[ブルースポット満水値の識別 (Identify Bluespot Fill Up Values)] モデルは、指定された DEM 上のブルースポットを検索し、それらのスポットを流出点まで埋めるのに必要とされる降雨量を計算します。次に、ブルースポット内またはブルースポットに隣接する建物、および建物を含むか、建物に隣接しているブルースポットを空間的に選択します。ワークフローの主要なプロセスは、次のとおりです。

サーフェスの平滑化 (Fill)

ブルースポットを識別するには、DEM に対して [サーフェスの平滑化 (Fill)] ジオプロセシング ツールを 2 回実行します。1 回目は、データ内の潜在的エラーと仮定される、0.05 メートル未満の窪地を埋めるために実行されます。この出力データセットは、「正確な」DEM、つまり、生成可能な DEM のうちで少なくとも最高の DEM です。2 回目は、すべての窪地を流出点まで埋めるために実行されます。この出力は、窪地がまったくない DEM です。この平滑化済み DEM は次の計算で使用されます。

Minus

[Minus] ツールは、セル ベースで、平滑化済み DEM (Small Sinks Filled (すべての窪地が埋められている)) の値から正確な DEM (All Sinks Filled (小さな窪地が埋められている)) の値を減算します。この結果は、有効な窪地であるブルースポットの位置と深度を表示するラスター データセット (Bluespot Depths Cell by Cell (セル ベースのブルースポットの深度)) です。

Con

ブルースポット セルの値と非ブルースポット セルの値を表示するラスター データセットは、[Con] (条件評価) ツールによって生成されます。[Con] ツールは、セルごとに条件式を True または False として評価し、それに従って値を割り当てます。条件式「値 > 0」が Bluespot Depths Cell by Cell (セル ベースのブルースポットの深度) ラスターに対して評価された場合、ブルースポットであるすべてのセルについて True が返されます。これらのセルには任意の値 1 が割り当てられます。「値 > 0」で False が返されるセルはブルースポットではありません。これらのセルには値 NoData が割り当てられます。この出力ラスター データセットは Preliminary Bluespots (準備段階のブルースポット) です。

ポリゴン → ラスター (Polygon to Raster)

このモデルの基本のタスクはブルースポットの体積を計算することです。これは、ブルースポットの体積と集水域エリアとの関係によって満水値が決定されるからです。正確な体積計算を行うには、ブルースポット内で建物が占有している空間を削除する必要があります。このプロセスは 2 つのステップに分けて実行されます。最初のステップでは、[ポリゴン → ラスター (Polygon to Raster)] ツールを使用して建物をポリゴンからラスター形式に変換します。このツールの出力はラスター データセット (Buildings Raster (建物ラスター)) です。建物がその場所 (この値は入力ポリゴン フィーチャの OBJECTID 値です) にある場合、セルは正の整数値を保持します。建物がその場所にない場合、セルの値は NoData になります。

ラスター演算 (Raster Calculator)

ブルースポットの体積解析から建物を除外する 2 つ目のステップはラスター演算です。この演算は、[Con] ステートメントと [IsNull] ステートメントを結合することで、Buildings Raster (建物ラスター) 内のセルの値が NULL (NoData) であるかどうかをチェックするとともに、その答えに応じてセルの値を変更します。このラスター演算式を次に示します。

Con (IsNull ("%Buildings Raster%"),"%Preliminary Bluespots%")

  • IsNull ("%Buildings Raster%") = TRUE であるセルの場合、Buildings Raster (建物ラスター) 内の NoData 値が Preliminary Bluespots (準備段階のブルースポット) ラスター内のセル値に置換されます。
  • IsNull ("%Buildings Raster%") = FALSE であるセルの場合、Buildings Raster (建物ラスター) 内の正の整数値が NoData に置換されます。

出力ラスター Bluespots Excluding Buildings (建物が除外されたブルースポット) は次の 2 つの値を保持します。

  • 建物ではないセルは、ブルースポットである場合は値 1、ブルースポットではない場合は値 NoData を保持します (言い換えれば、これらのセルは、Preliminary Bluespots (準備段階のブルースポット) ラスター内のその場所に存在する値を保持します)。
  • 建物であるセルは値 NoData を保持します。

建物セルは、NoData に変更されるため、ブルースポットの体積の計算には含まれません。

リージョン グループ (Region Group)

このプロセスは、隣接するブルースポット セル (対角線上に隣接するセルを含む) を、一意に番号付けされたリージョンにグループ化します。入力ラスター Bluespots Excluding Buildings (建物が除外されたブルースポット) では、すべてのブルースポット セルが値 1 を保持します。出力ラスター Bluespot Regions (ブルースポット リージョン) では、ブルースポット セルの各隣接ブロックが一意の整数識別子を保持します。

ゾーン統計をテーブルに出力 (Zonal Statistics as Table)

ブルースポットの体積は、満水計算の一方の部分です。ブルースポットの体積は、ブルースポットに含まれるすべてのセルの深度の合計をセルの面積で乗算した値です。[ゾーン統計をテーブルに出力 (Zonal Statistics as Table)] ツールは、各ブルースポット リージョンのセル深度を合計して、その出力をテーブルに格納します。

このツールは 2 回実行されます。セルの深度は、セルに埋められた値 (セルがサーフェスの高度まで埋められた場合) とセルに埋められた値の許容誤差である 0.05 メートルとの差であるからです。

次の画像では、ブルースポットが 8 つのセルから構成されています。各セルの実際の深度 (Sum Filled Depths (埋められている深度の合計) から Sum Unfilled Depths (埋められていない深度の合計) を引いた値) は表示されているとおりです。合計深度は 14.2 メートルです。次に、セルの面積を合計深度で乗算して、ブルースポットの体積を計算します。セル サイズが 1.6 メートルの場合、体積は 36.35 立方メートルになります。

ブルースポットの深度

流向ラスターの作成 (Flow Direction)

[流向ラスターの作成 (Flow Direction)] ツールは、サーフェス上の水流の方向を計算します。生成されるラスターは、[集水域ラスターの作成 (Watershed)] ツールに必須の入力です。

集水域ラスターの作成 (Watershed)

(ブルースポットの体積と並んで) 満水計算の他方の部分は集水域エリアです。[集水域ラスターの作成 (Watershed)] ツールは、ブルースポットごとに地域の集水域を生成するために使用されます。地域の集水域とは、特定のブルースポットだけに供給するエリアです。

フィールドの追加 (Add Field)

[フィールドの追加 (Add Field)] ツールは 3 回使用されます。1 回目は、Bluespot Regions (ブルースポット リージョン) のブルースポットの体積を格納するフィールドを追加するために使用されます。2 回目は、Watersheds (集水域) の集水域エリアを格納するフィールドを追加するために使用されます。3 回目は、Joined Watershed Areas (結合された集水域エリア) で、ブルースポットの満水値を格納するフィールドを追加するために使用されます。

フィールド結合 (Join Field)

[フィールド結合 (Join Field)] ツールは 4 回使用されます。このツールは、Sum Unfilled Depths (埋められていない深度の合計) テーブルと Sum Filled Depths (埋められている深度の合計) テーブルで、体積の計算が可能になるように、ブルースポットの深度値を同じテーブルに結合するために使用されます。3 回目は、満水値の計算が可能になるように、集水域エリアの値を Bluespot Volumes (ブルースポットの体積) テーブルに結合するために使用されます。最後に、ブルースポットがラスターからポリゴン形式へ変換された後に満水値をブルースポット フィーチャに再結合するために使用されます。

フィールド演算 (Calculate Field)

[フィールド演算 (Calculate Field)] ツールは 3 回使用されます。1 回目は、ブルースポットの体積を計算するために使用されます。数式は次のとおりです。

%CellSize% * %CellSize% * (!SUM_1! - !SUM!)

言い換えれば、セルの面積 (1.6 * 1.6 メートル) をセル深度の合計 (埋められた深度の合計から埋められた深度の許容誤差の合計を減算したものと定義される) で乗算します。

2 回目は、集水域エリアを計算するために使用されます。数式は次のとおりです。

%CellSize% * %CellSize% * !Count!

言い換えれば、セルの面積 (1.6 * 1.6 メートル) を集水域内のセルの数で乗算します。

3 回目は、ブルースポットの満水値を計算するために使用されます。数式は次のとおりです。

!Volume! * 1000 / !WatershedArea!

ブルースポットを埋めるのに必要な降水量は、ブルースポットの体積を集水域の面積で除算して求めます。体積を 1,000 で乗算して単位をメートルからミリメートルに変換します。

ラスター → ポリゴン (Raster to Polygon)

[ラスター → ポリゴン (Raster to Polygon)] ツールは 2 回使用されます。1 回目は、最初にラスターに変換された後の建物を再びポリゴン形式に変換するために使用されます (建物がラスターに変換されたのは、ブルースポットの体積の計算から建物を除外するためでした)。

2 回目は、ブルースポットの最終的なラスター データセットをポリゴン形式に変換して空間的に選択および表示するために使用されます。

ディゾルブ (Dissolve)

Bluespot Polygons (ブルースポット ポリゴン) データセットを生成する、ラスター → ポリゴンの変換では、ブルースポットと対角線上に接続されているラスター セル (ブルースポットに属すると定義されている) が個別のフィーチャとして作成されます。それらのポリゴンをそれぞれの gridcode 属性 (リージョンのグループ化中に割り当てられる一意の値) でディゾルブすると、対角線上に接続されたポリゴンと、それらのポリゴンが属するブルースポットがマージされます。

フィーチャ レイヤーの作成 (Make Feature Layer)

[フィーチャ レイヤーの作成 (Make Feature Layer)] ツールは 2 回使用されます。Building Polygons (建物ポリゴン) フィーチャクラスからレイヤーを作成するために 1 回と、Bluespots (ブルースポット) フィーチャクラスからレイヤーを作成するために 1 回使用されます。これらのレイヤーは、[空間検索 (Select Layer By Location)] ツールに必須の入力です。

空間検索 (Select Layer By Location)

[空間検索 (Select Layer By Location)] ツールは 2 回使用されます。ブルースポットと空間的に交差する建物を選択するために 1 回と、建物と空間的に交差するブルースポットを検索するために 1 回使用されます。

フィーチャのコピー (Copy Features)

[フィーチャのコピー (Copy Features)] ツールは、選択された 2 つのレイヤーからフィーチャクラスを作成するために 2 回使用されます。