既存市場で成功している店舗の解析

ArcGIS Business Analyst Pro を使用し、現在存在する 9 つのランドリーおよびドライクリーニング施設を解析して、店舗の成功に結び付く地理的属性を理解します。

データ ソースの設定

はじめに、施設と顧客に関するデータを含む ArcGIS Pro プロジェクト パッケージをダウンロードして開きます。 次に、使用する Business Analyst データのデータ ソースを設定します。

  1. Expansion Study.ppkx をダウンロードします。

    ArcGIS ProArcGIS Pro パッケージには、プロジェクト ファイル (.aprk)、ツールボックス (.tbx)、およびジオデータベース (.gdb) が含まれています。

  2. [Expansion Study.ppkx] をダブルクリックして ArcGIS Pro で開きます。 サイン インを求められたら、ArcGIS 組織のアカウントにサイン インします。
    注意:

    ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

    このプロジェクトには、ミシガン州グランドラピッズにある 9 つの既存のランドリー施設のフィーチャ レイヤーと、訪問した店舗に関連する属性を持つ顧客のフィーチャ レイヤーが含まれています。 また、ジムや映画館のフィーチャ レイヤーもあり、ランドリー ドロップオフ サービスを利用している顧客を呼び込んでいます。 さらに、競合他社のコインランドリーの場所を表すフィーチャ レイヤーもあります。

    ミシガン州グランドラピッズの施設フィーチャと顧客フィーチャを表示するマップ ウィンドウ

    最も成功している店舗に存在する属性を確認するには、Business Analyst データを使用して変数を追加します。 正しいデータにアクセスするには、米国のデータを使用するように Business Analyst データ ソースを設定します。

  3. リボンの [解析] タブをクリックします。 [ジオプロセシング] グループで、[環境] をクリックします。

    [解析] タブの [環境] ボタン

    [環境] ウィンドウが表示されます。

  4. [環境] ウィンドウの下部までスクロールします。 [Business Analyst] で、[データ ソース][US (esri2024)] が設定されていることを確認します。
    注意:

    データ ソースが異なる場合は、[参照] ボタンをクリックします。 [Business Analyst データ ソース] ウィンドウで、[北アメリカ] をクリックします。 [アメリカ][Esri 2024] を選択して、[OK] をクリックします。

    [環境] ウィンドウでのデータ ソース パラメーター

    注意:

    ArcGIS Enterprise ユーザーは、GeoEnrichment サービスでデータ ソースを表示するように構成されていることを確認する必要があります。 サービスを構成するには、「ユーティリティ サービスの構成」をご参照ください。

  5. [OK] をクリックします。

    これで、Business Analyst データ ソースは米国の変数にアクセスするように設定されています。

商圏の生成

グランドラピッズの市場にある 2 店舗の業績は、他の 7 店舗を上回っています。 Business Analyst ツールボックスを使用し、売上を伸ばしている店舗に固有の特性を見つけます。

解析では、まず店舗周辺の顧客分布商圏を作成します。 これらの商圏は、各店舗に最寄りの顧客を一定の割合で獲得します。 また、商圏では、売上などの他の属性をキャプチャすることもできます。 最初に作成する商圏は、各店舗の顧客のうち、最寄りの 70% を獲得します。

  1. リボンの [解析] タブをクリックします。 [ジオプロセシング] グループで、[ツール] をクリックします。

    [解析] タブの[ツール] ボタン

    [ジオプロセシング] ウィンドウが表示されます。

  2. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[ツールボックス] タブをクリックします。

    ツールボックス タブ

  3. [Business Analyst ツール] および [商圏] を展開します。 [顧客分布商圏の生成 (Generate Customer Derived Trade Areas)] をダブルクリックします。

    [顧客分布商圏の生成 (Generate Customer Derived Trade Areas)] ツール

    ツールが開きます。 各店舗で獲得している顧客数を決定するパラメーターを設定します。 [店舗 ID] フィールドを使用して、顧客とその主要店舗を関連付けます。

  4. 次のパラメーターを設定します。
    • [店舗] には、[Facilities] を選択します。
    • [店舗 ID フィールド] には、[Store ID] を選択します。
    • [顧客] には、[Customers] を選択します。
    • [関連付けられた店舗 ID フィールド][店舗 ID] を選択します。
    • [出力フィーチャクラス] に「TradeArea_Count」と入力します。
    • [半径 (%)] に「70」と入力します。

    [顧客分布商圏の生成 (Generate Customer Derived Trade Areas)] ツールのパラメーター

    半径の値は、店舗の商圏ポリゴンを定義するために獲得される各店舗の顧客の割合を示しています。 このシナリオでは、各店舗の最寄りの 70% の顧客が各商圏に含まれます。

  5. [実行] をクリックします。

    顧客の商圏を示す新しいレイヤーがマップに追加されます。 商圏には重複がありません。これにより、店舗単位で顧客が区別されるため、便利です。

    各店舗の顧客の 70% を獲得する顧客分布商圏の結果マップ

    次に、各店舗の顧客に対する売上の 70% に基づいて商圏を作成します。 売上に基づいて商圏を作成するには、数ではなく加重に基づいて顧客の売上を集計するようにツールのパラメーターを変更します。

  6. [顧客分布商圏の生成 (Generate Customer Derived Trade Areas)] ウィンドウで、次のパラメーターを変更します。
    • [出力フィーチャクラス] に「TradeArea_Sales」と入力します。
    • [顧客の集計タイプ] には、[加重] を選択します。
    • [顧客加重フィールド] には、[Sales] を選択します。

    顧客分布商圏の生成 (Generate Customer Derived Trade Areas)] ツールの新しいパラメーター

  7. [実行] をクリックします。

    各店舗の売上の合計の 70% を示す新しいレイヤーがマップに追加されます。

    売上の 70% を獲得する顧客分布商圏の結果マップ

    9 店舗のうち 7 店舗で販売商圏が顧客商圏よりも小さくなっていますが、残りの 2 店舗では両方の商圏の大きさがほぼ同じです。 これは、顧客の売上分布がより均一になっていることを示し、つまり、顧客からより多くの収益を得られていることがわかります。 これらの店舗とその他の店舗との違いを理解するため、[Facilities] レイヤーの属性テーブルを調べます。

  8. [コンテンツ] ウィンドウで、[Facilities] を右クリックして、[属性テーブル] を選択します。

    属性テーブル オプション

  9. 属性テーブルの [Sales] 列見出しを右クリックして [降順で並べ替え] を選択します。

    [降順で並べ替え] オプション

    最も売上の多い店舗は Creston と Westside GR です。 これらの店舗には 2 つの臨時駐車場があり、どちらもその店舗専用であるため、駐車場が他社の店舗と共有されず、他社の店舗を訪問する顧客との競争が少なくなります。 空いている駐車場がなければ、顧客は別のランドリーおよびドライクリーニング店まで運転するか、駐車場が利用可能になるまで待機する必要があります。 プレミアム ドロップオフ サービスを使用している顧客にとっては、その便利さが魅力的であり、このため専用駐車場の優先度が高くなります。

  10. 属性テーブルを閉じます。
  11. [クイック アクセス ツールバー][プロジェクトの保存] ボタンをクリックして、プロジェクトを保存します。

    [クイック アクセス ツールバー] の [プロジェクトの保存] ボタン

    ヒント:

    Ctrl + S キーを押してプロジェクトを保存することもできます。 このプロジェクトが ArcGIS Pro の以前のバージョンで作成されたというメッセージが表示された場合は、[はい] をクリックします。

カラー コード マップの作成

賃貸住宅の割合が比較的高く、人口密度が比較的高い地域は、ビジネスの成功にプラスの影響を与えます。 [カラー コード レイヤー] ワークフローを使用すると、Business Analyst からの人口統計変数をコロプレス レイヤーとして追加できるため、これを使用してマーケティング機会を評価できます。 まず、賃貸住宅数のレイヤーを追加します。

  1. [解析] タブの [ワークフロー] グループで、[ビジネス解析] をクリックします。

    [ビジネス解析] ボタン

  2. [一般的なワークフロー] で、[カラー コード レイヤー] をクリックします。

    [カラー コード レイヤー] ボタン

    [データ ブラウザー] ウィンドウが表示されます。 カテゴリ別に整理された、利用可能なデータが表示されます。 データは、プロジェクトのデータ ソースによって決定されます。データ ソースは米国の最新データとなるように設定済みです。 必要な特定の変数を検索します。

  3. 検索バーに「Renter」と入力して Enter キーを押します。
  4. [2024 Renter Occupied HUs] をクリックして選択します。 [%] をクリックして選択し、[#] が選択されていないことを確認します。

    [Renter Occupied HUs] カテゴリ

    注意:

    Business Analyst データは定期的に更新されます。 利用可能な最新のデータをご使用ください。

  5. [OK] をクリックします。

    カラー コード レイヤーが作成され、マップに追加されます。

    このレイヤーには、州や郡などの複数の区画が含まれています。 このレイヤーは縮尺依存であり、表示している縮尺に基づいて最適な区画を表示します。 対象地域を変更して、ミシガン州のみが対象となるようにします。これにより、さらに詳細なレベルにアクセスできます。

  6. [シンボル] ウィンドウで、[対象地域] に「Michigan」と入力し、[Michigan] を選択します。

    対象地域フィールドにある [Michigan]

    マップ範囲が変わり、ミシガン州全体が表示されます。 [コンテンツ] ウィンドウの [カラー コード レイヤー] グループ レイヤーにさらに詳細なレベルが追加されます。

  7. [コンテンツ] ウィンドウで [Facilities] を右クリックして [レイヤーにズーム] をクリックします。

    マップのズームが、分析範囲に戻ります。 この縮尺では、ブロック グループを区画として使用してカラー コード レイヤーが表示されます。 しかし、重なっているレイヤーが多いため、マップが読み取りにくくなります。 一部のレイヤーをオフにして、他のレイヤーを再配置し、見やすくします。 また、カラー コード レイヤーの名前を、よりわかりやすくなるように変更します。

  8. [コンテンツ] ウィンドウで、[カラー コード レイヤー] をクリックして選択します。 再度クリックして名前を編集できるようにし、名前を「Renter Occupied HUs」に変更します。

    [コンテンツ] ウィンドウの [Renter Occupied HUs] レイヤー

  9. [TradeArea_Sales][TradeArea_Count]、および [Customers] レイヤーをオフにして、これらのレイヤーを無効にします。
  10. [Facilities] レイヤーを [Renter Occupied HUs] レイヤーの上までドラッグします。

    新しい位置にある [Facilities] レイヤー

    これで、[Facilities] レイヤーは表示されますが、[Renter Occupied HUs] レイヤーはベースマップを覆い隠します。 透明度を上げて、下にある道路を見やすくします。

  11. [コンテンツ] ウィンドウで、[Renter Occupied HUs] を選択します。
  12. リボンの [カラー コード グループ レイヤー] タブをクリックします。 [効果] グループで [透過表示] に「50」と入力して Enter キーを押します。

    [透過表示] オプション

    レイヤーの透過表示が変わります。

    透過表示のカラー コード レイヤーが表示されたマップ

特定の店舗の調査

2 店舗は、赤色の網掛けで表示された、賃貸住宅の割合が比較的高い地域にあります。 2 店舗を選択し、さらに詳しく調べます。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで [Facilities] を右クリックし、[選択] にポインターを合わせて [このレイヤーのみ選択可能にする] を選択します。
  2. リボンの [マップ] タブをクリックします。 [選択] グループの [選択] ボタンをクリックします。

    選択ボタン

  3. マップ上で、赤いブロック グループにある 2 店舗の周囲にボックスを描画します。

    2 店舗の周囲の選択ボックス

    2 店舗がハイライト表示され、これらの店舗が選択されていることを示しています。

  4. [コンテンツ] ウィンドウで、[Facilities] レイヤーが選択されていることを確認し、Ctrl + T キーを押して、その属性テーブルを開きます。

    属性テーブルと選択された店舗

    属性テーブルでは、選択した 2 店舗が青色でハイライト表示されています。 この店舗は、以前に売上が最も多い店舗として特定した店舗と同じです。 この場所での成功は、新店舗には賃貸住宅の割合が比較的高い地域が効果的であることを示しています。

  5. 属性テーブルを閉じます。

    [カラー コード レイヤー] ツールを再度実行して、事業の成功に影響する可能性があるもう 1 つの変数である人口密度データを追加し、成功している 2 店舗が人口密度の高い地域にあるのかどうかを確認します。

  6. [コンテンツ] ウィンドウで、[Renter Occupied HUs] をオフにして無効にします。
  7. リボンの [解析] タブをクリックします。 [ワークフロー] グループで [ビジネス解析] をクリックして [カラー コード レイヤー] を選択します。
  8. [データ ブラウザー] ウィンドウで「Population Density」を検索します。 [2024 Population Density] を選択します。

    Population Density 変数

  9. [OK] をクリックします。

    カラー コード レイヤーがマップに追加されます。

  10. [シンボル] ウィンドウで、[対象地域] に「Michigan」と入力し、Enter キーを押します。
  11. [コンテンツ] ウィンドウで、[カラー コード レイヤー] の名前を「Population Density」に変更します。
  12. [Facilities] を右クリックして [レイヤーにズーム] を選択します。 [Facilities] レイヤーを [Population Density] レイヤーの上にドラッグします。

    これで、成功している施設と人口密度のマップを比較できるようになりました。

    人口密度がブロック グループ単位で表示された [カラー コード レイヤー (Color Coded Layer)] ツールのマップ結果

    業績の最も高い 2 店舗も、オレンジ色で表示された、比較的人口密度の高い地域にあります。 人口密度が高い地域 (赤色で表示) は主要都市部の市場に多く、競争が飽和しており参入コストが高くつくため、適していないかもしれません。

  13. リボンの [マップ] タブをクリックします。 [選択] グループで、[選択解除] をクリックします。

    選択解除ボタン

    2 店舗が選択されなくなりました。

  14. [ナビゲーション] グループの [マップ操作] ボタンをクリックします。

    これで、フィーチャを選択する代わりに、通常どおりマップを操作できるようになりました。

  15. [コンテンツ] ウィンドウで、[Population Density] レイヤーをオフにします。
  16. プロジェクトを保存します。

ここでは、Business Analyst ツールおよびデータを活用し、最も成功している 2 店舗に影響を与えている変数を解析しました。 次に、この情報を適用して周辺地域における市場の適合性解析を行います。


適合性の高い市場の決定

前回は、既存の市場で成功した店舗の特性を分析しました。 次に、適合性解析を実行し、最適な市場候補を決定します。 適合性解析は、人口密度などの条件を追加し、店の成功に対する重要性に従って条件を重み付けし、これらの重みに基づいて合計スコアを計算します。 合計スコアは、ロケーションをランク付けして最適な候補地を決定する、最終的な適合性解析レイヤーの一部です。

適合性解析レイヤーの作成

条件を追加する前に、[適合性解析レイヤーの作成] ツールを使用して解析エリアを定義します。 現在、ミシガン州のグランドラピッズに 9 店舗を所有し、解析エリアを広大な五大湖地域に定義するとします。 この地域には、スペリオル湖、ミシガン湖、ヒューロン湖、エリー湖、およびオンタリオ湖と国境を接する州の一部が含まれています。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Candidate Markets] を右クリックして [レイヤーにズーム] をクリックします。

    [Candidate Markets] レイヤーには、米国の中西部全体で選択した郡の市場エリア候補が含まれています。

    五大湖地域の潜在的な市場候補となる郡

    最適な市場エリアを見つけるために、適合性解析を行います。

  2. リボンの [解析] タブをクリックします。 [ワークフロー] グループで、[ビジネス解析] ボタンをクリックします。
  3. [一般的なワークフロー] で、[適合性解析] を選択します。

    [適合性解析] ボタン

    [ジオプロセシング] ウィンドウで、[適合性解析レイヤーの作成 (Make Suitability Analysis Layer)] ツールが開きます。

  4. [入力フィーチャ] には、[Candidate Markets] を選択します。 [レイヤー名] に「New Market Suitability Analysis」と入力します。

    [適合性解析レイヤーの作成 (Make Suitability Analysis Layer)] ツールのパラメーター

  5. [実行] をクリックします。

    このツールの実行が終了すると、[New Market Suitability Analysis] レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。

  6. [コンテンツ] ウィンドウで、[Candidate Markets] レイヤーをオフにします。

変数に基づく条件の追加

Business Analyst から変数をカラー コード レイヤーとして追加できるほか、適合性解析の条件として変数を追加することもできます。 以下の変数を追加します。

Business Analyst 変数説明

2024 Renter Occupied HUs (Housing Units): Percentage

2021 年に賃貸住宅が占める住宅の割合

2024 Daytime Population Density

営業時間中のみに存在する 1 平方マイルあたりの人口の密度

2022 Workers 16+: Walked (ACS 5-Yr): Percentage

アメリカ合衆国国勢調査局の American Community Survey (ACS) による、徒歩で職場に通う 16 歳以上の人口の割合

2022 Workers 16+: Public Transportation (ACS 5-Yr): Percentage

アメリカ合衆国国勢調査局の American Community Survey (ACS) による、公共交通機関を使用して職場に通う 16 歳以上の人口の割合

2024 Coin-Op Apparel Laundry & Dry Cleaning: Index

平均的な消費傾向と比較して、このサービスに多くの費用を支払う傾向がある人々

2024 Apparel Laundry/Dry Cleaning: Index

平均的な消費傾向と比較して、このサービスに多くの費用を支払う傾向がある人々

注意:

Business Analyst で使用できる変数の詳細については、「Business Analyst Variable and Report List」をご参照ください。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[New Market Suitability Analysis] を選択します。
  2. リボンで [適合性解析] タブをクリックします。

    [適合性解析] コンテキスト タブ

  3. [条件] グループで、[条件の追加] ボタンをクリックします。

    [条件の追加] ボタン

    [ジオプロセシング] ウィンドウに、[変数に基づく適合性条件の追加 (Add Variable Based Suitability Criteria)] ツールが表示されます。

  4. [変数] で追加ボタンをクリックします。

    追加ボタン

    [データ ブラウザー] ウィンドウが表示されます。

  5. [データ ブラウザー] ウィンドウで、次の変数を検索して選択します。
    • [2024 Renter Occupied HUs] - [%] を選択し、[#] を選択解除します。
    • 2024 Population Density

    データ ブラウザーでは、[選択した変数] ウィンドウに選択内容が記録されます。 このウィンドウは、いつでも開いて選択内容を表示または編集できます。

  6. [選択した変数] ボタンをクリックします。

    [データ ブラウザー] ウィンドウの [選択した変数] ボタン

    ウィンドウに、以前に選択した 2 つの変数が表示されます。 [選択した変数] ボタンには、選択された変数の合計も表示されます。

  7. [選択した変数] ボタンをクリックして、ウィンドウを閉じます。
  8. Apparel」を検索し、以下の変数を選択します。
    • [2024 Coin-Op Apparel Laundry/Dry Cleaning] - [インデックス] を選択し、[#] を選択解除します。
    • [2024 Apparel Laundry/Dry Cleaning] - [インデックス] を選択し、[#] を選択解除します。

    インデックスとして選択されている、[Coin-Op Apparel Laundry/Dry Cleaning] 変数と [Apparel Laundry/Dry Cleaning] 変数

    [Coin-Op Apparel Laundry/Dry Cleaning] 変数は、徒歩で店舗を訪れる顧客のプロキシ変数として使用されます。 関連する [Apparel Laundry/Dry Cleaning] 変数は、車で店舗を訪れる顧客のプロキシ変数として機能します。

    インデックス変数は、特定のエリアのアクティビティへの関与確率を、全国平均 (100 という指数値で表される) と比較して計測します。 指数が 100 を超える場合、そのエリアの人々がそのアクティビティを行う確率が高いことを意味します。 指数が 200 の場合、住民が全国平均と比較してそのアクティビティを行う確率が 2 倍高いことを示しています。

  9. Workers」を検索します。 次の変数を選択します。
    • [2022 Workers 16+: Walked (ACS 5-Yr)] - [%] を選択し、[#] を選択解除します。
    • [2022 Workers 16+: Public Transportation (ACS 5-Yr)] - [%] を選択し、[#] を選択解除します。

    [ACS Workers 16+: Public Transportation] 変数と [ACS Workers 16+: Walked] 変数

    コイン ランドリーを使用する徒歩の顧客と、徒歩または公共交通機関で通勤する割合が比較的高いエリアとの間には、正の相関関係があります。

  10. 6 つの変数が選択されていることを確認したら、[OK] をクリックします。

    選択された変数が [変数に基づく適合性条件の追加 (Add Variable Based Suitability Criteria)] ツールのウィンドウに追加されます。

    [変数に基づく適合性条件の追加 (Add Variable Based Suitability Criteria)] ツールのパラメーター

    ツールを実行する前に、変数のリストを保存して、後続の解析ですぐに再度アクセスできるようにします。

  11. リストの下にある [リストの保存] をクリックします。 リストに「Laundry Market Criteria」という名前を付けて、[OK] をクリックします。
  12. [実行] をクリックします。

    このツールの実行が終了すると、変数は属性として [New Market Suitability Analysis] レイヤーに追加され、それらの値を表示するためにレイヤーのシンボルが変更されます。

    再計算された市場候補を表示するマップ

    これらは市場エリアの最終スコアではありません。 競合他社と都市の規模に関する情報を追加します。

ポイント レイヤーに基づく条件の追加

次に、中規模の都市と競合他社に関する条件を追加します。 人口が 10 ~ 35 万人と定義されている中規模の都市や、競合他社の少ないエリアは優位性があると見なされ、ビジネスの成功につながります。 一方、大都市は競争が飽和している傾向にあり、参入するには非常に費用がかかります。

  1. リボンの [適合性解析] タブの [条件] グループで、[条件の追加] ドロップダウン メニューをクリックし、[ポイント レイヤーの追加] を選択します。

    [ポイント レイヤーの追加] オプション

  2. [ポイント レイヤーに基づく適合性条件の追加 (Add Point Layer Based Suitability Criteria)] ツールのウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
    • [入力適合性解析レイヤー] には、[New Market Suitability Analysis] を選択します。
    • [サイト レイヤーの ID フィールド] には、[IDField] を選択します。
    • [ポイント フィーチャ][Competitors] を選択します。

    [ポイント レイヤーに基づく適合性条件の追加 (Add Point Layer Based Suitability Criteria)] ツールのパラメーター

  3. [実行] をクリックします。

    各市場候補は、その中に存在する競合他社の数に基づいてスコア付けされます。 次に、中規模の都市を重心ポイントとしてカウントするための条件を追加します。 重心はフィーチャの地理的中心であり、この場合は都市の中心点になります。

  4. [ポイント フィーチャ] で、[Mid-sized Cities] を選択します。

    [ポイント レイヤーに基づく適合性条件の追加 (Add Point Layer Based Suitability Criteria)] ツールのパラメーターと中規模都市

  5. [実行] をクリックします。

    市場候補の適合性解析のすべての条件が追加されました。

  6. [コンテンツ] ウィンドウで、[New Market Suitability Analysis] が選択されていることを確認します。
  7. [適合性] タブの [条件] グループで、[適合性解析ウィンドウ] をクリックします。

    [適合性解析ウィンドウ] ボタン

    [適合性解析] ウィンドウが表示されます。

    Business Analyst から追加した、各変数に基づく条件と、先ほど追加した、ポイントに基づく 2 つの基準がこのウィンドウに表示されます。 最初は、すべての条件が均等に重み付けされていますが、この値を調整して条件の重要性の高低を示すことができます。 現在のところは、競合他社の変数の影響を調整します。

  8. [適合性解析] ウィンドウの [Competitors 数] で、[影響度][負] に変更します。

    Competitors 数の影響パラメーター

    デフォルトでは、[影響度][正] に設定されており、値が高いほどスコアも高くなります。 市場候補での競合は少ないほど魅力的であるため、[影響度][負] に設定することで、値が低いほど高いスコアが返されるようになります。 新しい適合性スコアが自動的に計算され、マップに反映されます。

    結果のマップは、市場候補の最終的なランキングを示しています。

    各市場候補の最終的な適合性スコアは、3 つの場所 (マップ、属性テーブル、および [コンテンツ] ウィンドウ) に返されます。 属性テーブルから最高スコアの候補を選択して、解析エリアを絞り込みます。

  9. [コンテンツ] ウィンドウで、[候補地] を右クリックして、[属性テーブル] を選択します。
  10. 属性テーブルで [最終スコア] を右クリックし、[降順で並べ替え] を選択します。
    注意:

    右にスクロールして、属性を検索する必要があります。

  11. 最初の行を選択して [ズーム] をクリックします。

    ズーム ボタン

    最も高い適合性スコアを持つ市場エリアは、ウィスコンシン州デーン郡です。

    最も高い適合性スコアでシンボル表示されたデーン郡

  12. 属性テーブルと [適合性解析] ウィンドウを閉じます。 プロジェクトを保存します。

関連性の高い条件を使用して適合性解析を実行することで、新たな市場拡大先の検索を絞り込むことができました。 次に、サブマーケットに同じ条件を適用し、その後に候補地にも同じ条件を適用することで、この解析をさらに進めていきます。


適合性の高いサブマーケットの決定

前回は、ArcGIS ProBusiness Analyst ツールを使用して適合性解析を実行し、適合性の高い市場エリアを選択しました。 次に、デーン郡のサブマーケットの適合性を調査します。 サブマーケットは、国勢調査地区の小区分であるブロック グループのサイズと、人口統計が報告される地理的最小単位です。 適合性の高いサブマーケットが選択できたら、同じ適合性解析方法を使用して特定の候補地を決定します。

ブロック グループの生成

サブマーケットを調査するには、[重複する区画ポリゴンの生成 (Generate Geographies From Overlay)] ツールを使用し、デーン郡にブロック グループを追加します。 実行中に、郡などの個別のフィーチャが選択されている場合、ツールはその郡内にあるブロック グループの区画のみを返します。

  1. マップでデーン群を表すフィーチャが選択されていることを確認します。
    注意:

    デーン群が選択されていない場合は、属性テーブルまたは [選択] ツールを使用して選択できます。

  2. [ジオプロセシング] ウィンドウの [戻る] ボタンをクリックします。

    戻るボタン

  3. generate geographies」を検索し、[重複する区画ポリゴンの生成 (Generate Geographies From Overlay)] を選択します。

    [重複する区画ポリゴンの生成 (Generate Geographies From Overlay)] ジオプロセシング ツール

  4. [重複する区画ポリゴンの生成 (Generate Geographies From Overlay)] ツールのウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
    • [区画レベル][Block Groups (US.BlockGroups)] を選択します。
    • [入力フィーチャ][New Market Suitability Analysis\Candidate Sites] を選択します。
    • [ID フィールド][IDField] を選択します。
    • [出力フィーチャクラス] に「Submarkets」と入力します。
    • [リレーションシップ][重心が含まれる] を選択します。

    [重複する区画ポリゴンの生成 (Generate Geographies From Overlay)] ツールのパラメーター

    [選択されているレコードを使用] がオンになっているため、選択されている郡であるデーン群にのみツールが実行されます。

  5. [実行] をクリックします。

    このツールの実行が終了すると、[Submarkets] レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウに追加され、マップに表示されます。

    マップに表示されたデーン群のサブマーケット

    注意:

    [Submarkets] レイヤーのデフォルトのシンボルは、画像例とは異なる場合があります。

適合性解析レイヤーの作成

拡大の可能性が最も高いサブマーケットを特定するには、[Submarkets] レイヤーから適合性解析レイヤーを作成します。 以前に市場の場所を選定するために使用した条件と同じ適合性解析の条件を使用します。

  1. リボンの [解析] タブをクリックします。 [ワークフロー] グループで [ビジネス解析] をクリックして [適合性解析] を選択します。
  2. [適合性解析レイヤーの作成] ツールのウィンドウにある [入力フィーチャ][Submarkets] を選択します。 [レイヤー名] に「Submarket Suitability Analysis」と入力します。

    サブマーケットの [適合性解析レイヤーの作成 (Make Suitability Analysis Layer)] ツールのパラメーター

  3. [実行] をクリックします。

    [Submarket Suitability Analysis] レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。

  4. [コンテンツ] ウィンドウで、[Submarkets] および [New Market Suitability Analysis] レイヤーをオフにします。

変数に基づく条件の追加

[New Market Suitability Analysis] レイヤーで使用されていたのと同じ変数に基づく条件を、[Sub Market Suitability Analysis] レイヤーに追加します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Sub Market Suitability Analysis] レイヤーを選択します。
  2. リボンで [適合性解析] タブをクリックします。 [条件] グループで、[条件の追加] ドロップダウン メニューをクリックし、[データ ブラウザーから変数を追加] を選択します。

    [変数に基づく適合性条件の追加 (Add Variable Based Suitability Criteria)] ツールのウィンドウが表示されます。

  3. [変数] の横にある [追加] ボタンをクリックします。

    [データ ブラウザー] ウィンドウが表示されます。 適合性の高いマーケットを決定したときに使用したものと同じ 6 つの変数を選択します。 これらの変数をリストとして保存したため、個別に選択する必要がなく、すばやくアクセスすることができます。

  4. [データ ブラウザー] ウィンドウで、[変数リスト] タブをクリックします。

    [変数リスト] タブ

  5. [Laundry Market Criteria (6)] をダブルクリックします。 [Laundry Market Criteria] の横のチェックボックスをオンにし、リスト内の 6 つの変数すべてを選択します。

    すべての変数を選択済みの [Laundry Market Criteria] リスト

  6. [OK] をクリックします。

    6 つの変数が [変数に基づく適合性条件の追加 (Add Variable Based Suitability Criteria)] ツール ウィンドウに追加されます。

    6 つの変数が表示されたツール ウィンドウ

  7. [実行] をクリックします。

    変数が加重の条件として [Submarket Suitability Analysis] レイヤーに追加されます。 レイヤーが自動的に適合性スコアを再計算した後、レイヤーのシンボルが更新されます。 この結果、郡の中心近くに、赤色で網掛けされた非常に適合性の高いブロック エリアのクラスターが表示されています。

    サブマーケット適合性解析の結果を表示する結果マップ

    これらの地域の特性を十分に理解するために、[Sub Market Suitability Analysis] レイヤーの透過表示を調整します。

  8. [コンテンツ] ウィンドウで、[Submarket Suitability Analysis] レイヤーを選択します。
  9. リボンの [グループ レイヤー] タブをクリックします。 [効果] グループで、レイヤーの透過表示を「70.0%」に調整して Enter キーを押します。

    これで、ベースマップがさらに見やすくなりました。

  10. ズームして都市を調査します。

    この地域には、人口が 10 ~ 30 万人の中規模都市であるウィスコンシン州マディソン市が含まれています。 また、ウィスコンシン大学マディソン校がここにあり、徒歩による交通量が多い可能性を示しています。

    最も高い適合性スコアを持つブロック グループを拡大したマップ

    拡大可能な地域を特定し、利用可能な商業用地を確認する準備ができました。 詳細に解析して最適な場所の特定に使用できるサイトが 3 つあります。

  11. プロジェクトを保存します。

ウィスコンシン州マディソン市周辺のサブマーケットにマーケット分析を絞り込みました。 次に、同じ適合性条件を適用して、適合性の高い候補地を決定します。


候補地の確定

前回は、ウィスコンシン州マディソン市にある適合性の高いサブマーケットを決定しました。 今回は、同じ適合性条件を適用して、ビジネスの拡大先とする特定の候補地を決定します。

リング商圏の生成

最終的な解析を始める前に、3 つのサイトのそれぞれの周囲に 0.5 マイルのリングを作成します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Candidate Sites] レイヤーをオンにします。
  2. [ジオプロセシング] ウィンドウの [戻る] ボタンをクリックします。

    戻るボタン

  3. [リング商圏の生成 (Generate Trade Area Rings)] ツールを検索して開きます。
    ヒント:

    検索バーを使用してこのツールを検索することができます。または、[商圏] ツールボックスでこのツールを見つけることができます。

  4. [リング商圏の生成 (Generate Trade Area Rings)] ツールのウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
    • [入力フィーチャ] には、[Candidate Sites] を選択します。
    • [出力フィーチャクラス] に「Candidate_Sites_Rings」と入力します。
    • [距離] に「0.5」と入力します。
    • [距離単位][マイル] が選択されていることを確認します。
    • [ID フィールド][ID] を選択します。

    [リング商圏の生成 (Generate Trade Area Rings)] ツールのパラメーター

  5. [実行] をクリックします。

    ツールを実行すると、3 つの候補地のそれぞれの周囲に 0.5 マイルのリングが追加されます。

    マップ上の 3 つの候補地の周囲にある 0.5 マイルのリング

    適合性解析にはポリゴンの入力が必要になるため、これらの 0.5 マイルのリングを使用して 3 つのサイトの比較およびスコア付けを行います。 このワークフローでは 3 つの条件タイプがすべて使用されますが、最初に適合性解析レイヤーを作成します。

  6. リボンの [解析] タブをクリックします。 [ワークフロー] グループで [ビジネス解析] をクリックして [適合性解析] を選択します。
  7. [適合性解析レイヤーの作成 (Make Suitability Analysis Layer)] ツールのウィンドウにある [入力フィーチャ][Candidate_Sites_Rings] を選択します。 [レイヤー名] に「Suitability Analysis Candidate Sites」と入力します。

    [適合性解析レイヤーの作成 (Make Suitability Analysis Layer)] ツールのパラメーター

  8. [実行] をクリックします。

    このツールが実行され、[Suitability Analysis Candidate Sites] レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。 このレイヤーは [Candidate_Sites_Rings] と同じフィーチャおよび属性が含まれていますが、適合性解析ツールにアクセスできるようになりました。

  9. [コンテンツ] ウィンドウで、[Candidate_Sites_Rings] をオフにします。

フィールドに基づく条件の追加

フィールドに基づく条件は、候補地の属性を使用して、臨時駐車場の利用可否と、それが専用駐車場かどうかに関して設定します。 既存の店舗を解析したところ、これらの属性は、プレミアム ドロップオフ サービスのユーザーからの売上の増加と相関していることがわかりました。

特に、次の属性を使用します。

  • [Tmp Parking Spots] - 利用可能な臨時駐車場の数
  • [Pct Parking Assigned] - 店舗専用の臨時駐車場の割合
  1. [コンテンツ] ウィンドウで [Suitability Analysis Candidate Sites] レイヤーを選択します。
  2. リボンで [適合性解析] タブをクリックします。 [条件] グループで [条件の追加] ドロップダウン メニューをクリックして [入力レイヤーからフィールドを追加] を選択します。

    [フィールドに基づく適合性条件の追加 (Add Field Based Suitability Criteria)] ウィンドウが表示されます。

  3. [フィールドに基づく適合性条件の追加 (Add Field Based Suitability Criteria)] ウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
    • [入力適合性解析レイヤー][Suitability Analysis Candidate Sites] が選択されていることを確認します。
    • [フィールド][Tmp Parking Spots][Pct Parking Assigned] を選択します。

    [フィールドに基づく適合性条件の追加 (Add Field Based Suitability Criteria)] ツールのパラメーター

  4. [実行] をクリックします。

    [Suitability Analysis Candidate Sites] レイヤーのシンボルが、選択された 2 つの属性に基づいて更新されます。

    条件に基づいて表示設定されたリング

ポイント レイヤーに基づく条件の追加

次に、ポイント レイヤーに基づく条件を追加し、映画館、ジム、および競合他社との近接性に基づいて各サイトをスコア付けします。

  1. 必要に応じて、[コンテンツ] ウィンドウで [Suitability Analysis Candidate Sites] を選択します。
  2. [適合性解析] タブの [条件] グループで、[条件の追加] ドロップダウン メニューをクリックし、[ポイント レイヤーの追加] を選択します。
  3. [ポイント レイヤーに基づく適合性条件の追加 (Add Point Layer Based Suitability Criteria)] ツールのウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
    • [サイト レイヤーの ID フィールド][ID] を選択します。
    • [ポイント フィーチャ][Competitors] を選択します。
    • [条件タイプ][最小距離] を選択します。
    • [距離タイプ] で、[直線] が選択されていることを確認します。
    • [計測単位] で、[マイル] が選択されていることを確認します。

    [ポイント レイヤーに基づく適合性条件の追加 (Add Point Layer Based Suitability Criteria)] ツールのパラメーター

  4. [実行] をクリックします。

    ツールが実行され、各候補地の最寄りの競合他社までの直線距離に基づいてスコア付けする条件が作成されます。 先ほど、ジムや映画館がプレミアム ドロップオフ サービスの顧客に魅力的な効果をもたらすことについて説明しました。 このような顧客には、洗濯物をサービスに出している間にジムや映画館を訪れる傾向があります。

    次に、ツール パラメーターを編集し、映画館をポイントに基づく条件として追加します。

  5. [ポイント レイヤーに基づく適合性条件の追加 (Add Point Layer Based Suitability Criteria)] ツールのウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
    • [ポイント フィーチャ][Theaters] を選択します。
    • [条件タイプ][個数] を選択します。

    [ポイント レイヤーに基づく適合性条件の追加 (Add Point Layer Based Suitability Criteria)] ツールでの映画館のパラメーター

  6. [実行] をクリックします。

    各リング商圏内の劇場の数に基づいて [Suitability Analysis Candidate Sites] レイヤー内のそれぞれの位置に条件が追加されます。 ツールを再度編集し、ポイントに基づく条件としてジムを追加します。

  7. [ポイント レイヤーに基づく適合性条件の追加 (Add Point Layer Based Suitability Criteria)] ツールのウィンドウにある [ポイント フィーチャ][Gyms] を選択します。
  8. [実行] をクリックします。

    [Suitability Analysis Candidate Sites] の各リング商圏内にあるジムの数に基づく条件が作成されました。

変数に基づく条件の追加

[Suitability Analysis Candidate Sites] レイヤーに追加する最後の条件タイプは、変数に基づく条件です。 以前の適合性解析で使用したものと同じ変数リストを使用します。

  1. 必要に応じて、[コンテンツ] ウィンドウで [Suitability Analysis Candidate Sites] を選択します。
  2. [適合性解析] タブの [条件] グループで、[条件の追加] ドロップダウン メニューをクリックし、[データ ブラウザーから変数を追加] を選択します。

    [変数に基づく適合性条件の追加 (Add Variable Based Suitability Criteria)] ツールのウィンドウが表示されます。

  3. [変数] の横にある [追加] ボタンをクリックします。
  4. [データ ブラウザー] ウィンドウで、[変数リスト] タブをクリックしてから [Laundry Market Criteria (6)] をダブルクリックします。
  5. [Laundry Market Criteria] の横のチェックボックスをオンにして、リスト内の 6 つの変数すべてを選択します。 [OK] をクリックします。

    選択された変数が [変数に基づく適合性条件の追加] ウィンドウに追加されます。

    変数のリスト

  6. [実行] をクリックします。

    選択された変数が条件として追加されます。 レイヤーのシンボルが更新され、新しい条件スコアが反映されます。

適合性条件の加重の調整

最終スコアを計算する前に、[適合性解析] ウィンドウですべての適合性条件を確認します。 条件に加重値を割り当てることで、より重要な条件が適合性スコアに大きな影響を与えるようになります。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Suitability Analysis Candidate Sites] レイヤーが選択されていることを確認します。 [適合性解析] タブの [条件] グループで、[適合性解析ウィンドウ] をクリックします。

    [適合性解析] ウィンドウが表示されます。 適合性スコアを計算するために使用されるすべての条件が一覧表示されます。

    臨時駐車場の存在により、プレミアム ドロップオフ サービスの顧客が大幅に増加することが既存の市場で示されているため、これらの条件の加重を増加します。

  2. [適合性解析] ウィンドウで [設定] をクリックします。

    設定タブ

  3. [加重] タブをクリックします。
  4. [Tmp Parking Spots] 条件で、加重を「17」パーセントに変更します。 ロック ボタンをクリックします。

    Tmp Parking Spots 条件の加重

    値をロックすると、加重にその他の条件への変更が影響しないようになります。

  5. [Pct Parking Assigned] で加重を「17」に変更します。 ロック ボタンをクリックします。

    条件の加重を変更すると、その他のすべての条件で分散が均等になるように加重が再計算されます。 [Tmp Parking Spots][Pct Parking Assigned] の値をロックしたため、これらの条件は再分散の対象から除外され、値 (17) が保持されました。

    条件の追加と加重が完了しました。 マップ上では、適用された条件に基づいて最も高く評価された候補地の商圏が赤で表示されています。 この場合、University Lake が最適なサイトです。

  6. [コンテンツ] ウィンドウで、[Submarket Suitability Analysis] レイヤーをオフにします。

    候補地の適合性解析のマップ結果

  7. プロジェクトを保存します。

ここでは、9 つの市場候補から最も適合性の高い市場内の適切な地区に検索を絞り込んだ後に、最適なサイトを特定しました。 次に、結果を詳細に検証するために、選択したサイトに関する一連のインフォグラフィックスとサマリー レポートを作成します。


サマリー レポートの生成

前回は、ビジネスの拡大先に適した最終的なサイトを決定しました。 次に、インフォグラフィックスとレポートを生成し、サイトの詳細を把握します。 サマリー レポートとインフォグラフィックスを実行する前に、[リング商圏の生成 (Generate Trade Area Rings)] ツールをもう一度実行して、距離がそれぞれ 0.5 マイルと 3 マイルの 2 つのリングを作成しておきます。 0.5 マイルの商圏は徒歩で訪れる潜在的な顧客のエリアを表し、3 マイルの商圏は車で訪れる潜在的な顧客のエリアを表します。

リング商圏の生成

商圏を作成する前に、商圏の作成がこの 1 つの場所に制限されるように、最高スコアの候補地を選択します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[候補地] レイヤーを [描画順序] リストの一番上にドラッグします。

    [描画順序] リストの一番上にある [候補地] レイヤー

  2. [候補地] レイヤーを右クリックし、[選択] にポインターを合わせて、[このレイヤーのみ選択可能にする] を選択します。
  3. リボンの [マップ] タブの [選択] グループで、[選択] ボタンをクリックします。
  4. マップ中央の暗い赤色のリングで囲まれている [University Lake] 候補地ポイント フィーチャをクリックし、選択します。

    最高スコアの候補地である University Lake

    次に、2 つのリング商圏を作成します。

  5. [ジオプロセシング] ウィンドウの [戻る] ボタンをクリックします。 [リング商圏の生成 (Generate Trade Area Rings)] ツールを検索して開きます。
  6. 次のパラメーターを設定します。
    • [入力フィーチャ] で、[候補地] を選択します。
    • [出力フィーチャクラス] に「Selected_Site_Rings」と入力します。
    • [距離] に「0.5」と入力して Enter キーを押します。 次のテキスト ボックスに「3」と入力します。
    • [ID フィールド][ID] を選択します。

    [リング商圏の生成 (Generate Trade Area Rings)] ツールのパラメーター

  7. [実行] をクリックします。

    0.5 マイルと 3 マイルのリング商圏が作成され、マップに追加されます。

  8. [コンテンツ] ウィンドウで [Suitability Analysis Candidate Sites] レイヤーをオフにします。

    University Lake サイトの周囲の 0.5 マイルと 3 マイルのリング商圏のマップ

サマリー レポートの作成

サマリー レポートを作成する際の入力として、リング商圏を使用します。

  1. [ジオプロセシング] ウィンドウの [戻る] ボタンをクリックします。 [サマリー レポート (Summary Reports)] ツールを検索し、開きます。
  2. [サマリー レポート (Summary Reports)] ツール ウィンドウの [境界レイヤー] で、[Selected_Site_Rings] を選択します。
  3. [レポートの作成] で、[Community Profile][Demographic and Income Profile][Housing Profile]、および [Market Profile] を追加します。

    レポートの作成のパラメーター

    次に、出力場所を指定します。

  4. [出力フォルダー] で、[参照] ボタンをクリックします。

    参照ボタン

  5. [出力フォルダー] ウィンドウの [プロジェクト] の下で、[フォルダー] をクリックして [Expansion_Study] を選択します。 [OK] をクリックします。

    次に、[レポート ヘッダー オプション] パラメーターの値を設定します。 これらのパラメーターは、表示されたデータの各セクションに対応する入力ポリゴンを示す情報をレポート ヘッダーに追加します。

  6. [レポート ヘッダー オプション] セクションを展開して、次のパラメーターに値を設定します。
    • [店舗 ID フィールド][ID] を選択します。
    • [店舗名フィールド][Name] を選択します。
    • [店舗緯度フィールド][STORE_LAT] を選択します。
    • [店舗経度フィールド][STORE_LON] を選択します。
    • [リング ID フィールド][RING] を選択します。
    • [説明フィールド][AREA_DESC] を選択します。

    [サマリー レポート (Summary Reports)] ツールのレポート ヘッダー オプション

    このツールはクレジットを消費します。 実行する前に、利用可能以上のクレジットを消費しないことを確認するために、クレジットを見積もります。

  7. ツールの上部にある [クレジットの推定] をクリックします。

    クレジットを見積もるためのボタン

    このツールは 40 クレジットを消費します。 アカウントで利用可能なクレジット数が表示されます。

    注意:

    このツールを実行するために十分なクレジットを持っていない場合は、クレジットの取得のサポートについて、ArcGIS 組織の管理者にお問い合わせください。

  8. [実行] をクリックします。

    ツールが完了すると、ツールのプロセスに関する詳細の表示とレポート履歴を開くオプションが付いたメッセージが表示されます。 ツールの詳細から、出力ディレクトリを直接クリックしてレポートを開くことができます。

    [ジオプロセシング] ウィンドウの下部で、[詳細の表示] をクリックします。

    [詳細の表示] ボタン

    詳細ウィンドウが表示されます。

  9. 詳細ウィンドウで [パラメーター] タブをクリックします。 [出力ファイル] で、末尾が [Community Profile.PDF] の最初のディレクトリをクリックします。

    レポートが PDF ドキュメントとして表示されます。

    University Lakes の住宅プロファイルのサマリー レポート

    レポートは画面に表示できるほか、印刷したり、ファイルとして共有したりできます。

  10. レポートを閉じて ArcGIS Pro に戻ります。
  11. 詳細ウィンドウを閉じて、プロジェクトを保存します。

インフォグラフィックスの作成

次に、拡大先のサイトの周辺地区の特性の理解を深めるために、一連のインフォグラフィックスを作成します。 インフォグラフィックスは、グラフィカルに拡張された画面上のレポートで、ポイント、ライン、またはポリゴンをクリックして作成されます。

  1. リボンの [マップ] タブをクリックします。 [照会] グループで、[インフォグラフィックス] ボタンをクリックします。

    インフォグラフィックス ボタン

    ポインターが変わり、ツールがアクティブであることを示す小さなインフォグラフィックス アイコンが追加されます。

  2. [University Lake] フィーチャ (サイトを囲むリングを作成する前に選択したのと同じもの) をクリックします。

    フィーチャの下にある行政区域から集計されたデータを表示するインフォグラフィックス ウィンドウが表示されます。

    注意:

    データは [データの割り当て] によって集計されます。データの割り当ての詳細については、「データの割り当てに関するドキュメント」をご参照ください。

    University Lake の重要データのインフォグラフィックス

    [Key Facts] テンプレートには、重要な適合性変数の概要が表示されます。 その他のさまざまなテンプレートから選択することで、追加した適合性変数に基づく情報を表示できます。 [Eating Places] テンプレートを確認することで、その場所に近いレストランに関する情報を表示できます。

    注意:

    Business Analyst データは定期的に更新されます。 そのため、インフォグラフィックスやレポートの数値が少し異なることがあります。

  3. [テンプレート] で、[Eating Places] を選択します。

    University Lake の飲食店のインフォグラフィックス

    テンプレートのプラス記号 (+) とマイナス記号 (-) をクリックすると、拡大および縮小することができます。 近傍のレストランの存在は、プレミアム ドロップオフ サービスの顧客に魅力的な品質を提供できます。 店舗からの距離だけでなく、近隣の施設について理解することも役立ちます。 テンプレート マップ内の各レストラン ポイントにポインターを合わせると、名前とリングの重心からの距離が左側のウィンドウにハイライト表示されます。

    最後に、同じエリアの [Commute Profile] テンプレートを表示します。

  4. [テンプレート][Commute Profile] を選択します。

    University Lake の通勤データのインフォグラフィックス

    データが設定されたテンプレートが開き、エリアの住民の通勤傾向に関する情報が提供されます。 この情報は、適合性解析の結果をグラフィカルに補足するものです。 サマリー レポートおよびインフォグラフィックス テンプレートのデータは、拡大先のサイトの選択を一層サポートします。

  5. ウィンドウを閉じます。
  6. プロジェクトを保存します。

このチュートリアルでは、業績が最も高い店舗を解析して固有の特性を特定し、その条件と他の既知の条件を最も適合性の高い市場の拡大先の検索に適用しました。 次に、選択した市場内にサブマーケットを作成し、サブマーケットを解析して検索を最も適合性の高い地区に絞り込みました。 利用可能な商業用地に対して最終的な適合性解析を実行し、最適な場所を特定しました。 最後に、サマリー レポートとインフォグラフィックスを実行し、サイトの選択を検証し、共有用の補足情報を作成しました。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。