データのダウンロード
まず、公開されている FEMA データセットからコンパイルした、火災事故データが入ったスプレッドシートをダウンロードします。 Microsoft Excel のスプレッドシートを開き、ArcGIS for Excel を使用して、ArcGIS アカウントにサイン インします。
- Naperville_2021_Fire_Incident_Calls Excel スプレッドシートをダウンロードします。
- Microsoft Excel を起動します。 必要に応じて、Microsoft 365 のアカウントにサイン インします。
注意:
ArcGIS for Excel には、Microsoft Excel のサポートされているライセンスかバージョンが必要です。 所有している Microsoft Excel ライセンスが ArcGIS for Excel でサポートされていることを確認するには、サポートされているライセンスとバージョンの表をご参照ください。
- Excel のホームページで、[開く] をクリックします。
注意:
使用している Excel のバージョンによっては、ご使用のソフトウェアが画像例と異なる場合があります。
- ダウンロードした [Naperville_2021_Fire_Incident_Calls] スプレッドシートを参照して開きます。
スプレッドシートが Microsoft Excel で開きます。
注意:
スプレッドシートが保護ビューで開かれたことを示す通知が表示された場合は [編集を有効にする] をクリックします。
- スプレッドシートを調査します。
スプレッドシートには大量のデータが含まれています。 各行は 2021 年に米国イリノイ州ネイパービルの消防署が対応したインシデントです。 合計 5,601 件のインシデントがあります。
注意:
このチュートリアルの目的に沿って、スプレッドシートには、2021 年にネイパービルで報告された火災事故の総数のサブセットのみが含まれています。
各インシデントに関連する情報の分類が、スプレッドシートの列に示されています。 これらの列にはインシデントの ID、住所、日付などの基本情報が含まれています。 また、消防署がインシデントに対応した後にとった行動と、対応にあたった人数についての情報もあります。
[X] 列と [Y] 列は、各インシデントの緯度と経度を示しています。 これらの列を使って、データをマッピングできます。 データをマップにすると、5,601 件のインシデントすべての位置を視覚化でき、火災事故が発生している場所を把握しやすくなります。
次に、ArcGIS for Excel を使用して、データをマッピングします。
- リボンの [ArcGIS] タブをクリックします。
注意:
ArcGIS タブが表示されていない場合、ArcGIS for Excel をダウンロードおよびインストールします。 ArcGIS for Excel がすでにインストールされている場合は、「ArcGIS for Excel にようこそ」または「よくあるご質問 (FAQ)」で可能な解決策を見つけてください。
- [マップ] グループで [マップの表示] をクリックします。
[ArcGIS for Excel] ウィンドウが、すでに開いていない場合は、表示されます。 ArcGIS for Excel を初めて使用する場合は、「ようこそ」メッセージと詳細を確認するためのオプションが表示されることがあります。
- [Excel からのデータの追加] メッセージが表示されたら、[スキップ] を、次に [はい。協力します] をクリックして、匿名のデータ収集を許可します。
- サイン イン済みであることを示すメッセージが表示されたら、クリックして続行します。 サイン インを求められたら、ライセンスが割り当てられた ArcGIS アカウントを使用してサイン インします。
注意:
ArcGIS アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
ウィンドウが切り替わり、マップが表示されます。 現時点では、マップにスプレッドシートのデータは入っていません。 マップには、主な地理フィーチャに関する基本的な地理コンテキストを含むベースマップの情報のみが入っています。
ヒント:
[ArcGIS for Excel] ウィンドウのサイドをドラッグすると、マップを拡大できます。
マップを操作するためのオプションには、ArcGIS アカウントにサイン インしなければ使用できないものがあります。 サイン インしていない場合は、ここでサイン インします。
- まだ ArcGIS アカウントにサイン インしていない場合は、[設定] ボタンをクリックします。
注意:
サイン イン済みであれば、[設定] ボタンのアイコンにアカウントのプロフィール写真が表示されます。
- [サイン イン] をクリックします。 ライセンスされた ArcGIS アカウントを使用してサイン インします。
マップが再読み込みされ、すべてのオプションが有効になります。
データのマッピング
次に、ArcGIS for Excel で、座標データを使用してスプレッドシートのデータをマッピングします。
- [ArcGIS for Excel] ウィンドウで、[レイヤー] ボタンをクリックします。
[レイヤー] ウィンドウが開き、マップのレイヤーが表示されます。 レイヤーは一連の地理データで、マップ上に表示できます。 現段階では、マップ上にベースマップ以外のレイヤーはありません。
マップに火災事故を表示するには、それらをジオコーディングしてレイヤーを作成する必要があります。 ジオコーディングとは、地理識別子 (住所、場所の説明、座標のペアなど) を取得し、それらをマッピングするプロセスです。 シートには X 座標と Y 座標のデータがあり、それらを火災事故のジオコーディングに使用します。
- [レイヤー] ウィンドウで、[Excel から追加] ボタンをクリックします。
[レイヤーの追加] ツールが表示されます。 デフォルトでは、追加するデータとして火災事故のデータが選択されています。 また、データセットから座標フィールドが自動で識別されています。 (自動で識別されていない場合は、手動で設定できます。)
- 次のパラメーターが選択されていることを確認します。
- [データ] で、[Fire_Incident_Data_Napervil_0] が選択されていることを確認します。
- [先頭行にヘッダーが含まれます] がオンになっていることを確認します。
- [位置情報の種類] で [座標] が選択されていることを確認します。
- [経度 (X)] で [X] が選択されていることを確認します。
- [緯度 (Y)] で [Y] が選択されていることを確認します。
- [空間参照] で [WGS 1984] が選択されていることを確認します。
- [追加] をクリックします。
データがマップに追加されます。 マップの範囲が変わり、ポイントが追加されます。 各ポイントはスプレッドシートの火災事故に対応しています。 続行する前に、作成したレイヤーの名前を、よりわかりやすい名前に付け直します。
- [レイヤー] ウィンドウで [Fire_Incident_Data_Napervil_0!A1:BY5602] をダブルクリックし、レイヤーの名前を編集します。 「Naperville 2021 Fire Incident Calls」と入力し、自分の名前またはイニシャルを追加して、Enter キーを押します。
ヒント:
後で、このレイヤーを ArcGIS 組織に公開します。 公開するレイヤー名は組織内で一意でなければならないため、名前またはイニシャルを追加すると一意性を確保しやすくなります。
- [レイヤー] ウィンドウを閉じます。
ほとんどのポイントが集中しており、数ポイントが市外にあります。 市外にポイントがあるのは、ネイパービルで発生した火災ではなかったものの、ネイパービル消防署が対応したためです。
マップの操作
次に、ジオコーディングされたデータを調べます。
- マップ上でスクロール ホイールを使用すると、拡大または縮小します。 マップをクリックしてドラッグすると、横や上下に移動できます。
データの空間分散から、ほとんどの火災事故が住宅エリアで発生していることが明らかです。 市の中央にある広大な自然保護区である Springbrook Prairie では、火災事故はほとんど発生していません。
- 火災事故が発生した建物一軒一軒が見えるまで拡大します。
建物と道路はベースマップの一部で、火災事故のレイヤーに地理的コンテキストを付与します。
- マップ上の任意のポイントをクリックします。
ポップアップが表示されます。 ポップアップには、火災事故に関するスプレッドシート内の全情報が含まれています。
- ポップアップをスクロールして、全情報を確認します。 終了したら、ポップアップを閉じます。
ベースマップを変更すると、他の地理的コンテキストを表示できます。
- [背景地図] ボタンをクリックします。
- ベースマップのリストで、[ラベル付き衛星画像] を選択します。 [ベースマップ] ウィンドウを閉じます。
これで、エリアの衛星画像がマップに表示され、2021 年に火災事故が発生した建物を視覚化できるようになりました。
注意:
オプションとして、このベースマップを、他の利用できるベースマップに変更してみてください。 ベースマップを変えると何がわかるでしょうか?
- マップを操作します。 終了したら、[デフォルト マップ ビュー] ボタンをクリックします。
データの全体表示に戻ります。
- ベースマップを [地形図] に変更します。 [ベースマップ] ウィンドウを閉じます。
- スプレッドシートを保存します。
マップの公開
最後に、作成したマップを ArcGIS Online に公開すると、そこで共有できます。
- マップの [共有 | エクスポート] ボタンをクリックします。
マップを共有するには、マップが何を示すのか他の人がわかるように、マップに基本的なメタデータを設定する必要があります。 また、マップを共有する相手も選択します。 ここでは、消防署組織の職員のみがマップにアクセスできるようにします。
- [共有 | エクスポート] ウィンドウで、以下のパラメーターを設定します。
- [タイトル] に、「Naperville 2021 Fire Incident Calls」と入力します。
- [タグ] に「Firefighting, Geocoded Data」と入力します。
- [サマリー] に「A map showing fire incidents in Naperville, Illinois, in 2021」と入力します。
- [共有先] で [組織] をオンにします。
- [共有 | エクスポート] ウィンドウの下部までスクロールします。 [一意のフィーチャ識別子] に [Object ID] が選択されていることを確認します。
データを公開するには、各レコードに一意の識別子が設定されている必要があります。 オブジェクトの ID フィールドは、レコードに連番が付けられるため、この目的に最適です。
- [共有] をクリックします。
マップが ArcGIS Online に公開されます。
注意:
マップには多数の火災事故が含まれているため、公開には数分かかる場合があります。
- マップの公開が完了したら、[開く] をクリックします。
新しいブラウザー ウィンドウまたはタブが表示されます。 ArcGIS Online にまだサイン インしていない場合は、サイン インを求められます。
- 必要に応じて、ArcGIS アカウント (ArcGIS for Excel で使用したものと同じアカウント) にサイン インします。
マップの ArcGIS Online 詳細ページが表示されます。
- [Map Viewer で開く] をクリックします。
マップが開きます。 ArcGIS 組織のメンバーは全員このマップにアクセスし、閲覧できるため、マップを同僚と共有できます。
このチュートリアルでは、ArcGIS for Excel を使って火災事故のスプレッドシートをマッピングしました。 座標情報を基にデータをジオコーディングし、マップ上のデータを調査しました。 最後に、マップをArcGIS Online に公開し、共有できるようにしました。
火災事故のデータのマッピングは、空間のトレンドの理解と今後の火災事故対策の立案にとって重要です。
他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。