ネットワークへの接続性ルールの追加

ジャンクション-エッジ接続の許可

ユーティリティ ネットワークの接続性ルールでは、相互に接続できるフィーチャの種類を定義できます。 こうしたルールは、編集が検証されるたびにチェックされ、GIS で正しく取得されていないデータの領域をすばやく特定できます。 本モジュールでは、既存のユーティリティ ネットワークに新しいルールを追加して、接続性エラーを解決する方法について説明します。

エラー [8: 無効な接続性 - ジャンクション エッジ ルールがありません] は、通常、接続が許可されていない 2 つのフィーチャを接続しようとしたときに発生します。 管理者は、接続性ルールを追加または削除することによって、どのフィーチャの接続を許可するか制御することができます。 このセクションでは、ユーザーから不要であると申し入れがあったジャンクション-エッジ エラー (エラー 8) について見ていきます。 接続を許可するルールを追加して、エラーを解決します。

  1. Utility Network Configuration プロジェクト パッケージをダウンロードします。

    Utility Network Configuration.ppkx という名前のファイルが、コンピューターにダウンロードされます。

    注意:

    .ppkx ファイルは、ArcGIS Pro プロジェクト パッケージです。これには、ArcGIS Pro で開くことができるマップ、データ、その他のファイルが含まれます。 .ppkx ファイルの管理の詳細については、このガイドをご参照ください。

  2. コンピューター上で、ダウンロードしたファイルを選択します。 [Utility_Network_Configuration.ppkx] をダブルクリックして、ArcGIS Pro で開きます。
  3. サイン インを求められたら、ArcGIS アカウントを使用して、サイン インします。
    注意:

    ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

    米国イリノイ州ネイパービルの配水ユーティリティ ネットワークを示すマップが表示されます。

    配水ユーティリティ ネットワークのマップ

  4. [コンテンツ] ウィンドウで、[Water Utility Network] レイヤーとその [ダーティ エリア] サブレイヤーを展開します。

    コンテンツ ウィンドウのダーティ エリアの凡例

    ダーティ エリアは、ネットワークに変更が加えられたが、それがネットワーク トポロジに反映されていないことを示すインジケーターとしての役割を果たします。 マップの青色の背景は、[無効] ダーティ エリアであり、そのネットワーク トポロジが、現在無効になっていることを示しています。

    このネットワーク トポロジは、有効にしないでください。 ユーティリティ ネットワーク ルールを変更するには、このネットワーク トポロジが無効になっている必要があります。 さらに、このチュートリアルのいくつかのステップは、このネットワーク トポロジが一度も有効化されていない場合にのみ実行できます。

    注意:

    後から独自のユーティリティ ネットワーク データで、このチュートリアルのステップを実行するには、最初にデータベースからすべてのユーザーを切断して、すべてのサービスを停止する必要があります。

    先にテスト データベースで構成を変更して、目的のエラーが修正され、副次的な影響に対して、適切に対処できることを確認してください。

  5. リボンの [マップ] タブをクリックします。 [ナビゲーション] グループで、[ブックマーク] をクリックします。
  6. ブックマーク ギャラリーで、[Bookmark 1] をクリックします。

    Bookmark 1

    エラー [8: 無効な接続性 - ジャンクション エッジ ルールがありません] が 2 つ存在する場所が、マップで拡大表示されます。 赤色のハッチ ラインが表示された長方形は、[エラー] ダーティ エリアです。

    エラー 8 が表示されたマップ

  7. [コンテンツ] ウィンドウで、[Labels] の横にあるボックスにチェックを入れて、このレイヤーをオンにします。

    コンテンツ ウィンドウの Labels レイヤー

    マップに、ラベルが表示されます。 これらは、ユーティリティ ネットワーク マップに一般的に存在するラベルではなく、このチュートリアル全体を通して、フィーチャを容易に識別することを目的としています。

    マップ上のラベル

    エラー エリアは、消防ライン (ラベル: [Service, Fire Service]) と分水栓継手 (ラベル: [Fitting, Corporation Stop]) を取り囲んでいます。 エラー ラベルは、この 2 つのフィーチャの接続を許可するジャンクション エッジ ルールが存在しないことを示しています。 消防ラインを分水栓継手に接続することは一般的ではありませんが、この状況は妥当であり、許可したいというユーザーの要求に従い、これらの接続を許可するルールを追加します。

    注意:

    編集によって、このエラーを解決する方法については、ユーティリティ ネットワークの接続性エラーの修正チュートリアルのジャンクション - エッジ エラーの修正をご参照ください。

  8. リボンの上の [コマンド検索] をクリックし、「ルールの追加」と入力します。
  9. 検索結果で、[ルールの追加 (ユーティリティ ネットワーク ツール)] をクリックします。

    コマンド検索メニューのルールの追加 (ユーティリティ ネットワーク ツール)

    [ジオプロセシング] ウィンドウが開いて、[ルールの追加] ツールが表示されます。 [Water Junction] レイヤーの分水栓継手と、[Water Line] レイヤーの消防ラインの接続を許可する新しいルールを、ユーティリティ ネットワークで構成します。

  10. [入力ユーティリティ ネットワーク] で、[参照] ボタンをクリックします。

    参照ボタン

  11. [入力ユーティリティ ネットワーク] ウィンドウで、[プロジェクト] の下の [データベース][Utility Network Configuration.gdb] を展開します。 [UtilityNetwork] をクリックします。

    入力ユーティリティ ネットワーク ウィンドウの UtilityNetwork

  12. [ネットワーク] アイテムを選択し、[OK] をクリックします。
  13. [ルールの追加] ツールのパラメーターを次のように設定します。
    • [ルール タイプ] で、[ジャンクション-エッジ接続性] を選択します。
    • [From テーブル] で、[WaterJunction] を選択します。
    • [From アセット グループ] で、[Fitting] を選択します。
    • [From アセット タイプ] で、[Corporation Stop] を選択します。
    • [To テーブル] で、[WaterLine] を選択します。
    • [To アセット グループ] で、[Service] を選択します。
    • [To アセット タイプ] で、[Fire Service] を選択します。

    ルールの追加ツールのパラメーター

  14. [実行] をクリックします。

    次に、エラーを生成して、新しいルールの効果を確認します。

  15. [ジオプロセシング] ウィンドウの上部で、[戻る] ボタンをクリックします。

    ジオプロセシング ウィンドウの戻るボタン

  16. 検索バーで、「ネットワーク トポロジの有効化」と入力します。 検索結果で、[ネットワーク トポロジの有効化 (ユーティリティ ネットワーク ツール)] をクリックします。
    注意:

    [ネットワーク トポロジの有効化 (トレース ネットワーク ツール)] を選択しないでください。

    ジオプロセシング ウィンドウ内のネットワーク トポロジの有効化 (ユーティリティ ネットワーク ツール)

  17. [入力ユーティリティ ネットワーク] で、[Water Utility Network] を選択します。
    ヒント:

    このチュートリアルで、いずれかのツールの実行が失敗した場合、ドロップダウン メニューの代わりに、[参照] ボタンを使用して、[入力ユーティリティ ネットワーク] パラメーターを設定してください。

  18. [高度な設定] セクションを展開し、[エラーのみを生成] チェックボックスをオンにします。

    エラーのみを生成ボックスをオン

    このオプションを使用することで、行った変更を検証し、トポロジを実際に有効化することなく、エラーを生成することができます。 ネットワーク トポロジが有効な場合には、ユーティリティ ネットワークに対して、変更を加えることができないため、これは管理者にとって、重要なオプションです。

  19. [実行] をクリックします。

    エラーが、マップから消えます。

    エラーがないマップ

    このセクションでは、消防ラインを分水栓継手に接続することを許可するルールを作成することで、ジャンクション-エッジ エラー (エラー [8: 無効な接続性 - ジャンクション エッジ ルールがありません]) を解決しました。 ユーザーとの協議に基づき、このルールをユーティリティ ネットワークに追加することを決定しました。

ターミナルとのジャンクション-エッジ接続の許可

このセクションでは、2 つのルールを追加することで、ジャンクション エッジ エラーを修正します。 新しいルールによって、ジャンクション-エッジ エラーが解決しますが、不明確な接続性エラーが新たに生じます。

  1. リボン上の [マップ] タブにある [ナビゲーション] グループで、[ブックマーク] をクリックします。
  2. ブックマーク ギャラリーで、[Bookmark 2] をクリックして、このブックマークにズームします。

    エラー [8: 無効な接続性 - ジャンクション エッジ ルールがありません] が 2 つ存在する場所が、マップで拡大表示されます。 これらのエラーは、貯水塔と [Water Main, Distribution Main] ラインを取り囲んでいます。

    エラー 8 が表示されたマップ

  3. マップ上で、[Storage, Tower] フィーチャをクリックして、そのポップアップを開きます。
  4. ポップアップの下部まで、スクロールします。 [Rules (3)] の下で、[Junction Edge (2)] セクションを展開します。

    ポップアップ内のジャンクション エッジ ルール

    有効なルールによれば、貯水塔は送水管への接続のみが許可され、配水本管への接続は許可されていません。 これらは、塔のターミナル [Port One] および [Port Two] のいずれかを使用して、接続することが許可されています。

    ユーザーとこの状況について協議し、ユーザーはいずれかのポートを経由して、配水本管も貯水塔に接続することを希望していることを確認しました。 これは、塔によって、配水システムに圧力を加えるためです。 ネットワーク内の貯水タンクの各ターミナルに 1 つずつ、合計 2 つの新しいルールを追加します。

    注意:

    Utility Data Management Support ToolsEsri GitHub ページからダウンロードし、[Rule Popup] オプションを指定して、[Configure UN Layers] ツールを実行することによって、ポップアップにルールを表示するように構成することができます。

  5. ポップアップを閉じます。
  6. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[戻る] ボタンを 2 回クリックします。
  7. [最近] で、[ルールの追加 (ユーティリティ ネットワーク ツール)] をクリックします。

    ジオプロセシング ウィンドウの最近リスト内のルールの追加ツール

  8. [ルールの追加] ツールのパラメーターを次のように設定します。
    • [入力ユーティリティ ネットワーク] で、[Water Utility Network] を選択します。
    • [ルール タイプ] で、[ジャンクション-エッジ接続性] を選択します。
    • [From テーブル] で、[WaterDevice] を選択します。
    • [From アセット グループ] で、[Storage] を選択します。
    • [From アセット タイプ] で、[Tower] を選択します。
    • [From ターミナル] で、[ALL] を選択します。
    • [To テーブル] で、[WaterLine] を選択します。
    • [To アセット グループ] で、[Water Main] を選択します。
    • [To アセット タイプ] で、[Distribution Main] を選択します。

    ルールの追加ツールのパラメーター

    [From ターミナル] パラメーターで、[ALL] を選択したため、[Port One] または [Port Two] ターミナルを使用して、配水本管を貯水塔に接続することを許可する 2 つの新しいルールが一度に作成されます。

  9. [実行] をクリックします。

    次に、エラーを生成して、2 つの新しいルールを検証します。

  10. [ジオプロセシング] ウィンドウの [戻る] ボタンをクリックします。 [最近] で、[ネットワーク トポロジの有効化 (ユーティリティ ネットワーク ツール)] をクリックします。

    ジオプロセシング ウィンドウの最近リスト内のネットワーク トポロジの有効化ツール

  11. [入力ユーティリティ ネットワーク] で、[Water Utility Network] を選択します。
  12. [高度な設定] セクションを展開し、[エラーのみを生成] チェックボックスをオンにします。
  13. [実行] をクリックします。

    ジャンクション-エッジ エラー (エラー 8) が消え、代わりに [9: 無効な接続性 - 該当するジャンクション エッジ ルールが複数存在します] が表示されます。

    エラー 9 が表示されたマップ

    ユーティリティ ネットワークのルールを変更すると、一部のエラーは解決しますが、新しいエラーが発生することがあります。 これはルールを変更すべきでないことを示している場合もありますが、必ずしもそうとは限りません。

    エラー [9: 無効な接続性 - 該当するジャンクション エッジ ルールが複数存在します] は、不明確な接続性エラーとも呼びます。 このエラーがここに表示されるのは、[Water Main, Distribution Main] ラインを [Storage, Tower] デバイスに接続する有効な手段が 2 つ存在するためです ([Port One] または [Port Two を使用)。 どちらのポートを使用すべきかがはっきりしません。 このエラーは、編集によって解決することができます。 プロジェクトをユーザーに送り返して、いずれかのポートを使用して、配水本管を貯水塔に接続できるようになったが、影響を受けるラインのターミナル接続を変更して、正しいポートを指定する必要があることを知らせます。 これらの編集を行って、トポロジが検証されると、エラー 9 は、表示されなくなります。

    注意:

    編集によって、このエラーを解決する方法については、ユーティリティ ネットワークの接続性エラーの修正チュートリアルの不明確な接続性エラーの修正をご参照ください。 編集を行う前に、必要に応じて保存して、ArcGIS Pro を閉じます。

    このセクションでは、ジャンクション-エッジ エラー (エラー 8) が発生しました。 どちらかのターミナルを使用して、配水本管を貯水塔に接続することを許可する 2 つの新しいルールをユーティリティ ネットワークに追加しました。 新しいルールによって、エラー 8 は解決しましたが、不明確な接続性エラー (エラー 9) が生じました。 接続が有効となるためには 2 つのターミナルの一方を指定する必要があるため、これは予想通りの結果です。 エラー 9 は、さらなる構成変更ではなく、編集によって修正します。

本モジュールでは、ユーティリティ ネットワークにルールを追加して、接続性エラーを解決する方法の例をいくつか紹介しました。 スキーマや構成で変更がある場合は必ずそうですが、これらの変更も、実際に行う前に慎重に検討する必要があります。誤ったデータが有効と見なされることを意図せず許してしまったり、不明確な接続性という形で新しいエラーを発生させたりする可能性があるためです。


ターミナル構成の変更

無効なターミナル接続エラーの修正

ユーティリティ ネットワークでは、ターミナルを含めるように、一部のアセットを定義できます。 これは、エッジをデバイスまたはジャンクション オブジェクトへの特定の経路に接続することが重要な場合に行われます。 これは、ポンプやフロー バルブのように、水が一方向にしか流れることができないデバイスで、非常に重要です。

トポロジ エラーは、たいていはデータの編集ミスによって生じますが、 構成不足によっても生じることがあり、これには管理者が対処する必要があります。 このモジュールでは、不要であるとの申し入れがあったエラー [36: ライン フィーチャが無効なターミナルを含んでいます] が発生しました。 このエラーを解決して、再び発生しないようにするため、ターミナル構成を割り当てます。

  1. [Bookmark 3] ブックマークにズームします。

    エラー [36: ライン フィーチャが無効なターミナルを含んでいます] が 3 つ存在するエリアが、マップで拡大表示されます。 このエラーを無効なターミナル接続エラーとも呼びます。 これらのエラーは、[Flow Valve, Altitude] デバイスを取り囲んでいます。 フロー バルブのアセット タイプを [Air Gap] から [Altitude] に変更したときに、これらのエラーが表示されたことが、ユーザーから報告されました。

    ラインとデバイスのプロパティを確認して、このエラーの原因を調べます。

    エラー 36 が表示されたマップ

  2. マップ上で、[Flow Valve, Altitude] フィーチャのいずれかの側からの [Water Main Distribution Main] ラインの 1 つをクリックして、そのポップアップを開きます。
  3. ポップアップで、[From デバイス ターミナル] および [To デバイス ターミナル] フィールドを見つけます。

    ポップアップで、To デバイス ターミナルが Port Two に設定されています

    一方のラインの [From デバイス ターミナル] 属性は、[Port One] です。 もう一方のラインの [To デバイス ターミナル] 属性は、[Port Two] です。 これらのラインは、[Port One] および [Port Two] ターミナルを介して、フロー バルブに接続しようとしています。 次に、これらのターミナルがフロー バルブに存在するかどうかをチェックします。

  4. ポップアップを閉じます。
  5. [コンテンツ] ウィンドウで、[Water Utility Network] を右クリックして、[プロパティ] をクリックします。

    Water Utility Network のショートカット メニューのプロパティ

  6. [レイヤー プロパティ] ウィンドウで、[ネットワーク プロパティ] タブをクリックします。
  7. [Water Network] セクションと [Water Device] セクションを展開します。
  8. [アセット タイプ名] 列で、[Altitude] 行を見つけます。

    Water Device テーブル内の Altitude アセット タイプ

    [Altitude] アセット タイプには、ターミナル構成が割り当てられていません。 つまり、高度フロー バルブには、ターミナルがありません。

    注意:

    編集によって、このエラーを解決する方法については、ユーティリティ ネットワークの接続性エラーの修正チュートリアルのフィーチャ編集後のターミナル接続の修正をご参照ください。

    ユーザーからの要望により、フロー バルブはアセット タイプが変更された場合でも、ターミナル構成は同じにする必要があります。 以前のアセット タイプは [Air Gap] であり、これには [Pipe Bidirectional Dual Terminal] 構成が割り当てられています。 [Altitude] アセット タイプにも、同じターミナル構成を割り当てます。

  9. [Water Network] セクションを折りたたみます。 [ターミナル構成] セクションを展開します。

    [Pipe Bidirectional Dual Terminal] 構成には、[Port One][Port Two] の 2 つのターミナルがあります。

    ターミナル構成テーブル内の Pipe Bidirectional Dual Terminal

    この構成を [Altitude] アセット タイプに割り当てると、これらのターミナルが高度フロー バルブで有効になります。

  10. [レイヤー プロパティ] ウィンドウを閉じます。
  11. [ジオプロセシング] ウィンドウの [戻る] ボタンをクリックします。
  12. 検索バーで、「ターミナル構成の設定」と入力します。 検索結果で、[ターミナル構成の設定] ツールをクリックします。

    ジオプロセシング ウィンドウ内のターミナル構成の設定ツール

  13. 次のプロパティを設定します。
    • [入力ユーティリティ ネットワーク] で、[Water Utility Network] を選択します。
    • [ドメイン ネットワーク] で、[Water] を選択します。
    • [入力テーブル] で、[WaterDevice] を選択します。
    • [アセット グループ] で、[Flow Valve] を選択します。
    • [アセット タイプ] で、[Altitude] を選択します。
    • [ターミナル構成] で、[Pipe Bidirectional Dual Terminal] を選択します。

    ターミナル構成の設定ツールのパラメーター

    双方向ターミナル構成は、上流方向と下流方向のターミナルの区別がないことを示します。水は、どちらの方向にも流れることができます。 以前のターミナル構成は、[Single Terminal] でした。これがデフォルトの状態であり、ターミナル構成がないことと同じです。

    注意:

    ツールの各パラメーターが、正しく設定されていることを確認します。 トポロジを初めて有効にした後は、ターミナル構成をアセット タイプから削除できなくなります。

  14. [実行] をクリックします。
  15. [ネットワーク トポロジの有効化] ツールを再び開きます。 [エラーのみを生成] チェックボックスをオンにして、[実行] をクリックします。

    無効なターミナル接続エラー (エラー [36: ライン フィーチャが無効なターミナルを含んでいます]) が消えます。 デバイスのターミナル構成が新しくなったため、ライン上の [To デバイス ターミナル] 属性と [From デバイス ターミナル] 属性が再び有効になり、有効なターミナルを参照するようになりました。 ただし、エラー 36 の代わりに、エラー [8: 無効な接続性 - ジャンクション エッジ ルールがありません] が表示されます。

    エラー 8 が表示されたマップ

    これは、[Port One] または [Port Two] ターミナルを介して、[Water Main, Distribution Main lines][Flow Valve, Altitude] デバイスに接続することを許可するルールがまだ存在しないことが原因です。 アセット タイプのターミナル構成を変更した場合には必ず、有効なターミナルに許可される接続性を指定するルールをユーティリティ ネットワークに追加する必要があります。

  16. [ルールの追加] ジオプロセシング ツールを再び開きます。

    デバイスがエア ギャップ フロー バルブであったときには、これに [Port One] および [Port Two] ターミナルを使用して、配水本管ラインが接続され、これらの接続を許可するルールが存在しました。 高度フロー バルブでも、同様の接続を許可する 2 つのルールをネットワークに追加します。

  17. 次のパラメーターを設定します。
    • [入力ユーティリティ ネットワーク] で、[Water Utility Network] を選択します。
    • [ルール タイプ] で、[ジャンクション-エッジ接続性] を選択します。
    • [From テーブル] で、[WaterDevice] を選択します。
    • [From アセット グループ] で、[Flow Valve] を選択します。
    • [From アセット タイプ] で、[Altitude] を選択します。
    • [From ターミナル] で、[ALL] を選択します。
    • [To テーブル] で、[WaterLine] を選択します。
    • [To アセット グループ] で、[Water Main] を選択します。
    • [To アセット タイプ] で、[Distribution Main] を選択します。

    ルールの追加ツールのパラメーター

  18. [実行] をクリックします。

    [Port One] または [Port Two] を使用して、[Water Main, Distribution Main] ラインが [Flow Valve, Altitude] デバイスに接続することを許可するルールが、ユーティリティ ネットワークに追加されました。

  19. [エラーのみを生成] ボックスをオンにして、[ネットワーク トポロジの有効化] ツールを実行します。

    エラーが、マップから消えます。

    エラーがないマップ

    このセクションでは、ユーザーがデバイスのアセット タイプを変更しました。 新しいアセット タイプには、以前のアセット タイプと同じターミナルが存在しなかったため、これによって、無効なターミナル接続エラー (エラー 36) が発生しました。 このエラーを解決するため、正しいターミナル構成を新しいアセット タイプに割り当てました。 さらに、正しいターミナルを使用して、配水本管を高度フロー バルブに接続することを許可する 2 つの新しいルールを追加しました。

中間部のターミナル デバイス エラーの修正

ターミナルを備えたデバイスは、ラインの中間部には描画できないため、代わりにラインのいずれかの端に配置する必要があります。 このセクションでは、ターミナルを備えたデバイスが給水ラインの中間部に配置されたため、エラー [38: 複数ターミナルを持つデバイスはミッドスパンにできません] (ミッドスパン ターミナル デバイス エラー) が発生しました。 このエラーの最も一般的な解決策としては、下にあるラインを分割して、新しいラインの端をターミナルに接続する方法がありますが、 ユーザーはこれらのラインを分割したくないため、このようなタイプのデバイスのターミナルは、モデリングしないことにしました。

ユーザーの要求に従い、[ターミナル構成の設定] ツールを使用して、デバイス アセット タイプからターミナル構成を削除します。 ただし、この変更を行うためには、ターミナル構成に依存していた多数のルールを削除および再構築する必要があります。

注意:

この構成変更は、ネットワーク トポロジを初めて有効化する前にのみ実行できます。 このチュートリアル データで、ネットワーク トポロジをすでに有効化している場合、Utility_Network_Configuration.ppkx をデフォルト状態に戻すことができます。

  1. [Bookmark 4] ブックマークにズームします。

    [Flow Valve, Air Gap] デバイスが [Water Main, Distribution Main] ラインの中間部に描画された結果、エラー [8: 無効な接続性 - ジャンクション エッジ ルールがありません] とエラー [38: 複数ターミナルを持つデバイスはミッドスパンにできません] が発生しているエリアが、マップで拡大表示されます。

    エラー 8 と 38 が表示されたマップ

    エラー 8 が発生している場合、そのエリア内で発生している他のエラーが原因で、ジャンクションとエッジが接続できない可能性があるため、他のエラーを先に解決します。 先にエラー 38 について見ていきます。

    エラー 38 は、[Flow Valve, Air Gap] デバイスにターミナルが備わっていることが原因で発生しました。 ターミナルを備えたデバイスをラインの中間部に接続することはできません。

    注意:

    編集によって、このエラーを解決する方法については、ユーティリティ ネットワークのトポロジ エラーの修正チュートリアルのミッドスパン ターミナル デバイス エラーの修正をご参照ください。

    この状況をユーザーと確認し、ユーザーは給水本管を分割しないことにしました。 代わりに、エア ギャップ フロー バルブからデバイスを削除することにしました。 これによって、実際のエア ギャップ フロー バルブが行っているように、ユーティリティ ネットワーク内の流れを制御することはできなくなることをユーザーは理解しています。 ただし、エア ギャップ フロー バルブのデバイスは保持することを選択した場合、多くのラインを分割する必要が生じます。 さらに、分割されたラインに新しい ID を生成する必要があり、これによってメンテナンス レコードのデータが失われる可能性があります。

    このチュートリアルの前のセクションで、[Air Gap] アセット タイプには、[Pipe Bidirectional Dual Terminal] 構成が割り当てられ、この構成には、[Port One][Port Two] の 2 つのターミナルが構成されていることを学習しました。 これらのターミナルをエア ギャップ フロー バルブから削除するには、[Air Gap] アセット タイプのターミナル構成をそのデフォルト状態である [Single Terminal] に戻す必要があります。

    デバイスに [Single Terminal] 構成が割り当てられている場合、そのデバイスにターミナルは存在せず、ターミナルなし構成とも呼ばれます。 さらに正確には、ユーザー定義のターミナル構成がないということです。

  2. [ターミナル構成の設定] ツールを再び開いて、次のプロパティを設定します。
    • [入力ユーティリティ ネットワーク] で、[Water Utility Network] を選択します。
    • [ドメイン ネットワーク] で、[Water] を選択します。
    • [入力テーブル] で、[WaterDevice] を選択します。
    • [アセット グループ] で、[Flow Valve] を選択します。
    • [アセット タイプ] で、[Air Gap] を選択します。
    • [ターミナル構成] で、[Single terminal] を選択します。

    ターミナル構成の設定ツールのパラメーター

    注意:

    ユーティリティ ネットワークに対する変更の多くは、トポロジが無効になっている場合にのみ実行できるのに対し、ターミナル構成の削除は、さらに制約が厳しく、ネットワーク トポロジが初めて有効化される前にのみ、実行することができます。 ネットワーク構成タスクとその制約の詳細については、ユーティリティ ネットワーク管理タスク ドキュメント ページをご参照ください。

  3. [実行] をクリックします。

    [Air Gap] アセット タイプを [Single terminal] に設定することで、これまでのターミナル構成の割り当てを削除しました。 エア ギャップ フロー バルブには、ユーザー定義のターミナル構成がなくなり、したがってターミナルが存在しなくなりました。

  4. [エラーのみを生成] ボックスをオンにして、[ネットワーク トポロジの有効化] ツールを実行します。

    エラー [38: 複数ターミナルを持つデバイスはミッドスパンにできません] が解決しました。 ただし、エア ギャップ フロー バルブがターミナルを経由せずに、配水本管に接続することを許可するルールがないため、ジャンクション-エッジ エラー (エラー 8) は引き続き表示されます。

    エラー 8 が表示されたマップ

  5. [Flow Valve, Air Gap] フィーチャをクリックして、ポップアップを開きます。
  6. ポップアップの下部まで、スクロールします。 [Rules (24)] の下で、[Junction Edge (4)] および [Junction Junction (20)] セクションを展開します。

    ポップアップ内の Rules テーブル

    エア ギャップ フロー バルブの既存のルールでは、ターミナル ([Port One][Port Two]) を経由した接続のみが許可されています。 しかし、[Air Gap] アセット タイプからターミナル構成を先ほど削除したことにより、このタイプのフロー バルブでは、ターミナルがサポートされなくなりました。 このアセット タイプのジャンクション-エッジ ルールとジャンクション-ジャンクション ルールは、すべて無効になっています。

    エラー 8 を解決するには、ターミナルを使用しないエア ギャップ フロー バルブ用のルールを新たに追加する必要があります。 さらに、ユーティリティ ネットワークをクリーンな状態に維持して、不要なエラーがどこかで発生しないようにするため、古いルールを削除します。

  7. ポップアップを閉じます。
  8. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[ルールの削除] ツールを検索して開きます。

    ジオプロセシング ウィンドウ内のルールの削除ツール

    最初に、エア ギャップ フロー バルブと給水本管の間の 4 つのジャンクション-エッジ ルールを削除します。

  9. 次のパラメーターを設定します。
    • [入力ユーティリティ ネットワーク] で、[Water Utility Network] を選択します。
    • [ルール タイプ] で、[ジャンクション-エッジ接続性] を選択します。
    • [ルール] で、[375: [WaterDevice.Flow Valve.Air Gap] [WaterLine.Water Main.Distribution Main]] を選択します。

    ルールの削除ツールのパラメーター

  10. [実行] をクリックします。
  11. [ルールの削除] ツールをさらに 3 回実行して、次のルールを削除します。
    • 376: [WaterDevice.Flow Valve.Air Gap] [WaterLine.Water Main.Transmission Main]
    • 377: [WaterDevice.Flow Valve.Air Gap] [WaterLine.Water Main.Distribution Main]
    • 378: [WaterDevice.Flow Valve.Air Gap] [WaterLine.Water Main.Transmission Main]

    次に、削除した 4 つのルールの代わりに使用する 2 つの新しいルールを追加します。 新しいルールでは、エア ギャップ フロー バルブがターミナルを経由せずに、配水本管と送水管に接続することを許可します。

  12. [ルールの追加] ツールを再び開いて、次のパラメーターを設定します。
    • [入力ユーティリティ ネットワーク] で、[Water Utility Network] を選択します。
    • [ルール タイプ] で、[ジャンクション-エッジ接続性] を選択します。
    • [From テーブル] で、[WaterDevice] を選択します。
    • [From アセット グループ] で、[Flow Valve] を選択します。
    • [From アセット タイプ] で、[Air Gap] を選択します。
    • [To テーブル] で、[WaterLine] を選択します。
    • [To アセット グループ] で、[Water Main] を選択します。
    • [To アセット タイプ] で、[Distribution Main] を選択します。

    ルールの追加ツールのパラメーター

  13. [実行] をクリックします。
  14. [To アセット タイプ] パラメーターを [Transmission Main] に変更し、[実行] を再びクリックします。
  15. [エラーのみを生成] ボックスをオンにして、[ネットワーク トポロジの有効化] ツールを実行します。

    エラーは解決されました。

    エラーがないマップ

  16. マップ上で、[Flow Valve, Air Gap] フィーチャをクリックして、ポップアップを再び開きます。
  17. ポップアップの下部にスクロールして、[Junction Edge (2)] および [Junction Junction (20)] セクションを展開します。

    [Port One][Port Two] を経由して接続する 4 つの [Junction Edge] ルールが、ターミナルを必要としない 2 つのルールに置き換えられています。

    ポップアップ内の Rules テーブル

    20 個の [Junction Junction] ルールが残っています。 [Junction Edge] ルールを置き換えたように、これらの 20 個のルールを削除して、新しいルールを作成する必要があります。 これを行わなかった場合、エア ギャップ フロー バルブが他のジャンクションに接続する場所で、エラーが発生します。 アセット タイプからターミナル構成の割り当てを削除すると、ユーティリティ ネットワークで構成されているルールに対する下流方向の大きな影響が生じます。

    このチュートリアルでは、残りのルールの置き換えについては説明しません。 これらの変更には、後から対応できます。

  18. ポップアップを閉じます。

    ラインを分割せずに、デバイスからターミナルを削除して、エラー [38: 複数ターミナルを持つデバイスはミッドスパンにできません] を解決しました。

本モジュールでは、デバイスでターミナル構成を設定または削除する方法と、そのアセットの接続性ルールに対して、この変更がもたらす影響を紹介しました。 幸い、各ユーティリティ ネットワーク データ モデルには、推奨される接続性ルールとターミナル構成のセットが含まれているため、心配すべきは、データ モデルに新しいアセット タイプを追加する場合に、デバイスにターミナルが必要かどうかということだけです。


エッジの接続性ポリシーの使用

ラインの中間部への接続を許可

前のモジュールで、ターミナルを備えたデバイスは、ラインの中間部に描画できないことを確認しました。 パイプ ケーシングなどのアセット タイプを、フィーチャを接続する目的で、実際の現場では物理的に分割しなければならない場合、中間部分での接続を許可しないように構成することができます。 一部のラインは、ターミナルを備えていないデバイスであっても、中間部に接続することを許可しないよう構成されています。 ユーザーがフィーチャをラインの中間部に配置し、そのラインが端点にのみフィーチャの接続を許可するよう構成されている場合、エラー [13: 中間部分での接続は許可されていません] が発生します。

このセクションでは、ユーザーからの要求に従い、給水栓サービス バルブを給水栓サービス ラインの中間部に接続することを許可します。 [エッジの接続性の設定] ツールを使用して、この構成を変更します。

  1. [Bookmark 5] ブックマークにズームします。

    給水栓サービス バルブ (ラベル: [Service Valve, Hydrant]) が給水栓サービス ライン (ラベル: [Service, Hydrant Service]) の中間部に描画されている場所が、マップで拡大表示されます。 これらのサービスは、それぞれの端点にのみフィーチャの接続を許可するよう構成されているため、中間部分での接続エラー (エラー 13) が 2 つあります。

    エラー 13 が表示されたマップ

    このエラーを修正するため、バルブの位置でサービス ラインを分割することができますが、 ユーザーからは、ラインを分割する代わりに、給水栓サービス バルブを給水栓サービス ラインの中間部に接続することを許可するよう要望されました。 ユーザーは、多数のラインに新しい ID を割り当てる必要があることを懸念しています。

    注意:

    編集によって、このエラーを解決する方法については、ユーティリティ ネットワークのトポロジ エラーの修正チュートリアルの中間部分での接続エラーの修正をご参照ください。

    要求された動作を実現するため、給水栓サービス ラインのエッジ接続性を変更します。

  2. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[エッジの接続性を設定] ツールを検索して開きます。
  3. 次のパラメーターを設定します。
    • [入力ユーティリティ ネットワーク] で、[Water Utility Network] を選択します。
    • [ドメイン ネットワーク] で、[Water] を選択します。
    • [入力テーブル] で、[WaterLine] を選択します。
    • [アセット グループ] で、[Service] を選択します。
    • [アセット タイプ] で、[Hydrant Service] を選択します。
    • [エッジの接続性] で、[頂点] を選択します。

    エッジの接続性を設定ツールのパラメーター

    これらの設定により、ジャンクションは給水栓サービス ラインの端の頂点だけでなく、すべての頂点に接続することが許可されます。

  4. [実行] をクリックします。
  5. [エラーのみを生成] ボックスをオンにして、[ネットワーク トポロジの有効化] ツールを実行します。

    エラーは解決されました。

    エラーがないマップ

    このセクションでは、デバイスが端だけでなく、すべての頂点に接続することを許可するように給水栓サービス ラインを再構成しました。 これによって、中間部分での接続エラー (エラー 13) が解決しました。 ラインにエッジの接続性ポリシーを設定することは、ユーティリティ ネットワークで、描画の規格やデータ モデルに固有のルールを定義できるようにする、もう 1 つの方法です。

このチュートリアルでは、ユーティリティ ネットワーク構成を変更して、接続性エラーを管理する方法について学びました。 ルールの追加、ルールの削除、ターミナル構成の割り当て、ターミナル構成の削除、エッジ接続性の設定を行いました。 さらに、構成変更による下流への影響についても学びました。 構成変更を行う前に、変更によってユーザーのワークフローが受ける影響を調査し、その変更によって対象のエラーが修正され、さらなるエラーが発生しないことを確認します。

ユーティリティ ネットワーク トポロジ エラーの詳細については、以下のリソースをご参照ください。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。