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The ArcGIS Imagery Book: 第 9 章

未来は今ここに

インテリジェントな画像がもたらす未来の地図

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ここまで読まれた方は、GIS と画像で起こっている大きな変化を十分に認識しているでしょう。過去を遡っても、これだけ多くの画像の情報フィードや地理情報が、コンピューティングやストレージの制約もなく、急速に拡大中の GIS コミュニティに提供されてきたことは一度もありませんでした。このことは、クラウドの ArcGIS を利用すれば、非常に大きなエンタープライズ コンピューティング構成を必要とする大規模組織だけでなく、実質的にすべての人にとっても当てはまります。そこには、想像を超える可能性が広がっています。

私たちはGISの時代に突入しています。


クラウド コンピューティングの成長と ArcGIS の進化、そして画像フィードとリモート センシング フィードの爆発的な増加により、GIS ユーザーにとってはまたとないエキサイティングな時代が到来しています。素晴らしい変革も進行中です。GIS はますますソーシャルになり、アクセスが簡単になっているだけでなく、効果も高まっています。私たちは GIS が人々の暮らしに大きな変化と意義をもたらしているのを毎日のように目の当たりにしています。GIS は人々の活動そのものになりつつあります。ArcGIS を枠組みとして応用し、人々が互いにコラボレーションしたり、作業効率を向上させたり、より効果的な決断を下したり、理解を深めたり、コミュニケーションを円滑に図ったり、世界に大きな違い生み出したりすることで、知性あふれる変革を実現しています。そして、こうした変革の中で画像が果たす役割は計り知れません。

明らかなのは、こうした新しい環境では、組織やコミュニティを横断したコラボレーションや情報共有が歓迎、奨励されるということです。それどころか、こうしたコラボレーションや情報共有は必要なことであると言う人もいるでしょう。これはとてつもなく大きなチャンスで、GIS のコンセプトやビジョンはすっかり姿を変えたと考えています。あなたは組織のためだけに GIS に取り組んでいるのではなく、あなたの作業はより大きな「世界ための GIS」の重要な一部分にもなっています。

GIS は、個人的な視点をより大きい共同システムへとつなぎます。それは、双方向的です。他のユーザーが公開している情報を必要に応じて利用し、その代わりに、他の組織が探索したり利用できるよう、自分の情報をより大きいエコシステムにフィードバックします。

情報の共有や利用にこうした変革を巻き起こしたのは画像以外の何者でもありません。

GIS が、オープンデータとコミュニティのつながりを可能にするクラウドに移行するなか、画像は ArcGIS とともに爆発的な成長を遂げています。米国労働省では、コンピューティングおよび技術産業の中で今後 10 年間に大きな成長が見込まれる上位 3 つの職種として、GIS 関連の職種を挙げています。

世界のための GIS を実現する画像の力

最新の GIS は参加型、共有型、共同作業型


GIS は世界中の 350,000 を越える組織によって利用されており、人間が活動する実質的にすべての分野で応用されています。画像は GIS を輝かせるエンジンのようなもので、世界中でかつてないほど活用されています。これこそが、画像のパワーです。見えることは理解することと同じです。

GIS の初期の頃から、成功するためには、直近の作業グループ以外の、他のソースの画像とデータが必要であることが理解されていました。そのためデータ共有の必要性が急速に認識されました。そしてオープンな GIS とデータ共有は GIS コミュニティ全体で非常に急速に勢いを増しました。これらは GIS の導入において重要な課題であり続けています。

レベルに関係なく多くの政府が、画像コレクションなどの地理情報へのアクセスを公開しつつあります。公開することで自国の市民が大きなメリットを享受できることがわかっているからです。

GIS: 統合のエンジン

GIS は、ある種の統合エンジンを提供します。これは、重要な考え方です。私たちは、独自の地理情報システムに焦点を当て、取り組みを続けています。そして、きわめて有望で、包括的な世界のための GIS を構築しています。この GIS の世界は日々成長し、情報は豊かになっています。世界中の画像情報のコレクションが日々集められ、更新されています。こうしたフィードやサービスは、GIS ユーザー コミュニティ全体によってさらなる発展を遂げています。地球を参照する一連の情報レイヤーが、複数のソースから得られた情報を統合しやすくしています。

画像と GIS は Web でアクセス可能


GIS はクラウドに移行しつつあります。クラウドは、情報を利用可能にする素晴らしいコンピューティング ネットワークで、誰もが豊富な情報源にアクセスすることができます。どのレイヤーにも URL (Web アドレス) があるため、それを探すと、データを簡単に使用できるようになります。データ レイヤーの URL を参照して GIS に取り込むだけで、実際の作業に活用することができます。さまざまなソースからレイヤーをマッシュアップしたら、それを Web マップに保存し、アプリとして公開するだけでパワフルな情報製品が新たに生み出し、ほとんどすべての人と共有することができます。地理情報のオーサーシップを主張できる新時代の到来により、私たちが視点を持ち、自らの主張について論拠を示し、他者を説得し、影響を与えることが可能になります。

この目的に特化したストーリー マップは、アラスカで温暖化が進んでいる様子を裏付けています。GIS コミュニティの多くのユーザーが共有した画像と GIS の応用範囲は多岐にわたります。多くの組織は、これらのリソースにより、GIS コミュニティが提供するコンテンツを日常業務に活用しています。ArcGIS を利用すると、コミュニティ全体で情報を共有することの重要性を認識し、そのありがたみがわかるだけでなく、ArcGIS がどれだけ業務の質を向上させ、私たちの仕事を遂行させてくれているかも実感できるでしょう。

未来の GIS を想像する

未来は今ここに


すべての GIS ユーザーが、世界中のさまざまなエリアについて数々の組織が共有している画像、リモート センシング情報、その他の地理レイヤーのカタログにアクセスできる時代を想像してください。さらに、この画像カタログが毎日新しいシーンで更新されるとしたらどうでしょう。新しいセンサーが毎日のように打ち上げられているとしたら? その情報の大半が一般公開されているとしたら? 未来は今ここにあります。

この最新の GIS は、参加型でソーシャルな性質を持ちます。現代社会の情報ニーズを考慮すると、このような新しいシステムはただ参加を促すだけではありません。システムのユーザーにより参加することが求められます。重要な進歩の多くを認識し、注意を向けることは大切なことです。このような進歩は、画像と GIS の相乗効果によってどのようなことが可能になるか、私たちの視点やビジョンを変えようとしています。

制限の無いデータ ストレージとコンピューティング 画像の一般公開 すぐに使える解析ツール ハイパーローカルなカスタム ミッション カスタムの衛星ミッション

制限の無いデータ ストレージとコンピューティング

GIS と画像には、ビッグ データだけでなく、ビッグ コンピューティングも必要です。クラウド システムでは、どのようなレベルのコンピューティングも、必要なときに有効化するだけで利用することができます。現在、データ ソースの近くでハイエンドの解析を実行できます。ストレージ容量は実質的に無制限です。必要であれば、増やすことができます。大規模な演算処理が可能なハードウェアを購入することはほとんどありません。クラウド コンピューティングを利用すれば手に入ります。

この画像マップは、一定の時間をかけて収集された数千枚もの Landsat シーンの一部を、南極の画像モザイク データセットにまとめたものです。
南極の画像の一部を拡大したもの。タイム コントローラー (時計アイコンでオンにする) を使用すると、クリックするだけで次の画像キャプチャに移動できます。これまでに、科学者が指先 1 本でこれだけのデータ量をすぐに利用できることはありませんでした。

画像の一般公開

画像処理の初期の時代には、多くの画像ソースは収集にコストがかかり、数か月もの時間を要していました。これからは、衛星などのプラットフォームが、マルチバンド センサー、LIDAR、その他のデータ ソースを使用して価値の高い情報を提供します。ユーザーは、最適な画像を業務に使用することを期待しています。GPS 搭載スマートフォンのおかげで道に迷わずに済むこと、リビング ルームで映画館並みの大画面を楽しめること、世界中の画像にいつでもアクセスできることは、今や当たり前のこととなっています。このような変化による影響は、ようやく認識され始めているところです。

ドイツの首都ベルリン、および世界中のその他数百もの都市や組織が、最新の高解像度オルソ画像を ArcGIS コミュニティ ベースマップに提供してきました。
画像解析はどこでも使用できます。新たに誕生した画像アナリストたちが、さまざまな画像計算向けのモデルを作成し、共有するでしょう。これらのモデルはギャラリーで提供され、多様性に富み、拡大を続けている GIS コミュニティで使用されます。

すぐに使える解析ツール

GIS とは、解析を行い、インテリジェントな解析モデルを使用して複数のレイヤーを組み合わせることです。ArcGIS ではさまざまな解析ツールを豊富に提供しており、業務や問題の解決に活用したり適用することができます。これらの解析ツールは、個人用のデスクトップであれ、大規模なエンタープライズ コンピューターであれ、クラウドの ArcGIS Online であれ、さまざまな場所に常駐するデータに適用できます。画像解析は、急激な拡大を遂げている大規模な画像処理の機能の 1 つです。

ハイパーローカルなカスタム ミッション

ドローン時代が到来しました。それに伴い、個人的な飛行ミッションを実施して独自の地図を作成し、さまざまな問題に対して斬新な方法で GIS を応用することも可能になりました。たとえば街路舗装の状態の確認、共同溝での飛行ミッション、魚類や野生動物の生息環境の保護、緊急事態や災害への対応、気候、森林、農園の監視、小規模で局地的な地形の管理などが挙げられます。

多くのユーザーは、独自のプライベート GIS アプリケーションで使用するために、ローカルな飛行ミッションを実施します。Drone2Map では、特定の調査エリアについて、ほぼリアルタイムに GIS ベースマップの基盤を作成できるため、それを利用してさまざまな種類の GIS レイヤーを追加し、解析することができます。これを「インスタント GIS」と呼びます。
靴箱ほどのサイズの衛星が国際宇宙ステーションから打ち上げられています。こうした小型衛星は、アメリカ国立研究所、NanoRacks、Planet Labs の共同ミッションの一環として打ち上げられているもので、さまざまな実用や用途向けに地球のスナップショットを毎日撮影することを目的としています。チームの説明をご参照ください。

カスタムの衛星ミッション

毎日新しいセンサーが打ち上げられ、特定の目的にかなう画像コレクションの作成に役立てられています。これに含まれるスペクトル バンドは、貴重な情報や結果を生成する解析処理が可能で、これを基に、私たちの業務やミッションを効果的に監視することができます。

技術的なトレンドの融合


オンボードの解析により、未加工の画像と処理済みの画像の両方にアクセス

将来的には、衛星から未加工の画像データをダウンロードするだけでなく、解析計算が行われた後の画像をその場でダウンロードし、画像で使用できるようになるでしょう。

ArcGIS には、センサーからローカル コンピューター、そしてインテリジェントな画像のクラウド処理など、実質的にどこにでも導入可能な解析機能が搭載されています。さらに、この解析処理はほぼリアルタイムで行われます。つまり、これらのプラットフォームから得られる情報フィードは、未加工の画像データ フィード以上の価値があるということです。有益な情報に加工された画像インテリジェンスが提供されるため、業務や活動に役立てることができます。

コンピューティングの制約はなくなる

Google のように、10,000 台以上のコンピューターにアクセスできるユーザーはどれだけいると思いますか? また、それだけの費用を支払える人はどれだけいるでしょうか? 実は、どの ArcGIS ユーザーも、クラウドの大量のコンピューティング リソースにアクセスでき、分散型ラスター ストレージや解析を実行できます。

世界中で増えつつある GIS が地球のマクロスコープを提供

GIS と画像は、さまざまな地理情報レイヤーを組み合わせることで、統合的なエンジンを提供します。数千もの組織でコミュニティ参画や共有が増えるなか、世界の GIS の情報と画像レイヤーはさらに豊富に、そして有能になっています。ArcGIS とクラウド コンピューティングにより、地球に関する見識を得ることができます。

これらのレイヤーを視覚的にも解析においても統合できるため、より深い新たな洞察と視点を得ることができ、世界に対する理解を深め、効果的に管理することができます。

マルチスペクトル画像はセンサー プラットフォームから直接リアルタイムで提供されるもので、さまざまな用途に対して処理し、表示することができます。画像処理アルゴリズムを未加工の画像に適用すると、自分が望む結果を生成することができます。この例では、Landsat 8 シーンを解釈し、それと同時にリアルタイムの画像インテリジェンスとして配信しています。

未来は個人的な用途にも


ナビゲーション可能なこの 3D Web シーンは、実際の自転車のルートを示すものです。速度と心拍の情報を GPS デバイスから取得した情報を、位置情報を持った 3D グラフとして高さを強調した地形上に高解像度の画像で覆った Web シーンに表示します。
コンバージング テクノロジーは、想像もつかないような没入型の操作を地理画像に対して行える時代へと先導しています。Occulus Rift のような 3D ヘッドセット用の新しいアプリケーションにより、私たちの周りの世界に対する理解と関係性の見直しが期待されています。驚きはまだまだこれからです。

ドローンからの GIS データの作成

2D ギャラリー


ドローン ミッションで収集された写真や動画は、オルソ補正されたマッピング画像を作成するために真上から撮影されているか、調査のために、建物などのインフラストラクチャに対して斜めの角度で撮影されています。いずれの方法も、GIS で利用可能なデータを生成します。以下に、Drone2Map による処理で生成された 2D GIS データ出力の例を示します。その下では、3D 出力のギャラリーを示します。

オルソモザイク

GIS ユーザーにとって、オルソモザイク画像とは究極のグランドトゥルースです。オルソモザイクは、既存のマップ フィーチャを検証し、手動または自動のデジタル処理によって新しいマップ フィーチャを作成します。また、超高解像度で調査エリアの GIS ベースマップとして表示することもできます。

DSM

スイスのジュネーブ湖畔にある同じ建物の DSM とオルソモザイクを並べて表示しています。これを見ると、地上にある事物の本当の形状がわかります。ここでは陰影起伏表現が適用されています。

ドローンからの GIS データの作成

3D ギャラリー


RGB でレンダリングされた LAS データ

LAS ファイルは、航空機 LIDAR データを格納する業界標準の形式です。このレンダリングでは、ソース写真から各ポイントに RGB 値を割り当て、写実的な効果を実現しています。

標高としてレンダリングされた LAS データ

同じ LAS 点群を、データの属性に基づいてレンダリングできます (ここに示すような標高など)。赤は、シーン内で最も標高が高い場所です。

3D メッシュ

3D メッシュはすべてのポイントの合成で、三角形や面の集合でつなげられています。これにより、ナビゲーション可能な 3D シーンが作成されます。

斜めからの写真のコレクション

カメラが撮影した、斜めからの未加工の写真には、いくつかの用途があります。まず、3D データ レイヤーのソースとしての役割があります。また、各写真は、それ自身が単独で調査用のプロダクトとして機能します。

オピニオン リーダー: Kathryn Keranen と Lyn Malone

GIS 技術は、学生の学習方法にも変化をもたらします


「デジタル移民」という言葉を聞いたことはありませんか?デジタル移民とは、ソーシャル テクノロジーがオンラインに登場する前に生まれた人たちのことです。たとえば、「5 歳の甥っ子に、スマートフォンのアプリの使い方を教えてもらった」人などです。今日の学生の大半は、スマートフォン、デスクトップ PC、ノート PC、タブレット、GPS デバイスなどがない生活を経験したことがないはずです。生まれたときからインターネットやモバイル技術、ソーシャル メディアを通じて、デジタル的に世界とつながってきた彼らは、最初の「デジタル ネイティブ」です。これは、デジタル技術になじむ努力を必要としない世代を表すために、ピュー財団が使用している用語です。このおかげで、現在の学生が互いにつながったり、世界を見たり、技術を使用したりする方法も変わりました。デジタルの世界で育ったことは、学習の方法にも大きく影響しました。

GIS、GPS (全地球測位システム)、リモート センシングは、学生が世界について学ぶ方法を根本的に変えました。政府機関や企業、環境グループ、ヘルスケア業界がそれぞれの分野で問題を解決し、決断するために使用しているのと同じツールを、学生たちは教室の中で使用し、実世界の問題を見つけ出し、それに対処しています。

GIS は、実世界で有効活用されている、問題解決のためのツールです。教育現場以外の GIS ユーザー、つまり政府、企業、天然資源管理、ヘルスケアなどの分野に携わる人たちは、このパワフルな技術を、まさに問題解決のために活用しています。このツールは、最も汎用性が高く、効果的な問題解決ツールであると言えます。その主題が科学であれ数学であれ経済であれ、あるいは教室が小学校であれ中学校であれ高校であれ、学生は GIS を通じ、技術を効果的に使用して包括的に問題に対処する方法を学ぶことができるとともに、21 世紀の仕事や生活において直面する課題にも備えることができます。

Kathryn Keranen: バージニア州フェアファックス郡の元教師。20 年前から現在にわたり、ジェイムズ マディソン大学の非常勤講師として、学生や講師たちを対象に地理空間技術について教鞭をとっています。全 4 巻のシリーズ『Making Spatial Decisions』を共同で執筆しました (共同執筆者は Robert Kolvoord 氏)。Lyn Malone: 地理空間技術の教室での応用を専門とする教育コンサルタント。著書に『Mapping Our World: GIS Lessons for Educators』および『Teachers Guide to Community Geography』があります。

Keranen および Malone の両氏は、Esri Press 発行の『Instructional Guide for the ArcGIS Book 』を共同執筆しました。

教育界のリーダーは、問題解決型の学習方法の是非を長きにわたって議論してきました。問題解決型の学習には終わりがありません。つまり、1 つの正解を覚えるのではなく、さまざまな代替策や可能性を模索するというプロセスです。教室で GIS を使用することで、問題解決のスキルが養われます。たとえば、関連性のある疑問を呈すること、その疑問を調査するためのデータを獲得すること、そのデータのパターンを観測し、解析すること、データ分析結果から推測と結論を得ること、そして調査の結果に対して行動するなどといったことが行えるようになります。GIS は、問題解決能力が欠かせない職業にも対応できます。GIS を利用できる教室は将来への足掛かりとなるのです。GIS は、その性質から複数の専門分野にまたがっているため、さまざまな主要科目の知識やスキルを統合するのに理想的なツールです。GIS では、数学と地理学が組み合わさることで、歴史や市政学、環境科学、生物学、地球科学、社会学、言語学、文学などの学問分野のデータの観測や解析の基盤となります。複数の専門分野にまたがる解析を通じ、GIS は学習したことを幅広いコンテンツ領域に引き継ぐだけでなく、その応用性と関連性を示すことで、コンテンツ領域の学習を強化します。

私たちは過去 20 年間にわたり、GIS で海洋の変化を目の当たりにしてきました。その変化は、教室においても大きな影響がありました。20 年前、GIS はデスクトップベースのソフトウェアでした。それを教室で使用するには、教師たちはソフトウェアのインストールやデータ ストレージに伴う困難な課題に対処しなければなりませんでした。学生間での共有や共同作業は、多くの時間と労力を要することもあります。今日の教師や学生たちは、ArcGIS Online を使用してこのような問題を回避することができます。ArcGIS のパワフルな機能を通じて無限のオープンデータ リソースを使用して独自のデータを充実させたり、データの解析、共有、共同作業を促進することが可能になります。さらに、モバイル デバイス向けのデータ収集アプリが普及したことで、学生たちは教室から出て、現実世界の調査エリアでも GIS を使用できるようになります。

GIS は、他の教育ツールではできない方法で、学生たちの関与を促進します。学生たちは、GIS を使用して自分たちのコミュニティの問題点を解決し、個人的に関心がある問題にも直面するパワーを得ることができます。GIS を使用すると、学生たちは自らが調査員として学習することができます。疑問点に関連するデータを収集、評価、解析を行う中で、学生たちは GIS ワークフローを通じてその情報を処理し、データ主導型の結論を見出すことができます。ある教師は「地図を作った学生は、学習した生徒」だと言いましたが、まさにそのとおりです。

2002 年に、新しい学習モデルを促進することを目的として官民が協力して設立した Partnership for 21st Century Skills は「大半の学生たちが学校で得る知識やスキルと、21 世紀の一般的なコミュニティや職場で必要となる知識やスキルには、いまだ大きなギャップがある」と主張しています。カリキュラム全体で最先端の技術 (特に GIS) を統合することは、そこにあるギャップを埋める重要な橋渡しとなります。

私なりの意見を 3 つ述べさせていただきます。まず、学生に注意を向けましょう。新しいソフトウェアや新しいカリキュラムに対する学習者の反応をしっかりと観察し、理解する姿勢を持とうとしなくてはなりません。現在の学生たちのコミュニティは、まったく新しい期待感とスキルを持っていることを忘れないでください。『地理情報を活用するための 10 個の素晴らしいアイデア』を初めて紹介したとき、何人かの学生は 20 分のうちに、オンライン マッピングのラップトップ画面はそのままにして、携帯電話でこの冊子の PDF 版を開いてました。私たちは顔を見合わせて「果たしてうまくいくのでしょうか」と思ったものです。もちろんうまくいきました。その 5 分後には、他のほとんどの生徒たちも同じことをやっていました。次に、学生たちの知識を有効利用しましょう。彼らはモバイル デバイスやアプリのスキルがあるため、手順書を作成しておく必要はありません。最後に、最も重要な点ですが、学生たちに自分たちの質問をさせましょう。

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ドローン ミッションのチェックリスト


連邦航空局 (FAA) の統計によると、2016 年 3 月現在、米国の UAV (ドローン) パイロットの数はすでに 400,000 人を越えているそうです。世界的に見ると 100 万人を越えるでしょう。ドローン愛好家であれプロであれ、素晴らしい時代であることは間違いありませんが、国内でドローン飛行を行う際には、規則を理解しておく必要があります。他の国々でも、それぞれの規則が定められています (定められていない可能性もあります)。ミッションを遂行する前に、地域の航空当局に必ず確認してください。次に、一般ユーザーと民間向け小型ドローン業界のリーダーである 3DR が作成したリストの一部をご紹介します。

  • 自宅を出る前に、コントローラー、ドローン、モバイル デバイスが完全に充電されていて、すぐに使用できる状態であることを確認します。GoPro® を使用する場合は、GoPro のバッテリーが充電されていることも確認してください。
  • 現場では、ドローンを飛ばす場所に人がいないことを確認します。ベテランのパイロットであれ初心者であれ、人がいる場所では飛ばさないでください。予期しない飛行障害は、いつ起こるかわかりません。自分自身や他人の安全を守るようにしましょう。
  • 小型ドローン (3DR Solo など) は悪天候に対応できるよう設計されていません。強風、雪、雨など荒れ模様の場合は、天候が回復するまで待ちましょう。
  • 空港から 5 マイル以上離れた場所で飛ばしてください。
  • 混雑している Wi-Fi 環境から離れましょう。Wi-Fi ネットワークが多数存在する場所にいると、ドローンへの無線接続が不安定になることがあります。また、電柱や携帯電話の基地局などの背の高い物により干渉が発生することもあるため、それらの物からは離れましょう。
  • 滑らかに離陸させるには、平坦で安定した場所を選んでください。離着陸の場所から半径 20 フィート以内に何もないことを確認してください。
Know Before You Fly は、無人航空機システム (UAS) の安全性に関与する 2 つの主要組織 (Association for Unmanned Vehicle Systems International (AUVSI) と Academy of Model Aeronautics (AMA)) によって設立されました。FAA はその設立メンバーと連携し、安全かつ責任ある飛行に関する普及活動を行っています。

Learn ArcGIS のレッスン

Drone2Map の基本操作


このレッスンでは、ドイツのヴェルト湖と同じ自治体にある Etterschlag のオフィス ビスに対し、ひと通りの検査およびマッピング ミッションを実施します。Drone2Map のトライアル版とサンプル データをダウンロードし、ソフトウェアを使用してドローンから送られてくるデータを処理します。2D 出力と 3D 出力を作成するためのパラメーターを設定します。オルソモザイク、3D メッシュ、デジタル サーフェス モデルに加え、特殊な共有ドキュメントである 3D PDF などです。最後に、ArcGIS Online でデータをタイル サービスとして公開します。

概説

ドローンを使用すると、規模や地形によりアクセスしにくい、または完全に網羅することが難しい自然物、人工物、土地や領域の画像を手頃な価格で撮影できます。ドローンを使用した、重要なインフラストラクチャの調査は、成長している活用分野の 1 つであり、広大なエリアにまたがる固定資産などの調査能力を向上させています。

このレッスンで習得できるスキル:

  • Drone2Map の使用
  • 3D データの公開

必要なもの:

  • 所要時間: 60 分
  • ArcGIS Online 組織サイトの公開者ロール
レッスンの開始
 
Solo カメラを搭載した、3DR 製クアッドローター ドローンで撮影した高解像度のサンプル データを使用して、2D および 3D GIS データのマップをいくつか作成します。

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The Ultimate Big Data

Managing imagery information is a big data challenge

 

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