ローカル シーンとデータの設定
今後予定されている改築計画を比較するために、ペンシルバニア州立大学 (Penn State) 構内の 2 つの建物 (Oswald 棟と Old Botany 棟) の写実的な 3D モデルを作成します。 このような 3D オブジェクトは、テクスチャ処理された複雑な 3D シェープを定義できるデータ タイプであるマルチパッチ フィーチャとして構築することができます。
注意:
このチュートリアルでは 3D シェープの構築方法に主眼が置かれていますが、このような 3D シェープを構築する際に LIDAR 点群をガイドとして使用する方法、また空から撮影された写真や地上で撮影された写真を使用して写実的な外観と屋根面を作成する方法を示すことでリモート センシングにも触れています。
まず、プロジェクトをダウンロードして検索し、LIDAR 点群レイヤーを追加し、2D 建物フットプリントを 3D マルチパッチ フィーチャに変換します。
プロジェクトを開いてマップとシーンを操作
まず、プロジェクトをダウンロードして ArcGIS Pro で開きます。
- [Penn State Buildings] .zip ファイルをダウンロードします。
注意:
お使いの Web ブラウザーによっては、ダウンロードを開始する前に、ファイルの場所を選択するよう求めるメッセージが表示される場合があります。 ほとんどのブラウザーでは、デフォルトでコンピューターのダウンロード フォルダーがダウンロード先の場所になります。
- コンピューター上で、ダウンロードしたファイルを選択します。 該当する .zip ファイルを右クリックして、アクセスしやすい場所に展開します ([ドキュメント] フォルダーなど)。
- 展開した [Penn State Buildings] フォルダーを開きます。 [Penn State Buildings] プロジェクト ファイルをダブルクリックして ArcGIS Pro で開きます。
- 必要に応じて、ライセンス付き ArcGIS アカウントを使用してサイン インします。
注意:
ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
プロジェクトが開きます。
プロジェクトがマップ ビューで開き、[World Topographic Map] の [World Hillshade] ベースマップを使用してペンシルバニア州立大学構内のエリアが表示されます。 [Penn_State_2D_Footprints] レイヤーには、青色でシンボル表示された 2 つの建物の 2D フットプリント ポリゴンが示されています。
注意:
建物フットプリントは、建物の 2D 地表面の形状を示します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Penn_State_2D_Footprints] レイヤーをクリックして選択します。
- マップ上で、最も北にある建物をクリックします。
これが Oswald Tower であることを示す情報ポップアップが表示されます。
- 他の建物をクリックします。
ポップアップが Old Botany 棟に関する情報に更新されます。
- ポップアップを閉じます。
マップ ビューは、2D データを表示する 2D マップです。 次に、3D 対応のシーン ビューを操作し、シーン ビューを使用して 2 つの建物の 3D 表現を作成します。
- [Scene] タブをクリックします。
シーン ビューにはローカル シーンが格納されています。 ローカル シーンは、1 つの都市やこのケースの大学のキャンパスのように、空間範囲が限られており、投影座標系を使用する 3D データセットを表示する場合に便利です。
同じ 2D 建物フットプリント レイヤー [Penn_State_2D_Footprints] がシーン ビューに表示されますが、2 つの建物フットプリントは完全には表示されず、地面に沈み込んでいるように見えます。 これは、これらの建物フットプリントが 3D 環境で表示されており、2D ポリゴンの一部が地形標高のわずかな高低差で覆われているためです。 建物がよく見えるように、このレイヤーの標高プロパティを設定します。
[Penn_State_3D_Buildings] という別のレイヤーも存在します。これは、マルチパッチ レイヤーであり、テクスチャ処理された複雑な 3D シェープを格納できます。 現時点では空白です。 後から、構築した 3D 建物が格納されます。 ここでは、2D 建物がはっきり見えるように、2D 建物レイヤーの表示を変更します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Penn_State_2D_Footprints] を右クリックして、[プロパティ] を選択します。 [高度] タブをクリックします。
[高度] タブでは、シーンでの 3D フィーチャの表示方法を決定できます。 現在、建物は絶対高度で表示されています。これは、フィーチャの正確な高度がわかっている場合に適しています。 建物は地表にあることから、建物の高度を地表に設定します。
- [フィーチャ] で、ドロップダウン メニューをクリックし、[地表] を選択します。
- [OK] をクリックします。
これで、建物がシーンに鮮明に表示されるようになりました。 完璧に表示されているとは限りませんが、見やすくなっています。
注意:
範囲とシーンの傾け方に基づいて建物が異なって表示されるため、画像が正確に一致しない可能性があります。
LIDAR 点群の追加
次に、オンラインでホストされる LIDAR 点群レイヤーを追加します。このレイヤーは、3D 建物を構築する際のガイドになります。 LIDAR データの詳細
- リボンの [表示] タブをクリックします。 [ウィンドウ] グループで、[カタログ ウィンドウ] をクリックします。
[カタログ] ウィンドウが表示されます。
- [カタログ] ウィンドウで [ポータル] タブをクリックし、[ArcGIS Online] ボタンをクリックします。
ポータルは、ArcGIS Pro の初回起動時にサイン インに使用したライセンス付きアカウントです。 ArcGIS Online アカウントでサイン インしているため、そのアカウントでアクセス可能なすべての ArcGIS Online データにアクセスできます。
- 検索ボックスに「2017 PSU LiDAR owner:Learn_ArcGIS」と入力し、Enter キーを押します。
- 結果のリストで、[2017 PSU LiDAR] シーン レイヤー パッケージを右クリックし、[現在のマップに追加] を選択します。
LIDAR 点群データがシーン上に描画されます。 各ポイントは、地面の標高、建物、樹木、または地形の別の標高を表します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[2017 PSU LiDAR] を展開して凡例を表示します。
標高が最も低いレイヤーのポイントは濃い青色でシンボル表示され、標高が最も高いレイヤーのポイントは赤色でシンボル表示されます。
現在、上から点群を見ているので、3D 効果はあまり得られていません。 LIDAR レイヤーを操作しやすくするために、[ナビゲーター] でシーンを傾けたり回転させたりして横向きに表示します。
- リボンの [表示] タブにある [ナビゲーション] グループで、[ナビゲーター] ツールがアクティブになっていることを確認します。
- シーンの [ナビゲーター] の上にある [フル コントロールの表示] ボタンをクリックします。
[ナビゲーター] が 3D 球体に変わり、3D ナビゲーション用のホイールが別に表示されます。
- 展開した [ナビゲーター] で、中央のホイールを使用して、シーンを傾けたり回転させたりします。 マウス スクロール ホイールを使用して拡大表示と縮小表示を行います。
注意:
また、キーボードを使用してシーンをナビゲートすることもできます。傾ける場合は V キー、回転させる場合は B キー、画面移動する場合は C キー、ズームする場合は Z キーを押します。[上]、[下]、[左]、[右] 矢印キーと組み合わせて使用できます。
- [2017 PSU LiDAR] レイヤーを調査して、標高が異なる複数のポイントで構成されていることを確認します。
これらのポイントは、すべての建物、樹木、および地表の詳細を定義します。
- 調査を行う場合は、[コンテンツ] ウィンドウで [Penn_State_2D_Footprints] を右クリックして [レイヤーにズーム] を選択します。
シーンの範囲は構内の 2 つの建物が中心になっています。
- [クイック アクセス ツールバー] で [プロジェクトの保存] ボタンをクリックします。
- プロジェクトを現在のバージョンの ArcGIS Pro に保存するか確認するプロンプトが表示されたら、[はい] をクリックします。
建物フットプリントをマルチパッチ フィーチャに変換
次に、2D 建物フットプリントを [Penn_State_3D_Buildings] マルチパッチ レイヤーにコピーします。 これらのフットプリントのコピーは 3D 建物を作成する際の始点になります。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[2017 PSU LiDAR] レイヤーのチェックをオフにし、このレイヤーをオフにします。
- リボンの [マップ] タブをクリックします。 [選択] グループの [選択] ボタンをクリックします。
- シーン上で、2 つの建物フットプリント フィーチャを検索します。 両方の建物を含む四角形を描画して、それらの建物を選択します。
両方のポリゴンが選択されてハイライト表示されます。 地形の相違によって、選択した建物のほんの一部しか表示されないことがあります。
- 選択結果を右クリックし、[コピー] を選択します。
- リボンの [マップ] タブにある [クリップボード] グループで [貼り付け] ドロップダウン矢印をクリックして [形式を選択して貼り付け] を選択します。
[形式を選択して貼り付け] ウィンドウが表示されます。
- [形式を選択して貼り付け] ウィンドウの [貼り付け先] で [Penn_State_3D_Buildings] マルチパッチ フィーチャクラスを選択します。 [ソース属性値を維持] がオンであることを確認します。
注意:
コピー先のレイヤー [Penn_State_3D_Buildings] がすでに [コンテンツ] ウィンドウに追加されており、[形式を選択して貼り付け] の使用時にオンになっている必要があります。
- [OK] をクリックします。
- 2 つのポリゴン フィーチャがコピー先のマルチパッチ レイヤーにコピーされ、[フィーチャの修正] ウィンドウが表示されます。 シーンでも、3D 編集時に矢印が表示されます。
- リボンの [マップ] タブにある [選択] グループで [選択解除] をクリックして、アクティブな選択を削除します。
マルチパッチ フィーチャクラスに対する編集内容を保存するには、[編集] タブを使用します。
- リボンの [編集] タブをクリックします。 [編集の管理] グループにある [保存] をクリックします。
- 表示される [編集の保存] ウィンドウで、[はい] をクリックして、編集内容をすべて保存します。
次に、3D 建物がよく見えるように、3D 建物の標高プロパティを設定します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Penn_State_3D_Buildings] を右クリックして、[プロパティ] を選択します。
- [高度] タブの [フィーチャ] でドロップダウン メニューをクリックして、[地表] を選択します。 [OK] をクリックします。
- [Penn_State_2D_Footprints] レイヤーはこれ以降不要になるため、[コンテンツ] ウィンドウでオフにします。
これで、2 つの [Penn_State_3D_Buildings] フィーチャが表示され、白でシンボル表示されます。
- プロジェクトを保存します。
建物フットプリント ポリゴンがマルチパッチ フィーチャに変換されたので、最初のフィーチャである Oswald Tower を 3D フィーチャとして構築できるようになりました。
オフィス ビルの作成
Oswald Tower というオフィスタイプの建物の構築を開始します。 マルチパッチ編集を使用して複雑な 3D 建物形状を作成して、テクスチャを適用します。 まず、LIDAR 点群レイヤーを使用して、既存の 2D フットプリントを正確な高さに立ち上げます。 次に、テクスチャ画像を適用して現実感のある外観を表現し、頂点の作成と編集を行って、より建築的なフィーチャを追加します。 こうした基本的なコンポーネントを使用すると、主要都市の中心部に見られる商業ビルやオフィス ビルのモデルをすばやく生成できるようになります。
建物フットプリントの立ち上げ
建物形状を作成するには、まず、フットプリントを 3D ブロック モデルに立ち上げます。これを詳細レベル 1 (LoD1) 3D 建物と呼びます。 これより高い詳細レベルとして、屋根形状 (LoD2)、柱やドアなどの構造 (LoD3)、室内フィーチャ (LoD4) があります。 Oswald Tower を正確に立ち上げるには、先ほど追加した LIDAR データをガイドとして使用します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Penn_State_3D_Buildings] レイヤーが選択されていることを確認します。
- リボンの [マップ] タブをクリックした後、[選択] グループで [選択] ツールをクリックします。
- マップ上で、Oswald Tower のマルチパッチ フィーチャをクリックして選択します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[2017 PSU LiDAR] レイヤーをオンにします。
- 建物の LIDAR ポイントとフットプリントが見えるようになるまで Oswald Tower を拡大表示します。
- リボンの [編集] タブをクリックします。 [ツール] グループで、[頂点の編集] をクリックします。
[頂点の編集] ツールの [フィーチャの修正] ウィンドウが表示されます。
- シーン上で、Oswald Tower マルチパッチ建物フットプリントにポインターを合わせて、フットプリントの中心に緑色の編集ハンドル (球体) を表示させます。
注意:
[選択] モードまたは [編集] モードに入っている間でも、建物を見やすくするためにシーンを再配置する必要がある場合は、いつでも [ナビゲーター] ホイールを使用することができます。 C キーまたは Z キーを押して、一時的に画面移動モードまたはズーム モードに切り替えることもできます。
- 緑色の編集ハンドルをクリックし、LIDAR ポイントの一番上、屋上の外縁部分までドラッグします。
- 高さに問題がなければ、編集ツールバーの [完了] をクリックして編集内容を確定します。
- リボンの [編集] タブにある [選択] グループで、[選択解除] をクリックして建物の選択を解除します。 [編集の管理] グループで [保存] 、[はい] の順にクリックして編集をすべて保存します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[2017 PSU LiDAR] レイヤーをオフにします。
これで、LoD1 3D 建物が作成されました。 次に、Oswald Tower の側面と屋上に実際のテクスチャを追加して、LoD3 建物にします。
外観のテクスチャの追加
Oswald Tower はオフィス ビルとしては比較的低く、他の建物や植物に遮られていないため、建物外観のはっきりとした写真は簡単に入手できました。 このセクションでは、すでにトリミングと補正が終了している建物の各面に対して単独の画像テクスチャを適用します。
- リボンの [編集] タブの [フィーチャ] グループで、[修正] をクリックします。
- [フィーチャの修正] ウィンドウで、[形状変更] グループを展開し、[マルチパッチ テクスチャ] をクリックします。
[テクスチャ] ツールの [フィーチャの修正] ウィンドウが表示されます。
- 必要に応じて、シーンで Oswald Tower マルチパッチ フィーチャをクリックして選択し、[フィーチャの修正] ウィンドウで [テクスチャの読み込み] ボタンをクリックします。
[テクスチャの読み込み] ブラウザーが開きます。
- [Penn State Buildings] プロジェクト フォルダーを参照して選択し、[FacadeTextures] フォルダーを開きます。 [OswaldTower] フォルダーを開いた後、[Oswald_Front.png] を選択して [開く] をクリックします。
- [フィーチャの修正] ウィンドウにテクスチャが読み込まれると、4 つの側面の外観のいずれかをクリックしてテクスチャを適用します。
画像は、外観の範囲に合うように、ArcGIS Pro のジオリファレンスおよび画像変換ツールを使用して建物の縦横比にトリミングされています。
- 必要に応じて、画像プレビュー ウィンドウの調整ボタンを使用し、画像サイズや配置を調整します。 [ズーム] ボタンをクリックし、ポインターを動かして拡大表示または縮小表示します。 側面の外観画像を中央に配置するには、[画面移動] ボタンを使用して画像を左右に移動します。
注意:
十分な距離にズーム アウトすると外面のテクスチャが繰り返されます。 この動作はタイリングと呼ばれており、高層ビルの場合や、建物の面全体の画像を捉えることができず、外観のごく一部の画像しか入手できない他の建物の場合に効果的です。
- 側面が完成したら、残り 3 つの面をクリックして同じテクスチャを適用します。 4 つの側面すべてで窓が正しく配置されていることを確認します。
- 側面に問題がなければ、[フィーチャの修正] ウィンドウの [適用] をクリックします。
側面にテクスチャが追加されたら、次に屋上のテクスチャを追加します。
- 選択内容を解除してから、屋上をクリックします。
- [フィーチャの修正] ウィンドウで [テクスチャの読み込み] ボタンをクリックして [Oswald_Roof_MechRoom.jpg] を選択します。 屋上をクリックしてテクスチャを追加します。
- [フィーチャの修正] ウィンドウで、[画面移動]、[回転]、および [ズーム] コントロールを使用して、屋上テクスチャを屋上エリアにぴったりと合わせます。
ヒント:
参考までに、Lidar ポイントをオンにすることもできます。 北向きにして、空調設備を画像の左下に配置します。
- 画像が問題なく [フィーチャの修正] ウィンドウの下部に配置されている場合は、[適用] をクリックします。
- 選択を解除し、編集内容を保存します。
- 必要に応じて、[コンテンツ] ウィンドウで [2017 PSU LiDAR] レイヤーをオフにします。
これで、建物の各側面に適切なテクスチャが追加されました。
建物の側面とは異なり、屋上は平面ではありません。 次に、さらに詳細を追加するために、屋上の機械室と空調設備 (HVAC) を立ち上げます。
屋上の詳細の追加
高層ビルの屋上には、機械設備や太陽光パネルなどの構造が設置されていることが多く、屋上の地表から 1 階分またはそれ以上立ち上げなくてはならないことがあります。 [頂点の編集] ツールを使用して、Oswald Tower の屋上構造 (機械室や空調設備) を切り取って立ち上げます。 次に、タイルを繰り返すような一般的なテクスチャを適用します。
手間を省くために、立ち上げる屋上エレメントの形状を単純化します。 ただし、必要な場合は、時間をかけて、これらのエレメントを計測し ([マップ] タブにある [計測] ツールを使用)、極めて正確に立ち上げます。
- Oswald Tower の屋上エリアにズームします。 [ナビゲーター] を使用して、建物の真上にいるようにシーンを再配置し、建物の屋上の線がマップの辺に対して平行および垂直になるようにします。
- [マップ] ウィンドウの下部で制限ボタンにカーソルを合わせます。 [制限] 切り替えボタンをクリックして制限をオンにします。
動的制限をオンにすると、操作しているフィーチャの長さが表示されます。
- リボンの [編集] タブにある [ツール] グループで [頂点の編集] をクリックして、Oswald の屋上を選択します。
屋上全体が選択され、緑色の編集ハンドルが表示されます。
まず、機械室をトレースします。 写真上の透視投影によって一定の歪みが生じるため、機械室の屋上をトレースするのではなく、できる限り機械室の壁の下部の形状に追従します。
- 構造の左上を始点として、屋上構造と屋上サーフェスの角の交点をクリックして頂点を追加します。 構造の上部を横切る線を描画し、右上隅に頂点をもう 1 つ追加します。
ヒント:
平行線と垂直線を示すオレンジ色のライン ガイドを使用して、角度が直角のポリゴンを作成します。
- 最初のセグメントに対して垂直になる 2 番目のセグメントを追加して、機械室の南端で終端させます。
- 同じ方法で、ポリゴンの残りの辺を作成します。 残りの辺では壁の下部が見えないので、約 11.75 フィートおよび 15.6 フィートのセグメントを作成します。 オレンジ色のライン ガイドを使用して、始点になった角に最後の頂点を追加します。
機械室のアウトラインが表示され、中心に緑色の編集ハンドルが表示されます。 次に、建物に対する操作と同様に、編集ハンドルと [2017 PSU LiDAR] レイヤーを使用して機械室の高さを調整します。
- シーンを傾けて、角度を付けて機械室を見下ろせるようにします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[2017 PSU LiDAR] レイヤーをオンにします。
ポイントのサイズが大きく、編集ハンドルが見えなくなっています。 この LIDAR ポイントのシンボル サイズを変更して、編集中の内容が簡単に見えるようにします。
- [コンテンツ] ウィンドウで [2017 PSU LiDAR] レイヤーのカラー ランプをクリックして、[シンボル] ウィンドウを表示します。
- [シンボル] ウィンドウの [シンボル サイズ] に「40」と入力して Enter キーを押します。
LIDAR 点群のポイントが小さくなり、屋上エレメントの高さを目視確認しやすくなります。
- [シンボル] ウィンドウを閉じます。
- [フィーチャの修正] ウィンドウで [頂点の編集] が選択されていることを確認し、機械室の屋上にポインターを合わせて、緑色の編集ハンドルが表示されるようにします。
- 機械室ポリゴンの緑色の編集ハンドルをドラッグして、機械室の上部を LIDAR ポイントに合わせます。
- シーンの下部にある編集ツールバーで [完了] をクリックして編集内容を確定します。 選択を解除し、LiDAR レイヤーをオフにします。
注意:
[完了] のクリックとさらに[保存] のクリックを頻繁に行うべきです。そうすれば、キャンセルを選択した際に、ごく最近の編集だけが元に戻されるようになります。
機械室が完成しました。 同様に、空調設備にもほぼ一致するポリゴンを作成します。 実際には、1 つの空調設備と 1 つの角度付きの壁で構成されていますが、簡単にするために 1 つの長方形を作成します。
- 建物の上部が表示されるようにシーンの向きを合わせ、[選択] ツールで屋上を選択します。
- [頂点の編集] ツールで、空調設備を表す四角形を描きます。
- 機械室に対する操作と同様に、シーンを傾け、[2017 PSU LiDAR] レイヤーをオンにして、ポイントの高さに合わせて緑色の編集ハンドルを上にドラッグし、[完了] ボタンをクリックします。
- 編集内容を保存して選択を解除します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[2017 PSU LiDAR] レイヤーをオフにします。
マルチパッチ モデルでサーフェスを押し込んだり引き出したりすると、新しく作成された面には、隣接するサーフェスのテクスチャが反映されます。 Oswald Tower の屋上の場合、空調のファンが壁面に反映されるなど、奇妙なサーフェスになってしまいます。 さらに、屋上構造上の画像を若干動かして、エッジを合わせる必要があります。
- [フィーチャの修正] ウィンドウの [戻る] ボタンをクリックします。
- [形状変更] グループで、[マルチパッチ テクスチャ] をクリックし、機械室を選択します。 [テクスチャの読み込み] をクリックし、[Oswald_RoofSide.jpg] テクスチャを読み込んで屋上構造のすべての垂直面に適用します。 [適用] をクリックして、選択を解除します。
- [テクスチャの読み込み] をクリックして [Roof_floor.png] テクスチャを読み込みます。 [フィーチャの修正] ウィンドウで、[ズーム] ツールを使用して、このテクスチャが表示されるようにします。
- このテクスチャを主要な屋上サーフェスに適用して、屋上エレメントのすべてのトレースを除去します。 [適用] をクリックします。
- アクティブな選択を解除し、すべての編集内容とプロジェクトを保存します。
マルチパッチ編集ツール、テクスチャ、LIDAR 点群データを使用して、写実的な 3D オフィス ビルを作成しました。 次に、さまざまな屋根形状を構築する方法と正確な計測値を使用して 3D 建物をより正確に構築する方法を説明します。
住居用建物の作成
前のセクションでは、マルチパッチ編集と写実的なテクスチャを使用してオフィス ビルを作成しました。 次は、ペンシルバニア州立大学構内の Old Botany 棟に住居用建物を作成します。 Old Botany 棟は 1800 年代後半に建てられた建造物で、寄棟屋根形状になっているので、前のセクションとは異なる手法を使用する必要があります。 計測値 (フィート単位) に基づいて建物を立ち上げ、屋根形状を構築し、LIDAR 点群と照合し、テクスチャを適用します。
Old Botany 棟の立ち上げ
次に、建物を立ち上げてシンプルな LoD1 モデルにすることで、Old Botany 棟の構築に着手します。
- 必要に応じて、[Penn State Building] プロジェクトを開きます。
Old Botany 棟を Oswald Tower のすぐ南の場所に配置します。
- シーン内で、Old Botany 棟フットプリントのズームと画面移動を行います。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[2017 PSU LiDAR] レイヤーをオンにします。
- [ナビゲーター] を使用して、[Old Botany] 棟の点群を調査します。
LIDAR 点群をガイドとして使用できますが、建物の周囲に植生が多く存在するため、計測値を入力すると、より正確な結果が得られる可能性があります。 したがって、ここでは別の方法を使用します。
注意:
入手できる情報はプロジェクトによって異なります。 このため、状況によっては、LIDAR 点群データ、計測値、これら両方の組み合わせを使用すると、建物の高さと形状の決定に役立つことがあります。
- [2017 PSU LiDAR] レイヤーをオフにします。
- リボンの [編集] タブの [選択] グループで、[選択] ボタンをクリックします。 シーン上で [Old Botany] 棟フットプリントをクリックして選択します。
- リボンの [編集] タブの [ツール] グループで、[頂点の編集] をクリックします。
- 赤色になるまで、建物フットプリントの中心にある緑色の編集ハンドルにポインターを合わせます。
- 赤色のハンドルを右クリックして [高さ] を選択します。
[長さ] ウィンドウが表示されます。
- [長さ] ウィンドウで、「27.25」と入力します。
注意:
デフォルトの単位は [ft] です。
- Enter キーを押します。
これで、Old Botany 棟が立ち上がりました。
注意:
立ち上がらない場合は、表示キャッシュのリセットが必要になることもあります。 [プロジェクト] タブで、[オプション] をクリックし、[表示] をクリックします。 [ローカル キャッシュ] で [キャッシュの削除] チェックボックスをオンにして ArcGIS Pro のインスタンスを再起動します。
- 編集ツールバーで [完了] をクリックして編集内容を保存します。
次に、建物の屋上を操作します。
編集グリッドの位置合わせ
Old Botany 棟の寄棟形状の屋根を作成する前に、編集グリッドを建物の正確な方向に合わせておく必要があります。 これで、屋上の計測値が正しい方向に適用されるようになります。
- シーンの下部にある [グリッド] ボタンをクリックします。
これで、グリッドが有効になります。
- [グリッド] ボタンにポインターを合わせて、[グリッド] オプションのメニューが表示されるようにします。 [間隔] が [1 ft] に設定されていることを確認し、[グリッドの原点と回転を対話的に設定します。] ボタンをクリックします。
マウス ポインターが赤色のプラス記号に変わります。
- ポインターが頂点にスナップするまで、屋根のいずれかの長辺の頂点にポインターを合わせます。 クリックして、グリッドの原点を設定します。
ポインターを動かすと、グリッドも移動します。 回転を設定するには、屋根の反対側の終点にポイントを追加します。
- 屋根の長辺の反対側の頂点をクリックします。
- シーンの下部で、[グリッド] ボタンをクリックしてグリッドの表示設定をオフにします。
グリッドは表示されなくなりましたが、グリッドの設定は、プロジェクトで加えられるすべての編集に適用されます。
- プロジェクトを保存します。
寄棟屋根形状の作成
まず、建物の上面を分割し、寄棟形状または切妻形状の屋根を作成します。
- [フィーチャの修正] ウィンドウで、[Old Botany] 棟が選択されていることを確認します。 [頂点の編集] をクリックします。
- 必要に応じて、[ナビゲーター] ホイールを使用して、屋根の短辺のいずれかが見やすくなるようにシーンを調整します。
- シーン上で、十字線とオレンジ色の X が表示されるまで、屋根の短辺の中心にポインターを合わせます。
X はその辺の中心を表します。
- X をクリックして頂点を追加し、反対側の辺の中心にポインターを置きます。オレンジ色の X をもう一度クリックして、平屋根の中央を通過する分割線を作成します。
- 緑色の球体が表示されるように、分割線にポインターを合わせます。 新しく作成された屋根の分割線上にある緑色の編集用の球体にポインターを合わせて、赤色に変わったら右クリックして [高さ] をクリックします。
注意:
各ポリゴンのものではなく、分割線に関連する赤色の編集用の球体を右クリックしてください。
- [長さ] ウィンドウで [高さ] に「17」と入力して Enter を押します。
これで、屋根が寄棟形状の切妻になりました。
- 編集ツールバーで [完了] をクリックして編集内容を保存します。
ヒント:
操作を誤った場合は、編集ツールバーの [キャンセル] をクリックして、最後に保存したフィーチャの編集に戻ってください。
[完了] をクリックしてから [保存] をクリックして編集内容を保存する操作を頻繁に行うと、キャンセルを選択した際に、最後に加えた編集だけが元に戻されるようになります。
ここで、屋根を編集して寄棟形状にします。
- [フィーチャの修正] ウィンドウで [頂点の編集] をクリックした後、軒の各辺をクリックし、表示されるオレンジ色の円ガイドを使用して、短い方の外観に水平方向の分割線を作成します。 建物の反対側でも、この操作を繰り返します。
- 一方の側で、屋根の一番上の頂点にポインターを合わせて、オレンジ色の円が表示されたら、その頂点をダブルクリックします。
X、Y、Z 頂点編集ハンドルが表示されます。
次に、青色のハンドルの [高さ] または [距離] の値を調整して、寄棟形状の屋根を作成します。 建物のどちらの側から開始するかによって、青色のハンドルが屋根の中心に向かう方向になるか (画像例に示された方向)、屋根の中心から離れる方向になります。
青色のハンドルが屋根の中心に向かう方向になっている場合は、青色のハンドルを右クリックすると、ショートカット メニューに [高さ] オプションが表示されるので、正の値を入力します。 青色のハンドルが屋根の中心から離れる方向になっている場合は、ショートカット メニューに [距離] オプションが表示されるので、負の値を入力します。
- 青色のハンドルを右クリックして [高さ] を選択します。 表示された [長さ] ウィンドウで「16.75」と入力して Enter キーを押します。
注意:
建物の位置によっては、青色のハンドルを右クリックした際に、[高さ] ではなく [距離] オプションを選択し、[長さ] の値を「-16.75」または「16.75」に設定する必要があります。 これらの設定を試し、屋根が寄棟屋根になるまで [クイック アクセス] ツールバーで [元に戻す] ボタンをクリックするか、建物を右クリックして [キャンセル] を選択することができます。
- 該当する側に寄棟屋根形状が表示されます。
- 反対側の屋根の頂点でも、値を「16.75 ft」または「-16.75 ft」に設定して、同じ操作を繰り返します。
注意:
1 番目の側で「-16.75」と入力した場合、2 番目の側では「16.75」と入力する必要があります。その逆も同様です。
- [完了] をクリックしてから [保存] をクリックして、編集内容を保存します。
基本的な寄棟形状の屋根を作成したので、4 つのうちの 2 つの屋根面を建物の中心から離れる方向に延長して、張出し (軒) を 2 つの側に作成します。
- [フィーチャの修正] ウィンドウで [頂点の編集] をクリックします。 短い方の側の 2 つの屋根面のいずれかにポインターを合わせて、緑色の編集ハンドルが表示されるようにします。
- このハンドルを建物から離れる方向にドラッグして、張出しを開始します。 ドラッグしながら Tab キーを押して、張出しが正確な長さになるように編集します。 「1.5」と入力して Enter キーを押します。
長さが 1.5 フィートの張出しが追加されました。
- [完了] をクリックしてから [保存] をクリックして、編集内容を保存します。
- 反対側の屋根でも同じ操作を繰り返して、1.5 フィートの張出しを作成します。
これで、両側に張出しができました。
- [完了] をクリックしてから [保存] をクリックして、編集内容を保存します。
次に、屋上の寸法を LIDAR 点群と照合します。
- [PSU LiDAR 2017] レイヤーをオンにして、さまざまな角度から Old Botany 棟を調査します。
形状はぴったり合っているように見えます。
注意:
必要に応じて、屋根の長い方の 2 つの側に張出しをさらに追加することもできます。
- [PSU LiDAR 2017] レイヤーをオフにして、プロジェクトを保存します。
LIDAR データ、数値計測値、これら両方の組み合わせのいずれを使用しても、3D 建物の正確な屋根形状を作成できます。
外観のテクスチャの追加
Old Botany 棟の基本形状を作成したので、次にテクスチャを適用します。 このチュートリアルの最初のセクションでも行いましたが、単独テクスチャの組み合わせを使用してタイル テクスチャを繰り返し、写実的なモデルを作成します。
- リボンの [編集] タブの [フィーチャ] グループで、[修正] をクリックします。
- [フィーチャの修正] ウィンドウで、[形状変更] グループを展開し、[マルチパッチ テクスチャ] をクリックします。
- 必要に応じて、[Old Botany] 棟をクリックして選択します。
- [テクスチャの読み込み] をクリックし、[Penn State Buildings] プロジェクト フォルダーを参照して選択します。 [FacadeTextures] フォルダーを開いた後、[OldBotany] フォルダーを開きます。 [OldBotany_Front.jpg] を選択して、[開く] をクリックします。
このテクスチャが [フィーチャの修正] ウィンドウに読み込まれます。
- Old Botany の正面外観をクリックして (横長の面で、正面に歩道があります)、このテクスチャを適用します。
- [画面移動]、[回転]、[ズーム] コントロールを使用し、正面の画像を正面外観の範囲にできる限りぴったりと合わせます。
これでテクスチャが位置合わせされ、建物の正面にぴったり合うようになりました。
- 正面外観の画像を正確に配置したら、[テクスチャの読み込み] をクリックして、[OldBotany_Back.jpg] を追加します。
- Old Botany 棟を回転させて反対側を表示し、背面外観をクリックします。
- [画面移動]、[回転]、[ズーム] コントロールを使用し、背面の画像を建物背面の範囲にできる限りぴったりと合わせます。
次に、建物の両側にテクスチャを追加します。 左側 (歩道が分割されている側) にはドアがありますが、反対側にはありません。
- 建物の右側に [OldBotany_RightSide] テクスチャを追加します。 レンガ/石テクスチャを、できるだけ密接に並べます。
- 建物左側に [OldBotany_LeftSide] テクスチャを追加します。
側面が完成したら、次に Old Botany の傾斜屋根面でテクスチャ処理を繰り返します。
- [テクスチャの読み込み] をクリックして、[OldBotany_Roof.jpg] を開きます。
- 前面の屋根面をクリックして選択し、画像プレビュー ウィンドウで [画面移動]、[回転]、[ズーム] ボタンを使用して、屋根の画像をできる限りぴったりと合わせます。
- 前面の屋根面が完成したら、背面の屋根面をクリックしてテクスチャを複製し、縮尺と配置を保持します。
屋根の前面と背面には、特徴的な屋根窓フィーチャがあり、これを特定の位置に配置する必要があります。そのためには、テクスチャを繰り返すよりも、単独テクスチャ画像を使用することをお勧めします。
ただし、屋根の 2 つの側面のこけら板のパターンはまったく同じなので、タイル張りのテクスチャ画像を 1 回繰り返すだけで適用できます。 このタイル張りの画像は、前面の屋根テクスチャの一部を切り取ったものです。
- [テクスチャの読み込み] をクリックして、[OldBotany_RoofShingles.jpg] を開きます。
- 屋根の側面をどちらかクリックし、画像プレビュー ウィンドウで [画面移動]、[回転]、[ズーム] ボタンを使用して、こけら板をできる限りぴったりと合わせ、テクスチャ処理を行った他方の屋根面にこけら板のサイズと間隔を一致させます。
- 屋根のどちらかの側面が正確にテクスチャ処理されたら、反対側をクリックしてこのテクスチャを複製し、同じ縮尺と向きを保持します。
- [適用] をクリックしてから [保存] をクリックして、編集内容を適用します。
- アクティブな選択を解除して、プロジェクトを保存します。
画像テクスチャは、一般的な住居用 3D 建物に特有の外観を追加して、[Old Botany] 棟と一目でわかるようなレプリカにします。
注意:
屋根窓と階段に 3D ボリュームを与えたり、扉と窓が壁の中に押し込まれた状態にしたりするなど、別の建築詳細を付加することもできます。 さらに踏み込んだ演習を行ってみたい場合は、これらの追加要素を試すことができます。
このチュートリアルでは、複雑な屋根形状やテクスチャ処理されたサーフェスなど、写実的な 3D 建物を作成する方法を学習しました。 このプロセスは、建物フットプリント、高さ情報、LIDAR データ、テクスチャ用の画像を揃えておけば、他のさまざまなタイプおよび形状の建物でも流用できます。
注意:
ここで学習した方法 (一度に 1 つの建物を作成する) は、ごく少数の建物を表現したい場合や建築詳細を正確に表現したい場合に適しています。 一方で、大学のキャンパス全体、近隣地域全体、都市全体を一括して処理することで 3D 建物を生成するさらに高度な方法もあります。 このような一括処理ワークフローの例は、「LIDAR データから 3D 建物を抽出する」チュートリアルに記載されています。
同様のチュートリアルについては、Introduction to Imagery & Remote Sensing のページをご参照ください。