サンゴと海綿の分布の探索

このセクションでは、カタリナ島周辺の水域におけるサンゴと海綿の分布を左右する要因の一部を探索します。 まず、NOAA (National Oceanic and Atmospheric Administration、米国海洋大気庁) からデータをダウンロードし、探索に向けてデータを準備します。

深海サンゴと海綿データのダウンロード

NOAA のデータは、世界中のサンゴと海綿の既知の生息地を示します。 GIS の使用方法を学ぶ上で、パブリック データのダウンロードや操作方法を理解することは重要な一面です。 最初に、NOAA の NCEI (National Centers for Environmental Information) から 2 つのデータセットをダウンロードします。 まず、Deep-Sea Coral and Sponge Map Portal を開きます。 このサイトに掲載されているデータは、海洋生物の研究において有益です。 このセクションのステップでは、世界の特定地域のデータをダウンロードする方法を示します。

  1. コンピューターで File Explorer を開きます。 コンピューター上の見つけやすい場所にフォルダーを作成し、「DeepSeaCoralSponge」という名前を付けます。

    このチュートリアルでは、C:\Lessons\DeepSeaCoralSponge\ に、データが表示されます。 別のフォルダーを使用できますが、以下の手順でそのパスを必ず調整してください。

  2. https://www.ncei.noaa.gov/maps/deep-sea-corals/mapSites.htm を開きます。

    NOAA Deep-Sea Coral & Sponge Map Portal には、NOAA Deep Sea Coral Research and Technology Profram によって作成および管理されるマップが掲載されています。 このマップのデータは四半期ごとに更新されます。

    NOAA Deep-Sea Coral and Sponge Map Portal のページ

    このポータル ページの左側には、データをプロジェクトに必要なものだけにフィルター処理することができる、さまざまなオプションがあります。 たとえば、観測を、水深、年、または海洋別に限定できます。 マップの範囲を使用して、データをカリフォルニア州沿岸に限定します。

  3. マップの検索、ズーム、画面移動の各ツールを使用して、カリフォルニア州の境界に沿ってマップの範囲を設定します。

    マップの範囲をカリフォルニアに設定

    この範囲はデータのダウンロードに使用されます。 空間的な境界を定義してフィルターを設定することで、データセットのサイズを制限し、ダウンロード速度を上げることができます。

  4. リボンの [Download] をクリックします。

    ポータル ページのリボン上にある Data Download ボタン

    [Export Data via ERDDAP] ウィンドウが表示されます。

  5. [Export Data via ERDDAP] ウィンドウで、[Download] をクリックします。

    ダウンロード ボタン

    しばらくすると、現在のフィルターが適用された .csv ファイルが作成され、コンピューターにダウンロードされます。 このファイルのサイズは約 200 MB です。マップの範囲によってこのサイズは異なります。

    注意:

    その他のフィルターやファイル形式のオプションは、[Customize] オプションから使用できます。 [Download] オプションのデフォルトは .csv ファイルです。

  6. コンピューター上で、ダウンロードした .csv ファイルを選択します。
    ヒント:

    ファイル名は、冒頭が deep_sea_corals_ で、その後に deep_sea_corals_f6a2_cb18_f6f1.csv のような文字列が続きます。

  7. 前の手順で作成した [DeepSeaCoralSponge] フォルダーに .csv ファイルをドラッグします。

カリフォルニア沿岸の深海サンゴのデータをダウンロードしました。 次に、プロジェクト地域の沿岸起伏モデルをダウンロードします。

NOAA 沿岸起伏モデルのダウンロード

NOAA Coastal Relief Models は、海底地形と沿岸地形を統合したパブリック ラスター データセットです。 ここでは、南カリフォルニアのモデルをダウンロードします。

  1. NCEI の Data Access ページを開きます。

    分析範囲はカタリナ島なので、南カリフォルニア地域のデータをダウンロードします。

  2. リボンの検索ボックスに「U.S. Coastal Relief Model」と入力し、Enter を押します。

    NCEI Geoportal Web サイトで U.S. Coastal Relief Model を検索

    検索結果ページが開きます。

  3. 検索結果で、[Coastal Relief Model | National Centers for Environmental Information (NCEI)] をクリックします。

    Coastal Relief Model の検索結果

    NCEI CRMs (Coastal Relief Models) ページが開きます。

  4. [Southern California Version 2 (3 arc-sec)] まで下にスクロールしてリンクをクリックします。

    Southern California Version 2 (3 arc-sec) リンク

    [U.S. Coastal Relief Model - Southern California Version 2] のページが開きます。

  5. [Download Data] セクションまで下方向にスクロールし、2 つ目の [Download NetCDF File] リンクをクリックします。

    2 つ目の (3 秒角) NetCDF ダウンロード リンク

    crm_socal_3as_vers2.nc ファイルがダウンロードされます。 これは、3 秒角 (90 メートル) の解像度を持つデータです。 上側の [Download NetCDF File] リンクは、1 秒角 (30 メートル) の解像度を持つデータを示します。 このチュートリアルの目的には、90 メートルの解像度データが適しています。 接続速度によっては、コンピューターにダウンロードされるまで数分かかる場合があります。

    ヒント:

    3 秒角 (90 メートル) の解像度を持つデータは 512 MB のファイルです。 1 秒角のファイルは 2 GB を超えます。

  6. ダウンロードが完了したら、コンピューター上で crm_socal_3as_vers2.nc ファイルを探し、プロジェクト フォルダーにドラッグします。
  7. crm_socal_3as_vers2.nc ファイルを右クリックし、名前を「SouthernCABathymetry.nc」に変更します。

    次に、deep_sea_corals_ .csv ファイルを調べます。

  8. Microsoft Excel (またはその他のスプレッドシート エディター) で deep_sea_corals_ .csv ファイルを開きます。

    データはうまく書式設定されており、行 1 は列名で、行 2 以降にデータ レコードが並んでいます。

    ダウンロードした deep_sea_coral .csv データの Excel 表示

    ダウンロードしたデータを見て、意図した内容であるか、ニーズを満たすように適切に書式設定されているかを確認することは重要です。

    たとえば、北太平洋のすべてのデータをダウンロードするよう指定して、[Customize] オプションを使用して .csv 形式を選択することもできました。 その場合のファイルは異なる内容になります。 そのデータセットの 2 行目には、緯度、経度、深度の列の単位を説明するテキストが含まれます。 これは、テーブルをスプレッドシートとして表示する研究者には便利ですが、テーブルをポイント フィーチャに変換すると問題が発生します。 インポートしたいデータ値は、2 行目より後の行にあります。 そのため、テキストの行を削除してからファイルをジオデータベースにインポートする必要があります。

    データを異なる設定でダウンロードした場合の、deep_sea_coral .csv データの Excel 表示

ここでは、NOAA のパブリック データをダウンロードしました。 深海サンゴのファイル データがジオデータベースにインポートするための適切な形式になっていることを確認しました。 次に、このデータを ArcGIS Pro に追加し、対象地域の解析を行えるように準備します。


沿岸起伏モデルのインポート

ダウンロードしたデータセットは、NOAA が公開しているデータのごく一部でしかありません。 このセクションでは、サンゴと海綿のデータと海底地形データを ArcGIS Pro に追加します。 次に、カタリナ島周辺の環境について派生ラスターを作成します。 ここで生成した情報を、サンゴと海綿のデータに取り込みます。

データの追加とシンボルの変更

次に、ArcGIS Pro で新しいプロジェクトを開始し、プロジェクトにデータを追加します。

  1. ArcGIS Pro を開きます。
  2. [新しいプロジェクト] セクションで [マップ] をクリックします。
  3. プロジェクトに「Deep Sea Coral and Sponge Database」と名前を付けます。

    Deep Sea Coral and Sponge Database という名前の新しいプロジェクト

  4. [OK] をクリックします。

    プロジェクトが作成され、画面に表示されます。

  5. [カタログ] ウィンドウで、[データベース] を展開します。

    カタログ ウィンドウでデータベースの矢印を展開

    プロジェクトを作成したとき、プロジェクト データを格納するために、ArcGIS Pro によって新しいジオデータベースが作成されました。 このジオデータベースに .csv テーブルをインポートします。

    注意:

    [カタログ] ウィンドウが開いていない場合は、[表示] タブをクリックして [カタログ] ウィンドウをクリックします。

  6. [Deep Sea Coral and Sponge Database] を右クリックし、[インポート] にポインターを合わせ [複数のテーブル] をクリックします。

    Deep Sea Coral and Sponges データベースにテーブルをインポートする

  7. [入力テーブル] では、このチュートリアルの前半でダウンロードし、編集した .csv ファイルを参照して選択します。

    テーブル → ジオデータベース ツール ウィンドウのパラメーター

  8. [実行] をクリックします。

    テーブルがジオデータベースにインポートされるまで、ツールが 1 ~ 2 分間実行されます。

  9. [カタログ] ウィンドウでジオデータベースを展開し、テーブルをマップ上にドラッグします。

    テーブルをマップ上にドラッグ。

    テーブルが [コンテンツ] ウィンドウの [スタンドアロン テーブル] セクションに追加されます。

  10. [コンテンツ] ウィンドウで、[deep_sea_corals] テーブルを右クリックして、[テーブルからポイントを作成] にポインターを合わせ、[XY テーブル → ポイント] を選択します。

    スタンドアロン テーブルの deep_sea_corals の XY テーブル → ポイント

  11. [XY テーブル → ポイント] ウィンドウの [出力フィーチャクラス] に「CoralandSpongeLocations」と入力します。

    このツールは、テーブルに経度と緯度のフィールドが含まれていることを検出し、経度と緯度を [X フィールド] および [Y フィールド] 入力パラメーターに割り当てます。

    XY テーブル → ポイント ウィンドウ

  12. [OK] をクリックします。

    ツールの実行には、1 分間ほどかかります。 ツールが終了すると、新しい [CoralandSpongeLocations] フィーチャクラスがマップに追加されます。

    コンテンツ ウィンドウとマップに追加された CoralandSpongeLocations フィーチャクラス

    [deep_sea_corals] テーブルは不要になります。

  13. [スタンドアロン テーブル] セクションで [deep_sea_corals] テーブルを右クリックし、[削除] をクリックします。

    deep_sea_corals テーブルの削除

    次に、[CoralandSpongeLocations] レイヤーのシンボルを編集します。

  14. [CoralandSpongeLocations] レイヤーを右クリックし、[シンボル] をクリックします。

    CoralandSpongeLocations レイヤーのシンボル

    [シンボル] ウィンドウが表示されます。

  15. [シンボル] ウィンドウで、[プライマリ シンボル] ドロップダウン リストをクリックして、[個別値] をクリックします。

    CoralandSpongeLocations フィーチャ レイヤーのシンボル ウィンドウのプライマリ シンボルの個別値

  16. [フィールド 1] ドロップダウン リストをクリックし、[VernacularNameCategory] をクリックします。

    フィールド 1 を VernacularNameCategory に設定

    マップ上でレイヤーのシンボルが更新されます。

  17. [シンボル] ウィンドウを閉じます。
  18. [クイック アクセス ツールバー][プロジェクトの保存] ボタンをクリックして、プロジェクトを保存します。

    クイック アクセス ツールバーのプロジェクトの保存ボタン

マップの座標系の設定

ここでは、カリフォルニア州沖のカタリナ島周辺の水域におけるサンゴと海綿の分布を左右する要因を調査します。 精度を期するため、マップの座標系をカリフォルニア用に設計された投影座標系に設定します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[マップ] をダブルクリックします。

    [マップ プロパティ] ウィンドウが表示されます。

  2. [マップ プロパティ] ウィンドウで、[座標系] をクリックします。

    マップ プロパティ ウィンドウの座標系タブ

  3. [使用可能な XY 座標系] ボックスに「NAD 1983 California (Teale) Albers」と入力し、Enter キーを押します。
  4. [投影座標系] を展開し、[米国州座標系 (State Systems)] を展開して、[NAD 1983 California (Teale) Albers (Meters)] をクリックします。

    NAD 1983 California (Teale) Albers (Meters) を検索して選択

  5. [OK] をクリックします。

    マップの座標系が [NAD 1983 California (Teale) Albers] 座標系に変わり、マップの XY 単位がメートルに設定されます。

    この投影法は、カリフォルニア州の面積計算をサポートするよう最適化されています。 それ以外の部分は歪んでいますが、対象地域は歪みが少ない部分なので問題ありません。 調査に関連するポイントを抽出するため、太平洋の遠方にあるポイントの歪みも問題ありません。

プロジェクトのデータの選択

カリフォルニア州沿岸のデータをダウンロードしたので、次に対象地域 (AOI) であるカタリナ島に焦点を絞ります。 データをこのエリアにクリップして、より範囲が小さく扱いやすいデータ セットを操作できるようにします。

  1. [カタログ] ウィンドウで [ポータル] をクリックし、[ArcGIS Online] をクリックします。 検索バーに「California_Detail_Esri_Tutorials」と入力します。
    注意:

    [カタログ] ウィンドウを開くには、リボンの [表示] タブをクリックし、[ウィンドウ] グループで [カタログ ウィンドウ] をクリックします。

    カタログ ウィンドウのポータル タブと ArcGIS Online タブ

  2. 検索結果で、Esri_Tutorials が所有する [California_Detail_Esri_Tutorials] レイヤーをマップ上にドラッグします。
  3. [コンテンツ] ウィンドウで [dtl_st] をクリックして選択し、もう一度クリックして、レイヤーの名前を [California] に変更します。
  4. リボンの [マップ] タブをクリックし、[照会] グループで [場所検索] をクリックします。

    マップ タブの照会グループにある場所検索

  5. [場所検索] ウィンドウの検索バーに「Catalina Island」と入力し、[Catalina Island, CA, USA] をクリックします。

    場所検索ウィンドウのカタリナ島の検索結果

    マップ上でカタリナ島にズームします。

  6. マップ ウィンドウの下隅にある、ドロップダウン縮尺インジケーターをクリックし、[1:500,000] を選択します。

    縮尺インジケーターを 1:500,000 に設定

  7. リボン上の [マップ] タブをクリックし、[ナビゲーション] セクションで [マップ操作] をクリックします。

    マップ タブのナビゲーション グループのマップ操作

  8. カタリナ島が中心になるように、マップをクリックして画面移動します。
  9. [マップ] タブの [選択] グループで、[選択] をクリックします。

    マップ タブの選択グループ内の選択

    サンゴと海綿のポイントのみを選択するには、[CoralandSpongeLocations] レイヤーのみを選択可能なレイヤーにします。

  10. [コンテンツ] ウィンドウで [CoralandSpongeLocations] レイヤーを右クリックして [選択] にポインターを合わせ、[このレイヤーのみ選択可能にする] をクリックします。
  11. [選択] ツールをアクティブにし、カタリナ島周辺海域のサンゴと海綿の観察ポイントを囲むボックスをドラッグします。

    選択ツールをアクティブにしてカタリナ島周辺のサンゴと海綿の観察ポイントを囲むボックスをドラッグ

    選択したポイントはシアンでハイライト表示され、ポイントが選択されていることを示します。

    マップ上でハイライト表示される選択ポイント。

  12. [コンテンツ] ウィンドウで [CoralandSpongeLocations] を右クリックし、[データ] にポインターを合わせ [フィーチャのエクスポート] をクリックします。

    CoralandSpongeLocations レイヤーのデータ オプションのフィーチャのエクスポート

    [フィーチャのエクスポート] ウィンドウが表示されます。

  13. [フィーチャのエクスポート] ウィンドウの [出力フィーチャクラス] に「CoralandSpongeCatalina」と入力します。

    フィーチャのエクスポート ウィンドウで出力フィーチャクラスを設定

    ツールに、入力に選択項目があることを示すメッセージが示されます。 選択したエリアによって、選択されたポイント数が変わることがあります。 正確な数は重要ではありませんが、目安としては 6,000 ~ 8,000 個程度が適切です。

    ツールを実行する前に、出力フィーチャクラスの投影法を設定します。

  14. [フィーチャのエクスポート] ツールで [環境] タブをクリックします。
  15. [出力座標] セクションで [出力座標系] ドロップダウン リストをクリックし、[現在のマップ [マップ]] をクリックします。

    フィーチャのエクスポート ウィンドウで、出力座標系を現在のマップ [マップ] に設定。

  16. [OK] をクリックします。

    このツールは、カタリナ島周辺の AOI で選択したフィーチャをエクスポートします。 複数の分析範囲がある場合、その場所での解析に適した座標系を設定し、その場所を拡大してフィーチャを選択し、マップの座標系を使用してエクスポートするという同じ方法により、他のデータセットを作成して解析および比較することも可能です。

  17. [コンテンツ] ウィンドウで[CoralandSpongeLocations] レイヤーをオフにします。

    カタリナ島周辺の選択したフィーチャのみが表示されるようになります。

    カタリナ島周辺エリアのサンゴと海綿のデータ ポイント

  18. プロジェクトを保存します。
    ヒント:

    Ctrl + S キーを押して、プロジェクトを保存することもできます。

境界となる四角形の作成

次に、AOI に対して境界となる四角形を作成し、沿岸起伏モデルをラスターとしてインポートします。

  1. 必要に応じて、ArcGIS Pro でプロジェクトを開きます。
  2. ジオプロセシング ウィンドウが開いていない場合は、リボン上の [解析] タブをクリックし、[ツール] をクリックします。

    解析タブのジオプロセシング グループのツール

  3. [ジオプロセシング] ウィンドウの検索バーに「ジオメトリの最小範囲 → ポリゴン」と入力します。 検索結果のリストで [ジオメトリの最小範囲 → ポリゴン] ツールをクリックします。

    ジオメトリの最小範囲 → ポリゴン ツール

  4. [ジオメトリの最小範囲 → ポリゴン] ツール ウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
    • [入力フィーチャ][CoralandSpongeCatalina] を選択します。
    • [出力フィーチャ] に「CatalinaBoundary」と入力します。
    • [ジオメトリ タイプ][エンベロープ] を選択します。

    ジオメトリの最小範囲 → ポリゴン ツール ウィンドウのパラメーターを設定

  5. [実行] をクリックします。

    このツールにより、各入力フィーチャまたはレイヤーを囲む、最小範囲のジオメトリを表す 1 つ以上のポリゴンを格納するフィーチャクラスが作成されます。 [CatalinaBoundary] レイヤーがマップに表示されます。 [CoralandSpongeCatalina] レイヤー内のすべてのポイント フィーチャが囲まれています。

  6. [コンテンツ] ウィンドウで [CatalinaBoundary] レイヤーのシンボルをクリックします。

    コンテンツ ウィンドウの CatalinaBoundary のシンボル

  7. [シンボル] ウィンドウの [ギャラリー] タブで [黒 (アウトライン付き - 2 ポイント)] を選択します。

    シンボル ウィンドウのギャラリー タブの黒 (アウトライン付き - 2 ポイント)

    これで、分析範囲を表すポリゴンと、その中に含まれるサンゴと海綿の観測ポイントが作成されました。

    カタリナの境界ポリゴン

海底地形データの追加

沿岸起伏モデルは NetCDF 形式です。 NetCDF は配列指向の科学データの共有に使用されるデータ形式であり、海洋学ではこの形式が一般的に使用されています。 NetCDF ファイルから、解析に使用するラスター データセットを作成します。

  1. ジオプロセシング ウィンドウで、戻る矢印をクリックします。 「Make NetCDF Raster Layer」と入力し、[NetCDF ラスター レイヤーの作成] をクリックしてツールを開きます。

    NetCDF ラスター レイヤーの作成ツールを検索して開く

  2. [NetCDF ラスター レイヤーの作成] ツール ウィンドウの [入力 netCDF ファイル][参照] ボタンをクリックします。
  3. [入力 netCDF ファイル] ウィンドウで C:\DeepSeaCoralSponge フォルダー (または crm_socal_3as_vers2.nc ファイルを保存した場所) を参照します。

    入力 netCDF ファイル フィールドで SouthernCABathymetry.nc ファイルを選択

  4. [SouthernCABathymetry.nc] をクリックし、[OK] をクリックします。

    [変数] パラメーターは [Band1][X ディメンション] 値と [Y ディメンション] 値は [lon][lat] にそれぞれ設定されます。

    NetCDF ラスター レイヤーの作成ツールに入力されたパラメーター

  5. [実行] をクリックします。
    ヒント:

    このステップが完了するまでに数分かかることがあります。

    Bathymetry レイヤー

    注意:

    カタリナ島に焦点を当てているため、見えない可能性がありますが、南カリフォルニア地域全体のラスター レイヤーが表示されます。

    NetCDF ファイルから作成されたラスター データセットの範囲

  6. プロジェクトを保存します。

解析用のレイヤーの準備

ダウンロードしたデータを正確に解析できるようにするため、海底地形レイヤーを投影し、クリップします。 投影座標系に投影された地形や海底地形ラスターは、それぞれの標高単位や深さ単位と一致する単位で解析するのが最適です。 ここでは、深さはメートル単位です。 データ フレームと [CoralSpongeCatalina] レイヤーに設定したカリフォルニアの投影座標系にラスターを投影します。 この座標系では、距離単位として、深さの値と同じ単位であるメートルを使用します。

  1. [ジオプロセシング] ウィンドウで [ラスターの投影変換] ツールを検索して開きます。
  2. [ラスターの投影変換] ウィンドウで、[入力ラスター][Band1_Layer] を選択し、[出力ラスター データセット] に「CatalinaBathymetry」と入力します。
  3. [出力座標系] でドロップダウン メニューをクリックし、[現在のマップ [マップ]] をクリックします。

    出力座標系を現在のマップ [マップ] に設定

    座標系がデータ フレームと一致するよう更新されます。

    更新された座標系

    地理座標系変換も自動的に適用されます。 変換は、入力座標系と出力座標系の地理座標系 (GCS) が異なる場合に、データが適切に配置されるように使用されます。 この場合、NetCDF データで使用される WGS 1984 GCS と California Teale Albers 座標系で使用される NAD 1983 GCS の違いを考慮した変換が行われます。

  4. [環境] タブをクリックします。
  5. [環境] タブの [処理範囲] セクションで [レイヤーの範囲] ドロップダウンをクリックし、[CatalinaBoundary] を選択します。

    ラスターの投影変換ツール ウィンドウの処理範囲で、範囲を CatalinaBoundary に設定

    範囲の値 (上、右、左、下) がレイヤーの範囲を基に入力されます。 AOI の海底地形データのみが投影されます。 処理範囲を AOI に限定することでディスク容量を節約し、処理時間を短縮できます。

  6. [実行] をクリックします。

    海底地形データを AOI に限定

    海底地形ラスター全体を投影すると長い時間がかかりますが、このような小さい範囲の処理時間は大幅に短縮されます。 新しいレイヤーを [Band1_Layer] のシンボルへと更新します。

  7. [コンテンツ] ウィンドウで [CatalinaBathymetry] を右クリックし、[シンボル] をクリックします。
  8. [シンボル] ウィンドウでオプション ボタンをクリックし、[レイヤーからインポート] をクリックします。

    シンボル ウィンドウのオプション メニューのレイヤーからインポート

    [レイヤーのシンボル情報を適用 (Apply Symbology From Layer)] ツールが表示されます。

  9. [シンボル レイヤー][Band1_Layer] を選択し、[実行] をクリックします。

    海底地形データを投影座標系でカタリナ地域にクリップし、シンボル化したので、マップ上に大きな [Band1_Layer] を表示する必要はなくなりました。

  10. [コンテンツ] ウィンドウで [Band1_Layer] を右クリックし、[削除] をクリックします。

    CatalinaBathymetry レイヤーのシンボルが更新される

  11. プロジェクトを保存します。

ラスター解析の実行

AOI の海底地形ラスターが準備されたので、ここから傾斜角および傾斜方向ラスターを作成します。 これらのラスターを使用し、分析範囲におけるサンゴと海綿の分布を左右する要因のいくつかを探索します。

  1. [ジオプロセシング] ウィンドウの検索バーに「Slope (Spatial Analyst)」と入力します。 [傾斜角] ツールをクリックします。
  2. [傾斜角] ツール ウィンドウの [入力ラスター][CatalinaBathymetry] を選択します。 [出力ラスター] に「CatalinaSlope」と入力します。

    傾斜角ツール ウィンドウのパラメーターを設定

  3. [実行] をクリックします。

    傾斜角が AOI の各セルに対して計算されます。 傾斜角は、ラスター サーフェスの各セルの傾斜を特定します。 傾斜角の値が小さくなるほど地表は平らになり、傾斜角の値が大きくなるほど地表が急勾配になります。

    傾斜角レイヤー

  4. [ジオプロセシング] ウィンドウの戻るボタンをクリックします。 [傾斜方向 (Spatial Analyst)] ツールを検索し、クリックします。
  5. [傾斜方向] ツール ウィンドウの [入力ラスター][CatalinaBathymetry] を選択します。 [出力ラスター] に「CatalinaAspect」と入力します。

    傾斜方向ツール ウィンドウのパラメーターを設定

  6. [実行] をクリックします。

    傾斜方向が AOI の各セルに対して計算されます。 [傾斜方向] ツールは、下りの傾斜角が指している方向を特定します。 出力ラスターの各セルの値は、その位置でサーフェスが向いている方位方向を示しています。

    傾斜方向レイヤー

  7. プロジェクトを保存します。

データベースの強化

カタリナ島の AOI の海底地形、傾斜角、傾斜方向ラスターが作成されたので、これらの値をサンゴと海綿のデータベースに取り込みます。 [複数の抽出値 → ポイント] ツールを使用し、これら 3 つのラスターの値をサンゴと海綿の各位置ポイントに追加します。 これにより、サンゴと海綿が観察された場所で、これらの環境パラメーターがどのように変化するかを理解できるグラフを作成します。

  1. [ジオプロセシング] ウィンドウを開きます。 [複数の抽出値 → ポイント] ツールを検索して開きます。
  2. [複数の抽出値 → ポイント] ツール ウィンドウの [入力フィーチャ][CoralandSpongeCatalina] を選択します。
  3. [入力ラスター] では、次の値を選択します。
    • CatalinaBathymetry
    • CatalinaSlope
    • CatalinaAspect
  4. 対応する [出力フィールド名] には、次のように入力します。
    • Bathymetry
    • Slope
    • Aspect

    複数の抽出値 → ポイント ツール ウィンドウのパラメーターを設定

  5. [実行] をクリックします。
  6. [コンテンツ] ウィンドウで [CoralandSpongeCatalina] レイヤーを右クリックし、[属性テーブル] をクリックします。
  7. 属性テーブルで、[Bathymetry][Slope][Aspect] の値が各フィーチャに追加されていることを確認します。

    CoralandSpongeCatalina 属性テーブルに Bathymetry、Slope、Aspect の値が追加されている

  8. テーブルを閉じて、プロジェクトを保存します。

サンゴと海綿の観察ポイントを環境データで強化したので、次に、これらの値をチャートで視覚化します。


Python でのデータの探索

ArcGIS Pro には、データ サイエンス コミュニティがデータ探索に使用している ArcGIS Notebooks が含まれています。 NotebooksPython コードを使用し、3 つの環境変数と、サンゴと海綿のさまざまな種との関係を調べます。 これにより、望ましい生息環境を把握することができます。

Notebooks を使用したチャートの作成

水深をインポートし、傾斜角および傾斜方向のラスターを生成し、結果として得られたデータをサンゴと海綿の観察に追加しました。 レイヤーを視覚的に検査して洞察を得ることもできますが、チャートを作成するとデータを簡単に理解できる場合もあります。 次に、データを探索するためにチャートを作成します。

  1. リボンの [解析] タブをクリックします。 [ジオプロセシング] グループで [Python] の横にあるドロップダウン矢印をクリックし、[Python Notebook] をクリックします。

    Python のメニューの Python Notebook

    [Notebook] ウィンドウが表示され、[カタログ] ウィンドウの新しいグループ [Notebooks] に新しいノートブックがリストされます。

    Python ノートブックと Python ウィンドウは、Python コードを実行できる 2 通りの方法です。

    Python ウィンドウのコードは、Enter キーを押した直後に実行されます。 Notebooks では、異なるセルに複数のコード行を入力し、コードを実行して編集し、再実行できます。 Notebooks は、コードのプロトタイプ作成やデータ解析に便利です。

  2. [カタログ] ウィンドウで [Notebooks] を展開します。
  3. [新しい Notebook.ipynb] を右クリックし、[名前の変更] を選択します。
  4. CoralSponge」と入力し、Enter キーを押します。
  5. ノートブックで空のセルをクリックします。

    空白の 1 つ目のセル

  6. 次のコード行をコピーしてセルに貼り付けるか入力して、ArcPy モジュールをセルにインポートします。
    import arcpy

    Python は大文字と小文字を区別するため、大文字と小文字が一致する必要があります。

  7. 1 つ目のセルの上にあるツールバーの [実行] をクリックします。

    ツールバーの実行

    セルの実行中、アスタリスク [*] が角括弧に囲まれて表示されます ([*])。 実行が完了すると、アスタリスクは数字 [1] に置換され、1 つ目のセルの下に新しい空白のセルが表示されます。

    新しいセルが下に表示される。

    arcpy モジュールには、さまざまなデスクトップ マッピングおよび解析タスクをサポートするための Python コードが含まれています。

    セルにコードを入力する際、入力ミスなどのエラーが発生することがあります。 その場合、セルの後にエラー メッセージが表示されることがあります。

  8. 2 つ目のセルをクリックして「import ARCPY」と入力し、[実行] ボタンをクリックします。

    import ARCPY を実行するとエラーが返される

    Python に ARCPY という名前のモジュールがインストールされていないため、このコード行によりエラーが発生ます。 元の 1 行目である import arcpy は正常に実行されます。 import ARCPY (または arcPy、ArcPy など、arcpy 以外のバリエーション) は失敗します。 これは、大文字と小文字の違いが Python のコードに影響を与えることを示す例です。 人間が流し読みして理解できるような小さな入力ミスでも、Python コードではエラーの原因となります。

    次に、データからチャートを作成するためのコードを記述します。 arcpy の Chart クラスを使用します。

  9. 2 番目のセルで [import ARCPY] 行を削除します。

    2 番目のセルのコードを、ArcGIS Pro のグラフィカル ユーザー インターフェイスを使用してチャートを作成するのと本質的に同じことを行うコードに置換します。 しかし、arcpy.Chart クラスを使ってチャートを作成する場合、ユーザー インターフェイス要素をクリックするのではなく、Python コマンドを使用してチャートの詳細を指定します。

  10. 次のコードをコピーして、2 番目のセルに貼り付けます。
    my_chart = arcpy.Chart('my_chart')
    my_chart.type = 'bar'
    my_chart.title = 'CoralandSpongeCatalina'  
    my_chart.description = 'This chart shows the mean Slope values that correspond with the taxa in the CoralandSpongeCatalina layer.'

    1 行目 (my_chart = arcpy.Chart('my_chart')) は変数を作成し、Chart クラスに属する新しいオブジェクトと等しくなるように設定します。 このオブジェクトは my_chart と呼ばれます。 Chart クラスは、チャートのテンプレートとして捉えることができます。 チャートを 1 つ作成済みなので、これがどのようなチャートなのか、どの特性を持っているのかを指定する必要があります。 残りのコード行でこれを行います。

    次の行 (my_chart.type = 'bar') では、チャートがバー チャートであることを指定します。 チャートの type プロパティを bar に設定します。 my_chart.type という表記は、my_chart の type プロパティにアクセスし、等号でそのプロパティに値 'bar' を割り当てます。 Chart オブジェクト クラスはさまざまなタイプのチャートをサポートし、バー、折れ線、散布図などの名前で識別されます。 これらの名前は、引用符で囲まれた Python 文字列として指定されます。

    my_chart.titlemy_chart.description で始まるその後の行では、チャートのタイトルと説明を指定します。 このコードは、タイプの設定と同じ方法を取ります。つまり、my_chart オブジェクトのプロパティにアクセスし、特定の文字列値に設定します。 この場合、テキスト ボックスに説明を入力するのではなく、コード行に Python 文字列を追加しました。

  11. 次のコードをコピーし、セルの下に貼り付けます。
    my_chart.xAxis.field = 'VernacularNameCategory'
    my_chart.xAxis.aggregation = 'VernacularNameCategory'
    my_chart.xAxis.title = 'Name'
    my_chart.yAxis.field = 'Slope'
    my_chart.yAxis.title = 'Mean Slope'
    my_chart.bar.aggregation = 'MEAN'

    次の 3 行 (my_chart.xAxis で始まる) は、X 軸で使用されるレイヤーのフィールドと、その列の値を集約する方法を指定します。 これらの 2 行では、[VernacularNameCategory][CoralandSpongeCatalina] レイヤー属性テーブルのフィールドで、さまざまな種類のサンゴと海綿の名前が含まれます。 集約に対して [VernacularNameCategory] を指定することは、そのフィールドの個別値によって、値がグループ化されることを意味します。 次に、X 軸のタイトルが [Name] に設定され、その軸にサンゴと海綿の名前がラベル付けされます。

    my_chart.yAxis で始まる 2 つの行と my_chart.bar.aggregation は、Y 軸のフィールド、タイトル、集約方法を指定します。 データ テーブルの [Slope] フィールドを使用し、平均値を使用して集約します。 Y 軸は、サンゴと海綿の各グループの傾斜角の平均値を示すため、[Mean Slope] とラベル付けされます。

    注意:

    [複数の抽出値 → ポイント] ツールを実行したときにデフォルトの出力フィールド名を受け入れた場合、[CoralandSpongeCatalina] レイヤーの属性テーブルを確認し、傾斜角値を含むフィールドの名前を特定する必要があります。 my_chart.yAxis.field = 'Slope' 行を編集し、正しいフィールド名 ([Slope] ではない場合) を含める必要があります。

  12. 次のコードをコピーし、セルの下に貼り付けます。
    my_chart.dataSource = 'CoralandSpongeCatalina'
    my_chart.addToLayer = 'CoralandSpongeCatalina'

    最後の 2 行では、データの元となるマップ上のレイヤーを指定し、そのレイヤーにチャートを追加します。

    注意:

    レイヤー名を [CoralandSpongeCatalina] 以外にした場合は、この行をレイヤー名に合わせて編集する必要があります。

    これでセルが作成されました。

    チャートを作成するための完全なコード。

  13. [実行] をクリックします。

    チャートは作成されましたが、何も起こらないようです。 チャートを表示するには、Python コードを実行する必要があります。

  14. 次の新しいセルで、次のコードをコピーして貼り付け、[実行] をクリックします。

    my_chart

    チャートがセルの下に表示されます。

    最初のチャート出力

  15. 以下のコードをコピーし、次のセルに貼り付けます。
    outChartName = "CoralandSpongeCatalinaSlope.svg"
    outSVGPath = "C:/Lessons/DeepSeaCoralSponge/" + outChartName
    my_chart.exportToSVG(outSVGPath, width=1500, height=800)

    セルのコードをエクスポート

    注意:

    C:/Lessons/DeepSeaCoralSponge/ 以外の場所に [DeepSeaCoralSponge] プロジェクト フォルダーを作成した場合は、セル内のパスがコンピューター上のパスと一致するよう編集します。 区切り文字としてスラッシュ以外を使用すると、パスがおかしくなることがあります。 Python では \ をエスケープ文字として使用しており、他の文字と組み合わせることで改行やタブを表すことがあるため、このパスにはスラッシュを使用することをお勧めします。

    コードの 1 行目 (outChartName = で始まる) は、チャート ファイルのファイル名 (ファイル拡張子を含む) を定義します。 ファイル名は、引用符で囲まれた文字列です。

    2 行目 (outSVGPath =) は、そのファイルを保存するパスを指定する文字列を定義します。 + 記号でファイル名が付加されています。この記号を使用するとテキスト文字列をつなげたり (これを「連結」と呼びます)、Python で数字を足したりすることができます。

    3 行目 (my_chart.exportToSVG) は、チャート オブジェクトの exportToSVG メソッドを呼び出し、ファイル名を含むフルパス、ピクセル単位の幅、ピクセル単位の高さを括弧で囲み、メソッドのパラメーターとして指定します。

  16. セルを実行します。

    チャート ファイルがフォルダーに作成されます。

  17. コンピューターの Microsoft File Explorer でフォルダーに移動し、チャート画像を開きます。

    チャートはノートブックに表示されるものよりも大きくなります。これは、出力チャートに対して異なるディメンションを指定したためです。

  18. チャートを確認後、閉じます。

この方法では、特に ArcGIS Pro インターフェイスをクリックする手順と比べると多大な労力を要するように見えるかもしれませんが、コードを使用すると処理を自動化できるという利点があります。 次のセクションでは、このコードを関数に変換し、これを呼び出して複数のチャートを作成する方法について説明します。

チャート作成機能の作成

ここまで、Python コードを使用して 1 つのチャートを作成する方法を見てきました。 次に、コードを再利用しやすくするためにアレンジします。 複数のチャートを作成できる Python 関数を作成します。

  1. 以下のコードをコピーし、次のセルに貼り付けます。
    def coral_and_sponge_chart(layer, field):

    この行は def から始まります。 これは、新しい関数を定義することを Python に伝えます。 次の部分は、関数の名前である coral_and_sponge_chart です。 関数名は、コードを実行するときに関数内のコード ブロックを参照するために使用されます。 次の部分は括弧で囲まれています。 これらは、関数が受け取るパラメーターです。 パラメーターは関数への入力であり、何らかの結果を生成するために関数によって処理されます。 この関数は、入力としてレイヤーとフィールド名を受け取ります。 このフィールドのバー チャートが作成されます。 行の末尾はコロンです。 これは、次行以降は関数のコード ブロックであることを意味します。

  2. Enter キーを押します。

    関数の定義を開始する行の後で Enter キーを押すと、次の行は 4 つのスペースでインデントされます。

  3. 以下のコードをコピーし、セルに貼り付けます。
    my_chart = arcpy.Chart('MyChart')
        my_chart.type = 'bar'

    これらの 2 行は、前のチャートを作成したときのコードと同じですが、4 つのスペースでインデントされています。 Python では、インデントを使用してコード セクションをまとめます。 この関数内のコード ブロック行は、すべて 4 つのスペースでインデントされる必要があります。

    同じセルに 3 行のコードを入力

    これらの行は、Chart クラスからチャートを作成し、それがバー チャートであることを指定します。

  4. Enter キーを押し、次のコードをコピーして、セル内の chart.type 行の後に貼り付けます。
    my_chart.title = layer

    この行は、元のチャート コードの次行のように始まりますが、チャートのタイトルを特定の文字列として指定するのではなく、タイトルは入力レイヤー パラメーターと同じでなくてはならないことを指定します。 つまり、レイヤーにかかわらず、出力チャート タイトルはそのレイヤー名と一致することを意味します。

  5. 次のコードをコピーし、セル内の my_chart.title 行の後に貼り付けます。
    my_chart.description = f'This chart shows the mean {field} values that correspond with the taxa in the {layer} layer.'

    この行は、元のチャート コードの行に似ていますが、いくつかの違いがあります。 1 つ目の違いは、説明を特定の文字列と等しく設定するのではなく、この行では f-string (書式設定された文字列) と等しく設定する点です。 書式設定された文字列とは、値を代入できる文字列です。 冒頭は f で、その後に引用符が続きます。 f は、Python に対し、これが書式設定された文字列であることを示します。

    2 つ目の相違点とは、説明にテキスト [the mean Slope values] を含めるよう設定するのではなく、コードが the mean {field} values と記述される点です。 これは何を意味するのでしょうか。

    これは f 文字列なので、コード {field} は関数の入力パラメーターのフィールド名で置換されます。 in the {layer} layer を含むコードの末尾も同様です。 {layer} はレイヤー名で置換されます。 そうすると、出力されるチャート説明が、入力レイヤーおよびフィールド名と一致するようになります。

  6. 同じセルで改行し、次のコードをコピーして貼り付けます。
    my_chart.xAxis.field = 'VernacularNameCategory'
        my_chart.xAxis.aggregation = 'VernacularNameCategory'
        my_chart.xAxis.title = 'Name'

    これらの 3 つの行は元のチャート コードとまったく同じですが、コード ブロックの一部となるように 4 つのスペースでインデントされています。 この関数は、入力レイヤーの [VernacularNameCategory] フィールド値ごとにバーをプロットし、チャートの X 軸に Name という名前を付けます。

    この行は、[VernacularNameCategory] フィールドを持たないレイヤーで関数を実行すると失敗し、エラーになります。 ただし、[CoralandSpongeLocations] のすべてのポイントにこのフィールドがあるので、どの分析範囲を選択しても正常に動作します。

  7. 同じセルで改行し、次のコードをコピーして貼り付けます。
    my_chart.yAxis.field = field
        my_chart.yAxis.title = 'Name'

    このコードは Y 軸のプロパティを設定しています。

  8. 同じセルで改行し、次のコードをコピーして貼り付けます。
    my_chart.bar.aggregation = 'MEAN'

    この行は、元のコードの行とまったく同じです。 サンゴと海綿の種類ごとに、入力フィールドの平均値をバーに表示させます。

  9. 同じセルで改行し、次のコードをコピーして貼り付けます。
    my_chart.dataSource = layer 
        my_chart.addToLayer = layer

    これらの 3 つの行は元のチャート コードと似ていますが、データ ソースを設定して、特定の名前付きレイヤー (元のチャートでは [CoralandSpongeCatalina]) にチャートを追加する代わりに、関数の入力レイヤーに対してそれを行います。 別の分析範囲 (ハワイ周辺や、アラスカ沖など) のサンゴと海綿の生息ポイントのサブセットを作成し、それに対して傾斜角、傾斜方向、水深の値を追加し、別の名前を付けても、この関数は正常に動作してチャートを作成し、入力レイヤーと関連付けます。

  10. 同じセルで改行し、次のコードをコピーして貼り付けます。
    outChartName =  layer + field + ".svg"
        outSVGPath = "C:/Lessons/DeepSeaCoralSponge/" + outChartName
        my_chart.exportToSVG(outSVGPath, width=1500, height=800)

    これらの行は、元のコードの行に似ています。 outChartName 行は、関数に渡されたレイヤー名とフィールド名を連結し、チャートの名前を構築します。 アラスカの分析範囲に対してレイヤーを作成すると、出力チャート名には、そのレイヤーの名前が反映されます。

    注意:

    C:/Lessons/DeepSeaCoralSponge/ 以外の場所に DeepSeaCoralSponge プロジェクト フォルダーを作成した場合は、コンピューター上のパスと一致するようにパスを編集します。

  11. 同じセルで改行し、次のコードをコピーして貼り付けます。
    return my_chart

    return ステートメントでは、関数を呼び出すコードに対し、関数からチャート オブジェクトが返されます。

    次のチャートを作成するコード ブロックが完成しました。

    次のチャートのコード ブロックの完成形

    関数を定義する最初の行は左端の列から始まります。それ以降の行は 4 つのスペースでインデントされる必要があります。

    
    def coral_and_sponge_chart(layer, field):
        my_chart = arcpy.Chart('MyChart')
        my_chart.type = 'bar'
        my_chart.title = layer
        my_chart.description = f'This chart shows the mean {field} values that correspond with the taxa in the {layer} layer.'
        my_chart.xAxis.field = 'VernacularNameCategory'
        my_chart.xAxis.aggregation = 'VernacularNameCategory'
        my_chart.yAxis.field = field
        my_chart.xAxis.title = 'Name'
        my_chart.yAxis.title = field
        my_chart.bar.aggregation = 'MEAN'
        my_chart.dataSource = layer 
        my_chart.addToLayer = layer
        outChartName = layer + field + ".svg"
        outSVGPath = "C:/Lessons/DeepSeaCoralSponge/" + outChartName
        my_chart.exportToSVG(outSVGPath, width=1500, height=800)
        return my_chart
  12. [実行] をクリックします。

    セルは実行されますが、何も返されません。

    注意:

    エラー メッセージが表示された場合は、ここからコード ブロック全体をコピーし、セルに貼り付けて実行します。 outSVGPath 変数のパスは、必ずスラッシュを使用して、お使いのコンピューターの実際のパスに合わせて更新してください。

    セルを実行しても、このコードから何も返されないのはなぜでしょうか。

    関数は定義されていますが、他の Python コードによってその関数を実行、または呼び出す必要があります。

  13. 以下のコードをコピーし、次のセルに貼り付けます。
    coral_and_sponge_chart()
  14. セルを実行します。

    エラー メッセージが表示されます。

    エラー メッセージ

    このエラーには、関数に必須の 2 つの位置引数 (layer と field) が欠けていることが示されます。 関数を正しく実行するには、これらの値が必要です。

  15. セルの内容を次のコードで置換し、[実行] をクリックします。
    coral_and_sponge_chart('CoralandSpongeCatalina', 'Slope')

    チャートがノートブックに表示され、チャートの .svg グラフィック ファイルが指定したフォルダーに作成されます。 最初のコードの出力と同じファイル名ですが、このファイルを見てみると、[更新日] 値が更新されているのがわかります。

    チャートが表示され、CoralandSpongeCatalina レイヤーの分類群に対応する Slope の平均値が示される

    その結果は、最初のコード ブロックで得た結果と同じです。 しかし、今回はレイヤー名とフィールド名を渡せる関数があるので、別のチャートが表示されます。

  16. 次のセルで、次のコードをコピーして貼り付け、[実行] をクリックします。
    myList = ['Slope', 'Aspect', 'Bathymetry']
  17. 次のセルで、次のコードをコピーして貼り付け、[実行] をクリックします。
    print(myList)

    myList を印刷するために実行されるコード

    Python では、リストは角括弧で囲まれます。これは、カンマで区切られたグループをまとめて格納する手段です。 この場合、リスト myList には、SlopeAspectBathymetry のフィールドの名前を持つ 3 つの文字列が含まれます。

    [複数の抽出値 → ポイント] ツールを実行したときにデフォルトの出力フィールド名を受け入れた場合、[CoralandSpongeCatalina] レイヤーの属性テーブルを確認してフィールド名を決定し、myList の値が一致するよう編集し、そのセルを再度実行して myList 値をリセットする必要があります。

  18. 次のセルで、次のコードをコピーして貼り付け、[実行] をクリックします。
    
    for envField in myList:
        outChart = coral_and_sponge_chart('CoralandSpongeCatalina', envField)

    このセルには、新しい Python コード コンストラクトである for ループが含まれます。 for ループでは、一連の項目をループ (反復) させることができます。 最初の行は、ループが myList の各項目を処理して、一時変数 envField に割り当てるよう指定します。 コロンは、次のセクションが for ループのコード ブロックになることを意味します。 次の行は、関数定義の行と同じように、4 つのスペースでインデントされます。 for ループ ブロックでインデントされた行は、ループの各サイクル (反復) ごとにすべて実行されます。

    この場合、コード ブロックは 1 行だけです。 これは先ほど、coral_and_sponge_chart 関数をテストするために実行した行に非常によく似ています。 変数を作成し、その値を [CoralandSpongeCatalina] レイヤーで coral_and_sponge_chart 関数を実行するのと同じように設定しますが、Slope フィールドも指定するのではなく、envField 変数から取得するフィールド名で実行します。 リストには 3 つの項目があるので、ループは 3 回実行され、3 つのフィールドのそれぞれに対してチャートが作成されます。

  19. コンピューターの File Explorer で、関数定義で指定したフォルダーを参照します。

    このチュートリアルの最初に作成したフォルダーの出力チャート

    属性ごとにチャートが表示されるはずです。 これらの出力ファイルは、プレゼンテーションで使用したり、ArcGIS StoryMaps を使用してストーリーに追加したり、ArcGIS Pro でマップ レイアウトに配置したりできます。

    3 つのチャートを手動で作成するよりも、この方が少し時間を短縮できます。 たとえば、6 つの異なる環境変数でサンゴと海綿の生息ポイントを強化したとします。 それらのフィールド値のリストを作成して関数を呼び出すと、これら 3 つを作成するのと同じくらいの時間でそれぞれのチャートを作成できます。

    5 つの分析範囲があり、そのそれぞれに対してすべての値のチャートを作成するとします。 この関数はレイヤー名もパラメーターとして受け取るため、すべてのレイヤー名のリストを作成し、それらをループする for ループを作成し、その for ループ内で先ほど作成したループを呼び出すことができます。

    これを実現するためのコードは次のとおりです。

    
    myLayersList = ['CoralandSpongeCatalina']
    # You would add comma separated layer names in
    # quotation marks to the myLayersList, such as:
    # ['CoralandSpongeCatalina', 'CoralandSpongeAlaska', 'CoralandSpongeHawaii']
    
    myList = ['Slope', 'Aspect', 'Bathymetry']
    # You could add comma separated field names to the list
    
    for lyrName in myLayersList:     # outer loop, iterate over the layer names in the list
        for envField in myList:     # inner loop, iterate over the field names for that layer
            outChart = coral_and_sponge_chart(lyrName, envField)

    6 つの変数と 5 つの分析範囲のレイヤーがある場合、3 つのチャートを作成するのとほぼ同じ時間で 30 個のチャートを作成できます。

  20. 次のセルで、次のコードをコピーして貼り付け、[実行] をクリックします。
    outChart

    水深の平均値を示すチャート

    ループによって 3 つのチャートが作成されました。 このセルを実行しても、1 つしか表示されないのはなぜでしょうか。

    変数 outChart は、ループのサイクルごとに新しいチャートにリセットされます。 ループが完了すると、最後のサイクルで作成されたチャートに変数が割り当てられます。 ループから出力ファイルを書き出す際に発生しがちな問題は、複数の出力を期待していたのに 1 つしか得られないことです。 多くの場合、これは出力ファイル名がループの各サイクルで同じであることが原因です。 結果はサイクルごとに生成されますが、名前が同じなので、同じファイルがサイクルのたびに上書きされてしまいます。 ここでの coral_and_sponge_chart 関数では、入力変数からファイル名を構築することでこの問題を回避しています。

    outChartName = layer + field + ".svg"

    この問題に対処するには、他の方法もあります。 1 つは、ループ内に counter 変数を含めて、それを出力ファイル名に連結し、outfile_1outfile_2outfile_3 のようにする方法です。 もう 1 つは、ファイル名に現在時刻を付加する方法です。この方法は、各サイクルの処理時間がよほど短くない限りは有効です。 さらに、一意の識別子を作成し、それをファイル名に追加する方法もあります。しかし、この方法ではファイル名が長くなり、混乱をきたす可能性があります。

  21. プロジェクトを保存します。
ヒント:

さらに挑戦したい方は、他の対象地域を選択して、このチュートリアルの手順を使用してチャートを作成してみてください。

このチュートリアルでは、NOAA からサンゴと海綿のデータと、水深データをダウンロードする方法を学びました。 ラスター解析のために、データを適切な平面座標系に投影する方法を学習しました。 また、対象地域を作成し、AOI の傾斜角レイヤーと傾斜方向レイヤーを生成し、その情報をサンゴと海綿の属性に付加する方法も学びました。 さらに、Python を使用してチャートを作成し、複数のチャートの生成を自動化するための関数を定義する方法についても学びました。 これらの技術を駆使して、世界中の複数の地域におけるサンゴと海綿のデータを解析できます。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。