画像の基本操作と探索

地域のトウモロコシ畑が受けたひょう嵐の被害を評価するために、衛星画像を使用します。 まず、プロジェクトとデータを設定し、画像の探索を開始します。

プロジェクトをダウンロードして開く

まず、チュートリアルに必要な画像を含むプロジェクトをダウンロードし、ArcGIS Pro で開きます。

  1. Corn field damage.zip ファイルをダウンロードします。
  2. コンピューター上で、ダウンロードした Corn field damage.zip ファイルを選択します。
    注意:

    お使いの Web ブラウザーによっては、ダウンロードを開始する前に、ファイルの場所を選択するよう求めるメッセージが表示される場合があります。 ほとんどのブラウザーでは、デフォルトでコンピューターのダウンロード フォルダーがダウンロード先の場所になります。

  3. Corn firld damage.zip ファイルを右クリックして、[ドキュメント] フォルダーなどの見つけやすい場所にファイルを展開します。

    次に、ArcGIS Pro でプロジェクトを開きます。

  4. ArcGIS Pro を起動します。 サイン インを求められたら、ライセンスが割り当てられた ArcGIS 組織アカウントを使用してサイン インします。
    注意:

    ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

  5. ArcGIS Pro で、[最近使ったプロジェクト] エリアにある [別のプロジェクトを開く] をクリックします。

    別のプロジェクトを開く

  6. [プロジェクトを開く] ウィンドウで、展開した [Corn field damage] フォルダーを参照します。 [Corn field damage.aprx] をクリックして選択し、[OK] をクリックします。

    プロジェクトが開きます。

    プロジェクトの初期表示

プロジェクトには、2019 年 8 月 4 日と 8 月 8 日に撮影された 2 つの画像が含まれます。これらは、アルバータ州のテーバーとバーンウェル地域を襲ったひょう嵐の前 ([Before_storm.tif]) と後 ([After_storm.tif]) の様子です。 また、このチュートリアルの後半で使用する [Field boundaries] ベクター レイヤーも含まれます。

注意:

2 つの画像は、地球の画像を撮影する Planet Labs 社が生成した PlanetScope 衛星画像です。 PlanetScope とは、120 の衛星からなる衛星コンステレーションで、地球上の指定エリアの画像を毎日取得します。

ナチュラル カラーで画像を観察する

次に、嵐の前と後に撮影された 2 つの画像を観察します。 これらの画像はマルチスペクトルです。つまり、複数の個別のスペクトル バンドが含まれています。 各画像には、[コンテンツ] ウィンドウに示される 3 つのバンドがあります。

  • 赤 (または Band_3)
  • 緑 (または Band_2)
  • 青 (または Band_1)

また、これらの画像には 4 つ目のバンドもありますが、これは今の状態では表示されていません。

  • 近赤外 (または Band_4)
注意:

近赤外光は人間の目には見えませんが、このチュートリアルの後半で説明するようにさまざまな用途において有益であることから、衛星および航空画像センサーで捕捉されます。

現在、画像は赤、緑、青のバンドを使用するナチュラル カラーで表示されています。これらのバンドは、人間の目に見える光線のスペクトルに対応します。 ナチュラル カラーは、人間の目に映るときの画像に近い色です。 2 つの画像を目視確認し、比較してみましょう。

  1. マップの現在のビュー、[Before_Storm.tif] 画像を観察します。 マウスのホイール ボタンを使用して拡大縮小すると、詳細を確認できます。

    拡大して Before_Storm.tif 画像の詳細を表示

    多数の畑があるのがわかります。その多くは円形で、中には矩形もあります。 8 月には多くの農作物が収穫期を迎える直前であることから、嵐の前の畑は緑が生い茂っています。 これを、[スワイプ] ツールを使用して、嵐の後の画像と比較します。

  2. [コンテンツ] ウィンドウで [After_storm.tif] チェックボックスをオンにします。

    After_Storm.tif をオンにする

    [After_Storm.tif][Before_Storm.tif] の下に表示されるため、マップ上に目に見える変化はありません。

  3. [Before_storm.tif] 画像をクリックして選択します。

    Before_storm.tif 画像を選択する

  4. リボンの [ラスター レイヤー] タブの [比較] グループで、[スワイプ] をクリックします。

    スワイプ ツール

  5. マップ ビューアーで上から下にドラッグし、[After_Storm.tif] 画像を表示して [Before_Storm.tif] 画像と比較します。

    スワイプ カーソル

    一見すると、嵐の後の画像では、一部のエリアが嵐の前よりも色調が薄くなっているのがわかります。 特に、北西から南東を軸にするエリアで色調が薄くなっているようです。 しかし、この時点では農作物の被害に関する詳しい情報を収集することは困難です。

  6. 探索を終了したら、リボンの [マップ] タブの [ナビゲーション] グループで [マップ操作] ボタンをクリックしてスワイプ モードを終了します。

    マップ操作ボタン

嵐による農作物への被害をわかりやすく視覚化するには、赤色バンドと近赤外バンドに注目します。

赤色バンドと近赤外バンドの値の調査

農作物の変化をよりわかりやすく視覚化するには、赤色バンドと近赤外 (NIR) バンドを使用します。これらは、植生の健全性を評価するうえで便利です。

  • 健全な植生の葉緑素は赤色バンドの光のほとんどを吸収して光合成に使うため、赤色バンドをほとんど反射しません。
  • 健全な植生の細胞構造は、NIR 光を強く反射します。

衛星センサーは、さまざまなバンドで反射された光の量を捕捉するため、健全な植生を示す画像ピクセルの値は赤色バンドでは低く、NIR バンドでは高くなる傾向があります。 この状態を、以下のスペクトル プロファイル グラフに示します。 反対に、ストレスにさらされていたり、枯れかけたりしている植生は赤色をあまり吸収せず (したがって反射する量が多い)、NIR 光を反射する量が少なくなります。 グラフには、露出土壌を表すピクセルは赤色をさらに多く反射し、NIR 光をあまり反射しないことも示されています。

健全な植生、ストレスを受けている植生、および露出土壌の反射率グラフ

アルバータ州の画像の赤色バンドおよび近赤外バンドの反射率値に見られる変動の理解を深めるために、スペクトル プロファイル情報をピクセル レベルで提供する [画像情報] ツールを使用します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで [Before_storm.tif] 画像が選択されていることを確認します。 リボンの [画像] タブの [ツール] グループで、[画像情報] をクリックします。

    画像情報ボタン

    [画像情報] ウィンドウが開きます。

  2. マップ ビューアーで、健全な植生が密集する濃い緑の畑をポイントします。

    [画像情報] ウィンドウに、現在のポインター位置のピクセルのスペクトル プロファイル グラフが表示されます。 予想どおり、赤色バンドの反射率 (赤でシンボル表示) は非常に低く、NIR バンドの反射率 (グレーでシンボル表示) は高くなっています。

    健全な植生を表すピクセルのスペクトル プロファイル

    注意:

    バンドは、画像に表示される順序 (青 (バンド 1)、緑 (バンド 2)、赤 (バンド 3)、近赤外 (バンド 4)) でグラフにも表示されます。

  3. マップ ビューアーで、露出土壌および植生がない場所に対応するベージュまたは薄茶色のエリアをポイントします。

    [画像情報] ウィンドウのスペクトル プロファイル グラフが更新されます。 赤色バンドの反射率は比較的高くなり、NIR バンドの反射率は低くなります。

    露出土壌を示すピクセルのスペクトル プロファイル

  4. 両方の画像で他のエリアをポイントし、赤色と近赤外の値の変化を観察します。

2 つのバンドの関係に対する理解を深めたので、地表の健全な植生の量を測定するには赤色の値と NIR の値の差を計算すると良いことがわかりました。 これを行うには、画像に SAVI 指数を適用します。


SAVI 指数による変化解析の実行

次に、SAVI 指数について学び、健全な植生を測定するために赤色バンドと NIR バンドの値を使用することを説明します。 嵐の前の画像と後の画像の両方に SAVI 指数を適用し、生成された 2 つのラスター間の差を計算し、それぞれの作物畑における健全な植生の平均損失を抽出します。

注意:

このような解析は、ピクセル単位かセル単位で行われます。

このチュートリアルで使用するような衛星 TIFF 画像はラスターです。 ラスターとは、セルまたはピクセルのグリッドとして表されるデータのことです。

ラスター グリッドの例

ラスターベースの解析を行う場合は、ラスター内のすべてのセルに対して値を計算します。 ラスター データの詳細をご参照ください。

SAVI 指数の適用

スペクトル指数では、同じタイプの割合を計算する数式を通じて、さまざまなスペクトル バンドを組み合わせます。 結果として、新しいラスター画像が出力されます。

注意:

異なるスペクトル バンドを組み合わせたり、複数の数式を使用したりするさまざまな指数があります。 どの指数も、健全な植生、水、都市開発、地面における鉄鉱物の存在などのさまざまな現象をハイライトするために使用されます。 ArcGIS Pro指数ギャラリーには、そのまま使用できる指数を多数用意しています。

健全な植生は、いくつかの指数でハイライト表示できます。 赤色バンドと NIR バンドを利用する SAVI (土壌調整植生指数) を使用します。次の比率の式を用います。

SAVI = ((NIR - Red) / (NIR + Red + L)) * (1 + L)

最も重要な点は、SAVI は NIR バンドと赤色バンドの差 (NIR - 赤色) を測定するということです。 SAVI 値が大きいほど、健全な植生が多いことを意味します。

注意:

SAVI は、従来の NDVI に改良を加えたものです。NDVI では係数 L のない、よりシンプルな数式を使用します。 係数 L を数式に追加することで、出力値の土壌の明るさの影響を最小限に抑えます。 植被の割合が中程度の画像シーンでは、L には通常 0.5 の値が割り当てられます。 最終的な SAVI 値は、-1.5 ~ +1.5 の間になります (L = 0.5 の場合)。 必要であれば、土壌調整植生指数の詳細をご参照ください。

次に、[Before_storm.tif] 画像と [After_storm.tif] 画像に SAVI 指数を適用します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで [Before_storm.tif] 画像が選択されていることを確認します。
  2. リボンの [画像] タブの [ツール] グループで [指数] をクリックします。 [指数] ウィンドウで [SAVI] 指数を選択します。

    SAVI 指数ボタン

  3. [SAVI] ウィンドウで次の値を選択します。
    • [短波赤外バンド インデックス][4 - Band_4] を選択します。
    • [赤バンド インデックス][3 - Band_3] を選択します。
    • [土壌調整係数][0.5] のままにします。

    SAVI ウィンドウ

  4. [OK] をクリックします。

    新しいレイヤーである [SAVI_Before_storm.tif] が開きます。

    注意:

    元の衛星画像とは異なり、SAVI ラスター レイヤーはマルチバンドではありません。 各ラスター セルには 1 つの SAVI 数値が含まれており、これがその位置の健全な植生の状態を表します。

    また、SAVI 指数ツールはラスター関数なので、生成される SAVI レイヤーは動的に計算され、ディスクには保存されません。 中間データセットが作成されないため、プロセスはすばやく適用されます。

  5. 同じように、[After_storm.tif] 画像にも [SAVI] 指数を適用します。

    新しいレイヤー [SAVI_After_storm.tif] が表示されます。 [スワイプ] ツールをもう一度使用し、2 つの SAVI レイヤーを比較します。

  6. [コンテンツ] ウィンドウで、[SAVI_Before_storm.tif] がレイヤー リスト最上位に表示されるよう、[SAVI_After_storm.tif] の上にドラッグします。 両方のレイヤーがオンになっていることを確認し、必要に応じて [SAVI_Before_storm.tif] をクリックして選択します。

    SAVI レイヤーを上に移動

  7. リボンの [ラスター レイヤー] タブの [比較] グループで、[スワイプ] をクリックします。
  8. マップ ビューアーで上から下にドラッグし、[SAVI_After_Storm.tif] 画像を表示して [SAVI_Before_Storm.tif] 画像と比較します。

    最大の SAVI 値は白または薄いグレーの色調でシンボル表示され、健康な植生が多いエリアを表します。 畑の多くが、嵐の後のよりも前の方が SAVI 値が大きいことがわかります。 しかし、他の畑よりも被害が大きい畑があるかどうかを判断することは困難です。 次に、2 つの SAVI レイヤーの差を計算し、植生の変化を詳しく測定します。

  9. 探索を終了したら、リボンの [マップ] タブの [ナビゲーション] グループで [マップ操作] ボタンをクリックしてスワイプ モードを終了します。
  10. Ctrl + S を押して、プロジェクトを保存します。

2 つの SAVI レイヤー間の変化の計算

嵐による植生の変化を測定するには、[変化の計算] ラスター関数を使用して 2 つのレイヤー間の差を計算します。 各ピクセルについて [SAVI_After_storm.tif] の SAVI 値を [SAVI_Before_storm.tif] の SAVI 値から減算します。 計算した結果が正の値であれば、健全な植生が失われていることを意味します。

  1. リボンの [画像] タブの [解析] タブで [ラスター関数] ボタンをクリックします。

    ラスター関数ボタン

  2. [ラスター関数] ウィンドウの検索ボックスに「変化の計算」と入力し、[変化の計算] ツールをクリックして開きます。

    変化の計算ボタン

  3. [変化の計算のプロパティ] ウィンドウに、次のパラメーター値を入力します。
    • [From ラスター][SAVI_After_storm.tif] を選択します。
    • [To ラスター][SAVI_Before_storm.tif] を選択します。
    • [変化の計算方法][差分] が選択されていることを確認します。

    変化の計算のプロパティ

  4. [新しいレイヤーの作成] をクリックします。

    新しいラスター レイヤー [変化の計算_SAVI_After_storm.tif_SAVI_Before_storm.tif] が開きます。

    SAVI 値の変化を示すラスター

    紫色のエリアは健全な植生が失われた場所を表します (正の数値)。中でも損失が顕著な場所は、濃い紫で示されます。 目視確認をすると、ひょう嵐はこのエリアの北西から南東方向に通過したことが明らかです。この対角線にわたるエリアで、ほとんどの畑が被害を受けています。 一方で、画像右上の畑と左下の畑は、それほど大きな影響は受けていないようです。

    注意:

    また、緑で示されるエリア (負の数値) で、植生が少し増加したことに気づかれた方もいるでしょう。 2 つの画像の撮影日は 4 日しか離れていないため、その間に著しく生長した農作物はそれほど多くないはずです。 しかし、8 月の気候で乾燥していた露出土壌に雨が降り、ひょうが溶けたことで湿り気を帯び、急激に雑草が増えた可能性があります。

    植生が少し増加したことは、農作物の損害の解析には関連性がないため、[再分類] ラスター関数を使用し、ラスターに含まれる 0 以下のすべての値を除外します。

  5. [ラスター関数] ウィンドウで [再分類] を検索して開きます。

    再分類ボタン

  6. [再分類のプロパティ] ウィンドウで、次のパラメーター値を入力します。
    • [ラスター][変化の計算_SAVI_After_storm.tif_SAVI_Before_storm.tif] を選択します。
    • [再分類の定義タイプ][リスト] のままにします。

    ラスターに含まれるすべての負の値を削除し、[NoData] に変更するという再分類ルールを指定します。 [コンテンツ] ウィンドウの凡例に示すように、レイヤーの最小値は -0.576915 なので、最小値として -0.6 を使用します。

  7. テーブルの 1 行目に、次の値を入力します。
    • [Minimum] に「-0.6」と入力します。
    • [Maximum] は「0」のままにします。
    • [NoData] チェックボックスをオンにします。

    再分類のプロパティ

  8. [新しいレイヤーの作成] をクリックします。

    新しいラスター レイヤー [再分類_変化の計算_SAVI_After_storm.tif_SAVI_Before_storm.tif]が開きます。 短く、意味のある名前に変更します。

  9. [コンテンツ] ウィンドウで [再分類_変化の計算_SAVI_After_storm.tif_SAVI_Before_storm.tif] レイヤーを 2 回クリックして編集できる状態にします。 名前を「Loss of healthy vegetation」に変更し、Enter をキーを押します。
  10. [コンテンツ] ウィンドウで [Loss of healthy vegetation] ラスターと [World Topographic Map] および [World Hillshade] 以外のすべてのベースマップをオフにします。

    SAVI の変化 (損失のみ) を示すラスター

    新しいレイヤーは、健全な植生が失われたエリアだけが示されます。 紫色が濃いほど、損失が大きい場所を表します。

  11. Ctrl + S を押して、プロジェクトを保存します。

畑ごとの植生の平均損失の抽出

最後に、畑ごとの健全な植生の平均損失を計算します。 これを行うには、対象エリアのすべての畑の境界をポリゴンとして表す [Field boundaries] フィーチャクラスを使用します。 こうしたレイヤーは、地元の農業団体から入手できることもあります。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで [Field boundaries] レイヤーをレイヤー リストの最上位にドラッグします。 このレイヤーをオンにします。

    コンテンツ ウィンドウの最上位にある Field boundaries レイヤー

    赤色で耕作地を表すポリゴンが表示されます。

    Loss of healthy vegetation レイヤーの上に Field_boundaries レイヤーを表示した状態

    平均植生損失を計算するには、[ゾーン統計をテーブルに出力 (Zonal Statistics as Table)] ツールを使用します。 各 [Field boundaries] ポリゴンに対し、ツールは [Loss of healthy vegetation] ラスター内のすべてのピクセルの平均値を計算します。

  2. リボンの [解析] タブの [ジオプロセシング] グループで、[ツール] をクリックします。

    ツール ボタン

    [ジオプロセシング] ウィンドウが表示されます。

  3. [ジオプロセシング] ウィンドウで [ゾーン統計をテーブルに出力 (Zonal Statistics as Table)] を検索して開きます。

    ゾーン統計をテーブルに出力ツール

  4. [ゾーン統計をテーブルに出力 (Zonal Statistics as Table)] ツールで、次のパラメーター値を入力します。
    • [入力ラスター、またはフィーチャ ゾーン データ][Field boundaries] を選択します。
    • [ゾーン フィールド] は、自動的に設定される [Field_ID] のままにしておきます。
    • [入力値ラスター][Loss of healthy vegetation] を選択します。
    • [出力テーブル][Corn field damage.gdb] パスの末尾に「Vegetation_loss_table」と入力します。
    • [計算時に NoData を除外] ボックスはオンのままにしておきます。
    • [統計情報の種類] で、[平均値] を選択します。
    • 他のパラメーターについてはデフォルト値を使用します。

    ゾーン統計をテーブルに出力 パラメーター

  5. [実行] をクリックします。

    このツールによってテーブルが出力されるので、それを開きます。

  6. [コンテンツ] ウィンドウの [スタンドアロン テーブル] の下で、[Vegetation_loss_table] を右クリックして [開く] をクリックします。

    Vegetation_loss_table

    テーブルが開きます。 耕作地のポリゴンごとに 1 行が使用されます。 [Mean] 列には、各ポリゴンの健全な植生の平均損失が示されます。 共通の [Field_ID] を使用し、このテーブルを [Field boundaries] レイヤーに結合します。

  7. [Vegetation_loss_table] を閉じます。
  8. [コンテンツ] ウィンドウで [Field boundaries] を右クリックし、[テーブルの結合とリレート][テーブルの結合] を選択します。

    テーブルの結合メニュー

  9. [テーブルの結合] ウィンドウで次の値を選択します。
    • [入力テーブル][Field boundaries] が選択されていることを確認します。
    • [入力結合フィールド][Field_ID] を選択します。
    • [結合テーブル][Vegetation_loss_table] を選択します。
    • [結合テーブル フィールド][Field_ID] を選択します。

    テーブルの結合ウィンドウ

  10. [OK] をクリックします。

    [Mean] の値が [Field boundaries] 属性テーブルの各行に追加されました。 次に、平均値に基づき、等級色を使用して [Field boundaries] レイヤーをシンボル表示します。

  11. [Field boundaries] シンボルをダブルクリックし、[シンボル] ウィンドウを開きます。

    Field boundaries シンボル

  12. 必要に応じ、[シンボル] ウィンドウで戻るボタンをクリックします。

    シンボルの戻るボタン

  13. [プライマリ シンボル][等級色] を選択します。
    • [フィールド] で、[MEAN] を選択します。
    • [分類方法][自然分類 (Jenks)] を選択します。
    • [クラス] で、[4] を選択します。
  14. [配色] でドロップダウン リストを展開し、[名前の表示] を選択します。 カラー ランプのリストで [黄から赤] 配色を選択します。

    シンボル ウィンドウ

    [Field boundaries] のシンボルが更新されます。

  15. [コンテンツ] ウィンドウで [Loss of healthy vegetation] レイヤーをオフにし、マップ表示を簡易的にします。

    [Field Boundaries] レイヤーとシンボルのラベルを、意味のある名前に変更します。

  16. [コンテンツ] ウィンドウで [Field boundaries] を 2 回クリックして編集します。 名前を「Vegetation loss per field」に変更し、Enter をキーを押します。

    Field_boundaries レイヤーを Vegetation loss per field に変更

  17. [シンボル] ウィンドウの [クラス] タブで、黄色のクラスのラベル値をクリックします。 「Low」と入力して Enter キーを押します。 同様に、他のラベル値を「Medium」、「High」、「Very high」に変更します。

    クラス ラベルを変更

    [コンテンツ] ウィンドウでもラベルが更新されます。

  18. 最終的な結果を確認します。

    最終的なマップ

    健全な植生の損失が [High] および [Very high] の畑は、先ほど見たように、北西から南東の軸に沿って明らかに集中しています。 損失が [Low] の畑は、ほとんど右上と左下に集中しています。

    隣接する畑でも、損害レベルが異なる場合があります。 これにはいくつかの原因が考えられます。 たとえば、農作物の種類が異なるために、ひょう嵐による影響が異なるなどです。 また、2 つの畑で同じ農作物を栽培しているが、生長の度合いが異なる場合も、異なる影響を受ける可能性があります。

    マップには、ひょう嵐による損害の初回評価が表示されます。 これをもとに、地表に対する詳細にわたる調査を行えます。

    注意:

    次のステップとして、ArcGIS Online を使用してマップを Web に公開し、現場作業アプリケーションに統合することもできます。 この作業を行うことで、調査員はモバイル デバイスでマップを直接操作し、調査結果でリアルタイムに更新できます。 同じようなワークフローについては、チュートリアル「消火栓の点検」をご参照ください。

  19. Ctrl + S を押して、プロジェクトを保存します。

このチュートリアルでは、嵐の前と後の画像をナチュラル カラーで観察し、ピクセルのスペクトル プロファイルを調べました。 植生の健全性を評価するうえでの赤色バンドと近赤外バンドの重要性と、SAVI 指数について学びました。 SAVI 指数を両方の画像に適用し、生成された 2 つのラスター間の差を計算しました。 最後に、健全な植生の平均損失を作物畑ごとに抽出し、嵐による農作物への損害の初回評価を示すマップを作成しました。

同様のチュートリアルについては、「画像およびリモート センシングの概要」ページをご参照ください。