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新しい保護地域の特定

前回のレッスンでは、R で生態的地位因子分析を実行し、R-ArcGIS Bridge を使用してデータおよび結果を R との間で転送しました。ArcGIS に返送した最終結果は、アフリカ水牛の選好に基づいて各位置がアフリカ水牛にどの程度適しているかに関する測定値を含んでいる分析範囲のラスター レイヤーで構成されています。次に、それらの測定値を ArcGIS のツールで使用して新しい保護地域を特定し、その後、他のユーザーが表示できるように、結果をオンラインで共有します。

生息地適合性のスケールの調整

このプロセスを開始するには、分析範囲内の各セルの生息地適合性に従ってラスターをリスケールすることから開始します。各セルに含まれている値は、マハラノビス距離であり、この値が大きいほど、そのエリアはアフリカ水牛の生息地選好から遠くなります。これをさらに直感的にするために、ArcGIS を使用して、値が大きいほど水牛にとってより望ましいエリアになるように、値をリスケールすることができます。

  1. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[関数によるリスケール (Rescale by Function)] ツールを開きます。
  2. [入力ラスター][Habitat_Suitability_Raster] を選択し、[出力ラスター] に「Habitat_Suitability_Rescaled_Raster」という名前をつけます。
  3. [変換関数][線形] を選択します。
  4. [統計情報の計算] をクリックします。

    最小値、最大値、およびその他のラスターの統計情報が入力されます。

    注意:

    [フォーカル統計 (Focal Statistics)] およびその他の統計ツールは必ずしも同一のエリアをサンプリングするわけではないので、最小値、最大値、およびその他の統計情報は変化することがあります。

  5. [起点スケール] で、「2349908」と入力し、[終点スケール] で「4.2202078475384E-05」と入力します。[実行] をクリックします。

    これらは、ラスター レイヤー内に存在する最小セル値および最大セル値です。

    [関数によるリスケール (Rescale by Function)] ツール

    [線形] を選択し、スケールの範囲をデータの最小値および最大値にすることによって値を反転し、スケールを降順にします。生成されたレイヤーでは、緑色のエリア (水牛が好むエリア) は、より高い値を表示しています。

ENFA の結果の解釈

リスケールされた生息地適合性ラスターから新しい保護地域を識別するために、ArcGIS を使用して、水牛の識別された環境選好の範囲内で作業することができます。それらの環境選好は生態的地位因子分析よって指定されることが可能であり、既存の地域以外で最適な位置を選択することもできます。パラメーター化された領域拡張アルゴリズムを使用することによって、新しい地域の候補が拡張され、評価指標に対して比較され、指定した制約に基づいて最良の地域を決定します。

  1. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[領域の特定 (Locate Regions)] Spatial Analyst ツールを開きます。
  2. [入力ラスター][Habitat_Suitability_Rescaled_Raster] を選択します。[出力ラスター] で、「New_Conservation_Region」と入力します。
  3. [既存の領域の入力ラスターまたはフィーチャ][African_Buffalo_Locations] を選択し、[実行] をクリックします。
    注意:

    分析範囲のサイズのため、処理に時間がかかる場合があります。レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウに追加されるまで、ツールは実行を完了しません。

    新しい保護地域

    [領域の特定 (Locate Regions)] ツールは、領域ごとに最高平均適合性スコアを比較し、最終的に最適な領域を選択します。出力は、選択されていない位置を表す 0、および選択されている位置を表す 1 を含んでいる新しいラスター レイヤーです。このエリアは、人間から相対的に遠く、かつ水域に近く、水牛が好む生息地の特徴を有しています。新しい領域は、アフリカ水牛によってすでに好まれているエリアのうちの 1 つの近くで確立されているため、解析結果に基づいて、水牛にとって非常に好ましいと見なされるエリアに大幅に拡張することができます。結果を Web レイヤーとして共有したいので、それらの外観をさらに魅力的にします。

  4. [コンテンツ] ウィンドウで、必要に応じて [New_Conservation_Region] を展開します。[0] のシンボルを右クリックして、[色なし] を選択します。
  5. [1] のシンボルを右クリックして、色を [コードバン ブラウン] に変更します。

    [コードバン ブラウン] 色

  6. リボンの [表示設定] タブをクリックします。[効果] グループで、透過表示を「55」% に設定します。
  7. [African_Buffalo_Locations] レイヤーをオンにし、必要に応じて展開します。
  8. 円形シンボルを右クリックし、[ココア ブラウン] ([コードバン ブラウン] の右) を選択します。

    レイヤーのシンボル

    レイヤーの透過表示を使用して、推奨されたエリアの一部が既存の保護地および国立公園とオーバーラップしていることを確認できます。調査結果を他のユーザーに表示し、新しい保護地域に対してさらに解析を実行するために、このデータを Web レイヤーとして共有します。

    保護地域のシンボル

結果を Web レイヤーとして共有

これで解析が完了したので、他のユーザーがあなたの作業結果を調べたり、フィードバックを提供したり、あなたのワークフローを使用して結果の再現や独自の解析の実行を行うことができるように、これらの結果の共有を準備することができます。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[New_Conservation_Region] を右クリックし、[共有] をクリックします。[Web レイヤーとして共有] を選択します。
  2. [Web レイヤーとして共有] ウィンドウで、レイヤーに「African_Buffalo_Conservation_Areas」という名前を付けます。結果を組織の他の結果と区別できるように、自分のイニシャルを名前に追加します。
  3. [レイヤー タイプ] で、[タイル] を選択します。
  4. [サマリー] で、次のように入力します。「R-ArcGIS Bridge を使用して実行された生態的地位因子分析によって計算された、推奨される保護地域。この結果は、Ecological Land Unit データセットのデータに基づいて、クルーガー国立公園内で観察されたアフリカ水牛の生息地適合性を測定します。この地域は、生物気候、土壌型、土地被覆、および水域までの距離を含めて、水牛にとって理想的な生息地を占めています。値は、adehabitatHS パッケージを使用した R での生態的地位因子分析を実行することによって計算された、リスケールされたマハラノビス距離です。」
  5. [タグ] で、「アフリカ水牛」、「南アフリカ」、「ENFA」、「Ecological Land Units」などの、関連する検索語句を入力します。タグの入力後は、毎回 Enter キーを押します。
  6. [共有オプション] で、[すべてのユーザー] のチェックボックスをオンにします。

    [共有] のメタデータ

  7. [コンテンツ] タブをクリックします。
  8. [African_Buffalo_Conservation_Areas] が [マイ コンテンツ] の下に示されている唯一のレイヤーであることを確認します。

    Web レイヤーとして共有するレイヤー

  9. [共有の完了] で、[解析] をクリックします。警告が表示されないので、[公開] をクリックします。
  10. 公開プロセスが完了したら、[Web レイヤーの管理] をクリックします。

    解析結果は、他のユーザーと共有できる Web レイヤー として利用できます。他のユーザーは、その Web レイヤーで結果を調べたり、必要に応じてさらに解析を実行することができます。

課題

R-ArcGIS Bridge は、複数の方法で ArcGIS 内で統合することができます。それらの方法の 1 つとして、ArcGIS の他のジオプロセシング ツールと同様に使用できるスクリプト ツールを作成する方法があります。他のユーザーが結果を再現したり、独自の生態的地位因子分析を実行したりするために、このレッスンの R スクリプトを、ArcGIS で使用できるスクリプト ツールに変更します。スクリプト ツールのメリットは、ツールのユーザーが簡単に R の機能を操作できることです。スクリプト ツールは、Pro でユーザーによって作成された選択セットを使用するため、他の ArcGIS または R/Python スクリプト ツールの機能とともに、モデルに含めることができます。それらのスクリプト ツールは、Web ツールまたは GP サービスとして共有することもでき、強力な解析手法の適用に関して、とてつもない柔軟性を備えています。利用を開始するには、R-ArcGIS Bridge の GitHub ページに含まれているサンプル スクリプト ツールのうちの 1 つを調べるか、R-ArcGIS Bridge でのスクリプト ツールの作成に関する Web コースを受講することを検討してください。

この解析の結果に基づいて、アフリカ水牛の成長を促進するために保護できる追加の土地を識別しました。識別された土地を保護することは、コミュニティに大きなメリットがあります。アフリカ水牛は、主要な観光名所であり、その生息地が南アフリカのクルーガー国立公園とモザンビークのリンポポ国立公園の間にあるため、観光用のインフラストラクチャがすでに存在しています。さらに、アフリカ水牛を畜牛に近づけないようにする必要があることがわかっているため、この地域を隔離して、種間で病気がまん延しないことを保証できます。

これらのレッスンを通じて、R-ArcGIS Bridge のインストールおよびセットアップの方法、および ArcGIS と R の間でブリッジを使用してデータを転送する方法について学習し、強力な統計ライブラリによって R が ArcGIS のワークフローを強化できる方法の 1 つを確認しました。その他のレッスンについては、「Learn ArcGIS Lesson ギャラリー」をご参照ください。