調査の公開

まず、受信トレイを有効化する調査を公開します。 現実世界のワークフローでは、この調査はおそらく自分自身で作成することになるでしょう。 このチュートリアルの目的のため、すでに作成されている調査テンプレートを使用します。

注意:

調査作成の詳細については、「紙の国勢調査フォームからデジタル調査への変換」をご参照ください。

  1. ArcGIS Survey123 Connect を開きます。
    注意:

    ArcGIS Survey123 Connect を保有していない場合、Survey123 製品ページからダウンロードすることができます。 [Survey123 Connect デスクトップ アプリ] で、お使いのオペレーティング システムに適したインストーラーをダウンロードします。 インストーラーを実行し、手順に従ってプログラムをインストールします。

    次に、サイン インします。

  2. リボンで設定ボタンをクリックします。

    設定ボタン

  3. [サイン イン] をクリックします。

    サイン イン ボタン

  4. ArcGIS の組織アカウントにサイン インします。
    注意:

    組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

    サイン インしたら、このチュートリアル用に構成済みのテンプレートを使用して、調査を作成します。

  5. [新しい調査] をクリックします。

    新しい調査ボタン

    [新しい調査] ウィンドウが開きます。 調査に名前を付け、調査の [XLSForm] の初期デザインを選択します。 [XLSForm] は、Microsoft ExcelSurvey123 調査などのフォームの作成を簡素化するフォーム標準の 1 つです。

    [XLSForm] デザインは、複数の場所から選択することができます。 ここでは、Esri のデザインを使用します。
  6. [タイトル] に「Zambia Population Census」と入力し、自分の名前またはイニシャルを付け加えて、組織内でタイトルが一意になるようにします。

    新しい調査のタイトル

  7. [新しい調査を作成] で、[Esri] の下の [テンプレート] を選択します。

    XLSForm デザインを選択するための Esri テンプレート オプション

  8. 検索バーに、「Zambia」と入力します。 必要に応じて、[Zambia Census of Population and Housing] をクリックして選択します。

    ザンビア国勢調査の検索結果

    この調査デザインは、住宅と人口の国勢調査に使用可能な調査を作成します。

  9. [調査の作成] をクリックします。

    調査は、選択した [XLSForm] デザインに基づいて作成します。 [XLSForm]Microsoft Excel で開きますが、今は変更を加える必要はありません。

    次に、調査を公開します。 調査の公開により、ArcGIS Online にアイテムとして調査が追加されます。 また、調査の回答を含める Web マップとホスト フィーチャ レイヤーを作成します。 ホスト フィーチャ レイヤーの属性テーブルは、調査の質問をフィールドとして使用します。 調査の受信トレイを有効化するには、最初にこのホスト フィーチャ レイヤーを作成する必要があります。

  10. 必要に応じて、Microsoft Excel を最小化して Survey123 Connect に戻ります。

    Survey123 Connect に調査票のプレビューが表示されます。 調査には、人口と住宅を評価するための標準的な質問が複数含まれます。

    調査のプレビュー

    最初のいくつかの質問は、個々の建物に関するものです。 これらの質問が回答されると、コンテキストの質問が表示されて各建物の居住人数とその他の国勢調査情報を評価します。

  11. [公開] をクリックします。

    公開ボタン

    ウィンドウが開いて、調査公開後に調査デザインを変更するとデータが損失する可能性があることを警告します。 データはすぐには収集しないため、この警告について心配する必要はありません。

  12. [調査の公開] をクリックします。

    調査、ホスト フィーチャ レイヤー、およびレイヤーを含む Web マップが ArcGIS Online のアカウントに公開されます。

  13. 公開が完了したら、[OK] をクリックします。

データの追加

調査の受信トレイを有効にするには、2 つのものが必要です。 1 つ目は、公開された調査のホスト フィーチャ レイヤーです。 2 つ目は、調査が行われる場所に対応するポイントのレイヤーです。 このワークフローでの調査は、個々の建物の情報を収集する人口と住宅の国勢調査に関するものです。 受信トレイを有効にするには、対象地域の建物情報のポイント レイヤーを使用します。 これにより、受信トレイを使用して特定の建物を国勢調査員に割り当てることができます。

このチュートリアルの目的のために、ザンビアの建物を表すポイントがすでに作成済みです。 このレイヤーと作成した調査レイヤーを ArcGIS Pro のプロジェクトに追加します。 次に、レイヤーを結合して、調査の質問に対応するフィールドを建物ポイントに作ります。

  1. ArcGIS Pro を起動します。 サイン インを求められたら、調査の公開で使用したアカウントを使用してサイン インします。
    注意:

    ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

  2. [空のテンプレート][マップ] をクリックします。

    マップ テンプレート

    [新しいプロジェクトの作成] ウィンドウが開きます。

  3. [名前] に「Zambia Census Inbox」と入力します。 [OK] をクリックします。

    新しいプロジェクトが作成されます。 これには空白のマップが含まれます。 必要な 2 つのレイヤーを ArcGIS Online のマップに追加します。

  4. リボンの [マップ] タブをクリックします。 [レイヤー] グループの [データの追加] ボタンをクリックします。

    データの追加ボタン

    [データの追加] ウィンドウが開きます。 プロジェクト、ポータル (ArcGIS Online)、または使用しているコンピューターから、データを追加することができます。 最初に、調査の公開時に作成したフィーチャ レイヤーを追加します。これはコンテンツにあります。

  5. [データの追加] ウィンドウの [ポータル] で、[マイ コンテンツ] をクリックします。

    マイ コンテンツ オプション

    ArcGIS アカウントのフォルダー リストが表示されます。

  6. [Survey-Zambia Population Census (名前)] フォルダーをダブルクリックします。 [Zambia Population Census (名前)] ホスト フィーチャ レイヤーをクリックして [OK] をクリックします。

    Zambia Population Census ホスト フィーチャ レイヤー

    レイヤーは [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。また、特定の建物タイプへのコンテキスト レスポンスを表す 3 つのスタンドアロン テーブルにも追加されます。

    調査フィーチャ レイヤーのあるコンテンツ ウィンドウ

    レイヤーとテーブルは調査が完了するまで空のため、マップには何も追加されません。

    次に、建物ポイント レイヤーを追加します。これは、ArcGIS Online でホストされています。

  7. リボンの [マップ] タブで、[データの追加] ボタンをクリックします。 [データの追加] ウィンドウで、[ポータル] の下の [ArcGIS Online] をクリックします。

    ArcGIS Online オプション

  8. 検索バーに「Zambia Building Points owner:Learn_ArcGIS」と入力するかコピーと貼り付けをして、Enter を押します。

    1 つの検索結果が返されます。

    ザンビア建物ポイントの検索結果

  9. [Zambia Building Points] フィーチャ レイヤーをクリックして選択し、[OK] をクリックします。

    レイヤーがマップと [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。 マップは世界の範囲まで縮小されるので、建物ポイント レイヤーの範囲までズームします。

  10. [コンテンツ] ウィンドウで [Zambia Building Points] を右クリックして [レイヤーにズーム] を選択します。

    レイヤーにズーム オプション

    マップはザンビアの首都であるルサカの近隣地域にズームします。 この近隣地域がこのチュートリアルの対象地域です。ここで国勢調査員が国勢調査を収集します。

    建物ポイント レイヤーが表示されたマップ

    注意:

    建物ポイントの色はランダムであるため、画像例とは異なる場合があります。 色の違いはワークフローに影響しません。

    レイヤーの各ポイントは、近隣地域の建物を表します。 国勢調査はこれより広い地域を対象にすることもできますが、このワークフローでは比較的小さいデータセットを使用します。

    属性テーブルを確認して、建物ポイントについてさらに理解します。

  11. [コンテンツ] ウィンドウで、[Zambia Building Points] を右クリックして [属性テーブル] を選択します。

    属性テーブル オプション

    属性テーブルが表示されます。

    最初のいくつかのフィールドが表示された状態の属性テーブル

    各建物ポイントは、属性テーブルの 1 行に対応します。 各建物には、追加の非空間情報があります。たとえば、ID、建物タイプ (住居、ビジネスなど)、住居数などです (すべての属性フィールドを表示するには、スクロールが必要な場合があります)。 この情報は、国勢調査前の建物の国勢調査で収集されました。

    注意:

    このワークフローを自分のデータで実行する場合、類似属性情報を持つ対象地域の建物ポイント レイヤーが必要です。 建物フットプリントのレイヤー (ポイントではなくポリゴン) がある場合、「Feature To Point」ジオプロセシング ツールを使用して、このレイヤーをポイント レイヤーに変換することができます。 ツールを実行するには、[解析] タブのリボンをクリックします。 [ジオプロセシング] グループで、[ツール] をクリックします。 [ジオプロセシング] ウィンドウで、[フィーチャ → ポイント (Feature To Point)] ツールを検索して開きます。 [入力フィーチャ] で、建物フットプリント レイヤーを選択します。 [出力フィーチャクラス] では、出力レイヤーの名前と位置を指定します。 [実行] をクリックして、ツールを実行します。

  12. 属性テーブルを閉じます。

建物ポイントの公開

調査で建物ポイントを使用するには、建物ポイント フィーチャクラスを公開して、他のユーザーが編集できるようにする必要があります。 デフォルトではフィーチャクラスと属性を編集できるのは所有者のみですが、国勢調査員も編集できるようにします。

追加した [Zambia Building Points] フィーチャクラスは ArcGIS Online でホストされますが、あなたは所有者ではありません (所有者は Learn ArcGIS 管理者アカウント)。 最初に、所有しているマップのコピーを作成します。 次に、レイヤーを自分の ArcGIS アカウントに公開して、組織のメンバーが編集できるようにします。

ヒント:

すでに所有している建物ポイントを使用している場合でも、編集を有効化する前に元のデータセットのコピーを作成することを推奨します。 これにより、国勢調査員がデータの編集時に間違えても、元のデータセットを参照してエラーを修正できます。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Zambia Building Points] を右クリックし、[データ] にポインターを合わせて [フィーチャのエクスポート] を選択します。

    フィーチャのエクスポート オプション

    [フィーチャのエクスポート] ウィンドウが表示されます。 このツールは、1 つのフィーチャクラスを新しいフィーチャクラスにエクスポートします。 これは、データのコピーに便利です。

    デフォルトでは、入力レイヤーは [Zambia Building Points] です。 デフォルトの出力場所は、ArcGIS Pro プロジェクトで作成された [Zambia Census Inbox] ジオデータベースです。 ジオデータベースは、地理データ保存専用フォルダーです。

  2. [出力名] で、「Zambia_Building_Points_Copy」と入力するか、コピーして貼り付けます。

    フィーチャのエクスポート ツールのパラメーター

    式を作成して、データのサブセットだけをエクスポートすることができますが、すべての建物ポイントをエクスポートします。このため、式は変更しません。

  3. [OK] をクリックします。

    ツールが実行され、[Zambia_Building_Points_Copy] という名前のレイヤーがマップと [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。 追加されたレイヤーは、元のレイヤーと同一です。 元のレイヤーは必要なくなったため、削除します。

  4. [コンテンツ] ウィンドウで、元の [Zambia Building Points] レイヤーを右クリックし、[削除] を選択します。

    削除オプション

    元のレイヤーが削除されます。 次に、コピーを自分の ArcGIS アカウント (調査を公開した同じ場所) に公開します。

  5. [コンテンツ] ウィンドウで [Zambia_Building_Points_Copy] を右クリックし、[共有] をポイントして [Web レイヤーとして共有] を選択します。

    [Web レイヤーとして共有] オプション

    [Web レイヤーとして共有] ウィンドウが表示されます。 レイヤーを共有するには、名前、サマリー、検索タグなどの必要なメタデータを追加する必要があります。

  6. [Web レイヤーとして共有] ウィンドウで、次の情報を入力します。
    • [名前] に、「Zambia Building Points]」と入力し、自分の名前またはイニシャルを付け加えて、組織内で名前が一意になるようにします。
    • [サマリー] に「 Building points in Lusaka, Zambia」と入力します。
    • [タグ] に、「Enumerators」と「Census」と入力します。各タグの後で Enter キーを押します。

    Web レイヤーとして共有ツールのパラメーター

    レイヤーを組織とも共有します。 これにより、組織のメンバーがレイヤーにアクセスできるようになります。

  7. [共有範囲] で、組織 (画像例では Learn ArcGIS) のチェックボックスをオンにします。

    組織に設定された共有範囲パラメーター

    レイヤーを公開する前に分析して、解決する必要がある潜在的問題がないか確認します。

  8. [分析] をクリックします。

    分析ボタン

    レイヤーが分析されます。 エラーまたは警告も検出されません。

    注意:

    [一意の数値 ID が割り当てられていません] というエラー メッセージが表示されることがあります。 このエラー メッセージが表示された場合は、メッセージを右クリックして [マップ プロパティを開いて割り当てを許可] を選択します。 [マップ プロパティ] ウィンドウの [一般] タブで [Web レイヤーを共有できるよう一意の数値 ID の割り当てを許可] をオンにし、[OK] をクリックします。

  9. [公開] をクリックします。

    レイヤーが自分の ArcGIS アカウントに公開されます。 公開されると、レイヤーが正常に公開したことを伝える確認メッセージが表示されます。 メッセージには、ArcGIS Online のレイヤーへのリンクが含まれます。

  10. 確認メッセージで、[Web レイヤーの管理] をクリックします。

    Web レイヤーの管理リンク

    新しいブラウザーまたはタブが開きます。 ArcGIS Online にサイン インしていない場合は、サイン インするよう求められます。

  11. 必要に応じて、ArcGIS 組織のアカウント (Survey123 および ArcGIS Pro で使用したものと同じアカウント) にサイン インします。

    公開したレイヤーの詳細ページに移動します。 このページでは、レイヤーの設定を管理してレイヤーを編集可能にできます。

  12. [設定] をクリックします。

    アイテム詳細ページの設定ボタン

  13. ページを下方向にスクロールします。 [フィーチャ レイヤー (ホスト)] セクションの [編集] で、[編集の有効化] をオンにします。

    編集の有効化オプション

    編集を有効にすることで、ページの編集オプションが増えます。 デフォルトでは、レイヤーを共有するユーザー (この場合は組織のメンバー) は、属性とジオメトリを追加、削除、更新できます。 編集者はすべてのフィーチャを表示して編集できます。 これらの設定により、国勢調査員は、現地調査に基づき情報を追加または変更できます。

  14. 下にスクロールして [保存] をクリックします。

    レイヤーの編集が有効化されます。 次に、新しく公開されたレイヤーを ArcGIS Pro のプロジェクトに追加します。これにより、以降の手順でこのレイヤーを使用できます。

  15. ArcGIS Pro[コンテンツ] ウィンドウで、[Zambia_Building_Points_Copy] を右クリックし、[削除] を選択します。

    他のレイヤーを追加したときのように、[データの追加] ボタンを使用してこのレイヤーを追加できます。または、[カタログ] ウィンドウから追加することもできます。

  16. [Web レイヤーとして共有] ウィンドウを閉じます。 必要に応じて、リボンの [表示] タブにある [ウィンドウ] グループで、[カタログ ウィンドウ] をクリックします。

    [カタログ] ウィンドウが開きます。

  17. [カタログ] ウィンドウで、[ポータル] タブをクリックします。
    注意:

    [カタログ] ウィンドウは表示されなくても、開くことができます。 リボンの [表示] タブをクリックします。 [ウィンドウ] グループで、[カタログ ウィンドウ] をクリックします。

    ポータル タブ

    [ポータル] タブには、ポータルからコンテンツを検索および追加するためのオプションがあります。ここには自分の ArcGIS アカウントがあります。 [マイ コンテンツ] タブは、デフォルトではアクティブで、コンテンツのリストが表示されます。

  18. コンテンツのリストで、[Zambia Building Points Your Name] を右クリックして、[現在のマップに追加] を選択します。
    ヒント:

    レイヤーが見つからない場合は、検索バーを使用して探してください。

    現在のマップに追加オプション

    [Zambia_Building_Points_Copy] レイヤーがプロジェクトに追加されます。 レイヤーは以前と変わらないように見えますが、公開され、共有されており、編集も可能になりました。

レイヤーの追加

次に、共有した建物ポイントを国勢調査レイヤーに追加します。 後で、受信トレイを有効化したときに、国勢調査員が自分のデバイスに編集可能な建物ポイントを表示して、国勢調査情報を直接追加できます。 また、国勢調査員は、ポイントの属性情報を使用して、どの建物が住宅か判断できます。

[アペンド] ジオプロセシング ツールを使用して、レイヤーを追加します。

  1. リボンの [解析] タブをクリックします。 [ジオプロセシング] グループで、[ツール] をクリックします。

    ツール ボタン

    [ジオプロセシング] ウィンドウが表示されます。

  2. 検索バーに「Append」と入力します。 検索結果リストで、[アペンド] ツールをクリックします。

    ハイライト表示されているアペンド ツールで検索結果を追加する

    建物ポイントを国勢調査レイヤーに追加します。 このために、建物ポイントを入力データセットとして、国勢調査レイヤーをターゲット データセットとして選択します。

  3. [入力データセット][Zambia_Building_Points_Copy] を選択します。 [ターゲット データセット][Zambia Population Census (名前)] を選択します。

    選択すると、国勢調査レイヤーの名前が、アンダースコアや他の特殊文字代替と一緒に表示されます。

    アペンド ツールのパラメーター

    次に、建物ポイント レイヤーのフィールドを調査のフィールドに合わせます。 このように、国勢調査員が建物で国勢調査を実施するとき、調査には重要な情報が入力されます。

  4. [フィールド マッチ タイプ] で、[フィールド マップを使用してフィールドの違いをリコンサイル] を選択します。

    不一致のフィールドのリスト

    ターゲット データセットである [Zambia_Population_Census] レイヤーのフィールドが [フィールド マップ] セクションにリストされます。 入力データセットである [Zambia_Building_Points_Copy] レイヤーで対応するフィールドが定義されていないフィールドを照合することができます。

    たとえば、最初の出力フィールドの [globalid] はデフォルトでは、建物ポイント レイヤーの [GlobalID] フィールドと照合されます。 これらのフィールドは、同じ名前のため照合されました。 ただし、一部の出力フィールドは自動的には照合されません。このようなフィールドは、注意アイコンで識別されます。

    注意:

    フィールド マップでリスト表示されるフィールド名は、属性テーブルに表示される名前とは一致しません。 フィールド マップには、特定の命名規則と文字制限のあるフィールド名が表示されます。一方で、属性テーブルには、文字制限のないフィールド エイリアスが表示されます。 レイヤーのフィールド名とエイリアスを比較するには、[コンテンツ] ウィンドウでレイヤーをクリックし、[データ設計] をポイントして [フィールド] を選択します。 フィールド ビューが表示されます。これは、レイヤーの各フィールドの名前とエイリアスを表示します。

  5. [フィールド マップ] セクションで、[buildtype] をポイントして [フィールド プロパティの編集] ボタンをクリックします。

    フィールド マップ セクションにある buildtype フィールドの編集ボタン

    [フィールド プロパティ] ウィンドウが表示されます。

  6. [フィールド プロパティ] ウィンドウの [アクションとソース フィールド] で、[buildingtype] をクリックして [OK] をクリックします。

    フィールド プロパティ ウィンドウの buildingtype フィールド

    各国勢調査区の ID 番号を表す 2 つのフィールドが照合されます。

  7. [アペンド] ツール ウィンドウで、[occupancytype] をポイントして [フィールド プロパティの編集] ボタンをクリックします。 [フィールド プロパティ] ウィンドウで、[occupancy] をクリックして [OK] をクリックします。

    フィールドがリンクされます。

    フィールド マップ セクションで照合されるフィールド

  8. [実行] をクリックします。

    ツールが実行され、建物ポイントが国勢調査レイヤーに追加されます。このレイヤーは以前は空でした。 国勢調査レイヤーのシンボルは赤色のポイントで、黄色のハローが付いています。これらのポイントは、マップの各建物ポイントの場所に表示されます。

    建物ポイントが追加されたマップ

  9. [クイック アクセス ツールバー][保存] ボタンをクリックします。

    保存ボタン

    プロジェクトが保存されます。

受信トレイの有効化

建物ポイントを国勢調査レイヤーに追加したので、Survey123 Connect に戻り、受信トレイを有効化します。 受信トレイが有効化されると、調査をする国勢調査員は、建物ポイントをデバイスに表示して選択し、関連調査を完了できます。

  1. 必要に応じて、[Zambia Population Census] 調査を Survey123 Connect で再度開きます。
  2. 調査プレビューの調査の下で、[オプション] をクリックします。

    オプション タブ

  3. [受信トレイ] で、[受信トレイの有効化] をオンにします。

    オンの状態の [受信トレイ] フォルダーの有効化オプション

    受信トレイを有効化すると、受信トレイに関連するオプションが表示されます。 また、三角形の中に赤色の感嘆符で提示される警告が表示されます。

    警告は、受信トレイと送信済みボックスの両方が同時に有効になっていると表示されます (送信された調査をユーザーのデバイスに保存する送信済みボックスは、デフォルトでは有効化されています)。 調査で両方が有効になっている場合、受信トレイを更新しても現在送信済みボックスにある回答はダウンロードされません。 そのため、国勢調査員の場合のように、複数のユーザーが既存の回答を継続的に編集および更新する場合は、両方を有効にしないことをお勧めします。

    ヒント:

    警告の詳細を参照するには、[警告] ボタンをクリックします。

  4. [送信済み] で、[[送信済み] フォルダーの有効化] をオフにします。

    オフの状態の [送信済み] フォルダーの有効化オプション

    警告が削除されます。

    最後に、受信トレイの設定を変更して、住居として特定された建物のみが国勢調査員に表示されるようにします。 これにより、国勢調査員は、非住居の建物を並べ替えて国勢調査情報を得る必要のある建物を探す必要がなくなります。

  5. [クエリ式 (オプション)] に「buildtype='residential'」と入力します。

    住居に設定されたクエリ式

    受信トレイが有効化された調査を再公開する準備はほとんどできています。 再公開する前に、調査の [XLSForm] に編集を 1 つ加えて、調査インスタンスの表示名を変更します。これは、国勢調査員の受信トレイに表示されます。 これは受信トレイの有効化に必須ではありませんが、各調査のタイトルに重要な情報を示すことで、国勢調査員がより効率的にタスクを実施できるようになります。

  6. 必要に応じて、調査の [XLSForm] を開きます。
    注意:

    デフォルトでは、[XLSForm] は調査の作成時に開かれています。 閉じている場合は、[XLSForm] ボタンをクリックして再度開くことができます。

    調査は公開済みであるため、調査の [XLSForm] の編集に関するルールがいくつかあります。

    • 調査の [XLSForm] から質問を削除すると、調査からも削除されますが、フィーチャ サービスの対応する質問は削除されません。
    • フィーチャ サービスのフィールドに対応しない、新しい質問は追加できません。 新しい質問を追加するには、ArcGIS Online または ArcGIS Pro でフィーチャ サービスを最初に編集して、テーブルに新しいフィールドを含める必要があります。 調査の [XLSForm] に追加する質問は、[名前] パラメーターとしてフィールド名を使用する必要があります。
    • [XLSForm][choices] タブにある質問のラベルとオプションは変更できます。ただし、[survey] タブの [bind::esri:fieldType] 列のフィールド タイプは変更できません。 このルールは、主にテキスト回答の質問が数字回答の質問に変更されたり、またはその逆がないようにします。

    これらのルールはワークフローに影響しませんが、公開した調査の管理に役立ちます。

  7. [XLSForm] の下部にある [settings] タブをクリックします。

    XLSForm の settings タブ

    このタブには、調査に関する重要な設定が含まれます。 [instance_name] フィールドには、各調査の表示名が含まれます。 デフォルトでは、使用する調査テンプレートは、建物の ID を表示名として使用します。 建物内の住居数も含めるために変更します。これにより、国勢調査員は、訪問の必要があるのは何か所かを一目で把握できます。

  8. [instance_name] で、デフォルトのテキストを「concat("Building Number: ",${buildingid}, "; Units: ", ${numunits})」と置き換えます。

    更新された instance_name パラメーター

  9. [XLSForm] を保存します。 Survey123 Connect に戻ります。

    フォームを保存すると、調査ウィンドウが更新されることにご注意ください。 次に、受信トレイが有効化されている調査を再公開します。

  10. 調査ウィンドウで、[公開] をクリックします。

    既存のデータに影響を及ぼすことなく調査が更新されたことを示すメッセージが表示されます。

  11. [調査の公開] をクリックします。
  12. 公開が完了したら、[OK] をクリックします。

受信トレイの機能のテスト

受信トレイが有効化されている調査を公開しました。 次に、ArcGIS Survey123 フィールド アプリを使用し、サンプル調査を行って受信トレイの機能をテストします。

  1. Survey123 製品ページに移動します。 [ダウンロード オプションに移動] をクリックし、[ArcGIS Survey123 フィールド アプリを入手] で、お使いのコンピューターのオペレーティング システムに合ったダウンロード リンクをクリックするか、またはお使いのデバイスのアプリ ストアに移動します。
  2. コンピューターにフィールド アプリをインストールする場合、ダウンロードしたインストーラーを実行し、その指示に従ってフィールド アプリをインストールします。モバイル デバイスにフィールド アプリをインストールする場合は、デバイスのアプリ ストアからインストールします。
  3. コンピューターまたはデバイスで、ArcGIS Survey123 フィールド アプリを開きます。調査の公開で使用した同じ ArcGIS アカウントを使用してサイン インします。

    はじめに、公開した調査をダウンロードします。

    注意:

    一部の手順と画像例は、使用しているデバイスによって、多少異なる場合があります。

  4. リボンで、自分のアカウントを表すボタンをクリックします。 [調査のダウンロード] をクリックします。

    [調査のダウンロード] ボタン

    組織と共有している調査のリストが表示されます。

  5. [Zambia Population Census] 調査で、ダウンロード ボタンをクリックします。
    ヒント:

    調査が見つからない場合は、検索してください。

    ダウンロード ボタン

    調査がダウンロードされます。

  6. リボンで戻るボタンをクリックします。

    戻るボタン

  7. ダウンロードした調査のギャラリーで、[Zambia Population Census] 調査をクリックします。

    調査の情報ページが開きます。このページには、使用したテンプレートの一部として追加されたメタデータが含まれます。

  8. [受信トレイ] をクリックします。

    受信トレイ オプション

    受信トレイが開きます。 デフォルトでは、受信トレイは空です。

  9. [更新] をクリックします。

    更新ボタン

    受信トレイに建物が一覧表示されます。 [XLSForm][instance_name] パラメーターに変更を加えたため、建物は、建物番号と住戸の数の両方のラベルが付けられています。

    建物情報が表示された受信トレイ

  10. [マップ] をクリックします。

    マップ タブ

    建物がマップに表示されます。 建物ラベルにより、デフォルトのズーム レベルでは建物がよく見えない場合があります。

  11. 個々の建物が見えるまで拡大します。 任意の建物をクリックします。

    その建物と関連する調査が表示されます。 建物タイプ、条件、空きタイプなど、調査に追加した建物ポイント レイヤー情報が表示されます。

    情報が表示された調査

    国勢調査員は、世帯の住人の名前と数に関する情報を入力することができます。 また、入力した値が前の国勢調査以降変わっている場合は、更新できます。

  12. 必要に応じて、空のフィールドに入力し、チェックマークをクリックして調査を送信します。 [調査が完了しました] ウィンドウで [今すぐ送信] をクリックします。

    完了した調査を送信すると、受信トレイからポイントが削除されます。

調査する建物のサブセットの割り当て

ここまでで受信トレイの仕組みを理解できました。 ワークフローの最終段階として、受信トレイの設定を変更して、建物ポイント データを変えて建物のサブセットを特定の国勢調査員に割り当てます。 国勢調査員が受信トレイにアクセスしたときに表示されるのは、割り当てられた建物だけです。 このワークフローは、現地の国勢調査員の管理に便利です。

  1. Survey123 Connect[オプション] ボタンをクリックします。 [クエリ式] で、元の式を削除して「enumerator=${username}」と入力します。

    enumerator=${username} に変更されたクエリ式

    この式は、受信トレイをフィルタリングして、[国勢調査員のユーザー名] フィールドが国勢調査員のユーザー名に設定されているレコードのみを表示します。 たとえば、Enumerator 1 のユーザー名の国勢調査員には、[国勢調査員のユーザー名] フィールドの値が Enumerator 1 のレコードのみが表示されます。

  2. [公開] をクリックします。 [Publish Zambia Population Census] ウィンドウで、[調査の公開] をクリックします。
  3. 公開が完了したら、[OK] をクリックします。

    調査は、新しいクエリ式で再公開されます。 ただし、ArcGIS Pro で建物ポイントの属性テーブルを確認したときに説明したように、[国勢調査員ユーザー名] フィールドはデフォルトでは空です。通常、国勢調査員は国勢調査を行う際に自身のユーザー名を入力することが前提となっています。 ArcGIS Pro で国勢調査フィーチャクラスを編集して、国勢調査員のユーザー名を表示します。

  4. 必要に応じて、[Zambia Census Inbox] プロジェクトを ArcGIS Pro で再度開きます。

    プロジェクトにマップを作成し、更新した国勢調査レイヤーをそのマップに追加します。

  5. リボンの [挿入] タブをクリックします。 [プロジェクト] グループで、[新しいマップ] ボタンをクリックします。

    新しいマップ ボタン

    新しいマップが作成され、プロジェクトに追加されます。 次に、更新した国勢調査レイヤーを追加します。

  6. [カタログ] ウィンドウの [ポータル] タブで、[Survey-Zambia Population Census] フォルダーをダブルクリックします。 [Zambia Population Census] レイヤーを右クリックして、[現在のマップに追加] を選択します。

    現在のマップに追加オプション

    レイヤーがマップに追加されます。ただし、マップの範囲は変わりません。

  7. [コンテンツ] ウィンドウで [Zambia Population Census (名前)] を右クリックして [レイヤーにズーム] を選択します。

    建物ポイントを国勢調査レイヤーに追加すると、ポイントが前と同じ赤いポイント シンボルで表示されます。 次に、建物ポイントのサブセットを選択します。 選択するポイントは、国勢調査員に割り当てるポイントです。

  8. リボンの [マップ] タブをクリックします。 [選択] グループで [四角形による選択] ボタンをクリックします。

    四角形による選択ボタン

  9. マップ上で、最北ポイントの一部周辺に四角形を描きます。 (このワークフローでは、ポイントをすべて選択したり何も選択しなかったりするのでない限り、選択したポイントが正確であるかどうかは重要ではありません。)

    ポイントの一部周辺に四角形が描かれたマップ

    四角形内のポイントが選択され、ハイライト表示されます。 次に、[国勢調査員のユーザー名] フィールドを計算して、割り当てた国勢調査員のユーザー名が選択したポイントにあるようにします。

  10. [コンテンツ] ウィンドウで、[Zambia Population Census (名前)] を展開します。 [Zambia_Population_Census_Your_Name] を右クリックして [属性テーブル] を選択します。

    テーブルを開く

  11. 属性テーブルで、[国勢調査員のユーザー名] を右クリックして [フィールド演算] を選択します。

    フィールド演算オプション

    [フィールド演算] ツールが開きます。 このツールは、作成した式に基づき、フィールドの値を計算します。 多くのツールと同様、このツールは、選択が行われた場合に選択されているフィーチャに対してのみ実行されます。これは、選択した建物ポイントのフィールドのみが計算されることを意味します。

    フィールドを計算して、ArcGIS アカウントのユーザー名を含めます。 これにより、受信トレイにアクセスしたときに、属性データに自身のユーザー名がある建物ポイントのみが表示されます。 現実世界のワークフローでは、国勢調査員のユーザー名を使用することになるでしょう。

  12. [フィールド演算] ツールの [式の種類] で、[Python] を選択します。

    式の種類パラメーター

  13. [enumerator =] に ArcGIS 組織アカウントのユーザー名 (サイン インのときに使用したもの) を二重引用符 (") で囲んで入力します。
    注意:

    画像の例では、仮のユーザー名を使用しています。 必ず、自身のユーザー名を使用してください。

    ユーザー名例のある式

  14. [OK] をクリックします。

    フィールドが計算されます。 終了すると、選択したすべてのレコードの [国勢調査員のユーザー名] フィールドの値としてユーザー名が表示されます。

    ヒント:

    選択したレコードが表示されるまで属性テーブルをスクロールして、フィールドが適切に計算されたか検証できます。

    ユーザー名例のある選択されたレコード

  15. 属性テーブルを閉じます。 プロジェクトを保存します。

    次に、Survey123 フィールド アプリで、選択したレコードにのみアクセスできることを確認します。調査を更新して、デバイス上に最新のすべての変更が表示されることを確認します。

  16. 必要に応じて、Survey123 フィールド アプリを開いて、調査リストに移動します。

    調査に利用可能な更新があることを伝える通知を受信します。

  17. [利用可能な更新: 1] をクリックします。

    利用可能な更新ボタン

    注意:

    [利用可能な更新] 通知が表示されない場合は、手動で調査を更新できます。 リボンで、ユーザー名のボタンをクリックして [調査のダウンロード] をクリックします。

  18. [Zambia Population Census] 調査で更新ボタンをクリックします。

    調査を更新する更新ボタン

    調査の更新がダウンロードされます。

  19. 調査リストに戻り、[Zambia Population Census] 調査をクリックします。 [受信トレイ] をクリックして [更新] をクリックします。

    受信トレイの調査リストが更新されます。選択して割り当てられた調査のみが一覧表示されるようになりました。

  20. [マップ] をクリックして、選択した調査のみが表示されていることを確認します。

このチュートリアルでは、国勢調査用の受信トレイ フィーチャを有効化しました。 最初に、調査を公開しました。 次に、建物ポイントのレイヤーを調査のフィーチャクラスに追加しました。 Survey123 フィールド アプリで、受信トレイの設定を変更して、受信トレイの機能をテストしました。また、受信トレイを使用して、建物のサブセットを特定の国勢調査員に割り当てました。

受信トレイは、モバイル作業者の管理とフィールドのデータ収集に役立ちます。 受信トレイは、国勢調査のワークフローだけでなく、既存のフィーチャ レイヤーに関する情報の更新を伴うワークフローでも使用できます。 たとえば、ユーティリティの検査やインフラストラクチャの保守に受信トレイを使用できます。 独自の調査とポイント データでワークフローを実行してみましょう。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。