画像の検索とダウンロード

シンガポールの Landsat 画像を検索するために、GloVis アプリを使用して、無料の Landsat 画像のデータベース全体を検索します。 雲量が非常に少なく、比較的新しい画像を探します。 画像をダウンロードするために、USGS Earth Resources Observation and Science (EROS) Center の無料アカウントを作成します。このアカウントを使うと、Landsat データを必要なだけダウンロードできます。

Landsat 画像は、ファイル サイズが大きい場合があります。 ダウンロードするファイルのサイズは約 900 MB です。 処理を進める前に、コンピューター上に十分な空き容量があることを確認し、ダウンロード用に十分な待ち時間を確保してください。

アカウントの作成

Landsat データをダウンロードするには、USGS EROS のアカウントが必要です。 このアカウントの作成は無料ですが、アンケートへの回答と連絡先情報を提供する必要があります。

注意:

すでに USGS EROS のアカウントをお持ちの方は、次のセクションに進んでください。

  1. EROS Registration System」に移動します。
  2. 画面の指示に従って、登録手続きを進めます。

    登録が完了すると、登録を確認するメッセージが電子メール アドレスに送信されます。

  3. 電子メール内のリンクをクリックして、アカウントを有効にしてください。

シンガポールの検索

次は、GloVis を開き、シンガポールの場所に移動します。

  1. GloVis ホーム ページを開きます。

    このページでは、利用できる新機能の一部を説明します。

  2. [GloVis の起動] をクリックすると、GloVis が開きます。
    注意:

    GloVis サイトは、頻繁に更新されるため、このチュートリアルの図とは異なる場合があります。

    GloVis の起動ボタン

    GloVis が表示されます。

    GloVis アプリ

  3. 必要に応じて、[Would you like to take a tour?] ウィンドウを閉じます。

    米国の中心部をデフォルトの場所として、ビューアーが開きます。 [インターフェイス コントロール] ウィンドウには、Landsat 画像を検索するためのパラメーターがあります。 まず、サイン インします。

  4. マップ上部の黒いツールバーで、[ログイン] をクリックします。

    ログイン ボタン

  5. [EROS Registration System] 画面でユーザー名とパスワードを入力し、[サイン イン] をクリックします。

    次に、対象地域を特定します。

  6. マップ上部の白いツールバーで、[移動先] をクリックします。

    移動先ボタン

    [位置/シーンに移動] ウィンドウが表示されます。

  7. [位置/シーンに移動] ウィンドウで、[緯度/経度] をクリックします。

    移動先オプションの緯度/経度

    次に、シンガポールの中心部の座標を入力します。

  8. [緯度/経度に移動] セクションの [緯度] に「1.36」、[経度] に「103.82」と入力します。 [位置に移動] をクリックします。

    緯度/経度に移動ウィンドウ

    マップ範囲の中心にシンガポールが表示されます。

    マップ範囲がシンガポールに移動

    島の大部分は高度に都市化されており、島の西部と中心部に緑の空き地がいくつか存在します。 ビューアーの下隅に縮尺記号がありますが、この範囲では、他の地理フィーチャを基準としてシンガポールの大きさを認識することは困難です。

  9. [縮小] ボタンを 2 ~ 3 回クリックします。

    縮小ボタン

    これで、マレーシアやインドネシアなどの周辺諸国と比較したシンガポールの大きさがわかります。

    東南アジアの他の国と比較したシンガポール

  10. [拡大] ボタンを使用して 6 倍に拡大するか、シンガポールに戻ります。

    拡大ボタン

  11. 次の画像例に示すように、シンガポールの島の大半が表示されることを確認します。 こうすることで、ワークフローの次のステップで、関連画像がわかりやすくなります。

    シンガポールを拡大表示

    1 都市と同じような大きさの国では、土地利用と都市開発において、他では見られない課題があります。 シンガポールは、海を干拓して領土を拡大しているものの、国境は一般に固定されたままであるため、厳密な計画が必要とされます。 ただし、適正な計画を行うには、高品質なデータが必要です。

画像の検索

実際の都市計画プロジェクトでは、多数の情報源から得られたさまざまなデータ タイプを使用します。 ここで Landsat 画像データベースからダウンロードする 1 つの画像は、計画の出発点として、高品質なデータで都市全体の展望を示します。 Landsat 画像はマルチスペクトルです。つまり、1 つの画像は実際には複数のイメージ レイヤーの集まりであり、それぞれが特定の波長バンドで撮影されたものです。 レイヤーは、植生、海岸線、人工建造物などのフィーチャを強調するために、さまざまな組み合わせで表示することができます。 Landsat 画像は、より専門的なデータを追加できる良質の参照資料です。

画像を検索する際は、最初に目的の画像のタイプを選択します。

  1. [インターフェイス コントロール] ウィンドウの [選択されたデータ セット] の横にある [クリックしてデータセットを追加] ボタンをクリックします。

    クリックしてデータセットを追加ボタン

    [データ セットの追加] ウィンドウが表示されます。

    データ セットの追加ウィンドウ

    GloVis には多くの画像データセットが含まれており、それぞれが異なる衛星画像または航空写真プログラムで生成されています。 たとえば、米国の複数の Landsat 衛星やヨーロッパの Sentinel-2 衛星の出力が含まれ、地球全体をカバーしています。

    注意:

    [データ セット情報の表示] ボタンをクリックすると、各データセットの詳細が表示されます。

    データ セット情報の表示ボタン

    Landsat 8 または 9 画像を見つけます。

  2. データセットのリストを下にスクロールして、[Landsat 8-9 OLI/TIRS C2 L1] をオンにします。

    データ セットの選択セクションで Landsat 8-9 OLI/TIRS C2 L1 をオン

  3. [選択されたデータ セットの追加] をクリックします。

    選択されたデータ セットの追加ボタン

    しばらくすると、マップに Landsat 8-9 レイヤーが表示されます。

    マップに追加された Landsat レイヤー。

    Landsat 8/9 レイヤーは、[選択されたデータ セット] セクションにもリストされます。

    GloVis に追加された Landsat 8-9 データセット。

    [選択されたデータ セット] ウィンドウに、条件に一致するシーン (または画像) が 276 件あることが示されます。 これは、現在のマップ範囲と重複し、シンガポールを示す Landsat 8-9 画像が 276 枚存在することを意味します。

    注意:

    新しい画像が毎日 Landsat 8-9 データセットに追加されるため、検索によってより多くの画像が返される可能性があります。 また、画像例と比べて、マップ上に表示される最近の画像が増えている場合もあります。

    次に、検索対象を特定の日付範囲に絞ります。 過去数年間に撮影された画像が必要なため、範囲を 2018 年から現在の日付までに定義します。

  4. [インターフェイス コントロール] ウィンドウの [よく使用されるメタデータ フィルター] の横にある [クリックしてメタデータ フィルターを追加] をクリックします。

    メタデータ フィルターを追加。

    [フィルターの追加] ウィンドウが開きます。

  5. [フィルターの追加] ウィンドウの [フィルター タイプ] で、[取得日] を選択します。 [取得日の範囲] で、範囲を「01/01/2018」から今日の日付に設定します。

    フィルターの追加ウィンドウ

  6. [フィルターの追加] をクリックします。

    衛星画像に表示される範囲は、撮影時の気象条件によって、部分的または完全に雲に覆われていることがあります。 これは、熱帯雨林気候で、1 年を通じて高温多湿で雨が多いシンガポールのような場所ではよくあることです。 検索対象を雲の割合が少ない画像に絞り、雲量が画像の 15% 未満になるようにします。 そのために、さらに別のフィルターを追加します。

  7. [フィルターの追加] ウィンドウの [フィルター タイプ] で、[雲量] を選択します。 [雲量] の範囲を「0」から「15」に設定します。

    雲量のフィルターを追加。

  8. [フィルターの追加] をクリックして、[フィルターの追加] ウィンドウを閉じます。
  9. [インターフェイス コントロール] ウィンドウで [フィルターの適用] をクリックします。

    フィルターの適用ボタン

    [選択されたデータ セット] セクションが更新されます。 指定した条件を満たすシーンの数がかなり少なくなりました。

    注意:

    新しい画像が毎日 Landsat 8-9 データセットに追加されるため、実際に表示される数は次の画像例に示す数と異なる可能性があります。

    データ セットの選択セクションで特定されたシーン

    画像を参照し、目的に最適なものを選択します。 選択したシーンをより簡単に参照するには、タイムライン ウィンドウを表示します。

  10. [インターフェイス コントロール] ウィンドウで [クリックしてタイムラインを開く] ボタンをクリックします。

    クリックしてライムラインを開くボタン

    [結果のタイムライン] ウィンドウに、各年に対して選択されたシーンの数が表示されます。 マップに現在表示されているシーンの正確な日付が、ウィンドウの上部に表示されます。

    結果のタイムライン ウィンドウ

  11. [シーン ナビゲーター] ウィンドウで、[前へ] を数回クリックして利用可能な画像を参照し、前の画像に戻ります。 また、[次へ] をクリックして最新の画像に進むこともできます。

    タイム ライン ツールバーの次へボタン

    リストを移動する中で、現在の年がタイムラインで赤でハイライト表示されます。

    タイムラインで 2020 年がハイライト表示される

  12. リストを移動しながら、使用可能な画像を比較します。

    その多くは曇っています。 しかし [2018-05-24] の画像は品質が良く、雲もほとんど含まれていません。

    雲に覆われていない 2018 年のシンガポールの画像

    2018 年の画像をダウンロードするのが最適と判断しました。

    注意:

    雲量が少ない最新のシンガポールを表す新しい画像が、このチュートリアルが書かれた後に追加されている可能性もあります。 最新の適切な画像が存在する場合は、その画像を選択します。

画像のダウンロード

開発プロジェクト用に画像を選択したところで、次はその画像をダウンロードします。

  1. [シーン ナビゲーター] で、[ダウンロード] をクリックします。

    下部ツールバーのダウンロード ボタン

    画像をダウンロードするさまざまなオプションが表示されます。 画像解析に最適な形式である [Landsat Collection 2 Level-1 Product Bundle] を選択します。 ここには 11 個すべての Landsat 8 マルチスペクトル バンドとその他の関連ファイルも含まれているため、画像の外観を変更して、地表のさまざまなフィーチャを強調することができます。 この形式では、画像はジオリファレンスされているため、ArcGIS Pro などの GIS アプリケーションに追加すると、マップ上の正しい位置に自動的に表示されます。

  2. [Landsat Collection 2 Level-1 Product Bundle][ダウンロード] ボタンをクリックします。

    Landsat Collection 2 Level-1 Product Bundle のダウンロード オプション

    注意:

    お使いのコンピューターやネットワークの接続状況によっては、ダウンロードに数分かかる場合もあります。

ここでは、GloVis アプリを使用して、Landsat マルチスペクトル衛星画像の大規模なデータベースを検索しました。 さらに、シンガポールでの計画プロジェクトに役立つ生データとなる画像を検索してダウンロードしました。

注意:

このチュートリアルでは、GloVis の Landsat 画像を確認しましたが、GloVis や他のサービスで探索および使用できる衛星は他にも多数あります。 LandsatLookEarthExplorer など、他の衛星画像アプリも探索してみてください。 Copernicus Open Access Hub も探索できます。

次に、ArcGIS Pro でこの画像を開いて、画像のバンド割り当てを変更し、シンガポールをよりはっきりと表示します。


画像の準備

ここまでに、Landsat 衛星によって撮影されたシンガポールの画像をダウンロードしました。 次に、解析で使用するために画像を準備します。 最初に、ダウンロードされたときの圧縮ファイル形式から画像を解凍します。 次に、ArcGIS Pro でマップに画像を追加し、シンガポールの都市フィーチャがより適切に表示されるようにバンド割り当てを変更して画像をシンボル表示します。

画像の圧縮解除

ダウンロード時間からもわかるように、未処理の Landsat 画像はファイル サイズが大きくなります。 ファイル サイズが大きい理由の 1 つは、それぞれが異なるスペクトル バンドを表す同一エリアの画像が、ダウンロードされた圧縮ファイルに 11 以上含まれているためです。 これらの個々のスペクトル バンド ファイルを組み合わせることで、マルチスペクトル画像の作成が可能になります。 コンテンツのすべてを表示するには、ダウンロードしたファイルを展開する必要があります。 また、データを保存するためのフォルダーも作成します。

  1. コンピューター上の覚えやすい場所 ([ドキュメント] フォルダーなど) に「Singapore Data」という名前のフォルダーを作成します。

    [Singapore Data] フォルダー

  2. コンピューター上で、ダウンロードしたファイルを選択します。
    注意:

    ほとんどのブラウザーでは、デフォルトでコンピューターのダウンロード フォルダーにファイルがダウンロードされます。

    [ダウンロード] フォルダー

    ファイル名は、USGS Web サイト上の識別コード (文字と数字から成る長い文字列) に基づきます。 ファイルの拡張子は .tar で、圧縮ファイルのタイプを表します。 つまり、画像を表示するには、コンテンツを圧縮解除する必要があります。

  3. ファイルを右クリックして、[Singapore Data] フォルダーにファイルを解凍します。
    注意:

    ファイルの解凍処理は、お使いのファイル圧縮ユーティリティによって異なります。

  4. [Singapore Data] で展開された [LC08_L1TP_125059_20180524_20200901_02_T1] フォルダーを特定します。

    展開したフォルダー

    ヒント:

    ファイル圧縮ユーティリティが [LC08_L1TP_125059_20180524_20200901_02_T1] フォルダーを作成せず、すべての画像ファイルを [Singapore Data] フォルダー直下に配置することもあります。

  5. [LC08_L1TP_125059_20180524_20200901_02_T1] フォルダーを開き、コンテンツを調査します。

    このフォルダーには、いくつかの TIFF 画像と、その他の数個のファイルが含まれています。

    解凍されたファイル

    ほとんどの画像は元のファイルと同じ名前ですが、末尾に B1、B2、B3 などの 2 文字が付加されています。 B はバンドを表し、各画像は、同じ画像の異なるスペクトル バンドを示しています。 Landsat 8 スペクトル バンドの詳細については、このチュートリアルの後半で説明します。

  6. 名前の末尾が [B1] の画像ファイルをダブルクリックして、コンピューターのデフォルトの画像ビューアーで開きます。

    バンド 1 の画像

    この画像は、大部分がグレーで、目に見える雲がいくらか存在しています。 大陸や海洋などの主要な被写体はぼやけており、識別することが困難です。 単一スペクトル バンドの画像は、光の波長のわずかな範囲しか含んでいないため、このような外観になりがちです。 人間の目で見たような外観の画像を作成するには、通常、複数のスペクトル バンドを割り当てて、1 つのマルチスペクトル画像を作成します。

  7. この画像を閉じます。

画像を ArcGIS Pro で開きます。

複数の個別のバンドを組み合わせて 1 つのマルチスペクトル画像として表示するには、ArcGIS Pro で新しいプロジェクトを開始します。

  1. ArcGIS Pro を起動します。 サイン インを求められたら、ライセンスが割り当てられた ArcGIS 組織アカウントを使用してサイン インします。
    注意:

    ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

    ArcGIS Pro を開くと、新しいプロジェクトを作成するか、既存のプロジェクトを開くかを選択できるオプションが表示されます。 以前プロジェクトを作成したことがある場合は、最近使用したプロジェクトのリストが表示されます。

  2. [新しいプロジェクト] の下の [マップ] をクリックします。

    空のテンプレートの下にあるマップ

    [マップ] テンプレートは、デフォルト ベースマップを使用してプロジェクトを作成します。

  3. [新しいプロジェクトの作成] ウィンドウで、プロジェクトの [名前] を「Singapore Development」に変更します。
    ヒント:

    デフォルトでは、プロジェクトは、[ドキュメント] フォルダーにある [ArcGIS] フォルダーに保存されます。 プロジェクトを他の場所に保存する場合は、別の場所を参照して選択してください。

    プロジェクトの名前と場所

  4. [OK] をクリックします。

    プロジェクトが開きます。

    プロジェクトの初期表示

    これで、デフォルト ベースマップだけが表示されます。

  5. リボンの [表示] タブをクリックします。 [ウィンドウ] グループで、[カタログ ウィンドウ] をクリックします。

    表示タブのウィンドウ グループのカタログ ウィンドウ

    [カタログ] ウィンドウが表示されます。 このウィンドウには、このプロジェクトに関連付けられたすべてのフォルダー、ファイル、データが表示されます。 このウィンドウを使用して、前に作成された [Singapore Data] フォルダーへのフォルダー接続を確立します。

  6. [カタログ] ウィンドウで、[フォルダー] の横にある矢印をクリックして展開します。

    [フォルダー] の展開

    プロジェクトに関連付けられたデフォルト フォルダーは [Singapore Development] です。これは、プロジェクトの作成時に作成されたフォルダーで、プロジェクトと同じ名前になっています。 このフォルダーには、空のジオデータベースとツールボックスがいくつか含まれていますが、実際のデータは含まれていません。

  7. [フォルダー] を右クリックして、[フォルダー接続の追加] を選択します。

    フォルダー接続の追加

  8. [フォルダー接続の追加] ウィンドウで、Landsat 画像の解凍先である [Singapore Data] フォルダーを参照して選択します。 [OK] をクリックします。

    [カタログ] ウィンドウの [フォルダー] に、[Singapore Data] フォルダーがリストされます。

  9. [Singapore Data] フォルダーと [LC08_L1TP_125059_20180524_20200901_02_T1] フォルダーを展開します。

    画像データ フォルダー

    ヒント:

    必要に応じて、ファイル名を完全に表示するには、[カタログ] ウィンドウの片側をドラッグして、ファイル名が完全に表示されるまで拡大します。

    このフォルダーには、11 の個別のスペクトル バンド (B1、B2、B3 など) と、その他数個のファイルが含まれています。 プロダクトのメタデータ ファイル (末尾が [MTL.txt]) には、複数のスペクトル バンドを 1 つのマルチスペクトル画像に合成する方法と、最適なレンダリングを行うために構成する方法に関する情報が含まれています。

  10. [LC08_L1TP_125059_20180524_20200901_02_T1_MTL.txt] を右クリックし、[現在のマップに追加] をクリックします。

    現在のマップに追加メニュー オプション

    注意:

    画像のピラミッドを構築したり、統計情報を計算したりするよう求めるウィンドウが表示されたら、[はい] をクリックします。

    画像がマップに追加されます。

    MTL.txt ファイル

    スペクトル バンドのいくつかが組み合わされているため、画像はカラフルに表示されます。 レイヤーは [コンテンツ] ウィンドウにもリストされます。

  11. [コンテンツ] ウィンドウで、[Multispectral_LC08_L1TP_125059_20180524_20200901_02_T1_MTL] レイヤーの下で提供されているレンダリング情報を調査します。

    イメージ レンダリング情報

    [赤][緑][青] のバンド (またはバンド番号 4、3、2) は、現在、[赤][緑][青] 画像表示チャンネルで表示されています。 これはナチュラル カラー バンド割り当てです。 赤、緑、青のバンドは、人間の目に見える光線のスペクトルを構成します。 3 つのバンドを組み合わせて、人の目に映るときの地形に近づけます。

次のセクションでは、異なるバンド割り当てを選択します。

バンド割り当ての変更

[ナチュラル カラー] バンド割り当ては一部のアプリケーションで役立ちますが、多くの場合アナリストは、ハイライト表示する特定のフィーチャに基づいて他のバンド割り当てを選択します。 次に、バンド割り当てを変更する方法を詳しく見ていきます。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで [Multispectral_LC08_L1TP_125059_20180524_20200901_02_T1_MTL] レイヤーが選択されていることを確認します。

    選択したレイヤー

  2. リボンの [ラスター レイヤー] タブの [レンダリング] グループで、[シンボル] ボタンをクリックします。

    シンボル ボタン

    [シンボル] ウィンドウが表示されます。

  3. [シンボル] ウィンドウで [プライマリ シンボル] セクションの内容を確認します。ここには、画像を表示するために使用されるバンドがリストされています。

    画像を表示するために使用されるバンドがリストされる

    [赤][緑][青] の画像表示チャンネルを通じて、一度に表示できるのは 3 つのバンドのみです。 [コンテンツ] ウィンドウでも見たように、現在 [赤][緑][青] のバンドが選択されており、ナチュラル カラー バンド割り当てが形成されます。 都市開発向けとしては、都市に関連性が高く、植生地域とは対照的なフィーチャを強調したバンド割り当ての方が適切な場合があります。 次の表に、各バンドとそのバンドで最適に表示される事物を示します。

    数値このバンドで最適に表示される事物

    1

    コースタル エアロゾル

    浅瀬、細かいちり粒子

    2

    深海、大気

    3

    植物

    4

    人工物体、土壌、植生

    5

    近赤外

    海岸線、植生

    6

    短波赤外 1

    雲の貫通性、土壌や植生中の水分

    7

    短波赤外 2

    改善した雲の貫通性、土壌や植生中の水分

    8

    パンクロマティック

    白黒画像、より鮮明な細部

    9

    Cirrus

    巻雲

    10

    熱赤外 1

    サーマル マッピング、推定土壌水分

    11

    熱赤外 2

    改善したサーマル マッピング、推定土壌水分

    [赤] バンドはシンガポールの都市環境における人工物体を強調表示し、[近赤外] バンドはシンガポールの海岸線や植生を強調します。 また、[短波赤外 1] バンドも、植生をハイライト表示し、画像内の雲の存在による影響を和らげるのに役立ちます。

    次に、[赤][緑][青] のチャンネルを通じて表示する 3 つのバンドを変更します。

  4. [シンボル] ウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
    • [赤] で、[短波赤外 1] を選択します。
    • [緑] で、[近赤外] を選択します。
    • [青] で、[赤] を選択します。

    バンド割り当て

    マップ上の画像が自動的に変化します。

    新しいバンド割り当てを使用した画像ファイル

    海岸線がより明確になり、植生は明るい緑色、都市部は薄い茶色のクラスター、水域は黒色または濃い青色で表示されます。

    [コンテンツ] ウィンドウのバンド割り当ても更新されます。

    新しいバンド割り当てを示すコンテンツ ウィンドウ

    [ラスター レイヤー] タブを使用し、このバンド割り当てとその他いくつかの一般的なバンド割り当てをショートカットとして設定することもできます。

  5. リボンの [ラスター レイヤー] タブの [レンダリング] グループで [バンド割り当て] をクリックし、[植生解析] が選択されていることを確認します。

    植生解析バンド割り当てオプション

    これは、作成された新しいバンド割り当ての名前です。 その名のとおり、このバンド割り当ては、植生をハイライト表示するのに適しています。 しかし、建物が密集する都市部や水域など、その他のフィーチャを明確に示すこともできます。 そのため、このレンダリングは多目的で使用されます。 [ナチュラル カラー] など、他のバンド割り当てもリスト内にあります。

  6. [バンド割り当て] ドロップダウン リストでその他のバンド割り当てを試し、それぞれに対応するバンドを [コンテンツ] ウィンドウで確認してください。 [植生解析] を選択し、今回の調査を締めくくります。
  7. [シンボル] ウィンドウを閉じます。
  8. マウス ホイール ボタンを使用し、シンガポールを拡大します。

    最終的な画像

    この画像は、島全体をカバーする優れた概観図であり、都市部と植生地域の違いが一目でわかるようになっています。

  9. [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] ボタンをクリックして、プロジェクトを保存します。

    クイック アクセス ツールバーの保存

    この画像は、視覚的に調べたり、他のデータを表示する際の背景として使用したり、詳細な画像解析ワークフローで使用したりすることができるようになりました。 都市開発プロジェクトで都市の将来を計画するには非常に多くの画像が必要になりますが、この画像は出発点として役立ちます。

    注意:

    画像解析の詳細については、Learn ArcGIS チュートリアル「衛星画像によるトウモロコシ畑のひょうによる被害の評価」や、「画像およびリモート センシングの概要」カリキュラムの「画像からの情報の抽出」セクションにあるその他のチュートリアルをご参照ください。

ここまでに、Landsat 衛星で 40 年にわたってキャプチャされた画像の大規模なデータベースを検索して、想定される都市開発プロジェクト向けに、シンガポールの島全体を表示している画像を見つけました。 画像を特定したら、その画像をダウンロードして ArcGIS Pro で開き、都市がより適切に表示されるようにそのバンド割り当てを変更しました。

注意:

このチュートリアルでは画像をローカル コンピューターにダウンロードしましたが、代わりにイメージ サービスを使用することもできます。 この方法では、クラウドにホストされている画像を表示し、多くの場合は解析することができるため、時間とコンピューターのディスク容量を節約できます。 ArcGIS Living Atlas of the World 画像カタログから、Esri がホストするイメージ サービスの例を探索してみてください。

クラウドベースのイメージ サービスを使用して画像データにアクセスする方法の詳細については、Learn ArcGIS チュートリアル「火山噴火のダイナミック イメージの調査」をご参照ください。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。