プロジェクトと画像の設定
最初にプロジェクトと画像を設定します。 データをダウンロードして内容を確認し、ArcGIS Pro プロジェクトを作成して、環境を設定し、リアリティ マッピング ワークスペースを作成します。
注意:
Reality for ArcGIS Pro を使用するには、次のソフトウェアを以下の順序でインストールしてライセンス認証する必要があります。
- ArcGIS Pro Standard または Advanced バージョン 3.1 以降
- ArcGIS Reality Studio
- ArcGIS Reality for ArcGIS Pro エクステンション
- ArcGIS Coordinate System Data
このチュートリアルでは、これらの手順がすでに完了していることを前提としています。 手順を追った説明については、「ArcGIS Reality for ArcGIS Pro のインストール」ページをご参照ください。
データのダウンロードと内容確認
はじめに、このチュートリアルで必要なデータをダウンロードして確認します。
- Orlando_Data.zip ファイルをダウンロードし、コンピューター上でそのファイルを選択します。
注意:
このファイルは 4 GB なので、ダウンロードには数分かかる場合があります。
ほとんどの Web ブラウザーでは、デフォルトでコンピューターのダウンロード フォルダーにファイルがダウンロードされます。
- [Orlando_Data.zip] ファイルを右クリックして、C:\Sample_Data に展開します。
注意:
データのパスは、正確に C:\Sample_Data\Orlando_Data にしてください。 データをコンピューター上の別の場所に保存する場合は、[Orlando_Frames_Table.csv] ファイル内の各エントリでパスを更新する必要があります。
- 展開した [Orlando_Data] フォルダーを開いて内容を確認します。
[AOI]、[DEM]、[Frames]、[Images]、[Outout] の 5 つのサブフォルダーが含まれています。
- [Images] フォルダーを開きます。
このフォルダーには、処理対象のすべての航空写真が、136 の TIFF 形式のファイルとして含まれています。
- フォルダーを下にスクロールして、[0000123-000275-091314134101-Cam1.tif] のように名前に [Cam1] という語を含む画像を探します。 画像をダブルクリックして、デフォルトの画像閲覧アプリケーションで開きます。
[Cam1] の画像はすべて直下視画像、つまり、カメラの光軸が地面に対して垂直状態 (縦方向) で撮影された画像です。 建物の屋根など、地形内に存在するフィーチャの上面が適切に取り込まれます。
注意:
この画像は Lead'Air Inc によって提供されました。 これは、MIDAS センサーを使用して撮影された高品質のデジタル航空写真です。 Lead'Air Inc についての詳細をご参照ください。
- 画像を表示したウィンドウを閉じます。
- [0000168-000245-091314134426-Cam2.tif] のように、名前に [Cam2]、[Cam3]、[Cam4]、[Cam5] などの語を含む画像のいずれかをダブルクリックします。
これらの画像は斜め撮影画像、つまり、カメラの光軸が傾斜した (ある角度に傾いた) 状態で撮影された画像です。 建物の側面など、フィーチャの側面が適切に取り込まれます。 3D プロダクトを生成するには、直下視画像と斜め撮影画像のオーバーラップが必要です。 適切な結果を得るには、高品質な画像を使用することが重要です。
注意:
[Cam1]、[Cam2]、[Cam3]、[Cam4]、[Cam5] は、Camera 1、Camera 2、Camera 3 などの省略形です。
- 必要に応じて、さまざまなカメラで撮影された画像を開いて確認します。
- 画像を表示しているすべてのウィンドウを閉じます。
- [Orlando_Data] を参照し、[Frames] フォルダーを開きます。
このフォルダー内の .csv ファイルには、空間内の画像の位置と、画像の撮影に使用されたカメラに関する情報が格納されています。
- [Orlando_Frames_Table.csv] ファイルをダブルクリックして、デフォルトの CSV 閲覧ソフトウェアで開きます。
ファイルには、処理される画像に関する情報が表形式で格納されています。 各行が 1 つの画像を記述しており、ディスク上の画像へのパス (列 A)、オブジェクト ID (列 B)、画像の中心座標 (列 D、E、および F)、およびそれらの座標に関連付けられた空間参照系 (列 C) などの情報が格納されています。 列 G、H、および I には回転角、列 K には画像を撮影したカメラの情報が格納されています。
- [Orlando_Frames_Table.csv] ファイルを閉じます。 [Orlando_Cameras_Table.csv] を開きます。
このテーブルには、画像の撮影に使用される 5 台のカメラに固有の情報が格納されています。
- カメラ ID - 画像を撮影するために使用されるカメラの名前またはモデル。
- 焦点距離 – カメラのレンズと焦平面の距離 (ミクロン単位)。
- 主点 X と主点 Y - オートコリメーションの主点の X 座標と Y 座標 (ミクロン単位)。
- ピクセル サイズ – カメラのピクセル サイズ (ミクロン単位)。
- Konrady – カメラの歪みパラメーター。
- [Orlando_Cameras_Table.csv] ファイルを閉じます。
- [Orlando_Data] に戻ります。
残りのフォルダーには、次の情報が含まれています。
- [AOI] フォルダーでは、フィーチャクラスによって、ワークフローの対象地域の境界が提供されます。
- [DEM] フォルダーでは、デジタル標高モデル ラスターによって、画像が撮影されたエリアの標高情報が提供されます。 この情報は、各画像のフライト高度の特定に使用されます。
- [Output] フォルダーには、このチュートリアルの結果が出力されます。 出力結果は、必要に応じてワークフローの後の手順で使用できます。
プロジェクトを作成して、データに接続します。
データのダウンロードと内容確認が完了したので、ArcGIS Pro プロジェクトを作成してデータに接続します。
- ArcGIS Pro を起動します。 サイン インを求められたら、ライセンスが割り当てられた ArcGIS 組織アカウントを使用してサイン インします。
注意:
ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
- ArcGIS Pro 開始ページの [新しいプロジェクト] で [マップ] をクリックします。
- [新しいプロジェクト] ウィンドウで、[名前] に「Orlando_3D_products」と入力します。
- [場所] で、デフォルトの場所をそのまま使用するか、[参照] ボタンをクリックしてドライブ上の任意の場所を選択します。
注意:
選択した場所に最低 20 ギガバイト (GB) の利用可能な格納領域があることを確認してください。
- [OK] をクリックします。
プロジェクトが表示され、ベースマップと共にマップ ビューが表示されます。 次に、ダウンロードしたデータにプロジェクトを接続します。
- リボンの [表示] タブをクリックします。 [ウィンドウ] グループで、[カタログ ウィンドウ] をクリックします。
[カタログ] ウィンドウが表示されます。 このウィンドウには、プロジェクトに関連付けられたすべてのフォルダー、ファイル、データが表示されます。 このウィンドウを使用して、[Orlando_Data] フォルダーへのフォルダー接続を確立します。
- [カタログ] ウィンドウで、[フォルダー] の横にある矢印をクリックして展開し、内容を表示します。
プロジェクトに関連付けられたデフォルト フォルダーは [Orlando_3D_products] です。これは、プロジェクトの作成時に作成されたフォルダーです。 現時点では、このフォルダーには、空のジオデータベースとツールボックスがいくつか含まれていますが、データは含まれていません。
- [フォルダー] を右クリックして、[フォルダー接続の追加] を選択します。
- [フォルダー接続の追加] ウィンドウで、[コンピューター] をクリックして C:\Sample_Data を参照します。 [Orlando_Data] フォルダーを選択して [OK] をクリックします。
[カタログ] ウィンドウの [フォルダー] に、[Orlando_Data] フォルダーが表示されます。
- [Orlando_Data] フォルダーを展開し、前の手順で確認した画像やその他のデータが含まれていることを確認します。
これで、ArcGIS Pro プロジェクト内のワークフローに必要な航空写真やその他のデータにアクセスできるようになりました。
環境の設定
次に、画像に関連し、画像ツールの実行時にシステムが考慮する、特定の環境パラメーターの値を選択します。
- リボンの [解析] タブの [ジオプロセシング] グループで、[環境] をクリックします。
- [並列処理] の [並列処理ファクター] に「90%」と入力します。
並列処理ファクターは、処理をサポートするために使用されるコンピューター コアの割合を定義します。 たとえば、4 コアのコンピューターで 50 パーセントを設定すると、処理を 2 つのプロセス (50% * 4 = 2) に分散することを意味します。 このワークフローでは、[90%] を選択しています。
ヒント:
90% には必ず「%」記号を含めてください。
- [ラスター格納] が表示されるまで、下方向にスクロールします。
- [ラスターの統計情報] で、[X スキップ ファクター] と [Y スキップ ファクター] に「10」と入力します。
コントラスト ストレッチの適用などの特定のタスクを有効にするには、画像の統計を計算する必要があります。 効率を上げるため、統計は、ピクセルごとではなくピクセルのサンプルに対して生成できます。 スキップ ファクターは、サンプル サイズを決定します。 X に 10、Y に 10 を指定すると、画像の行と列の 11 番目ごとのピクセルが統計生成に使用されます。
- [タイル サイズ] の [幅] と [高さ] に、「512」と入力します。
効率を上げるため、多くの場合、画像はタイルと呼ばれる小さな正方形の断片の形式でアクセスされます。 このパラメーターは、タイルのサイズを定義します。512 x 512 ピクセルを選択します。
- [リサンプリング方法] で [共一次内挿法] を選択します。
リサンプリングは、ラスターのセル サイズまたは方位を変更するために使用されるプロセスです。 さまざまなリサンプリング方法がありますが、画像データを処理する場合は [共一次内挿法] をお勧めします。
- その他のデフォルト設定をそのままにして、[OK] をクリックします。
ワークスペースの作成
次に、航空画像とフレーム テーブルおよびカメラ テーブルを含むすべてのデータを収集および管理するためのリアリティ マッピング ワークスペースを作成します。
- リボンの [画像] タブで、[リアリティ マッピング] グループの [新しいワークスペース] ボタンをクリックします。
[新しいリアリティ マッピング ワークスペース] ウィザード ウィンドウが開き、[ワークスペースの構成] ページが表示されます。
- 次のパラメーター値を設定します。
- [名前] に「Orlando_Workspace」と入力します。
- [ワークスペース タイプ] で、[リアリティ マッピング] が選択されていることを確認します。
- [センサー データ タイプ] で、[航空写真 - デジタル] を選択します。
- [シナリオ タイプ] で [傾斜] を選択します。
- それ以外はすべて、デフォルト値のままにします。
注意:
ワークフローで直下視画像と斜め撮影画像の両方を使用するので、[シナリオ タイプ] で [傾斜] を選択する必要があります。
- [次へ] をクリックします。
[画像コレクション] ページに移動します。ここでは、画像の撮影に使用されるセンサーに関連するパラメーターを入力します。
- [画像コレクション] ウィンドウの [センサー タイプ] で、[汎用フレーム カメラ] が選択されていることを確認します。
次に、フレーム テーブル ファイルを指定します。
- [ソース データ 1] の [外部標定ファイル/Esri フレーム テーブル] で、[フレーム テーブル] ボタンをクリックします。
- [フレーム テーブル] ウィンドウで、[フォルダー] → [Orlando_Data] → [Frames] の順に参照します。 [Orlando_Frames_Table.csv] を選択して [OK] をクリックします。
画像の中心の座標に関連する空間参照情報や 5 台のカメラのリストなど、フレーム テーブル ファイルによって提供された情報を使用して、[画像コレクション] ウィンドウが更新されます。 ここで、カメラ テーブル ファイルに入力されているカメラに関する情報をインポートする必要があります。
- [カメラ] の横の [インポート] ボタンをクリックします。
- [カメラ テーブル] ウィンドウで、[フォルダー] → [Orlando_Data] → [Frames] の順に参照します。 [Orlando_Cameras_Table.csv] を選択して [OK] をクリックします。
各カメラ ID の横にある緑色のチェック マークは、カメラ情報が正常にインポートされたことを示します。
- その他のデフォルト設定をそのままにして、[次へ] をクリックします。
次に、ワークフローで使用する DEM をポイントします。
- [データ ローダー オプション] ウィンドウの [DEM] の下にある [DEM の選択] ボタンをクリックします。
- [入力データセット] ウィンドウで、[フォルダー] → [Orlando_Data] → [DEM] の順に参照します。 [North_Downtown_DEM.tif] を選択して [OK] をクリックします。
- ウィザード ウィンドウで、その他のデフォルト設定をそのままにして、[完了] をクリックします。
数分後にワークスペースが作成されます。 [ログ: Orlando_Workspace] ウィンドウの最後の行は、プロセスが成功したことを示しています。
新しい [Orlando_Workspace] 2D マップも作成されます。
さまざまなワークスペース コンポーネントが [コンテンツ] ウィンドウに表示されるようになりました。 [画像コレクション]、136 のすべての航空画像を含む新しいモザイク データセットなどがあります。
[画像コレクション] データセットは、主に [フットプリント] レイヤー (緑色のアウトライン) と、画像自体を含む[イメージ] レイヤーで表されます。 2 つのレイヤーがマップに表示されます。
ヒント:
マップに画像が表示されない場合は、拡大表示します。
デフォルトでは、データセットの最初の 20 画像のみが表示されます。 この数は変更できますが、大きな数値を選択すると、表示のパフォーマンスに影響する可能性があります。
デフォルトの数値を変更したい場合は、[カタログ] ウィンドウで、[フォルダー] → [Orlando_3D_products] → [RealityMapping] → [Orlando_Workspace.ermw] → [画像] → [Orlando_Workspace.gdb] の順に参照します。 [Orlando_Workspace_Collection] を右クリックして、[プロパティ] を選択します。 [デフォルト] タブをクリックします。 [モザイクあたりの最大ラスター数] に任意の数を入力します。
さらに、リボンに [リアリティ マッピング] タブが追加されています。
- リボンで [リアリティ マッピング] タブをクリックします。
このタブには、画像アライメントの調整と 2D および 3D プロダクトの作成をサポートする一連のツールが含まれています。 現時点では、入力画像の配置がまだ調整されていないので、[プロダクト] グループのツールは使用できません。
- [クイック アクセス ツールバー] で [プロジェクトの保存] ボタンをクリックして、プロジェクトを保存します。
このワークフローの最初の部分では、入力データをダウンロードし、ArcGIS Pro プロジェクトを設定して、リアリティ マッピング ワークスペースを作成し、そこに入力データを入力しました。 ワークフローの 2 番目の部分では、画像の位置を調整して 3D プロダクトを生成します。
画像の処理
プロジェクト、ワークスペース、および画像を設定できたので、画像の処理を開始します。 はじめに、タイ ポイントを使用して画像の配置を調整します。 次に、密な点群および忠実度の高い 3D メッシュを生成します。
タイ ポイントを使用した画像アライメントの調整
入力イメージの相対精度を向上させるため、タイ ポイントを使用します。タイ ポイントは、隣接する画像間で重複するエリアで識別される共通のオブジェクトまたは位置です。 [調整] ツールは、画像マッチング手法によってタイ ポイントを自動的に抽出し、抽出されたポイントを使って、画像を相互に相対的な位置に調整します。
- リボンの [リアリティ マッピング] タブにある [調整] グループで、[調整] ボタンをクリックします。
タイ ポイントおよび画像のアライメント調整プロセスの品質と精度を決定する [調整] ツールのパラメーターを設定します。
- [タイ ポイントの一致] の横にある矢印をクリックして展開します。
- [フル フレームのペアワイズ マッチング] がオフになっていることを確認します。
- [タイ ポイントの類似性] で [高] を選択します。
- [フル フレームのペアワイズ マッチング] をオンにします。
- その他のデフォルト値をそのままにして、[実行] をクリックします。
この処理の実行には数分かかる場合があります。 [ログ] ウィンドウで進捗を追跡できます。 ツールにより、最初に [タイ ポイントを計算しています]、次に [ブロック調整を計算しています]、最後に [ブロック調整を適用しています] とレポートされます。 アライメント調整プロセスのため、画像は、複数画像のブロックに分けられます。 それからブロックの配置が調整されます。
- プロセスが完了すると、[ログ] ウィンドウで [MeanReprojectionError(pixel)] という行を確認できます。
この行は、調整の精度を示してくれます。 1 ピクセル未満の平均再投影エラーは許容範囲です。
注意:
取得される精度の数値は、サンプル画像のものとやや異なる可能性があります。
- [コンテンツ] ウィンドウで [タイ ポイント] レイヤーの横にあるボックスをオンにして、そのレイヤーを有効にします。
マップ上に、[調整] ツールによって特定されたタイ ポイントがすべて表示されます。
画像の相対精度が最適化されました。
注意:
必要に応じて、地上コントロール ポイントを使用して、画像の配置の絶対精度を上げることもできます。 このステップはこのチュートリアルの範囲外ですが、「リアリティ マッピング ワークスペースへの地上コントロール ポイントの追加」ページで詳細を学ぶことができます。
3D プロダクトの生成
続いて、3D プロダクトを生成します。 ワークフローを簡単にするため、狭い地域に限定して 3D プロダクトを生成します。 [Orlando_Small_AOI.shp] レイヤーは、対象地域の境界を提供します。 レイヤーをマップに追加して検証します。
- [カタログ] ウィンドウ、[フォルダー]、[Orlando_Data]、および [AOI] を展開します。 [Orlando_Small_AOI.shp] を右クリックして、[現在のマップに追加] を選択します。
マップ上に、AOI ポリゴンが、ランダムに割り当てられた色 (下図の例では紫色) で表示されます。
画像は、AOI ポリゴンよりも大幅に広い範囲を占めています。 これにより、AOI と重複しているすべての画像が確実に含まれるようになります。 高品質な結果を生成するため、重複している画像をすべて使用する必要があります。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Orlando_Small_AOI] レイヤーをオフにします。
- リボンの [リアリティ マッピング] タブで、[プロダクト] グループを確認します。
画像の配置調整プロセスの後、そのグループ内のいくつかのツールが使用可能になります。 プロダクトは、各プロダクト ボタン ([ポイント クラウド] や [3D メッシュ] など) を使用して個別に生成することも、[複数プロダクト] ボタンを使用して同時に生成することもできます。 ここでは後者のオプションを使用します。
注意:
現時点では、2D プロダクトのボタン ([DSM]、[トゥルー オルソ]、[DSM メッシュ] など) はまだ使用できません。これは、2D プロダクトの生成に適していない斜め撮影画像がワークスペースに含まれているからです。
- [リアリティ マッピング] タブで、[複数プロダクト] をクリックします。
[リアリティ マッピング プロダクト ウィザード] が開き、[プロダクト生成の設定] ページが表示されます。
- [ポイント クラウド] プロダクトと [3D メッシュ] プロダクトが選択されていることを確認します。
- [共有された高度な設定] をクリックします。
[高度なプロダクト設定] ウィンドウが表示されます。 このウィンドウでは、生成されるすべてのプロダクトに影響するパラメーターを設定できます。
- [高度なプロダクト設定] ウィンドウの [品質] で、[超高] が選択されていることを確認します。
このパラメーターにより、最高の画像解像度を持つプロダクトが生成されます。 [品質] の設定を [高]、[中]、[低] にすると、得られるプロダクトの解像度はそれぞれ、ソース画像の解像度の 2 倍、4 倍、8 倍になります。
- [シナリオ タイプ] で [傾斜] が選択されていることを確認します。
ワークスペースを作成する段階で、シナリオ タイプとしてこの [傾斜] が選択されました。 これを選択したのは、データセットに 3D プロダクトの作成に必要な斜め撮影画像が含まれているからです。
- [プロダクト境界] で [参照] ボタンをクリックします。
- [プロダクト境界] ウィンドウで、[フォルダー] → [Orlando_Data] → [AOI] の順に参照します。 [Orlando_Small_AOI.shp] を選択して、[OK] をクリックします。
生成される 3D プロダクトは、AOI フィーチャクラスで定義された範囲に限定されます。
- [グローバル カラー調整の適用] をオンにします。
場合によっては、画像間で色調が大きく変化する可能性があります。 このオプションにより、画像から画像への色調の遷移を確実に均一にできます。
- [OK] をクリックします。
- [リアリティ マッピング プロダクト ウィザード] ウィンドウの [プロダクト生成の設定] ページで、[次へ] をクリックします。
- [3D メッシュ設定] ページの [形式] では、デフォルト値である [SLPK] をそのまま使用します。
注意:
お使いのシステム リソースに応じて、3D プロダクトの生成には、2 時間半あるいはそれ以上かかります。 参考までに、i7 プロセッサ、32 GB RAM、SSD ハード ドライブを搭載したコンピューターでの処理時間は 2 時間半でした。
時間を節約するためにこのプロセスを実行しない場合は、チュートリアルの残りの部分ですぐに使える出力データセットを使用できます。 [カタログ] ウィンドウで、[フォルダー] → [Orlando_Data] → [出力] → [ポイント クラウド] の順に参照します。 [ポイント クラウド] を右クリックして [現在のマップに追加] を選択します。
すぐに使える出力データセットを使用する場合は、次の [3D プロダクトの検証] セクションに進んでください。
- プロセスを実行するには、[完了] をクリックします。
プロセスの実行中、[ログ] ウィンドウにさらにステータス情報が表示されます。 プロセスが完了すると、ログがプロセスの正常終了を示します。
3D プロダクトの検証
ここまでで、3D プロダクトを生成できました (あるいは、すぐに使える 3D プロダクトを使用することを選択しました)。 次に、生成されたプロダクトを検証します。 最初に点群を確認します。
- [コンテンツ] ウィンドウの [データ プロダクト] で、[Point Cloud] レイヤーをオンにして展開し、シンボルを表示します。
値とデータのパーセンテージは、ここに表示されるものとは異なる可能性があります。
ヒント:
すぐに使える 3D プロダクトを使用している場合は、[参照データ] の下に [Point Cloud.lasd] レイヤーが表示されます。
点群フットプリントが赤色で縁どられて表示されます。
注意:
このデータセットは LAS 形式で、通常は点群データを保存するために使用されます。 LAS データセットの詳細をご参照ください。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Footprint] レイヤーと [Image] レイヤーをオフにして、点群を見やすくします。
- [Point Cloud] レイヤーを右クリックして [レイヤーにズーム] を選択します。
- マップ上で、必要に応じて、[Point Cloud] レイヤーのポイントを確認できるまで拡大表示します。
標高が最も低いポイントは青色、標高が中程度のポイントは黄色、標高が最も高いポイントは赤色で表示されます。
- 必要に応じて、さらに拡大表示したり画面移動したりして、レイヤーを調べます。
2D マップでは、3D 点群の視覚化は限界があります。 続いて、このデータセットを 3D シーンで視覚化します。
- [カタログ] ウィンドウで、[フォルダー]、[Orlando_3D_products]、[リアリティ マッピング]、[Orlando_Workspace.ermw]、[プロダクト]、[リアリティ]、および [Point_Cloud] を展開します。 [Point_Cloud.lasd] を右クリックして [新しく追加] をポイントし、[ローカル シーン] を選択します。
ヒント:
すぐに使える 3D プロダクトを使用している場合は、[フォルダー] → [Orlando_Data] → [出力] → [Point_Cloud] の順に参照します。
点群は、以前と同じシンボルを使用して新しいシーンに表示されますが、今度は 3D で表示されます。
点群レイヤーを操作しやすくするために、[ナビゲーター] でシーンを傾けたり回転させたりします。
- シーン上で [ナビゲーター] を検索します。 矢印をクリックして 3D ナビゲーション機能にアクセスします。
[ナビゲーター] が 3D 球体に変わり、3D ナビゲーション用のホイールが別に表示されます。
- 展開した [ナビゲーター] で、中央のホイールを使用して、シーンを傾けたり回転させたりします。 マウス スクロール ホイールを使用して拡大表示と縮小表示を行います。
ヒント:
また、キーボードを使用してシーンをナビゲートすることもできます。傾ける場合は V キー、回転させる場合は B キー、画面移動する場合は C キー、ズームする場合は Z キーを押します。[上]、[下]、[左]、[右] 矢印キーと組み合わせて使用できます。
- [Point_Cloud.lasd] レイヤーを、さまざまな角度から見て調べます。
このレイヤーは、建物、植生、地表の詳細を描画します。
- 拡大表示して、標高の異なる複数のポイントでレイヤーが構成されていることを確認します。
- 探索を終えたら、[コンテンツ] ウィンドウで [Point_Cloud.lasd] レイヤーを右クリックして [レイヤーにズーム] を選択します。
次に、3D メッシュ プロダクトを検証します。
- [カタログ] ウィンドウの [リアリティ] で、[メッシュ] フォルダーおよび [slpk] フォルダーを展開します。 [Mesh.slpk] を右クリックして、[現在のマップに追加] を選択します。
ヒント:
すぐに使える 3D プロダクトを使用している場合は、[フォルダー] → [Orlando_Data] → [出力] → [メッシュ] の順に参照します。
メッシュは点群に重なって表示されます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Point_Cloud.lasd] レイヤーをオフにします。
- シーンを傾けて回転させます。 画面を拡大および縮小して、3D メッシュの写実的な詳細を確認します。
- [クイック アクセス ツールバー] で [プロジェクトの保存] ボタンをクリックして、プロジェクトを保存します。
このように出力される 3D データセットが広くアクセスされるよう、それらをオンライン シーンとして ArcGIS Online アカウントに公開することができます。 このチュートリアルの冒頭で、このようなオンライン シーンの例を検討しました。 「ホスト シーン レイヤーの公開」ページで詳細をご参照ください。 3D データセットは、さまざまなプロジェクトに統合したり、他の GIS レイヤーや BIM レイヤーと組み合わせたりすることもできます。
このチュートリアルでは、オーランドの一部を含む、高解像度の重複した斜め撮影画像と直下視画像を使用して、密な点群と写実的な 3D メッシュを生成しました。 入力データをダウンロードして ArcGIS Pro プロジェクトを作成し、リアリティ マッピング ワークスペースを作成して画像を読み込みました。 次に、自動生成されたタイ ポイントを使用して画像のアライメント調整の相対精度を上げました。 最後に、複数プロダクト ウィザードを使用して 3D プロダクトを生成し、シーンに表示しました。
同様のチュートリアルについては、「ArcGIS Reality for ArcGIS Pro を試す」シリーズをご参照ください。