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空間パターンの識別

前回のレッスンでは、ヒューストンの避難ルートのマップを作成しました。このレッスンでは、市内で避難支援が必要な可能性のあるエリアを特定します。これを行うには、ヒューストンの人口統計データのレイヤーをマップに追加し、レイヤーの属性テーブルを表示して、車両の所有に関する属性を見つけます。車両を所有していない人のパーセンテージが高いエリアは、避難支援を必要とする可能性があります。そのため、高度なシンボル オプションを使用してレイヤーのスタイルを設定し、そのようなエリアを強調します。最後に、レイヤーのポップアップをカスタマイズして、関連する人口統計情報が表示されるようにします。

人口統計データの追加

まず、国勢調査地区ごとの人口統計データを含むレイヤーを追加します。米国の国勢調査地区によって郡がもっと小さな地理エリアに分割されます。これは空間パターンを明らかにするために役立ちます。

  1. 必要な場合は、[Houston Evacuation Map] を開きます (アカウントにサイン インします。ページの上部にある [コンテンツ] をクリックします。Web マップの横にあるオプション ボタンをクリックして [マップ ビューアーで開く] を選択します)。

    [マップ ビューアーで開く] オプション

  2. リボンで、[追加] をクリックして、[レイヤーの検索] を選択します。

    ルートのレイヤーとは異なり、追加する人口統計データは Living Atlas に存在しません。その代わり、このデータは Learn ArcGIS 管理者アカウントによって所有されています。

  3. ウィンドウの上部にある [ArcGIS Online] を選択します
  4. 検索ボックスに、「Houston Demographics owner:Learn_ArcGIS」と入力します。Enter キーを押します。
  5. [Houston Demographics by Census Tracts] レイヤーを追加します。
    注意:

    レイヤーがマップに表示されるまでに少し時間がかかることがあります。

    [Houston Demographics by Census Tracts] レイヤー

    レイヤーがマップに追加されます。このレイヤーは位置でスタイル設定され、すべての国勢調査地区が 1 つの色で表示されています。現時点では、このレイヤーからは何もわからず、避難支援を必要とするエリアを知る手掛かりを得ることができません。

  6. [戻る] ボタンをクリックします。

    新しいレイヤーが [コンテンツ] ウィンドウに表示されます。その位置は、前回のレッスンで追加した [Hurricane Evacuation Routes] レイヤーの上となります。

    レイヤーは、[コンテンツ] ウィンドウに表示されている順序でマップ上に描画されます。このマップでは、避難ルートが部分的に国勢調査地区で覆われています。これは、[コンテンツ] ウィンドウで [Houston Demographics by Census Tracts] レイヤーが [Hurricane Evacuation Routes] レイヤーの上にあるためです (国勢調査地区のレイヤーは透明であるため、ルートをある程度は確認できます)。ルートがよく見えるように、レイヤーの順序を変更します。

  7. [コンテンツ] ウィンドウで [Hurricane Evacuation Routes] レイヤーをポイントして、[その他のオプション] ボタンをクリックして [上へ移動] を選択します。

    [上へ移動] オプション

    ヒント:

    [コンテンツ] ウィンドウで、レイヤーをドラッグしてレイヤーの順序を変更することもできます。

    レイヤーの順序が変更され、マップ上で避難ルートが国勢調査地区の上に表示されるようになりました。

    国勢調査地区の上に避難ルートを表示するマップ

属性テーブルの表示

どのレイヤーにも、レイヤー内の地理フィーチャに関するすべての属性データを含むテーブルがあります。[Houston Demographics by Census Tracts] レイヤーのテーブルを表示して、ハリケーンの被害を受けやすいエリアの識別に役立つデータを見つけます。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで [Houston Demographics by Census Tracts] レイヤーをポイントして、[テーブルの表示] ボタンをクリックします。

    [テーブルの表示] ボタン

    レイヤーの属性テーブルが開きます。テーブルの各行はフィーチャを表します (この場合は国勢調査地区)。列 (フィールド) には、国勢調査地区フィーチャに関するさまざまな種類の情報が格納されています。たとえば、[FIPS Code] フィールドには各国勢調査地区フィーチャの州、郡、国勢調査地区識別子を表すコードが含まれ、[Total Owner/Renter Households (ACS 2011-2015)] フィールドには各地区の総世帯数が表示されています。

    ヒント:

    テーブルを大きくするには、テーブルの上部をドラッグします。

  2. 必要に応じて、テーブルの下部にあるスクロール バーを使用して右にスクロールします。
  3. [Owner/Renter Households without a Vehicle] フィールドを見つけます。

    [Owner/Renter Households without a Vehicle] フィールドを示すテーブル

    このフィールドには、車両を所有していない世帯数が地区ごとに表示されています。このフィールドの値を使用してレイヤーのスタイルを設定し、マップ上で違いがわかるようにします。

  4. テーブルを閉じます。

属性を使用したレイヤーのスタイル設定

次に、属性フィールドに基づいてレイヤーのスタイルを変更し、車のない世帯数が多い国勢調査地区をマップ上で強調します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで [Houston Demographics by Census Tracts] レイヤーをポイントして、[スタイルの変更] ボタンをクリックします。

    [スタイルの変更] ウィンドウが開きます。以前にレイヤーのスタイルを設定した際、位置に基づいて単一シンボルで避難ルートをスタイル設定しました。今回は、属性を選択して、複数のシンボルで国勢調査地区をスタイル設定します。

  2. [表示する属性を選択] で、[Owner/Renter Households without a Vehicle (ACS 2011-2015)] を選択します。

    表示する属性を選択

    選択した属性に基づいて、いくつかのスタイルが使用可能になります。使用可能なスタイルのリストは、データのタイプによって決まります。これは、スマート マッピングと呼ばれるプロセスです。この場合、推奨されるスマート マッピング スタイルは [数と量 (サイズ)] です。これには青のチェック マークが付き、これがマップに適用されています。このスタイルでは、各国勢調査地区が、車のない世帯数に基づくサイズの円でシンボル表示されます。このスタイルを使用することもできますが、このマップ範囲ではサイズの異なる円が頻繁に重なり合います。代わりに、色で国勢調査地区のスタイルを設定します。

  3. [数と量 (色)] で、[選択] をクリックします。

    [数と量 (色)] の [選択] ボタン

    [高から低] というデフォルトのカラー ランプで、マップ上のレイヤーが更新されます。非常に小さな値を持つ国勢調査地区は明るい色になり、非常に大きな値を持つ地区は暗い色になります。

    車のない世帯数を示すマップ

  4. [スタイルの変更] ウィンドウの [完了] をクリックします。

    これで、車のない世帯数を示すようにレイヤーがスタイル設定されました。次に、レイヤーにわかりやすい名前を付けます。

  5. [コンテンツ] ウィンドウで、[Houston Demographics by Census Tracts] レイヤーをポイントします。[その他のオプション] ボタンをクリックして [名前の変更] を選択します。

    [名前の変更] オプション

  6. [名前の変更] ウィンドウで、「Households Without a Vehicle」と入力して、[OK] をクリックします。

    [コンテンツ] ウィンドウでレイヤー名が更新されます。

正規化された値を使用したレイヤーのスタイル設定

現在、レイヤーのスタイルは、車のない世帯の総数を国勢調査地区ごとに示すよう設定されています。ただし、一般的に人口の多い地区だけがマップ上で強調される可能性があります。総人口に基づいて、車のない世帯のパーセンテージが高い地区に、市が支援を集中させるほうが意味があります。このパーセンテージは、正規化された値と呼ばれます。

  1. [Households Without a Vehicle] レイヤーをポイントして、[スタイルの変更] ボタンをクリックします。

    以前にテーブルを開いた際、このレイヤーには、正規化された値を含む属性がありませんでした。ただし、式を作成することで、正規化された値を作成できます。この式では、[Owner/Renter Households without a Vehicle] フィールドを [Total Owner/Renter Households] フィールドで割ります。次に、その結果に 100 を掛けて、パーセンテージを取得します。

  2. [表示する属性を選択] で、[新しい条件式] を選択します。

    [新しい条件式] オプション

    新しいウィンドウが開きます。このウィンドウでは、多くの ArcGIS プログラムで使用される式言語である ArcGIS Arcade を使用して式を作成できます。Arcade 式を作成すると、その式はマップに保存され、ポップアップやラベルの作成に再利用できます。式の名前がマップの凡例に表示されるため、式にわかりやすい名前を付けることが重要になります。

  3. [カスタム] の横にある [編集] をクリックします。
  4. 既存のテキストを削除して、「Households Without a Vehicle (Percentage)」と入力します。[保存] をクリックします。

    このウィンドウには、式の作成に役立ついくつかのタブがあります。[グローバル] タブ (デフォルトでアクティブ) では、レイヤー内のすべての属性がリスト表示されます。これらの属性を選択して、式を作成できます。

  5. [グローバル] タブの [フィールド: Owner/Renter Households without a Vehicle (ACS)] で、[$feature["OwnerRenterHH_NoVehicle"]] をクリックします。

    車のない世帯数のフィールド

    [式] タブが更新され、選択したフィールドを含むようになります。次に、このフィールドを総世帯数で割ります。スラッシュが除算の記号です。

  6. [式] タブで、式の末尾をクリックして、除算記号「/」を入力します。

    除算記号を含む式

  7. [グローバル] タブで、フィールドのリストをスクロールして、[$feature["OwnerRenter_HHs"]] をクリックします。

    総世帯数のフィールド

    このフィールドが式の末尾に追加されます。

    両方のフィールドを含む式

    この式では、車のない世帯数を総世帯数で割っています。パーセンテージを取得するために、この式の結果に 100 を掛けます。アスタリスクが乗算の記号です。

  8. 式を丸括弧で囲みます。閉じ括弧の後ろに「*100」と入力します。

    式は次のとおりです。($feature["OwnerRenterHH_NoVehicle"]/$feature["OwnerRenter_HHs"])*100

    次に、式をテストして、誤りがないことを確認します。

  9. [テスト] をクリックします。

    [テスト] ボタン

    [結果] テーブルが開きます。 テストの結果は、小数点以下の桁数を多く含む値です。

    最初の式のテスト結果

    ヒント:

    結果がかなり異なる場合は、式に誤りがないか確認してください。

    結果を簡略化するために、Round 関数を使用して、パーセンテージを小数点以下 2 桁に丸めます。

  10. [関数] タブをクリックします。検索ボックスに「Round」と入力して、Round 関数の情報ボタンをクリックします。

    Round 関数の情報ボタン

    この関数についての情報とこの関数の使用方法が表示されます。完全な関数は Round(value, numPlaces) です。value は丸めの対象となる数値で、numPlaces は小数点以下何桁に丸めるかを示します。ここでは、value は既存の式です。numPlaces には、2 を使用します。

  11. 式の前でクリックし、「round(」と入力します。

    round 関数による式の開始

    次に、numPlaces と閉じ括弧を追加します。

  12. 式の後ろでクリックして、「,2)」と入力します。

    round 関数を完成させるための式の末尾

    完成した式は次のとおりです。round(($feature["OwnerRenterHH_NoVehicle"]/$feature["OwnerRenter_HHs"])*100,2)

  13. [テスト] をクリックします。

    結果には小数点以下が 1 桁しかありません。numPlaces を 2 に設定しましたが、Round 関数は末尾の 0 を削除するため、テスト結果には小数点以下が 1 桁だけ表示されます。

    2 つ目の式のテスト結果

    完成した式は正しく機能します。

  14. [OK] をクリックします。

    [スタイルの変更] ウィンドウの [表示する属性を選択] で、この式が選択されます。マップ上でレイヤーのスタイルが更新されます。凡例には、各国勢調査地区のサイズが、総数ではなくパーセンテージに基づいていることが示されます。ただし、各地区が再びサイズでスタイル設定されています。色を使用するようにスタイルを変更します。

  15. [スタイルの変更] ウィンドウの [数と量 (色)] で、[選択] をクリックします。

    正規化された値でスタイル設定されたマップ

    これで、色が暗くなるほど、車のない世帯のパーセンテージが高い国勢調査地区を表すようになりました。デフォルトのカラー ランプでは、パーセンテージが高いエリアの避難ルートが見えにくい可能性があるため、カラー ランプを変更して、マップ全体ですべてのレイヤーが確実に見えるようにします。

  16. [数と量 (色)] で、[オプション] をクリックします。高度なオプションで、[シンボル] をクリックします。

    [シンボル] オプション

    ウィンドウが開き、マップ上のシンボルの塗りつぶし色とアウトラインを変更するオプションが表示されます。避難ルートと調和するように、青をテーマにしたカラー ランプを選択します。

  17. [塗りつぶし] のカラー ランプ セレクターで、青からグレーに変化するカラー ランプをクリックします。

    青からグレーに変化するカラー ランプ

  18. [OK] をクリックします。

    新しいカラー ランプがマップに適用されます

    青からグレーに変化するカラー ランプを持つマップ

    このマップでは、車のない世帯のパーセンテージが平均よりも高い国勢調査地区が、青で目立っています。凡例によると、平均は約 6% です。市の地理的な中心に近いダウンタウン ヒューストンでは、車両への限定的アクセスという明確なパターンが目立ちます。これらの国勢調査地区は、公共交通機関などの避難支援が増えることによる恩恵を最も受ける可能性があります。

  19. [スタイルの変更] ウィンドウの [OK] をクリックします。次に [完了] をクリックします。

ポップアップのカスタマイズ

[Hurricane Evacuation Routes] レイヤーと同様に、[Households Without a Vehicle] レイヤーにもポップアップが事前構成されています。ただし、このレイヤーのポップアップは、車のない世帯のパーセンテージではなく、合計値だけを表示するように構成されています。レイヤーをパーセンテージでスタイル設定したため、同様の情報を表示するようにポップアップをカスタマイズします。

  1. マップで、濃い青色の任意の国勢調査地区をクリックします。

    国勢調査地区のデフォルトのポップアップ

    ポップアップに、国勢調査地区の名前、車のない世帯数、総世帯数が表示されます。式で計算したパーセンテージを含むように、ポップアップを変更します。

  2. ポップアップを閉じます。
  3. [コンテンツ] ウィンドウで [Households Without a Vehicle] レイヤーをポイントします。[その他のオプション] ボタンをクリックして [ポップアップの構成] を選択します。

    [ポップアップの構成] オプション

    [ポップアップの構成] ウィンドウが開きます。ポップアップにはすでにタイトルがあります。そのタイトルでは、各国勢調査地区を識別する FIPS フィールド属性が使用されています。また、属性表示のカスタム設定も含まれています。これにより、先ほどポップアップを開いたときに確認した 2 つの属性が表示されます。ポップアップに追加するのは、式だけです。

  4. [属性条件式][追加] をクリックします。

    [追加] ボタン

    以前に使用した、式のエディター ウィンドウが開きます。ただし、新しい式を作成する必要はありません。すでに作成した式を使用できます。

  5. [既存] タブをクリックします。

    [既存] タブ

    このタブには、作成した式のリストが表示されます。

  6. [Households Without a Vehicle (Percentage) (色のスタイル)] をクリックします。

    式を編集するオプションがありますが、編集する必要はありません。変更を加えていないため、式に以前と同じ名前を付けます。

  7. [カスタム] の横で [編集] をクリックし、名前を「Households Without a Vehicle (Percentage)」に変更します。
  8. [保存] をクリックします。次に、[OK] をクリックします。

    [ポップアップの構成] ウィンドウで、式が [属性条件式] リストに追加されます。次に、この属性式をポップアップのコンテンツに追加します。

  9. [ポップアップのコンテンツ][構成] をクリックします。

    構成ボタン

    [属性表示のカスタマイズ] ウィンドウが開きます。事前構成されたポップアップには、テキストと 2 つのフィールド [OwnerRenterHH_NoVehicle] および [OwnerRenter_HHs] が含まれています。属性フィールドは、中括弧で示されます。ポップアップでは、属性フィールドが変数のように機能します。つまり、国勢調査地区をクリックすると、ポップアップにその特定の地区の属性値が表示されます。

  10. 既存のテキストの末尾をクリックし、Enter キーを 2 回押します。[フィールド名の追加] ボタンをクリックして、[Households Without a Vehicle (Percentage)] を選択します。

    [フィールド名の追加] ボタン

    expression/expr0 という名前で式が追加されます。

  11. {expression/expr0} の後ろにスペースを追加して、「percent of households in this tract do not own a vehicle.」と入力します。
  12. 追加した式とテキストをハイライト表示して、[太字] ボタンをクリックします。

    属性表示のカスタム設定が完了しました。

    完了した属性表示のカスタム設定

  13. [OK] をクリックします。[ポップアップの構成] ウィンドウで、[OK] をクリックします。
  14. マップで、濃い青色の任意の国勢調査地区をクリックします。

    車のない世帯のパーセンテージを示すポップアップ

    ポップアップに、車のない世帯のパーセンテージが、小数点以下 2 桁に丸められて表示されます。

  15. ダウンタウン ヒューストンで濃い青色の国勢調査地区をさらにいくつかクリックして、ポップアップを表示します。

    見つけることができる最高のパーセントはいくつですか? ほとんどの濃い青色の地区では、約 20% の世帯に車がありません。ただし、ほぼ 30% の世帯が車を持たない国勢調査地区や、40% を超える世帯が車を持たない地区もあります。これらの国勢調査地区は、ハリケーンの際に特に被害を受けやすく、避難支援を必要とします。

    さらに、以前に氾濫のリスクがあると特定したバイユーの近くに、高リスクのエリアがいくつかあります。これらの国勢調査地区は、車のない世帯のパーセンテージが最も高いわけではありませんが、避難支援を提供する際に留意したほうがよい場所です。

  16. 開いているポップアップを閉じます。
  17. マップを保存します。

このレッスンでは、ヒューストンの人口統計データのレイヤーをマップに追加し、その属性テーブルを表示しました。次に、式を作成し、レイヤーのスタイルを設定して、車のない世帯のパーセンテージを国勢調査地区ごとに示しました。最後に、レイヤーのポップアップをカスタマイズして、主要な人口統計情報を明確にしました。これで、ヒューストンで車両所有率が低いエリアを適切に識別し、ハリケーンの際に避難支援を最も必要とする場所を特定できるようになりました。次のレッスンでは、対話型の Web アプリを作成して、結果を一般ユーザーと共有します。