プロジェクトの作成
ドローン画像から計測値を取得する前に、その画像を処理する必要があります。 最初に、Drone2Map プロジェクトを作成して設定します。 ここでは次の作業を行います。
- 画像と出力プロダクトの座標系の確認
- 画像の追加
- コントロール ポイントの追加
画像のダウンロード
ドローンが撮影した画像は、.zip ファイルとしてオンラインで保存されています。 ファイルをダウンロードし、その内容を解凍して画像を 1 つ確認してから、Drone2Map プロジェクトに追加します。
- Create_2D_products_with_ArcGIS_Drone2Map .zip ファイルをダウンロードします。
注意:
このファイルのサイズは 700 MB を超えているため、ダウンロードに数分かかることがあります。
- ダウンロードしたファイルを見つけます。 このファイルを、お使いのコンピューターの探しやすい場所 ([ドキュメント] フォルダーなど) に展開します。
- [Create_2D_products_with_ArcGIS_Drone2Map] フォルダーを開きます。 [Drone Imagery] フォルダーを開きます。
このフォルダーには 89 の画像が格納されています。
- [DJI_0674] という名前の画像を開きます。
プレビューが表示されます。 この画像には、このチュートリアルで後に測定するストックパイルが表示されます。
- プレビューを閉じます。
- [Drone Imagery] フォルダーを閉じます。
テンプレートを使用したプロジェクトの作成
次に、Drone2Map でプロジェクトを作成します。 このプロジェクトは、ニーズに合ったテンプレートに基づいて作成されます。ダウンロードした画像もここに追加されます。
- ArcGIS Drone2Map を起動します。
注意:
Drone2Map がない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
- 求められた場合、ArcGIS アカウントにサイン インします。
注意:
組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
アプリケーションが開きます。
最初に、処理テンプレートを選択します。 テンプレートは、2D プロダクトと 3D プロダクトを作成するためのデフォルト設定になるものです。 マネージャーからは 2D 画像プロダクトと計測を求められているため、[2D プロダクト] テンプレートを選択します。 このテンプレートは、トゥルー オルソと数値表層モデル (DSM) の作成に使用でき、マルチスペクトル画像と熱赤外画像の処理にも使用できます。
注意:
処理テンプレートの詳細については、プロジェクトの作成をご参照ください。
- [処理テンプレート] で [2D プロダクト] を選択します。
次に、プロジェクトに名前を付けます。
- [プロジェクト名] に「Construction Site」と入力します。
- 必要に応じて、プロジェクトの保存場所を選択します。
プロジェクトが作成されると、Drone2Map プロジェクト ファイル、画像プロダクト、その他のデータセット用のフォルダー ディレクトリが作成されます。
次に、プロジェクトにドローン画像を追加します。 特定の画像を選択するか、画像が格納されたフォルダーを追加することができます。 [Drone Imagery] フォルダーに画像があるため、このフォルダーをプロジェクトに追加します。
- [フォルダーの追加] をクリックします。
[画像フォルダーの参照] ウィンドウが開きます。
- [Drone Imagery] フォルダーを参照して選択します。 [OK] をクリックします。
先ほど確認した 89 の画像がプロジェクトに読み込まれます。
各画像に、[Lat [Y]] (緯度)、[Long [X]] (経度)、および [Alt [Z]] (高さ) 属性を持つメタデータが含まれています。 これらの地理的属性は、各画像の撮影時にドローンによって保存されたものであり、これらの属性を使用して画像のマップ上での位置を特定できます。
次に、プロジェクト内のドローン画像の位置設定に使用される座標系を確認します。
- [画像座標系] をクリックします。
[空間参照] ウィンドウが表示されます。
ほとんどのドローンは、WGS 1984 水平座標系と EGM96 鉛直座標系を使用して画像位置を記録するため、これらの座標系が Drone2Map のデフォルトです。
リアルタイム キネマティック (RTK) または後処理キネマティック (PPK) の GPS システムを使用していない多くの一般的なドローン モデルは、飛行中に正確な高度情報を常に記録するわけではありません。 ドローンからの GPS 鉛直データが 100 メートル程度ずれることもあります。 プロダクトの標高値をできる限り正確にして、地表面の標高と適切に合わせたい場合は、地上コントロール ポイントを使用することをお勧めします。
このシナリオでは、WGS 1984 水平座標系と EGM96 鉛直座標系がドローンで使用されました。 デフォルト値はそのままにしておいてかまいません。 ドローンが別の空間参照を使用していた場合は、これらの設定を変更することが重要になります。
- [OK] をクリックします。
作成する画像プロダクトの座標系も設定できます。
- [投影座標系] をクリックします。
[空間参照] ウィンドウが表示されます。
出力プロダクトの水平座標系では、プロジェクトが位置する UTM ゾーンがデフォルトで使用されます。 このプロジェクトの場合は、UTM Zone 14 North です。 デフォルトの鉛直座標系は EGM96 です。
デフォルト値はそのままにしておきます。 後でコントロール ポイントを追加するときに、コントロール ポイントに対して設定した空間参照がデフォルトの UTM ゾーンよりも優先されます。
注意:
座標系、海抜高度と楕円体高の違い、鉛直参照系の詳細については、リンク先のドキュメントをご参照ください。
- [OK] をクリックします。
コントロール ポイントの追加
次に、プロジェクトにコントロール ポイントを追加します。 コントロール ポイントは通常、現場で高精度の GNSS 受信機を使用して収集されます。 コントロール ポイントには 2 つのタイプがあります。 地上コントロール ポイント (GCP) は、処理中に 2D プロダクトの水平精度と鉛直精度を上げるために使用します。 チェック ポイント (CP) は、最終プロダクトの全体的な正確度を確証するために使用します。 コントロール ポイントはプロジェクトへの追加時に、自動的に GCP として設定されます。 ここでは後で、5 つの GCP を CP に変更して、最終画像プロダクトの正確度を確認します。
注意:
詳細については、Drone2Map のプロジェクト精度の評価をご参照ください。
コントロール ポイントを使用せずにプロダクトを生成しても、相対精度の良好なデータセットを生成でき、それらの結果に基づいた計測作業を実行できます。 ただし、そのようなプロダクトは位置の正確度が確保されていない場合があります。つまり、計測対象として選択するフィーチャが本当の位置と合っていない可能性があります。 これらの水平精度や位置の考慮事項に加えて、ほとんどの商用ドローンおよびレポートの高度 (Z) 値で、100 メートル (約 328 フィート) を超えるエラーが発生することがあります。 このようなエラーが発生すると、高度値を修正するためのコントロール ポイントを追加しない限り、標高プロダクト (DSM、DTM) が正確な地表面の標高と合わなくなります。 詳細については、Having a bad case of vertigo をご参照ください。
- [コントロールのインポート] をクリックします。
[コントロールのインポート] ウィンドウが表示されます。 コントロール ポイントを追加します。 コントロール ポイントは Create_2D_products_with_ArcGIS_Drone2Map フォルダー内にテーブルとして提供されています。
- [Create_2D_products_with_ArcGIS_Drone2Map] フォルダーを参照し、Control Points .csv ファイルを選択します。
- [OK] をクリックします。
[コントロールのインポート] ウィンドウが表示されます。 ここでは、プロジェクトに追加する前に、コントロール ポイントの詳細を設定できます。
このプロジェクトのコントロール ポイントは、デフォルト設定とは異なる水平座標系と鉛直座標系を使用して収集されたものです。 これらの値を変更します。
- [コントロールの座標系] で、[水平および垂直空間参照の設定] ボタンをクリックします。
[空間参照] ウィンドウが表示されます。
まず、水平座標系を更新します。
注意:
この座標系のデフォルトは、先ほど確認した [投影座標系] です。 [コントロールのインポート] ウィンドウで座標系を変更すると、この [投影座標系] も更新されます。
- [空間参照] ウィンドウで、[現在の XY] が選択されていることを確認します。 検索バーに「6588」と入力し、Enter キーを押します。
6588 という値は、このコントロール ポイントの収集に使用された特定の水平座標系の識別子です。 これは、[NAD 1983 (2011) StatePlane Texas S Central FIPS 4204 (US Feet)] という座標系です。
次に、鉛直座標系を更新します。
- [現在の Z] のボックスをクリックします。 検索バーに「6360」と入力し、Enter キーを押します。
6360 という値は、このコントロール ポイントの収集に使用された特定の鉛直座標系の識別子です。 これは、[NAVD88 height (ftUS)] という鉛直座標系です。
- [OK] をクリックします。
各コントロール ポイントについて、写真が参照用に撮影されています。 次に、それらの写真をコントロール ポイントに添付します。
- [コントロール写真] で、[ラベル内] をオフにして、[参照] をクリックします。
- [Create_2D_products_with_ArcGIS_Drone2Map] を参照し、[Control Photos] フォルダーを選択します。
- [OK] をクリックします。
各コントロール ポイントに画像が添付されました。
次に、[コントロール フィールド情報] のパラメーターにデータを入力します。 これらのパラメーターは、ダウンロードしたテーブル内のフィールドを、画像処理時に Drone2Map によって使用されるさまざまな値に関連付けます。 コントロール ポイントの座標の他に、このテーブルにはコントロール ポイントの水平精度と鉛直精度も含まれています。 GNSS 受信機の水平精度と鉛直精度は 0.02 フィートです。 この情報を Drone2Map に提供します。
- [コントロール フィールド情報] で、次の作業を行います。
- [緯度 [Y]] が [Y] に設定されていることを確認します。
- [経度 [X]] が [X] に設定されていることを確認します。
- [標高 [Z]] が [Z] に設定されていることを確認します。
- [水平精度] を [XY_Acc] に設定します。
- [鉛直精度] を [Z_Acc] に設定します。
- [OK] をクリックします。
プロジェクトへの入力が完了しました。 次に、プロジェクトを作成します。
- [作成] をクリックします。
画像とコントロール ポイントがマップに追加され、プロジェクトが自動的に保存されます。
青色のポイントは、ドローンにより撮影された画像の位置を表します。 オレンジ色のラインは、飛行中のドローンの推定されるフライト パスです。 緑色の十字形はコントロール ポイントの位置を表します。
このモジュールでは、Drone2Map プロジェクトを作成して、画像とコントロール ポイントを追加しました。 また、プロジェクトの水平座標系を [NAD 1983 (2011) StatePlane Texas S Central FIPS 4204 (US Feet)] に、鉛直座標系を [NAVD88 height (ftUS)] に設定しました。
コントロール ポイントの設定
プロジェクトを作成し、画像の処理の準備がほぼ整いました。 ここではまず、一部のコントロール ポイントを地上コントロール ポイント (GCP)、その他をチェック ポイント (CP) として定義します。 次に、それらのコントロール ポイントにドローン画像の一部をリンクします。
コントロール ポイントへのラベルの設定
コントロール ポイントには、名前を格納する属性があります。 この属性を使用して、マップ上のコントロール ポイントにラベルを設定します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[コントロール] を右クリックして、[ラベル] を選択します。
ラベルが各コントロール ポイントに追加されます。 ただし、今は読みにくい状態です。
次に、ハローを追加してラベルを読みやすくします。
- [コントロール] を右クリックして、[ラベリング プロパティ] を選択します。
[ラベル クラス] ウィンドウが表示されます。
- [シンボル] タブをクリックします。
- [ハロー] を展開します。 [ハロー シンボル] で、[白 (塗りつぶし)] を選択します。
- [適用] をクリックします。
白のハローがラベルに適用されます。
チェック ポイントの作成
コントロール ポイントにラベルが設定されたため、次に、それらのうち 3 つを CP に指定します。 これらの CP を使用して、最終画像プロダクトの位置正確度を確認します。 他の 6 つのコントロール ポイントは GCP (デフォルト) のままにします。
- リボンの [ホーム] タブをクリックします。 [コントロール] グループで、[コントロール マネージャー] をクリックします。
[コントロール マネージャー] ウィンドウが表示されます。
このウィンドウでは、コントロール ポイントを表示し、GCP を CP に変更し、ドローン画像内のコントロール ポイントを識別できます。
次に、3 つの GCP を選択して CP に変換します。
- [コントロール マネージャー] ウィンドウで、次のコントロール ポイントを選択します。
- CP1
- CP2
- CP3
ヒント:
複数の GCP を選択するには、Ctrl キーを押しながら選択します。
- リボンの [ホーム] タブにある [コントロール] グループで、[コントロール] ドロップダウンをクリックして、[コントロール タイプ] を選択します。
[コントロール タイプの更新] ウィンドウが表示されます。 選択したコントロール ポイントをチェック ポイントに変更します。
- [リストからコントロール タイプを選択] で、[チェック ポイント] を選択します。
- [OK] をクリックします。
[コントロール マネージャー] ウィンドウで、選択したコントロール ポイントが CP に変更されます。
コントロール ポイントへの画像のリンク
GCP と CP をドローン画像内で識別する必要があります。 このプロセスはリンクと呼ばれ、画像の処理中に GCP と CP の正確な位置を画像に適用できるようにするものです。
- [コントロール マネージャー] ウィンドウで [画像リンク エディターを表示] ボタンをクリックします。
[画像のリンク] ウィンドウが表示されます。
このウィンドウで、コントロール ポイントにドローン画像をリンクできます。 まず、特定のコントロール ポイントを選択します。 次に、リストに表示される画像を切り替えます。 最後に、画像内にそのコントロール ポイントが見つかったらクリックします。 このプロセスにより、画像の特定の位置とコントロール ポイントの精密な位置が関連付けられます。 最低 2 つの画像を各コントロール ポイントにリンクする必要があり、3 ~ 8 つの画像をリンクすることをお勧めします。
このチュートリアルでリンクするコントロール ポイントはマンホールです。 組織によっては、ターゲットやその他の地表の景観上の識別しやすいフィーチャ (路面表示など) を使用できる場合もあるでしょう。
- [画像のリンク] ウィンドウの [コントロール ポイント] で、[GCP1] を選択します。
[画像のリンク] ウィンドウの画像が更新されます。 デフォルトの Drone2Map では、選択したコントロール ポイントに最も近い画像が最初に表示されます。 画像がウィンドウにリスト表示されます。 このコントロール ポイントに最も近い画像は [DJI_0784.jpg] です。
[画像のリンク] ウィンドウで選択したコントロール ポイントがマップ上でも選択されます。
- [画像のリンク] ウィンドウを移動して、選択したコントロール ポイントが見えるようにします。
ヒント:
マップ上のラベルを使用して、コントロール ポイント [GCP1] を探します。 選択したコントロール ポイントがプロジェクト エリア南端のクルドサックの中央にあります。 コントロール ポイントを選択すると、明るい青色でハイライト表示されます。
- [画像のリンク] ウィンドウで、画像を拡大してマンホールを見つけます。
拡大には、マウスのスクロール ホイールを使用するか、[拡大] ボタンを使用します。
コントロール ポイントをリンクする際には拡大することが不可欠です。 画像をリンクする際の精度が出力プロダクトの品質に影響します。
- マンホールの中心をクリックします。
画像上に赤のマークが表示されます。 コントロール ポイント [GCP1] には、画像名 [DJI_00784.jpg] の横にチェックマークがあることで示されているように、画像が 1 つリンクされています。
注意:
Drone2Map の設定によっては、マークが黄色などの異なる色で表示される場合があります。 マークの色で結果が変わることはありません。 マークの色は、[プロジェクト] をクリックし、[設定] をクリックして調整できます。 画像リンクの色を変更するには、[コントロール] タブで、[画像リンクの色] パラメーターを変更します。
- 2 番目に近い画像である [DJI_0797.jpg] をクリックします。
- 画像を拡大してマンホールを見つけます。 マンホールの中心をクリックします。
このコントロール ポイントに、処理に必要となる最小数のリンク画像を設定しました。 リンク画像の数は [リンク] に表示されます。
注意:
必要に応じてこのプロセスを続けて、このコントロール ポイントに対して他のリンクを追加します。 結果の正確度を向上させるために、各コントロール ポイントに 3 ~ 8 つの画像をリンクすることをお勧めします。
選択した画像内に該当するコントロール ポイントが表示されない場合もあります。 その場合は、次の画像までスキップして、引き続きコントロール ポイントを探します。
- [コントロール ポイント] で、[GCP2] を選択します。 マップ上にコントロール ポイントが表示されるように、[画像のリンク] ウィンドウを調整します。
マンホールが三叉路の中央にあります。
- このコントロール ポイントを 2 つの画像にリンクします。
通常は、プロジェクトの各コントロール ポイントに対してこれらの手順を繰り返します。 このチュートリアルでは、コントロール ポイントを消去して、いくつかの画像リンクを含め、すべてのコントロール ポイントを格納した .zip ファイルをインポートします。
- [OK] をクリックします。
- [コントロール マネージャー] ウィンドウで、Ctrl キーを押しながらすべてのコントロール ポイントを選択します。
- [選択した領域の削除] ボタンをクリックします。
[コントロールの削除] ウィンドウが表示されます。
- [コントロールの削除] ウィンドウで、[はい] をクリックします。
コントロール ポイントが削除されます。
- [コントロール マネージャー] ウィンドウで、[コントロールのインポート] ボタンをクリックします。
- [コントロールのインポート] ウィンドウで、[Create_2D_products_with_ArcGIS_Drone2Map] フォルダーを参照します。 [Control Points Export .zip] を選択し、[OK] をクリックします。
[コントロールのインポート] ウィンドウが表示されます。 各コントロール ポイントがリンクされている画像が一覧表示されます。
- [コントロールのインポート] ウィンドウで、[OK] をクリックします。
先ほど削除したコントロール ポイントが再度追加されていますが、今回はこのプロジェクトの画像にすでにリンクされています。 名前の横にあるチェックマークは、2 つ以上の画像にリンクされていることを示します。
- [クイック アクセス ツールバー] で [プロジェクトの保存] ボタンをクリックします。
このモジュールでは、コントロール ポイントを画像にリンクし、一部を GCP、その他を CP として定義しました。 これらのコントロール ポイントは、画像の処理時に使用されます。
画像の処理と結果の確認
画像をコントロール ポイントにリンクし、画像を処理する準備がほぼ整いました。 処理を開始する前に、処理オプションを見ていきます。 処理オプションを使用して、Drone2Map で作成されるプロダクトの内容とその全体的な品質を指定できます。
処理オプションの設定
[処理オプション] ウィンドウでは、画像を処理する前にプロジェクトの入力と出力を確認できます。
- リボンの [ホーム] タブをクリックします。 [処理] グループで、[オプション] をクリックします。
[オプション] ウィンドウが表示されます。
このウィンドウでは、固有の分析要件に合うように写真測量プロセスの主要なコンポーネントを設定できます。 [2D プロダクト] テンプレートの選択時にデフォルトのオプションが設定されています。 デフォルトの設定を減らして出力の品質を下げる方が、ドローン画像を素早く処理するために良い場合があります。 それとは逆に、設定を増やして出力の品質を上げる方が、そのドローン プロジェクトにとって効果的である場合もあります。
注意:
使用できるオプションの詳細な説明については、処理オプションをご参照ください。
次に、一部のオプションを見ていきます。
- [オプション] ウィンドウで、[一般] タブが選択されていることを確認します。
[一般] タブでは、出力プロダクトの品質や解像度を調整できます。 また、それらのプロダクトを生成する際に使用されるコンピューターの処理能力の大きさを定義できます。 たとえば、画像の処理時間を短縮したい場合は、[ポイント クラウド密度] パラメーターを [中] に変更できます。 この変更によって画像の処理時間は短縮しますが、出力の品質も下がることになります。
- [画像の調整] タブをクリックします。
[画像の調整] タブでは、ブロック調整プロセス、タイ ポイントの一致、およびポイント クラウドの生成で使用される設定を定義できます。 これらは、Drone2Map での画像プロダクトの作成時に発生するさまざまなサブプロセスです。
- [2D プロダクト] タブをクリックします。
[2D プロダクト] タブでは、トゥルー オルソ、数値表層モデル、数値地形モデルの処理オプションと、目的の出力を調整できます。 [2D プロダクト] テンプレートを選択したため、[トゥルー オルソ] および [DSM] プロダクトがデフォルトで選択されています。
- [数値表層モデル] で、[陰影起伏の作成]、[コンター作成]、[シェープファイルのエクスポート] の横にあるチェックボックスをオンにします。
Drone2Map で作成されるコンターを設定できます。 デフォルトでは、10 フィート間隔に設定されています。 これを 2 フィート間隔に変更します。 間隔の計測単位がフィートである理由は、プロジェクトの座標系がフィート単位であるためです。 メートルを使用する座標系が選択された場合は、計測単位がメートルになります。
- [コンター作成] で、[間隔] に「2」と入力します。
[オプション] ウィンドウのその他のタブでは、3D プロダクトの出力、プロジェクトの座標系の確認、プロジェクトに関するその他の詳細の表示が可能です。
- [OK] をクリックします。
画像の処理を開始する前に、[管理] ウィンドウで出力を確認します。
- リボンの [ホーム] タブの [処理] グループで、[管理] をクリックします。
[管理] ウィンドウが表示されます。 このウィンドウでは、画像の処理時に作成されるプロダクトの概要が表示されます。
- [3D プロダクト] と [レポート] のグループを展開します。
[2D プロダクト] で、[トゥルー オルソ] と [数値表層モデル] が処理用のキューに配置済みになっています。 [3D プロダクト] では何も選択されていません。 これは、[2D プロダクト] テンプレートを選択したためです。 [レポート] では [処理レポート] が作成されます。 この出力には、画像の入力と出力の品質や正確度に関する有益な情報が表示されます。
次に、画像を処理します。
- リボンの [ホーム] タブをクリックします。 [処理] グループで [開始] をクリックします。
注意:
[処理に関する警告] ウィンドウが表示されたら、 [いいえ] をクリックします。この警告は、ドローン画像の座標系とプロジェクトの座標系の間に座標変換が見つからないことを示しています。 正しい座標変換を取得するために、[ArcGIS Coordinate Systems Data] をインストールする必要があります。 プロジェクトを保存し、Drone2Map を閉じます。[ArcGIS Coordinate Systems Data] をインストールし、もう一度 Drone2Map を開いて処理を開始します。
処理の進捗状況が [管理] ウィンドウに表示されます。
注意:
画像の処理にかかる時間は、コンピューターのハードウェア、処理する画像数、画像の解像度、Drone2Map で生成しているプロダクトによって変わります。 このチュートリアルでは、処理に 30 分から 1 時間超かかる場合もあります。
処理が終了すると、複数のレイヤーが [コンテンツ] ウィンドウとマップに追加されます。
処理レポートの確認
処理の完了後、処理レポートを確認します。 このドキュメントには、プロジェクトの品質と正確度に関する情報や、処理に対して定義したオプションの概要が記載されています。 処理レポートの確認は重要なステップです。生成されたプロダクトの外観にデータセットの品質が反映されていない場合があるためです。 あるいは、自分が実施した建設現場の計測がマネージャーにとっては適切でなかった可能性もあります。
注意:
処理レポートの詳細については、Drone2Map 処理レポートの概要をご参照ください。
- リボンの [ホーム] タブをクリックします。 [処理] グループで [レポート] をクリックします。
[処理レポート] ウィンドウが表示されます。
注意:
処理レポートの値は画像例の値とは異なる場合があります。
[プロジェクト サマリー] セクションには、処理された分析範囲の概要が表示されます。 キャリブレーションされた画像の数は特に重要です。 キャリブレーションされていない画像が多すぎる場合、出力プロダクトの品質に影響することがあります。 [地表解像度] の値は、トゥルー オルソの解像度です。
- [画像の調整] セクションまで下にスクロールします。
[サマリー] サブセクションには、結果のコントロール ポイント位置の二乗平均平方根誤差 (RMSE) など、モデル パフォーマンスの重要指標に関する情報が表示されます。 RMSE の値が高いほど、出力された結果の位置が正確でない可能性があり、その閾値はエンドユーザーのニーズにより決定できます。 位置正確度の設定に関するフレームワークは、American Society of Photogrammetry and Remote Sensing (ASPRS) の Positional Accuracy Standards for Digital Geospatial Data に記載されています。 また、再投影エラーの RMSE は、調整プロセスでの画像のキャリブレーション ステップの品質を示している可能性があります。 再投影エラーの値は 1 未満でなければなりません。 プロジェクト サマリーの他の項目は、処理に関するその他の重要な情報を示しており、Drone2Map 処理レポートの概要の記事で詳細を説明しています。
- [調整済み画像位置] サブセクションまで下にスクロールします。
このグラフィックは、処理中に画像に適用されたシフトを視覚化したものです。 青い点は画像の元々の位置、緑の点は再配置後の位置を示します。 これらの点の間に大幅なシフトがある場合、画像が収集されたときの GPS 精度が低かった可能性があります。その場合、ドローンに GPS の問題がある可能性をユーザーが認識する必要があります。 ただし、レポートのその他の指標が良好である場合は、Drone2Map で適用された処理により GPS のエラーが適切に修正されているため、出力結果は良好となっているはずです。
- [画像オーバーラップ] サブセクションまで下にスクロールします。
ドローンにより撮影された画像間のオーバーラップは非常に重要です。 このグラフィックは、オーバーラップの度合いが高いエリアまたは低いエリアの特定に役立ちます。画像のオーバーラップが不十分であるために再構築がうまくいかなかったエリアや画像が削除されたエリアのトラブルシューティングに使用します。
- [ジオロケーションの詳細] セクション内の [チェック ポイント] テーブルまで下にスクロールします。
チェック ポイント テーブルの [dX]、[dY]、[dZ] フィールドには、コントロール ポイントを指定した位置に合わせようとした際に計算された残差エラー (偏差) が表示されます。 RMSE 値が低い場合、ブロック調整が成功したことを示します。 いずれかのポイントに他よりも格段に高い残差エラーがある場合、そのポイントへのリンクを確認し、手動のリンク中のエラーがなかったかを調査する必要があります。
- [処理レポート] ウィンドウを閉じます。
画像プロダクトの確認
出力の正確度について確認しましたので、次にマップ上の画像プロダクトを調査してプロジェクト エリアについて理解を深めます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[プロジェクト データ] グループを折りたたんでオフにします。
これで画像プロダクトがマップ上で見やすくなりました。 レイヤー上の線は標高コンター (フィート単位) を表します。
次に、プロジェクト エリア内の標高を見ていきます。
- リボンの [ホーム] タブの [ナビゲーション] グループで [マップ操作] をクリックします。
- マップ上で任意のコンターをクリックします。
コンターのポップアップが表示されます。 [コンター] 属性には標高値が含まれます。
- ポップアップを閉じます。
次に、標高コンターなしの [トゥルー オルソ] レイヤーを確認します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[DSM コンター] レイヤーをオフにします。
これで、[トゥルー オルソ] レイヤーのみが表示されます。 この建設現場のフィーチャが明確に示されています。
次に、[DSM 陰影起伏] レイヤーを確認します。
- [トゥルー オルソ] レイヤーをオフにします。
[DSM 陰影起伏] レイヤーが見えるようになります。 このレイヤーは陰影処理を使用することで、標高の変化が感じられるようになります。 プロジェクト エリアの中心エリアに、標高が最も高い部分があります。 3 つの大きなストックパイルが表示されています。 後で、この最も大きいストックパイルの体積を計測します。
最後の出力は [数値表層モデル] レイヤーです。
- [DSM 陰影起伏] レイヤーをオフにします。
[数値表層モデル] レイヤーが見えるようになります。 このレイヤーには、分析範囲全体の標高情報が含まれています。
- マップ上で、[数値表層モデル] レイヤーの任意の場所をクリックします。
その位置の標高を示すポップアップが表示されます。
- ポップアップを閉じます。
- プロジェクトを保存します。
ここでは、画像プロダクトを調査して正確度を確認しました。これで、最も大きいストックパイルを計測して結果を Web に共有する準備ができました。
結果の計測と共有
画像プロダクトをオンラインで共有する前に、ストックパイルの 1 つについて体積を計算します。 あなたのマネージャーは、この住宅開発の現場に十分な資材があるかを確認したいと思っています。 そのような計測を実行するために、解析ツールを使用します。
ストックパイルの体積の計測
ストックパイルは [トゥルー オルソ] レイヤーで最も見やすくなります。 そのレイヤーを使用して計測を実行します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[True Ortho] レイヤーをオンにします。
高精度の計測を実行できるように、対象のストックパイルにズームします。 プロジェクト エリアの南端にあります。
- 最も大きいストックパイルにズームします。
- リボンの [解析] タブをクリックします。 [計測] グループで、[体積] をクリックします。
次に、ストックパイルを定義するポリゴンを描画します。
注意:
このチュートリアルでは使用しませんが、Drone2Map にはポイント、距離、面積を計測するための他のツールもあります。
- マップ上で、ストックパイルのエッジをクリックして、ポリゴンの描画を開始します。
デジタイズする場合は、ストックパイルの基礎部分の近くをクリックします。 画像プロダクト内に小さなアーティファクトがあると、ポリゴンが正確に描画されていない場合に、結果がエラーになる可能性があります。
- 引き続きクリックして、ストックパイルの基礎部分の周囲にポリゴンを描画します。
注意:
頂点を移動する必要がある場合は、カーソルを頂点に合わせます。 少し待つと、カーソルが変化して、ドラッグで位置を変更できるようになります。 最初からやり直す必要がある場合は、Esc キーを押します。
- ダブルクリックして、ストックパイルのアウトラインの描画を終了します。
[計測結果] ウィンドウが表示されます。
このウィンドウに、指定したストックパイルに関する情報が表示されます。 体積の推定値は約 3,500 立方フィートです。 マネージャーにこの情報を伝え、盛り土の追加が必要か、あるいは建設後の残存物を除去するために追加のダンプ トラックが必要になるかを判断してもらうことができます。
注意:
画像プロダクトおよび描画したポリゴンの正確度によって、異なる結果になる可能性があります。
体積またはその他の計算の計測単位を変更する必要がある場合は、[計測結果] ウィンドウで、[計測オプション] ボタンをクリックします。 [単位] で単位を更新できます。
- 必要に応じて、[解析] タブにある他の計測ツールを使用します。
建設現場にある最も大きいストックパイルの体積を計算しました。 次に、この情報をレポートとして共有します。
- [計測結果] ウィンドウで、[レポートの生成] ボタンをクリックします。
[レポートの生成] ウィンドウが表示されます。 次に、レポートの保存場所を選択します。
- [レポートの生成] ウィンドウで、[Construction Site] プロジェクト フォルダーを参照します。 [名前] に「Construction Site Measurement」と入力します。
- [保存] をクリックします。
- コンピューターのファイル ブラウザーで、[Construction Site Measurement] ファイルを開きます。
Drone2Map で計算された値が共有用にこのレポートに追加されています。
- [Construction Site Measurement] ファイルとファイル ブラウザーを閉じます。
- Drone2Map で、プロジェクトを保存します。
画像プロダクトの共有
画像プロダクトを生成し、プロダクトとプロダクト品質を確認し、現場の重要なフィーチャを計測しました。次に、Web マップを使用して、これらのプロダクトを共同作業者、関係者、または顧客に共有します。 コンテンツを Web に共有する際には、ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise のアカウントを使用できます。
- リボンの [共有] タブをクリックします。 [共有] グループで、[Web マップ] を選択します。
[Web マップの共有] ウィンドウが表示されます。 このウィンドウで、公開するレイヤーを選択できます。
- [Web マップの共有] ウィンドウの [レイヤー] で、7 つのレイヤーの横にあるチェックボックスをすべてオンにします。
次に、これらのレイヤーに名前を付けます。
- [タイトル] に「Construction Site」と入力します。
また、このマップを他のユーザーと共有します。 このコンテンツの共有先として、グループ、自組織、または一般ユーザーを選択できます。 このチュートリアルでは、マネージャーが確認できるように、自組織と共有します。
- [グループ] で、[組織] の横にあるチェックボックスをオンにします。
最後に、コンテンツを Web に共有します。
注意:
[プロパティ] タブを使用すれば、レイヤーの共有に関する他の詳細を設定できます。
- [共有] ボタンをクリックします。
[管理] ウィンドウが表示されます。 データがパッケージ化され、一連のアイテムとして Web に公開されます。 このプロセスには数分かかる場合があります。
共有が完了したら、Web マップを確認します。
- [共有アイテム] の横にある [Construction Site Web Map] をクリックします。
Web ブラウザーが開きます。 ライセンスされた Drone2Map と同じアカウントを使用してサイン インします。
- ライセンスされた ArcGIS アカウントを使用してサイン インします。
Web マップの詳細ページが表示されます。
- [Map Viewer で開く] をクリックします。
マップが開き、Drone2Map からのコンテンツがレイヤーとして追加されています。
これでコンテンツが Web に表示されたので、Instant Apps、Dashboards などの Web アプリでパッケージ化できます。
このチュートリアルでは、Drone2Map を使用して、未処理のドローン画像を取り込んで処理しました。 また、GCP と CP を追加してそれらをドローン画像にリンクすることで、最終的な出力が高精度になるようにしました。 画像を処理した後、その品質を確認してからストックパイルの体積を計測し、自組織と共有しました。
他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。