ポイント フィーチャの編集
ArcGIS のフィーチャには、ポイント、ライン、ポリゴンのいずれかを指定できます。 国勢調査区はポリゴンとして表示され、学校、病院、礼拝所などの建物は通常ではポイントとして表示されます。 建物はジオロケーション ポイントとして使用されます。これは国勢調査員が国勢調査区を検索するのに役立ちます。
最初にジオロケーション ポイントと世帯クラスターを表すポイント データを作成および修正します。 世帯クラスターは世帯のグループを表し、これを使用して国勢調査員を案内することもできます。
プロジェクトを開く
まず、対象地域であるザンビアの地理情報と国勢調査情報を含む ArcGIS Pro プロジェクト パッケージをダウンロードし、開きます。
- 「Southern Lusaka Enumeration Areas プロジェクト パッケージ」をダウンロードします。
Southern_Lusaka_Enumeration_Areas.ppkx という名前のファイルが、コンピューターにダウンロードされます。 .ppkx ファイルは ArcGIS Pro プロジェクト パッケージです。これには、ArcGIS Pro で開くことができるマップ、データ、その他のファイルが含まれます。
- ArcGIS Pro を起動します。 サイン インを求められたら、ライセンスが割り当てられた ArcGIS 組織アカウントを使用してサイン インします。
注意:
ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
ArcGIS Pro を開くと、新しいプロジェクトを作成するか、既存のプロジェクトを開くかを選択できるオプションが表示されます。 以前プロジェクトを作成したことがある場合は、最近使用したプロジェクトのリストが表示されます。
- [別のプロジェクトを開く] をクリックします。
- [プロジェクトを開く] ウィンドウで、ダウンロードした [Southern_Lusaka_Enumeration_Areas] プロジェクト パッケージに移動しダブルクリックします。
プロジェクトが開きます。 ザンビア南部の南部州とルサカ州の境界が表示されます。 また、[OpenStreetMap] ベースマップも表示されます。 ベースマップには、道路、行政界、水域などのエリアに関する基本的な地理情報が含まれます。
[コンテンツ] ウィンドウには、マップ上のすべてのレイヤーが一覧表示されます。 マップには、世帯クラスターを表す [Southern and Lusaka Households] (マップ上の黄色い点) という名前のポイント レイヤーと [Enumeration Areas] という名前のレイヤーが含まれます。 世帯クラスターと国勢調査区データは、このチュートリアルのための架空のものです。
ポイント フィーチャクラスの作成
次に、プロジェクトに含まれているブックマークを使用して対象地域に移動します。 その後、国勢調査員が国勢調査区の検索に使用できるジオロケーション ポイントを格納するポイント フィーチャクラスを作成します。
- リボンの [マップ] タブで、[ブックマーク] をクリックして、[Itezhi-Tezhi] を選択します。
マップはブックマークの位置である、大きな湖の近くの Itezhi-Tezhi と呼ばれる南部州のエリアに移動します。
マップが拡大されると、3 つの青いポリゴンが表示されるようになります。 3 つのポリゴンは国勢調査区を表します。
通常、現地の国勢調査員は、対象ポイントを使用して国勢調査区を検索しますが、すべての国勢調査員が正確な GPS デバイスを持っているわけではなく、一部のエリアでは、セルラーのカバー エリアが制限されているか、まったくカバーされていない場合があります。 ポイント フィーチャをマップに追加して対象ポイントを表すことは重要です。国勢調査員がオフラインの時でもこれらのポイントを見ることができるためです。
対象となるこれらのジオロケーション ポイントを取得するためのレイヤーを作成します。
- [カタログ] ウィンドウで [データベース] フォルダーを展開します。 [southern_lusaka_enumeration_areas.gdb] を展開します。
注意:
[カタログ] ウィンドウが見つからない場合は、リボン上の [表示] タブをクリックします。 [ウィンドウ] グループで、[カタログ ウィンドウ] をクリックします。
.gdb ファイルはジオデータベースです。 ジオデータベースは、ArcGIS でマップに追加できる空間データを主に格納するファイル フォルダーの一種です。 [southern_lusaka_enumeration_areas] ジオデータベースには 2 つのフィーチャクラスが格納され、どちらもマップ上に存在します。 このジオデータベースにジオロケーション ポイント フィーチャクラスを作成します。
- [southern_lusaka_enumeration_areas] ジオデータベースを右クリックし、[新規] を指して [フィーチャクラス] を選択します。
[フィーチャクラスの作成] ウィンドウが表示されます。 このウィンドウでは、フィーチャクラスを作成するプロセスを手順を追って説明します。
まず、フィーチャクラスに名前を付けます。 フィーチャクラス名には、空白やその他いくつかの特殊文字を含めることはできません。 ただし、任意の文字を含むオプションのエイリアスを追加することができます。 エイリアスは、ほとんどの場所で名前の代わりに表示されます。
- [名前] に「Geolocation_Points」と入力します (アンダースコア (_) を付ける)。 [エイリアス] に「Geolocation Points」と入力します (アンダースコアを付けない)。
次に、フィーチャクラス タイプを選択します。 選択肢はいくつかありますが、主なフィーチャクラスのタイプは、ポイント、ライン、およびポリゴンです。 ラインは道路や河川に最適で、ポリゴンはエリアや地理的境界に最適です。 ポイントは、建物や対象ポイントなど、マップ上の単一ポイントだけをカバーするデータに最適です。
- [フィーチャクラス タイプ] で、[ポイント] を選択します。
- [フィーチャクラスの作成] ウィンドウの下部にある [次へ] をクリックします。
次に、属性フィールドをフィーチャクラスに追加します。 属性は、各フィーチャに関連付けられたテキストまたは数値データです。 名前や座標などの情報を含むことができます。
ジオロケーション ポイント フィーチャクラスで、[ID] フィールド、各ポイントを追加したユーザーを追跡するフィールド、追加コメント用の一般フィールドを追加します。
- [ここをクリックして、新しいフィールドを追加します] をクリックします。 [フィールド名] に「ID」と入力し、[データ タイプ] が [Text] であることを確認します。
フィールドのエイリアスの変更、デフォルト値の追加、フィールド長の調整を行うこともできます。 ジオロケーション ポイントに使用する ID の長さは 5 文字なので、それに合わせて長さを変更します。
- [ID] フィールドの横にある灰色のボックスをクリックして、フィールドを選択します。 下部にある [フィールド プロパティ] で [長さ] に「5」と入力します。
- 次の情報を使用して、フィールドを追加します。
- [フィールド名] に「Plotted_By」と入力します。
- [データ タイプ] が [Text] に設定されていることを確認します。
- [エイリアス] に、「Plotted By」と入力します。
- [長さ] に「30」と入力します。
- 次の情報を使用して、フィールドを追加します。
- [フィールド名] に「Comments」と入力します。
- [データ タイプ] が [Text] に設定されていることを確認します。
- [長さ] に「150」と入力します。
ヒント:
別のフィーチャクラスからフィールドをインポートすることもできます。 これを行うには、[インポート] をクリックして、追加したいフィールドが含まれるフィーチャクラスを参照します。この方法は、類似するレイヤー間でフィールドの一貫性を保つのに役立ちます。
- [次へ] をクリックします。
表示されたウィンドウは、フィーチャクラスが使用する座標系を選択するためのものです。 座標系は地球上の位置を定義するための数学モデルです。
デフォルト オプションの [WGS 1984] を選択します。これは、ほとんどの GPS デバイスが使用する座標系です。 すべての国勢調査員が正確な GPS にアクセスできるわけではないため、互換性がある座標系を使用すると便利です。
注意:
座標系の詳細と、マップに最適な座標系を選択する方法については、「地理座標系と投影座標系」をご参照ください。
- [次へ] をクリックします。
表示されたウィンドウで、フィーチャクラスの許容値、または座標間の距離が等しいと見なされる最小距離を指定します。 デフォルトの許容値 (極端に小さい度の小数部) はほとんどのデータセットに適しているため、そのまま使用します。
- [次へ] をクリックします。
表示されたウィンドウで座標精度を指定します。 許容値同様、デフォルト値 (極端に小さい度の小数部) は、ほとんどのデータセットに適しています。
- [次へ] をクリックします。
最後に、データベース格納時のコンフィグレーションを指定することができます。 デフォルトのコンフィグレーションは、ほとんどのデータセットに適しています。
- [完了] をクリックします。
[Geolocation_Points] フィーチャクラスが作成されます。 このフィーチャクラスは、[カタログ] ウィンドウのジオデータベースと [コンテンツ] ウィンドウのマップに追加されます。 まだフィーチャが追加されていないので、ポイント フィーチャはマップに表示されません。
ジオロケーション ポイントのデジタイズ
新しいフィーチャを作成するプロセスはデジタイズと呼ばれます。 国勢調査区ごとに 1 つのジオロケーション ポイントをデジタイズします。 フィールド スタッフがポイントを検索できるようにする必要があるため、主要道路の交差点などの目立つランドマークにポイントを配置することをお勧めします。
- マップ上で 3 つの国勢調査区にズームします。
ヒント:
拡大/縮小するには、マウス ホイール ボタンを使用します。 または、Shift キーを押して、ズームするエリアの周りにボックスを描画します。
- リボンの [編集] タブをクリックします。 [フィーチャ] グループの [作成] をクリックします。
[フィーチャ作成] ウィンドウが表示されます。 マップ上で編集可能なすべてのフィーチャクラスのリストが入っています。
- [フィーチャ作成] ウィンドウで [Geolocation Points] をクリックします。
注意:
ジオロケーション ポイント シンボルの色はランダムです。 そのため、シンボルはこの画像例とは異なる場合があります。
レイヤーが選択され、編集のオプションが使用可能になります。 デフォルトのオプションである [ポイント] では、マップをクリックした場所にポイントを追加できます。 この編集オプションを使用して、国勢調査区ごとにジオロケーション ポイントを追加します。
デフォルトではスナップはオンになっています。 スナップすると、デジタイズするフィーチャが既存のフィーチャにスナップし、2 つのフィーチャがギャップまたはスリバーなしで正確に隣接します。 スナップは隣接するフィーチャの編集に役立ちます (このチュートリアルの後半で使用します)。しかし、ジオロケーション ポイントを国勢調査区のエッジにスナップしたくないので、スナップをオフにします。
- [編集] タブの [スナップ] グループで、[スナップ] をクリックして、[スナップ] がオフであることを確認します。 [スナップ] がオンである場合は、その横にあるボタンをクリックしてスナップをオフにします。
次に、1 つ目のジオロケーション ポイントを追加します。
- 右端の国勢調査区で、道路の交差点をクリックします。
クリックした位置に、ジオロケーション ポイントが追加されます。
- 中央の国勢調査区で、道路の交差点をクリックします。
残りの国勢調査区の内側には、舗装道路または交差点がありません。 道路は未舗装道路または砂利道だけで、ベースマップ上では茶色の点線でシンボル表示されています。 交差点の代わりに、道路の湾曲部にジオロケーション ポイントを配置します。これは、国勢調査区の中央で行います。 理想的な位置ではありませんが、対象ポイントは他にもいくつかあるため、この場合は問題ありません。
- 左端の国勢調査区で、破線の湾曲部をクリックします。
各国勢調査区にジオロケーション ポイントを追加しました。
- [フィーチャ作成] ウィンドウを閉じます。
ウィンドウを閉じると編集セッションが終了し、通常のポインターに戻ります。 次に、レイヤーの属性テーブルを開き、追加した各ポイントの属性情報を編集します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Geolocation Points] を右クリックして [属性テーブル] を選択します。
注意:
Ctrl + T キーを押して、[属性テーブル] にアクセスすることもできます。
テーブルが表示されます。 5 つのフィールドが含まれています。 [OBJECTID] フィールドと [SHAPE] フィールドは、自動的に入力されるデフォルトのフィールドです。 その他の 3 つのフィールドは、フィーチャクラスの作成時に追加したフィールドです。
[ID] フィールドと [Plotted By] フィールドに情報を追加します。 [ID] フィールド値は、ジオロケーション ポイントの国勢調査区の ID フィールドに一致します。 各国勢調査区の ID はマップ上でクリックすると確認できますが、このチュートリアルでは正しい ID が提供されています。 各 ID は、文字列 EZ と 3 桁の数字を組み合わせた英数字の文字列です。
- テーブルの最初のエントリの [ID] 列で、[<Null>] をダブルクリックし、「EZ003」と入力します。 Enter キーを押します。
属性情報が更新されます。
- テーブルの最初のエントリの [Plotted By] 列で、[<Null>] をダブルクリックし、自分の名前またはイニシャル (あるいは仮名) を入力します。
- 属性情報を次のように編集します。
- 2 番目のエントリの [ID] に「EZ002」と入力します。 [Plotted By] に自分の名前またはイニシャルを入力します。
- 3 番目のエントリの [ID] に「EZ001」と入力します。 [Plotted By] に自分の名前またはイニシャルを入力します。
どのポイントについてもコメントはないため、[Comments] 列はそのままにしておきます。
- 属性テーブルを閉じます。
3 つのポイントのデジタイズと属性情報の追加など、編集をいくつか行いました。 編集を終了したら、編集内容を保存することが重要です。 編集を保存することは、プロジェクトを保存することとは異なります。
- リボン上の [編集] タブにある [編集の管理] グループで、[保存] をクリックします。
- [編集の保存] ウィンドウで、[はい] をクリックします。
編集内容がデータセットに保存されます。 同じ [Geolocation Points] レイヤーを異なるマップに追加しても、デジタイズしたポイントは表示されます。
エラーを削除するためのポイントの修正
新しいポイント フィーチャをデジタイズしました。 次に、既存のポイント フィーチャを編集します。 フィーチャが間違った位置に配置されている場合があります。 データを正確に維持するためには、フィーチャの移動および削除が必要になる場合があります。
- リボンの [マップ] タブをクリックします。 [ナビゲーション] グループで、[ブックマーク] をクリックし、[Kazungula] ブックマークを選択します。
マップは、南部州の南西側境界上のエリアに移動します。
この位置には、3 つの国勢調査区が含まれます。 5 つの世帯クラスター ポイントもあります。 世帯クラスター ポイントは、国勢調査区内の世帯に関する人口統計情報を集約します。 これらの世帯クラスター ポイントをジオロケーション ポイントとして使用することもできます。 しかし、国勢調査区内のこの位置には、世帯クラスターは配置されていません。
世帯クラスター ポイントのうち 2 つは、近傍の外側に配置されています。 ベースマップを変更して、理由を調べてみます。
- [マップ] タブの [レイヤー] グループで、[ベースマップ] をクリックして [衛星画像] を選択します。
ベースマップがエリアの衛星画像を示すベースマップに変わります。
マップによると、近傍の外部にある 2 つの世帯クラスター ポイントは、河川内に配置されています。 これらのポイントは、誤って追加されている可能性があります。
- ベースマップを [OpenStreetMap] に戻します。
通常、最初にコピーを作成せずに、元のデータセットのデータを削除することはお勧めしません。 しかし、このチュートリアルでは、河川内にある 2 つのポイントはエラーであり、ポイントを最初に収集したフィールド スタッフに連絡してその事実を検証したと仮定します。
エラーである確信があるため、人が住んでいるエリアに配置されていない 2 つの世帯クラスターを削除します。 次に、他の 3 つの世帯クラスターに対応する国勢調査区に移動します。
- [編集] タブをクリックします。 [選択] グループの [選択] ツールをクリックします。
- マップ上で、Kazungula Bridge 近くの世帯クラスター ポイントをクリックします。
ポイントが選択されます (青色でハイライト表示)。 個別に 1 つ目のポイントを削除してから、2 つ目のエラー ポイントを選択して削除できます。または、両方のポイントを選択して一度に削除できます。 2 つ目の選択肢の方が効率的です。
- Shift キーを押したまま、国勢調査区の南側の Zambezi ライン近くにある世帯クラスターをクリックします。
Shift キーを押して、同時に複数のフィーチャを選択できます。 両方のポイントが選択されます。
ヒント:
間違ったエリアをクリックすると、意図したフィーチャとは異なるフィーチャが選択されます。 選択を解除するには、[選択] グループで [選択解除] をクリックします。
- [編集] タブの [フィーチャ] グループにある [削除] をクリックします。
注意:
データの削除は完全な削除です。 編集内容を保存すると、削除したフィーチャはデータセットから完全に削除されます。 通常のワークフローでは、フィーチャを削除する前に、まず元のデータセットのコピーを作成することを推奨します。
ポイントがマップとデータセットから削除されます。 次に、他の世帯クラスターを各国勢調査区の中心に移動します。
- [編集] タブの [ツール] グループで [移動] をクリックします。
[フィーチャの修正] ウィンドウが表示されます。 ウィンドウで、1 つ以上のフィーチャを選択するよう求められます。
- マップ上で、3 つの国勢調査区の南側にある世帯クラスター ポイントを選択します。
ポイントが選択され、ポインターが変化します。 これで、マップ上でポイントをドラッグして移動できるようになりました。
- 最も近い国勢調査区の中心に、選択したポイントをドラッグします。
ヒント:
マップの拡大や画面移動が必要な場合、C キーを押して、一時的にポインターをナビゲーション モードに戻すことができます。
次に、他の 2 つのポイントを移動します。
- [フィーチャの修正] ウィンドウで、[選択セットの変更] をクリックします。
- 国勢調査区の北西側の世帯クラスター ポイントを選択します。 最も近い国勢調査区内の道路の中心にポイントを移動します。
- [フィーチャから] をクリックします。 国勢調査区の北側の世帯クラスター ポイントを選択し、最も近い国勢調査区の中心 (クルドサックの端) にポイントを移動します。
- [フィーチャの修正] ウィンドウを閉じます。
3 つの世帯クラスター ポイントを移動しました。
- [編集] タブの [編集の管理] グループで、[保存] をクリックします。 [編集の保存] ウィンドウで、[はい] をクリックします。
このセクションで行った編集内容が保存されます。 プロジェクトも保存します。
- [クイック アクセス ツールバー] の [保存] ボタンをクリックします。
注意:
[ArcGIS プロジェクト] ウィンドウが表示されたら、[はい] をクリックします。
ArcGIS Pro で編集ツールを使用してポイント フィーチャを作成、修正、および削除する方法を学習しました。 次に、国勢調査区ポリゴンを編集して、さらに高度な編集技術をいくつか学習します。
ポリゴン フィーチャの編集
国勢調査区は比較的小さなエリアで、通常 1 人以上の国勢調査員が徒歩で調査します。 国勢調査区の適切なマッピングおよびサイズ設定は、国勢調査の作業に不可欠です。 新しい国勢調査区をデジタイズし、さらにエリアを修正してエラーを削除します。
国勢調査区のデジタイズ
最初に、対象地域に移動し、標準的な基準に則って国勢調査区をデジタイズします。
- 必要に応じて、ArcGIS Pro で [Southern Lusaka Enumeration Areas] プロジェクトを開きます。
- リボンの [マップ] タブをクリックします。 [ナビゲーション] グループで、[ブックマーク] をクリックし、[Gabon] ブックマークを選択します。
マップにザンビアの首都であるルサカのガボン タウンシップが表示されます。
このチュートリアルで表示した他のエリアと同様、このエリアにはすでにいくつかの国勢調査区があります。 通常、国勢調査区はポイント位置の周囲に描かれます。 前のレッスンでは、国勢調査区ごとにジオロケーション ポイントを作成しましたが、マップ上に表示される世帯クラスター ポイントの周囲の国勢調査区をベースにすることもできます (通常、各ポイントの位置は、その位置がより広い地域を表すようにする統計的なサンプリング プロセスを使用して決定されます)。
国勢調査区は、次の条件に従います。
- エリアは 3 ~ 5 ヘクタールの間でなければなりません (調査チームが歩いていけるように)。
- エリアの境界線は河川を横断してはなりません。
- エリアの境界線は、可能な場合は、道路と隣接する必要があります。
マップ上にいずれかのポイントの国勢調査区を作成します。 まず、ポイントの周囲 3 ~ 5 ヘクタールの間の面積を測定して、国勢調査区のディメンションを計画できるようにします。
- 分析範囲の北西隅にある世帯クラスター ポイントにズームします。
このエリア周辺の道路は、国勢調査区の境界線となる可能性があります。 ここで計測を実行します。
- リボンの [マップ] タブの [照会] グループで、[計測] ツールのドロップダウン矢印をクリックして [面積の計測] を選択します。
[面積の計測] ウィンドウが表示され、ポインターが変化します。 マップ上の位置をクリックしてポリゴンを描画することができます。このツールは、そのポリゴンの面積を計算します。
世帯クラスター ポイント周囲の道路で囲まれたやや長方形のエリアを計測します。
- マップ上で、世帯クラスター ポイント近傍の南西隅をクリックします。
これで、ポインターを移動すると、ポインターとクリックしたポイントがラインで結ばれます。 後続ポイントをクリックして、ポリゴンを描画します (描画は完璧である必要はありません。エリアを推定しているだけです)。
- 道路に沿って、ポイントをクリックし、ポイントの周囲に傾斜した長い長方形ポリゴンを描きます。 最後のポイントで、ダブルクリックして、描画を完了します。
[面積の計測] ウィンドウに、組織のデフォルトの計測単位 (ヤード・ポンド法またはメートル法) でポリゴンの面積が表示されます。 この単位をヘクタールに変更します。
- [面積の計測] ウィンドウで計測単位をクリックして、[ヘクタール] を選択します。
計測単位が変わります。 表示される正確な数字は多少異なる場合がありますが、描画したポリゴンの面積は約 3.25 ヘクタールです。 この面積は、推奨される 3 ~ 5 ヘクタールの範囲内にあります。 また、このエリアは河川と交差しておらず、すべての境界線に道路を使用しているため、条件に合った国勢調査区です。
- [面積の計測] ウィンドウを閉じます。
ウィンドウを閉じると、描画データがマップから削除されます。 再度エリアを描画しますが、今回は新しい国勢調査区フィーチャのデジタイズ中に描画します。
ポリゴンをデジタイズするプロセスは、ポイントをデジタイズするプロセスとほぼ同じです。 マップ上の単一ポイントをクリックするのではなく、ポリゴンの頂点となる複数のポイントをクリックして、計測エリアの描画と同様の方法でポリゴンを描画します。
- リボンの [編集] タブをクリックします。 [フィーチャ] グループの [作成] をクリックします。
- [フィーチャ作成] ウィンドウで、[Enumeration Areas] フィーチャ テンプレートをクリックします。
このテンプレートのデフォルト編集ツールは [ポリゴン] です。 他のテンプレートでは、特定のジオメトリの形状を描画するか、フリーハンドで描画するかを選択できます。 [ポリゴン] ツールは、[計測] ツールと同様に機能します。
- マップ上で、道路を境界線として利用して、[計測] ツールで描いたポリゴンと同様のポリゴンを描きます。 最後の頂点をダブルクリックして、ポリゴンを完成させます。
国勢調査区をデジタイズしました。
- [フィーチャ作成] ウィンドウを閉じます。
- 編集内容を保存します。
エリア間のギャップの削除
デジタイズした国勢調査区は他のどのエリアにも隣接していません。 しかし、他の国勢調査区はマップ上に存在します。 隣接エリアの境界線が正確に一致することが重要です。 正確に一致していない場合、分析やナビゲーションで問題へとつながるギャップまたはスリバーが存在している可能性があります。
次に、スナップを使用して国勢調査区の頂点を編集し、ギャップを削除します。
- マップ上で、東端にある 2 つの国勢調査区間の境界線に画面移動します。
境界線はやや不規則に見えます。 これらの国勢調査区をデジタイズしたときに、ギャップが生じるエラーがあった可能性があります。
- 境界を拡大表示します。
拡大すると、ギャップが表示されるようになります。 いくつかの頂点が正確に一致していません。 揃うように頂点を編集します。
- リボンの [編集] タブの [ツール] グループで、[頂点の編集] をクリックします。
[フィーチャの修正] ウィンドウが開き、[頂点の編集] ツールが表示されます。 ツールにより、編集するフィーチャを選択するように求められます。
- マップ上で、南側の国勢調査区をクリックして選択します。
緑と赤の四角形で表されるフィーチャの頂点が表示されます。
3 つの頂点が隣接していません。 アクティブな頂点をマップ上でドラッグすると、移動できます。 これらの頂点をドラッグして他の国勢調査区の頂点に完全に一致させた場合でも、拡大すると、フィーチャが隣接していない可能性があります。 頂点が正確に一致するようにするには、スナップをオンにします。
以前学習したように、スナップを使用すると、作成または編集したポイントや頂点が、他のフィーチャのパートにスナップします。 これは、隣接フィーチャの作成または編集に便利です。
- リボンの [編集] タブの [スナップ] グループで、[スナップ] をクリックします。 [スナップ] をオンにします。
スナップがオンです。
[スナップ] メニューの他のボタンで、スナップ先のフィーチャのパートを指定します。 ポイント フィーチャ、ポリゴンまたはポリライン フィーチャのエンドポイント、頂点、エッジ、交点、中点、または正接にスナップできます。 どのスナップ設定がオンまたはオフになっているかは、デフォルト設定およびスナップを前に使用したかどうかによって異なります。 必要なスナップ設定は、頂点にスナップするための設定だけです。
- [スナップ] メニューで、[ポリラインまたはポリゴン フィーチャの最も近い頂点への最も近い頂点への頂点スナップ] がオンになっていることを確認します。
このチュートリアルでは他のスナップ設定は重要ではありませんが、他のコンテキストでは役に立つ場合があります。 次に、マップ上の頂点を修正して一緒にスナップするようにします。
- マップ上で、最も近い頂点にスナップするように、東端の隣接していない頂点をドラッグします。
スナップのため、2 つの頂点が正確に一致します。
- 最も近い頂点にスナップするように、他の 2 つの隣接していない頂点をドラッグします。
ハイライト表示された青いラインはポリゴン境界線の元の位置を示し、破線は新しい位置を示します。 これで、2 つの国勢調査区間の境界が正確に揃いました。
- [フィーチャの修正] ウィンドウを閉じます。 リボンの [編集] タブの [選択] グループで、[選択解除] をクリックします。
- 編集内容を保存します。
共有境界の修正
2 つ以上のフィーチャが共有している境界線を編集する場合はどうなるでしょうか? あるフィーチャの頂点を編集してから隣接するフィーチャで同じ編集を繰り返すのは面倒です。 トポロジ編集を使用すると、隣接するフィーチャのエッジと頂点を同時に編集できます。 トポロジ編集は、共通する編集ワークフローでの繰り返しを減らし、編集時のギャップやスリバーなどのエラーが発生しないようにするのに役立ちます。
マップ トポロジを使用して、2 つの国勢調査区間で共有境界を修正します。
- [Gabon] ブックマークに移動します。
- ブックマークの南端、ベースマップ上の United Church of Zambia 付近にある国勢調査区間の共有境界にズームします。
この境界線は道路と隣接するためのものですが、境界線はあまり道路に合っていません。 マップ トポロジを使用してエッジを編集します。
- [編集] タブの [編集の管理] グループで、[トポロジなし] をクリックして [マップ トポロジ] を選択します。
[マップ トポロジ] をオンにすると、ツールを使用してフィーチャを編集するときに、その他のオプションが表示されます。 これらのオプションには、編集時に隣接フィーチャ間の隣接を維持することが含まれます。
- [ツール] グループで、[頂点の編集] をクリックします。
[フィーチャの修正] ウィンドウが表示されます。 以前このウィンドウを使用しましたが、今回は個別のフィーチャの代わりに、フィーチャ間のエッジを編集するツールが含まれています。
- [フィーチャの編集] ウィンドウで [エッジ] タブをクリックします。
ウィンドウで、エッジを選択するよう求められます。 マップ上のすべてのフィーチャのエッジが紫色でハイライト表示され、選択可能なエッジが示されます。
- マップ上で、2 つの国勢調査区間のエッジをクリックします。
エッジが選択されます。 各端に 1 つずつ、2 つの頂点があります。 これらの頂点の位置を調整して、ベースマップ上の道路に適合するようにします。 また、新しい頂点を追加して、道路のわずかな湾曲に適合するようにします。
この編集では、頂点ではなくエッジにスナップするだけなので、スナップ オプションを調整します。
- リボンの [編集] タブの [スナップ] グループで、[スナップ] をクリックします。 [ポリラインまたはポリゴン セグメントの最も近いエッジへのエッジ スナップ] 以外のスナップ オプションをすべてオフにします。
- マップ上で、エッジの西側エンドポイントを道路の位置までドラッグします。
破線は移動した頂点に基づく境界線の位置を示します。 道路が中央付近でわずかに湾曲しているため、まだ道路の位置に合っていません。 新しい頂点を追加して、この湾曲を追加します。
- 破線の中央部を右クリックして、[頂点の追加] を選択します (必要に応じて拡大します)。
クリックしたポイントに、頂点が追加されます。 他の頂点のように、この頂点も移動できます。 この頂点の移動先の位置は元のラインに近いので、スナップでは、頂点を正しい位置に移動するのが困難な可能性があります。
- スナップをオフにします。
ヒント:
スナップを一時的に無効化するために、スペース キーを押したままにします。
- 交差点にある道路の湾曲部に、新しい頂点をドラッグします。
これで、道路のわずかな湾曲がエッジに取り込まれました。 別の頂点を追加して、境界線と道路がさらに正確に合うようにすることができますが、このチュートリアルの目的では、作成した境界線で十分です。
- 必要に応じて、境界線全体が見えるまで縮小します。
- マップの下部にある [完了] ボタンをクリックします。
編集が適用され、新しいエッジが表示されます。
マップ トポロジをオンにしたので、編集は両方の隣接する国勢調査区フィーチャに適用されます。 境界は隣接したままになり、ギャップ、スリバー、他の編集エラーはありません。
- [フィーチャの修正] ウィンドウを閉じて、編集を保存します。
フィーチャのマージとスプリット
頂点とエッジの修正によって、フィーチャを編集しました。 次に、2 つのフィーチャを 1 つにマージし、1 つのフィーチャを 2 つに分割します。
- [Gabon] ブックマークに移動します。
この地域の国勢調査区のいくつかは、国勢調査区の条件に従っていません。 たとえば、分析範囲の中央にある 2 つの小さい国勢調査区はどちらも、国勢調査区の推奨サイズである 3 ~ 5 ヘクタールよりも小さいエリアです。 これらのエリアを 1 つにマージします。
- リボンの [編集] タブの [ツール] グループで、[マージ] をクリックします。
[フィーチャの修正] ウィンドウが表示されます。 マージするフィーチャを 2 つ以上選択するよう求められます。
- マップ上で、Shift キーを押したまま、分析範囲の中央付近にある 2 つの小さい国勢調査区を選択します。
ウィンドウが更新され、マージを確定したときに作成されるフィーチャの属性が表示されます。 このウィンドウで属性を編集できますが、このフィーチャのデフォルトの属性で問題ありません。
- [フィーチャの修正] ウィンドウで、[マージ] をクリックします。
選択したフィーチャが 1 つのフィーチャにマージされます。
マージされたフィーチャの真北の国勢調査区は、推奨サイズの 5 ヘクタールよりも大きいエリアです。 さらに、その国勢調査区の中央を河川が通っていて、国政調査員が横断するのが困難な可能性があります。
この場合、国勢調査区が作成された後に建設された運河である可能性があります。 また、この国勢調査区は過去には住宅が現在ほど多くなかったため大きくなったか、または河川を横断できる橋や渡り場がある可能性があります。 現状では、この国勢調査区は大きすぎるため、2 つに分割します。
- [編集] タブの [ツール] グループで、[スプリット] をクリックします。
[フィーチャの修正] ウィンドウに、[スプリット] ツールが表示されます。
- [フィーチャから] をクリックします。 マップ上で、分析範囲の北西隅にある大きい国勢調査区を選択します。
フィーチャを分割するために、その中央でラインをデジタイズします。 フィーチャの中央にある河川をなぞるように、このラインをデジタイズします。
- [スナップ] をオンにします。
- マップ上で、選択した国勢調査区の中央にある河川をなぞるラインをデジタイズします。 描画が完了したら、フィーチャの上部と下部のエッジにラインが接続していることを確認して、ダブルクリックします。
注意:
フィーチャの一方のエッジからもう一方にラインを描画せずにフィーチャを分割しようとすると、分割は機能しません。
描画を終えると、すぐに分割が適用されます。
両方の国勢調査区は、マップ上の他の国勢調査区のサイズと同じようなサイズになります。
- [フィーチャの修正] ウィンドウを閉じて、選択を解除し、編集内容を保存します。
- プロジェクトを保存します。
このチュートリアル全体を通して、現地の国勢調査員に関連するデータを作成および編集しました。 ArcGIS Pro でポイント データとポリゴン データの両方を操作し、フィーチャクラスを作成する方法、フィーチャを追加、移動、および削除する方法、頂点を編集する方法を学習しました。 また、マップ トポロジを使用して、ギャップや重複を残さずにエッジを編集しました。 国勢調査区をデジタイズし、サイズの基準に従うように国勢調査区を分割およびマージしました。
このワークフローで多くのことを学習しましたが、まだ多数の編集ツールが利用できます。 いくつかのツールを自分自身で調べてみることをお勧めします。詳細については、「ArcGIS Pro の編集」をご参照ください。
他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。