多変量シンボルでの山々のマッピング
ここでは、ハイキングやアウトドアが好きな人たちをターゲットとして、公園内の山々に焦点を当てたマップを作成します。 まず、ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise ポータルに湖水地方のすべての山頂の表形式データを追加します。 次に、このデータに色とサイズでスタイルを設定し、各山頂の高さと突出度 (プロミネンス) を表現します。
.csv ファイルからの位置のマッピング
それぞれの山の位置と属性を .csv ファイルに記録したデータがあります。 このマップでは最初に、このファイルからフィーチャ レイヤーを作成します。
- LakeDistrictFells.csv ファイルをダウンロードします。
イングランドの湖水地方では、丘陵や山は「フェル (Fell)」と表現されます。
- ダウンロードした LakeDistrictFells.csv ファイルを探し、ダブルクリックして開きます。
ファイル拡張子の .csv はカンマ区切り値 (Comma-Separated Values) を表します。 これは表形式のデータを保存するための一般的な方法です。 1 行目にはフィールド (属性または列とも呼ばれます) の名前が並び、2 行目以降の各行は 1 つのフィーチャ (レコードまたは行とも呼ばれます) を表します。 コンピューターで使用されるデフォルト プログラムに応じて、このファイルはテーブルまたは書式なしテキストとして表示されます。
- ファイルに目を通し、内容を理解します。
各フィーチャは 1 つの山または丘陵を表します。 最後の 2 つのフィールドは [Latitude] と [Longitude] という名前で、これらを使用してマップ上のフィーチャの位置を特定できます。
- .csv ファイルを閉じます。
- ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise ポータルにサイン インします。
注意:
ArcGIS アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
- リボンの [コンテンツ] タブをクリックします。 [新しいアイテム] ボタンをクリックします。
- [LakeDistrictFells.csv] ファイルを [新しいアイテム] ウィンドウにドラッグします。
ヒント:
または、[お使いのデバイス] をクリックします。 [LakeDistrictFells.csv] ファイルを参照して選択します。
- [このファイルをどのように追加しますか] で、1 つ目のオプションである [LakeDistrictFells.csv を追加してホスト フィーチャ レイヤーまたはテーブルを作成] を選択します。
注意:
[このファイルをどのように追加しますか] オプションが表示されない場合は、[キャンセル] をクリックし、LakeDistrictFells フィーチャ レイヤーを Map Viewer で開きます。 再度サイン インして、次のセクションに進んでください。
このオプションでは、アカウントに 2 つのアイテムが作成されます。 1 つは .csv ファイルのコピーです。 もう 1 つは、.csv ファイルのコンテンツから作成されたフィーチャ レイヤーです。 データを使用して ArcGIS でマップを作成する前に、フィーチャ レイヤー形式のデータが必要となります。
- [次へ] をクリックします。
次のウィンドウでは、フィールドの確認が求められます。 [表示名] と [タイプ] が、.csv ファイルから得た各フィールドに割り当てられています。 これらを変更できます。
- 次のフィールドの [タイプ] プロパティを確認します。[Number]、[Metres]、[Feet]、[Drop]、[Col_Height]、[Latitude]、[Longitude]。 どれも [String] には設定されていないことを確認します。
これらのすべてのフィールドには数値が格納されます。 [String] タイプはテキスト用です。 数値データを文字列として格納した場合、数値的な解析やスタイル設定は不可能になります。
次に、表示名を確認します。 [Metres] フィールドと [Feet] フィールドの名前からは、使用される単位はわかりますが、測定の対象はわかりません。 [Drop] フィールドと [Col_Height] フィールドの名前からは、測定の対象はわかりますが、使用される単位はわかりません。 これら 4 つのフィールドの名前を改善できます。
フィールド名を変更するには、アップロードの前に .csv ファイルを編集するしかありません。 しかし、表示名を変更してフィールドの意味を明確にすることが可能です。
- 次の [表示名] の値を変更します。
- [Metres] を「Height (m)」に変更します。
- [Feet] を「Height (f)」に変更します。
- [Drop] を「Prominence (m)」に変更します。
- [Col Height] を「Col Height (m)」に変更します。
新しい表示名が一貫した形式になりました。 それぞれの表示名は、フィールドが表す対象と、フィールドで使用される計測単位を示しています。
また、[Drop] という語を [Prominence] に変更しました。 この 2 つは同義語であり、ある山の頂上と、その山を取り囲む等高線の中でその頂上よりも高い山頂を含まない最も低い等高線との標高差を表しています。 どちらの語を使用すべきかを決める際には、誰が閲覧するかを考慮する必要があります。 このマップは世界のユーザー向けであるため、国際的により一般的な用語を選択しました。
- [次へ] をクリックします。
- [位置情報の設定] で、[緯度と経度] が選択されていることを確認します。 [緯度] が [Latitude] に、[経度] が [Longitude] に設定されていることを確認します。
- [次へ] をクリックします。
- [タイトル] に「LakeDistrictFells」と入力し、自分のイニシャルを付加します (たとえば、「LakeDistrictFells YN」)。
注意:
ArcGIS 組織に同じ名前で 2 つのレイヤーを作成することはできません。 レイヤー名にユーザーのイニシャルを追加すると、組織の他のユーザーもこのチュートリアルを完了することができます。 レイヤーが作成されたら、マップ内で名前を変更してイニシャルを削除できます。基になるデータ レイヤーの名前には影響しません。
- [保存] をクリックします。
新しいフィーチャ レイヤーのアイテム ページが表示されます。 次に、データのソースを記録します。 できる限り早くこの情報をメモしておくことが重要です。後になると容易に忘れるか、見失う情報だからです。
- 下にスクロールします。 [著作権 (帰属)] の横にある [編集] ボタンをクリックします。
- 「The Database of British and Irish Hills v18」と入力するか、コピーして貼り付けます。 [保存] をクリックします。
著作権情報は、マップ上のリストに表示されるため、短くすべきですが、 後で元のデータを見つけられるように、データ ソースの URL も記録しておきます。
- [説明] の横にある [編集] ボタンをクリックします。 「Data source: The Database of British and Irish Hills v18: https://www.hills-database.co.uk/」と入力するか、コピーして貼り付けます。 [保存] をクリックします。
- [Map Viewer で開く] をクリックします。
オレンジ色のポイントを含むマップが表示されます。各ポイントは、.csv ファイルの 1 行に対応します。 入力した著作権テキストが下部に、ベースマップの著作権テキストと共に表示されています。
高さによる山のシンボル設定
これまでに、それぞれの山の位置をマッピングしました。 次に、山の属性の 1 つである高さを同様にマッピングします。 高い山ほど大きなシンボルで表示されるように、レイヤーにスタイルを設定します。
ただし、レイヤーのスタイルを変更する前に、ベースマップを変更します。 背景によって色が違って見えるため、先に背景を設定するのが賢明です。
- [コンテンツ] (暗い背景の) ツールバーにある [ベースマップ] ボタンをクリックします。
- [ベースマップ] ウィンドウで [キャンバス (ライト グレー)] を選択します。
注意:
[キャンバス (ライト グレー)] がベースマップ リストに表示されない場合は、リストの末尾までスクロールし、[Living Atlas] をクリックします。 Esri が所有する [キャンバス (ライト グレー)] Web マップを検索して追加します。
マップが新しいベースマップで更新されます。 無地、平坦で空の状態に見えるかもしれませんが、これは意図的です。 後でマップにデータ、色、詳細情報を追加します。 視覚情報が多いと、たちまちのうちに、乱雑でユーザーを圧倒する不明瞭なマップになることがあります。 無地のベースマップは、この問題の回避に役立ちます。 主題データを使用して、より広い視覚範囲の表現を豊かにする余裕が生まれます。 操作の邪魔をせず情報が伝わりやすい背景になり、ユーザーの気を散らすことなく、マップのメッセージを支えてくれます。
- [コンテンツ] ツールバーにある [レイヤー] ボタンをクリックします。 必要に応じて、[レイヤー] ウィンドウで [LakeDistrictFells] レイヤーをクリックして選択します。
レイヤーが選択されると、そのレイヤーの横に青いバーが表示されます。
- [設定] (明るい背景の) ツールバーで [スタイル] ボタンをクリックして、[スタイル] ウィンドウを開きます。
現在、このレイヤーは [場所 (単一シンボル)] スタイルを使用して描画されています。 代わりに、高さと突出度に基づいて、それぞれの山にスタイルを設定します。
- [スタイル] ウィンドウの [フィールド] ボタンをクリックします。
- [フィールドの選択] ウィンドウで、[Height (m)] と [Prominence (m)] を選択します。 [追加] をクリックします。
レイヤーが [色とサイズ] スタイルを使用して描画されるようになりました。
高さが色、突出度がサイズで表現されていることが凡例からわかります。 フィールドを並べ替えて、この割り当てを交換します。
- [スタイル] ウィンドウで、[Prominence (m)] の横にある [再配置] ボタンをクリックしてドラッグし、このフィールドを [Height (m)] の上に移動します。
マップが再度更新されます。 突出度が色、高さがサイズで表現されるようになりました。
このマップは、現時点では読みにくいものとなっています。 円の多くが、重なり合って隠れているか、ベースマップと混じり合っているため、見えない状態です。 マップがより明確になるようにスタイルを構成します。
- [スタイル] ウィンドウの [色とサイズ] カードで、[スタイル オプション] をクリックします。
まず、サイズのプロパティを調整します。
- オレンジ色の [数と量 (サイズ)] カードで、[スタイル オプション] をクリックします。
- [シンボル スタイル] で、グレーの円をクリックして [シンボル スタイル] ウィンドウを開きます。
- [現在のシンボル] で、[基本ポイント] をクリックし、三角形シンボルを選択します。
マップ上の円が三角形に置き換わります。三角形は山の形状と似ているため適切な選択です。
- [完了] をクリックして [シンボル スタイル] ウィンドウを閉じます。
- [データ範囲] で、ヒストグラムを確認します。
最小値 ([37]) から最大値 ([978.1]) まで、比較的均等に値が分散しています。 外れ値に対応するためにこのヒストグラムを調整する必要はありませんが、凡例の見た目がすっきりするように、少し調整します。
- 下限ハンドル ([37]) をクリックし、「100」と入力します。 上限ハンドル ([978.1]) をクリックし、「900」と入力します。 Enter キーを押します。
これで、凡例の範囲は 100 ~ 900 となり、より理解しやすい数値になりました。 100 m より低い山はすべて最小の三角形で描画され、900 m より高い山はすべて最大の三角形で描画されます。
次に、シンボルを小さくして、マップ上で重なり合う部分が少なくなるようにします。
- [レイヤー] ウィンドウで、[LakeDistrictFells] の横にある [オプション] ボタンをクリックし、[ズーム] をクリックします。
- [スタイル オプション] ウィンドウの [サイズ範囲] で、下限値を「1」、上限値を「30」に変更します。
- [完了] をクリックします。
突出度による山のシンボル設定
このマップは、三角形の多くが背景のグレーに似た薄い色になっているため、まだ読みづらい状態です。 次に、より明瞭なカラー ランプを選択し、アウトラインを追加することで、この問題に対処します。
- [スタイル オプション] ウィンドウの [数と量 (色)] カードで、[スタイル オプション] をクリックします。
- [シンボル スタイル] メニュー (青のカラー ランプ) をクリックして、[シンボル スタイル] ウィンドウを開きます。
- [シンボル スタイル] ウィンドウで、[色] メニューをクリックします。
- [ランプ] ウィンドウの [カテゴリ] で [緑] を選択します。
このマップでは国立公園内の山々を描画し、ハイキングなどのアウトドア活動に興味のあるユーザーをターゲットとしています。 緑色からは自然やアウトドアが連想されるため、このマップで選択する色として適切です。 このメニューには多くの緑色ランプが表示されますが、どれも、このマップに対して想像したような落ち着いた緑色には合致しません。 そのため、代わりに、彩度が高く幅広い値があるカラー ランプを選択することにします。 これらのプロパティにより、後で [効果] ウィンドウにおいてカラー ランプをより簡単に変更できます。
- リストの末尾までスクロールして、[緑 17] カラー ランプをクリックします。 (カラー ランプにポインターを合わせると、その名前が表示されます。)
これで、最も突出度の高い山が黄色で表示され、最も突出度の低い山が緑色で表示されます。
ほとんどのユーザーは、マップを読むときに、暗い色は多いことを表し、明るい色は少ないことを表すと想定します。 この一般的な想定に合わせてカラー ランプを反転させます。
- [ランプ] ウィンドウで [ランプ カラーの反転] をクリックします。
- これで、最も突出度の高い山が、最も暗く、背景とのコントラストが最も強くなったため、視覚的にも最も突出度が高くなりました。
注意:
カラー ランプを反転すべき状況の詳細については、「Light and dark color schemes」の動画をご参照ください。
- [完了] をクリックします。
黄色の三角形は薄い色の背景ではまだ見えにくく、三角形が重なり合う場所も見づらくなっています。 シンボルのアウトラインを目立たせて、はっきり表示されるようにします。
- [アウトライン色] で、色メニューをクリックします。 [#] に「005910」と入力して Enter キーを押します。
アウトライン色が濃い緑色に変わります。 これは、マップ上の最も濃い三角形と同じ濃さの緑色です。 可能な場合は、マップ上にすでにある色を再利用すると良いでしょう。 これにより、マップが視覚的にシンプルになり、別の画面でマップが表示された場合でも一貫性を維持できます。
ヒント:
地図、写真、その他のグラフィックスの色の 16 進数値を見つけることができるエクステンションを Web ブラウザーにインストールできます。 Eye Dropper はそのようなエクステンションの一例です。
- [完了] をクリックします。
アウトラインが暗い色になりましたが、まだマップ上では見づらい状況です。
- [アウトラインの透過表示] を「0」パーセントに設定し、[アウトライン幅] を「1」ピクセルに設定します。
アウトラインがはっきりと表示されるようになりました。
アウトラインはマップに視覚的情報を加えるため、不必要であれば削除すべきです。 しかし、このケースでは、最小のシンボルでもはっきりと表示し、重なり合う三角形を区別するためにアウトラインが役立っています。 このようにアウトラインが重要な視覚的タスクを担っているため、アウトラインを削除せず、強調することを選択しました。
- [シンボル スタイル] ウィンドウを閉じます。
- ヒストグラムを確認します。
今回は、値の範囲の下側に向かってデータが集まっています。 外れ値が少しあります。これらは、大半の他の山と比較して突出度がはるかに大きい山々です。 上限ハンドルは 118 に設定されており、平均から 1 標準偏差分高い位置にあります。 突出度がこの値よりも大きい山はすべて、同じ濃い緑色で描画されます。 このハンドルを上に移動して、数個の三角形のみがこの色で描画されるようにします。
- 上限ハンドル ([118]) をクリックし、「400」と入力します。 Enter キーを押します。
マップの大半が黄色になりました。 濃い緑色の三角形のほとんどが黄色の三角形の下に隠れています。 表示順序を調整して、この問題を修正します。
- [設定] ツールバーで、[プロパティ] ボタンをクリックして [プロパティ] ウィンドウを開きます。
- ウィンドウの下部までスクロールして、[フィーチャの表示順序] セクションを展開します。
- [並べ替え順] で [Prominence (m)] を選択します。
色の濃い三角形が色の薄い三角形の上に描画されるようになりました。 地形の中で最も突出した山頂が、マップ上でも最も突出しています。
ブレンドと効果による色の調整
先ほど、マップに対して彩度の高い配色を選択しましたが、本来は落ち着いた緑色を使用したいという考えがあります。 そこで次に、効果を使用して配色を変更します。 [LakeDistrictFells] レイヤーの彩度、明るさ、コントラストを変更します。
- [プロパティ] ウィンドウで、[表示設定] セクションまで上にスクロールします。
まず、レイヤーのブレンド モードを変更します。 ブレンド モードによって、重なり合うレイヤーの色のレンダリング方法が決まります。 ブレンドはレイヤーの色に影響するため、効果を使用してレイヤーの色を変更する前にブレンドを設定しておく必要があります。
- [ブレンド] で [乗算] を選択します。 [ブレンド] ウィンドウを閉じます。
マップ上のシンボルの色がやや濃くなります。
この時点では三角形の下の情報が非常に少ないため、ブレンドの利点はまだ明確ではありません。 しかし、後の手順で、[乗算] ブレンド モードによって、三角形の下にあるフィーチャの表示が維持されるようになります。
- [設定] ツールバーの [効果] ボタンをクリックします。 [効果] ウィンドウで、[彩度] をクリックしてこの効果をオンにします。
- [彩度] ウィンドウで、[強度] スライダーをドラッグしてその効果を確認します。
- [強度] を「30」に設定します。
マップ上の三角形が、一定の範囲の、落ち着きのあるくすんだ緑色に変わります。 これらの色をさらに少し調整して、少し鮮やかさを戻します。
- [効果] ウィンドウで、[明るさとコントラスト] をクリックします。 [明るさ] を「85」に、[コントラスト] を「150」に設定します。
ヒント:
[100] という値は「変化なし」と同じです。
効果によって、このマップ用のカスタム配色を作成できました。
- [明るさとコントラスト] ウィンドウを閉じます。
- [効果] ウィンドウで、[彩度] 効果を [明るさとコントラスト] 効果の上にドラッグします。
効果の順序は重要であり (上の効果が先に適用されます)、このケースでは、[彩度] 効果を先に適用した場合、三角形がやや明瞭に表示されます。
- [コンテンツ] ツールバーで、[保存して開く] ボタンをクリックしてから [名前を付けて保存] をクリックします。
[タイトル] に「Lake District National Park」と入力します。 [保存] をクリックします。
このチュートリアルではこれまでに、色とサイズを使用してレイク・ディストリクト国立公園の山々をマッピングしました。 フィールドの表示名、ヒストグラム、シンボルの形状、アウトライン、フィーチャの表示順序、ブレンドを変更しました。 また、彩度、明るさ、コントラストの効果を使用して、レイヤーの配色をカスタマイズしました。
マルチスケール マップの設計
Web マップの重要な要素の 1 つは、拡大や縮小ができることです。 マップのユーザーにとってこれは大きなメリットですが、カートグラファーとしてはすべての縮尺でマップの設計をしなくてはならないため、困難な課題となります。 次に、表示縮尺範囲とフィルターを使用し、マップの詳細および焦点が縮尺に合わせ適切に変わるようにします。
公園の境界線のマッピング
マップの縮小時に、レイク・ディストリクト国立公園や英国の他の国立公園の境界線を表示し、ユーザーにコンテキストを提供します。 このデータは、厳選された、信頼性の高い地理情報のコレクションである ArcGIS Living Atlas of the World を検索することでご覧になれます。
- [レイヤー] ウィンドウで、[追加] ボタンをクリックします。
- [マイ コンテンツ] をクリックして [Living Atlas] を選択します。
- [検索] をクリックし、「National Parks (England)」と入力します。 検索結果で、[National Parks (England)] のカードをクリックします。
注意:
[National Parks (England)] レイヤーが検索結果に表示されない場合は、[Living Atlas] をクリックし、[ArcGIS Online] を選択します。 再度レイヤーを検索します。
- 表示されるウィンドウを下にスクロールして、[詳細] セクションを展開します。
- [利用規約] セクションを読みます。
マップ データを使用する法的権限があるかを確認することは重要です。 利用規約が提供されていない場合、権限がないということですが、データの所有者に連絡して権限をリクエストすることもできます。
[National Parks (England)] レイヤーの使用に関しては、制限はありません。
- [マップに追加] をクリックします。
- [データの追加] ウィンドウの上部で、[戻る] ボタンをクリックして [レイヤー] ウィンドウに戻ります。
- [National Parks (England)] レイヤーを、[LakeDistrictFells] レイヤーの下にドラッグします。
[LakeDistrictFells] レイヤーの乗算ブレンド モードが表示され、三角形の緑の色調が公園の赤とブレンドします。
ベースマップ情報が透過表示されるように、公園レイヤーに同じブレンドを適用します。
- [レイヤー] ウィンドウで [National Parks (England)] レイヤーを選択します。
- [プロパティ] ウィンドウを開きます。 [ブレンド] で [乗算] を選択します。 [ブレンド] ウィンドウを閉じます。
ベースマップの湖と道路が公園レイヤーの下に表示されました。
- すべての 10 の公園が表示されるまで縮小します。
公園はそれぞれ違う色で表示されます。 公園は物理的に離れているため、色分けは必要ありません。 マップをシンプルにするため、すべて同じ色にします。
- [スタイル] ウィンドウを開きます。 [位置 (単一シンボル)] カードをクリックします。 [スタイル オプション] をクリックします。
マップのテーマに合わせて緑色を選択します。
異なるレイヤーに同じ色を使うと、マップで混乱を招くことがあります。 しかしながら、今回の場合は、公園のポリゴンと三角形のポイント フィーチャの形の違いが大きく、2 つの間で混乱を招く可能性は低いです。 両方に緑色を使うことでマップの一貫性を保ち、2 つのレイヤーに関連があるように見せることができます。
- [シンボル スタイル] メニュー (オレンジ色のバー) をクリックします。
- [塗りつぶし色] メニューをクリックしてから [#] で「deedbe」と入力し、Enter キーを押します。 [完了] をクリックします。
マップの公園のポリゴンが薄い緑色に変わります。
シンボルのアウトラインを削除します。 アウトラインは三角形のシンボルには有用でしたが、公園レイヤーには意味がありません。 余計な視覚情報が追加されるだけです。
- [アウトライン色] で、[色なし] ボタンをクリックします。
フィルターの設定
次に、[National Parks (England)] レイヤーのコピーを作成し、レイク・ディストリクト国立公園のみが表示されるようにフィルターします。 こうすることで、レイク・ディストリクトのプロパティ (表示縮尺範囲を含む) を、他の公園とは別々にコントロールできるようになります。
- [レイヤー] ウィンドウで、[National Parks (England)] レイヤーの横にある [オプション] ボタンをクリックし、[複製] をクリックします。
- [National Parks (England)-Copy] レイヤーの横にある [オプション] ボタンをクリックし、[名前の変更] をクリックします。
- [タイトル] に「Lake District National Park」と入力し、[OK] をクリックしします。
2 つの公園レイヤーができました。それぞれ別々にスタイルを設定できます。 1 つをフィルターし、レイク・ディストリクト国立公園のみが表示されるようにします。
- [Lake District National Park] レイヤーが選択されていることを確認します。 [設定] ツールバーの [フィルター] ボタンをクリックします。
- [フィルター] ウィンドウで、[新しく追加] をクリックします。
- [条件] の 3 番目のメニューをクリックし、[LAKE DISTRICT] を選択します。
条件が [NAME is LAKE DISTRICT] となります。 この説明に合うフィーチャのみがレイヤーに表示されます。
- ウィンドウの下部にある [保存] をクリックします。
表示縮尺範囲の設定
レイク・ディストリクトが他の公園から分離され、別の表示範囲を適用できるようになります。 表示範囲はインタラクティブなマップにとって、重要なカートグラフィック ツールです。 これにより、それぞれの縮尺で表示される情報がコントロールできます。 表示範囲を使用し、英国の国立公園は縮小時のみ、山々は拡大時のみ、レイク・ディストリクト国立公園は縮尺を問わず表示されるようにします。
- [レイヤー] ウィンドウで [National Parks (England)] レイヤーを選択します。 [プロパティ] ウィンドウを開きます。
- [表示設定] で、メニューを [世界] および [郡] に設定します。
[郡] の縮尺を超えて縮小された場合にのみ、公園がマップに表示されるようになりました。 本チュートリアルでは、表示縮尺設定は用意されていました。 自分自身のマップを設計するときには、試行錯誤し、マップの目的と照らし合わせ、各レイヤーに最も適切な縮尺を決定することが必要になります。
次に、[LakeDistrictFells] レイヤーを選択し、表示範囲を設定します。
- ウィンドウ上部にある黒いバナーをクリックします。
- 表示されるメニューで、[LakeDistrictFells] をクリックします。
- [表示設定] で、メニューを [都市圏] および [部屋] に設定します。
- マップを拡大、縮小します。
レイク・ディストリクト国立公園は常に表示されます。 小縮尺 (縮小) では、他の国立公園は表示されますが、山々は表示されません。 大縮尺 (拡大) では、山々は表示されますが、他の国立公園は表示されません。
- [影] ウィンドウを閉じます。
- [コンテンツ] ツールバーで、[保存して開く] ボタンをクリックしてから [保存] をクリックします。
見かけの階層のための設計
効果的なマップを設計するには、見かけの階層を考慮する必要があります。 これは、ユーザーにどのレイヤーを最初に注目してほしいかを決めるということです。 背景とのコントラストが高いマップ エレメントは、見かけの階層も高くなります。 そのようなエレメントは最初に認識されるので、マップの目的にとって最も重要なエレメントである必要があります。
注意:
見かけの階層について詳しくは、「マップの見かけの階層」の動画シリーズをご参照ください。
レイク・ディストリクト国立公園のスタイル設定
山を表す三角形のシンボル、特に色が暗くサイズの大きなものは、現在マップ上で見かけの階層が最も高くなっています。 英国の国立公園は、色が薄く、見かけの階層が最も低くなっています。 山はテーマにとって重要であり、他の公園は補助的な情報なので、この状況は適切です。 次に、見かけの階層が中程度になるように、[Lake District National Park] レイヤーを設計します。 他の公園よりも重要に見えるように、ただし、山ほど重要には見えないようにする必要があります。
- マップで、山のシンボルが表示されるまでズームします。
緑の塗りつぶし色は山のシンボルと競合します。 この色を薄めにして、山のコントラストが背景に対して強い状態を維持できるようにします。
- [Lake District National Park] レイヤーを選択します。
- [設定] ツールバーの [スタイル] ボタンをクリックします。
- [スタイル] ウィンドウの [場所 (単一シンボル)] カードで [スタイル オプション] をクリックします。
- [シンボル スタイル] メニュー (緑のバー) をクリックします。
- [塗りつぶし色] をクリックし、[#] に「f8fff0」と入力します。
色を変更したことでレイヤーの見かけの階層が低くなり、山のシンボルに対して効果的な背景として機能するようになりました。 一方で、[Lake District National Park] レイヤーがベースマップに対してほとんど見えなくなってしまいました。 山のシンボルより目立たないようにしたいものの、他の公園よりは目立つようにする必要があります。 そのために、シンボルに太いアウトラインを設定します。
- [完了] をクリックします。 [アウトライン色] を #「202e03」に変更します。
- マップを拡大、縮小します。
濃いアウトラインを設定したことで、他の公園よりも目立つようになりました。 塗りつぶし色を薄くしたことで、山のシンボルとはあまり競合しないようになりました。
影効果の追加
次に、影効果を適用して、公園の見かけの階層をさらに高くします。
- [Lake District National Park] レイヤーが選択されていることを確認します。 [設定] ツールバーの [効果] ボタンをクリックします。
- [影] 効果をオンにします。
影効果をカスタマイズして、柔らかくなるようにします。
- [影] ウィンドウで、[色] を #「202e03」に変更します。
シンボルのアウトラインに使用したのと同じ緑色です。
- [幅] を「20」に変更します。 [X オフセット] と [Y オフセット] をどちらも「0」に変更します。
これで、公園のすべての側面に影が均等に広がります。
- マップを拡大縮小して、さまざまな縮尺で影を確認します。
公園の見かけの階層が以前よりもさらに高くなりました。 影を設定したことで、公園がベースマップの上に浮かんでいるように見えます。
影は、特定のレイヤーに注意を引きつける効果的な手段です。 ただし、あまり多用しないようにしましょう。 2 つ以上のレイヤーに影を追加すると、見かけの階層に混乱をもたらし、マップが煩雑になりかねません。
- [コンテンツ] ツールバーで、[保存して開く] ボタンをクリックしてから [保存] をクリックします。
本チュートリアルでは、レイク・ディストリクト国立公園の山々を高さと突出度でマッピングする作業を行いました。 .csv ファイルから ArcGIS Online のマップに空間データを追加する方法、色とサイズを使用してデータをスタイル設定する方法のほか、フィルター、表示縮尺範囲、ブレンド、効果を適用する方法も学習しました。 次のチュートリアルでは、ベースマップのカスタマイズを行います。