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気候の分布地域の特定

前のレッスンでは、全世界の将来の気象予測を探索しました。このレッスンでは、ケッペンの気候区分の定義に沿った地中海性気候の分布地域をマッピングします。

地中海性気候には、夏季は乾燥していて高温、冬季は雨が多く温暖であるという特徴があります。ケッペンの気候区分では、地中海地域は、乾燥した夏季の気温が「温帯」であるか「熱帯」であるかを基準に 2 分割されています。地中海性気候とみなされる全エリアを網羅し、両方の気温ゾーンを含む場所を特定します。

降水量データを含む月間気候データを使用して、地中海性気候の季節変動を確認します。このデータは、1986 年~ 2005 年の特定月日平均気温 (℃) と、日合計降水量の平均を表します。

月気温レイヤーの作成

100 個以上の NetCDF ファイルが用意されており、そこには全部で 800 以上もの可変要素が含まれています。つまり、ArcGIS Pro で 800 個以上のラスター レイヤーを作成できるということです。このワークフローに必要なのは 12 個のレイヤーだけですが (月ごとに 1 つずつ)、同じプロセスを繰り返してレイヤーを作成するのは面倒です。

そのため、元のデータに同梱されているプロジェクト テンプレートを使用します。このテンプレートにはカスタム ジオプロセシング ツールが含まれており、このレッスンに必要なレイヤーを自動的に作成することができます。

注意:

頻繁に繰り返す必要があるタスクを実行するには、ジオプロセシング モデルを用意しておくことをお勧めします。このレッスンでは、モデル作成の詳細については取り上げません。興味がある方は、「マウンテン ライオンの生息地を結ぶモデルの構築」または「ドローン画像による貯水容量の見積もり」をご参照ください。

  1. ArcGIS Pro を開きます。必要に応じて、ArcGIS 組織のアカウントにサイン インします。
  2. ウィンドウの下部にある [別のプロジェクト テンプレートを選択] をクリックします。

    [別のプロジェクト テンプレートを選択] オプション

    [テンプレートから新しいプロジェクトを作成] ウィンドウが表示されます。

  3. [climate-data] フォルダーを参照します。[Mediterranean-Climate.aptx] ArcGIS Pro プロジェクト テンプレートをクリックし、[OK] をクリックします。
  4. [新しいプロジェクトの作成] ウィンドウで、プロジェクトの名前を「Mediterranean Climate Explorer」にします。[場所] では [climate-data] フォルダーを参照します。[このプロジェクトのための新しいフォルダーを作成] をオフにして [OK] をクリックします。

    新しいプロジェクトが開きます。[Mediterranean] という名前のマップが、ベースマップやその他のコンテキスト データ レイヤーとともに格納されています。また、ジオプロセシング モデルも格納されています。次にこれを使用して気候変数のレイヤーを作成します。これは、地中海性気候の場所を特定するために必要となるものです。

  5. [カタログ] ウィンドウで、[ツールボックス] フォルダーおよび [Mediterranean Climate Explorer] ツールボックスを展開します。

    ツールボックスには、[NetCDF ベースライン気温レイヤーのインポート (Import NetCDF Baseline Temperature Layers)] モデルが含まれています。このモデルは、月平均データを含む NetCDF ファイルに基づき、12 個のラスター レイヤー (各月ごとに 1 つ) を作成します。NetCDF ファイルのデータ パスを使用するよう、モデルを編集する必要があります。

  6. [NetCDF ベースライン気温レイヤーのインポート (Import NetCDF Baseline Temperature Layers)] モデルを右クリックして [編集] を選択します。

    [NetCDF ベースライン気温レイヤーのインポート (Import NetCDF Baseline Temperature Layers)] モデルの編集

    モデル ビューが開き、モデルが表示されます。モデルは、[NetCDF ラスター レイヤーの作成 (Make NetCDF Raster Layer)] を 1 つの入力レイヤーで 12 回実行します。

  7. [ModelBuilder] タブの [実行] グループで、[整合チェック] をクリックします。

    [整合チェック] ボタン

    モデルが実行可能かどうか確認します。入力レイヤーの現在のパスが誤っているため、モデルのすべての変数は白色で表示されます。

  8. [Baseline Monthly Temperature NetCDF File] 変数をクリックして選択します。変数を右クリックし、[開く] を選択します。

    [開く] オプション

    [Baseline Monthly Temperature NetCDF File] ウィンドウが表示されます。

  9. [Baseline Monthly Temperature NetCDF File][mme-netcdfs] フォルダーを参照し、[baseline_tas_monthly_mean_1986_2005.nc] ファイルをダブルクリックします。
  10. [OK] をクリックします。

    このモデルは自動的に整合チェックを行い、変数は元の色に戻ります (入力は青色、ツールは黄色、出力は緑色)。

  11. [ModelBuilder] タブの [実行] グループで、[実行] をクリックします。

    [実行] ボタン

    ツールが実行され、[コンテンツ] ウィンドウに 12 個のレイヤーが追加されます。

  12. [NetCDF ベースライン気温レイヤーのインポート (Import NetCDF Baseline Temperature Layers)] モデルの結果ウィンドウと、[NetCDF ベースライン気温レイヤーのインポート (Import NetCDF Baseline Temperature Layers)] モデル ビューを閉じます。プロンプトが表示されたら、[はい] をクリックしてモデルを保存します。

    レイヤー数が多いので、[コンテンツ] ウィンドウのすべてのレイヤーを表示するにはスクロールする必要があります。新規レイヤーの凡例を折りたたむと、スペースを節約できます。

  13. [コンテンツ] ウィンドウで Ctrl キーを押し、[Temperature Dec, Baseline] レイヤーの凡例を折りたたみます。

    [グループ化] ボタン

    すべてのレイヤーの凡例が折りたたまれます。

冬季の最低気温の特定

ケッペンの気候区分の地中海性気候は、3 つの条件で定義されます。1 つ目の条件は、冬季の気温が -3 ~ 18 ℃ (26.6 ~ 64.4°F) であることです。

月データに基づいて冬季の気温を特定するには、複数のラスター関数を指定順序で実行する、カスタム ラスター関数を作成します。最終的には、地中海性気候の定義に当てはまる 3 つの条件について、それぞれカスタム ラスター関数を作成します。ラスター関数を保存するには、ラスター関数サブカテゴリを作成します。

  1. [解析] タブをクリックします。[ラスター] グループで [ラスター関数] ボタンをクリックします。
  2. [ラスター関数] ウィンドウで [プロジェクト] をクリックします。メニュー ボタンをクリックし、[新しいサブカテゴリの追加] を選択します。

    [新しいサブカテゴリの追加] オプション

    [新しいサブカテゴリの追加] ウィンドウが表示されます。

  3. [名前] に「Mediterranean-Climate」と入力します。[OK] をクリックします。
    注意:

    プロジェクトが保存されないと、変更は失われる旨の通知が表示されます。プロジェクトを保存し、通知を閉じます。

    次に、カスタム ラスター関数を編集します。

  4. [解析] タブの [ラスター] グループで、[関数エディター] をクリックします。

    [関数エディター] ボタン

    [ラスター関数テンプレート 1] ビューが表示されます。このビューは関数エディターとも呼ばれます。ビューは現在空白です。先に実行したモデルと同じように、ラスター関数と入力レイヤーを追加します。まず、冬季月の気温データを含む入力レイヤーを追加します。

    ヒント:

    必要に応じて、関数エディターを移動したり、サイズ変更したりできます。

  5. [コンテンツ] ウィンドウで、北半球の冬季の 3 か月 (12 月、1 月、2 月)、そして南半球の冬季の 3 か月 (6 月、7 月、8 月) のレイヤーを関数エディターにドラッグします。

    これで、合計 6 つの入力レイヤーが作成されました。

    冬季の入力レイヤー

    ヒント:

    ビューに追加した後にラスター関数の要素を並べ替えるには、要素を 1 回クリックして選択します。要素の中央にポインターを置き、ポインターの形が変わったら、要素を任意の場所までドラッグします。

    次に、[セル統計 (Cell Statistics)] ラスター関数を追加します。このラスター関数は、選択した統計的演算に基づいて、各セルの気温値を計算します。これを使用して、各セルの最低気温を特定します。これは、冬季の最寒気温を表します。

  6. [ラスター関数] ウィンドウで [システム] をクリックします。「セル統計 (Cell Statistics)」を検索し、[セル統計 (Cell Statistics)] ラスター関数を関数エディターにドラッグします。

    入力とラスター関数をつなげます。

  7. 12 月 (Dec) 要素を、選択せずにポイントします。そこから、[セル統計 (Cell Statistics)] ラスター関数の [ラスター] 入力位置まで線を描画します。

    入力からラスター関数に線を描画

    このレイヤーは、ラスター関数の入力として指定されています。

  8. 残り 5 つのラスター レイヤーを、[セル統計 (Cell Statistics)] ラスター関数の [ラスター] 入力位置につなげます。

    また、ツールが最小値を見つけられるようラスター関数のプロパティを変更します。

  9. [セル統計 (Cell Statistics)] ラスター関数をダブルクリックします。[セル統計プロパティ] ウィンドウの [演算][最小値] を選択します。

    [最小値] に設定した演算パラメーター

  10. [OK] をクリックします。
  11. [関数エディター] ツールバーの [自動レイアウト] ボタンをクリックします。

    [自動レイアウト] ボタン

    要素のレイアウトは自動的に並べられています。

    冬季の [セル統計 (Cell Statistics)] ラスター関数レイアウト

特定の冬季気温のエリアの検索

現在の構成では、各グリッド セルで冬季の最寒気温を含む出力が生成されます。ここで、この構成に [再分類 (Remap)] ラスター関数を追加して、この気温が地中海の冬季気温範囲内 (-3 ~ 18 ℃ (26.6 ~ 64.4°F) に収まる場所を特定します。

  1. [ラスター関数] ウィンドウで「再分類 (Remap)」を検索し、関数エディターに [再分類 (Remap)] ラスター関数をドラッグします。

    [セル統計 (Cell Statistics)] ラスター関数の出力が、[再分類 (Remap)] ラスター関数の入力になります。

  2. [セル統計 (Cell Statistics)] ラスター関数の [出力][再分類 (Remap)] ラスター関数の [ラスター] 入力位置を線で結びます。

    [セル統計 (Cell Statistics)] と [再分類 (Remap)] ラスター関数の接続

  3. [再分類 (Remap)] をダブルクリックします。[再分類のプロパティ] ウィンドウで、[最小値] を「-3」に変更し、[最大値] を「19」に変更します。

    最大値を 18 ではなく 19 とするのは、[再分類 (Remap)] ラスター関数の最大値は 18 未満 (指定した値を含まない) になるからです。

    [出力] パラメーターは、最小値と最大値の範囲内にあるセルを再分類する新しい値を指定します。新しい値 1 に再分類する値を指定します。範囲外のすべての値は「NoData」に再分類されるため、マップには表示されません。

  4. [出力] を「1」に変更します。[再分類されなかった値を NoData に変更] チェックボックスをオンにします。

    [再分類 (Remap)] ラスター関数のパラメーター

  5. [OK] をクリックします。

    ラスター関数により、冬季気温が地中海性気候の範囲内に収まる地域が特定されます。次に、ラスター関数を保存します。

  6. [関数エディター] ツールバーの [保存] ボタンをクリックします。

    [保存] ボタン

    [保存] ウィンドウが表示されます。

  7. 次のパラメーターを変更します。
    • [名前] には「Mediterranean Baseline Winter Temperature」と入力します。
    • [カテゴリ] には [プロジェクト] を選択します。
    • [サブカテゴリ] には [Mediterranean-Climate] を選択します。
    • [説明] フィールドには、「Locations with baseline conditions that meet the winter temperature requirement of a Mediterranean climate, with the mean monthly temperature of the coldest winter month being between -3 and 18 degrees Celsius. (ベースライン条件が地中海性気候の冬季気温条件を満たす地域。最寒月の月平均気温は -3 ~ 18 ℃。)」と入力します。
  8. [OK] をクリックします。

    ラスター関数が保存されます。次に、ラスター関数を実行します。

  9. 必要であれば、[ラスター関数] ウィンドウで検索テキストを消去します。[プロジェクト] タブの [Mediterranean-Climate][Mediterranean Baseline Winter Temperature] をクリックします。

    [Mediterranean Baseline Winter Temperature] ラスター関数

    ラスター関数が開きます。

  10. [新しいレイヤーの作成] をクリックします。レイヤーが作成されたら、[Mediterranean] マップ ビューに切り替えます。

    地中海性気候の冬季気温範囲内に収まる場所が、グレーで表示されます。

    地中海性気候の冬季気温範囲を示すマップ

    月平均気温のレイヤーをオフにし、結果レイヤーのシンボルを変更します。そうすることで、世界中のどの地域が正しい気温範囲に収まるかをわかりやすく視覚化できます。

  11. [コンテンツ] ウィンドウで Ctrl キーを押し、任意の表示設定チェックボックスをクリックして、すべてのレイヤーをオフにします。次のレイヤーをオンにします。
    • Mediterranean Baseline Winter Temperature
    • Human Geography Dark Detail
    • ラベル付き起伏図
    • 陰影起伏図 (World Hillshade)
  12. [Mediterranean Baseline Winter Temperature] レイヤーの [シンボル] ウィンドウを開きます。
  13. [配色][黄緑青 (連続)] に変更します。[シンボル] ウィンドウを閉じます。

    レイヤーに透過表示を追加し、その下の大陸が見えるようにします。

  14. [コンテンツ] ウィンドウで、[Meditteranean Baseline Winter Temperature] レイヤーが選択されていることを確認します。[表示設定] タブの [効果] セクションで、[レイヤーの透過表示]を「30.0」% に変更します。

    [レイヤーの透過表示] オプション

    透過表示は自動的に適用されます。

    地中海の冬季気温範囲をシンボル表示したマップ

    レイヤーを見ると、冬季気温が地中海の冬季気温範囲に収まる緯度帯が 2 つあることがわかります。1 つは北半球、もう 1 つは南半球です。これらの緯度帯には入らないいくつかの山地部も、冬季気温が条件を満たしています。

  15. プロジェクトを保存します。

特定の夏季気温のエリアの検索

ケッペンの区分によると、地中海性気候を定義する 2 つ目の条件とは、夏季の最暖月の月平均気温が 10°C (50°F) を超えることです。

ラスター関数を使用して、この条件を満たす場所を特定します。夏季の最暖気温を特定する手順も、冬季の最寒気温を特定する手順と似ています。[Mediterranean Baseline Winter Temperature] ラスター関数のコピーを保存し、それに手を加えていきます。

  1. [関数エディター] ツールバーの [名前を付けて保存] ボタンをクリックします。

    [名前を付けて保存] ボタン

  2. ラスター関数を、以下のパラメーターでもう一度保存します。
    • [名前] に「Mediterranean Baseline Summer Temperature」と入力します。
    • [カテゴリ] には [プロジェクト] を選択します。
    • [サブカテゴリ] には [Mediterranean-Climate] を選択します。
    • [説明] フィールドには、「Locations with baseline conditions that meet the summer temperature requirement of a Mediterranean climate, with the mean monthly temperature of the hottest summer month being greater than 10 degrees Celsius. (ベースライン条件が地中海性気候の夏季気温条件を満たす地域。最暖月の月平均気温は 10℃ を超える。)」と入力します。

    保存すると、[Mediterranean Baseline Summer Temperature] ラスター関数が関数エディターに開きます。このラスター関数を変更しても、冬季のラスター関数には影響はありません。

    また、片方の半球の冬季は、他方の半球の夏季にあたるため、入力を変更する必要もありません。ただし、[セル統計 (Cell Statistics)] ラスター関数については、最小値ではなく最大値を検索するよう編集する必要があります。

  3. [セル統計 (Cell Statistics)] ラスター関数をダブルクリックします。[演算][最大値] を選択します。

    夏季の [セル統計 (Cell Statistics)] ラスター関数パラメーター

  4. [OK] をクリックします。

    また、[再分類 (Remap)] ラスター関数の一部パラメーターも変更します。具体的には、最小値を 10 に、最大値を不自然に高い数字 (200) に設定し、10 を超える値が必ず含まれるようにします。

  5. [再分類 (Remap)] ラスター関数をダブルクリックします。[最小値] を「10」に変更し、[最大値] を「200」に変更します。

    夏季の [再分類 (Remap)] ラスター関数パラメーター

  6. [OK] をクリックします。

    ラスター関数により、地中海の夏季気温条件を満たす地域が特定されます。

  7. ラスター関数を保存します。[Mediterranean] マップ ビューに戻ります。
  8. [ラスター関数]ウィンドウで [Mediterranean Baseline Summer Temperature] 関数を開きます。
  9. [新しいレイヤーの作成] をクリックします。

    地中海性気候の夏季気温範囲を示すマップ

    レイヤーがマップに追加されます。夏季の最高気温が 10°C を超えるすべての地域が表示されます。気温に上限を設けていないため、冬季のレイヤーよりも広い範囲が網羅されています。ここでレイヤーをシンボル化して、マップの他の部分から引き立つように表示します。

  10. [Mediterranean Baseline Summer Temperature] レイヤーの [シンボル] ウィンドウを開きます。[配色] では [黄オレンジ赤 (連続)] を選択します。
  11. [シンボル] ウィンドウを閉じます。
  12. [コンテンツ] ウィンドウで、[Mediterranean Baseline Summer Temperature] レイヤーが選択されていることを確認します。[表示設定] タブの [効果] セクションで、[レイヤーの透過表示]を「40.0」% に変更します。

    これで、冬季レイヤーと夏季レイヤーの両方が表示されるようになります。

    地中海の夏季気温範囲をシンボル表示したマップ

    地中海性気候は、両方のレイヤーが重なる場所になります。ただし、地中海性気候の 3 つ目の条件を満たす場所をまだ指定していません。

  13. 関数エディターを閉じて、プロジェクトを保存します。

降水量レイヤーのモザイク

地中海性気候の 3 つ目の条件は、前述の 2 つの条件よりも少し込み入っています。夏季の最乾燥月の平均月降水量が 30 ミリ (mm) 未満、かつ冬季の最湿潤月の月平均降水量の 3 分の 1 未満である必要があります。

この条件は、夏季と冬季で前述の条件とは異なる定義を使用します。ここでは、夏季と冬季は、3 か月間ではなく、それぞれ 6 か月間としてみなします。この条件では夏季の最小値と冬季の最大値を比較するため、半球ごとに分けて試験する必要があります。

最湿潤月と最乾燥月の月平均降水量を示すレイヤーは、最寒月と最暖月の月平均気温を特定する手順と同じ方法で作成されますが、ここでは気温の NetCDF ファイルではなく、降水量の NetCDF ファイルに基づく入力レイヤーを使用します。

今回の演習用として、各半球の最湿潤月と最乾燥月の月平均降水量に関する情報を含むラスター レイヤーが 4 つ用意されています。

  1. [マップ] タブの [レイヤー] グループにある [データの追加] ボタンをクリックします。

    データの追加ボタン

    [データの追加] ウィンドウが開きます。

  2. [Climate-data] フォルダーを参照し、[mediterranean-precipitation-rasters] フォルダーを開きます。

    このフォルダーには、Driest_Summer_Prec_N.tif、Driest_Summer_Prec_S.tif、Wettest_Winter_Prec_N.tif、Wettest_Winter_Prec_S.tif の 4 つのラスター ファイルが格納されています。ファイル名の「N」と「S」は、「Northern (北半球)」と「Southern (南半球)」を意味します。

  3. Ctrl キーを押し、4 つのラスター ファイルをすべてクリックして [OK] をクリックします。

    ラスターがマップに追加されます。凡例によると、夏季の最乾燥月の降水量は、北半球では 540 mm、南半球では 360 mm ほどとなっています。また、冬季の最湿潤月の降水量は、北半球では 700 mm、南半球では 620 mm ほどです。

    4 つのレイヤーの凡例では、いずれも最小値は 0 となっています。これは、レイヤーでは表されていない半球のデータが 0 に置換されているからです。

  4. 4 つすべての降水量レイヤーをオフにします。Ctrl キーを押し、[Driest_Summer_Prec_N] レイヤーの凡例を折りたたみます。

    すべてのレイヤー凡例が折りたたまれます。

    レイヤーをモザイク処理し、世界の最乾燥月の降水量と、最湿潤月の降水量を表す 2 つのラスター レイヤーを作成します。まず、カスタム レイヤー関数をもう 1 つ作成します。

  5. [解析] タブの [ラスター] カテゴリで、[関数エディター] ボタンをクリックします。
  6. 関数エディターに、4 つの降水量ラスター レイヤーをドラッグします。
  7. [ラスター関数] ウィンドウで [システム] をクリックします。「ラスターのモザイク」を検索します。

    ツールを 2 回実行する必要があります (一度目は最乾燥月の降水量、二度目は最湿潤月の降水量)。

  8. [ラスターのモザイク] 関数を、関数エディターに 2 回ドラッグします。
  9. 夏季の最乾燥月の降水量を含む 2 つのラスター レイヤーを、[ラスターのモザイク] 関数の [ラスター] 位置につなげます。冬季の最湿潤月の降水量を含む 2 つのラスター レイヤーを、他方の [ラスターのモザイク] 関数の [ラスター] 位置につなげます。

    [ラスターのモザイク] ラスター関数

    混乱しないよう、各関数の名前を変更します。

  10. 夏季の最乾燥月の降水量の [ラスターのモザイク] 関数を右クリックし、[名前の変更] を選択します。

    [名前の変更] オプション

  11. Driest Summer Precipitation」と入力して Enter キーを押します。
  12. もう 1 つの [ラスターのモザイク] 関数の名前を「Wettest Winter Precipitation」に変更します。

特定の降水量のエリアの確認

モザイク処理したラスターを入力として使用し、地中海性気候の降水長の条件を満たすエリアを確認します。[Less Than] ラスター関数を使用し、夏季の最乾燥月の降水量が 30 mm 未満、かつ冬季の最湿潤月の降水量の 3 分の 1 未満の場所を特定します。

  1. [ラスター関数] ウィンドウで「Less Than」を検索し、[Less Than] ラスター関数を関数エディターに 2 回ドラッグします。

    このラスター関数は、降水量の条件ごとに 1 回ずつ、合計で 2 回実行します。

  2. [Driest Summer Precipitation] 要素の [出力] 位置と、いずれかの [Less Than] ラスター関数の [ラスター] 位置をつなげます。

    [Driest Summer Precipitation] と [Less Than] ラスター関数を接続

  3. 接続した [Less Than] 関数をダブルクリックして、プロパティを開きます。[ラスター 2] には、「30」と入力します。

    最初の [Less Than] ラスター関数のパラメーター

  4. [OK] をクリックします。

    [30] という新しい要素が関数エディターに追加されます。

  5. 接続した [Less Than] ラスター関数の名前を「Driest Summer Month Is Less Than 30 mm」に変更します。

    降水量が 30 mm 未満の場所を確認するラスター関数

    この [Less Than] 関数の結果、夏季の最乾燥月の降水量が 30 mm 未満の場所を示すラスターが作成されます。

    降水量の 2 つ目の条件とは、夏季の最乾燥月の降水量が、冬季の最湿潤月の降水量の 3 分の 1 未満であるというものです。2 つ目の [Less Than] 関数を使用する前に、Divide 関数を使用して、冬季の最湿潤月の降水量の 3 分の 1 を計算します。

  6. [ラスター関数] ウィンドウで「Divide」を検索し、[Divide] 関数を関数エディターにドラッグします。
  7. [Wettest Winter Precipitation] 関数の [出力] 位置と、[Divide] 関数の [ラスター] 位置をつなげます。
  8. [Divide] 関数をダブルクリックし、プロパティを開きます。[ラスター 2] に「3」と入力し、[OK] をクリックします。

    Divide ラスター関数

    Divide 関数の結果と Driest Summer Precipitation 関数の結果を、2 つ目の Less Than 関数への入力として使用します。

  9. [Driest Summer Precipitation] 関数の [出力] 位置と、2 つ目の [Less Than] 関数の [ラスター] 位置をつなげます。
  10. [Divide] 関数の [出力] 位置と、2 つ目の [Less Than] 関数の [ラスター 2] 位置をつなげます。
  11. 2 つ目の [Less Than] 関数の名前を「Driest Summer Month Is Less Than One Third Wettest Winter Month」に変更します。

    Less Than ラスター関数

降水量の結果の結合

2 つの降水量の条件を満たすエリアを特定するラスター関数が作成されました。最後に、これらの結果を 1 つのラスター レイヤーに組み合わせます。そのためには、Boolean And 関数を使用します。その後、他の条件と同じように、値を再分類します。

  1. [Boolean And] ラスター関数を検索し、関数エディターに追加します。
  2. [Driest Summer Month Is Less Than One Third Wettest Winter Month] および [Driest Summer Month is Less Than 30 mm] 関数の [出力] 位置と、[Boolean And] ラスター関数の [ラスター] および [ラスター 2] 位置をつなげます。

    この関数のパラメーターは、調整の必要はありません。デフォルトで、入力値の交点を示すレイヤーが作成されます。

  3. 関数エディターに [再分類 (Remap)] ラスター関数を追加します。
  4. [Boolean And] 関数の [出力] 位置と、[再分類 (Remap)] 関数の [ラスター] 位置をつなげます。
  5. [再分類] 関数をダブルクリックします。

    Boolean And 関数の結果には、0 と 1 しか含まれません。ここで 1 とは、入力が交差するエリアを表します。最小値と最大値を設定します。「1」をすべて含め、「0」をすべて NoData に変更します。

  6. [最小値] を「1」、[最大値] を「2」、[出力] を「1」に変更します。
  7. [再分類されなかった値を NoData に変更] チェックボックスをオンにします。

    降水量条件の [再分類 (Remap)] ラスター関数パラメーター

  8. [OK] をクリックします。
  9. [関数エディター] ツールバーの [自動レイアウト] ボタンをクリックします。

    降水量条件を決定するラスター関数

    ラスター関数のカスタム設定が完了しました。

  10. [関数エディター] ツールバーの [保存] ボタンをクリックします。
  11. 関数を、以下のパラメーターでもう一度保存します。
    • [名前] に「Mediterranean Summer Precipitation」と入力します。
    • [カテゴリ] には [プロジェクト] を選択します。
    • [サブカテゴリ] には [Mediterranean-Climate] を選択します。
    • [説明] フィールドには「Locations with baseline conditions that meet the summer precipitation requirement of a Mediterranean climate, meaning precipitation for the driest summer month is under 30 mm and less than one third of the wettest winter month. (ベースライン条件が地中海性気候の夏季降水量要件を満たす場所。つまり、夏季の最乾燥月の降水量は 30 mm 未満、かつ冬季の最湿潤月の 3 分の 1 未満。)」と入力します。
  12. 関数エディターを閉じて、プロジェクトを保存します。
  13. [ラスター関数] ウィンドウで [プロジェクト] をクリックします。[Mediterranean Summer Precipitation] ラスター関数を開き、[新しいレイヤーの作成] をクリックします。

    新しいレイヤーがマップに追加されます。

    降水量条件を満たすエリアのマップ

    レイヤーには、主に中緯度の海洋地帯が含まれますが、両極付近の場所も数多く含まれています。全体を見ると、温度レイヤーよりも緯度の分散度が大きいようです。他の条件と同じように、レイヤーをシンボル表示します。

  14. [Mediterranean Summer Precipitation] レイヤーの [シンボル] ウィンドウを開きます。[配色][紫緑 (連続)] を選択します。
  15. [シンボル] ウィンドウを閉じます。
  16. レイヤーの透過表示を「70.0」% に変更します。

    降水量条件を満たすエリアをシンボル表示したマップ

3 つの条件の結合

次に、3 つの条件ラスターを結合し、世界中で地中海性気候に区分される場所を示す最終結果を生成します。

セルが条件を満たす場合、ラスターの値は 1、条件を満たさないセルの場合は NoData となっています。ラスターが交差するエリアを特定するだけです。

  1. [ラスター関数] ウィンドウで、[セル統計 (Cell Statistics)] 関数を検索して開きます。
  2. [ラスター][Mediterranean Summer Precipitation][Mediterranean Baseline Summer Temperature][Mediterranean Baseline Winter Temperature] を選択します。
  3. [演算][合計値] を選択します。[範囲タイプ][共通の範囲] に設定されていることを確認します。

    最後のレイヤーの [セル統計 (Cell Statistics)] ラスター関数パラメーター

    これらのパラメーターを使用すると、生成されるラスターは、3 つすべてのラスターが交わる場所しか表示しません。追加のパラメーターを変更し、生成されるレイヤーの名前と説明を入力します。

  4. パラメーターの一覧の上部にある [一般] をクリックします。
  5. [名前] には「Köppen Mediterranean Climate」と入力します。
  6. [説明] には「Köppen Mediterranean Climate as calculated from mean monthly baseline temperature and precipitation data from 1986-2005 (1986 年~ 2005 年の月平均ベースライン気温および降水量をもとに算出した、ケッペンの地中海性気候)」と入力します。

    [セル統計 (Cell Statistics)] ラスター関数の一般パラメーター

  7. [新しいレイヤーの作成] をクリックします。

    レイヤーがマップに追加されます。

  8. [Mediterranean Summer Precipitation][Mediterranean Baseline Summer Temperature][Mediterranean Baseline Winter Temperature] レイヤーをオフにします。

    地中海性気候のマップ

    地中海性気候の分布は、南北アフリカ、北米西部、オーストラリアおよび南米の一部など、広範囲にわたります。また、海洋地帯も幅広く網羅しています。

    最後にデータをシンボル化し、マップを仕上げます。

  9. [Köppen Mediterranean Climate] レイヤーの [シンボル] ウィンドウを開きます。[配色][黄オレンジ赤 (連続)] に変更します。
  10. [シンボル] ウィンドウを閉じます。レイヤーの透過表示を「30.0」% に変更します。

    地中海性気候をシンボル表示したマップ

    このシンボルを見ると、陸地と海域のうち地中海性気候に分布される場所が一目でわかります。マップの投影法も変更します。

    具体的には、モルワイデ投影法を使用します。これは、地球全体を等しい面積で表示する投影法です。つまり、ラスター セルの歪みは最小限に抑えられます。地球上で、地中海性気候の定義を満たす部分の割合がよくわかります。

  11. [コンテンツ] ウィンドウで、[Mediterranean] をダブルクリックします。

    [マップ プロパティ] ウィンドウが表示されます。

  12. [座標系] タブで「モルワイデ」を検索します。[投影座標系][世界] を展開します。
  13. [モルワイデ (世界)] をクリックします。

    モルワイデ投影法

  14. [OK] をクリックします。

    モルワイデ投影法の地図

    最後に、RCP 8.5 シナリオに基づき、2080 年~ 2099 年のに中海性気候が予測される地域のレイヤーと、この結果を比較します。

    この演習用として、このレイヤーはすでに用意されています。このレイヤーは、ベースライン データで使用したのと同じラスター関数を実行することで作成されましたが、ベースライン データと異常値データの組み合わせを使用しています。

  15. [マップ] タブの [レイヤー] グループにある [データの追加] ボタンをクリックします。
  16. [データの追加] ウィンドウの [climate-data] フォルダーで [mediterranean-rcp-85] フォルダーを開きます。[Koppen_Mediterranean_85_2.tif] を選択し、[OK] をクリックします。

    レイヤーがマップに追加されます。このレイヤーと、先ほど作成したレイヤーを比較する前に、名前を変更してシンボル表示します。

  17. レイヤーの名前を「Köppen Mediterranean Climate RCP 8.5 2080-2099」に変更します。[シンボル] ウィンドウを開き、[配色][Magma] に変更します。
  18. [シンボル] ウィンドウで、レイヤーの透過表示を「40.0」% に変更します。

    最終的なマップ

    RCP 8.5 シナリオでは、地中海性気候の分布は世紀末には変わっていることが予測されます。特に海洋域と北米では縮小し、アラビア半島と北アフリカでも大きな変化が見られます。

  19. プロジェクトを保存します。

このレッスンでは、気候データと ArcGIS Pro で操作する方法について学びました。NetCDF ファイルに基づいてラスター レイヤーを作成し、ベースライン気候データと異常気候データについて学習しました。また、2 つの期間の予想気候を比較しました。さらに、特定の気候の種類と、その分布が予想気象によって変化することを確認しました。

その他のレッスンについては、「Learn ArcGIS Lesson ギャラリー」をご参照ください。