NoData_Locations_Raster] を削除します。

    これで、調査の過程で観察された水牛の数によって重み付けされた位置を含んでいる、アフリカ水牛の存在ラスターを作成しました。[NULL である] ツールからの結果を最初に入力することによって、これを実行しました。このラスター レイヤーは、NoData 値が存在した位置および存在しなかった位置を反映する 1 および 0 で構成されています。NoData 値が存在したすべての場合において、True を表す 1 が、その特定のセルの値でした。[Con] ツールの [条件式が TRUE のときの入力ラスター、または定数値] を 0 に設定することによって、それらのすべての位置の値が、それらの位置で水牛が観察されていないことを反映する 0 に変更されました。NoData 値が存在しなかった他のすべての位置では、[ポイント → ラスター (Point to Raster)] ツールの結果からの値が使用されました。これらの 2 つの結果を使用することによって、分析範囲の各セル内で水牛がどの程度頻繁に見つかったかを伝えるために、実行された各ツールからの必要な結果を結合しました。これで、生成された存在ラスターを、環境および気候ラスター データ レイヤーとともに使用して、生態的地位因子分析を実行することができるようになりました。

環境データと水牛存在データの結合

このすべての情報の操作を単純化するために、複数のシングルバンド生態的ラスター データ レイヤーおよび水牛存在ラスターを 1 つのマルチバンド ラスターに結合します。その後、このマルチバンド ラスターを R で使用して、アフリカ水牛が観察された環境および観察されなかった環境に関する情報を伝えることができます。

  1. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[コンポジット バンド (Composite Bands)] データ管理ツールを開きます。
  2. [入力ラスター] で、Focal_Statistics_Results ジオデータベースを参照します。1 番目のラスターをクリックして、Shift キーを押しながら最後のラスターをクリックすることによって、すべての [フォーカル統計 (Focal Statistics)] の結果を選択します。
  3. [OK] をクリックします。

    Focal_Statistics_Results.gdb の 53 個のラスターが、すべて [入力ラスター] リストに追加されます。

  4. [入力ラスター] リストの最後で、空の入力ボックスの横にある [参照] をクリックして、[Population_SA][Distance_to_Water_SA]、および [African_Buffalo_Presence_Raster] を Ecological Niche Factor Analysis ジオデータベースから追加します。
  5. [出力ラスター データセット] で、「ENFA_Environmental_Buffalo_Attributes」と入力し、ラスターを [Ecological Niche Factor Analysis] ジオデータベースに保存します。
  6. [実行] をクリックします。

    水牛の存在のコンポジット ラスター

    これで、生態的地位因子分析モデルに必要な、環境、気候、および水牛の存在のデータをすべて含んでいる 56 バンド ラスターを作成しました。

  7. プロジェクトを保存します。

このレッスンでは、アフリカ水牛の存在ラスターを作成し、環境および気候データをすべて、解析に使用できる 1 つのマルチバンド ラスターに結合しました。次のレッスンでは、ラスター データをサポートする新しい R-ArcGIS Bridge を使用してデータを R に転送し、コードを作成して、生態的地位因子分析を実行します。