分析範囲の絞り込み

ここでは、日本全体の地方を解析するのではなく、分析範囲を四国に限定します。四国は、日本の 4 つの主な島の中で最小の島です。 まず、ArcGIS Pro の新しいプロジェクトに大都市雇用圏 (MEA) データを追加します。 MEA とは、主要都市人口が 50,000 人以上で、周辺都市の通勤者の人口が 10,000 人以上の自治体を指します。 この解析では、地方とは MEA ではない自治体 (つまり、人口は最小値よりも少ない) として定義します。 次に、このデータセットから地方を抽出します。 最後に人口データを追加します。

自治体境界線データの追加

日本では、地方と大都市圏は、主に雇用と大都市の中心部への通勤の利便性によって区別されています。 まず、日本のすべての MEA を含むレイヤーを追加します。

注意:

大都市と地方の定義は国によって異なります。 人口密度や土地利用、開発地間の距離などの要素によって定義されることもあります。

  1. ArcGIS Pro を起動します。 サイン インを求められたら、ライセンスが割り当てられた ArcGIS アカウントまたは ArcGIS Enterprise ポータルの指定ユーザー アカウントを使用してサイン インします。
    注意:

    ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

    Enterprise アカウントにサイン インする場合は、ArcGIS Pro が自分の組織のポータルを使用するように構成されていることを確認します。

    ArcGIS Pro を開きます。 見出しの [新規] の下に、プロジェクト テンプレートのリストが表示されます。

  2. [新しいプロジェクト] の下の [マップ] をクリックします。

    テンプレート一覧のマップ テンプレート

  3. [新しいプロジェクトの作成] ウィンドウで、[名前]に「SDG_Japan」と入力します。 [OK] をクリックします。

    ArcGIS Pro で空のマップ プロジェクトが開きます。 組織の設定に応じて、デフォルトの範囲は異なる場合があります。 まず、データを強調するため、ベースマップを変更します。

  4. リボンの [マップ] タブをクリックします。 [レイヤー] グループで、[ベースマップ] をクリックして、[キャンバス (ライト グレー)] を選択します。

    キャンバス (ライト グレー) ベースマップ オプション

    [キャンバス (ライト グレー)] ベースマップは見た目がシンプルなので、マップにデータを追加するとはっきりと表示されます。 次に、MEA データを追加します。

  5. リボンの [マップ] タブの [レイヤー] グループで、[データの追加] ボタンをクリックします。

    データの追加ボタン

    [データの追加] ウィンドウが開きます。 データは、自分のコンピューター、ArcGIS Online 組織サイト、Enterprise ポータル、または ArcGIS Living Atlas of the World から追加できます。 MEA データは ArcGIS Online でホストされています。

  6. [ポータル][ArcGIS Online] をクリックします。 検索ボックスに「Metropolitan Employment Areas owner:Learn_ArcGIS」と入力し、Enter キーを押します。

    Metropolitan Employment Areas を検索

  7. [Metropolitan Employment Areas] レイヤーをクリックし、[OK] をクリックします。

    レイヤーがマップに追加され、マップ範囲が日本に変更されます。

    MEA データを追加した後の日本のマップ

    MEA の条件を満たす自治体は、郊外のカテゴリによってさまざまな色で表示されます。 MEA ではない自治体には色が付けられていません (ズーム範囲によっては、自治体の境界が表示されることがあります)。

    次に、アジア太平洋地域に適した投影法を選択します。 ArcGIS Pro では、マップのデフォルトの座標系は、追加される最初のレイヤー (ベースマップを除く) によって決定され、この場合は [Metropolitan Employment Areas] レイヤーでした。

  8. [コンテンツ] ウィンドウで、[マップ] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

    マップ プロパティ

    [マップ プロパティ] ウィンドウが表示されます。

  9. [マップ プロパティ] ウィンドウで、[座標系] タブをクリックします。

    [現在の XY] ボックスから、マップの現在の座標系が [正距円筒図方 (WGS 1984)] であることがわかります。

    マップ プロパティ ウィンドウの現在の XY は、正距円筒図法 (WGS 1984) です

    このチュートリアルでは、全季節利用可能な道路へのアクセスを計測して評価するため、正積図法を使用します。

  10. 検索バーに「equal earth」と入力し、Enter キーを押します。
  11. [使用可能な XY 座標系] のリストで、[投影座標系] の横にある矢印をクリックして展開します。 [世界範囲の投影座標系 (WGS 1984)] を展開します。 [Equal Earth (world) Asia-Pacific] をクリックします。

    使用可能な XY 座標系の下の Equal Earth (world) Asia-Pacific

  12. [OK] をクリックします。

    座標系が更新されます。

    Equal Earth Asia-Pacific 座標系を使用して投影された日本の MEA のマップ

データのフィルター

次に、データをフィルターします。 まず、四国の自治体のみを表示するよう定義クエリを作成します。 次に、MEA であるかどうかに基づいて、四国の地方自治体を選択し、新しいフィーチャクラスにエクスポートします。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[MetropolitanEmploymentAreas] をダブルクリックします。 表示された [レイヤー プロパティ] ウィンドウで、[定義クエリ] タブをクリックします。

    定義クエリにより、特定の属性を持つフィーチャだけが表示されるようになります。 具体的には、定義クエリによって四国 4 県 (愛媛、香川、高知、徳島) の自治体が表示されます。

  2. [新しい定義クエリ] をクリックします。
  3. [定義クエリ 1] では、メニューを使用して [Where 句 PNAME が Ehime,Kagawa,Kochi,Tokushima を含む] という式を作成します。

    四国 4 県でフィルターする定義クエリ

  4. [適用] をクリックします。 [OK] をクリックします。

    フィルターが適用され、四国の自治体のみが表示されます。

  5. 四国を拡大します。

    日本の四国

    MEA に属する自治体には色が付けられています。 それ以外の自治体は MEA ではないため、地方と見なします。 地理的には、四国の大半は地方です。

    四国の自治体

    次に、地方自治体を選択して、新しいフィーチャクラスにエクスポートします。 定義クエリと同じような式を作成することで、選択を行うことができます。

  6. リボン上の [マップ] タブの [選択] グループで [属性条件で選択] をクリックします。

    属性条件で選択ボタン

    [属性条件で選択] ウィンドウが開きます。

  7. [属性条件で選択] ウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
    • [入力テーブル][MetropolitanEmploymentAreas] に設定されていることを確認します。
    • [選択タイプ][新しい選択] であることを確認します。
    • [式] で、[Where 句 AREATYPE が RURAL と等しい] という式を作成します。

    属性条件で選択ツールのパラメーター

  8. [SQL 式の確認] ボタンをクリックします。

    SQL 式の確認ボタン

    式が正しく作成されると、式が有効であることを確認するメッセージが表示されます。 式の検証では、ソフトウェアが式の構文を理解できるかどうかを確認します。 ただし、式に適合するフィーチャがあることは保証しません。

  9. [OK] をクリックします。

    四国の地方自治体 (MEA ではない) が選択されています。

    選択された四国の地方自治体

    次に、選択したフィーチャを新しいレイヤーにエクスポートします。 このレイヤーには、分析の対象となる自治体だけが含まれます。

  10. リボン上の [解析] タブの [ジオプロセシング] グループで、[ツール] ボタンをクリックします。

    解析タブのジオプロセシング グループのツール

  11. [ジオプロセシング] ウィンドウの検索バーに「フィーチャのコピー」と入力し、検索結果のリストで [フィーチャのコピー] ツールをクリックします。

    ジオプロセシング ウィンドウ内のフィーチャのコピー ツール

    デフォルトでは、レイヤーはプロジェクトのデフォルト ジオデータベースにコピーされます。これは、プロジェクトと同時に作成される特別なフォルダーです。

  12. [入力フィーチャ][MetropolitanEmploymentAreas] を選択します。 [出力フィーチャクラス] に「Shikoku_Rural」と入力します。

    フィーチャのコピー ツールのパラメーター

  13. [実行] をクリックします。

    コピーしたレイヤーがマップに追加されます。 すべての自治体を表示する元のフィーチャ レイヤーは必要なくなったため、削除します。

  14. [コンテンツ] ウィンドウで、[MetropolitanEmploymentAreas] レイヤーを右クリックし、[削除] を選択します。

    レイヤーを削除すると、新しい [Shikoku_Rural] レイヤーだけが表示されます。

    四国の地方自治体

  15. [クイック アクセス ツールバー][保存] ボタンをクリックします。

    クイック アクセス ツールバーの保存ボタン

    プロジェクトが保存されます。

人口データの追加

四国で地方に属する自治体を特定したところで、人口データを追加します。このデータは、全季節利用可能な道路の 2 km 圏内に住む人口の割合を算出する際に必要となります。

日本では、人口推定データは町丁目レベルで収集されます。 町丁目とは、自治体内の小さい行政区画のことです。 まず、四国のすべての町丁目のレイヤーを追加します。 次に、地方自治体の町丁目だけが含まれるようレイヤーをクリップします。

  1. リボンの [マップ] タブの [レイヤー] グループで、[データの追加] をクリックします。
  2. [データの追加] ウィンドウで、必要に応じて [ArcGIS Online] をクリックします。 「Shikoku Cho-cho-moku owner:Learn_ArcGIS」を検索します。

    Shikoku Cho-cho-moku の検索

  3. [Shikoku Cho-cho-moku] レイヤーを選択し、[OK] をクリックします。
    注意:

    このデータセットには大量のフィーチャがあるため、読み込みに時間がかかることがあります。

    町丁目がマップに追加されます。

    次に、別のジオプロセシング ツールを使用して町丁目レイヤーの範囲をクリップし、地方の町丁目だけが表示されるようにします。 町丁目とは自治体の区画なので、町丁目の境界と自治体の境界は一致します。

  4. [ジオプロセシング] ウィンドウの [戻る] ボタンをクリックします。

    戻るボタン

    ヒント:

    [ジオプロセシング] ウィンドウを閉じている場合は、もう一度開きます。 リボンの [解析] タブをクリックします。 [ジオプロセシング] グループで、[ツール] をクリックします。

  5. [クリップ] ツールを検索して開きます。

    クリップ ツール

  6. [クリップ] ツールで、以下のパラメーターを入力します。

    • [入力フィーチャ][Shikoku Cho-cho-moku] を選択します。
    • [クリップ フィーチャ][Shikoku_Rural] を選択します。
    • [出力フィーチャクラス] で、出力の名前を「Shikoku_Rural_Population」に変更します。

    クリップ ツールのパラメーター

    注意:

    代わりに [ペアワイズ クリップ] ツールを使用することを推奨するメッセージが、[クリップ] ツールに表示されることがあります。 このチュートリアルでは、[クリップ] ツールを使用します。

  7. [実行] をクリックします。

    ツールが実行されます。 数分後に、新しいレイヤーがマップに追加されます。 今の状態では、新しいレイヤーは元の町丁目データセットに隠されているため、表示されていません。

  8. [コンテンツ] ウィンドウで、[Shikoku Cho-cho-moku] レイヤーを右クリックして [削除] を選択します。

    クリップされたレイヤーが表示されます。

    四国の地方の町丁目

    これで、四国の地方の人口データが町丁目レベルで表示されるようになりました。

  9. プロジェクトを保存します。

新しいマップに全国の自治体データを追加しました。 そのデータを四国に限定するクエリを作成し、地方自治体のみを含む新しいデータセットを作成しました。 次に、人口推定データを追加し、地方自治体をクリップしました。 マップには分析範囲のデータのみが含まれる状態になりました。

次に、このデータを使用して、全季節利用可能な道路の 2 km 圏内の地方に住む人口の割合を計算します。


道路アクセスの評価

すでに、フィルターした自治体のデータと人口データをマップに追加しました。 次に、全季節利用可能な道路データを追加します。 それから、道路周辺に 2 km のバッファーを作成し、その圏内の地方人口の割合を推定します。 その結果を見て、四国地方が国連の SDG 指標 9.1.1 (持続可能な開発の手段) をどの程度順守できているか大まかに把握できます。

道路データのバッファー

まず、全季節利用可能な道路のデータをマップに追加します。 「指標 9.1.1 のメタデータ」によると、全季節利用可能な道路とは「地方で広く使われている輸送手段 (多くの場合は軽トラックや四輪駆動ではない車両) で、1 年を通して通行可能な道路」と定義されています。

四国地方では、全季節利用可能な道路の要件を満たすのは緊急輸送道路網です。 このデータをマップに追加し、その周辺に 2 km バッファーを作成します。

  1. 必要に応じて、ArcGIS Pro[SDG_Japan] プロジェクトを開きます。

    ArcGIS Online から緊急輸送道路網を追加します。 このデータセットは、さまざまな輸送手段や土地利用における国土数値情報を保持する、国土交通省から入手したものです。

  2. リボンの [マップ] タブをクリックします。 [レイヤー] グループの [データの追加] ボタンをクリックします。
  3. [データの追加] ウィンドウで [ArcGIS Online] をクリックして「All-Season Emergency Roads owner:Learn_ArcGIS」を検索します。
  4. 検索結果のリストから、[All-Season Emergency Roads] レイヤーを選択し、[OK] をクリックします。

    レイヤーがマップに追加されます。

    四国の全季節利用可能な緊急道路

    次に、ジオプロセシング ツールを使用して、道路周辺に 2 km バッファーを作成します。

  5. リボンの [解析] タブをクリックします。 [ジオプロセシング] グループで、[ツール] をクリックします。
  6. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[バッファー] ツールを検索して開きます。

    ジオプロセシング ウィンドウのバッファー ツール

  7. [バッファー] ツール ウィンドウで、次のパラメーターを変更します (まだツールは実行しないでください)。

    • [入力フィーチャ][All-Season Emergency Roads] を選択します。
    • [出力フィーチャクラス] で、出力の名前を「All_Season_2km_Buffer」に変えます。
    • [バッファーの距離] で「2」と入力し、[キロメートル] を選択します。

    バッファー ツールのパラメーター

    注意:

    代わりに [ペアワイズ バッファー] ツールを使用することを推奨するメッセージが、[バッファー] ツールに表示されることがあります。 このチュートリアルでは、[バッファー] ツールを使用します。

    これらのパラメーターにより、マップ上の各道路フィーチャの周辺に 2 km バッファーが作成されます。 道路フィーチャは互いに接続されているため、多くのバッファーが重複してしまいます。 出力が複数のバッファー フィーチャではなく単独のフィーチャを作成するよう、ディゾルブ タイプを変更します。

  8. [ディゾルブ タイプ][すべてディゾルブ] を選択します。

    バッファー ツールのディゾルブ タイプ パラメーター

  9. [実行] をクリックします。

    新しいレイヤーがマップに追加されます。

    四国の道路バッファー

    次に、地方の町丁目をバッファーにクリップします。 出力レイヤーは、全季節利用可能な道路から 2 km 圏内にある地方の町丁目の一部を表示します。

  10. [ジオプロセシング] ウィンドウの [戻る] ボタンをクリックします。 [クリップ] ツールを検索して開きます。
  11. [クリップ] ツール ウィンドウで、次のパラメーターを入力します。
    • [入力フィーチャまたはデータセット] で、[Shikoku_Rural_Population] を選択します。
    • [クリップ フィーチャ] で、[All_Season_2km_Buffer] を選択します。
    • [出力フィーチャクラス] で、出力の名前を「Rural_2km_Buffer」に変更します。

    クリップ ツールのパラメーター

  12. [実行] をクリックします。

    レイヤーがマップに追加されます。

  13. [コンテンツ] ウィンドウで [All-Season Emergency Roads][All_Season_2km_Buffer][Shikoku_Rural_Population][Shikoku_Rural] をオフにします。

    表示されるレイヤーは、[Rural_2km_Buffer] レイヤーおよびベースマップ レイヤーだけになります。

    地方人口のデータがクリップされた四国の道路バッファー

地域ごとの人口の推定

自治体レイヤーに町丁目レイヤーをクリップしたときとは異なり、町丁目の境界はバッファーの境界と一致しません。 そのため、多くの町丁目の一部だけがクリップしたレイヤーに表示されます。

道路に近いのが町丁目の一部だけである場合、町丁目の全人口を使用して人口を推定するのは適切ではありません。 この問題に対処するため、各町丁目の人口をバッファー内の面積に応じて按分します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Shikoku_Rural_Population] レイヤーを右クリックして [属性テーブル] を選択します。

    属性テーブル オプション

    [Shikoku_Rural_Population] の属性テーブルが表示されます。 列はフィールドを表し、行は各町丁目を表しています。

    [Shape_Area] フィールドで、最初の町丁目の面積 ([ObjectID] [1]) は 36,915,164 平方メートルです。

  2. [Rural_2km_Buffer] の属性テーブルを開き、[ObjectID] [1][Shape_Area] 値を確認します。

    クリップされた町丁目の面積

    この面積の値は約 21,388,602 平方メートルであり、[Shikoku_Rural_Population] テーブル内の同じ地域の値よりも小さくなります。これは、[クリップ] ツールを実行すると、実行後に新しい [Shape_Area] 値が自動的に算出されるためです。

    次に、2 つのレイヤーのデータを結合して 2 キロメートルのバッファー内の地方人口を計算し、各町丁目の面積の割合を算出します。

  3. [Rural_2km_Buffer] の属性テーブルで、[フィールドの追加] ボタンをクリックします。

    フィールドの追加ボタン

    フィールド ビューが表示されます。 このビューでは、フィールドの追加、編集、削除を行うことができます。 一番下の行に新しいフィールドがすでに追加されています。 この設定を変更します。

  4. 新しい行の [フィールド名] に「Area_Proportion」と入力します。 [エイリアス] には「Percent Area in Buffer」と入力します。 [データ タイプ] では [Double] を選択します。

    Percent Area in Buffer フィールド

  5. 新しいフィールドの下をクリックし、別の新しいフィールドを追加します。 フィールドを次のように設定します。

    • [フィールド名] に「Pop_Proportion」と入力します。
    • [エイリアス] には「Population in Buffer」と入力します。
    • [データ タイプ] では [Long] を選択します。

    属性テーブルに新しいフィールドが追加されますが、現段階でデータは NULL です。 後の手順で、これらの値を計算します。

  6. [Shape_Area] フィールドで [エイリアス] セルをダブルクリックして「Clip Area」と入力します。

    更新された Shape_Area エイリアス

  7. リボンの [フィールド] タブの [変更] グループで、[保存] をクリックします。

    フィールド タブの変更グループにある保存ボタン

  8. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[フィールドの結合] ツールを検索して開きます。

    ジオプロセシング ウィンドウのフィールドの結合ツール

    [フィールドの結合] ツールが表示されます。

  9. [フィールドの結合] ツール ウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
    • [入力テーブル][Rural_2km_Buffer] を選択します。
    • [入力結合フィールド][ID] を選択します。
    • [結合テーブル][Shikoku_Rural_Population] を選択します。
    • [結合テーブル フィールド] で、[ID] を選択します。
    • [転送フィールド] で、[Shape_Area] を選択します。

    入力されたフィールドの結合のパラメーター

  10. [実行] をクリックします。
  11. [Rural_2km_Buffer] の属性テーブルを開き、右にスクロールします。

    Rural_2km_Buffer 属性テーブルに追加された Shape_Area フィールド

    これで、[Shikoku_Rural_Population] のフィールドが [Rural_2km_Buffer] レイヤーの属性テーブルに追加されました。 追加された [Shape_Area] フィールドは、町丁目全体の面積です。

  12. [Shape_Area] フィールドを右クリックし、[フィールド] を選択してフィールド ビューを開きます。
  13. [Shape_Area_1][エイリアス] セルをダブルクリックして、名前を「Cho-cho-moku area」に変更します。

    Cho-cho-moku area に更新されたエイリアス

    これで式を作成して NULL フィールドのデータを算出できます。 まず、2 km バッファー内の各町丁目の面積の割合を計算します。

  14. フィールド ビューを閉じます。 変更を保存するよう求められた場合は、[はい] をクリックします。
  15. [Rural_2km_Buffer] の属性テーブルで、[Percent Area in Buffer] フィールドのヘッダーを右クリックし、[フィールド演算] を選択します。

    フィールド演算オプション

    [フィールド演算] ツールが開きます。 面積の割合を特定するには、クリップした面積を町丁目の面積で除算します。

  16. ツール パラメーターの [式][フィールド] リストで、[Clip Area] をダブルクリックします。

    式に追加された Clip Area フィールド

    このフィールドが式に追加されます。

  17. 割り算記号をクリックし、[Cho-cho-moku area] をダブルクリックします。

    完成した式

    最終的な式は次のようになります。

    !Shape_Area! / !Shape_Area_1!

  18. [OK] をクリックします。

    [Percent Area in Buffer] フィールドは、2 km 圏内の各町丁目の広さを、割合またはパーセンテージとして表します。 これらの値を使用し、バッファー内の各町丁目の人口を推定します。今回は、面積の割合 ([Percent Area in Buffer]) と総人口 ([2015 Total Population]) を乗算します。

  19. [Rural_2km_Buffer] の属性テーブルで、[Population in Buffer] フィールドのヘッダーを右クリックし、[フィールド演算] を選択します。
  20. [フィールド演算] ツールで、既存の式を削除します。
  21. [フィールド] 列で [Percent Area in Buffer] をダブルクリックし、乗算記号をクリックして、[2015 Total Population] をダブルクリックします。

    フィールド演算ウィンドウの Population in Buffer を計算するための式

    完成した式は次のようになります。

    !Area_Proportion! * !D0001!

  22. [OK] をクリックします。

    [Population in Buffer] フィールドが計算されます。 その結果、2 km のバッファー内の各町丁目について推定した人口が算出されます。

総人口の集計

ここまでの手順で、バッファー内の各町丁目に住む人口を推定しました。 次に、これらの値を集計して総人口を特定します。 その値を四国の総人口と比較し、全季節利用可能な道路にアクセスできる人口の割合を推定します。

  1. 属性テーブルで [ObjectID] 見出しを右クリックし、[サマリー] を選択します。

    サマリー オプション

    [統計サマリー] ツールが表示されます。 このツールは、指定したパラメーターに基づいて、属性フィールドの情報を集計します。 このツールを実行して、バッファー内の人口の合計を算出します。

  2. [統計サマリー] ツールで、次のパラメーターを入力します。
    • [出力テーブル] に「Shikoku_Rural_Access」と入力します。
    • [統計フィールド][フィールド][Population in Buffer] を選択します。
    • [統計タイプ] で、[合計] を選択します。

    統計サマリー ツールのパラメーター

  3. [OK] をクリックします。

    ツールが実行され、[Shikoku_Rural_Access] テーブルが [コンテンツ] ウィンドウの [スタンドアロン テーブル] に追加されます。

  4. [Rural_2km_Buffer] 属性テーブルを閉じます。

    作成したテーブルを開く前に、[統計サマリー] ツールをもう一度実行します。 今回は、[Shikoku_Rural_Population] レイヤーを使用して四国地方の総人口を計算します。

  5. [ジオプロセシング] ウィンドウを開き、[統計サマリー] ツールを検索して開きます。
  6. [統計サマリー] ツールで、次のパラメーターを変更します。

    • [入力テーブル] で、[Shikoku_Rural_Population] を選択します。
    • [出力テーブル] で、出力の名前を「Total_Rural_Population」に変更します。
    • [統計フィールド][フィールド][2015 Total Population] を選択します。
    • [統計タイプ] で、[合計] を選択します。

  7. [実行] をクリックします。

    [Total_Rural_Population] テーブルが [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。 次に、2 つのテーブルの集計値を比較します。

  8. [コンテンツ] ウィンドウで、[Shikoku_Rural_Access] を右クリックし、[開く] を選択します。

    このテーブルには 3 つのフィールドがあります。 [SUM_Pop_Proportion] フィールドの値は 736,316 です。 この値は、四国地方の全季節利用可能な道路から 2 km 圏内に住む推定地方人口を表します。 この値をコピーし、地方の総人口と比較します。

  9. [SUM_Pop_Proportion] 値をダブルクリックして編集し、Ctrl + C キーを押してコピーします。

    セル値のコピー

  10. [コンテンツ] ウィンドウで、[Total_Rural_Population] テーブルを右クリックして [開く] を選択します。

    このテーブルの [SUM_D0001] フィールドは、四国の地方人口の合計 (872,986) を表します。 新しいフィールドを作成し、全季節利用可能な道路にアクセスできる人口の割合を計算します。

  11. テーブルのリボンで、[フィールドの追加] ボタンをクリックします。

    フィールド ビューが表示されます。

  12. 新しいフィールドに、次のように入力します。

    • [フィールド名] に「Percent_Access」と入力します。
    • [エイリアス] に「Percent Rural Access」と入力します。
    • [データ タイプ] では [Long] を選択します。

  13. リボンの [フィールド] タブの [変更] グループで、[保存] をクリックします。 フィールド ビューを閉じます。
  14. [Total_Rural_Population] テーブルで、[Percent Rural Access] 見出しを右クリックして [フィールド演算] を選択します。
  15. [フィールド演算] ツールの [Percent_Access =] で、Ctrl + V キーを押して、前にコピーした値を貼り付けます。 小数点および小数点以下の値を削除します。 除算記号をクリックし、[SUM_D0001] をダブルクリックします。

    フィールド演算ツールのパラメーター

  16. 式の前後に括弧を追加し、「* 100」と入力します。

    完成した式は次のようになります。

    (736316 / !SUM_D0001!) * 100

    フィールド演算ウィンドウの Percent_Access の完成した式

  17. [OK] をクリックします。

    計算結果には、四国の地方人口のおよそ 84 パーセントが全季節利用可能な道路の 2 km 圏内に住んでいることが表示されます。

    計算後の Percent Rural Access フィールド

  18. テーブルを閉じて、プロジェクトを保存します。

このチュートリアルでは、全季節利用可能な道路のデータを追加して、その道路周辺に 2 km バッファーを作成し、近接解析を行いました。 次に、バッファーと交差する各町丁目の人口を推定しました。 その後、全季節利用可能な道路の 2 km 圏内に住む合計地方人口の割合を特定しました。 作成したサマリー テーブルをもとに、日本の四国地方に関する SDG 指標 9.1.1 の状況を報告できます。

このワークフローは、他の地域や国の SDG 指標 9.1.1 の報告にも応用できます。 ここで学習した空間解析手法を活用し、他の主要課題に対する人口統計的な情報を得ることもできます。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。