上流域の計算のための集水域の作成

マップを開いて保存

まず、魚道が一時的に閉鎖される Cowie Falls 発電所の位置を見つけ、衛星画像を使用して調査します。 そして、アカウントにマップを保存します。

  1. ArcGIS Online を開いて、ArcGIS の組織アカウントにサイン インします。
    注意:

    組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

  2. リボンの [マップ] タブをクリックします。

    新しいマップが開きます。 まず、カナダのノバスコシア州にあるマーシー川を特定します。 この川は南東方向に流れ大西洋へ向かい、複数の発電用水力発電ダムが川沿いに建設されています。 この解析では、Cowie Falls 水力発電ダムに焦点を当てます。このダムは保守作業で一時的に閉鎖される予定です。

  3. マップの右下にある [検索] をクリックします。 [検索] バーに「-64.770857, 44.073927」と入力し、Enter キーを押します。

    Cowie Falls ダムを検索します。

    マップが Cowie Falls 水力発電ダムにズームします。 ダムとその周辺の理解を深めるために、画像ベースマップに切り替えます。

  4. [コンテンツ] (暗い背景の) ツールバーにある [ベースマップ] ボタンをクリックします。

    [ベースマップ] ボタンをクリックします。

    [ベースマップ] ウィンドウが開きます。

  5. [ベースマップ] ウィンドウで、[衛星画像ハイブリッド] をクリックします。

    マップが変化し、このダムの衛星画像が表示されます。 このベースマップで、ダムの北側に、ダムを迂回する梯子のような小さな構造物が見えます。 これは魚道のような役割を果たす水路で、魚は上流や下流方向に移動する際に障害物を迂回できます。

    次に、マップを保存します。

  6. [コンテンツ] ツールバーで、[保存と開く] ボタンをクリックし、[名前を付けて保存] を選択します。

    名前を付けて保存ボタンをクリックします。

  7. [マップの保存] ウィンドウで、以下を入力し、[保存] をクリックします。

    • [タイトル]: 「Cowie Falls fishway disruption analysis
    • [サマリー]: 「This map analyzes the upstream watershed area that will be temporarily unavailable due to maintenance on the Cowie Falls powerhouse.

    マップのコピーがアカウントに保存されます。 解析の実行前に、マップで使用されている単位がメートルであることを確認します。 面積を計算することが目的なので、メートル単位の平方キロメートルを使用します。

  8. リボンで自分のアカウントをクリックし、[設定] を選択します。
  9. [設定] ページの [一般] の下で、[単位] まで下にスクロールします。
  10. 必要に応じて、[メートル法] を選択します。

    計測単位をメートル法に変更します。

    アカウントが、距離と計測値にメートル単位を使用する設定になりました。 マップを再度開きます。

  11. リボンの [コンテンツ] をクリックします。

    コンテンツ タブ

  12. [マイ コンテンツ] ページで [Cowie Falls fishway disruption analysis] マップをクリックし、[Map Viewer で開く] を選択します。

到達不可能な生息地の定量化

水力発電ダムでの必要な保守作業の結果、マーシー川の多くの集水域に大西洋サケが到達できなくなります。 ここでは [集水域の作成] ツールを使用して、上流の集水域がどれほど影響を受けるのか計算します。 まず、ベースマップを、より詳細な水文データを示すマップに再度変更します。

  1. [コンテンツ] ツールバーの [ベースマップ] をクリックします。 下へスクロールして、[Living Atlas] をクリックします。

    [Living Atlas] をクリックします。

  2. [レイヤーの追加] ウィンドウで、[Environment Map] を検索します。 [追加] をクリックします。

    Environment Map ベースマップを追加します。

    マップが変わり、Environment Map ベースマップが表示されます。 このマップでは、地域の河川および水路が強調されます。 また、現在、水域とラベルを参照レイヤーとして表示する構成になっています。つまり、他のデータの上に表示され、他のデータを隠します。

  3. [レイヤーの追加] ウィンドウで、戻るボタンをクリックします。 [ベースマップ] ウィンドウの上部の [現在のベースマップ] で、[Environment]をクリックします。
  4. [参照情報] グループの [再配置: Environment Surface Water and Label] レイヤーをクリックし、それを [ベース] グループの上部にドラッグします。

    ベース グループに Surface Water レイヤーを再配置します。

    [Environment Surface Water and Label] データが [ベース] グループに含まれ、マップに追加する他のレイヤーの下に描画されます。 現時点では、マップ上に他のデータがないため、マップの見た目は変わりません。

    Environment ベースマップが更新され、地表水およびラベル フィーチャがデータの下に描画されます。

    これでベースマップが設定されました。次に、解析を始めます。

  5. [設定] ツールバーの [解析] ボタンをクリックします。

    設定ツールバーの解析ボタン

  6. [解析] ウィンドウで、[ツール] をクリックします。

    ツール ボタンをクリックします。

  7. [ツール] ウィンドウで [位置の検索] を展開して [集水域の作成] をクリックします。

    [集水域の作成] ツールは、Esri によって維持およびホストされている信頼性の高い精選された ArcGIS Online水文データに基づきポイントの排水面積を計算します。 ツールで最初に必要なパラメーターは [入力ポイント フィーチャ] です。これは上流面積を計算するための起点です。 データに応じて、フィーチャ レイヤーの既存のポイントを使用しても良いですし、独自の入力フィーチャを描画することもできます。

    ヒント:

    詳細については、[集水域の作成] ツールとツールのパラメーターの横にある情報ボタンをクリックしてください。

  8. [集水域の作成] ウィンドウの [入力ポイント フィーチャ][入力フィーチャの描画] をクリックします。

    入力フィーチャをマップに描画します。

  9. マップ上で、ダム上部の河川の中央、水路の中央にできるだけ近い位置をクリックします。

    マップ上の流出点の位置

    このポイントを配置する際は、排水ライン、すなわち河川の水路の中央に近い位置に配置する必要があります。 今回の場合は、ダムの上流が湖になっていて、ダムの下には下流方向に流れる 2 本の水路があるため、主要な排水ラインの位置を確認するのは困難です。 [検索距離] パラメーターを使用して、最も近い排水ラインにポイントをスナップできますが、集水域を正確に定義するために可能な限り近付ける必要があります。 このポイントを 2 本の下流方向の水路の中央に配置すると、どちらにもスナップできるため最適な方法です。

    次に、[流出点の設定] グループで、この検索距離を選択します。 [検索距離] パラメーターは、ポイントを累積水流量が最も多い位置にスナップし、正しい集水域を定義するのに便利です。 この位置はストリーム ネットワークおよび [集水域の作成] ツールで使用される事前処理済みの水文データの座標精度によって異なります。 検索距離を選択する際には、複数の要素を考慮します。 ツールのドキュメントから、本ツールで使用される水文データの座標精度が 90 メートルであることが分かります。 ダム自体の幅は 90 メートル以上あります。

  10. [流出点の設定] グループの [検索距離]で、「90」と入力し、[距離単位] パラメーターが [メートル] に設定されていることを確認します。

    検索距離パラメーターを 90 メートルに設定します。

  11. [結果レイヤー] で、「Cowie Falls upstream」と入力し、自分の名前またはイニシャルを追加します。

    注意:

    解析処理で作成した新しいアイテムの名前は、ArcGIS Online 組織サイト内で一意である必要があります。一意でない場合、それらの URL は競合します。 レイヤーが作成されたら、マップ内で名前を変更できます。

  12. [実行] をクリックします。

    ツールの実行が終わると、2 つの新しいレイヤーである集水域レイヤーと調整済みポイント レイヤーが、グループ レイヤーとしてマップに追加されます。 調整済みポイント レイヤーには、集水域の計算に使用された実際の場所が含まれます。

上流面積の解析

次に、集水域の作成の解析結果を確認します。 この確認では、調整済みポイントが配置されている位置をチェックし、そのポイントが主要水路に十分近い位置で、正しい集水域にスナップされていることを確かめます。

  1. マップに追加されている Cowie Falls の上流方向にある集水域ポリゴン全体がマップ上に表示されるまで縮小します。

    マップに描画された集水域エリア

    これより前に追加した環境ベースマップを使用すると、計算された集水域面積が、ベースマップ上に描画された集水域と大体同じであることが確認できます。 解析に使用するデータの座標精度によっては、一部の面積に若干の差異があるかもしれません。

  2. ベースマップの集水域の境界と Cowie Falls 上流の集水域ポリゴンとを比較して、使用した流出点が正しく配置されていることを確認します。

    正しい集水域が計算されていることを確認したら、[レイヤー] ウィンドウに追加された結果を調べます。

  3. [レイヤー] ウィンドウで、[Cowie Falls upstream] グループを展開します。 [WatershedFeatures] レイヤーで、[オプション] をクリックし、[テーブルの表示] を選択します。

    レイヤー オプションのテーブルの表示ボタン

    テーブルの [Description] 列には、集水域面積の生成に使用されたデータが表示されます。 対象地域はカナダにあるため、HydroSHEDS 90m ラスター プロダクトが使用されました。 このフィールドを使用して、選択した検索距離パラメーターを確認できます。検索距離は座標精度よりも大きくする必要があります。

  4. テーブルで、[Area Square Kilometers] フィールドを見つけます。

    影響を受ける上流面積は約 1,889 平方キロメートルです。

    注意:

    調整済みポイントの配置位置に応じて、結果が多少異なる場合があります。

    次に、調整済みポイントを確認して、スケッチしたポイントとどれほど離れているかを調べます。 入力ポイントが、最も近い排水ラインにスナップされた後で、Adjusted Points レイヤーが集水域面積の生成に使用する実際の位置を表示します。

  5. [WatershedFeatures] テーブルを閉じます。 [レイヤー] ウィンドウで、[WatershedFeatures] レイヤーの [可視性] ボタンをクリックし、レイヤーをマップから非表示にします。

    WatershedFeatures レイヤーの可視性ボタン

  6. [Adjusted Points] レイヤーで、[オプション] をクリックして [レイヤーにズーム] を選択します。

    Adjusted Points レイヤーにズームします。

    マップが Adjusted Points レイヤーにズームします。

  7. マップに配置した [スケッチ] ポイントと [Adjusted Points] レイヤーの両方が表示されるまで縮小します。

    マップでスケッチ ポイントと調整済みポイントを比較します。2 点はそれほど離れていません。 調整済みポイントは、この河川の主要な流路と見なされる位置に明確に配置されています。

結果を検証したら、解析は完了です。 このチュートリアルでは、保守作業中に一時的に水路が閉鎖される Cowie Falls ダム上流の集水域面積を数値化しました。 これは、この期間にサケや他の水生生物が到達できなくなる生息域を評価し、サケの個体数減少による潜在的な経済的影響を把握するのに役立ちます。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。