マップの準備
国勢調査区の境界を確認したり、場合によって新しい境界を描画したりするには、モバイル作業者は現在の境界を把握している必要があります。 また、国勢調査区は行政階層内になくてはならず、かつ他の地理単位とも一貫している必要があるため、他の行政区画を把握していると有益です。
モバイル作業者が国勢調査前調査を実施するために必要な情報を確実に入手できるよう、調査の質問を完了したときに ArcGIS Survey123 で表示できるマップを ArcGIS Online で準備します。
国勢調査区のエクスポート
まず、ルサカ国勢調査区のフィーチャ レイヤーをローカル フィーチャ コレクションにエクスポートし、ArcGIS アカウントに再公開します。
注意:
このチュートリアルでは、現場で確認する国勢調査区のデータセットがすでに存在していることを想定しています。 国勢調査区をゼロからデジタイズする方法については、「国勢調査区を作成するフィーチャの編集」のチュートリアルをご参照ください。
- ArcGIS Online で「Lusaka Enumeration Areas」アイテムに移動します。
このフィーチャ レイヤーには、ザンビアの首都であるルサカの国勢調査区が含まれます。 モバイル作業者は国勢調査区に編集を加えるため、元のフィーチャクラスをエクスポートしてアカウントに再公開し、そのコピーを作成します。
- リボンで [サイン イン] をクリックします。
- ArcGIS の組織アカウントにサイン インします。
注意:
組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
次に、フィーチャ レイヤーをエクスポートしてアカウントに再公開します。
- [データのエクスポート] をクリックし、[フィーチャ コレクションにエクスポート] を選択します。
[フィーチャ コレクションにエクスポート] ウィンドウが表示されます。
- [タイトル] には、タイトルに自分の名前かイニシャルを追加します。
- [タグ]に「Zambia, census」と入力して Enter キーを押します。 [サマリー] には「Lusaka enumeration areas for use with census pre-enumeration tutorial」と入力します (またはコピーして貼り付けます)。
デフォルトでは、Web 表示用にフィーチャを単純化するオプションが選択されています。 元のフィーチャを保持します。
- [元のフィーチャを保持] を選択します。
- [エクスポート] をクリックします。
しばらくするとデータがエクスポートされ、[Lusaka Enumeration Aread (名前)] の詳細ページが表示されます。 あなたはこのフィーチャ レイヤーの所有者です。
現在、このフィーチャ レイヤーは公開されていません。つまり、他のユーザーは編集できません。 モバイル作業者が現場でレイヤーを編集できるようにしたいので、このフィーチャ レイヤーを公開します。
- [公開] をクリックします。
[新しいアイテム] ウィンドウが開きます。
- [サマリー] には「Lusaka enumeration areas for use with census pre-enumeration tutorial」と入力します (またはコピーして貼り付けます)。
注意:
このフィーチャ レイヤーと同じタイトルのアイテムがフォルダーにすでに存在するという警告が表示されても、無視してかまいません。
- [保存] をクリックします。
フィーチャ レイヤーが公開され、詳細ページが表示されます。 詳細ページは未公開のページと似ていますが、このページは単に [フィーチャ レイヤー] ではなく [フィーチャ レイヤー (ホスト)] と記される点が異なります。
ホスト フィーチャ レイヤーと通常のフィーチャ レイヤーの違いとは、ホスト フィーチャ レイヤーは ArcGIS Online でホストされ、国勢調査前調査に必要な編集など、複数の対話的フィーチャをサポートする点です。
最後に、モバイル作業者が確認できるよう、ホスト フィーチャ レイヤーを組織と共有します。
- [共有] ボタンをクリックします。
[共有] ウィンドウが表示されます。
- [共有レベルの設定] で [組織] を選択します。 [保存] をクリックします。
これで、自分と同じ ArcGIS 組織にいるユーザーであれば、誰でもレイヤーにアクセスできるようになります。 組織外のユーザーはアクセスできません。
ヒント:
組織外のユーザーがレイヤーにアクセスできるようにするには、共有レベルを [すべてのユーザー] に設定します。
マップの作成
次に、ホスト フィーチャ レイヤーをマップに追加し、外観を変更します。 モバイル作業者は、このマップと同時に国勢調査前調査をモバイル デバイスで表示し、国勢調査区の境界や、その他の重要な地理情報を確認します。
- [Map Viewer で開く] をクリックします。
注意:
組織の設定によっては、[Map Viewer Classic で開く] がこのボタンのデフォルト オプションである場合があります。 その場合には、[Map Viewer で開く] をクリックします。
ホスト フィーチャ レイヤーが新しいマップに追加されます。
フィーチャ レイヤーには、ザンビアの首都であるルサカの国勢調査区が含まれます。 国勢調査では、国全体を網羅する国勢調査区データを使用しますが、このチュートリアルでは、ザンビアのごく一部のデータに限定します。
マップには参照情報を表示するベースマップも含まれます。 ほとんどの組織では、標高などの地形情報を強調する [地形図] をデフォルト ベースマップとして使用しています。 国勢調査区は住戸および行政区画に基づいているため、これらを強調するベースマップに変更します。
- [コンテンツ] (暗い背景の) ツールバーにある [ベースマップ] をクリックします。
[ベースマップ] ウィンドウが開きます。
- ベースマップのリストをスクロールし、[OpenStreetMap] をクリックします。
ベースマップが変更されます。 次に、国勢調査区のスタイル (外観) を変更します。 現在の国勢調査区は透明の青色で塗りつぶされており、ベースマップが部分的に見づらくなっています。 スタイルを、塗りつぶしのないアウトラインのみに変更します。 また、境界が目立つよう、アウトライン色もピンクに変更します。
- [コンテンツ] ツールバーの [レイヤー] をクリックします。
[レイヤー] ウィンドウが表示されます。
- [レイヤー] ウィンドウで、自分の [Lusaka Enumeration Areas] レイヤーが選択されていることを確認します。
レイヤーが選択されている場合は、レイヤーに関連するオプションが [プロパティ] ウィンドウに表示されます。
- [プロパティ] ウィンドウの [シンボル] で [レイヤー スタイルの編集] をクリックします。
[シンボル] ウィンドウが表示されます。 デフォルトの描画スタイルは [場所 (単一シンボル)] です。つまり、各国勢調査区は同じスタイルを持ちます。
- [場所 (単一シンボル)] の下で、[スタイル オプション] をクリックします。
- [シンボル スタイル] で編集ボタンをクリックします。
塗りつぶしとアウトライン色のオプションを含むウィンドウが表示されます。
- [塗りつぶし色] で [色なし] ボタンをクリックします。
マップ上のフィーチャの塗りつぶし色が削除され、フィーチャのアウトラインのみが表示されます。
- [アウトライン色] で、編集ボタンをクリックします。 [色の選択] ウィンドウで、[Hex] に「e03b99」と入力します。
- [完了] をクリックします。
- [アウトライン幅] で [1] を選択します。
- [スタイル オプション] ウィンドウで [完了] をクリックします。 [シンボル] ウィンドウで [完了] をクリックします。
変更が保存されます。
これで、国勢調査区がベースマップを妨げなくなりました。
ラベルの追加
各国勢調査区には、識別するための一意のコードがあります。 このコードは、フィーチャ レイヤーの属性に含まれていますが、モバイル作業者にとっては、マップ上にコードが表示されると便利です。 国勢調査区をコードでラベル付けします。
- [レイヤー] ウィンドウで [Lusaka Enumeration Areas] が選択されていることを確認します。 [設定] (明るい背景の) ツールバーの [ラベル] をクリックします。
[ラベル フィーチャ] ウィンドウが表示されます。
- [ラベル クラスの追加] をクリックします。
ラベルがマップに追加され、各国勢調査区の地区名が表示されます。 ラベルの表示を変更します。
- [ラベル フィールド] で [地区名] をクリックします。
[フィールドの置換] ウィンドウが表示されます。
- フィールドのリストで [EA Code] を選択します。
ラベルの表示が、地区名から国勢調査区コード (12 桁の整数) に変更されます。
また、ラベル スタイルも変更します。
- [ラベル フィーチャ] ウィンドウの [ラベル スタイル] で [ラベル スタイルの編集] をクリックします。
[ラベル スタイル] ウィンドウが表示されます。 このマップは、画面の小さいモバイル デバイスに表示されるので、ラベルが互いに重なり合わないようにラベルのサイズを縮小します。 また、国勢調査区の色と一致するよう、ラベルの色も変更します。
- [サイズ] を [8] に設定します。 [色] で、色を「#e03b99」に設定します。
- [ラベル スタイル] ウィンドウを閉じます。
ラベルを縮小しても、データを全体表示すると重なって表示されます。 ユーザーが拡大したときにのみラベルが表示されるよう、ラベルの表示範囲を変更します。
- [ラベル フィーチャ] ウィンドウの [表示範囲] で、範囲が [道路] から [部屋] になるまでスライダー ハンドルを調整します。
データを全体表示すると、ラベルは表示されません。
- マップで、ラベルが表示されるまで拡大します。
これで、各ラベルが表す国勢調査区がわかりやすくなりました。
- マップで [デフォルト マップ ビュー] ボタンをクリックします。
デフォルト マップ範囲に戻ります。
レイヤー プロパティの変更
マップを保存する前に国勢調査区レイヤーの最終プロパティをいくつか変更し、組織と共有します。 まず、ラベルの表示範囲の変更と同様の方法を使用し、国勢調査区の表示範囲を変更します。
- [レイヤー] ウィンドウで、自分の [Lusaka Enumeration Areas] が選択されていることを確認したら、[設定] ツールバーで [プロパティ] をクリックします。
[プロパティ] ウィンドウが表示されます。
- 必要に応じて [表示範囲] まで下にスクロールします。
現在、ユーザーが最大のズーム レベルに拡大しなければ、国勢調査区は表示されません。
- 表示範囲が [国] から [部屋] になるようスライダーを右方向にドラッグします。
- [プロパティ] ウィンドウを閉じます。
また、ユーザーの名前またはイニシャルを削除し、国勢調査区レイヤーの名前を変更します。
- [レイヤー] ウィンドウの [Lusaka Enumeration Areas (名前)] で [オプション] ボタンをクリックし、[名前の変更] を選択します。
- [タイトル] のテキストを「Lusaka Enumeration Areas」に置換し、[OK] をクリックします。
これで、マップが完成しました。 マップを保存し、組織とレイヤーを共有します。
- [コンテンツ] ツールバーで [保存して開く] をクリックして [名前を付けて保存] を選択します。
- [マップの保存] ウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
- [タイトル] で「Enumeration Areas for Zambia Census」と入力します。
- [タグ] で「Lusaka, population census」と入力します。
- [サマリー] には「Enumeration areas boundaries on OpenStreetMap basemap for use in Zambia pre-enumeration survey」と入力します (またはコピーして貼り付けます)。
- [保存] をクリックします。
- [コンテンツ] ツールバーの [マップの共有] をクリックします。
- [共有] ウィンドウの [共有レベルの設定] で [組織] を選択します。 [保存] をクリックします。
オフラインでのマップの利用
モバイル作業者は、区域の大部分を徒歩で移動するため、マップと調査はおそらくインターネット接続がないエリアで使用されます。 ユーザーがデバイスにダウンロードしてオフラインで作業できるよう、マップをパッケージ化します。
注意:
オフライン マップは、Survey123 Web アプリではなく、Survey123 フィールド アプリでのみ使用されます。 Web アプリは、インターネットに接続されている場合にのみ使用されます。
- [コンテンツ] ツールバーの [マップ プロパティ] をクリックします。
- [マップ プロパティ] ウィンドウの下部で [アイテムの詳細] をクリックします。
マップの詳細ページが新しいブラウザー タブに表示されます。 Web マップをオフラインにするには、マップのフィーチャ レイヤーの同期機能をオンにする必要があります。 同期機能により、レイヤーのオフライン編集が有効になります。
- Web マップの詳細ページの [レイヤー] で、[Lusaka Enumeration Areas] をクリックします。
レイヤーの詳細ページが新しいブラウザー タブに表示されます。
- 自分の [Lusaka Enumeration Areas] の詳細ページのリボンで [設定] をクリックします。
- [設定] ページで、[Feature Layer (ホスト)] タブをクリックします。
- [編集] で [同期の有効化] をオンにします。
- [保存] をクリックします。
注意:
マップに複数のフィーチャ レイヤーがあった場合、そのすべての同期を有効にする必要があります。
- 自分の [Lusaka Enumeration Areas] ブラウザー タブを閉じ、[Enumeration Areas for Zambia Census] ブラウザー タブに戻ります。
- ページを更新します。
ヒント:
F5 キーを押し、ブラウザー ページを更新します。
- リボンの [設定] をクリックします。
これで、マップのすべてのフィーチャ レイヤーの同期を有効にしたので、[オフライン] セクションが Web マップ設定に追加されます。
- [オフライン] セクションまで下にスクロールします。 [オフライン モードの有効化] をオンにします。
- [保存] をクリックします。
これで、マップをオフライン利用できるようになりました。
オフライン マップ エリアの作成
モバイル作業者が関連エリアのみをダウンロードし、デバイスのデータとメモリの使用量を削減できるよう、マップを細かいエリアに分割します。 特に、国全体を網羅する国勢調査を実施する場合は、これが最善の方法です。
- [オフライン マップ エリア] セクションの [オフライン エリアの管理] をクリックします。
[オフライン エリアの管理] ウィンドウが開き、マップが表示されます。 オフライン エリアは多数作成できますが、このチュートリアルでは 1 つのみ作成します。 ルサカ シティ空港の真南にあるサニングデール地区を取得します。
- マップの検索バーで「Lusaka City Airport」と入力します。 検索結果のリストで [Lusaka City Airport, Haile Selassie Ave, Sunningdale, Lusaka, ZMB] をクリックします。
マップに空港が表示されます。
- [検索結果] ポップアップを閉じます。 必要に応じてマップを移動し、空港の南、ルサカ ゴルフ クラブの東にあるサニングデールを中心に合わせます。
- [オフライン マップ エリア] ウィンドウの [オフライン エリアの作成] をクリックします。
スケッチ ツールが表示され、それを使用してエリアを描画します。 シンプルな四角形のエリアを描画します。
- [四角形のマップ エリアをスケッチ] ボタンをクリックします。
カーソルが変わり、それを使用してマップ上にエリアをスケッチできるようになります。
- サニングデール地区周辺に四角形を描画します。
- [オフライン エリアの作成] ウィンドウの [名前] で、既存のテキストを削除して「Lusaka Sunningdale North」と入力します。
- [詳細レベル] を展開します。 詳細レベルが [都市] から [建物] レベルになるよう調整します。
- [保存] をクリックします。
オフライン マップ エリアがパッケージ化されます。 パッケージの作成には、数分かかります。 完了したら、[Lusaka Sunningdale North] エリアが [オフライン マップ エリア] ウィンドウにリストされます。
複数のオフライン エリアを作成できますが、このチュートリアルでは 1 つのみ作成します。
- リボンで閉じるボタンをクリックし、[オフライン エリアの管理] ウィンドウを閉じます。
Web マップの詳細ページの [設定] タブに戻ります。 [オフライン マップ エリア] セクションに、オフライン エリアの数を示すテキスト (1) が表示されます。
現在の国勢調査区の境界を示すオフライン マップを作成しました。 モバイル作業者は、インターネット接続できる間にマップをダウンロードし、現場で表示したり編集したりできます。 このチュートリアルの後半では、マップをモバイル デバイスにダウンロードする方法を学習します。
国勢調査前調査の作成
国勢調査区を示すマップを作成したので、次に、国勢調査前調査を作成します。 その後、モバイル作業者が現場で国勢調査区の整合チェック、編集、作成を行えるよう、マップと調査をリンクします。
注意:
このチュートリアルでは、現場で調査を使用することと、調査はタブレット デバイスで使用できるよう最適化されていることを想定しています。 建物フットプリントがあり、国勢調査区をオフィスで作成する場合は、ArcGIS Pro の [テリトリー デザイン] ツールを使用する方法もあります。
調査の作成
まず、ArcGIS Survey123 Connect で調査を作成します。 現実世界のワークフローでは、この調査はおそらく自分自身で作成することになるでしょう。 このチュートリアルの目的のため、すでに作成されている調査テンプレートを使用します。 この調査では、国勢調査区の州と一意の識別コード (マップ上にラベルを作成するときに使用したコードのようなもの) など、属性情報を取得します。
注意:
調査の作成の詳細については、「紙の国勢調査フォームからデジタル調査への変換」のチュートリアルをご参照ください。
- ArcGIS Survey123 Connect を開きます。
注意:
ArcGIS Survey123 Connect を保有していない場合、Survey123 ダウンロード ページからダウンロードすることができます。 [Survey123 Connect の取得] で、お使いのオペレーティング システムに適したインストーラーをダウンロードします。 インストーラーを実行し、手順に従ってプログラムをインストールします。
このチュートリアルでは、Survey123 Connect のバージョン 3.13 の機能を使用します。 お使いのバージョンを確認するには、設定ボタンをクリックし、[情報] を選択します。 バージョン 3.13 以降がない場合は、最新バージョンをインストールしてください。
次に、サイン インします。
- リボンで設定ボタンをクリックします。
- [サイン イン] をクリックします。
- ArcGIS 組織アカウントにサイン インします (マップを作成したときに使ったものと同じアカウント)。
サイン インしたら、このチュートリアル用に構成済みのテンプレートを使用して、調査を作成します。
- [新しい調査] をクリックします。
[新しい調査] ウィンドウが開きます。 調査に名前を付け、調査の XLSForm の初期デザインを選択します。 XLSForm は、Survey123 で Microsoft Excel 調査などのフォームの作成を簡素化するフォーム標準の 1 つです。
XLSForm デザインは、複数の場所から選択することができます。 ここでは、使用可能なテンプレートのリストのデザインを使用します。
- [タイトル] に「Zambia pre-enumeration survey」と入力し、自分の名前またはイニシャルを付け加えて、組織内でタイトルが一意になるようにします。
- [新しい調査を作成] で、[テンプレート] を選択します。
- 検索バーで「Zambia Pre-Enumeration Census」と入力します。 必要に応じて [Zambia Pre-Enumeration Census] をクリックして選択します。
このテンプレートは、国勢調査区のマッピングと更新に使用できる調査を作成します。
- [調査の作成] をクリックします。
選択したテンプレートに基づいて、調査が作成されます。 プレビューが Survey123 Connect に表示されます。
調査の修正とプレビュー
プレビューをチェック アウトする前に、XLSForm を修正します。
- XLSForm が Microsoft Excel で自動的に開かない場合は、[XLSForm] をクリックします。
XLSForm が Microsoft Excel で開きます。 調査の質問が多数含まれますが、多くの変更は加えません。 行 5 に、モバイル作業者が問題に直面したときの連絡先となる本部の情報が含まれます。 テンプレートでは、プレースホルダーの電話番号と電子メール アドレスを使用しますが、自分自身の情報に置換できます。
- あるいは、行 5 列 C のセルをクリックし、プレースホルダーの連絡先情報を、組織の連絡先情報に変更できます。
- XLSForm を Microsoft Excel に保存します。 XLSForm を閉じ、Survey123 Connect に戻ります。
XLSForm を保存すると、Survey123 Connect プレビューが自動的に更新されます。 連絡先情報はプレビューの上部に表示されます。 (サンプル画像では、プレースホルダー情報が使用されています。)
調査の 1 ページ目は、国勢調査区に関する基本情報の収集に使用されます。 モバイル作業者は、ザンビアの州、地区、選挙区、区のリストから選択し、国勢調査区の場所を特定できます。 次に、国勢調査区に関する基本情報 (コードやタイプなど) を入力します。
[Principal mobile worker] フィールドには、モバイル作業者のユーザー名が自動的に入力されます。 モバイル作業者を記録するとデータ整合性が向上し、問題がある場合に元の作業者を特定できるようになります。 モバイル作業者が別のスタッフと作業している場合、その名前を [Assisted by] フィールドに入力できます。
- プレビューの下部で矢印をクリックし、調査の次のページに移動します。
2 ページ目には、国勢調査区の建物、世帯、居住者の情報を入力します。 モバイル作業者はマップに押しピンを配置して建物の場所を示したり、建物の写真を添付したり、建物の住所、世帯数、居住者数を入力したりできます。
モバイル作業者は国勢調査区内のすべての建物について、このプロセスを繰り返すことができます。 ページの下部では、国勢調査区の世帯数と居住者数を追跡します。
- 矢印をクリックし、調査の次のページに移動します。
最後のページは、国勢調査区の境界を描画するために使用します。 このプロセスは、マップで行います。 モバイル作業者は、国勢調査区について説明し、必要に応じてコメントを追加することもできます。
2 ページ目と 3 ページ目で使用されるマップは、デフォルトのマップです。 後ほど、調査と、作成したザンビアの国勢調査区の Web マップをリンクします。 まず、調査の受信トレイを有効にします。
Survey123 の受信トレイ機能は、フィーチャ グループをモバイル作業者に割り当てられるため、広範囲のデータ収集作業を効率化します。 また、受信トレイ機能により、モバイル作業者は、各自のアサインメントにすでに関連付けられているデータ (ゾーニング情報や前の国勢調査のフォームなど) にアクセスできます。
注意:
Survey123 の受信トレイ フィーチャの詳細については、「国勢調査用受信トレイを有効化する」のチュートリアルをご参照ください。
- Survey123 Connect ウィンドウの下部で [オプション] をクリックします。
- [受信トレイ] で、[受信トレイの有効化] をオンにします。 [受信トレイの調査の表示を許可] をオンにします。
[受信トレイ] セクションの上に警告が表示されます。 警告は、受信トレイと送信済みボックスの両方が同時に有効になっていると表示されます (送信された調査をユーザーのデバイスに保存する送信済みボックスは、デフォルトでは有効化されています)。 調査で両方が有効になっている場合、受信トレイを更新しても現在送信済みボックスにある回答はダウンロードされません。 そのため、モバイル作業者の場合のように、複数のユーザーが既存の回答を継続的に編集および更新する場合は、両方を有効にしないことをお勧めします。
- [[送信済み] フォルダーの有効化] をオフにします。
警告メッセージが消えます。 別の警告が表示され、受信トレイが有効になっているため、読み取りアクセスも有効になることを示します。 この警告は無視してかまいません。
マップと調査のリンク
次に、ザンビアの国勢調査区に対して作成した Web マップと調査をリンクします。 そうすることで、モバイル作業者がマップを使用する調査フォームの質問に回答すると、デフォルト マップの代わりに、作成したマップが表示されます。 モバイル作業者は既存の国勢調査区を修正し、ザンビアの行政区画を考慮に入れた新しい国勢調査区を作成できます。 モバイル作業者が調査に変更を加えると、その内容はマップにも自動的に反映されます。
マップのコンテンツを調査にリンクするには、調査を公開する必要があります。 調査を公開すると、ArcGIS 組織アカウントにホスト フィーチャ サービスが作成されます。 このフィーチャ サービスには、調査で収集されたデータが格納されます。 公開することでオンライン フォームも作成されるので、ユーザーが調査にアクセスできるようになります。
- Survey123 Connect で [公開] をクリックします。
ウィンドウが開いて、調査公開後に調査デザインを変更するとデータが損失する可能性があることを警告します。 データはすぐには収集しないため、この警告について心配する必要はありません。
- [調査の公開] をクリックします。
公開には数分かかることがあります。
- 公開が完了したら、[OK] をクリックします。
Survey123 Connect プレビューに戻ります。 これで、マップをリンクできるようになります。
- Survey123 Connect ウィンドウの下部で [リンクされたコンテンツ] をクリックします。
調査には Web マップがすでにリンクされています。 この Web マップはあなたが所有者になっており、調査と同じ名前を持ち、調査を公開したときに作成されたものです。 調査データを格納するホスト フィーチャクラスが含まれます。
このマップは、ザンビアの既存の国勢調査区に関する情報を含まないデフォルト マップなので、先ほど作成したマップ (これらの情報を含むマップ) をリンクします。
- [コンテンツのリンク] をクリックします。
オンライン マップ、マップ パッケージ、または CSV ファイルをリンクするよう選択できます。 作成した Web マップをリンクします。
- [オンライン マップ] をクリックします。
[オンライン マップのリンク] ウィンドウが表示されます。 組織で共有したマップが表示されます。 組織の規模に応じて、多数のマップが表示されることがあります。
- 「Enumeration Areas for Zambia Census」を検索し、作成した Web マップをクリックします。
ヒント:
同じタイトルのマップが組織内に複数ある場合は、自分が所有しているマップを選択します。
- Web マップが選択されたら、[OK] をクリックします。
リンクされたコンテンツのリストに Web マップが追加されます。 モバイル作業者は、調査に記入するときに Web マップを使用できます。あるいは、作成したオフライン マップ エリアをダウンロードし、オフラインで作業できます。
調査のユーザーが、新しいリンク済みマップを使用できるようにするには、調査を再公開する必要があります。
- [公開] をクリックします。 公開ウィンドウで [調査の公開] をクリックします。
- 公開が完了したら、[OK] をクリックします。
マップ設定の変更
マップと調査をリンクしたので、マップのデフォルト範囲の中心がルサカになるよう、マップの設定を調整します。
まず、変更内容が調査またはマップ プレビューに反映されていない場合に、調査を更新します。
- Survey123 Connect で [更新] をクリックします。
調査のプレビューが更新されます。
- [マップ] タブをクリックします。
プレビュー マップと詳細マップの設定があります。 モバイル作業者が使用するのは詳細マップです。 デフォルトのズーム レベルと範囲を設定できます。 また、マップ上に座標を表示する方法も変更します。
- [詳細マップ] で、次の設定を変更します。
- [ズーム レベル] を [16] に変更します。
- [緯度] に「-15.415」と入力します。
- [経度] に「28.330」と入力します。
- [座標形式] で [度 (10 進)] を選択します。
マップが、オフライン マップ エリアを作成したルサカ ゴルフ コースの真上とサニングデール地区にズームします。
プレビュー マップのズーム レベルと座標形式を、詳細マップに合わせて変更します。
- [プレビュー マップ] の [ズーム レベル] で [16] を選択します。 [座標形式] で [度 (10 進)] を選択します。
次に、作成した国勢調査区の Web マップを使用するようベースマップを変更します。
- [詳細マップ] のマップのツールバーで、ベースマップ ボタンをクリックします。
ベースマップのリストが表示されます。 リンクされたマップが、リストの中に表示されます。
- [ベースマップの選択] ウィンドウで [Enumeration Areas for Zambia Census] をクリックします。
注意:
ベースマップ オプションの中にマップが表示されなければ、Survey123 設定を変更しなくてはならないことがあります。 リボンで、アカウントのイニシャルをクリックし、[設定] を選択します。 [Survey123 の接続設定] ウィンドウで [マップ] タブをクリックします。 [マップ] タイプで [標準] が選択されていることを確認し、[OK] をクリックします。
マップが更新されます。 Web マップに追加された国勢調査区フィーチャが含まれています。
調査のプレビューに変更が表示されることを確認します。
- [フォーム] タブをクリックします。 調査プレビューの下部の矢印をクリックし、3 ページ中の 2 ページ目に移動します。
デバイスで位置情報サービスが有効になっている場合、マップの中心はルサカではなく現在地になっている可能性があります。 位置情報サービスは、現在の場所に合わせてマップ範囲を自動的に調整します。 マップのデフォルト範囲を移動し、設定済みの範囲であることを確認します。
- [Location of the buildings] の質問で、マップをクリックします。
- マップで、ホーム ボタンをクリックします。
マップが、ルサカのサニングデール地区の真上、空港とゴルフ コース付近に移動します。 国勢調査区の境界とラベルが表示されます。
調査マップが正しく構成されています。 次に変更を公開します。
- [公開] をクリックし、[調査の公開] をクリックします。 公開が完了したら、[OK] をクリックします。
調査が完了しました。 次に、調査を共有し、組織のメンバーが調査を使用し、回答できるようにします。
- [その他のアクション] ボタンをクリックします。
- [その他のアクション] ウィンドウで[Survey123 Web サイトで管理] をクリックします。
新しいブラウザー タブに、調査の [概要] ページが開きます。 デフォルトでは、調査はプライベートです (共有されていません)。
- ArcGIS 組織アカウントにサイン インしていることを確認します。
- リボンの [共同作業] をクリックします。
- [この調査に送信できるユーザー] で [組織のメンバー] を選択します。
- [保存] をクリックします。
組織のメンバーが調査の回答を更新し、アクセスできるよう許可したことを説明する警告が表示されます。 組織で調査を使用したいので、この警告は問題ではありません。
- 必要に応じ、警告ウィンドウで [保存] をクリックします。
ザンビアのルサカの国勢調査区を示すリンク済みマップを含む、国勢調査前調査を作成し、共有しました。 次に、調査をテストします。
サンプル データの取得
調査が完了し、公開されました。 次に、新しい国勢調査区の情報を取得し、モバイル デバイスでテストします。
このチュートリアルでは、ルサカ シティ空港の南に位置するサニングデール地区で、数年前から新しい住居が多数建設されていることを想定します。 この国勢調査区の人口が大幅に増加したので、新しい国勢調査区に分割する必要があります。 このエリア内の建物、世帯、居住者に関するデータを収集し、新しい国勢調査区を定義するポリゴンを描画します。
調査のダウンロード
まず、モバイル デバイスに ArcGIS Survey123 フィールド アプリをインストールします。 次に、公開した調査と、作成したオフライン マップ エリアをダウンロードします。
- モバイル デバイスのプラットフォームに応じて、無料の Survey123 フィールド アプリを適切なアプリ ストアからダウンロードし、インストールします。
- iOS デバイスの場合は、App Store からアプリを入手できます。
- Android デバイスの場合は、Google Play からアプリを入手できます。
- Windows デバイスの場合は、Microsoft ストアからアプリを入手できます。
- Windows 7、8、10、Mac バージョンの Survey123 フィールド アプリは、Survey123 ダウンロード ページから入手できます。
注意:
使用するアプリのバージョンによって、手順と画像例が若干異なる場合があります。
- アプリを開き、ArcGIS の組織アカウントを使用してサイン インします。
調査ギャラリーが表示されます。 アプリを過去に使ったことがあれば、調査がリストに含まれている可能性があります。 調査を行う前に、まずダウンロードする必要があります。
- リボンで、アカウント名のイニシャルを示すボタンをクリックします。
- [調査のダウンロード] をクリックします。
[調査のダウンロード] ページが表示されます。 ここには、組織に共有されたすべての調査がリストされます。
- 検索バーで「Zambia pre-enumeration survey」と入力します。 必要であれば、名前かイニシャルを追加して検索結果を絞り込みます。
- 国勢調査前調査の横にあるダウンロード ボタンをクリックします。
しばらくすると、調査がデバイスにダウンロードされます。
- ダウンロードが完了したら、戻るボタンをクリックします。
国勢調査前調査が、調査のリストに表示されます。
- 調査のリストで [Zambia pre-enumeration survey] をクリックします。
調査の概要ページが表示されます。 このページには、調査の説明、所有者、作成日、最終更新日が含まれます。
ダウンロードした調査は、調査のオンライン バージョンです。 しかし、モバイル作業者が、インターネット アクセスがない、またはインターネット アクセスに制限がある場所に移動する場合は、オフラインで作業する必要があります。 そのためには、先ほど作成したサニングデール地区のオフライン マップ エリアもダウンロードします。
- リボンのメニュー ボタンをクリックします。
- [オフライン マップ] をクリックします。
調査に関連付けられたオフライン マップ エリアのリストが表示されます。 この調査には、オフライン マップが 1 つのみ含まれます (Lusaka Sunningdale North)。
- [Lusaka Sunningdale North] のダウンロード ボタンをクリックします。
しばらくすると、オフライン マップ エリアがダウンロードされます。 調査を使用する際、任意のマップ メニューのベースマップ ボタンからアクセスできます。
- 戻るボタンをクリックし、調査の概要ページに戻ります。
国勢調査区の情報の収集
国勢調査区の規模は、通常は、人口と表面積を考慮して、1 人のモバイル作業者が国勢調査期間中に訪問し、面談できる世帯数によって定義されます。 国勢調査区内の世帯数は、そのエリアが市街地であるか、郊外であるか、地方であるかによって異なります。 住宅数が多い国勢調査区は、広いエリアに住宅が散在している国勢調査区に比べると小さくなります。
国勢調査区では、次の重要な設計条件も考慮します。
- 国勢調査区は、間隔や重複なしに、国全体を網羅していること。
- 国勢調査区は行政階層内になくてはならず、かつ他の関連する地理単位 (州、省、地区など) とできる限り一貫していること。
- 国勢調査区は、モバイル作業者の担当エリアの境界を特定できるよう、地上で観測でき、わかりやすい境界線があること。 河川や道路などの物理的フィーチャが望ましい。
次に、国勢調査前調査を実施し、住宅と人口における最近の変化に基づいて、既存のエリアの評価、整合チェック、編集を行います。 エリア内の住宅数に基づいて、エリアの規模が適切であるかどうかを確認し、必要であれば国勢調査区の設計基準に合わせてエリアを編集します。
- ザンビアの国勢調査前調査の概要ページで [収集] をクリックします。
調査が表示されます。 ArcGIS Survey123 Connect のプレビューと同じフィールドがあります。 調査の 1 ページ目は、国勢調査区に関する基本的な行政情報に使用されます。 サニングデール エリアの既存の国勢調査区の情報を入力します。この地区は、ルサカ地区のカリンガリンガ区にあります。
- 調査の 1 ページ目に、次の情報を入力します。
- [Province] で [Lusaka] を選択します。
- [District name] で [Lusaka] を選択します。
- [Constituency name] で [Lusaka 81] を選択します。
- [Ward name] で [Kalingalinga] を選択します。
情報を入力すると、調査には各行政単位に関連付けられた一意のコードが表示されます。 ザンビアの国勢調査区には、一意の 13 桁のコードが割り当てられています。 最初の 4 桁は州と地区、次の 3 桁は選挙区、続く 2 桁は区を表します。
調査に表示されるコードに基づき、国勢調査区コードの最初の 9 桁は 050408131 です。 この桁は、[EA unique code] フィールドにも表示されます。 カリンガリンガ地区のすべての国勢調査区は、この文字列から始まります。 国勢調査区のコードの最後の 4 桁は、国勢調査区ごとに一意です。
このシナリオでは、モバイル作業者は、自分が担当する国勢調査区の一意のコードをすでに把握していることを想定します。
- [EA identifier] で「0086」と入力します。
[EA unique code] フィールドに、13 桁すべて (0504081310086) が入力されます。
市街地の既存の国勢調査区を確認し、必要に応じて編集します。 1 ページ目の残りを適宜入力します。
- [Is this a new EA] で [No] を選択します。 [What type of EA is this] で [Urban] を選択します。
[Urban] を選択すると、市街地の国勢調査区には 90 世帯以上が必要であることを示すメッセージが表示されます。
- 矢印をクリックし、調査の 2 ページ目に移動します。
2 ページ目には、国勢調査区の建物、世帯、居住者の情報を入力します。 調査のこの段階では、モバイル作業者は各世帯を個別に訪問し、居住者に聞き取りを行う必要があるため、実際のワークフローと同様に時間がかかることがあります。 このページの上部には国勢調査コードが表示されるので、モバイル作業者はこのページを表示するたびに正しい国勢調査区で作業しているかどうかを確認できます。
- [Location of the buildings] でマップをタップするかクリックします。
マップが拡大し、画面の大部分に表示されます。 位置情報サービスが有効になっている場合、マップにはルサカではなく現在地が表示される場合があります。
- マップで、ホーム ボタンをクリックします。
マップがサニングデールに移動します。 デフォルトでは、既存の国勢調査区をピンクで示す、カスタム ベースマップが表示されます。
注意:
マップがデフォルトで国勢調査区のマップを表示しない場合は、ベースマップ ボタンをクリックし、ベースマップとして選択できます。
マップの中心に青色のピンが表示されます。 このピンを移動し、追加する建物の場所をマークします。
- サニングデールの北西角、ゴルフ コースと空港の横の建物にピンが配置されるまで、マップを移動してズームします。
モバイル作業者は、ベースマップを使うことで、自分が担当する国勢調査区と建物の場所の両方を特定できます。 実際にルサカで活動するモバイル作業者が位置情報サービスを有効にすると、マップの中心が自動的に現在地になるので、建物の場所をすばやく設定できます。
- マップ下で、チェック マークをクリックします。
建物の場所が確認されたので、調査の 2 ページ目に戻ります。
後任のモバイル作業者が特定しやすいよう、必要に応じて建物の写真を添付することもできます。 このオプションは、仮設の構造物や、番地が明確ではない、または信頼できない場合に便利です。 モバイル デバイスにカメラが付いている場合は、カメラ ボタンをタップして写真を撮影できます。 あるいは、ファイル ボタンをクリックして写真をアップロードすることもできます。
次に、建物の住所を追加します。 住所には、番地を入力することもできますが、住所が存在しない場合は建物の説明文も入力できます。
- [Building address description] に「47 Mwinilunga Road」と入力します。
注意:
ここで入力するのは架空の情報であり、実在の建物の住所、世帯数、居住者数を表すものではありません。
次に、建物内に居住するそれぞれの世帯数を追加します。 単一家族住宅の場合、数値は「1」です。 集合住宅の場合は、部屋数の場合があります。 このシナリオでは、選択した建物は 45 世帯が居住する集合住宅とします。
ヒント:
世帯数がゼロの建物については、世帯数を「0」のままにしておきます。 そうすることで、国勢調査区の境界の特定に有用な、非居住用建物をマークできます。
- [Number of households] に「45」と入力します。
また、居住者数 (乳幼児を含む全員) も追加します。 通常、モバイル作業者は居住者に聞き取りを行い、居住者数を確認します。 このチュートリアルでは、建物内に 258 人が居住していることを想定します。
- [Number of residents] に「258」と入力します。
注意:
この調査を作成するために使用した調査テンプレートでは、居住者の性別を分けていませんが、性別を分けるようカスタマイズすることもできます。
この建物の情報をすべて入力しました。
- ページ下部近くにある [追加] ボタンをクリックします。
空のフォームが新規作成されるので、そこに別の建物の情報を収集します。 市街地の国勢調査区には少なくとも 90 世帯が必要なので、他の建物も記録します。
- [Location of the buildings] でマップをタップするかクリックします。 マップで、ホーム ボタンをクリックします。
マップ上で、記録済みの建物には「001」とラベルが付いた黄色のポイントとして表示されます。
建物を記録するとマップに追加されるので、モバイル作業者が国勢調査区内の進捗を追跡しやすくなります。 ラベルは建物を記録するごとに数が増分するので、2 つ目の建物は 002、3 つ目は 003 となります。
サニングデール エリアのほとんどの住宅は単一家族向けなので、調査のこの段階では 90 戸ほどを収集できるものと予想します。 このチュートリアルでは、3 戸のみを収集します。
- マップを画面移動してズームし、Mwinilunga Road の北側にある、「16」とラベル付けされた建物に青色のピンを配置します。 (ラベルを表示するには、拡大しなくてはならない場合があります。)
- マップ下で、チェック マークをクリックします。 調査に、次の情報を入力します。
- [Building address description] に「49 Mwinilunga Road」と入力します。
- [Number of households] に「15」と入力します。
- [Number of residents] に「79」と入力します。
- 追加ボタンをクリックし、別の建物を追加します。
- [Location of the buildings] でマップをタップするかクリックし、ホーム ボタンをクリックします。 空港の南、Kudu Road の曲がり角の北西にある小さな四角い建物にピンを合わせます。
- チェックマークをクリックします。 調査に、次の情報を入力します。
- [Building address description] に「51 Mwinilunga Road」と入力します。
- [Number of households] に「32」と入力します。
- [Number of residents] に「158」と入力します。
調査の下部に、国勢調査区の世帯数と居住者数の合計が表示されます。
総世帯数は 92 で、市街地の国勢調査区の世帯数の上限値である 90 に近い数です。 合計の下に表示されるメッセージには、調査の次の段階に進めることが示されます。
国勢調査区の境界の描画
国勢調査区内の建物と世帯に関する情報を収集したので、次に、国勢調査区の境界を描画します。
- 調査の下部で矢印をクリックし、調査の 3 ページ目に移動します。
- [Draw the boundary of EA 0504081310086] でマップ ボタンをクリックします。 マップで、ホーム ボタンをクリックします。
建物ポイントと既存の国勢調査区の境界が表示されます。
国勢調査区 0504081310086 の既存の境界には、サニングデールの近隣地区だけでなく、空港、ゴルフ コース、その他の周辺エリアも含まれます。 空港とゴルフ コースには住宅はなく、国勢調査区の居住者の総数には追加されませんが、空港の西側のエリアには住宅があります。 それらの住宅を含めると、総数は 90 を大幅に超過します。
3 戸の建物を収集したサニングデール周辺のみを含む、新しい国勢調査区の境界を描画します。 そうすることで、市街地の国勢調査区の推奨値である 90 戸前後の建物だけが含まれるようになります。
- マップの下で、ポリゴン ボタンをクリックします。
- マップで、ゴルフ コースと空港の境界の交差点 (建物 001 近く) をクリックします。
クリックした場所に頂点が追加されます。
注意:
描画した境界は、ベースマップの境界 (国勢調査区の境界を含む) にはスナップしません。これは、ベースマップのジオメトリが Survey123 内からアクセスできないためです。
- マップ周辺をクリックし、ゴルフ コース、空港、Mwinilunga Road 間のエリアを網羅するポリゴンを描画します。 (スケッチは完璧でなくてもかまいません。)
- 頂点を追加中にマップをナビゲートするには (ズームや画面移動など)、マップ操作ボタンをクリックします。
新しい頂点を追加せずに、マップの画面移動とズームが可能になりました。
- ナビゲートを終了したが頂点をさらに追加したい場合は、ポリゴン ボタンをクリックします。
- 現在の位置に頂点を追加するには、現在の位置の頂点ボタンをクリックします。 (現在ルサカにいる場合を除き、このボタンをクリックしないでください。)
- ポリゴン頂点を追加するときにミスした場合は、元に戻すボタンをクリックして削除します。
- 国勢調査区の境界のスケッチに問題ない場合は、チェック マークをクリックします。
マップで境界を確認できます。
- マップ下で、チェック マークをクリックします。
調査の 3 ページ目に戻り、新しい国勢調査区の境界がマップに表示されます。
調査の終了と送信
説明文など、境界に関する情報を記入します。 それで調査が完了です。
指定の開始点から時計回りに、国勢調査区についての説明を入力します。 マップを見ていない人にもわかるようにする必要があります。
- [EA Boundary Description] に次のテキストを入力します。
Begin at the intersection of Nyiamba Road and Busuma Road. Walk north along the edge of the golf course until you reach the airport. Turn east and walk until you reach the bend where Chila Road meets Kudu Road. Walk south along Chila Road until you reach its intersection with Mwinilunga Road. Follow Mwinilunga Road west until it becomes Busuma Road. Follow Busuma Road south until you reach the starting point.
- [I confirm that all households and buildings have been captured for this EA] で [完了] を選択します。
モバイル作業者は、居住者の情報収集が完了しておらず、かつ後から調査に戻る必要がある場合には、調査を未完了としてマークできます。 調査は、完了済みまたは未完了として受信トレイでラベル付けされるので、後から戻る必要がある調査をひと目で確認できます。 [完了] を選択すると、ユーザー名と現在の日時を示すテキストが表示されるので、調査の進捗を追跡できます。
必要に応じ、コメントを追加することもできます。 未完了の調査については、モバイル作業者は残りの作業に関する簡単な説明文を含めることができます。 完了済みの調査については、モバイル作業者は国勢調査区が作成された理由や、その他の情報を記入できます。
最後に [Verification status] フィールドは [Unverified] に設定されます。 調査が送信されると、オフィス スタッフはこのフィールドを使用して、変更を整合チェックしたかどうかを示すことができます。 オフィス スタッフがこのフィールドを [Returned for field checking] に変更すると、調査のステータスは自動的に未完了になり、モバイル作業者は対処が必要であることを確認できます。
- 調査の下部でチェック マークをクリックします。
調査が完了したことを示すウィンドウが表示されます。 デバイスがオンラインであれば、調査を直ちに送信するか、調査を続行するか、調査を後から送信するよう送信箱に保存できます。 デバイスがオフラインの場合は、調査を送信箱に保存し、オンラインに復帰したときに送信できます。
- [今すぐ送信] をクリックします。
しばらくすると、調査が送信されます。 調査の回答は、調査に関連付けられたフィーチャクラスに表示されます。 送信済みの調査レコードの表示と更新の方法については、後ほど学習します。
終了する前に、受信トレイで調査の回答のステータスを確認します。
- [Zambia pre-enumeration survey] の概要ページで [受信トレイ] をクリックします。
受信トレイが開きます。 調査を構成したときに、受信トレイを有効にしました。 現在、受信トレイは空ですが、更新する必要があります。
- [更新] をクリックします。
受信トレイが更新され、調査の回答が表示されます。 調査の回答は、国勢調査区コードで名付けられ、ステータスが表示されます。
モバイル作業者は受信トレイを使用し、オフィス スタッフが調査を整合チェックしたか、あるいは未完了としてマークし、対処が必要であるかを確認できます。
- [マップ] をクリックします。
描画した国勢調査区を示すが、建物が見えないマップが表示されます。 複数の国勢調査区を描画して送信すると、このマップにすべて表示されます。
- Survey123 を閉じます。
世帯情報を収集し、新しい国勢調査区の境界を描画した調査を完了しました。 次に、調査をオンラインで確認し、必要に応じて変更を加えます。
レコードの確認と更新
国勢調査前調査は、チームで協力して実施します。 モバイル作業者は現場でデータを収集しますが、本部のチームは調査の回答を確認し、整合チェックします。 本部の作業をシミュレートするために、調査の結果を Survey123 Web サイトで確認します。
レコードの確認
モバイル作業者が調査の回答を送信すると、調査を公開したときに作成したフィーチャ サービスにデータが格納されます。 このフィーチャ サービスは ArcGIS Online でホストされ、ArcGIS アカウントを使用してアクセスできます。
- Survey123 Web サイトに移動します。
- [サイン イン] をクリックします。 必要に応じ、ArcGIS 組織アカウントを使用してサイン インします (マップを作成し、調査を公開するために使用したのと同じアカウント)。
サイン インすると、組織で共有されたすべての調査をリストする [調査] ページが表示されます。 このリストをフィルターし、自分が所有する調査のみを表示できますが、自分の国勢調査前調査は最上位かその付近にリストされます。
- 調査のリストで、自分のザンビアの国勢調査前調査のサムネイルをクリックします。
調査の [概要] ページが表示されます。 このページは、組織内のユーザーが調査を送信できるよう簡単に確認しました。 このページは変更され、先ほど送信した調査レコードに関する情報が表示されます。
このページを使用すると、どのタイミングで送信されたか大まかに把握できます。
- リボンの [データ] タブをクリックします。
このタブでは、送信済みの調査レコードから取得した実際の情報が表示されます。 ここには、描画した国勢調査区と、取得した建物ポイントを示すマップが含まれます。 マップの下に、調査の各質問に対する回答を含むテーブルがあります。
現在、調査の回答は 1 件しかありませんが、他の回答を受信したらこのページに追加されます。 レコードごとにテーブルを並べ替え、回答を比較できます。
テーブルには、タブが 2 つあります。 デフォルト タブには調査の回答が表示され、[Buildings] タブには建物に関する情報が表示されます。 ここには建物 ID、住所、世帯数、居住者数が含まれます。
このシナリオでは、送信された情報を確認した本部が、モバイル作業者がマッピングした国勢調査区の北東角に不満があると想定します。 モバイル作業者が必要な変更を加えられるよう、このレコードを現場での確認に差し戻します。
- [Verification status] フィールドまで、テーブルをスクロールします。 [Unverified] をダブルクリックし、[Returned for field checking] を選択します。
このテーブル セルは、選択した値で更新されます。 [Further details] フィールドを編集し、どのような変更が必要であるか説明を入力します。
- [Further details] で空のセルをダブルクリックし、「Please update northeast corner to include buildings north of Kudu Road」と入力して Enter キーを押します。
テキストがセルに追加されます。
- [Verified by] で空白のセルをダブルクリックし、自分の名前かイニシャルを入力して Enter キーを押します。
編集内容が調査の回答に追加されます。 変更は、国勢調査前調査を使用するモバイル作業者の受信トレイに表示されます。 調査のタイトルが更新され、現場での確認を行うために差し戻されたことが示され、対処が必要であることを確認できます。
現場でのレコードの更新
本部が調査の回答を確認し、現場での確認のために差し戻したので、次に、Survey123 フィールド アプリの受信トレイを使用して変更にアクセスし、要求された更新を行います。
- モバイル デバイスで Survey123 フィールド アプリを開きます。必要であれば、ArcGIS 組織アカウントにサイン インします。
- 調査のリストで、自分のザンビアの国勢調査前調査をクリックします。
調査の概要で、[受信トレイ] オプションに「1」という数字が付いています。これは、対応が必要な回答が受信トレイにあることを意味します。
- [受信トレイ] をクリックします。
受信トレイには調査の回答が含まれますが、[returned] ではなく [unverified] と表示されたままです。 そのため、調査を更新する必要があります。
- [更新] ボタンをクリックします。
受信トレイが更新され、回答には [returned] と記されます。
本部が、調査の送信日とは異なる日にちに変更を加えた場合は、調査の回答の下にその日付が反映されます。
- 返された調査の回答をクリックします。 [Inbox Survey] ウィンドウで [編集] をクリックします。
調査の回答を編集できるようになります。
- 調査の下部で矢印を 2 回クリックし、調査の 3 ページ目に移動します。
調査の 3 ページ目の下部には、更新された整合チェックのステータスと、本部からのリクエストが表示されます。
国勢調査区の境界を編集し、このリクエストに対応します。
- 調査の 3 ページ目の [Draw the boundary of EA EA 0504081310086] の下で、マップをクリックします。
- マップの下で、頂点の編集ボタンをクリックします。
国勢調査区の頂点が編集できるようになります。
- 頂点を移動し、必要であれば新しい頂点を描画し、国勢調査区に Kudu Road の北側にある建物群を含めます。
- 編集した境界に問題なければ、チェック マークをクリックして、頂点の編集を終了します。 チェック マークを再度クリックし、境界を確認して、調査に戻ります。
- [EA Boundary Description] で [Turn east and walk until you reach the bend where Chila Road meets Kudu Road] を次の文に置換します。
Turn east and walk until you reach the end of the cluster of houses north of Kudu Road. Walk south to Kudu Road and follow it until it turns into Chila Road.
- [Verification status] で [Unverified] を選択します。
- 調査の下部でチェック マークをクリックします。 [調査が完了しました] ウィンドウで [今すぐ送信] をクリックします。
更新された調査の回答が本部に送信され、確認と整合チェックが行われます。
お疲れ様でした。国勢調査を行う前に、国勢調査区の確認、整合チェック、編集を行うための国勢調査前調査を作成しました。 まず、国勢調査区を示すマップを作成しました。 次に、テンプレートから調査を作成し、マップとリンクしました。 モバイル デバイスで調査をテストし、その結果を Survey123 Web サイトで確認しました。 また、受信トレイ機能を使用して、モバイル作業者とオフィス スタッフ間のコミュニケーションを円滑化しました。
国勢調査前調査の要件は、国ごとに異なります。 作成したサンプル調査は、各自のニーズに合わせてカスタマイズできるフレームワークを提供します。 可能であれば、モバイル作業者の活動にできるだけ近い条件下でサンプル データを収集します。 ネットワーク接続、デバイスのタイプ、バッテリー寿命、使用可能なメモリ、地域の天候や地形、個人的な安全、交通アクセスなどの点を考慮します。 このような点を理解しておくと、サンプル調査を各国に適合させる方法を特定できるようになります。
他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。