カレッジ リクルート担当者のテリトリー バランス
新しいテリトリー ソリューションの作成
ArcGIS Pro および ArcGIS Business Analyst エクステンションを使用して、テリトリー ソリューションを作成します。 テリトリー ソリューション レイヤーには、テリトリーの構築、編集、維持に必要なすべてのエレメントが含まれています。 これを使用してマリオン郡を 5 つのリクルート ゾーンに分割します。
- BalancedTerritories プロジェクト パッケージをダウンロードします。
- コンピューター上で、ダウンロードした BalancedTerritories.ppkx ファイルを見つけます。 ファイルをダブルクリックし、ArcGIS Pro で開きます。 求められた場合、ArcGIS アカウントにサイン インします。
注意:
ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください。
プロジェクトには、すべての高校の場所、主要な州間幹線道路、郡の境界を表すレイヤーが含まれています。
マップには [Marion County Block Groups] という名前のレイヤーも含まれています。 このブロック グループは、米国国勢調査局が使用する地理的な単位です。 このレイヤーには次の 2 つの重要な属性が含まれています。
- HighSchool_Count - 各ブロック グループの高校の数
- Population_Age_14_To_18 - 各ブロック グループの高校生の年齢の住民の数
注意:
データが必要とするぴったりの形式で入力されることはほとんどありません。 このチュートリアル用のデータが準備された方法については、「Data selection and preparation」および「No data no problem: Leverage Living Atlas, Spatial Joins, and Data Enrichment to create the layer that you need」というブログ記事をご参照ください。
- リボンの [解析] タブをクリックします。 [ワークフロー] グループで [ビジネス解析] をクリックして [新しいテリトリー デザイン ソリューション] を選択します。
[ジオプロセシング] ウィンドウが表示され、[テリトリー ソリューションの作成] ツールが開きます。
テリトリーを作成するには、ソリューションの基盤として機能するベース レイヤーを割り当てる必要があります。 ここでは、マリオン郡のブロック グループをベースに指定します。
- [入力フィーチャ] で [Marion County Block Groups] を選択します。
- [テリトリー ソリューションの名前] に「RecruitingAreas」と入力します。
- [実行] をクリックします。
RecruitingAreas という名前のテリトリー ソリューションが、[コンテンツ] ウィンドウに表示されます。 ここには、ベース レイヤーとして [Marion County Block Groups] が含まれ、[テリトリー] および [レベル] という空のレイヤーもあります。
このプロジェクトでは異なるレベルを作成する必要はありません。 ただし、テリトリーを作成するためのソリューション解析は行います。 ここでの目的は、高校と高校生の年齢の人の数が比較的均等に分散した 5 つのテリトリーを作成することです。 次に、テリトリーの作成後に値を比較できるように 2 つの変数をソリューションに追加します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[RecruitingAreas] をクリックして選択します。 リボンの [テリトリー デザイン] タブをクリックします。 [解析] グループで [変数の追加] をクリックします。
[ジオプロセシング] ウィンドウで [レベル変数の追加 (Add Level Variables)] ツールが開きます。 最初の 3 つのパラメーターはすでに設定済みです。
- [変数] の下の [統計フィールド] で [Population_Age_14_To_18] を選択します。 [統計情報] で [合計] を選択します。
- [他を追加] ボタンをクリックします。
- 変数に対して、[統計フィールド] で [HighSchool_Count] を選択し、[統計情報] で [合計] を選択します。
- [実行] をクリックします。
何も変更されていないように見えますが、Population_Age_14_To_18 と HighSchool_Count という 2 つの変数がソリューションに追加されています。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[テリトリー] を右クリックして、[属性テーブル] を選択します。
まだテリトリーは作成されていないので、属性テーブルは空です。 ただし、Population_Age_14_To_18 と HighSchool_Count という 2 つの列が追加されています。 これらの列を表示するには、テーブルの端までスクロールする必要があるかもしれません。
- 属性テーブルを閉じます。
次に、テリトリーを作成するためのソリューション解析を行います。
- [テリトリー デザイン] タブの [解析] グループで、[解析の実行] をクリックします。
[ジオプロセシング] ウィンドウで [テリトリーの解析 (Solve Territories)] ツールが開きます。 最初の 3 つのパラメーターはすでに設定済みです。 リクルート担当者は 5 人いて、それぞれにテリトリーを割り当てたいと考えています。
- [テリトリー数] に「5」と入力します。
- [実行] をクリックします。
テリトリーが作成され、マップに追加されます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[RecruitingAreas] を [Interstate 65] の下にドラッグします。
[Public High Schools] および [Interstate 65] レイヤーを使用できるようになりました。
注意:
テリトリー境界と色は、このチュートリアルで表示されているものとは異なる場合があります。 これはテリトリーが非決定性アルゴリズムによって作成されているためで、テリトリーの中心がランダムに設定されて境界が描かれるからです。
- [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] をクリックして、プロジェクトを保存します。
次に、テリトリーがバランスよく分割されているかどうか調べます。 ここまでこの解析では、各テリトリーの高校数と生徒数に関して何も制約を設定していないので、おそらく均等には分割されていません。
チャートでテリトリーを評価
ここまでにマリオン郡を 5 つのテリトリーに分割したので、次はこれらを比較してどの程度バランスよく分割されているのか確認します。 5 人のリクルート担当者の受け取るワークロードを均等にしたいと考えています。
- [テリトリー デザイン] タブの [視覚化] グループで、[チャートの作成] をクリックします。
マップの下にチャートが表示され、テリトリーごとの高校の数が示されます。
この例では、2 つのテリトリーには 11 校が含まれており、別のテリトリーには 5 校だけ含まれています。 ご使用のチャートには異なる分布が表示されている可能性があります。
次に、[Population_Age_14_To_18] 変数の値を比較します。
- チャートの上部にある [プロパティ] をクリックします。
[チャート プロパティ - テリトリー] ウィンドウが表示されます。
- [数値フィールド] で [選択] ボタンをクリックし、[HighSchool_Count] チェックボックスをオフにして、[Population_Age_14_To_18] チェックボックスをオンにします。
- [適用] をクリックします。
チャートが更新され、各テリトリーの高校生の年齢の人口が表示されます。
- チャートの上部にある [属性テーブル] をクリックします。
[テリトリー] 属性テーブルが表示され、今度は 5 行が設定されています。
以前に追加した [Population_Age_14_To_18] 列と [HighSchool_Count] 列には、各テリトリーの高校生の年齢の人口と高校の数が表示されます。
この例のテリトリーは、ターゲット人口または高校の数という点で十分にバランスよく分割されていない状態です。 一部のテリトリーの人口が他よりもはるかに大きくなっています。 これを変更し、リクルート担当者の負荷がより均等に分散するようにしたいと思います。 良好な結果が得られるまで [テリトリーの解析 (Solve Territories)] ツールを再実行することもできますが、信頼できる方法とは言えません。 代わりに、テリトリー解析に追加で条件を指定して解析を再実行します。
- 属性テーブル、チャート、および [チャート プロパティ - テリトリー] ウィンドウを閉じます。
追加の条件を使用してテリトリーを作成
[テリトリー デザイン] ソリューションでは、テリトリーの作成方法に関するルールを作成できます。 次の条件を指定します。
- 各テリトリーの高校生の年齢の人口が均等になることを目指す必要がある。
- 各テリトリーには 7 ~ 10 校の高校を含む必要がある。
- 州間幹線道路 65 号線をまたぐテリトリーが存在しないようにする。 この幹線道路は交通量が多く、整備および建設プロジェクトが頻繁に行われています。 リクルート担当者にとっては、自分のテリトリー内を移動するときにこの道路をまたぐ必要がなければ非常に便利です。
- [テリトリー デザイン] タブにある [解析] グループで [バランス調整変数] をクリックします。
[ジオプロセシング] ウィンドウで [バランス調整変数の設定 (Set Balance Variables)] ツールが開きます。 これを使用して、各テリトリーがバランス保持のために目指すべき変数を定義します。
- [変数] で [Population_Age_14_To_18] を選択します。
このツールに追加する変数は 1 つだけなので、最大の加重、つまり 100 を割り当てます。
- [加重] に「100」と入力します。
- [実行] をクリックします。
マップではまだ何も変更されません。 効果を確認するには、ソリューションの解析をもう一度実行する必要があります。 しかしまず、高校の数に属性制限を適用します。
- [テリトリー デザイン] タブにある [解析] グループで [属性による制限] をクリックします。
[テリトリー属性制限の設定 (Set Territory Attribute Constraints)] ツールが開きます。 前に例で示したテリトリーでは、高校の数が 5 ~ 11 の範囲にあります。 各リクルート担当者が訪問する必要のある学校数が最小になることが望ましいと言えます。
- [変数] で [HighSchool_ Count] を選択します。 [最小値] には、「7」と入力します。 [最大値] には、「10」と入力します。
- [実行] をクリックします。
テリトリー属性制限を設定したので、ソリューション解析の実行時にこれが適用されます。 次に、バリアを指定します。
- [テリトリー デザイン] タブにある [解析] グループで [バリア] メニューを展開します。 次の 2 つのオプションがあります。
- [インピーダンス バリアの追加] オプションでは、テリトリーがまたぐことのできないライン フィーチャまたはポリゴン フィーチャを指定します。
- [制限範囲の追加] オプションでは、テリトリーに含むことのできないエリアを指定します。
テリトリーが幹線道路をまたぐことがないようにしたいので、それをインピーダンス バリアに指定します。
- [インピーダンス バリアの追加] をクリックします。
- [テリトリー バリアの追加] ツールの [入力バリア フィーチャ] で [Interstate 65] を選択します。
- [実行] をクリックします。
バリアが適用されます。 これで、再度ソリューション解析を実行し、条件に従いニーズに適合しているテリトリーを作成する準備ができました。
- [テリトリー デザイン] タブの [解析] グループで、[解析の実行] をクリックします。
- [テリトリーの解析 (Solve Territories)] ツールの [テリトリー数] に「5」と入力します。
- [実行] をクリックします。
テリトリーが更新されます。 これで幹線道路がブロック グループそのものを縦断する場所を除き、テリトリーが幹線道路をまたぐことがなくなりました。
- プロジェクトを保存します。
チャートで新しいテリトリーを評価
更新されたテリトリーは 3 つ目の条件を満たしており、州間幹線道路 65 号線をまたいでいません。 次に、他の 2 つの条件が満たされているかどうかチャートを使って確認します。 目標は、これらのテリトリーが高校の数と高校生の年齢の人口の両面でバランスよく分割されている状態になることです。
- [テリトリー デザイン] タブの [視覚化] グループで、[チャートの作成] をクリックします。
[Population_Age_14_To_18] 変数の更新されたチャートが表示されます。
更新されたテリトリーは、最初のテリトリーと比べてターゲット人口ごとのバランスが向上しています。 ばらつきの範囲がおよそ 7,400 ~ 15,000 になりました。
- チャートの上部にある [プロパティ] をクリックして [チャート プロパティ - テリトリー] ウィンドウを開きます。
- [数値フィールド] で [選択] ボタンをクリックします。 [Population_Age_14_To_18] チェックボックスをオフにして、[HighSchool_Count] チェックボックスをオンにします。 [適用] をクリックします。
チャートが更新され、各テリトリーの高校数が表示されます。 以前よりも均等に分散しています。 以前は 5 ~ 11 のばらつきだったのが、7 ~ 9 のばらつき範囲になっています。
- チャートの上部にある [属性テーブル] をクリックして、更新されたテリトリーの属性テーブルを表示します。 テリトリーのバランスが向上しました。各テリトリーに含まれる高校数が 7 ~ 9 になり、高校生の年齢の人口が 7,460 ~ 14,960 の範囲になりました。
5 人のリクルート担当者のワークロードが均等に分散されるようになり、州間幹線道路をまたぐテリトリーがなくなったので学校間の移動も簡単になるはずです。
- 属性テーブル、チャート、および [チャート プロパティ - テリトリー] ウィンドウを閉じます。
前に述べたように、ユーザーによって結果は異なる可能性があります。また、テリトリーの作成は反復的で非確定的なプロセスであることを覚えておくことが重要です。自分のニーズに最適な境界がテリトリーに設定されるまで、解析ツールを繰り返して実行できます。 テリトリーは手動で編集することで改善することもできます。
テリトリーを手動で編集
いずれのテリトリーにも含まれていない灰色のブロック グループがマップ上にいくつか表示されることがあります。 この状況は、属性制限を設定した場合に発生する可能性があります。
次に、これらのエリアにテリトリーを手動で割り当てます。
注意:
マップに未割り当てのエリアが存在せず、この部分のチュートリアルを実行したい場合は、[テリトリーの解析] ツールを再実行してテリトリーの配置をもう 1 つ作成します。 必要に応じて、このツールを複数回再実行します。
- [テリトリー デザイン] タブにある [アクティブなレベル] グループで、[アクティブなレベル] が [テリトリー] に設定されていることを確認します。
- [テリトリーの編集] グループの [テリトリーの変更] ボタンをクリックします。
[テリトリーの変更] ウィンドウが表示されます。 14 歳から 18 歳までの現在の人数と 5 つの各テリトリーにある高校を確認できます。 フィーチャをテリトリーに割り当てると、これらの数値がどのように変動するかがわかるようになります。 このためには、未割り当てのブロック グループを選択してテリトリーに割り当てます。
- [テリトリーの編集] グループの [選択] ボタンをクリックします。
- マップ上で、テリトリーが割り当てられていないブロック グループを選択します。
ヒント:
Shift キーを押しながらクリックして、複数のフィーチャを選択します。
- [テリトリーの変更] ウィンドウで、[Territory 3] の行をクリックします。
- [Population_Age_14_To_18] 列と [HighSchool_Count] 列を確認します。
この表は、選択されたブロック グループの割り当てが既存のテリトリーの属性に与える影響を数値化しています。 緑色のテキストと正三角形は値の増加を示し、赤色のテキストと逆三角形は値の減少を示します。 ブロック グループは Territory 3 に追加されているため、人口属性と高校数属性で値が増加します。
- [テリトリーの変更] ウィンドウで、[割り当て] ボタンをクリックします。
ブロック グループが割り当てられています。 マップ上で、再び割り当てられたテリトリーが正しく色分けされ、[テリトリーの変更] ウィンドウで、適切な属性が更新されています。
テリトリー 3 に割り当てられたブロックが、他のテリトリーとして表示される場合、同じ手順で、そのブロックを選択し、別のテリトリーに割り当てます。
- [テリトリー デザイン] タブにある [テリトリーの編集] グループで [選択解除] ボタンをクリックして、選択を解除します。
- [テリトリーの変更] ウィンドウを閉じます。
リクルート テリトリーのマップの作成
これで、インディアナ州マリオン郡に、5 つのバランスのとれたカレッジ リクルート テリトリーが作成されました。 次に、フィーチャクラスに結果をエクスポートし、マップを作成してリクルート担当者と共有します。
- [テリトリー デザイン] タブにある [管理] グループで [フィーチャクラスの作成] をクリックします。
- [テリトリー レベル フィーチャクラスの作成 (Create Territory Level Feature Classes)] ツールの [フィーチャクラス] の下で、[テリトリー境界] のボックスをオンにします。
- [実行] をクリックします。
[Boundaries of Territories] という名前のレイヤーがマップに追加されます。
注意:
テリトリー解析全体をフィーチャクラスとしてエクスポートする場合は、リボンの [テリトリー デザイン] タブにある [共有] グループで [ソリューションのエクスポート] をクリックします。
マップを完成させるために、テリトリーにラベルを付けます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Public High Schools]、[Boundaries of Territories]、[Marion County Boundary]、[World Topographic Map] を除くすべてのレイヤーをオフにします。
- [Boundaries of Territories] レイヤーを選択します。
- リボンの [ラベリング] タブをクリックします。 [レイヤー] グループの [ラベル] ボタンをクリックして、ラベリングを有効にします。
- [ラベル クラス] グループの [フィールド] で [ID] を選択します。
マップにテリトリー番号のラベルが付けられましたが、読み取りにくい状態です。
- [テキスト シンボル] グループで、フォント スタイルを [太字]、サイズを「18」に変更します。
最後に、ブレンド モードを使用して、街区がテリトリーの下に表示されるようにします。
- リボンの [フィーチャ レイヤー] タブをクリックします。 [効果] グループの [レイヤーのブレンド] で、[乗算] を選択します。
これで、カレッジ リクルート担当者と共有できるテリトリーのマップが用意できました。
- プロジェクトを保存して閉じます。
このチュートリアルでは、テリトリー デザイン ソリューションのワークフローを使用して、インディアナ州マリオン郡のリクルート ゾーンを定義しました。 バランス調整変数、属性制限、バリアを使用して、自社のニーズに適合する境界によるバランスのとれたテリトリーを作成する方法を学習しました。 これらのテリトリーを自社の個々のリクルート担当者に割り当てて、担当者間のワークロードのバランスを適正にとることができます。
他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。