マリン郡の森林マッピング

このチュートリアルでは、米国の郡と土地被覆のデータを ArcGIS Pro プロジェクトに追加します。 次に、対象地域 (マリン郡) の情報を抽出します。

マリン郡のポリゴンの作成

まず、マリン郡の境界線を示すポリゴン レイヤーを作成します。 ArcGIS Living Atlas of the World から米国の郡データをダウンロードし、マリン郡のデータを抽出します。

ArcGIS Living Atlas は、世界各地の地理情報を集めた信頼性の高いサイトです。 このチュートリアルで使用する行政区域や土地被膜レイヤーなど、すぐに使えるデータ レイヤーが多数掲載されています。

  1. ArcGIS Pro を起動します。 サイン インを求められたら、ライセンスが割り当てられた ArcGIS 組織アカウントを使用してサイン インします。
    注意:

    ArcGIS Pro へのアクセス権限または組織アカウントがない場合は、ソフトウェア アクセスのオプションをご参照ください

    ArcGIS Pro を開くと、新しいプロジェクトを作成するか、既存のプロジェクトを開くかを選択できるオプションが表示されます。 以前プロジェクトを作成したことがある場合は、最近使用したプロジェクトのリストが表示されます。

  2. [新しいプロジェクト] の下の [マップ] をクリックします。

    マップ テンプレート

    [新しいプロジェクトの作成] ウィンドウが開きます。

  3. [名前] に「Marin County Smoke Detector Analysis」と入力します。 [OK] をクリックします。

    プロジェクトが作成されます。 次に、データを追加します。

  4. リボンの [マップ] タブをクリックします。 [レイヤー] グループの [データの追加] ボタンをクリックします。

    データの追加ボタン

    [データの追加] ウィンドウが開きます。 ArcGIS Living Atlas など、複数のソースからデータを追加できます。

  5. [ポータル] で、[Living Atlas] をクリックします。

    Living Atlas オプションによるデータの追加

  6. 検索ボックスに「USA Counties Counties」と入力し、Enter キーを押します。 検索結果のリストで、[USA Census Counties] をクリックします。

    検索結果の USA Counties レイヤー

  7. [OK] をクリックします。

    レイヤーが、マップに追加されます。 ここには、米国のすべての郡と、郡に相当する地域が格納されています。 ただし、ここで必要なのは、1 つの郡のデータだけです。 マリン郡を新しいフィーチャ レイヤーにエクスポートします。

  8. リボンの [解析] タブの [ジオプロセシング] グループで、[ツール] をクリックします。
    ジオプロセシング ウィンドウを開きます

    [ジオプロセシング] ウィンドウが表示されます。

  9. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[フィーチャのエクスポート (変換ツール)] ツールを検索して開きます。
    フィーチャのエクスポート ツールを開きます

    [フィーチャのエクスポート] ツール ウィンドウが開きます。

  10. [フィーチャのエクスポート] ツール ウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
    • [入力フィーチャ] で、[dtl_cnty] を選択します。
    • [出力名] に「Marin_County」と入力します。
    • [フィルター] セクションを展開し、[County name が Marin County と等しい] という式を入力します。

    新しい式ボタン

  11. [実行] をクリックします。

    ツールが実行され、新しいレイヤーが、[コンテンツ] ウィンドウに追加されます。 元のレイヤーは、必要なくなったため、削除します。

    ヒント:

    レイヤーを削除するには、レイヤー ([dtl_cnty]) を右クリックして、削除を選択します。

    次に、マップ上で、マリン郡を拡大します。

  12. [コンテンツ] ウィンドウで、[Marin_County] を右クリックして、[レイヤーにズーム] を選択します。

    マップ上で、マリン郡が拡大表示されます。

    マップ上のマリン郡

  13. [クイック アクセス ツールバー][保存] ボタンをクリックします。

    保存ボタン

マリン郡の森林地域のポリゴンの作成

次に、マリン郡の森林をマッピングします。 ArcGIS Living Atlas から、National Land Cover Database (NLCD) レイヤーを追加し、ラスター関数を使用して、森林の土地被覆のみを表示します。 さらに、マリン郡の森林地域を表すポリゴン レイヤーを抽出します。

  1. リボンの [マップ] タブの [レイヤー] グループで、[データの追加] ボタンをクリックします。 [データの追加] ウィンドウで、[ポータル] の下の [Living Atlas] をクリックします。
  2. NLCD」を検索します。 マップに [USA NLCD Land Cover] レイヤーを追加します。

    レイヤーが追加されます。 NLCD は、Multi-Resolution Land Characteristics Consortium によって作成されたデータベースです。このコンソーシアムは、米国の連邦機関で構成されるグループで、全国規模で土地被覆に関する情報を提供しています。

  3. [コンテンツ] ウィンドウで、[Marin_County] レイヤーをオフにします。

    マリン郡の土地被覆

    マリン郡の東海岸は先進地域ですが (赤で表示)、郡内地の大半は森林です (緑で表示)。 ここで、森林地域のみを表示します。

  4. リボンの [解析] タブをクリックします。 [ラスター] グループで、[ラスター関数] ボタンをクリックします。

    ラスター関数ボタン

    [ラスター関数] ウィンドウが表示されます。 ラスター関数は、[USA NLCD Land Cover] レイヤーなどのラスター レイヤーにのみ処理を適用します。 処理はリアルタイムに適用されるため、新しいデータセットは作成されません。こうすることで、時間とストレージ容量を節約できます。

  5. [ラスター関数] ウィンドウで「再分類」を検索します。 結果のリストで、[再分類] をクリックします。

    検索結果のリスト内の再分類ラスター関数

    ラスター レイヤーは、セルで構成され、各セルには、値があります。 たとえば、[USA NLCD Land Cover] レイヤーの場合、各土地被膜タイプには、一意の数値が割り当てられています (レイヤーのメタデータにあります)。 森林の土地被覆タイプの値の範囲は、41 ~ 44 です。

    [再分類プロパティ] ラスター関数は、選択したパラメーターに基づいて、セル値を変更します。 [USA NLCD Land Cover] レイヤーを再分類し、すべての森林土地被覆の値を 1 に変更し、森林以外の土地被覆タイプを削除します。

  6. [再分類プロパティ] ラスター関数の [ラスター] で、[USA NLCD Land Cover] を選択します。
  7. 行 1 の [最小] には「41」、[最大] には「44」と入力します。 [出力] で「1」と入力します。 [一致しない/欠落している値を NoData に変更] をオンにします。

    再分類プロパティ ラスター関数のパラメーター

  8. [新しいレイヤーの作成] をクリックします。

    [再分類_USA NLCD Land Cover] レイヤーがマップに追加されます。 森林地域が、白いセルで表示されます。 森林以外の地域は、データが存在しないため、描画されません。

    対象地域は、マリン郡なので、データセットを正しい範囲にクリップします。

  9. [ラスター関数] ウィンドウで、[クリップ] ラスター関数を検索して開きます。 次のパラメーターを設定します。

    • [ラスター] で、[再分類_USA NLCD Land Cover] を選択します。
    • [クリップ ジオメトリ/ラスター] で、[Marin_County] を選択します。
    • [クリップ ジオメトリに入力フィーチャを使用] をオンにします。

    クリップ ラスター関数のパラメーター

    また、出力レイヤーの名前も変更します。

  10. [一般] タブをクリックします。 [名前] に「Marin County Forest」と入力します。

    クリップ ラスター関数の一般タブのパラメーター

  11. [新しいレイヤーの作成] をクリックします。

    [Marin County Forest_再分類_USA NLCD Land Cover] レイヤーが、マップに追加されます。 このレイヤーでは、すべての森林地域が、黒いセルで表示されます。 次に、ラスター レイヤーをポリゴン レイヤーに変換し、後から情報を付加できるようにします。

  12. 必要に応じて、リボンの [解析] タブにある [ジオプロセシング] グループで、[ツール] をクリックして、[ジオプロセシング] ウィンドウを開きます。
  13. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[ラスター → ポリゴン] ツールを検索して開きます。

    ラスター → ポリゴン ツールの検索

  14. [ラスター → ポリゴン] ツールで、次のパラメーターを設定します。

    • [入力ラスター] で、[Marin County Forest_再分類_USA_NLCD Land Cover] を選択します。
    • [出力ポリゴン フィーチャ] で出力名を「Marin_County_Forests」に変更します。
    • [ポリゴンの単純化] をオフにします。

    ラスター → ポリゴンのパラメーター

  15. [実行] をクリックします。

    [Marin_County_Forests] レイヤーが、マップに追加されます。 このレイヤーは、マリン郡の中で、土地被膜の大部分が森林であるすべての場所を表します。 ただし、雑木林や牧草地として分類された隣接地域は、樹冠が十分にないため、除外されていることがあります。 そのため、森林ポリゴンの周辺に、隣接地域を包含する小さなバッファーを作成します。

  16. [ジオプロセシング] ウィンドウの [戻る] ボタンをクリックします。

    戻るボタン

  17. [ペアワイズ バッファー] ツールを検索して開きます。 次のパラメーターを設定します。

    • [入力フィーチャ] で、[Marin_County_Forests] を選択します。
    • [出力フィーチャクラス] で、出力の名前を「Marin_County_Forested_Area」に変更します。
    • [バッファーの距離] で「30」と入力し、測定単位として [メートル] を選択します。
    • [ディゾルブ タイプ] で、[すべてディゾルブ] を選択します。

    バッファー ツールのパラメーター

  18. [実行] をクリックします。

    ツールが実行され、レイヤーがマップに追加されます。 これで、森林ポリゴンが作成されました。 次に、不要な中間レイヤーを削除します。

  19. [コンテンツ] ウィンドウで、次のレイヤーを削除します。

    • Marin_County_Forests
    • Marin_County
    • Marin County Forest_再分類_USA_NLCD Land Cover
    • 再分類_USA NLCD Land Cover
    • USA NLCD Land Cover

    森林地域のポリゴンだけが残ります。

    森林地域レイヤーにバッファーを適用したマリン郡

  20. プロジェクトを保存します。

郡の境界線の ArcGIS Living Atlas データと土地被覆を ArcGIS Pro プロジェクトに追加しました。 その後、マリン郡の森林地域のポリゴン レイヤーを抽出しました。


煙探知器の設置状況のマッピング

次に、マリン郡の森林地域のポリゴン レイヤーに、煙探知器を設置した世帯の割合に関する情報を付加します。 郡の監督者は、郡全体における、こうした世帯の分布も把握したいと考えています。 そのために、六角形のテッセレーションを作成して、そこにも情報を付加します。 このようにして、情報を付加したレイヤーは、コミュニティに向けてターゲットを絞った火災対策プログラムを策定する上で、必要な情報を提供します。

森林地域レイヤーへの情報付加

まず、[Marin_County_Forested_Area] レイヤーに情報を付加し、郡全体の高リスク地域に所在する世帯のうち、煙探知器を設置している割合を確認します。

  1. 必要に応じて、ArcGIS Pro で、[Marin County Smoke Detector Analysis] プロジェクトを開きます。
  2. 必要であれば、[ジオプロセシング] ウィンドウを開きます (またはツールがすでに開いている場合は、[戻る] ボタンをクリックします)。 [情報付加] ツールを検索して開きます。

    [情報付加] ツールは、ArcGIS GeoEnrichment Service を使用して、ポリゴンの人口統計情報を特定します。 GeoEnrichment Service は、130 か国以上で使用できます。そのうちの数か国については、最新の年間推定における数千件もの人口統計変数や消費者行動変数も利用できます。

    注意:

    [情報付加] ツールは、ArcGIS アカウントに割り当てられたクレジットを消費します。 このセクションでは、4 つのフィールドで情報を付加し、0.04 クレジットを消費します。 次のセクションでは、4 つの変数を使用して、463 個のフィーチャに情報を付加し、合計で 18.63 クレジットを消費します。 クレジット使用量の詳細については、ArcGIS Online のヘルプ トピック クレジットの概要をご参照ください。

  3. [入力フィーチャ] で、[Marin_County_Forested_Area] を選択します。 [出力フィーチャクラス] で、出力の名前を「Marin_County_Forested_Area_Smoke_Detectors」に変更します。

    情報付加ツールの入力パラメーターと出力パラメーター

    次に、人口統計データ ソースを、デフォルトのソースから米国のデータに特化したソースに変更します。

  4. [環境] タブをクリックし、[参照] ボタンをクリックします。

    参照ボタン

    [Business Analyst データ ソース] ウィンドウが表示されます。

  5. [ポータル] で、[北アメリカ] をクリックします。 [アメリカ][Esri 2023] を選択して、[OK] をクリックします。

    アメリカの標準的なデータ ソース

    データ ソースが更新されます。 次に、この地域に情報付加する人口統計変数を選択します。

  6. [パラメーター] タブをクリックします。 [変数] でプラス ボタンをクリックします。

    プラス ボタン

    [データ ブラウザー] ウィンドウが表示されます。

  7. 検索ボックスに「Smoke Detector」と入力し、Enter キーを押します。 [2023 Household Furnishings & Appliances (Market Potential)] で、[2023 HH owns smoke/fire detector] をオンにします。
    注意:

    人口統計データは、定期的に更新されます。 使用可能な場合は、最新の人口統計データを自由に選択できます。

    煙探知器の変数

    データ プロバイダーである [Market Potential] が括弧書きで示されています。 このチュートリアルの最後に、データ ソースをマップに追加します。

    また、煙探知器や火災探知器を所有する世帯数をコンテキスト化する変数も追加します。 これらの変数には、火災時に何らかのリスクを負う可能性がある人 (喘息持ちの人やシニアなど) と世帯の合計数に関する情報も含まれます。

  8. Asthma」を検索します。 [2023 Health (Market Potential)] で、[2023 Used Asthma Prescription Drug] をオンにします。
  9. 左側のウィンドウの [アメリカ (Esri 2023)] で、[カテゴリ] をクリックします。 [Age] カテゴリをダブルクリックします。

    Age カテゴリ

  10. [Age Dependency] をダブルクリックします。 [2023 Senior Population] をオンにします。
  11. 左側のウィンドウで、[カテゴリ] をクリックします。 [Households] カテゴリをダブルクリックします。
  12. [Household Totals] をダブルクリックして、[2023 Total Households] をオンにします。

    これで 4 つの変数を選択しました。 ウィンドウ右上隅のインジケーターに、その数が示されます。

    変数の合計数のインジケーター

  13. [OK] をクリックします。

    変数への情報付加

    選択した変数がすべて表示されます。

  14. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[クレジットの推定] をクリックします。

    クレジットの推定

    このツールを実行すると、0.04 クレジットが消費されます。

  15. [実行] をクリックします。

    ツールが実行され、[Marin_County_Forested_Area_Smoke_Detectors] レイヤーが、マップに追加されます。 これで、元の森林地域レイヤーは不要になりました。

  16. [コンテンツ] ウィンドウで、[Marin_County_Forested_Area] を右クリックし、[削除] を選択します。

    レイヤーのポップアップを開き、人口統計データを用いたレイヤーへの情報付加の結果を確認します。

  17. 必要に応じて、リボン上の [マップ] タブの [ナビゲーション] グループで、[マップ操作] をクリックします。
  18. マップ上で、結果ポリゴンの内部をクリックします。

    レイヤーに情報を付加するときに使用したフィールドなど、ポリゴンの属性に関する情報を含むポップアップが開きます。

    ヒント:

    ポップアップのサイズを変更すると、すべてのフィールドが見やすくなります。

    Marin_County_Forested_Area_Smoke_Detectors レイヤーのポップアップ

  19. ポップアップを閉じます。
  20. プロジェクトを保存します。

テッセレーションの作成と情報付加

結果には、マリン郡の森林地域にあるすべての世帯の人口統計データが含まれています。 この情報は、地域の監督者に地域の全体像を示す際に役立ちます。 しかし、森林地域が郡の大部分を占めており、世帯が集中している場所はわかりません。

データの空間分布をマッピングするために、テッセレーションを作成します。 テッセレーションは、ポリゴンを小さいジオメトリック形状に分けたものです。 森林地域のポリゴンを六角形で分け、同じ人口統計変数によって情報を付加して、世帯の所在地をわかりやすくします。

  1. [ジオプロセシング] ウィンドウの [戻る] ボタンをクリックします。 [テッセレーションの生成] ツールを検索し、開きます。
  2. ツールで、以下のパラメーターを設定します。

    • [出力フィーチャクラス] の名前には「Marin_Hexagon_Bins」と入力します。
    • [範囲] で、[レイヤーの範囲] の下矢印をクリックし、[レイヤーと同じ: Marin_County_Forested_Area_Smoke_Detectors] を選択します。
    • [サイズ] に「2」と入力し、測定単位として [平方米国測量マイル] を選択します。

    ポリゴンに対して [情報付加] ツールを使用する場合、最小推奨サイズは 2 平方マイルです。 これよりもポリゴンが小さくなると、結果の信頼性が低くなります。

    テッセレーションの生成ツールのパラメーター

    注意:

    平方マイルから不明な単位への面積単位の変換はサポートされていないことを示す、警告メッセージが表示されることがあります。 このメッセージは、ワークフローに影響しないので、無視してかまいません。

  3. [実行] をクリックします。

    ツールが実行され、マップに [Marin_Hexagon_Bins] レイヤーが追加されます。 レイヤーには、マリン郡全体の長方形範囲を網羅する、六角形グリッドが表示されます。 六角形の多くはマリン郡と交差しないか、森林地域以外のエリアが含まれています。 レイヤーを森林地域のポリゴンの範囲にクリップします。

  4. [ジオプロセシング] ウィンドウの [戻る] ボタンをクリックします。 [ペアワイズ クリップ] ツールを検索して開きます。
  5. [入力フィーチャ] で、[Marin_Hexagon_Bins] を選択します。 [クリップ フィーチャ] で、[Marin_County_Forested_Area_Smoke_Detectors] を選択します。
  6. [実行] をクリックします。

    ツールが実行され (数分かかることがあります)、レイヤーが、マップに追加されます。

  7. [コンテンツ] ウィンドウで、[Marin_Hexagon_Bins] を右クリックし、[削除] を選択します。
    注意:

    レイヤーのシンボルはランダムであるため、画像例とは異なる場合があります。

    六角形ビンを含むマリン郡の森林地域

    次に、六角形に同じ人口統計情報変数を付加します。 変数をもう一度選択しなくても、ジオプロセシング履歴を開き、以前に使用したパラメーターで、[情報付加] ツールを実行できます。

  8. リボンの [解析] タブをクリックします。 [ジオプロセシング] グループの [履歴] ボタンをクリックします。

    ジオプロセシング履歴ボタン

  9. [情報付加] をダブルクリックします。

    ジオプロセシング履歴の情報付加ツール

    [ジオプロセシング] ウィンドウが開き、[情報付加] ツールが表示されます。 ツールの初回実行時に選択したすべてのパラメーターがそのまま残っています。 変更が必要なのは、入力パラメーターと出力パラメーターのみです。 今回は、他のフィーチャにも情報を付加するため、ツールで消費するクレジットは多くなります。

  10. [入力フィーチャ][Marin_Hexagon_B_PairwiseClip] に変更します。 [出力フィーチャクラス] で、出力の名前を「Marin_Hexagon_Bins_Enriched」に変更します。

    六角形のビンへの情報付加

  11. [クレジットの推定] をクリックしてから、[実行] をクリックします。

    このツールは、およそ 9 クレジットを消費します。 ツールが実行され、レイヤーが、マップに追加されます。 これで、元の六角形レイヤーは不要になりました。

  12. [コンテンツ] ウィンドウで、[Marin_Hexagon_B_PairwiseClip] を右クリックし、[削除] を選択します。
  13. プロジェクトを保存します。

結果のシンボル表示

結果を郡の担当者と共有します。 情報付加したデータをシンボル表示し、結果を一目で理解できるようにします。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Marin_Hexagon_Bins_Enriched] を右クリックし、[シンボル] を選択します。

    [シンボル] ウィンドウが表示されます。 現時点で、六角形は、色でシンボル表示されています。 煙探知器を設置していない住宅の割合が高い六角形を、リスクがあることを示す赤やオレンジにして、シンボルを変更します。

  2. [シンボル] ウィンドウの [プライマリ シンボル] で、[等級色] を選択します。 [フィールド] で、[2023 HH Owns Smoke or Fire Detector] を選択します。

    変更したプライマリ シンボルとフィールド パラメーター

    マップ上の多くの六角形には、人が住んでいません。 このような六角形は、他のデータとは異なるシンボルにします。

  3. [高度なシンボル オプション] タブをクリックします。

    高度なシンボル オプション タブ

  4. [データの除外] を展開し、[新しい式] ボタンをクリックします。 「Has Data が 0 と等しい」という式を作成します。

    データが含まれない六角形を除外する式

    この式は、データを含まない六角形のシンボル クラスを作成します。 次に、データを含まない六角形のクラス数と配色を調製します。

  5. [適用] をクリックします。 [プライマリ シンボル] タブをクリックします。

    プライマリ シンボル タブ

  6. [クラス] で、[3] を選択します。

    凡例が更新されます。 合計で 5 つのクラスが表示されます。そのうち 4 つはデータあり、1 つはデータなしの六角形です。 凡例の値は、煙探知器を設置した世帯の合計数です。 世帯の割合を示すため、世帯の合計数でデータを正規化します。

  7. [プライマリ シンボル] タブの [正規化] で、[2023 Total Households] を選択します。

    凡例が更新されます。 クラスは、割合に対応する 0 ~ 1 の値で表されます。 現在、各クラスの値の範囲は、データの統計上の傾向によって判断されます。 値を、わかりやすい間隔に変更します。

  8. [シンボル] ウィンドウの [クラス] タブにある最初のクラスで、[上限値] 列の該当するセルをダブルクリックし、「0.5」と入力して、Enter キーを押します。

    2 行目の上限値

  9. 2 行目の上限値を「0.75」に変更します。

    さらに各クラスのラベルを更新し、パーセンテージとして表します。

  10. 最初のラベルを「50% 未満」、2 つ目のラベルを「50 ~ 75%」、3 つ目のラベルを「75% より大きい」、4 つ目のラベルを「住民なし」に変更します。

    ラベルの編集

    最後に、色を変更します。 まず、等級色のカラー ランプを変更します。 次に、除外されたクラスの色を変更します。

  11. [配色] でドロップダウン リストを展開し、[名前の表示] をオンにします。 次に、[黄オレンジ赤 (3 クラス)] の配色を選択します。

    黄オレンジ赤の配色

    パーセンテージが最も低い場所 (煙探知器の設置数が少ない場所) の色が濃くなるよう、シンボルの順序を反転させます。

  12. [シンボル] 列見出しを右クリックし、[シンボルの順序の反転] を選択します。

    シンボルの順序の反転オプション

  13. [除外] クラスの 1 列目で、シンボルをクリックします。

    除外されたシンボル

  14. [ポリゴン シンボルの書式設定] ウィンドウで、[プロパティ] タブをクリックします。 [色][セージ ダスト] (第 7 列、第 7 行)、[アウトライン色][ロータス ポンド グリーン] (第 7 列、第 10 行) を選択します。

    除外クラスの色とアウトライン色パラメーター

  15. [適用] をクリックして、[シンボル] ウィンドウを閉じます。 [コンテンツ] ウィンドウで、[Marin_County_Forested_Area_Smoke_Detectors] レイヤーをオフにします。

    データを含まない六角形の色が、凡例とマップで更新されます。

    六角形でシンボル表示したマリン郡

    ほとんどの六角形は住民なし、または煙探知器の設置率が 50.1 ~ 75.0 パーセントとなっています。 設置レベルが 50 パーセント未満となっているのはごくわずかで、煙探知器をまったく設置していないのはさらに少なくなっています。 値が 0% の住民はいませんでした。 ただし、一部の地域にはデータが含まれず、除外したことにも注意してください。 設置率が 50% 未満の六角形のいくつかを詳しく見ていきます。

  16. マップ上で、任意の赤い六角形をクリックします。

    ポップアップが表示されます。 赤い六角形のほぼすべてで、合計世帯数が非常に少なくなっています。 そのほとんどは 1 世帯だけで、煙探知器は設置されていません。 マップ上のこの傾向を説明する必要はありませんが、六角形ビンの世帯数がこれほど少ない理由には、2 つの潜在的な要因が考えられます。

    1 つ目の要因は、[情報付加] ツールでは、米国国勢調査局の Block Point Centroids を割り当て変数の基準として使用していることです。 農村地区では、通常はブロック ポイントよりも住宅数が多くなるため、[情報付加] ツールが、住宅を省略することがあります。

    2 つ目の要因は、米国国勢調査局がプライバシー保護の観点から、住民数が少ない場所を公開していないことです。 住民数が少ないまたは住民がいない六角形にも、実際には住民がいる場合もありますが、データが公開されていません。

    このようなことから、農村地区の [情報付加] の結果のいくつかが、正確ではないことがあります。

  17. ポップアップを閉じます。

データの書式設定

データから不要なフィールドを非表示にし、データ ソースの出典を記して、作業を完了します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Marin_Hexagon_Bins_Enriched] を右クリックして、[属性テーブル] を選択します。

    テーブルには、郡の担当者には必要がないフィールドがいくつか含まれています。

  2. 次の各フィールドの見出しを右クリックし、[フィールドを非表示] を選択します。

    • OBJECTID
    • GRID_ID
    • aggregationMethod
    • ORIGINAL_OID
    • sourceCounty
    • apportionmentConfidence
    • populationToPolygonSizeRating
    • Shape_Length
    • Shape_Area

    非表示のフィールドを含む属性テーブル

  3. 属性テーブルを閉じます。 [Marin_County_Forest_Area_Smoke_Detectors] レイヤーの属性テーブルを開き、次のフィールドを非表示にします。

    • OBJECTID
    • aggregationMethod
    • ORIGINAL_OID
    • sourceCounty
    • apportionmentConfidence
    • populationToPolygonSizeRating
    • Shape_Length
    • Shape_Area

  4. 属性テーブルを閉じます。

    ここで、レイヤーをより意味のある名前に変更します。

  5. [コンテンツ] ウィンドウで、[Marin_Hexagon_Bins_Enriched] をダブルクリックします。 [レイヤー プロパティ] ウィンドウの [一般] タブで、[名前] を「Marin County Forested Area Smoke Detector Adoption Rate」に変更し、[OK] をクリックします。
  6. [Marin_County_Forested_Area_Smoke_Detectors] レイヤーの [レイヤー プロパティ] ウィンドウで、[名前] を「Marin County Total Forested Area Smoke Detector Adoption Rate」に変更し、[OK] をクリックします。

    最後に、[情報付加] ツールによって提供された変数のデータ ソースの出典を記します。

    ヒント:

    Esri サービスが使用する、すべての人口統計データのソースは、Esri Demographics のドキュメント ページにあります。 特定のデータ ソースを見つけるには、[データ] タブをクリックして、データのジオグラフィに基づいて、最適なセクションに移動します。 たとえば、このチュートリアルで使用したデータのソースを探すには、[United States] セクションで、[Market Potential] をクリックし、[Methodology] にスクロールします。 次に、2023 Esri Market Potential Methodology Statement ドキュメントにアクセスします。 記載されているデータ ソースは、MRI-Simmons の MRI Survey of American Consumer, 2022 Doublebase® です。

  7. [コンテンツ] ウィンドウで、[Marin County Forested Area Smoke Detector Adoption Rate] を右クリックして、[プロパティ] を選択します。 [レイヤー プロパティ] ウィンドウの [メタデータ] タブの [データ ソースからメタデータを表示 (読み取り専用)] で、[レイヤーに独自のメタデータがあります] を選択します。

    レイヤーに独自のメタデータがありますオプション

  8. [著作権] に、次のテキストを貼り付けます。

    Esri 2023 Market Potential data derived from MRI Survey of the American Consumer, 2022 Doublebase® from MRI-Simmons.

    著作権テキスト

  9. [OK] をクリックします。
  10. [Marin County Total Forested Area Smoke Detector Adoption Rate] レイヤーの [レイヤー プロパティ] を開きます。 [メタデータ] タブで、[レイヤーに独自のメタデータがあります] を選択し、同じ出典を [著作権] ボックスに追加します。
  11. [OK] をクリックします。 プロジェクトを保存します。

このチュートリアルでは、マリン郡の森林地域内の住宅における煙探知器の設置状況について、郡の監督者に情報を提供しました。 このタスクでは ArcGIS ProArcGIS Living Atlas of the WorldArcGIS GeoEnrichment Service を使用しました。 解析には信頼性の高いデータを活用し、それを直感的なシンボルで表すことによって、郡の担当者への情報提供に役立てました。

解析の結果は、ArcGIS Pro プロジェクト パッケージとして共有できます。 あるいは、対話型の Web マップとして共有して、担当者自身が探索できるようにする方法もあります。

他のチュートリアルについては、チュートリアル ギャラリーをご覧ください。